以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、工程及び工程の順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
まず、本発明の実施の形態に係る照明器具1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具の構成を示す斜視図である。
本実施の形態に係る照明器具1は、例えば住宅等の天井に設けられた埋込穴に埋込配設される埋込型照明器具であって、例えば下方(廊下や壁等)に向けて光を出射するダウンライトである。
図1に示すように、照明器具1は、電源ユニット10と、電源ユニット10からの給電により点灯する灯具20と、電源ユニット10と灯具20とを接続するコネクタ線200とを備える。
灯具20は、例えば、アルミダイカスト製の枠体21及び本体(基台)22と、灯具20を天井等に取り付けるための取付バネ23と、本体22に固定された光源(不図示)とを備える。
本体22は、ヒートシンクとしても機能し、本実施の形態では放熱フィンが設けられている。光源は、例えば、基板と基板に実装された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)とからなるLED光源(LEDモジュール)であり、例えば照明光として白色光を放出する。なお、灯具20には、その他に、枠体21内に反射板及び透光パネル等が設けられていてもよい。
電源ユニット10は、照明用電源ユニットであって、灯具20を点灯させるための電力を生成して、基板用コネクタ100及びコネクタ線200を介して灯具20に給電する。本実施の形態におけるLED光源は、直流電流によって駆動するので、灯具20には直流電力が供給される。ここで、図1を参照しながら、図2を用いて電源ユニット10の構成について説明する。図2は、実施の形態に係る電源ユニット及びコネクタ線の断面図である。
図2に示すように、電源ユニット10は、回路基板11と、回路基板11を収納するための回路ケース12とを備える。
回路基板11は、所定形状の金属配線が形成されたプリント配線基板であり、回路基板11には、照明用電源回路を構成する複数の回路部品(不図示)が実装されている。これらの回路部品(電子部品)は、半田付けで回路基板11に電気的及び物理的に接続固定されている。なお、回路基板11において、第1の主面は、回路部品が実装される実装面であり、当該実装面とは反対側の第2の主面は、回路部品のリードが半田付けされる半田面である。
回路ケース12は、例えば、金属製の筐体であり、図1及び図2に示すように、回路基板11を支持するケース本体12aと、ケース本体12aに固定された回路基板11を覆うカバー部材12bとを有する。カバー部材12bは、ケース本体12aに固定される。
図1及び図2に示すように、回路基板11の端部には基板用コネクタ100が取り付けられている。基板用コネクタ100には、相手コネクタとしてコネクタ線200が接続されている。本実施の形態において、基板用コネクタ100は、一部が回路ケース12から露出するように回路基板11に固定されている。これにより、回路基板11が回路ケース12で覆われた状態であっても、基板用コネクタ100にコネクタ線200を容易に接続することができる。
基板用コネクタ100とコネクタ線200とは、互いに連結されるコネクタ部材であり、1つのコネクタユニットを構成する。基板用コネクタ100は、回路基板11に取り付けられる第1コネクタであり、コネクタ線200は、基板用コネクタ100に連結される第2コネクタである。
ここで、回路基板11と基板用コネクタ100との接続部分及び基板用コネクタ100とコネクタ線200との接続部分の詳細な構造について、図3を用いて説明する。図3は、実施の形態に係る照明器具における回路基板と基板用コネクタとコネクタ線との接続部分を説明するための図であり、(a)は当該接続部分の斜視図、(b)は当該接続部分の上面図、(c)は当該接続部分の側面図、(d)は(b)のA−A’線における断面図である。なお、図3において、回路ケース12は省略している。
図3に示すように、基板用コネクタ100は、回路基板11の実装面の端部に取り付けられている。また、回路基板11の実装面には、例えば、リードを有する回路部品11aが実装される。回路部品11aのリードは、回路基板11の挿通孔に挿通されており、回路基板11の半田面で半田付けされている。なお、図3には、1つの回路部品11aしか図示されていないが、回路基板11には複数の回路部品11aが実装されている。
