以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明における気体の一例であるメタン等の炭化水素(以下、単にガスという)が配管から漏洩している可能性が有る場合に、ガスが漏洩している可能性が有る箇所を撮影することで、ガスの漏洩の有無を判断したり、ガスが漏洩している箇所を特定したり、漏洩したガスの分布の広がりを確認する等の漏洩確認作業を行うことを可能とする気体の漏洩撮影装置10が示されている。図1に示した各構成要素は、その殆どが図2に示す気体の漏洩撮影装置10の筐体64内に収容されている。
気体の漏洩撮影装置10の光学系は、光入射側から順に、赤外透過フィルタ12、レンズユニット14及び撮像素子16が配置されており、レンズユニット14及び撮像素子16はバス60に接続されている。なお、赤外透過フィルタ12、レンズユニット14及び撮像素子16は本発明における撮影部の一例である。図6に示すように、メタンの光吸収スペクトルは波長3.3(μm)付近で吸収率が最大値を示す。赤外透過フィルタ12は、メタン等の炭化水素の漏洩が可視化されるように、波長3.3(μm)を含む所定の赤外域の光を透過し、所定の赤外域以外の光を遮断する。
レンズユニット14は、パルスモータ等の駆動源の駆動力により焦点位置を変更可能な機構(オートフォーカス(AF)機構)を備えたズームレンズ(撮影倍率可変レンズ)であり、レンズユニット14のAF機構及びズーム機構は撮影制御部20(後述)によって駆動が制御される。なお、レンズユニット14は、ズームレンズに代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定レンズを含んでいてもよい。
撮像素子16としては、所定の赤外域に感度を有するCCD又はMOS型撮像素子が用いられる。撮像素子16はレンズユニット14の焦点位置に配置されており、被写体で反射されてレンズユニット14に入射された光は撮像素子16の受光面に結像される。撮像素子16による撮影時には、撮影制御部20から撮像素子16にタイミング信号が入力され、撮像素子16は入力されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動され、所定周期(例えば60フレーム/秒)で動画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を繰り返し出力する。
撮像素子16の信号出力端にはA/D変換部18が接続されており、A/D変換部18はバス60に接続されている。撮像素子16から出力された動画像信号は、A/D変換部18によって増幅されると共にデジタルの動画像データに変換されてバス60へ送出される。
バス60には、撮像素子16による撮影を制御する撮影制御部20、動画像データに対して画像処理を行う画像処理部22、画像データの圧縮及び伸長(解凍)を行う圧縮/伸長処理部24、筐体64に設けられたLCD等の表示部26が接続され表示部26への動画像の表示を制御する表示制御部28、内蔵フラッシュメモリ等の記憶部30が接続され記憶部30に対する動画像データ等の記録及び読み出しを制御する記録/読出制御部32、バッテリ34が接続されバッテリ34から供給された電力を各構成要素へ供給する電源部36、後述する光源部制御処理を行うための光源部制御プログラムを含む各種のプログラムやデータを記憶したメモリ38、CPU40、各種の操作ボタン等を含む操作部42、及び、被写体に赤外光を照射するための光源部52が各々接続されている。なお、表示部26は本発明における表示部の一例である。
操作部42は、撮影の開始・終了を指示するためのボタンを含む撮影開始/終了指示部44、撮影倍率の変更を指示するためのボタンを含む撮影倍率変更指示部46、光源部52のLED90(後述)の点消灯を指示するためのボタンを含むLED点消灯指示部48、及び、LED90の角度(詳しくは後述する回動部材70の角度)の変更を指示するためのボタンを含むLED角度変更指示部50を含んでいる。なお図示は省略するが、操作部42は、気体の漏洩撮影装置10の電源のオンオフを指示するためのボタンを含む電源オンオフ指示部も含んでいる。
図2に示すように、光源部52は、扁平なドーナツ状で、レンズユニット14の撮影光軸(図8には撮影光軸に「P」の符号を付して示す)の周囲を取り囲むように筐体64に取り付けられたベースプレート68を備えている。ベースプレート68の上面には、扁平な直方体状とされた回動部材70が、撮影光軸の軸回りに沿って間隔を空けて複数配置されている。
