JP2016080656A - 放射線検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】PET−MR装置に利用可能であって、構造上十分な締結強度を有し、かつ光電変換素子に対する冷却効率の高い放射線検出器を提供する
【解決手段】保持部材31は嵌め合い部31aにおいて光検出器7の側周部および底部を嵌め合い保持する。また、保持部材31は連結ベース27と、キリ穴31bおよびネジ33を介して強固に締結されるので、保持部材31は光検出器7をより安定に保持できる。
遮光フィルム35はシンチレータブロック3の外周部および保持部材31の側周部に接着被覆し、一体的に接合固定する。放射線検出器1は全体としてより強固な締結強度を有するので、シンチレータブロック3の位置のずれは回避される。その結果、放射線検出器1はγ線の情報をより正確に検出できる。
また遮光フィルム35は薄膜状であるので、隣接するシンチレータブロック3同士の離間距離を短くし、高いγ線の検出感度を維持できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、核医学画像及び磁気共鳴画像を同時に得るための、陽電子放出断層撮影−磁気共鳴断層撮影複合装置に用いられる放射線検出器に関する。
従来、医療用撮像法として、陽電子放出断層撮影(PET、Positron Emission Tomography)が知られている。陽電子放出断層撮影装置、すなわちPET装置とは、陽電子放出核種で標識された放射性薬剤の被検体内における分布を示すPET画像を生成する装置である。
PET装置は、被検体Mをリング状に囲むように配置された複数の放射線検出器を備えている。被検体に投与された放射性薬剤は関心部位に蓄積され、蓄積された薬剤から陽電子が放出される。放出された陽電子は電子と対消滅を起こし、互いに正反対の運動量を有している一対のγ線を生成する。一対のγ線は互いに逆方向へ放出され、各々のγ線は放射線検出器によって同時に検出される。検出されたγ線の情報に基づいて放射性薬剤の位置が算出され、関心部位における放射性薬剤の分布を示す画像がPET装置によって提供される。
一方、PET装置と並ぶ医療用撮像装置として、磁気共鳴断層撮影装置(MR装置)が知られており、MR装置によって取得される画像は、解剖学的診断に適している。近年では、生理機能的診断および解剖学的診断の双方に適した画像を取得するため、PET装置に磁気共鳴断層撮影装置(MR装置)を複合させ、陽電子放出断層撮影−磁気共鳴断層撮影複合装置(PET−MR)として使用する場合がある。
この場合、放射線検出器に使用される受光素子(光電変換素子)として、SiPM(Silicon Photo Multiplier)や、APD(Avalanche Photo Diode)といった素子が挙げられる。SiPM素子やAPD素子はMR装置から発生する強い磁場の影響を受けないので、受光素子としてSiPM素子などを用いたPET−MRについて報告されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
ここで従来のPET装置の構成について説明する。従来のPET装置51は図9に示すように、被検体を導入する導入孔52が設けられたガントリ53を備えている。ガントリ53の内部には導入孔52を囲むようにリング状に配列された複数の放射線検出器55と、放射線検出器55の各々を内包する筐体57と、放射線検出器55の各々を筐体57に連結する連結ベース部59とを備えている。
次に、従来のPET装置51に用いられる放射線検出器55の構成については、特許文献4や非特許文献1などにおいて報告されている。従来の放射線検出器55は図10(a)に示すように、上層からシンチレータブロック61と、ライトガイド63と、光検出器65とが順に積層された構成を有している。なお放射線検出器55において、上層とはPET装置51に設けられる被検体の導入孔52に近い側を意味し、下層とはPET装置51に設けられる筐体57に近い側を意味する。
シンチレータブロック61は、直方体のシンチレータ結晶61aが二次元的に配列された構造を有しており、被検体から放出されたγ線を吸収して発光する。なお、シンチレータブロック61において発光された光をシンチレータ光とする。ライトガイド63はシンチレータブロック61、および光検出器65とそれぞれ光学的に結合しており、シンチレータ光を光検出器65へと伝送する。
光検出器65はプリント基板69の一方の面に光電変換層67が積層された構成を有しており、光電変換層67とライトガイド63とが光学的に結合している。光電変換層67は、SiPMやAPDなど、磁場の影響を受けない光電変換素子が二次元的に配列されている。光電変換層67を構成する光電変換素子は、ライトガイド63によって伝送されたシンチレータ光を検出し、電気信号に変換する。
一般的に、プリント基板69の他方の面にはASICを例とする集積回路71と、複数のネジ受け部73とが設けられている。すなわち上層から下層に向けて光電変換層67とプリント基板69と集積回路71が順に積層されている。集積回路71は光電変換層67で変換された電気信号を、後述する信号処理回路へ送信する。
集積回路71の下層には、サーマルシート75と、カバー板77とが順に積層されている。サーマルシート75およびカバー板77の各々には、キリ穴75aおよび77aが設けられている。そしてプリント基板69、サーマルシート75、およびカバー板77は、ネジ79とネジ受け部73との螺合によって締結される。サーマルシート75は熱伝導性の材料で構成される。