基板用コネクタ100にコネクタ線200が連結されることによって、回路基板11に実装された回路部品が基板用コネクタ100を介してコネクタ線200と電気的に接続される。
次に、基板用コネクタ100の詳細な構成について、図3を参照しながら、図4A〜図4Fを用いて説明する。図4A〜図4Fは、実施の形態に係る基板用コネクタの構成を示す図であり、図4Aは後方上方から見たときの斜視図、図4Bは後方下方から見たときの斜視図、図4Cは前方上方から見たときの斜視図、図4Dは前方下方から見たときの斜視図、図4Eは上面図、図4Fは底面図である。
図3及び図4A〜図4Fに示すように、基板用コネクタ100は、絶縁性のコネクタ本体110(第1コネクタ本体)と、導電性の端子120とを有する。
コネクタ本体110は、コネクタ線200との連結部であるとともに回路基板11に固定されるコネクタハウジングである。本実施の形態において、基板用コネクタ100のコネクタ本体110は、めすコネクタである。
コネクタ本体110は、コネクタ線200(相手コネクタ)が差し込まれる差し込み穴111と、回路基板11に嵌め込まれる突出部112と、端子120の一部を挟み込む第1挟み込み部113と、端子120の他の一部を挟み込む第2挟み込み部114とを有する。コネクタ本体110は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂によって構成された樹脂成型品である。なお、コネクタ本体110の材質は樹脂に限るものではなく、樹脂以外の絶縁性材料で構成されていてもよい。
図3(d)に示すように、差し込み穴111は、コネクタ線200のコネクタ本体210を収容する収容部である。差し込み穴111には、コネクタ線200のコネクタ本体210(差し込み部211)が差し込まれ、差し込まれたコネクタ本体210は、差し込み穴111に固定される。
本実施の形態では、コネクタ本体110の一方側に複数の差し込み穴111が形成されている。具体的には、図4Cに示すように、コネクタ本体110には3つの差し込み穴111が同一側に開口するように並設されている。つまり、3つの差し込み穴111は、回路基板11の実装面に平行な方向に沿って並んでいる。
各差し込み穴111は、略有底筒形状であり、底部と4つの側壁とを有する。各差し込み穴111の開口面は、回路基板11の実装面に対して略垂直である。つまり、図3に示すように、各差し込み穴111の開口から底部に向かう方向(すなわち、コネクタ線200が差し込まれる方向)は、回路基板11の実装面に略平行な方向である。
図3(c)、図4A、図4B及び図4Dに示すように、コネクタ本体110の側面には、貫通孔111a(側壁貫通孔)が設けられている。本実施の形態において、貫通孔111aは、複数の差し込み穴111のうちの最端に位置する差し込み穴111の側壁に設けられている。具体的には、貫通孔111aは、アース端子である第1端子121に対応する差し込み穴111の側壁に設けられている。
貫通孔111aは、コネクタ本体110の側部に設けられた第1解除部であって、コネクタ線200(相手コネクタ)との連結状態を解除する機能を有する。また、貫通孔111aは、コネクタ線200との連結状態を維持するための連結維持部としても機能する。
本実施の形態では、図3(c)に示すように、基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結したときに、貫通孔111aには、コネクタ線200の爪部221が係止する。具体的には、貫通孔111aの開口端部に爪部221が引っ掛かるようにして爪部221が貫通孔111aに係止する。
また、図3の(a)及び(c)に示すように、貫通孔111aは、基板用コネクタ100とコネクタ線200とが連結された状態において、コネクタ線200の腕部220によって塞がれる。
次に、基板用コネクタ100の突出部112について説明する。図3及び図4A〜図4Fに示すように、突出部112は、コネクタ本体110の底面に形成されたリブである。図3の(c)及び(d)に示すように、突出部112は、コネクタ本体110の底面から回路基板11に向かって突出するように形成されている。つまり、突出部112の突出方向は、回路基板11の実装面に対して略垂直な方向である。また、図4Fに示すように、本実施の形態において、突出部112の形状は、底面視において、略円形である。具体的には、突出部112は、略円柱形状である。
