以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態によるスマートウォッチ1の一例を示す模式図である。この図に示すスマートウォッチ1は、本実施形態による端末装置の一例であって、手首に巻いて装着可能な腕時計型のウェアラブル端末の一例である。この図は、スマートウォッチ1の正面視(図左)と、側面視(図中央)と、及び裏面視(図右)とのそれぞれの外観図を示している。以下、正面視で視認できる側の面のこと表面といい、裏面視で視認できる側の面のことを裏面という。
スマートウォッチ1は、筐体部10と、リストバンド部(上)20と、リストバンド締結部(上)21と、リストバンド部(下)22と、リストバンド締結部(下)23と、を備えている。筐体部10の表面には表示部30が設けられている。また、筐体部10の表示部30が設けられている面の裏側(反対側)となる裏面には、焦電センサ50(人感センサの一例)が設けられている。例えば、焦電センサ50は、筐体部10の裏面の中央付近に設けられ、筐体部10の裏面に対する人体の近接を検出し、検出信号を出力する。なお、焦電センサ50は一例であって、人体の近接を検出するものであれば、超音波、可視光、赤外線などを利用して検出する他のセンサであってもよい。
表示部30は、画像や文字等の情報を表示する液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等を備えている。例えば、表示部30は、ディスプレイとその表示画面上における接触を検知するタッチセンサとが一体として構成されたタッチパネルである。タッチセンサは、表示画面上の静電容量の変化、圧力の変化、電気抵抗の変化などを利用して接触を検知し、検知結果に応じた接触位置情報を出力する。なお、筐体部10の中には、表示部30の表示制御やスマートウォッチ1が有する機能を実現するためのセンサや情報処理を行う処理部が備えられている。
リストバンド部(上)20の一端は筐体部10の上側の端に接続され、他端にはリストバンド締結部(上)21が設けられている。リストバンド部(下)22の一端は筐体部10の下側の端に接続され。他端にはリストバンド締結部(下)23が設けられている。スマートウォッチ1は、裏面側が手首の側となるように巻かれて、リストバンド締結部(上)21とリストバンド締結部(下)23とが締結されることにより、手首に装着することができる。リストバンド部(下)22の裏面には、裏面に対する押圧を検出する押圧センサ40が設けられている。例えば、押圧センサ40は、リストバンド部(下)22の裏面の筐体部10に近い側の位置に設けられ、検出した押圧値を示す検出信号を出力する。ここで、筐体部10に近い側の位置とは、スマートウォッチ1が手首に装着されたときに、手首に接触する可能性が高い位置であることを意図している。なお、押圧センサ40は、リストバンド部(上)20の裏面(例えば、筐体部10に近い側の位置)に設けられてもよい。
次に、図2を参照して、スマートウォッチ1の機能構成について説明する。
図2は、本実施形態によるスマートウォッチ1の機能構成の一例を示す構成図である。
スマートウォッチ1は、表示部30と、押圧センサ40と、焦電センサ50と、加速度センサ60と、処理部100と、を備えている。なお、この図において、図1に対応する構成には、同一の符号を付しており、その説明を省略する。加速度センサ60及び処理部100は、筐体部10の内部に備えられている。
加速度センサ60は、スマートウォッチ1に作用する重力の方向からスマートウォッチ1の筐体部10の姿勢(即ち、表示部30の姿勢)を検出し、検出した姿勢を示す姿勢情報を出力する。例えば、加速度センサ60は、筐体部10の所定の方向と重力方向との角度を示す情報を姿勢情報として出力する。ここで、筐体部10の所定の方向とは、例えば、図1に示す正面視の図で、リストバンド部(上)20及びリストバンド部(下)21の長手方向と一致する筐体部10の方向(以下、筐体部10の姿勢方向という)である。例えば、加速度センサ60は、筐体部10の姿勢方向と重力方向との角度を示す情報を姿勢情報として出力する。
処理部100は、表示駆動部110と、姿勢判定部120と、制御部130と、人体近接判定部140と、押圧判定部150と、押圧情報記憶部160と、を備えている。表示駆動部110は、処理部100による処理に応じて表示部30を駆動する。
姿勢判定部120は、加速度センサ60から出力された姿勢情報に基づいて、スマートウォッチ1の筐体部10の姿勢を判定する。例えば、姿勢判定部120は、360度を45度、135度、225度、315度の4つ閾値で区分し、筐体部10の姿勢方向と重力方向とのなす角と、この4つの閾値とに基づいて、筐体部10の姿勢が0度、90度、180度、及び270度のいずれの姿勢方向であるかを判定する。ここで、筐体部10の姿勢が0度の姿勢方向であるとは、即ち、図1に示す正面視の図で、リストバンド部(上)20及びリストバンド部(下)21の長手方向における上から下への方向が、重力方向と一致する方向である。また、筐体部10の姿勢が180度の姿勢方向であるとは、即ち、図1に示す正面視の図で、リストバンド部(上)20及びリストバンド部(下)21の長手方向における下から上への方向が重力方向と一致する方向(筐体部10の姿勢が0度の姿勢方向と上下逆)である。また、筐体部10の姿勢が0度及び180の姿勢方向である状態を縦向きと定義すると、筐体部10の姿勢が90度及び270度の姿勢方向であるときの状態は横向きであり、90度と270度とでは上下が逆である。