シンチレータブロック61、ライトガイド63、光検出器65、およびサーマルシート75の各々の外周部は遮光ケース80によって覆われている。遮光ケース80は一例として厚みのある黒色プラスチックで構成されており、PET装置51の外部から放射線検出器55の内部へ光が侵入することを防ぐ。また遮光ケース80は、放射線検出器55を衝撃などから保護する。
カバー板77の下層には、冷却板81と、信号処理基板83が順に積層されている。信号処理基板83は連結ベース部59と連結されている。また、カバー板77と、冷却板81と、信号処理基板83と、連結ベース部59とは、ネジによる螺合や凹凸構造による嵌合などによってそれぞれ連結される。
冷却板81の内部には、冷媒を循環させる図示しないチューブが設けられている。信号処理基板83は図示しない信号処理回路が設けられている。信号処理回路は集積回路71を介して、光電変換層67が出力する電気信号を読み出す。読み出された電気信号に基づいて、関心部位における陽電子放出核種の分布を示す断層画像が生成される。このように、PET装置51によって、特定器官や腫瘍などについて生化学的作用などの診断に適した放射線画像が生成される。
放射線検出器55を含め、PET装置51の構成材料はいずれも非磁性の部材、すなわち銅やアルミニウムを例とする非磁性金属、または非金属である。特に光電変換層67を構成する光電変換素子は、磁場の影響を受けない素子が用いられる。従って、使用者はPET装置51をMR装置と組み合わせ、PET−MR装置として使用することもできる。
国際公開2009/139039号 国際公開2010/010608号 特開2014−152232号公報 特開2013−231719号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
まず従来の放射線検出器では、光電変換素子に対する冷却効率が低いという問題がある。従来の放射線検出器55を使用する場合、ノイズの発生を抑制する等の理由によって光電変換素子を冷却する必要がある。そこで放射線検出器55に冷却板81を設け、冷却板81はサーマルシート75などを介して光電変換層67を冷却する。
しかしながら光検出器65において、プリント基板69の他方の面には集積回路71が設けられることが一般的である。そのため、従来におけるPET装置51の構造では、冷却板81は主な熱源である集積回路71を冷却しなければ光電変換層67を冷却できない。従って、光電変換層67のみならず、集積回路71をも冷却するために冷却板81を強く冷却する必要がある。
また、サーマルシート75およびカバー板77には、キリ穴75aおよび77aが設けられている。キリ穴の部分において熱伝導性は非常に低くなるので、光電変換層67に対する冷却効率はさらに低下する。低下した冷却効率を補うべく冷却板81を強く冷却した場合、冷却板81の過冷却に起因して、冷却板81の周辺等に結露が発生するという問題が懸念される。
次に、従来の放射線検出器55では、構造上十分な締結強度を確保することが困難であるという問題も懸念される。放射線検出器55は、重量のあるシンチレータブロック61を備えているので、構造上十分な締結強度を確保する必要がある。
従来の放射線検出器55は、一時的に分解して点検・修理する目的で、プリント基板69、サーマルシート75、およびカバー板77は螺合によって締結される構成を有している。しかし実際の構造上、集積回路71はプリント基板69の裏面の大部分を占めている。そのため、プリント基板69においてネジ受け部73を付設できる領域は非常に狭い範囲に限られる。
この場合、ネジ受け部73の付設可能範囲の制限に応じて、ネジ79の数および太さも制限される。また、ネジ受け部73が設けられているプリント基板69は薄いので、数や太さの制限を補うべくネジ79の各々を強い力で締結する場合、プリント基板69は歪んでしまう。従って、プリント基板69とカバー板77との間の締結力を十分に確保することは困難である。その結果、放射線検出器55において各構成が分離するという問題や、シンチレータブロック61の位置がずれてγ線の情報を正確に検出できなくなるという問題が発生する。
さらに従来の放射線検出器55において、ネジ79およびネジ受け部73は一般に非磁性の金属で構成され、集積回路71の近傍に付設される。この場合、ネジ79およびネジ受け部73を構成する金属が交流磁場に影響を与えるので、放射線検出器55をPET−MR装置に用いた場合、PET−MR装置においてノイズが発生するという問題も懸念される。
最後に、従来の放射線検出器55は、隣接する放射線検出器の間の距離が適切となるように配列することが困難であるという問題が懸念される。図10(b)に示すように、シンチレータブロック61におけるシンチレータ結晶61aの配列ピッチをDaとする。
互いに隣接した放射線検出器55における、シンチレータブロック61の離間距離Dbは、配列ピッチDaの整数倍であることが好ましい。またγ線の検出感度をより高くするため、離間距離Dbはより短い方が好ましい。