図3に示すように、個々の回動部材70には、撮影光軸に近い側の端部に、ベースプレート68の表面に平行でかつ撮影光軸に直交する方向に沿って配置された回転軸72が各々取り付けられている。個々の回動部材70に取り付けられた個々の回転軸72は、ベースプレート68の表面に取り付けられた一対のブラケット74により、各々回転可能にベースプレート68に支持されており、回動部材70は回転軸72を中心として回動可能とされている。
また、個々の回動部材70に取り付けられた個々の回転軸72は、それぞれの端部が、隣り合う回動部材70に取り付けられた回転軸72の端部と連結部76を介して各々連結されている。連結部76は例えば自在継ぎ手で構成されている。これにより、何れか1つの回動部材70が回転軸を中心として回動されると、その回転力が回転軸72及び連結部76を介して残りの回動部材70に伝達され、全ての回動部材70が撮影光軸に対して同じ傾きとなるように回動される。
また、特定の1つの回動部材70に取り付けられた回転軸72には、中間部に、ギア機構を内蔵したギアボックス78が設けられており、ギアボックス78に内蔵されている1つのギアは、角度変更モータ58の回転軸に取り付けられたギアと噛合している。ギアボックス78は、角度変更モータ58の回転軸の回転力を、回転軸72を回転させる力へ変換して回転軸72へ伝達する。これにより、角度変更モータ58が駆動されると、角度変更モータ58の駆動力により、全ての回動部材70が撮影光軸に対して同じ傾きとなるように回動される。
また、個々の回動部材70にはLEDユニット54が取り付けられている。なお、図1ではLEDユニット54を1個のみ示しているが、本実施形態では、図3に示すように、個々の回動部材70毎に各々2個のLEDユニット54が取り付けられている。但し、1個の回動部材70に取り付けられるLEDユニット54の数は2個に限られるものではない。なお、回動部材70、回転軸72及びブラケット74は本発明における角度変更部の一例であり、回動部材70は本発明における回動部材の一例である。また、本第1実施形態において、連結部76、ギアボックス78、角度変更モータ58及びCPU40は本発明における連動部の一例である。
図4に示すように、個々のLEDユニット54は、パッケージ台座84と、パッケージ台座84上に配置されたペルチェ素子86と、ペルチェ素子86の上方に配置された複数のLED90と、LED90から所定の間隔を空けて配置されたレンズ92と、を含んでいる。LED90は波長3.3(μm)を含む所定の赤外域の光を射出する。レンズ92はLED90からの射出光を屈折させ、LEDユニット54からの射出光の拡がり角を所定角度に調整する。なお、本実施形態では、1つのLEDユニット54に4個のLED90が設けられているが、1つのLEDユニット54に設けられるLED90の数は4個に限られるものではない。上記のLEDユニット54又はLED90は本発明における発光源、より詳しくは請求項7に記載のLEDの一例である。
図1に示すように、光源部52はLED駆動部56を備えている。なお、図1ではLED駆動部56を1個のみ示しているが、実際には、LED駆動部56は、同一の回動部材70に取り付けられた2個のLEDユニット54毎に1個設けられている。図示は省略するが、LED駆動部56は、2個のLEDユニット54の個々のLEDの発光を制御するLED発光制御部と、ペルチェ素子86への通電を制御するペルチェ素子制御部と、LED発光制御部及びペルチェ素子制御部に電力を供給する電源回路と、を含んでいる。
LED駆動部56のLED発光制御部は、2個のLEDユニット54の個々のLED90の駆動電流の大きさ、個々のLED90のオンオフのデューティ比、及び、個々のLED90のオンオフの周波数を制御する。なお、個々のLED90のオンオフの周波数は、例えば400(Hz)程度とすることができる。また、LED駆動部56のLED発光制御部は、個々のLEDのオンオフのタイミングをLEDユニット54を単位として切替えることにより、図5(A)に示すように、同一の回動部材70に取り付けられた2個のLEDユニット54の全てのLED90を同一の期間に点灯させることも(点滅モード)、図5(B)に示すように、各LED90をLEDユニット54毎に交互に点灯させることも(連続モード)可能とされている。
LED駆動部56のペルチェ素子制御部は、LED90の駆動電流−発光強度特性が温度によって大きく変化することから、個々のLED90の温度がおよそ一定の温度に維持されるようにペルチェ素子86への通電を制御する。
