JP2016081617A - 正極活物質層および全固体リチウム電池 - Google Patents

正極活物質層および全固体リチウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、充填率が高い正極活物質層を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、全固体リチウム電池に用いられる正極活物質層であって、酸化物活物質である正極活物質と、硫化物固体電解質材料と、MxOy(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される無機固体材料とを含有し、上記正極活物質、上記硫化物固体電解質材料、上記無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとした場合に、12.5≦A/B、および、57≦B/C≦67を満たし、上記無機固体材料の含有量が、0.05重量%〜0.2重量%の範囲内であることを特徴とする正極活物質層を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図2

Description

本発明は、充填率が高い正極活物質層に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
特許文献1には、電極活物質を含む複数の第1粒子と、固体電解質を含む複数の第2粒子とが混合されてなる電極合材層を備え、第2粒子の平均粒径が第1粒子の平均粒径よりも小さいリチウム電池用電極体が開示されている。この技術は、第2粒子の平均粒径が第1粒子の平均粒径よりも小さくすることで、電極活物質と固体電解質との接触面積を大きくする技術である。また、第2粒子が平均粒径100nm以下の絶縁物粒子(例えば、TiO、Al)を含むことが記載されている。また、絶縁物粒子を添加することにより、活物質の単位重量あたりのイオン伝導度を向上させることが記載されている。
特許文献2には、粒度分布において分布量のピークが2つ以上ある正極活物質を有するリチウム電池が開示されている。この技術は、上記ピークが2つ以上ある正極活物質を用いることで、正極層における正極活物質の充填率を向上させる技術である。また、固体電解質粒子の一例としてAlが記載されている。
特許文献3には、第一の固体電解質粒子および第二の固体電解質粒子を含有する固体電解質層を備え、第二の固体電解質粒子の平均粒径Cが第一の固体電解質粒子の平均粒径Bよりも小さい全固体電池が開示されている。この技術は、イオン伝導抵抗が低く、高充填率の固体電解質層を得る技術である。
特許文献4には、高分子固体電解質を備える全固体型電池であって、正極活物質粒子の表面の少なくとも一部に無機酸化物(例えばAl)を付着させることが開示されている。この技術は、高電圧下での高分子固体電解質の酸化分解を抑制する技術である。
特開2011−065982号公報 特開2009−076402号公報 特開2013−157084号公報 特開2006−155979号公報
体積当たりのエネルギー密度向上のために、正極活物質層の充填率の向上が求められている。通常、厚さ方向のプレスを行うことにより、充填率の向上を図ることができる。しかしながら、正極活物質層が、塑性変形しやすい材料である硫化物固体電解質材料を含有する場合、プレスのみでは充填率の向上(空隙率の低減)に限界がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、充填率が高い正極活物質層を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者等が鋭意研究を重ねた結果、正極活物質層の充填率は、硫化物固体電解質材料の塑性変形量、および、正極活物質層に含まれる粒子の配置によって変化するとの知見を得た。硫化物固体電解質材料の塑性変形量については、材料の特性を考慮し、プレス条件を最適化することで制御可能である。一方、粒子の配置については、プレス条件の変更だけでは、充分に制御することは困難である。そこで、粒子の配置について検討を重ねた結果、硫化物固体電解質材料よりも十分に小さい酸化物(無機固体材料)を僅かに添加することで、正極活物質層の充填率が向上することを見出した。このようにして、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明においては、全固体リチウム電池に用いられる正極活物質層であって、酸化物活物質である正極活物質と、硫化物固体電解質材料と、M(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される無機固体材料とを含有し、上記正極活物質、上記硫化物固体電解質材料、上記無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとした場合に、12.5≦A/B、および、57≦B/C≦67を満たし、上記無機固体材料の含有量が、0.05重量%〜0.2重量%の範囲内であることを特徴とする正極活物質層を提供する。
本発明によれば、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の平均粒径が特定の関係にあり、さらに、無機固体材料の含有量が特定の範囲内にあることで、充填率が高い正極活物質層とすることができる。
上記発明においては、上記無機固体材料が、SiO、TiOおよびAlの少なくとも一種であることが好ましい。
上記発明においては、上記正極活物質および上記硫化物固体電解質材料の合計に対する上記正極活物質の割合が、80体積%〜85体積%の範囲内であることが好ましい。