2つの条件をみたす、離間距離Dbの理想的な値は一例として3mmである。しかし従来の放射線検出器55は、遮光ケース80によって覆われている。遮光ケース80を構成するプラスチックは厚みがあるので、シンチレータブロック61同士の離間距離Dbは理想的な値より長くなる。その結果、従来の装置においてγ線の検出感度が低くなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわちPET−MR装置に利用可能であって、構造上十分な締結強度を有し、かつ光電変換素子に対する冷却効率の高い放射線検出器を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る放射線検出器は、二次元的に配列されたブロック状のシンチレータ結晶によって構成され、入射した放射線を検出して発光するシンチレータブロックと、前記シンチレータブロックに光学的に結合され、前記シンチレータから発光された光を伝送するライトガイドと、前記ライトガイドから伝送された光を電気信号に変換させる光電変換素子によって構成され、前記ライトガイドと光学的に結合される光検出器と、前記光検出器、前記ライトガイド、および前記シンチレータブロックの各々の側周部に設けられ、前記光検出器の側周部および底部を嵌め合い保持する嵌め合い部、並びに前記光検出器を挟んで前記シンチレータブロックと対向する位置に配設されるベース部と締結するベース締結部が設けられる保持部材と、前記シンチレータブロックの外周部および前記保持部材の側周部を被覆する、接着性のある薄膜状の遮光部材とを備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器は、保持部材および遮光部材を備えている。保持部材は光検出器、ライトガイド、およびシンチレータブロックの各々の側周部に設けられ、嵌め合い部とベース締結部とを備えている。嵌め合い部は光検出器の側周部および底部を嵌め合い保持するので、光検出器の位置のズレは保持部材によって好適に回避される。光検出器はシンチレータブロックおよびライトガイドと光学的に結合しているので、保持部材によって、シンチレータブロックの位置のズレは好適に回避される。
保持部材は、光検出器を挟んで前記シンチレータブロックと対向する位置に配設されるベース部と、ベース締結部を介して締結される。この場合、ベース部と保持部材との締結をより強固にするようなベース締結部の設計が容易となる。ベース部と保持部材とを強固に締結できるので、保持部材は光検出器をより安定に保持できる。従って、放射線検出器の締結強度はより強くなる。
遮光部材は接着性を有し、シンチレータブロックの外周部および保持部材の側周部を被覆する。この場合、遮光部材は保持部材、およびシンチレータブロックの各々と強固に結合する。すなわち遮光部材は、保持部材とシンチレータブロックとを一体的に接合しつつ固定する。従って、放射線検出器は全体としてより強固な締結強度を有することができるので、シンチレータブロックの位置がずれることをより好適に回避できる。シンチレータブロックの位置が安定となる結果、放射線検出器はγ線の情報をより正確に検出できる。
さらに遮光部材は薄膜状であるので、シンチレータブロックを遮光部材で覆った場合であっても、隣接するシンチレータブロック同士の離間距離を理想的な短い距離にすることができる。シンチレータブロック同士の離間距離が短くなるので、γ線非検出領域はより狭くなる。従って、放射線検出器を外部の光から好適に保護することと、放射線検出器において高いγ線の検出感度を維持することを両立できる。
また、上述した発明において、前記光電変換素子を冷却する冷却手段によって構成され、前記光検出器と密着結合される冷却層と、前記光電変換素子によって変換された電気信号を送信する集積回路によって構成される集積回路基板とを備え、前記集積回路基板は接続部を介して前記光検出器と接続され、前記冷却層と接触しない位置に配設されることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、集積回路基板と、光検出器と密着結合される冷却層とを備えている。冷却層は光電変換素子を冷却する冷却手段によって構成される。冷却層は光検出器と密着結合しているので、光検出器を構成する光電変換素子は好適に冷却される。また、主要な熱源である集積回路を備える集積回路基板は冷却層と接触しない位置に配設される。この場合、集積回路において発生する熱の冷却手段への電動は好適に回避されるので、光電変換素子に対する冷却手段の冷却効率はより高くなる。従って、放射線検出器において冷却手段の過冷却に起因する結露の発生をより好適に回避できる。
また、上述した発明において、前記冷却層は前記冷却手段および、熱伝導性の樹脂によって構成される熱伝導シートを備え、前記冷却手段は前記熱伝導シートを介して前記光検出器と密着結合されることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、冷却層は冷却手段および、熱伝導シートを備え、冷却手段は熱伝導シートを介して光検出器と密着結合される。熱伝導シートは樹脂によって構成されるので、冷却手段と光検出器との密着性はより高くなる。そして光検出器の熱は、熱伝導性を有する熱伝導シートを介してより好適に冷却手段に伝導して放散される。このような構成により、放射線検出器において光電変換素子に対する冷却効率をより高めることが可能となる。
また、上述した発明において、前記光電変換素子はSiPM素子またはAPD素子であることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、光電変換素子としてSiPM素子またはAPD素子が用いられる。これらの素子は磁気共鳴断層撮影装置(MR装置)から発生される磁場による影響を受けない。そのため、本発明に係る放射線検出器を陽電子放出断層撮影−磁気共鳴断層撮影複合装置(PET−MR)に利用することができる。