次に本第1実施形態の作用を説明する。本実施形態に係る気体の漏洩撮影装置10は、例えばガスを輸送する配管網を定期的に点検する際に、ガスが漏洩していないことを点検する場合や、配管網に別に設けられたガス漏洩検知装置によってガスの漏洩が検知され、ガスの漏洩状況を確認したりガスの漏洩箇所を特定したりする場合に用いられる。この場合、作業者は、気体の漏洩撮影装置10によって配管やその周辺を動画像として撮影し、撮影されて表示部26に表示された動画像を目視してガスが漏洩していないかを確認することを、配管の方向に沿って移動しながら繰り返す。
ここで、気体の漏洩撮影装置10によって撮影を行っている現場が、赤外光を含む自然光が殆ど届かない環境である場合は、漏洩したガスが撮影範囲内に存在していたとしても、当該ガスによる赤外光の吸収が生じないので、撮影された動画像のうち漏洩ガスに対応する領域とその他の領域とで濃度差が生じず、撮影されて表示部26に表示された動画像を目視してもガスが漏洩していないかを確認することは困難である。このため、上記の場合、作業者は操作部42のLED点消灯指示部48を介して光源部52の各LEDユニット54のLED90の点灯を指示する。
上記のようにLEDユニット54のLED90の点灯が指示されると、メモリ38に記憶されている光源部制御プログラムがCPU40によって実行されることで、図7に示す光源部制御処理がCPU40によって行われる。
本実施形態では、各LEDユニット54のLED90が消灯している状態で、個々の回動部材70を、表面がベースプレート68の表面と平行になる位置(初期位置)に停止させている。また、本実施形態では、LED90を点灯させる間、個々のLEDユニット54毎の平均発光強度を回動部材70の位置に応じて変化させる制御を行い、回動部材70が互いに異なる複数の位置のときのLEDユニット54の目標平均発光強度が、メモリ38に予め記憶されている。
このため、光源部制御処理の実行が開始されると、ステップ200において、CPU40は、光源部52の各LEDユニット54のLED90をLED駆動部56によって点灯させると共に、LEDユニット54毎の平均発光強度が回動部材70の現在の位置(初期位置)に対応する目標平均発光強度になるように、発光させるLED90の数、LED90の発光強度及びLED90の発光期間のデューティ比の少なくとも1つをLED駆動部56によって制御する。
次のステップ202において、CPU40は、操作部42のLED角度変更指示部50を介してLED90(回動部材70)の角度の変更が指示されたか否か判定する。ステップ202の判定が否定された場合はステップ204へ移行し、CPU40は、操作部42のLED点消灯指示部48を介してLED90の消灯が指示されたか否か判定する。ステップ204の判定も否定された場合はステップ202に戻り、何れかの判定が肯定される迄、ステップ202,204を繰り返す。
作業者は、例えば配管からのガスの漏洩が生じており、ガスの漏洩箇所を特定するために配管に近寄った等のように、撮影対象との距離を小さくしたことに伴い、撮影範囲に対して光源部52の個々のLEDユニット54からの射出光の照射範囲が広過ぎていると判断した等の場合、操作部42のLED角度変更指示部50を介し、個々のLEDユニット54からの射出光が集光されるように個々のLEDユニット54(回動部材70)の角度の変更を指示する。
上記指示が入力されると、ステップ202の判定が肯定されてステップ206へ移行する。ステップ206において、CPU40は、LED角度変更指示部50を介して入力された角度変更指示に応じて、角度変更モータ58の回転軸の回転方向を個々のLEDユニット54からの射出光を集光させる方向に決定すると共に、同方向への回転軸の回転量を決定し、角度変更モータ58の回転軸が、決定した回転方向へ、決定した回転量だけ回転するように角度変更モータ58の駆動を制御することで、各回動部材70の角度を変更する。この回動部材70の角度変更に伴い、個々のLEDユニット54からの射出光の光軸L(図8参照)と撮影光軸Pとの成す角度が変化する。
また、次のステップ208において、CPU40は、LEDユニット54毎の平均発光強度が角度変更後の回動部材70の位置に対応する目標平均発光強度になるように(この場合はLEDユニット54の平均発光強度が低下するように)、発光させるLED90の数、LED90の発光強度及びLED90の発光期間のデューティ比の少なくとも1つをLED駆動部56によって制御する。