基板用コネクタ100を回路基板11に固定する際、突出部112は、回路基板11に設けられた貫通孔(基板貫通孔)に圧入される。つまり、突出部112は、回路基板11に圧入される形状である。突出部112を回路基板11の貫通孔に圧入することによって基板用コネクタ100を回路基板11に仮固定することができる。本実施の形態において、突出部112は、回路基板11に設けられた平面視円形の貫通孔に圧入される。
また、図4D及び図4Fに示すように、突出部112の側周面には、突出部112の軸方向に沿って延びる突条の凸部112aが形成されている。本実施の形態において、各突出部112には3つの凸部112aが等間隔に形成されている。凸部112aは、突出部112(コネクタ本体110)の樹脂成型時に形成されるので、樹脂によって構成されている。したがって、突出部112を回路基板11の貫通孔に圧入する際、凸部112aはつぶれるように変形する。なお、突出部112の配置位置については後述する。
次に、基板用コネクタ100の第1挟み込み部113について説明する。図3及び図4Eに示すように、第1挟み込み部113は、端子120の第2端子部を挟み込むように構成されている。具体的には、第1挟み込み部113は、第1端子121の第2端子部121b、第2端子122の第2端子部122b及び第3端子123の第2端子部123bの各々を挟み込むために、第2端子部121b、122b及び123bが挿入される隙間(端子挿入溝)を有する。
次に、基板用コネクタ100の第2挟み込み部114について説明する。図3及び図4Eに示すように、第2挟み込み部114は、端子120の第3端子部を挟み込むように構成されている。具体的には、第2挟み込み部114は、第1端子121の第3端子部121c、第2端子122の第3端子部122c及び第3端子123の第3端子部123cの各々を挟み込むために、第3端子部121c、122c及び123cが挿入される隙間(端子挿入溝)を有する。
次に、基板用コネクタ100の端子120について説明する。図3及び図4A〜図4Fに示すように、端子120は、コネクタ本体110に設けられる。端子120は、例えば金属によって構成された金属端子からなる端子ピン(おす端子)である。端子120は、一方端側がコネクタ本体110の差し込み穴111の底部を貫いて差し込み穴111内に突出し、かつ、他端側が回路基板11に接続されている。
本実施の形態において、端子120は、他端側が回路基板11側に折り曲げられた構造である。また、端子120の他端側(回路基板11側)は、回路基板11を貫いて当該回路基板11に接続されている。具体的に、端子120の他端側は、回路基板11と半田付けされている。端子120を回路基板11と半田付けすることによって、基板用コネクタ100を回路基板11に本固定することができる。
端子120及び差し込み穴111は、一対一で複数設けられている。本実施の形態では、差し込み穴111が3つ設けられているので、端子120も3つ設けられている。具体的には、端子120は、第1端子121と、第2端子122と、第3端子123とからなる。
第1端子121はアース用のアース端子であり、第2端子122及び第3端子123は直流用の直流用端子である。例えば、第2端子122(第1直流用端子)は高圧側の端子であり、第3端子123(第2直流用端子)は低圧側の端子である。
第1端子121は、第1端子部121a、第2端子部121b及び第3端子部121cを有する。同様に、第2端子122は、第1端子部122a、第2端子部122b及び第3端子部122cを有し、第3端子123は、第1端子部123a、第2端子部123b及び第3端子部123cを有する。
各端子120(第1端子121、第2端子122、第3端子123)における第1端子部121a、122a及び123aの各々は、各端子120において、対応する差し込み穴111の底部を貫いて差し込み穴111内に突出する部分である。第1端子部121a、122a及び123aの各々は、長尺状の細板形状であり、回路基板11の実装面に略平行な方向に延設されている。つまり、各端子120が差し込み穴111内に突出する方向は、回路基板11の実装面と略平行である。