また、上述した発明において、前記遮光部材は黒色のポリエチレンテレフタレートによって構成される遮光層と、粘着性のある材料で構成される粘着層とを備え、前記遮光部材は前記粘着層を介して前記シンチレータブロックの外周部および前記保持部材の側周部を被覆することが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、遮光部材は遮光層と粘着層とを備え、遮光層は黒色のポリエチレンテレフタレート(PET)によって構成される。黒色のPETは薄いフィルム状であっても高い強度と光遮断性とを有する材料であるので、遮光層の厚さをより低減できる。すなわち、シンチレータブロックを遮光部材で覆った場合であっても、隣接するシンチレータブロック同士の離間距離を理想的な短い距離にすることができる。従って、放射線検出器を衝撃や外部の光から好適に保護することと、放射線検出器において高いγ線の検出感度を維持することを両立できる。
また、上述した発明において、前記保持部材は、前記シンチレータブロックの側周部に設けられる側から、前記光検出器の側周部に設けられる側へ向かって肉厚となるテーパ状であることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、保持部材は、シンチレータブロックの側周部に設けられる側から、光検出器の側周部に設けられる側へ向かって肉厚となるテーパ状である。この場合、シンチレータブロックの側周部を被覆する部分は肉薄であるので、シンチレータブロックおよび保持部材を被覆する遮蔽部材と、保持部材とが接触する面積はより広くなる。この場合、遮蔽部材、保持部材、およびシンチレータブロックはより一体となり、より強固に接着結合する。従って、放射線検出器の締結強度をより高くすることができる。
また、上述した発明において、前記保持部材は、絶縁性および光遮断性を有する樹脂によって構成されることが好ましい。
[作用・効果]本発明に係る放射線検出器によれば、保持部材は、絶縁性および光遮断性を有する樹脂によって構成される。この場合、遮光部材と同様に、保持部材は好適に放射線検出器の外部からの光を遮断する。また保持部材を構成する樹脂は、放射線検出器を衝撃などから保護する。従って、放射線検出器が衝撃や外部からの光によって受ける影響を好適に低減できる。
本発明に係る放射線検出器は、保持部材および遮光部材を備えている。保持部材は光検出器、ライトガイド、およびシンチレータブロックの各々の側周部に設けられ、嵌め合い部とベース締結部とを備えている。嵌め合い部は光検出器の側周部および底部を嵌め合い保持するので、光検出器の位置のズレは保持部材によって好適に回避される。光検出器はシンチレータブロックおよびライトガイドと光学的に結合しているので、保持部材によって、シンチレータブロックの位置のズレは好適に回避される。
保持部材は、光検出器を挟んで前記シンチレータブロックと対向する位置に配設されるベース部と、ベース締結部を介して締結される。この場合、ベース部と保持部材との締結をより強固にするようなベース締結部の設計が容易となる。ベース部と保持部材とを強固に締結できるので、保持部材は光検出器をより安定に保持できる。従って、放射線検出器の締結強度はより強くなる。
遮光部材は接着性を有し、シンチレータブロックの外周部および保持部材の側周部を被覆する。この場合、遮光部材は保持部材、およびシンチレータブロックの各々と強固に結合する。すなわち遮光部材は、保持部材とシンチレータブロックとを一体的に接合しつつ固定する。従って、放射線検出器は全体としてより強固な締結強度を有することができるので、シンチレータブロックの位置がずれることをより好適に回避できる。シンチレータブロックの位置が安定となる結果、放射線検出器はγ線の情報をより正確に検出できる。
さらに遮光部材は薄膜状であるので、シンチレータブロックを遮光部材で覆った場合であっても、隣接するシンチレータブロック同士の離間距離を理想的な短い距離にすることができる。シンチレータブロック同士の離間距離が短くなるので、γ線非検出領域はより狭くなる。従って、放射線検出器を外部の光から好適に保護することと、放射線検出器において高いγ線の検出感度を維持することを両立できる。
実施例に係る放射線検出器の全体構成を示す縦断面図である。 実施例に係る保持部材の構成を示す斜視図である。 実施例に係る保持部材、連結ベース、およびシンチレータ複合体の連結状態を説明する縦断面図である。 実施例に係る連結ベースの構成を説明する図である。(a)は放射線検出器と接続した状態の連結ベースをz方向から見たときの正面図であり、(b)は放射線検出器と接続していない状態の連結ベースをz方向から見たときの正面図である。 実施例に係る遮光フィルムの構成を示す縦断面図である。 (a)は実施例に係るPET装置について、yz平面における縦断面図であり、(b)は実施例に係るPET装置について、隣接する放射線検出器の離間距離を説明する概略図である。 実施例に係るPET装置について、xy平面における縦断面図である。 変形例に係る放射線検出器の全体構成を示す縦断面図である。 従来例に係るPET装置の全体構成を示す縦断面図である。 従来例に係る放射線検出器の構成を示す概略図である。(a)は放射線検出器の全体構成を示す縦断面図であり、(b)は隣接する放射線検出器の離間距離を説明する概略図である。