上記のステップ206,208の処理により、例として図8(A)に示すように、気体の漏洩撮影装置10から比較的近距離の位置に個々のLEDユニット54からの射出光が集光されるように、回動部材70の角度(位置)が変更される。また、この場合の角度変更後の回動部材70の位置は、個々のLEDユニット54からの射出光が比較的近距離に集光される位置であるので、個々のLEDユニット54毎の目標平均発光強度が小さくなり、LEDユニット54の平均発光強度が回動部材70の角度変更前よりも低下するようにLED90の発光が制御される。
これにより、個々のLEDユニット54からの射出光が比較的近距離に存在する撮影対象(例えば配管のガスの漏洩箇所)に集中的に照射され、個々のLEDユニット54からの射出光が撮影対象に効率良く照射される。また、個々のLEDユニット54の平均発光強度が回動部材70の角度変更前よりも低下されることにより、比較的近距離に存在する撮影対象への赤外光の照射光量が過剰となって、撮影された動画像が白く潰れる等の画質低下が生ずることが抑制される。
また作業者は、例えば配管からのガスの漏洩が生じており、漏洩したガスの分布の拡がりを確認するために配管から遠ざかった等のように、撮影対象との距離を大きくしたことに伴い、撮影範囲に対して光源部52のLEDユニット54からの射出光の照射範囲が一箇所に集まり過ぎていると判断した等の場合、操作部42のLED角度変更指示部50を介し、LEDユニット54からの射出光が拡散されるように個々のLEDユニット54(回動部材70)の角度の変更を指示する。
上記指示が入力されると、ステップ202の判定が再び肯定されてステップ206へ移行し、ステップ206において、CPU40は、LED角度変更指示部50を介して入力された角度変更指示に応じて、角度変更モータ58の回転軸の回転方向をLEDユニット54からの射出光を拡散させる方向に決定すると共に、同方向への回転軸の回転量を決定し、角度変更モータ58の回転軸が、決定した回転方向へ、決定した回転量だけ回転するように角度変更モータ58の駆動を制御することで、各回動部材70の角度を変更する。この回動部材70の角度変更に伴い、個々のLEDユニット54からの射出光の光軸L(図8参照)と撮影光軸Pとの成す角度が変化する。
また、ステップ208において、CPU40は、LEDユニット54毎の平均発光強度が角度変更後の回動部材70の位置に対応する目標平均発光強度になるように(この場合は個々のLEDユニット54毎の平均発光強度が増加するように)、発光させるLED90の数、LED90の発光強度及びLED90の発光期間のデューティ比の少なくとも1つをLED駆動部56によって制御する。このように、CPU40及びLED駆動部56(のLED発光制御部)は本発明における発光制御部の一例である。
上記のステップ206,208の処理により、例として図8(B)に示すように、個々のLEDユニット54からの射出光が拡散される(照射範囲が拡がる)ように、回動部材70の角度(位置)が変更される。また、この場合の角度変更後の回動部材70の位置は、個々のLEDユニット54からの射出光が拡散される位置であるので、LEDユニット54毎の目標平均発光強度が大きくなり、LEDユニット54毎の平均発光強度が回動部材70の角度変更前よりも増加するようにLED90の発光が制御される。
これにより、比較的広範囲に分布する撮影対象(例えば漏洩したガスの分布の拡がり)の全体に各LEDユニット54からの射出光が照射され、撮影対象に対する各LEDユニット54からの射出光の偏りが小さくなる。また、LEDユニット54毎の平均発光強度が回動部材70の角度変更前よりも増加されることにより、比較的広範囲に分布し距離も比較的大きい撮影対象への赤外光の照射光量が不足して、漏洩したガスの分布を撮影された動画像上で確認できない等の画質低下が生ずることが抑制される。
また、ガスの漏洩箇所の特定や、漏洩したガスの分布の拡がりの確認等を行い、必要な措置を講じ終えた作業者は、操作部42のLED点消灯指示部48を介して光源部52の各LEDユニット54のLED90の消灯を指示する。この指示が入力されると、ステップ204の判定が肯定されてステップ210へ移行し、ステップ210において、CPU40は、光源部52の各LEDユニット54のLED90をLED駆動部56によって消灯させる。そして、次のステップ212において、CPU40は、回動部材70を初期位置へ回動するように角度変更モータ58の駆動を制御し、光源部制御処理を終了する。