また、各端子120(第1端子121、第2端子122、第3端子123)における第2端子部121b、122b及び123bの各々は、各端子120における回路基板11側に折り曲げられた部分であって、回路基板11に接続される部分である。第2端子部121b、122b及び123bの各々は、長尺状の細板形状であり、回路基板11の実装面に略垂直な方向に延設されている。本実施の形態において、第2端子部121b、122b及び123bの各々は、回路基板11に設けられた挿通孔に挿通されており、回路基板11の半田面で半田付けされている。これにより、各端子120は、回路基板11にパターン形成された金属配線と電気的及び物理的に接続されて、回路基板11に実装された回路部品と電気的に接続される。
図3(b)、図4A及び図4Eに示すように、各端子120(第1端子121、第2端子122、第3端子123)における第2端子部121b、122b及び123bの各々は、上面視において、露出している。具体的に、第2端子部121b、122b及び123bの各々の上端部は、第1挟み込み部113によって覆われておらず、上方から視認できる。これにより、電源検査をする際、端子120に対して上方から検査ピン(プローブ)を当てることができるので、電源検査を容易に行うことができる。
図3(d)及び図4Aに示すように、露出する第2端子部121b、122b及び123bの各々は、回路基板11の実装面において、第1挟み込み部113における上面から後退した位置に設けられている。つまり、第1挟み込み部113の上面は、第2端子部121b、122b及び123bの上端部よりも上方の位置、つまり回路基板11の実装面から離れた位置に存在する。これにより、第2端子部121b、122b及び123bよりも第1挟み込み部113の方を回路部品11aに近づけることができるので、回路部品11aのリードと端子120との間の絶縁距離を確保することができ、また、回路部品11aが傾いて実装された場合でも、回路部品11aが端子120に接触することを防止できる。
図4Aに示すように、各端子120(第1端子121、第2端子122、第3端子123)における第2端子部121b、122b及び123bの各々は、側面視においても露出している。具体的に、第2端子部121b、122b及び123bの各々の側端部は、第1挟み込み部113によって覆われておらず、側方から視認できる。
図3(d)、図4A及び図4Eに示すように、第2端子部121b、122b及び123bの各々は、さらに、第1挟み込み部113における回路部品側に面する側面113aから後退した位置に設けられている。つまり、第1挟み込み部113の側面113aは、第2端子部121b、122b及び123bの回路部品実装領域側の側端部よりも、回路部品実装領域に近い位置に存在する。これにより、回路部品11aのリードと端子120との間の絶縁距離をさらに確保することができるので、回路部品11aと端子120との間の絶縁性を一層向上させることができる。なお、側面113aは、第1挟み込み部113の回路部品実装領域側の側面であり、回路基板11の実装面に対して略垂直な面である。
また、図3(d)及び図4Aに示すように、各端子120(第1端子121、第2端子122、第3端子123)における第3端子部121c、122c及び123cの各々は、各端子120における回路基板11側に折り曲げられた部分であって、各第1端子部121a、122a及び123aに接続される部分である。第3端子部121c、122c及び123cの各々は、L字状の細板形状であり、第1端子部121a、122a及び123aの各々と第3端子部121c、122c及び123cの各々とを連結している。
図3(d)及び図4Eに示すように、本実施の形態において、第3端子部121c、122c及び123cの各々における回路部品側の側端は、第2挟み込み部114における回路部品側に面する側面114aと面一である。側面114aは、回路基板11の実装面に対して略垂直な面である。これにより、各端子120における第3端子部121c、122c及び123cに押圧を付与して各端子120をコネクタ本体110に差し込んで固定する際、各端子120をコネクタ本体110に容易に固定することができる。なお、第3端子部121c、122c及び123cの各々は、側面視において露出している。
次に、基板用コネクタ100の突出部112の配置について説明する。図3及び図4A〜図4Fに示すように、本実施の形態における基板用コネクタ100では、端子120が差し込み穴111内に突出する方向を端子120の軸(端子軸)とした場合に、突出部112は、平面視(底面視)において、端子120の軸と重なる位置に設けられている。これにより、基板用コネクタ100に対するコネクタ線200の挿抜時に、端子120における回路基板11との接続部(半田部)に負荷がかかることを軽減することができる。
