JP2016079824A - バキュームポンプ - Google Patents

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杉本 篤
Atsushi Sugimoto
篤 杉本
勝彦 牧野
Katsuhiko Makino
勝彦 牧野
翔太 山中
Shota Yamanaka
翔太 山中
桂介 若松
Keisuke Wakamatsu
桂介 若松
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Abstract

【課題】ポンプ部およびサイレンサ部を形成する部品の耐久性を向上させることができるバキュームポンプを提供する。【解決手段】本発明の一態様は、電動バキュームポンプ1において、ポンプ部14における筒状の外周面14aの外側にて外周面14aに接するように形成され、吸入部27とポンプ部14の吸入口40とに連通する空間である吸気空間46と、ポンプ部14および吸気空間46に対してポンプ部14の中心軸Lp方向側に形成され、ポンプ部14の吐出口42と排気部44とに連通する空間であるサイレンサ部20と、を有し、吸気空間46の内部にて気体を吸入部27からポンプ部14の吸入口40へ流すことによりポンプ部14とサイレンサ部20を冷却する。【選択図】図1

Description

本発明は、負圧を生成するバキュームポンプに関するものであり、例えば自動車等の車両のブレーキブースタで用いられる。
バキュームポンプに関する背景技術として、特許文献1のバキュームポンプは、ポンプ部から吐出された流体が導入されるサイレンサ部を有し、このサイレンサ部はポンプ部の上側に形成されている。
また、特許文献2,3のバキュームポンプは、流体をケースとポンプハウジングとの間の空間に導入することにより、ポンプハウジングの外周面を冷却して、ベーンの耐久性を向上させようとしている。
米国特許第6491505号 実公平1−39915号公報 特開昭60−252190号公報
特許文献1のバキュームポンプにおいては、ポンプ部の上面がサイレンサ部で覆われている。ここで、サイレンサ部の内部には、ポンプ部から吐出された高温の流体が導入される。そのため、ポンプ部の上面が高温の流体で覆われることになるので、ポンプ部の内部の温度が上昇する。これにより、ポンプ部において、特にベーンとポンプハウジングとの摺動面の温度が大きく上昇するので、ベーンにおけるポンプハウジングとの摺動部の摩耗が大きく進行するおそれがある。
また、ポンプ部から吐出された高温の流体によりサイレンサ部の内部の温度が上昇するので、サイレンサ部を形成する蓋などの部品の耐久性が低下するおそれがある。
また、特許文献2,3のバキュームポンプは、前記のようなサイレンサ部を有していない。そのため、特許文献2,3には、サイレンサ部に高温の流体が導入されることによるポンプ部およびサイレンサ部を形成する部品の耐久性への影響については何ら開示されていない。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、ポンプ部およびサイレンサ部を形成する部品の耐久性を維持できるバキュームポンプを提供すること、を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、外部から流体を吸入する吸入部と、前記吸入部から吸入した前記流体を吸入し吐出することにより負圧を発生させるポンプ部と、前記ポンプ部から吐出される前記流体を外部へ排出する排出部を有するバキュームポンプにおいて、前記ポンプ部における外周面の外側に前記外周面と接するように形成され、前記ポンプ部における前記流体の吸入口であるポンプ部吸入口と前記吸入部とに連通する空間である冷却部と、前記ポンプ部および前記冷却部に対して前記ポンプ部の中心軸方向側に形成され、前記ポンプ部における前記流体の吐出口であるポンプ部吐出口と前記排出部とに連通する空間であるサイレンサ部と、を有し、前記冷却部の内部にて前記流体を前記吸入部から前記ポンプ部吸入口へ流すことにより前記ポンプ部と前記サイレンサ部を冷却すること、を特徴とする。