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9には、本第2実施形態に係る光源部100の構成が示されている。図9に示す光源部100は、第1実施形態で説明した光源部52(図3)と比較して、個々の回動部材70に取り付けられた回転軸72が、隣り合う回動部材70に取り付けられた回転軸72と連結されておらず、個々の回動部材70に取り付けられた回転軸72が、互いに異なる角度変更モータ58の回転軸に連結されている点が相違している。
本第2実施形態において、CPU40は、操作部42のLED角度変更指示部50を介して個々のLEDユニット54 (回動部材70)の角度の変更が指示されると、角度変更モータ58の回転軸の回転方向及び回転量を決定した後に、個々の回動部材70の回転軸72と連結された複数の角度変更モータ58の回転軸が、決定した同一の回転方向へ、決定した同一の回転量だけ各々回転するように、個々の角度変更モータ58の駆動を各々制御する。これにより、個々の回動部材70が、互いに異なる角度変更モータ58の駆動力により、同一の回転方向へ同一の回転量だけ回動され、個々のLEDユニット54からの射出光の光軸Lと撮影光軸Pとの成す角度が互いに等しくなるように、個々のLEDユニット54の向きが変更されることになる。
このように、本第2実施形態において、複数の回動部材70に対応して各々設けられた複数の角度変更モータ58及びCPU40は、本発明における連動部の一例である。上記のように、本発明における連動部は、個々のLEDユニット54からの射出光の光軸Lと撮影光軸Pとの成す角度を互いに等しくする機構によって実現することに限られるものではなく、個々の回動部材70の回転軸72と連結された複数の角度変更モータ58に対して同一の駆動制御を適用することによっても実現できる。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10には、本第3実施形態に係る光源部104の構成が示されている。図10に示す光源部104は、個々の回動部材70に取り付けられた回転軸72が、隣り合う回動部材70に取り付けられた回転軸72と連結されていない点が、第1実施形態で説明した光源部52(図3)と相違している。図示は省略するが、個々の回動部材70に取り付けられた回転軸72には、回動部材70の裏面(LEDユニット54(図10ではLEDユニット54の図示を省略している)が設けられている面(表面)と反対側の面)がベースプレート68の表面(回動部材70が設けられている側の面)と接近する方向に回動部材70を付勢するばね等の付勢部材が取り付けられている。
また、ベースプレート68の裏面には、撮影光軸Pと同軸で、かつベースプレート68の裏面から間隔を空けて(図10(B)参照)、リング状部材106が配置されている。リング状部材106は、直径が、個々の回動部材70の裏面に各々対応する大きさとされ、ベースプレート68の裏面と対向する面には、個々の回動部材70に対応する位置に、リング状部材106の周方向に沿って傾斜された傾斜面を有する傾斜部材108が各々取り付けられている。
また、ベースプレート68には、個々の回動部材70に対応する位置に孔が各々穿設され、個々の孔には円柱状の押圧部材110が貫通している。押圧部材110は、一端部が傾斜部材108の傾斜面に接触し、他端部が回動部材70の裏面のうち回転軸72が取り付けられている側と反対側の端部付近に接触している。また、リング状部材106の外周面の一部分にはギア106Aが形成されており、このギア106Aには、角度変更モータ58の回転軸に取り付けられたピニオンギア112が噛合している。なお、本第3実施形態において、リング状部材106、傾斜部材108、押圧部材110、角度変更モータ58、ピニオンギア112及びCPU40は本発明における連動部の一例である。
本第3実施形態において、各LEDユニット54からの射出光が集光される方向への回動部材70(LEDユニット54)の角度変更が指示された場合、CPU40は、リング状部材106が図10(A)における時計回りに回転するように、角度変更モータ58の回転軸を回転させる。これにより、図10(B)に想像線で示すように、押圧部材110の一端部と傾斜部材108の傾斜面との接触位置が傾斜面を登る方向へ移動し、押圧部材110がベースプレート68側へ移動し、押圧部材110が回動部材70の裏面を押圧することで、回動部材70は付勢部材の付勢力に抗してベースプレート68から離間する方向へ回動する。これにより、各LEDユニット54からの射出光が集光されるように回動部材70(LED90)の角度が変更されることになる。