また、突出部112を設けることによって、端子120だけではなく突出部112によっても基板用コネクタ100と回路基板11とが接続される。これにより、基板用コネクタ100を回路基板11に自動実装する際、基板用コネクタ100を回路基板11に安定して自動実装することができる。
本実施の形態において、突出部112は複数設けられている。具体的には、図4Fに示すように、コネクタ本体110は、第1端子121の軸と重なる位置に設けられた突出部112(第1突出部)と、第3端子123の軸と重なる位置に設けられた突出部112(第2突出部)とを有する。
各突出部112は、平面視において、差し込み穴111と重なる位置に設けられている。つまり、各突出部112は、差し込み穴111におけるコネクタ線200の基板用コネクタ100との接触部分よりもコネクタ本体110の内側に設けられている。これにより、コネクタ線200の挿抜時における端子120と回路基板11との接続部への負荷を効果的に軽減することができる。
また、突出部112は、平面視において、複数の差し込み穴111に対して線対称に設けられている。本実施の形態では、2つの突出部112が、3つの差し込み穴111の真ん中の差し込み穴111を中心に線対称に設けられている。これにより、突出部112への負荷を均等に分散させることができるので、コネクタ線200の挿抜時における端子120と回路基板11との接続部への負荷を均等に分散させることができる。
また、突出部112は、回路基板11を貫いている。この場合、突出部112の回路基板11を貫いた部分の高さが第2端子部の前記回路基板を貫いた部分の高さよりも小さくなるように突出部112の長さ(コネクタ本体110の底面からの高さ)を調整するとよい。これにより、半田槽に流して端子120を回路基板11に半田接続する際、熱による突出部112の変形を緩和することができる。
次に、コネクタ線200の詳細な構成について、図3を参照しながら、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5A及び図5Bは、実施の形態に係るコネクタ線の要部拡大図であり、図5Aは斜視図、図5Bは上面図である。
図3、図5A及び図5Bに示すように、コネクタ線200は、基板用コネクタ100の相手コネクタの一例であって、基板用コネクタ100に連結される。コネクタ線200は、絶縁性のコネクタ本体210(第2コネクタ本体)と、コネクタ本体210に設けられた腕部220と、リード線230とを有する。
コネクタ本体210は、基板用コネクタ100との連結部である。本実施の形態において、コネクタ線200のコネクタ本体210は、おすコネクタであり、樹脂によって構成された樹脂成型品である。コネクタ線200のコネクタ本体210は、基板用コネクタ100のコネクタ本体110よりも機械的強度に優れた材料で構成するとよいので、本実施の形態では、コネクタ本体210は、ポリカーボネートによって構成されている。なお、コネクタ本体210の材質は、ポリカーボネート以外の樹脂であってもよく、また、樹脂以外の絶縁性材料であってもよい。
図3に示すように、コネクタ本体210は、基板用コネクタ100の差し込み穴111に差し込まれる差し込み部211を有する。基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結する際、差し込み部211は、差し込み穴111に差し込まれる。具体的には、差し込み部211は、差し込み穴111に差し込み挿入して差し込み穴111に嵌め込まれて固定される。
コネクタ線200の差し込み部211が基板用コネクタ100の差し込み穴111に差し込まれることによって、基板用コネクタ100とコネクタ線200とが電気的及び物理的に接続される。具体的には、差し込み部211の内部にはリード線230に接続された導電部(例えばめす端子)が形成されている。これにより、差し込み部211が差し込み穴111に差し込まれることによって、差し込み穴111内に突出する端子120と差し込み部211の導電部とが接触し、基板用コネクタ100とコネクタ線200とが電気的に接続される。なお、端子120は、差し込み部211の先端に設けられた端子挿入穴から差し込み部211内に挿入される。