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係る放射線検出器1の縦断面図である。なお、実施例に係る放射線検出器1を備えるPET装置の概略構成については図9に示す従来例と同様であるので、詳細は後述する。なお放射線検出器1について、PET装置に被検体を導入する導入孔が伸びる方向をx方向とする。そしてPET装置に設けられる導入孔の中心Poへ向かう方向をy方向とする(図6、図9)。x方向およびy方向の各々に直交する方向をz方向とする。
<全体構成の説明>
実施例に係る放射線検出器1は図1に示すように、上層から下層に向かって、シンチレータブロック3と、ライトガイド5と、光検出器7と、冷却層9とが順に積層された構成を有している。なお放射線検出器1において、上層とはPET装置に設けられる被検体の導入孔に近い側を意味し、下層とはPET装置に設けられる筐体に近い側を意味する。また、放射線検出器1において、y方向はシンチレータブロック3を始めとする、各構成が積層する方向と一致する。
シンチレータブロック3は、直方体のシンチレータ結晶3aがx方向およびz方向の各々へ二次元的に配列された構造を有しており、被検体から放出されたγ線を吸収してシンチレータ光を発光する。シンチレータ結晶3aの各々は、透明な熱硬化性樹脂などによって光学的に結合している。シンチレータ結晶3aを構成する材料としては、例えばLYSO、LSO、LGSO、GSO、またはBGOなどの結晶が用いられる。
ライトガイド5は透明度の高い光学的部材によって構成されており、シンチレータブロック3から発光されたシンチレータ光を光検出器7へと伝送する。シンチレータブロック3、ライトガイド5、および光検出器7の各々は、透明な熱硬化性樹脂などによって光学的に結合している。シンチレータブロック3の上面部および側周部、並びにライトガイド5の側周部の各々は、シンチレータ光を反射する図示しない反射フィルムによって被覆されている。
光検出器7は、プリント基板13の上層に光電変換層11が積層された構成を有しており、光電変換層11とライトガイド5とが光学的に結合している。光電変換層11は、光電変換素子11aが二次元的に配列されている。光電変換素子11aに用いられる材料の例としてはSiPMやAPDなど、MR装置が発生する磁場の影響を受けない受光素子が挙げられる。
光電変換素子11aには受光部11bが設けられている。光電変換素子11aはライトガイド5によって伝送されたシンチレータ光を受光部11bにおいて検出し、電気信号に変換する。プリント基板13を構成する材料としては、板状のセラミックや、板状のガラスエポキシ樹脂などが用いられる。
冷却層9は、サーマルシート15と、光電変換素子11aを冷却する冷却板17とが順に積層された構成を有している。冷却板17の構成の例として、冷媒を循環させる図示しないチューブが内部に設けられる構成が挙げられる。サーマルシート15は、熱伝導性および柔軟性の高い材料で構成されている。サーマルシート15は冷却板17と光検出器7とをより好適に密着させるともに、光電変換素子11aから冷却板17へ、熱を効率的に伝導させる。サーマルシート15は本発明における熱伝導シートに相当する。冷却板17は本発明における冷却手段に相当する。
冷却板17は伝導された熱を好適に放散させる。そのため冷却板17はサーマルシート15を介して光検出器7に接触することによって、より効率よく光電変換素子11aを冷却できる。但しサーマルシート15を省略し、冷却板17が直接光検出器7に接触する構成であってもよい。
プリント基板13の裏面(光電変換層11が積層されていない面)にはコネクタ19の一端が接続されている。コネクタ19は冷却層9を貫通し、その他端は集積回路基板21と接続されている。すなわち放射線検出器1において、集積回路基板21は冷却層から離れた状態で、冷却層9の下層に配置されている。コネクタ19は熱伝導性の低い材料によって構成される。コネクタ19は本発明における接続部に相当する。
集積回路基板21は、プリント基板23と集積回路25とが上層から順に積層された構成を有している。コネクタ19の他端は、プリント基板23と接続されている。集積回路25の下層には、連結ベース27が設けられている。連結ベース27は、PET装置に設けられ放射線検出器1を内包する筐体29と、放射線検出器1とを連結させる。PET装置全体の詳細な構成については後述する。連結ベース27は、本発明におけるベース部に相当する。
集積回路25は光電変換素子11aによって変換された電気信号を、信号処理回路へ送信して読み出させる。集積回路25を構成する材料としては、特定用途向け集積回路(ASIC)などが用いられる。信号処理回路は読み出された電気信号に基づいて、関心部位における陽電子放出核種の分布を示す断層画像を生成する。
<実施例において特徴的な構成>
実施例に係る放射線検出器1に特徴的な構成として、シンチレータブロック3、ライトガイド5、光検出器7、および連結ベース27の各々の外周部には、保持部材31が設けられている。保持部材31は絶縁性および光遮断性を有する樹脂によって構成されており、構成材料の例としては、黒色のポリカーボネートや黒色のABS樹脂などが好ましい。これらの材料は光の透過性が低く、かつ安定した形状精度を確保できる樹脂である。
保持部材31の斜視図を図2に示している。保持部材31はy方向に貫通する開口部を備えた略直方体である。保持部材31には、嵌め合い部31aおよびキリ穴31bが設けられている。嵌め合い部29aは、光検出器7の側面および底面と嵌め合うように構成される。保持部材31は嵌め合い部31aを介して光検出器7を安定した状態で保持するので、光検出器7と結合しているシンチレータブロック3の位置は、より安定する。