この態様によれば、ポンプ部の内部を冷却できるので、ポンプ部の内部の温度が上昇することを抑制できる。そのため、ポンプ部を形成する部品の摺動部における摩耗の進行を抑制できる。したがって、ポンプ部を形成する部品の耐久性を維持できる。また、ポンプ部の内部を冷却できるので、ポンプ部の内部における流体の密度の低下を防止できる。そのため、ポンプ容積効率の低下を抑制できる。さらに、サイレンサ部の内部を冷却できるので、サイレンサ部を形成する部品の耐熱性に関する要求を緩和できる。したがって、サイレンサ部を形成する部品の耐久性を維持できる。
上記の態様においては、前記ポンプ部を収容するケース部を有し、前記ポンプ部は、円筒状のポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに対して前記ポンプハウジングの中心軸方向側に配置されるカバー部材とを備え、前記冷却部は、前記ケース部と前記ポンプハウジングとの間に形成され、前記サイレンサ部は、前記ケース部と前記カバー部材との間に形成されていること、が好ましい。
この態様によれば、サイレンサ部と冷却部を備えつつもバキュームポンプの小型化を図ることができる。
上記の態様においては、前記ケース部は、内周面が円筒状に形成されるボデーを備え、前記吸入部は前記ボデーに形成され、前記吸入部に接続する筒状の吸入ポートは、前記ボデーの内周面により形成される円形状の接線上に配置されていること、が好ましい。
この態様によれば、外部から吸入ポートと吸入部を介して流体をスムーズに吸入することができるので、流体の圧力損失を低減できる。そのため、より確実に、冷却部の内部を流れる流体によるポンプ部とサイレンサ部の冷却効果を向上させることができる。
上記の態様においては、前記吸入部と前記ポンプ部吸入口とは、前記ポンプ部の中心軸を中心とする軸対称または略軸対称の位置に配置されていること、が好ましい。
この態様によれば、冷却部の内部にて流体が流れる距離を長くすることができるので、冷却部の内部を流れる流体によるポンプ部とサイレンサ部の冷却効果を向上させることができる。
上記の態様においては、前記吸入部は複数形成され、各々の前記吸入部は、前記冷却部の内部を流れる前記流体の流れ方向について互いに異なる位置に配置されていること、が好ましい。
この態様によれば、冷却部の内部を流れる流体によるポンプ部とサイレンサ部の冷却効果を向上させることができる。また、冷却部の内部を流れる流体について、当該流体の流れ方向の温度分布の差を小さくできる。そのため、冷却部の内部を流れる流体の流れ方向についてポンプ部を均一に冷却し易くなる。したがって、ポンプ部において局部的に磨耗が発生することを抑制できる。
上記の態様においては、前記冷却部の断面積は、前記吸入部から前記ポンプ部吸入口側へ向かうにつれて徐々に大きくなること、が好ましい。
この態様によれば、冷却部の内部を流れる流体について、当該流体の流れ方向の温度分布の差を小さくできる。そのため、冷却部の内部を流れる流体の流れ方向について、ポンプ部の温度差を小さくできる。したがって、ポンプ部において局部的に磨耗が発生することを抑制できる。
本発明に係るバキュームポンプによれば、ポンプ部およびサイレンサ部を形成する部品の耐久性を維持できる。
電動バキュームポンプの断面図(一部外観図)である。 図1のA−A断面図である。 カーボン部材の摩耗特性を示す図である。 実施例2の電動バキュームポンプの断面図である。 実施例2においてポンプ部の周方向の位置と吸気空間内の気体の温度(吸気温度)との関係図である。 実施例3の電動バキュームポンプの断面図である。 実施例3においてポンプ部の周方向の位置と吸気空間内の気体の温度(吸気温度)との関係図である。
<電動バキュームポンプの全体構成>
まず、電動バキュームポンプ1の全体構成について説明する。電動バキュームポンプ1は、円筒形状をなしており、図1と図2に示すように、その側面に吸気ポート24を備え、その上面に排気部44を備えている。なお、排気部44は本発明における「排出部」の一例である。
電動バキュームポンプ1は、回路部10と、モータ部12と、ポンプ部14と、ボデー16と、蓋18と、サイレンサ部20などを有している。そして、ポンプ部14は、ボデー16と蓋18から形成されるケース部の内部空間内に収容されている。また、ボデー16は、蓋18により閉塞されている。なお、ボデー16と蓋18は、樹脂により形成されている。
回路部10は、モータ部12へ電力を供給する。モータ部12は、電動モータ(不図示)と、シャフト22などを備えている。シャフト22は、電動モータの回転子(不図示)と一体に取り付けられている。