差し込み部211及び差し込み穴111は、一対一で設けられている。本実施の形態において、基板用コネクタ100には3つの差し込み穴111が形成されているので、差し込み部211も3つ形成されている。3つの差し込み部211は、互いに隙間をあけて横に並ぶように設けられている。つまり、3つの差し込み部211は、回路基板11の実装面に平行な方向に沿って並んでいる。
図5A及び図5Bに示すように、本実施の形態におけるコネクタ本体210は、さらに、突起部212を有する。突起部212は、コネクタ線200の差し込み方向と交差する方向に突出するようにコネクタ本体210に設けられている。具体的には、突起部212は、コネクタ本体210のリード線230側の端部において、コネクタ本体210の側面に設けられている。突起部212を設けることによって、コネクタ本体210の後端部を幅広にできるので、コネクタ線200を基板用コネクタ100に容易に押し込み挿入することができる。
腕部220は、図5A及び図5Bに示すように、片持ち構造であり、一方端がコネクタ本体210に接続された接続端であり、他方端がどこにも接続されていない開放端である。本実施の形態において、腕部220は、コネクタ本体210の側面と離間するように、コネクタ本体210から当該コネクタ本体210の側面に沿って延設されている。具体的には、腕部220は、最端に位置する差し込み部211の先端部の側面に接続されており、リード線230側に向かって延設されている。
腕部220は、コネクタ本体210(差し込み部211)との接続部(根元)を支点にバネ変形する。つまり、腕部220は、当該腕部220に応力を付与することによってコネクタ本体210に近づく方向、つまり、腕部220とコネクタ本体210(差し込み部211)との隙間が狭くなる方向に弾性変形する。その後、当該応力の付与を解除することによって、バネ復元力によって、腕部220は元の位置に戻る。
腕部220は、コネクタ本体210の側部に設けられた第2解除部であって、基板用コネクタ100との連結状態を解除する機能を有する。また、腕部220は、基板用コネクタ100との連結状態を維持するための連結維持部としても機能する。
本実施の形態において、腕部220には、爪部221とつまみ部222とが設けられている。
爪部221は、腕部220の中央部に形成されており、図3に示すように、基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結したときに、基板用コネクタ100の差し込み穴111に設けられた貫通孔111aに係止する。爪部221は、貫通孔111aの開口端部に引っ掛かる形状となっている。
つまみ部222は、図5A及び図5Bに示すように、腕部220に応力を付与するための部分であり、腕部220の開放端側の端部に形成されている。つまみ部222は、例えばユーザの指が当接する部分であり、つまみ部222とコネクタ本体210とをつまむことによって、腕部220をバネ変形させることができる。
なお、腕部220は、爪部221と貫通孔111aとが係止されたときに、貫通孔111aを塞ぐような形状になっている。
また、図3(b)に示すように、本実施の形態において、第2解除部である腕部220の一部は、基板用コネクタ100のコネクタ本体110におけるコネクタ線200側の端部(後端部)から飛び出した位置に存在する。具体的には、基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結したときに、つまみ部222が基板用コネクタ100(コネクタ本体110)におけるコネクタ線200側の端部から飛び出した位置に存在している。
リード線230は、金属等の導電性材料からなる芯線と、当該芯線を被覆する絶縁性の樹脂被膜とからなる。絶縁被膜は、例えば樹脂材料からなる樹脂被膜である。
本実施の形態では、差し込み部211の数に合わせて、3本のリード線230が設けられている。具体的には、アース用のリード線230(アース線)と、直流電力の高圧側電力を供給するためのリード線230(高圧側電力供給線)と、直流電力の低圧側電力を供給するためのリード線230(低圧側電力供給線)とからなる。
各リード線230は、上述のとおり、対応する差し込み部211の導電部と電気的に接続されている。
このように構成されるコネクタ線200は、図6に示すようにして基板用コネクタ100に連結される。図6は、実施の形態に係る基板用コネクタとコネクタ線とを連結する方法を説明するための斜視図である。
図6に示すように、基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結する際、基板用コネクタ100の差し込み穴111にコネクタ線200の差し込み部211を差し込む。