なお、姿勢判定部120は、上述したように縦向きで2方向と横向きで2方向との合計4方向の姿勢を判定してもよいが、縦向きで1方向と横向きで2方向との合計3方向の姿勢を判定するようにしてもよいし、縦向きで1方向と横向きで1方向との2方向の姿勢を判定するようにしてもよい。
制御部130は、操作制御部131と、表示回転制御部132(画面制御部)と、を備えている。操作制御部131は、表示部30の表示画面上に対するユーザの操作に応じてタッチセンサから出力される接触位置情報を取得し、取得した接触位置情報に対応する操作処理を制御する。
表示回転制御部132は、表示部30に表示する画面の向きを筐体部10の姿勢(即ち、表示部30の姿勢)に応じて変更する画面制御を行う。例えば、表示回転制御部132は、姿勢判定部120により判定された筐体部10の姿勢に応じて、表示部30に表示される表示情報の上から下への方向が重力方向と一致するように、表示部30に表示する画面の向きを回転させる。なお、表示回転制御部132は、表示部30に表示する画面の向きを変更する際に、表示する画面の向きを回転させる画面制御を行ってもよいし、表示する画面の向きを反転させる画面制御を行ってもよい。以下では、この表示する画面の向きを筐体部10の姿勢に応じて変更する画面制御を、「画面回転制御」という。また、表示回転制御部132は、後述する人体近接判定部140及び押圧判定部150による判定結果に基づいて、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定された場合には画面回転制御を有効にし、手首へ装着されていると判定された場合には画面回転制御を無効にする。
人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号を監視し、人体の近接を検知したか否かを判定する。そして、人体近接判定部140は、人体の近接を検知した場合、人体が近接している状態であることを示す人体近接状態情報を押圧判定部150へ通知する。また、人体近接判定部140は、スマートウォッチ1が手首へ装着中であるときに(即ち、画面回転制御が無効であるときに)、人体の近接を検知している状態が所定時間以上消失した場合には、表示回転制御部132に対して画面回転制御を有効にする指示を通知する。この所定時間とは、手首へ装着されているスマートウォッチ1が外されたと判定するための、人体の近接を検知している状態の消失時間の長さの閾値である。
押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されたか否かを判定することにより、表示回転制御部132による画面回転制御を有効にするか否かを判定する。例えば、押圧判定部150は、人体近接判定部140から人体近接状態情報の通知を受けたことを契機として、押圧判定処理(即ち、手首への装着判定処理)を開始する。そして、押圧判定部150は、装着判定処理において、一定時間間隔(Δt)で押圧センサ40が出力する検出信号を監視し、以下に説明する判定条件を充足するか否かに基づいて、スマートウォッチ1が手首へ装着されたか否かを判定する。
図3は、装着判定処理の判定条件を説明する説明図である。この図を参照して、判定条件の一例について説明する。この図に示すグラフは、横軸が時刻tであり、縦軸が押圧センサ40により検出された押圧値Pである。この図では、Case1、2、3の3種類の押圧変化のパターンを示している。押圧判定部150は、「条件1」、「条件2」、及び「条件3」の全ての条件を充足した場合に、スマートウォッチ1が手首へ装着されたと判定する。
「条件1」:押圧センサ40により検出された押圧値Pが、押圧閾値P1以上であることを第1の判定条件とする。押圧閾値P1は、例えば、スマートウォッチ1が手首へ装着される際に手首から印加される押圧(例えば、手首への接触が生じたときの押圧)に基づいて予め設定されている。押圧判定部150は、押圧センサ40により検出された押圧値Pが押圧閾値P1未満の場合には、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定する。この図に示す例では、Case1、2、3のいずれも押圧値Pが押圧閾値P1以上になるため、「条件1」は充足されていると判定される。なお、この押圧閾値P1は、押圧変動情報として、押圧情報記憶部160に記憶されている。