キリ穴31bは保持部材31の下部側面に設けられており、各々のキリ穴31bは保持部材31をz方向に貫通している。キリ穴31bを介してネジ33が螺合することによって、保持部材31および連結ベース27が締結される。放射線検出器1の内部を点検・補修する場合、図3に示すようにキリ穴31bからネジ33を取り外すことにより、保持部材31と連結ベース27とを分離できる。またネジ33を取り外すことにより、嵌め合い部29aを介して嵌合している保持部材31と光検出器7とを分離できる。キリ穴31bは本発明におけるベース締結部に相当する。
また、保持部材31は上端から下方に向かって肉厚となるテーパ状となっている。すなわち保持部材31は、シンチレータブロック3の側周部に設けられる側から光検出器7の側周部に設けられる側に向かって肉厚となっている。この場合、後述する遮光フィルム35と保持部材31との接着面積はより広くなるので、保持部材31と遮光フィルム35とはより強固に結合する。その結果、放射線検出器1の締結強度はより大きくなる。
なお、連結ベース27は図4(a)に示すようにx方向に伸びており、x方向へ直列に並んだ3個の放射線検出器1の各々と接続する。図4(b)に示すように、連結ベース27には凹部27aが設けられており、凹部27aは放射線検出器1に設けられている保持部材31の下端部と嵌合する。また連結ベース27のz方向の面には、ネジ33と螺合するネジ受け部27bが設けられている。すなわちキリ穴31bを通してネジ33とネジ受け部27とが螺合することにより、保持部材31および連結ベース27は締結される。
さらに放射線検出器1に特徴的な構成として図1に示すように、シンチレータブロック3の上面部および側周部、並びに保持部材31の側周部は遮光フィルム35によって覆われている。遮光フィルム35は図5に示すように、遮光層35aおよび粘着層35bによる二層構造を有している。遮光層35aを構成する材料としては、黒色のポリエチレンテレフタレート(PET)などが好ましい。黒色のPETは薄いフィルム状であっても効率的に光を遮断できる材料である。またPETは薄いフィルム状であっても高い強度と高い絶縁性とを有するので、遮光フィルム35は衝撃や外部の光から放射線検出器1を保護できる。遮光フィルム35は本発明における遮光部材に相当する。
粘着層35bは粘着性の材料で構成されており、公知の接着剤などを用いてよい。遮光層35aは粘着層35bを介して、シンチレータブロック3または保持部材31を接着被覆する。遮光層33aの厚さは一例として30μmであり、粘着層35bの厚さは一例として20μmである。すなわち遮光フィルム35の厚さは50μm程度であるので、シンチレータブロック3を遮光フィルム35で覆った場合であっても、隣接するシンチレータブロック3の離間距離を所定の短い距離にすることができる。このように、放射線検出器1は保持部材31および遮光フィルム35によって強固に締結される。そのため、シンチレータブロック3の位置がずれることを防止できる。
<PET装置の構成>
次に、実施例に係る放射線検出器1を備えるPET装置37の構成について説明する。図6(a)はPET装置37のyz平面における縦断面図であり、図7はPET装置37のxy平面における縦断面図である。
実施例に係るPET装置37のyz平面における縦断面図は、図11に示す従来のPET装置と共通している。すなわちPET装置37は、被検体を導入する導入孔39が設けられたガントリ41を備えている。ガントリ41の内部には筐体43が設けられている。筐体43の内部には、導入孔39を囲むように放射線検出器1がリング状に配列されている。図6(a)においてリング状に配列されている放射線検出器1の数は8つであるが、リング構造を形成する放射線検出器1の数は適宜変更してよい。
連結ベース27は、放射線検出器1の各々と筐体43とを連結する。図7に示すように、連結ベース27は長手方向がx方向と一致するように配設される。従って、1つの連結ベース27に接続される3つの放射線検出器1は、それぞれx方向に直列した状態で配置される。なお、x方向に配設される連結ベースは1つに限られず、x方向に複数の連結ベース27を直列して配設する構成であってもよい。
ここで放射線検出器1においてシンチレータブロック3におけるシンチレータ結晶3aの配列ピッチをDaとする。また、互いに隣接したシンチレータブロック3において、上端同士の離間距離をDbとする(図6(b)、図7)。放射線検出器1において、離間距離Dbは配列ピッチDaの整数倍であることが好ましい。
この場合、あたかもシンチレータ結晶3aが整然と並んで導入孔39の全周囲を囲っているように、各々の放射線検出器1が配列される。また、γ線の検出感度をより高くするため、離間距離Dbはより短い方が好ましい。放射線検出器1において、シンチレータ結晶3aの配列ピッチDaは一例として約1.5mmである。この場合、離間距離Dbの理想的な距離の一例は3mmである。
<実施例の構成による効果>
上述した構成を有することにより、実施例に係る放射線検出器1は光電変換素子に対する冷却効率および検出器の締結強度を高めることができる。以下、実施例に係る構成による効果について説明する。
実施例に係る放射線検出器1は、保持部材31と遮光フィルム35とを備えている。保持部材31には嵌め合い部31aが設けられており、嵌め合い部31aは光検出器7の側面および底面と嵌め合うように構成されている。すなわち、保持部材31は嵌め合い部31aを介して光検出器7の側面および底面を保持する。