このとき、基板用コネクタ100の差し込み穴111の設けられた貫通孔111aにコネクタ線200の腕部220の爪部221が係止するまで、基板用コネクタ100の差し込み穴111にコネクタ線200の差し込み部211を押し込む。
この際、貫通孔111aに爪部221が係止するまでの間、コネクタ線200の腕部220は、押圧を受けてバネ変形する。例えば、ユーザがコネクタ本体210を持ってコネクタ線200の差し込み部211を基板用コネクタ100の差し込み穴111に差し込む場合、差し込み穴111の側壁から受ける押圧によって腕部220をバネ変形させることができる。この場合、コネクタ本体210には突起部212が設けられているので、ユーザは突起部212を掴んでコネクタ線200を基板用コネクタ100に容易に差し込むことができる。
なお、突起部212を持つのではなく、ユーザがつまみ部222とコネクタ本体210とをつまんで挟むことによって腕部220をバネ変形させてもよい。
その後、さらに差し込み部211を差し込み穴111に挿入すると、腕部220の爪部221が貫通孔111aの開口端部に到達する。このとき、腕部220が差し込み穴111から受ける押圧が解除されることによって、腕部220はバネ復元力によって外方に広がって元の状態に戻ろうとする。これにより、爪部221が貫通孔111aに引っ掛かって係止し、腕部220は差し込み穴111の側壁によって付勢された状態となる。
このように爪部221が貫通孔111aに係止されることによって、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態が維持される。
一方、爪部221が貫通孔111aから外されることによって、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態を解除することができる。
具体的には、ユーザがつまみ部222とコネクタ本体210とをつまむんで、腕部220とコネクタ本体210とが近づくように腕部220をバネ変形させることで、爪部221を貫通孔111aから外す。
そして、この状態で、差し込み穴111から差し込み部211(コネクタ本体210)を引き抜く。これにより、基板用コネクタ100からコネクタ線200を取り外すことができるので、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態を解除することができる。
以上、本実施の形態に係るコネクタユニット(基板用コネクタ100、コネクタ線200)によれば、基板用コネクタ100におけるコネクタ線200との連結状態を解除するための第1解除部がコネクタ本体110の側部に設けられており、また、コネクタ線200における基板用コネクタ100との連結状態を解除するための第2解除部がコネクタ本体210の側部に設けられている。つまり、基板用コネクタ100及びコネクタ線200の各々の解除部がコネクタ本体の側部に設けられている。
これにより、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態を解除する解除機構を有しながらも、コネクタユニット全体の高さを低く抑えることができる。したがって、電源ユニット10及び照明器具1等、コネクタユニットを備える電子機器の薄型化を図ることができる。
また、本実施の形態に係るコネクタユニットにおいて、コネクタ線200の第2解除部の一部が、基板用コネクタ100(コネクタ本体110)におけるコネクタ線200側の端部から飛び出した位置に存在する。
これにより、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態を容易に解除することができる。
また、本実施の形態に係るコネクタユニットにおいて、基板用コネクタ100の第1解除部は、差し込み穴111の側壁に設けられた貫通孔111aであり、コネクタ線200の第2解除部は、貫通孔111aに係止する爪部221を有する腕部220である。
この場合、爪部221が貫通孔111aに係止することで基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態が維持され、爪部221が貫通孔111aから外されることで基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態が解除される。