「条件2」:押圧センサ40により検出された押圧値Pが押圧閾値P1以上なった場合に(条件1が充足)、押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値から押圧閾値P1に達するまでの時間T1が所定の時間範囲に入っていることを第2の判定条件とする。ここで、押圧非印加状態とは、押圧センサ40が裏面に対する押圧を検知していない状態のことである。押圧値Pが押圧非印加状態であるとは、例えば押圧値Pが「0」の状態であるとしてもよいし、押圧非印加状態であるか否かを判定するための押圧閾値P0以下の状態であるとしてもよい。この例では、押圧値Pが押圧閾値P0以下である状態が押圧非印加状態であり、押圧閾値P0を超えた時刻が時刻t0である。
即ち、時刻t0から押圧値Pが押圧閾値P1に達するまでの時間が、押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値から押圧閾値P1に達するまでの時間T1である。また、時刻t0から押圧値Pが押圧閾値P1に達するまでの所定の時間範囲として、「時間T1min以上時間T1max未満(T1min〜T1max)」の範囲が設定されている。
Case1の場合、時刻t1(1)で押圧値Pが押圧閾値P1以上となる。時刻t0から時刻t1(1)までの時間T1(1)は、時間T1min未満であり、「時間T1min以上時間T1max未満」の範囲外である。そのため、押圧判定部150は、Case1の場合、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定する。一方、Case2、3の場合、それぞれ時刻t1(2)と、時刻t1(3)とで押圧値Pが押圧閾値P1以上となる。時刻t0から時刻t1(2)までの時間T1(2)と、時刻t0から時刻t1(3)までの時間T1(3)とは、いずれも「時間T1min以上時間T1max未満」の範囲内である。そのため、Case2、3の場合、「条件2」は充足されていると判定される。なお、時間T1min及び時間T1maxは、押圧変動情報として、押圧情報記憶部160に記憶されている。
「条件3」:押圧センサ40により検出された押圧値Pが、「時間T1min以上時間T1max未満」の範囲内に押圧閾値P1以上なった場合に(条件1及び条件2が充足)、押圧値Pが押圧閾値P1以上を維持する時間T2が所定の最短時間T2min以上続くことを第3の条件とする。Case2の場合、押圧値Pが押圧閾値P1以上を維持する時間T2(2)は、時間T2min以上である。そのため、押圧判定部150は、Case2の場合、スマートウォッチ1が手首へ装着されたと判定する。一方、Case3の場合、押圧値Pが押圧閾値P1以上を維持する時間T2(3)は、時刻t1(3)から時刻t2(3)までであり、時間T2min未満である。そのため、押圧判定部150は、Case3の場合、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定する。なお、この時間T2minは、押圧継続情報として、押圧情報記憶部160に記憶されている。
そして、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定している状態において、手首へ装着されたと判定した場合、表示回転制御部132に対して画面回転制御を無効にする指示を通知する。これにより、表示回転制御部132は、画面回転制御を有効から無効に変更する。また、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されたと判定している状態において、手首へ装着されていないと判定した場合、表示回転制御部132に対して画面回転制御を有効にする指示を通知する。これにより、表示回転制御部132は、画面回転制御を無効から有効に変更する。
押圧情報記憶部160は、スマートウォッチ1が手首へ装着されたか否かを押圧判定部150が判定する際に必要な押圧情報を記憶する。押圧情報とは、上述した、押圧閾値(押圧閾値P0、押圧閾値P1)、押圧変動情報(時間T1min、時間T1max)、押圧継続情報(時間T2min)などである。押圧判定部150は、押圧情報記憶部160に記憶されているこれらの押圧情報を参照して、上述した条件1〜3を用いた装着判定処理を行う。
次に、図4を参照して、装着判定結果に基づいて画面回転制御を有効から無効に変更する画面回転制御処理の動作を説明する。図4は、本実施形態による画面回転制御を無効化する画面回転制御処理の一例を示すフローチャートである。
まず、表示回転制御部132は、画面回転制御が有効に設定しているか否かを判定する(ステップS110)。画面回転制御が無効であると判定された場合(ステップS110:NO)、表示回転制御部132は、ステップS110の処理を所定の時間間隔で繰り返す。一方、画面回転制御が有効であると判定された場合(ステップS110:YES)、表示回転制御部132は、人体近接判定部140に焦電センサ50から出力される検出信号を監視させる。