放射線検出器1はシンチレータブロック3、ライトガイド5、光検出器7、および冷却層9が順に積層された積層体(以下、「シンチレータ複合体」とする)を備えている。シンチレータ複合体を構成する各々の層はそれぞれ強固に結合している。従って、嵌め合い部31aが光検出器7を保持することにより、保持部材31はシンチレータ複合体の位置がずれることを防止できる。特に嵌め合い部31aは光検出器7の底面を支持できるので、保持部材31はシンチレータ複合体がy方向について、下層に向かってずれることを好適に回避できる。
保持部材31は下方側面にキリ穴31bが設けられている。キリ穴31およびネジ33が螺合することによって、シンチレータ複合体を保持する保持部材31は連結ベース27と締結する。従来例に係る放射線検出器55では、集積回路71が大部分を占めるプリント基板69の表面にネジ受け部73を付設しているので、ネジ受け部73の付設可能範囲が狭い。その結果、ネジ79の数および太さが制限されるので、従来の放射線検出器55では締結力を十分に確保することが困難である(図12)。
一方、実施例においてキリ穴31bは保持部材31の下部側面に設けられる。図6(a)に示すように、yz平面において放射線検出器1はリング状に配置される。PET装置に用いられる放射線検出器1にでは、γ線の検出感度をより高くするため、隣接するシンチレータブロック3の離間距離は短いことが好ましい。そのため、放射線検出器1の上層におけるz方向の離間距離Dbが所定の短い距離(一例として3mm)となるように、放射線検出器1の各々は配置される。
しかし、放射線検出器1の各々はy方向の上層から下層に向かって、放射状に拡がるように配置される。従って、放射線検出器1の下層におけるz方向の離間距離Dcは、放射線検出器1の上層における離間距離Dbより長くなる。キリ穴31bは放射線検出器1の下層に、保持部材31をz方向に貫通するように付設される。そのため、放射線検出器1の下層では、保持部材31の厚さやネジ33の長さの各々を大きくすることができる。
また、保持部材31の下部側面は広く、キリ穴31bの付設を制限する他の構成(集積回路など)によって占められることもないので、キリ穴31bを付設できる範囲が広い。この場合、ネジ33の数や太さを大きくすることができる。従って、キリ穴31bおよびネジ33を介して、保持部材31と連結ベース27とをより強固に締結できる。また、キリ穴31bの位置は光検出器7や集積回路基板21から離れているので、放射線検出器1がネジ33などによって受ける磁場の影響はより小さくなる。
さらに、保持部材31およびシンチレータブロック3は、遮光フィルム35によって被覆される。遮光フィルム35は粘着力を有する材料で構成されているので、遮光フィルム35は保持部材31およびシンチレータブロック3の各々と強固に結合する。遮光フィルム35は、保持部材31とシンチレータ複合体とを一体的に接合しつつ巻き付け固定する。従って、放射線検出器1は全体として、より強固な締結強度を有することができる。また遮光フィルム35が粘着被覆することによって、シンチレータ複合体の位置がずれることを防止できる。特に遮光フィルム35はシンチレータ複合体がy方向について、上層に向かってずれることを好適に回避できる。
遮光フィルム35はフィルム状の黒色のPETで構成される。黒色のPETは薄いフィルム状であっても高い強度と光遮断性とを有する材料であるので、遮光フィルム35の厚さを50μm程度に低減できる。すなわち、シンチレータブロック3の上面を反射フィルムおよび遮光フィルム35で覆った場合であっても、隣接するシンチレータブロック3同士の離間距離Dbを理想的な短い距離にすることができる。従って、放射線検出器1の耐衝撃性および光遮断性を高めつつ、高いγ線の検出感度を維持することが可能となる。
保持部材31および遮光フィルム35は、いずれも光の透過性が低い材料で構成される。保持部材31はシンチレータ複合体の側面を被覆保持し、さらに遮光フィルム35が保持部材31とシンチレータ複合体とを一体的に接合しつつ巻き付け固定する。そのため放射線検出器1の外部の光は、保持部材31および遮光フィルム35によって好適に遮断される。従って、放射線検出器1は外部の光による影響をより低減できる。また、保持部材31および遮光フィルム35はいずれも樹脂によって構成されるので、衝撃などから放射線検出器1を好適に保護できる。
また、保持部材31は上層から下層に向かって肉厚となるテーパ状となっている。すなわち保持部材31は、シンチレータブロック3の側周部に設けられる側から光検出器7の側周部に設けられる側に向かって肉厚となっている。この場合、保持部材31の肉厚が一定である場合と比べて、遮光フィルム35と保持部材31との間に生じる隙間が狭くなる。そのため、保持部材31と遮光フィルム35とはより密着し、強固に結合する。その結果、放射線検出器1の締結強度はより大きくなる。
このように保持部材31および遮光フィルム35を備えることにより、放射線検出器1の締結強度は高くなる。また、シンチレータ複合体の位置のずれは好適に回避されるので、放射線検出器1はγ線の情報をより正確に検出することができる。