また、各LEDユニット54からの射出光が拡散する方向への回動部材70(LEDユニット54)の角度変更が指示された場合、CPU40は、リング状部材106が図10(A)における反時計回りに回転するように、角度変更モータ58の回転軸を回転させる。これにより、図10(B)に実線で示すように、押圧部材110の一端部と傾斜部材108の傾斜面との接触位置が傾斜面を下る方向へ移動し、押圧部材110がリング状部材106側へ移動することで、回動部材70は付勢部材の付勢力によりベースプレート68の表面と接近する方向へ回動する。これにより、各LEDユニット54からの射出光が拡散するように回動部材70(LEDユニット54)の角度が変更されることになる。
このように、回動部材70を回動させてLEDユニット54の角度を変更することは、回動部材70に取り付けられた回転軸72に、回動部材70を回動させる力を加えることに限られるものではなく、上記のように、回動部材70の裏面に加える押圧力を加減することによっても実現できる。
〔第4実施形態〕
次に本発明の第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図11に示すように、本第4実施形態に係る気体の漏洩撮影装置120は、第1実施形態で説明した気体の漏洩撮影装置10と比較して、角度変更モータ58に代えてポンプ等を含む空気圧発生部113が設けられた光源部114を備えている点で相違している。
また、図12に示すように、本第4実施形態に係る光源部114は、ベースプレート68のうちの個々の回動部材70に対応する位置に孔116(図12(B)参照)が各々穿設されている。また、図示は省略するが、個々の回動部材70に取り付けられた回転軸72には、第3実施形態と同様に、回動部材70の裏面がベースプレート68の表面と接近する方向に回動部材70を付勢するばね等の付勢部材が取り付けられている。
ベースプレート68の裏面には、ベースプレート68の裏面から間隔を空けた位置(図12(B)参照)に、中空でリング状とされた通気管118が配置されている。通気管118は、直径が、個々の回動部材70の裏面に各々対応する大きさとされ、連結口118Aと図示しないパイプを介して空気圧発生部113と連結されている。通気管118の中間部のうちの個々の回動部材70に対応する位置には、先端部が孔116に挿入され通気管118内の空気圧に応じて回動部材70側への突出量が変化する突出部材121を備えたエアシリンダ122が各々設けられている。なお、本第4実施形態において、通気管118、突出部材121を備えたエアシリンダ122、空気圧発生部113及びCPU40は、本発明における連動部の一例である。
本第4実施形態において、各LEDユニット54からの射出光が集光される方向への回動部材70(LEDユニット54)の角度変更が指示された場合、CPU40は、通気管118内の空気圧が増大するように空気圧発生部113の動作を制御する。これにより、図12(B)に想像線で示すように、個々のエアシリンダ122において、回動部材70側への突出部材121の突出量が増大し、突出部材121の先端部が回動部材70の裏面を押圧することで、回動部材70は付勢部材の付勢力に抗してベースプレート68から離間する方向へ回動する。これにより、各LEDユニット54からの射出光が集光されるように回動部材70(LEDユニット54)の角度が変更されることになる。
また、各LEDユニット54からの射出光が拡散する方向への回動部材70(LEDユニット54)の角度変更が指示された場合、CPU40は、通気管118内の空気圧が減少するように空気圧発生部113の動作を制御する。これにより、図12(B)に実線で示すように、個々のエアシリンダ122において、回動部材70側への突出部材121の突出量が減少し、回動部材70は付勢部材の付勢力によりベースプレート68の表面と接近する方向へ回動する。これにより、各LEDユニット54からの射出光が拡散するように回動部材70(LEDユニット54)の角度が変更されることになる。
このように、回動部材70を回動させてLEDユニット54の角度を変更することは、角度変更モータ58の駆動力を用いることに限られるものではなく、上記のように、空気圧発生部113の動作を制御して、通気管118内の空気圧を増減させることによっても実現できる。
〔第5実施形態〕
次に本発明の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13に示すように、本第5実施形態に係る気体の漏洩撮影装置130は、第1実施形態で説明した気体の漏洩撮影装置10と比較して、角度変更モータ58に代えてロータリーエンコーダ132が設けられた光源部134を備えており、操作部42に代えて、LED角度変更指示部50が省略された操作部136を備えている点で相違している。