上記発明においては、上記硫化物固体電解質材料の表面を覆う上記無機固体材料の割合が、9.7%〜39%の範囲内であることが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質層と、負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、上記正極活物質層が、上述した正極活物質層であることを特徴とする全固体リチウム電池を提供する。
本発明によれば、上述した正極活物質層を用いることで、放電比容量の高い全固体リチウム電池とすることができる。
本発明の正極活物質層は、充填率が高いという効果を奏する。
本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜4および比較例1〜6における正極活物質層の充填率である。 実施例3、5、6および比較例6における正極活物質層の充填率である。
以下、本発明の正極活物質層および全固体リチウム電池について、詳細に説明する。
A.正極活物質層
本発明の正極活物質層は、全固体リチウム電池に用いられる正極活物質層であって、酸化物活物質である正極活物質と、硫化物固体電解質材料と、M(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される無機固体材料とを含有し、上記正極活物質、上記硫化物固体電解質材料、上記無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとした場合に、12.5≦A/B、および、57≦B/C≦67を満たし、上記無機固体材料の含有量が、0.05重量%〜0.2重量%の範囲内であることを特徴とする。
本発明によれば、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の平均粒径が特定の関係にあり、さらに、無機固体材料の含有量が特定の範囲内にあることで、充填率が高い正極活物質層とすることができる。充填率が向上することで、放電比容量や機械的強度が向上する。
ここで、上記のように、正極活物質層の充填率は、硫化物固体電解質材料の塑性変形量、および、正極活物質層に含まれる粒子の配置によって変化する。中でも、粒子の配置については、プレス条件の変更だけでは、充分に制御することは困難である。その理由は以下の通りである。
まず、酸化物活物質の粒子(活物質粒子)は、ほとんど塑性変形しない。そのため、ミクロな視点では、活物質粒子が凝集している場合、粒子同士が密着せず粒子間に空隙が生じると考えられる。一方、マクロな視点では、例えば、正極活物質層の厚さ方向に沿って活物質粒子が並んだ場合、粒子が柱状に配置されるため、プレス圧が正極活物質層の内部に均一に伝わらず、空隙が生じると考えられる。特に、高エネルギー密度化のためには、活物質の割合を多くする必要があることから、マクロな視点に基づく弊害が大きくなる。このように、塑性変形しにくい活物質粒子を用いた場合、プレス条件の変更だけでは、粒子の配置を充分に制御することは困難であると考えられる。
次に、硫化物固体電解質材料の粒子(電解質粒子)を塑性変形させるためには、電解質粒子の周囲に塑性変形しにくい材料を配置することが好ましい。電解質粒子の周囲には、通常、塑性変形しにくい活物質粒子が存在するため、電解質粒子の多くは塑性変形する。一方、電解質粒子同士が接触する部分には、プレス圧が均一に伝わらず、空隙が生じると考えられる。このように、酸化物活物質および硫化物固体電解質材料を組み合わせても、プレス条件の変更だけでは、粒子の配置を充分に制御することは困難であると考えられる。
これに対して、本発明においては、硫化物固体電解質材料よりも十分に小さい無機固体材料の粒子(無機固体粒子)を僅かに添加することで、正極活物質層の充填率が向上することを見出した。これは、無機固体粒子の添加により、合材混合時における電解質粒子の流動性が向上したためであると推測される。
本発明においては、活物質粒子と、それよりも小さい電解質粒子とを用いることで、合材混合時における活物質粒子の流動性が向上すると考えられる。合材混合時に、大きい粒子(活物質粒子)の周囲に小さい粒子(電解質粒子)が引き付けられ、大きい粒子同士の間に小さい粒子が配置することで、大きい粒子の凝集を抑制でき、結果として、大きい粒子の流動性が向上すると考えられる。この効果は、酸化物活物質および硫化物固体電解質材料を組み合わせた場合に得られる効果である。
一方、上記のように、酸化物活物質および硫化物固体電解質材料を組み合わせても、電解質粒子同士が接触する部分には、プレス圧が均一に伝わらず、空隙が生じると考えられる。本発明においては、電解質粒子と、それよりも小さい無機固体粒子とを用いることで、上記と同様に、合材混合時における電解質粒子の流動性が向上する。そのため、電解質粒子同士が接触する部分(特に電解質粒子同士が凝集する部分)が減り、プレス圧が均一に伝わることで、空隙が生じることを抑制できる。
また、充填率が高い正極活物質層を得るためには、塑性変形しにくい活物質粒子、塑性変形しやすい電解質粒子、および塑性変形しにくい無機固体粒子という硬さの関係も重要である。すなわち、活物質粒子と、活物質粒子よりも柔らかい電解質粒子と、電解質粒子よりも硬い無機固体粒子とを組み合わせることが重要となる。硬さは、例えば、ビッカース硬度により判断することができる。
本発明においては、プレス圧が加わった際に、正極活物質層に分散した硬い無機固体粒子に力が加わる。各々の無機固体粒子に加わった力は正極活物質層の内部で電解質粒子に伝わり、柔らかい電解質粒子は無機固体粒子を起点として塑性変形する。これにより電解質粒子が塑性変形しやすくなり、空隙が生じることを抑制できる。