さらに実施例に係る放射線検出器1において、光検出器7と冷却層9とは密着した状態で積層される。そのため光検出器7に設けられている光電変換素子11aの各々は冷却板17によって好適に冷却される。主要な熱源である集積回路基板21は、冷却層9から離れた状態で配設される。そのため集積回路基板21において発生する熱が冷却層9に伝導することを好適に回避できる。従って、光電変換素子11aに対する冷却板17の冷却効率を高めることができる。この場合、冷却板17を必要以上に強く冷却する必要がないので、放射線検出器1において、冷却板17の過冷却に起因する結露の発生を防止できる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例において、コネクタ19は冷却層9を貫通する構成としているがこれに限られない。すなわち図8に示すように、コネクタ19は冷却層9の側周を迂回するように伸びる構成であってもよい。この場合、サーマルシート15および冷却板17に貫通孔を設ける必要がない。従って、光電変換素子11aに対する冷却板17の冷却効率をより高くすることができる。
(2)上述した実施例において、保持部材31はテーパ状であるがこれに限られることはなく、上端から下端まで均一な肉厚の構造であってもよい。また保持部材31の上端はシンチレータブロック3の側周部に接する構造であるが、保持部材31の上端は光検出器7の側周部に接する構造であってもよいし、ライトガイド5の側周部に接する構造であってもよい。
(3)上述した実施例において、放射線検出器1を用いる構成として、PET−MR装置として使用可能なPET装置を挙げて説明したが、これに限られない。すなわち実施例に係る放射線検出器1は、PET装置の他にもTOF−PET(TOF:Time of Flight)装置に応用可能である。
TOF−PET装置では、2個のγ線について、放射位置から両放射線検出器による検出位置までの飛行時間差を測定することによってγ線の発生位置を特定する。TOF−PET装置に放射線検出器1を用いる場合、シンチレータブロック3は三次元的に配列されたブロック状のシンチレータ結晶によって構成される。この場合、シンチレータブロック3はシンチレータ光の光源位置を深さ方向について弁別できる。
1 …放射線検出器
3 …シンチレータブロック
5 …ライトガイド
7 …光検出器
9 …冷却層
11 …光電変換層
11a …光電変換素子
15 …サーマルシート(熱伝導シート)
17 …冷却板(冷却手段)
19 …コネクタ(接続部)
21 …集積回路基板
25 …集積回路
27 …連結ベース(ベース部)
29 …筐体
31 …保持部材
31a …嵌め合い部
31b …キリ穴(ベース締結部)
33 …ネジ
35 …遮光フィルム(遮光部材)

Claims (7)

  1. 二次元的に配列されたブロック状のシンチレータ結晶によって構成され、入射した放射線を検出して発光するシンチレータブロックと、
    前記シンチレータブロックに光学的に結合され、前記シンチレータから発光された光を伝送するライトガイドと、
    前記ライトガイドから伝送された光を電気信号に変換させる光電変換素子によって構成され、前記ライトガイドと光学的に結合される光検出器と、
    前記光検出器、前記ライトガイド、および前記シンチレータブロックの各々の側周部に設けられ、前記光検出器の側周部および底部を嵌め合い保持する嵌め合い部、並びに前記光検出器を挟んで前記シンチレータブロックと対向する位置に配設されるベース部と締結するベース締結部が設けられる保持部材と、
    前記シンチレータブロックの外周部および前記保持部材の側周部を被覆する、接着性のある薄膜状の遮光部材とを備えることを特徴とする放射線検出器。
  2. 請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記光電変換素子を冷却する冷却手段によって構成され、前記光検出器と密着結合される冷却層と、
    前記光電変換素子によって変換された電気信号を送信する集積回路によって構成される集積回路基板とを備え、
    前記集積回路基板は接続部を介して前記光検出器と接続され、前記冷却層と接触しない位置に配設される放射線検出器。
  3. 請求項2に記載の放射線検出器において、
    前記冷却層は前記冷却手段および、熱伝導性の樹脂によって構成される熱伝導シートを備え、
    前記冷却手段は前記熱伝導シートを介して前記光検出器と密着結合される放射線検出器。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記光電変換素子はSiPM素子またはAPD素子である放射線検出器。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記遮光部材は黒色のポリエチレンテレフタレートによって構成される遮光層と、粘着性の材料で構成される粘着層とを備え、
    前記遮光部材は前記粘着層を介して前記シンチレータブロックの外周部および前記保持部材の側周部を被覆する放射線検出器。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記保持部材は、前記シンチレータブロックの側周部に設けられる側から、前記光検出器の側周部に設けられる側へ向かって肉厚となるテーパ状である放射線検出器。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の放射線検出器において、
    前記保持部材は、絶縁性および光遮断性を有する樹脂によって構成される放射線検出器。
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