このように、第1解除部を差し込み穴111の側壁に設けた貫通孔111aとし、第2解除部を爪部221を有する腕部220とすることによって、基板用コネクタ100とコネクタ線200との連結状態を解除する解除機構を容易に実現することができる。また、貫通孔111aを差し込み穴111の側壁(側面)に形成することによって、コネクタ本体110の成型時の金型にスライド構造が不要になるので金型費用を低く抑えることができる。しかも、第1解除部を貫通孔111aにすることで、コネクタ本体110の材料費を低減することもできる。
また、本実施の形態に係るコネクタユニットにおいて、基板用コネクタ100における差し込み穴111の貫通孔111aが、基板用コネクタ100とコネクタ線200とが連結した状態において、コネクタ線200の腕部220によって塞がれる。
これにより、基板用コネクタ100とコネクタ線200とを連結したときに、貫通孔111aが設けられた差し込み穴111内の端子120(第1端子部)が露出しなくなるので、解除機構を有しながらも、二重絶縁構造を実現することができる。したがって、解除性及び安全性に優れたコネクタユニットを実現できる。
また、本実施の形態に係るコネクタユニットにおいて、第1解除部である貫通孔111aは、アース端子である第1端子121に対応する差し込み穴111に設けられている。
これにより、貫通孔111aから導通状態の端子120(第1端子部)が露出しているような場合でも安全である。なお、貫通孔111aから露出する端子120が電源ユニット10の一次側端子(直流用端子)である場合、貫通孔111aから導通状態の端子120が露出していても安全面ではあまり問題にはならないが、貫通孔111aから露出する端子120が電源ユニット10の二次側端子(交流用端子)である場合、貫通孔111aから導通状態の端子120が露出していると安全性に欠けることになる。
(変形例)
以上、本発明について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態において、突出部112は、2つ設けたが、1つのみ設けてもよいし、3つ以上設けてもよい。
また、上記実施の形態では、灯具20に直流電力を供給するために、基板用コネクタ100における3つの端子120は、1つのアース端子と2つの直流用端子とし、かつ、コネクタ線200におけるリード線230は1本のアース線と2本の直流用給電線としたが、これに限らない。例えば、灯具20に交流電力を供給する場合等は、基板用コネクタ100における3つの端子120を、1つのアース端子と2つの交流用端子(第1交流用端子、第2交流用端子)とし、かつ、コネクタ線200におけるリード線230を、1本のアース線と2本の交流用給電線としてもよい。
また、上記実施の形態において、端子120が回路基板11側に折り曲げられた構造を有しており、差し込み穴111の開口が側方を向くように構成されていたが、これに限らない。例えば、端子120が回路基板11側に折り曲げられておらず、差し込み穴111の開口が上方を向くように構成されていてもよい。
また、上記実施の形態における照明器具1には、商用電源からの交流電力を電源ユニット10に中継するための端子台が別途設けられていてもよい。なお、端子台は、電源ユニット10と別体ではなく、電源ユニット10に内蔵されていてもよい。
また、上記実施の形態において、基板用コネクタ100及びコネクタ線200のコネクタユニットは、電源ユニット10と灯具20とを接続しており、電源ユニット10の2次側に設けられているが、これに限らない。例えば、基板用コネクタ100及びコネクタ線200のコネクタユニットは、電源ユニット10と商用電源側の部材とを接続するように構成してもよい。つまり、基板用コネクタ100及びコネクタ線200のコネクタユニットは、電源ユニット10の1次側に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、照明器具1における灯具20の光源としては、LED光源を用いたが、これに限らない。例えば、灯具20の光源としては、HID(High Intensity Discharge Lamp)ランプ、蛍光ランプ又はフィラメントランプ等の既存ランプ、あるいは、有機EL(Electro Luminescence)等のLED以外の固体発光素子を用いた光源であってもよい。この場合、電源ユニット10の照明用電源回路は、光源の種類に応じて設計されていればよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。