次に、人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号を監視し、人体の近接を検知したか否かを判定する(ステップS112)。人体の近接を検知していないと判定された場合(ステップS112:NO)、人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号の監視を継続し、ステップS112の処理を繰り返す。一方、人体の近接を検知したと判定された場合(ステップS112:YES)、人体近接判定部140は、人体が近接している状態であることを示す人体近接状態情報を押圧判定部150へ通知する。そして、押圧判定部150は、人体近接判定部140から人体近接状態情報の通知を受けたことを契機として、押圧センサ40から出力される検出信号を監視することにより押圧検出を開始する(ステップS114)。
そして、押圧判定部150は、検出された押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値より大きいか否か(例えば、押圧閾値P0より大きいか否か)を判定する(ステップS116)。押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値より大きくない場合(ステップS116:NO)、押圧判定部150は、押圧センサ40が出力する検出信号の監視を継続し、ステップS116の処理を繰り返す。一方、押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値より大きい場合(ステップS116:YES)、押圧判定部150は、検出された押圧値Pが押圧閾値P1以上であるか否か(「条件1」)を判定する(ステップS118)。
検出された押圧値Pが押圧閾値P1未満であると判定された場合(ステップS118:NO)、押圧判定部150は、検出された押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値に戻ったか否かを判定する(ステップS120)。戻ったと判定された場合(ステップS120:YES)、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定し、ステップS116に処理を戻す。戻っていないと判定された場合(ステップS120:NO)、押圧判定部150は、一定時間(Δt)待った後(ステップS122)、ステップS118の処理を再度行う。
検出された押圧値Pが押圧閾値P1以上であると判定された場合(ステップS118:YES)、押圧判定部150は、時間T1が、「時間T1min以上時間T1max未満(T1min〜T1max)」の範囲内であるか否か(「条件2」)を判定する(ステップS124)。この時間T1は、ステップS116で押圧値Pが押圧非印加状態の押圧値より大きくなった時刻(時刻t0)からステップS118で押圧値Pが押圧閾値P1以上となった時刻までの時間である。時間T1が「時間T1min以上時間T1max未満(T1min〜T1max)」の範囲外であると判定された場合(ステップS124:NO)、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定し、ステップS116に処理を戻す。
一方、時間T1が「時間T1min以上時間T1max未満(T1min〜T1max)」の範囲内であると判定された場合(ステップS124:YES)、押圧判定部150は、時間T2が所定の最短時間T2min以上であるか否か(「条件3」)を判定する(ステップS126)。この時間T2は、ステップS118で押圧値Pが押圧閾値P1以上と判定されてから押圧閾値P1以上を維持している時間である。時間T2が最短時間T2min未満であると判定された場合(ステップS126:NO)、押圧判定部150は、検出された押圧値Pが押圧閾値P1以上であるか否かを判定する(ステップS128)。押圧値Pが押圧閾値P1未満であると判定された場合(ステップS128:NO)、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されていないと判定し、ステップS116に処理を戻す。一方、押圧値Pが押圧閾値P1以上であると判定された場合(ステップS128:YES)、押圧判定部150は、一定時間(Δt)待った後(ステップS130)、ステップS126に処理を戻し、時間T2が最短時間T2min以上であるか否かを再度判定する。
そして、時間T2が最短時間T2min以上であると判定された場合(ステップS126:YES)、押圧判定部150は、スマートウォッチ1が手首へ装着されたと判定し、表示回転制御部132に対して画面回転制御を無効にする指示を通知する。これにより、表示回転制御部132は、画面回転制御を有効から無効に変更して処理を終了する(ステップS132)。
次に、図5を参照して、画面回転制御を無効から有効に戻す画面回転制御処理の動作を説明する。図5は、本実施形態による画面回転制御を有効化する画面回転制御処理の一例を示すフローチャートである。この図に示す処理は、図4に示すステップS132において、表示回転制御部132が、画面回転制御を無効に変更した後の処理である。