また、特許文献1には、固体電解質を含む第2粒子の平均粒径が、電極活物質を含む第1粒子の平均粒径よりも小さく、第2粒子が平均粒径100nm以下の絶縁物粒子(例えば、TiO、Al)を含むことが記載されている。しかしながら、固体電解質および絶縁物粒子の平均粒径は同程度である。この場合、後述する比較例4、5に記載するように、充填率向上の効果は得られない。また、特許文献1は、粒子の流動性および硬さを考慮した本発明とは思想が異なる。同様に、特許文献2には異なる平均粒径を有する活物質粒子が記載され、特許文献3には異なる平均粒径を有する固体電解質粒子が記載されているが、いずれも、粒子の流動性および硬さを考慮した本発明とは思想が異なる。
以下、本発明の正極活物質層について、さらに詳細に説明する。
1.正極活物質
本発明における正極活物質は、通常、酸化物活物質である。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質等を挙げることができる。また、LiFeSiO、LiMnSiOを正極活物質として用いても良い。
正極活物質の表面は、コート層で被覆されていても良い。正極活物質と硫化物固体電解質材料との反応を抑制できるからである。コート層の材料としては、例えば、LiNbO、LiPO、LiPON等のLiイオン伝導性酸化物を挙げることができる。コート層の平均厚さは、例えば1nm〜20nmの範囲内であることが好ましく、1nm〜10nmの範囲内であることがより好ましい。
2.硫化物固体電解質材料
本発明における硫化物固体電解質材料は、通常、アニオン元素として硫黄元素を主体として有する。そのため、正極活物質(酸化物活物質)よりも柔らかい材料である。硫化物固体電解質材料としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiCl、LiS−P−LiBr、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数。Zは、Ge、Zn、Gaのいずれか。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数。Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれか。)、Li10GeP12等を挙げることができる。また、硫化物固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。
硫化物固体電解質材料は、Li元素、P元素およびS元素を有するイオン伝導体を有することが好ましい。上記イオン伝導体は、通常、Liカチオンと、PおよびSを含むアニオン構造とから構成される。中でも、上記イオン伝導体は、PS 3−構造をアニオン構造の主体(50mol%以上)として含有することが好ましい。中でも、PS 3−構造の割合は、イオン伝導体の全アニオン構造に対して、70mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。なお、PS 3−構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
また、硫化物固体電解質材料は、上記イオン伝導体を主体として有することが好ましい。硫化物固体電解質材料における上記イオン伝導体の割合は、65mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、75mol%以上であることがさらに好ましい。また、硫化物固体電解質材料は上記イオン伝導体のみから構成されていても良く、他の成分を含有していても良い。他の成分としては、例えば、LiIを挙げることができる。
LiIの割合は、例えば5mol%以上であり、20mol%以上であることが好ましい。一方、LiIの割合は、例えば35mol%以下であり、30mol%以下であることが好ましい。特に、硫化物固体電解質材料は、xLiI・(100−x)(yLiS・(1−y)P)(20≦x≦30、0.7≦y≦0.8)の組成を有することが好ましい。なお、yは、0.72以上であることが好ましく、0.74以上であることがより好ましい。また、yは、0.78以下であることが好ましく、0.76以下であることがより好ましい。
硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温(25℃)におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
3.無機固体材料
本発明における無機固体材料は、M(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される酸化物である。そのため、硫化物固体電解質材料よりも硬い材料である。また、無機固体材料は、絶縁性材料であることが好ましい。硫化物固体電解質材料との反応を抑制できるからである。Mとしては、例えば、Si、Al、Tiの少なくとも一種を挙げることができる。Mは一種であっても良く、二種以上であっても良い。Mにおけるxおよびyは、自然界に存在し得る酸化物が得られる値であれば特に限定されるものではない。通常は、電気的中性の観点から、Mの価数およびxの値に対応して、yの値が決定される。無機固体材料としては、例えば、SiO、Al、TiOの少なくとも一種を挙げることができる。また、無機固体材料は、活物質として機能しない材料であることが好ましい。硫化物固体電解質材料と反応し、硫化物固体電解質材料が劣化することを抑制できるからである。