また、図14に示すように、本第5実施形態に係る光源部134は、特定の1つの回動部材70に取り付けられた回転軸72の中間部に、ギアボックス78に代えて、手動で回転軸72を回転させるための回転つまみ138が取り付けられている。これにより、回転つまみ138を介して回転軸72に回転力が入力されると、入力された回転力が全ての回動部材70の回転軸72に伝達されることで、全ての回動部材70が撮影光軸に対して同じ傾きとなるように回動される。なお、本第5実施形態において、回転つまみ138及び連結部76は本発明における連動部の一例である。
また、回転つまみ138が取り付けられた回転軸72とは異なる回転軸72の中間部には、ギア機構を内蔵したギアボックス140が設けられており、ギアボックス140には前述のロータリーエンコーダ132が連結されている。ロータリーエンコーダ132は、回動部材70に取り付けられた回転軸72の回転方向及び回転量を検出する。
本第5実施形態において、CPU40は、操作部42のLED点消灯指示部48を介して光源部134の各LEDユニット54のLED90の点灯が指示されると、光源部134の各LEDユニット54のLED90をLED駆動部56によって点灯させ、操作部42のLED点消灯指示部48を介して光源部134の各LEDユニット54のLED90の消灯が指示されると、光源部52の各LEDユニット54のLED90をLED駆動部56によって消灯させる。
また、光源部52の各LEDユニット54のLED90が点灯している状態で、LEDユニット54からの射出光を集光させたくなった場合、作業者は、LEDユニット54からの射出光を集光させる方向へ回動部材70を回動させる回転力を、回転つまみ138を介して回転軸72に入力する。これにより、回転つまみ138を介して回転軸72に入力された回転力は、個々の回動部材70の回転軸72及び連結部76を介して全ての回動部材70に伝達され、LEDユニット54からの射出光が集光されるように回動部材70(LEDユニット54)の角度が変更される。
また、光源部52のLED90が点灯している状態で、各LEDユニット54からの射出光を拡散させたくなった場合、作業者は、LEDユニット54からの射出光を拡散させる方向へ回動部材70を回動させる回転力を、回転つまみ138を介して回転軸72に入力する。これにより、回転つまみ138を介して回転軸72に入力された回転力は、個々の回動部材70の回転軸72及び連結部76を介して全ての回動部材70に伝達され、各LEDユニット54からの射出光が拡散されるように回動部材70(LEDユニット54)の角度が変更される。
また、作業者により回転つまみ138を介して回転軸72が回転されると、回転軸72の回転方向及び回転量がロータリーエンコーダ132によって検出され、CPU40に入力される。CPU40は、回転軸72が回転されると、ロータリーエンコーダ132によって検出された回転軸72の回転方向及び回転量に基づき、LEDユニット54の平均発光強度が回動部材70(LEDユニット54)の変更後の角度に対応する目標平均発光強度になるように、発光させるLED90の数、LED90の発光強度及びLED90の発光期間のデューティ比の少なくとも1つをLED駆動部56によって制御する。これにより、撮影対象との距離や撮影対象の分布の拡がり具合等に応じて、回動部材70(LEDユニット54)の角度が手動で変更されると、回動部材70(LEDユニット54)の角度の変化に応じて、LEDユニット54毎の平均発光強度が自動的に変更されることになる。
なお、上記では回動部材70(LEDユニット54)の角度の変化に応じて、発光させるLED90の数、LED90の発光強度及びLED90の発光期間のデューティ比の少なくとも1つを制御することで、LEDユニット54毎の平均発光強度を変更する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、回動部材70(LEDユニット54)の角度変化に拘わらずLEDユニット54毎の平均発光強度を変更しない態様も本発明の権利範囲に含まれる。
また、上記では赤外域を含む波長域の光を所定角度以上の拡がり角で射出する発光源の一例としてLED90を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記の発光源として面発光レーザやランプ光源等を適用することも可能である。