人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号を監視することにより人体の近接の検出を開始する(ステップS150)。次に、人体近接判定部140は、人体の近接を検知したか否かを判定する。例えば、人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号が、人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値未満であるか否かを判定する(ステップS152)。焦電センサ50の検出信号が人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値以上であると判定された場合(ステップS152:NO)、人体近接判定部140は、一定時間(Δt)待った後(ステップS154)、ステップS152の処理を再度行う。
一方、焦電センサ50の検出信号が人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値未満であると判定された場合(ステップS152:YES)、人体近接判定部140は、焦電センサ50から出力される検出信号を継続して監視し、時間T3経過するまでの間、焦電センサ50から出力される検出信号が、継続して人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値未満であるか否かを判定する(ステップS156)。この時間T3は、手首へ装着されているスマートウォッチ1が外されたと判定するための、人体の近接を検知している状態の消失時間の長さの閾値である。
時間T3経過する前に、焦電センサ50の検出信号が人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値以上であると判定された場合(ステップS156:NO)、人体近接判定部140は、一定時間(Δt)待った後(ステップS154)、ステップS152の処理に戻す。一方、時間T3経過するまでの間、焦電センサ50の検出信号が、継続して人体の近接を検知した状態(人体近接状態)の検出値未満であると判定された場合(ステップS156:YES)、人体近接判定部140は、スマートウォッチ1が手首から外されたと判定して、表示回転制御部132に対して画面回転制御を有効にする指示を通知する。これにより、表示回転制御部132は、画面回転制御を無効から有効に変更して処理を終了する(ステップS158)。
以上説明してきたように、本実施形態によれば、スマートウォッチ1が手首に装着された場合に、スマートウォッチ1の姿勢に応じて表示の向きを変更する画面回転制御を無効にするため、ユーザの意図しない表示の回転が生じないようにすることができ、利便性を向上させることができる。
また、本実施形態では、スマートウォッチ1の裏面に対する人体の近接及び押圧の検出結果に基づいて、スマートウォッチ1が手首に装着され多か否かを判定するため、精度よく装着判定を行うことができる。例えば、押圧の検出結果のみに基づいて装着判定を行うことも可能であるが、人それぞれの装着の仕方の違いにより押圧センサ40への圧力のかかり方のパターンが異なるとともに、その多くの押圧パターンに対して裏面に対する押圧を常時検出して装着判定する必要がある。本実施形態では、人体の近接の検出結果も利用することで、装着の仕方が異なっても、人体の近接が検出された時刻を押圧検出の開始時刻として一定にし、その時刻からの押圧パターンにより装着判定を行うことができるため、精度よく装着判定を行うことができる。また、人体の近接を検出することにより、例えば、ポケットや鞄などの中でスマートウォッチ1が他の荷物と接触することにより定常的に押圧閾値P1以上の押圧値Pが検出された場合(「条件1」)であっても、手首に装着されと誤検出されてしまうことを防止することができる。また「条件1」のみではなく「条件2」及び「条件3」も用いることで、近接物などにより瞬間的な押圧印加が発生した場合であっても、手首に装着されたと誤検出されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、「条件1」、「条件2」、及び「条件3」の全てが充足された場合にスマートウォッチ1が手首に装着されたと判定する例を説明したが、これに限定されるものではない。「条件1」のみが充足された場合、「条件1」及び「条件2」が充足された場合、または「条件1」及び「条件3」が充足された場合に、スマートウォッチ1が手首に装着されたと判定されるようにしてもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、スマートウォッチ1の裏面に対する人体の近接及び押圧の検出結果に基づいて、スマートウォッチ1が手首に装着されたか否かを判定する例を説明したが、人体の近接及び押圧のいずれか一方の検出結果に基づいて装着判定してもよい。本実施形態では、人体の近接の検出を行わず、押圧の検出結果に基づいて装着判定する例を説明する。
本実施形態によるスマートウォッチ1Aは、図1に示すスマートウォッチ1の模式図において、焦電センサ50が不要であり、その他の構成は同様である。なお、押圧センサ40の位置は、リストバンド部(下)22の裏面に限らず、リストバンド部(上)20の裏面、または筐体部10の裏面としてもよい