4.正極活物質層
本発明の正極活物質層は、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料を含有する。これらの材料は、均一に分散していることが好ましい。ここで、正極活物質、硫化物固体電解質材料、無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとする。平均粒径とは、粒度分布におけるD50をいう。なお、粒度分布とは、どのような大きさ(粒径)の粒子が、どのような割合(全体を100%とする相対分布量)で含まれるかを示す指標である。市販の材料は、通常、分布量のピークが1つのみ存在する。また、例えばボールミル等で粉砕を行うことで粒径を調整した粒子の粒度分布も、概ね正規分布に従い、分布量のピークも1つのみ存在する。
正極活物質の平均粒径Aは、硫化物固体電解質材料の平均粒径Bよりも大きい。A/Bの値は、通常、12.5以上であり、15以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましい。一方、A/Bの値は、例えば、2000以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。正極活物質の平均粒径Aは、特に限定されるものではないが、例えば、0.05μm〜50μmの範囲内であり、0.1μm〜20μmの範囲内であることが好ましい。硫化物固体電解質材料の平均粒径Bは、特に限定されるものではないが、例えば、0.01μm〜10μmの範囲内であり、0.05μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
硫化物固体電解質材料の平均粒径Bは、無機固体材料の平均粒径Cよりも大きい。B/Cの値は、通常、57以上である。一方、B/Cの値は、通常、67以下である。B/Cの値が特定の範囲内にあることで、硫化物固体電解質材料の流動性が向上する。無機固体材料の平均粒径Cは、特に限定されるものではないが、例えば、1nm〜1000nmの範囲内であり、5nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。
正極活物質層に含まれる無機固体材料の含有量は、通常、0.05重量%以上である。一方、無機固体材料の含有量は、通常、0.2重量%以下である。また、正極活物質層に含まれる正極活物質および硫化物固体電解質材料の合計の含有量は、例えば80重量%以上であることが好ましく、90重量%以上であることがより好ましく、95重量%以上であることがさらに好ましい。
正極活物質および硫化物固体電解質材料の合計に対する正極活物質の割合は、より高いことが好ましい。高容量化を図ることができるからである。正極活物質の割合は、例えば、70体積%以上であることが好ましく、75体積%以上であることがより好ましく、80体積%以上であることがさらに好ましい。一方、正極活物質の割合は、例えば、90体積%以下であっても良く、85体積%以下であっても良い。
硫化物固体電解質材料の表面を覆う無機固体材料の割合は、例えば、9.7%以上であることが好ましい。一方、無機固体材料の割合は、例えば、39%以下であることが好ましい。無機固体材料の割合が特定の範囲内にあることで、硫化物固体電解質材料の流動性が向上する。
本発明の正極活物質層は、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料のみを含有していても良く、さらに他の材料を含有していても良い。他の材料としては、導電化材および結着材を挙げることができる。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、VGCF、グラファイト等の炭素材料を挙げることができる。結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。
正極活物質層の充填率は、より高いことが好ましい。具体的には、87%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、93%以上であることがさらに好ましい。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。一方、正極活物質層の厚さは、例えば1000μm以下であることが好ましい。
本発明においては、上述した正極活物質層の製造方法を提供することもできる。すなわち、全固体リチウム電池に用いられる正極活物質層の製造方法であって、酸化物活物質である正極活物質と、硫化物固体電解質材料と、M(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される無機固体材料とを含有する正極合材をプレスするプレス工程を有し、上記無機固体材料の含有量が、0.05重量%〜0.2重量%の範囲内であり、上記正極活物質、上記硫化物固体電解質材料、上記無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとした場合に、12.5≦A/B、および、57≦B/C≦67を満たすことを特徴とする正極活物質層の製造方法を提供することもできる。
B.全固体リチウム電池
図1は、本発明の全固体リチウム電池の一例を示す概略断面図である。図1における全固体リチウム電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。また、正極活物質層1は、上記「A.正極活物質層」に記載した正極活物質層である。