図6は、本実施形態によるスマートウォッチ1Aの機能構成の一例を示す構成図である。スマートウォッチ1Aは、表示部30と、押圧センサ40と、加速度センサ60と、処理部100Aと、を備えており、図2に示すスマートウォッチ1に対して、焦電センサ50と人体近接判定部140とを備えていない点が相違する。
本実施形態において、装着判定結果に基づいて画面回転制御を有効から無効に変更する画面回転制御処理の動作は、図4に示す画面回転制御処理のうちステップS110を除いた処理を行う動作となる。これにより、スマートウォッチ1Aは、裏面に対する押圧の検出結果に基づいて手首に装着されたか否かを判定し、装着されたと判定した場合、画面回転制御を有効から無効に変更する。
また、本実施形態において、画面回転制御を無効から有効に戻す画面回転制御処理の動作は、図5に示す画面回転制御処理において、焦電センサ50による人体の近接の検出を、押圧センサ40による押圧の検出に代えた動作となる。スマートウォッチ1Aは、裏面に対する押圧の検出結果に基づいて手首から外されたと判定した場合、画面回転制御を無効から有効に変更する。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第1、2の実施形態では、スマートウォッチ1、1Aを端末装置の例として説明したがこれに限られるものではなく、他のウェアラブル端末にも適用することができる。本実施形態では腕時計型の活動量計の例を説明する。
図7は、本実施形態による活動量計1Bの一例を示す模式図である。活動量計1Bは、筐体部10Bと、リストバンド部(上)20Bと、リストバンド締結部(上)21Bと、リストバンド部(下)22Bと、リストバンド締結部(下)23Bと、を備えている。これらの各構成は、図1に示す、筐体部10と、リストバンド部(上)20と、リストバンド締結部(上)21と、リストバンド部(下)22と、リストバンド締結部(下)23と、にそれぞれ対応する。
筐体部10Bの表面には表示部30Bが設けられ、計測データ(計測時間、心拍数、歩数など)が表示される。筐体部10の裏面(例えば、中央付近)には、押圧センサ40Bが設けられ、筐体部10の裏面に対する押圧を検出する。また、筐体部10Bの表面には支持マーク70Bが設けられている。この支持マーク70Bは、活動量計1Bを手首に装着するときに押圧センサ40に対して特定の圧力印加が生じるように、ユーザへ支持位置を指定する印である。このように、手首に装着するときに特定の圧力印加が生じるようにすれば、装着判定の精度を向上させることができる。また、筐体部10Bの中には、表示部30Bの表示制御や活動量計1Bが有する機能を実現するための心拍センサ、歩数センサ、処理部などが備えられている。
この活動量計1Bでは、第2の実施形態で説明したスマートウォッチ1Aの機能構成、画面回転制御処理を適用することができる。つまり、活動量計1Bは、裏面に対する押圧の検出結果に基づいて手首に装着されたか否かを判定し、装着されたと判定した場合、画面回転制御を有効から無効に変更する。また、活動量計1Bは、裏面に対する押圧の検出結果に基づいて手首から外されたと判定した場合、画面回転制御を有効に戻す。
なお、本実施形態による活動量計1Bでは、押圧の検出結果に基づいて装着判定する例を説明したが、第1の実施形態のスマートウォッチ1と同様に構成することで、人体の近接及び押圧の検出結果に基づいて装着判定してもよい。
以上、この発明の第1から第3の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の第1〜3の実施形態において説明した各機能及び構成は、任意に組み合わせることができる。
なお、上記実施形態で説明した押圧センサ40(40B)または焦電センサ50が設けられている位置及び各センサの数は一例であり、任意の位置及び数とすることができる。また、上記実施形態では、表示部30がタッチパネルとして構成されている例を説明したが、タッチパネルではなく表示機能のみ有する構成であってもよい。
なお、上述した実施形態における処理部100(100A)の一部または全部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、上述の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって上述の機能を実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、端末装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における処理部100(100A)の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。処理部100(100A)の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。