本発明によれば、上述した正極活物質層を用いることで、放電比容量の高い全固体リチウム電池とすることができる。
以下、本発明の全固体リチウム電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層については、上記「A.正極活物質層」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。
導電化材、結着材および固体電解質材料については、上記「A.正極活物質層」に記載した内容と同様である。また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.固体電解質層
本発明における固体電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。固体電解質層は、少なくとも固体電解質材料を含有する。固体電解質材料は、Liイオン伝導性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、例えば、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。硫化物固体電解質材料としては、例えば、上記「A.正極活物質層」に記載した材料を挙げることができる。また、固体電解質層は、上述した結着材を含有していても良い。固体電解質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明の全固体リチウム電池は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.全固体リチウム電池
本発明の全固体リチウム電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および固体電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。さらに、本発明の全固体リチウム電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、一次電池には、一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。また、本発明の全固体リチウム電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
また、本発明においては、上述した全固体リチウム電池の製造方法を提供することもできる。すなわち、上述した正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程を有することを特徴とする全固体リチウム電池の製造方法を提供することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(硫化物固体電解質材料の作製)
出発原料として、硫化リチウム(LiS、純度99.9%、日本化学工業社製)と、五硫化二リン(P、純度99%、アルドリッチ社製)と、ヨウ化リチウム(LiI、純度99.9%、アルドリッチ社製)とを用いた。次に、Ar雰囲気下(露点−70℃)のグローブボックス内で、LiS、PおよびLiIを、20LiI・80(0.75LiS・0.25P)の組成比で混合した。この混合物2gを、遊星型ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ=5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した(Ar雰囲気)。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、1時間処理および15分休止のメカニカルミリングを40回行った。次に、ヘプタンを除去するため、100℃、1時間の条件で乾燥を行った。これにより、硫化物ガラスを得た。その後、得られた硫化物ガラスに対して、Ar雰囲気、180℃、3時間の条件で熱処理を行うことで、硫化物ガラスを結晶化させ、ガラスセラミックス(硫化物固体電解質材料)を得た。
(正極合材の作製)
正極活物質として、LiCoO(日本化学工業製、商品名セルシード、平均粒径D50=10μm)を用意した。この正極活物質の表面に、転動流動コーティング装置(パウレック社製、MP01)を用いて、LiNbOから構成されるコート層(平均厚さ10nm)を形成した。
得られた正極活物質(LiNbOでコートしたLiCoO)と、硫化物固体電解質材料(20LiI・80(0.75LiS・0.25P)、ガラスセラミックス、平均粒径D50=0.8μm)と、無機固体材料(SiO、平均粒径D50=12nm)とを、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=90.09:9.81:0.10の重量比で混合した。なお、硫化物固体電解質材料の平均粒径は、ボールミルで粉砕することで調整した。その後、得られた混合物を超音波ホモジナイザーにて混合することで、正極合材を得た。
(負極合材の作製)
負極活物質(グラファイト、三菱化学社製、平均粒径D50=10μm)と、硫化物固体電解質材料(20LiI・80(0.75LiS・0.25P)、ガラスセラミックス、平均粒径D50=0.8μm)とを負極活物質:硫化物固体電解質材料=50:50の重量比で混合した。その後、得られた混合物を超音波ホモジナイザーにて混合することで、負極合材を得た。
(評価用電池の作製)
マコール製のシリンダの中に、硫化物固体電解質材料(20LiI・80(0.75LiS・0.25P)、ガラスセラミックス、平均粒径D50=0.8μm)を65mg入れ、98MPaでプレスすることで固体電解質層を成型した。次に、固体電解質層の一方の表面に正極合材を19.4mg入れ、98MPaでプレスすることで正極活物質層を成型した。また、固体電解質層の他方の表面に、負極合材を15.5mg入れ、588MPaでプレスすることで負極活物質層を成型した。これにより、電池ペレットを得た。次に、得られた電池ペレットの両面をSUS製ピストンで挟み、ボルト3本で締め付けることで、評価用電池を得た(トルク=6Nm、面圧=44MPa)。その後、評価用電池を、ガラス製容器(Ar雰囲気)に入れて密閉した。なお、硫化物固体電解質材料を用いる作業は、いずれも、乾燥Ar雰囲気のグローブボックス中で行った。また、実施例1における正極活物質および硫化物固体電解質材料の割合は、正極活物質:硫化物固体電解質材料=80:20の体積比に該当し、比較例1〜5も同様の体積比を有する。
[比較例1]
無機固体材料を用いず、正極活物質および硫化物固体電解質材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料=90.18:9.82に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。
[比較例2]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=89.73:9.77:0.50に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。
[比較例3]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=89.29:9.72:0.99に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。
[比較例4]
無機固体材料の平均粒径D50を0.8μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。
[比較例5]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=89.73:9.77:0.50に変更したこと以外は、比較例4と同様にして、評価用電池を得た。
[実施例2]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=92.81:7.14:0.05に変更し、正極合材および負極合材の量をそれぞれ20.4mgおよび16.7mgに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。なお、実施例2における正極活物質および硫化物固体電解質材料の割合は、正極活物質:硫化物固体電解質材料=85:15の体積比に該当し、実施例3〜6および比較例6も同様の体積比を有する。
[実施例3]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=92.77:7.13:0.10に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、評価用電池を得た。
[実施例4]
正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=92.68:7.12:0.20に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。
[実施例5]
無機固体材料として、TiO(平均粒径D50=14nm)を用い、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=92.77:7.13:0.10に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、評価用電池を得た。
[実施例6]
無機固体材料として、Al(平均粒径D50=13nm)を用い、正極活物質、硫化物固体電解質材料および無機固体材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料:無機固体材料=92.77:7.13:0.10に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、評価用電池を得た。
[比較例6]
無機固体材料を用いず、正極活物質および硫化物固体電解質材料の重量比を、正極活物質:硫化物固体電解質材料=92.86:7.14に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用電池を得た。なお、実施例1〜6および比較例1〜6の条件を表1に示す。
Figure 2016081617
[評価]
(充填率測定)
実施例1〜6および比較例1〜6で作製した正極合材を、マコール製のシリンダの中に100mg入れ、588MPaでプレスすることで正極活物質層を成型した。次に、得られた正極活物質層の両面をSUS製ピストンで挟み、ボルト3本で締め付けた(トルク=6Nm、面圧=44MPa)。次に、正極活物質層の厚さを測定して、見かけの密度を算出した。正極活物質層の見かけの密度=重量/(厚み×ペレット面積(1cm))である。また、正極活物質層の構成成分の真密度および含有量から、正極活物質層の真密度を算出した。なお、LiCoO、20LiI・80(0.75LiS・0.25P)、SiO、TiO、Alの真密度は、それぞれ5.05g/cm、2.2g/cm、2.65g/cm、4.23g/cm、3.95g/cmである。正極活物質層の真密度=重量/(構成成分の含有量/構成成分の真密度)である。見かけの密度および真密度から、正極活物質層の充填率を算出した。充填率の結果を表2、図2および図3に示す。
表2および図2に示すように、硫化物固体電解質材料よりも小さい無機固体材料を0.05重量%〜0.2重量%の割合で混合することにより、充填率が向上することが確認された。一方、無機固体材料の割合が多すぎると、充填率は低下した。これは、無機固体材料同士が凝集し、硫化物固体電解質材料の流動性を低下させたためであると推測される。また、比較例1、4、5の結果から、硫化物固体電解質材料と同じ平均粒径を有する無機固体材料を混合した場合には、充填率が低下することが確認された。また、実施例3、5、6は、いずれも無機固体材料の含有量が0.1重量%であるが、図3に示すように、無機固体材料の種類によらず、充填率の向上が確認できた。
(充放電測定)
実施例1〜6および比較例1〜6で得られた評価用電池を用いて、充放電測定を行った。まず、25℃で4.1VまでCC−CV充電を行った。この際、実施例1および比較例1〜5では、電流値を0.24mA/cmとし、終了電流値を0.024mA/cmとした。一方、実施例2〜6および比較例6では、電流値を0.26mA/cmとし、終了電流値を0.026mA/cmとした。
その後、25℃で3.0VまでCC放電を行った。この際、実施例1および比較例1〜5では、電流値を0.24mA/cmとした。一方、実施例2〜6および比較例6では、電流値を0.26mA/cmとした。得られた放電容量を、正極活物質層の体積で除することで、放電比容量(mAh/cm)を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2016081617
表2に示すように、硫化物固体電解質材料よりも小さい無機固体材料を0.05重量%〜0.2重量%の割合で混合することにより、充填率が向上し、高い放電比容量が得られた。また、比較例2は、比較例1よりも充填率は高くなったものの、放電比容量は低下した。これは、無機固体材料の含有量が多すぎると、イオン伝導度低下の影響が大きくなり、正極活物質の利用率が低下したためであると考えられる。また、比誘電率は、TiO>Al>SiOの関係にあるが、放電比容量は、TiO(実施例5)>SiO(実施例3)>Al(実施例6)の関係にあることから、比誘電率の効果よりも、充填率向上の効果の影響が大きいことが示唆された。なお、絶縁性という観点では、本発明における無機固体材料の比誘電率が、少なくともSiOの比誘電率以上であることが好ましい。
[参考例]
硫化物固体電解質材料の表面を覆う無機固体材料の割合を試算した。実施例1では、電解質粒子の平均粒径D50が0.8μmであり、SiO粒子の平均粒径D50が12nmである。球形近似を行うと、1個の電解質粒子に対するSiO粒子は2505個となる。また、電解質粒子の表面積が2μmであり、SiO粒子が電解質粒子の周囲を1層で覆うとすると、約17778個のSiO粒子が必要となる(電解質粒子の表面積を、SiO粒子の最大断面積0.00011304μmで除して算出)。そのため、理想的に電解質粒子の周囲にSiO粒子が覆うとすると、約14%となる。同様の計算を実施例2〜6および比較例1〜6に対して行った。その結果を表3に示す。
Figure 2016081617
表3に示すように、硫化物固体電解質材料の表面を覆う無機固体材料の割合が9.7%〜39%の範囲内にある場合に、充填率の向上効果が得られることが示唆された。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 固体電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … 全固体リチウム電池

Claims (5)

  1. 全固体リチウム電池に用いられる正極活物質層であって、
    酸化物活物質である正極活物質と、硫化物固体電解質材料と、M(Mは金属元素であり、xおよびyは任意の数である)で表される無機固体材料とを含有し、
    前記正極活物質、前記硫化物固体電解質材料、前記無機固体材料の平均粒径を、それぞれ、A、B、Cとした場合に、12.5≦A/B、および、57≦B/C≦67を満たし、
    前記無機固体材料の含有量が、0.05重量%〜0.2重量%の範囲内であることを特徴とする正極活物質層。
  2. 前記無機固体材料が、SiO、TiOおよびAlの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の正極活物質層。
  3. 前記正極活物質および前記硫化物固体電解質材料の合計に対する前記正極活物質の割合が、80体積%〜85体積%の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の正極活物質層。
  4. 前記硫化物固体電解質材料の表面を覆う前記無機固体材料の割合が、9.7%〜39%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の正極活物質層。
  5. 正極活物質層と、負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層とを有する全固体リチウム電池であって、
    前記正極活物質層が、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の正極活物質層であることを特徴とする全固体リチウム電池。
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