ポンプ部14は、その外形が円筒状に形成されている。このポンプ部14は、ベーン式バキュームポンプにより構成され、ボデー16内においてモータ部12の上部に配置されている。そして、ポンプ部14は、モータ部12に連動して駆動する。このようなポンプ部14は、ボデー16に備わる吸気ポート24から吸入した気体を吸入し、圧縮し、吐出することにより、負圧を発生させる。
吸気ポート24は、円筒状に形成されており、その内周面の内側に流路25を備えている。そして、吸気ポート24は、流路25の吸気空間46側の開口部に形成される吸入部27に接続している。吸入部27は、ボデー16に形成されている。吸入部27は、電動バキュームポンプ1の外部から内部(吸気空間46内)へ気体を吸入するための吸入口である。
ここで、ベーン式バキュームポンプは、円筒状のポンプハウジング26の内周面26aよりも内側に形成されるポンプ室28内に偏心状態で配置される円筒状のロータ30に複数の溝32を設け、この溝32に複数のベーン34がロータ30の径方向に移動可能に挿入された構造を有している。なお、ポンプハウジング26の外周面26bは、ポンプ部14の外周面14aの一部を構成している。
また、ポンプハウジング26に対してポンプ部14の中心軸Lp(ポンプハウジング26の中心軸)方向の両端側に、一対のカバー部材が配置されている。すなわち、ポンプハウジング26に対してサイレンサ部20側に略円盤状の第1カバー部材36が配置され、ポンプハウジング26に対してモータ部12側に略円盤状の第2カバー部材38が配置されている。そして、このようにして、ポンプ室28は、ポンプハウジング26と第1カバー部材36と第2カバー部材38とにより区画されて形成されている。なお、第2カバー部材38の側面38bは、ポンプ部14の外周面14aの一部を構成している。
そして、ロータ30がシャフト22を中心に回転すると、遠心力によりベーン34が溝32から突出し、ベーン34がポンプハウジング26の内周面26aと接しながら摺動する。そして、ベーン34により区画された閉塞空間の容積が増減することで、気体(例えば、空気)の吸入、圧縮、吐出が行われ、ポンプ室28内に負圧が発生するようになっている。
吸入口40は、第2カバー部材38におけるポンプ室28側の面38aに形成されており、ポンプ室28内と吸気空間46内とを連通させている。これにより、吸気空間46内の気体は、吸入口40を通ってポンプ室28の内部に導入される。なお、吸入口40は、本発明における「ポンプ部吸入口」の一例である。
吐出口42は、第1カバー部材36にて第1カバー部材36の板厚方向に貫通するように形成されており、サイレンサ部20内とポンプ室28内とを連通させている。これにより、ポンプ室28内の気体は、吐出口42を通ってサイレンサ部20内に吐出される。なお、吐出口42は、本発明における「ポンプ部吐出口」の一例である。
蓋18は、ポンプ部14を収容するボデー16の開口端を閉塞する樹脂部材である。蓋18は、ポンプ部14から吐出された気体を電動バキュームポンプ1の外部へ排出する排気部44を備えている。
サイレンサ部20は、蓋18の内部空間に形成されている。これにより、ポンプ部14の吐出口42から吐出された気体は、サイレンサ部20を通過した後、排気部44を流れて電動バキュームポンプ1の外部へ排出される。
また、吸気空間46は、ポンプ部14に対してポンプ部14の径方向(ポンプハウジング26の径方向)の外側の位置にて、ポンプ部14と接するように形成されている。なお、吸気空間46の詳細は、後述する。
そして、このような構成を有する電動バキュームポンプ1は、以下のように作用する。モータ部12が駆動してシャフト22が回転すると、ロータ30が回転する。そして、このロータ30の回転に伴い、ベーン34により区画された各閉塞空間の体積が膨張または圧縮する。
このようにして、気体は、吸気ポート24から吸気空間46と吸入口40を介してポンプ室28内に吸入される。また、ポンプ室28内に吸入された気体は、吐出口42からポンプ室28外のサイレンサ部20内に吐出される。この動作により、ポンプ室28内に負圧が作り出される。そして、気体は、サイレンサ部20内に吐出された後、排気部44を介して、電動バキュームポンプ1の外部へ排出される。
<ポンプ部の周辺構造について>
次に、ポンプ部14の周辺構造について説明する。
〔実施例1〕
まず、実施例1について説明する。図1と図2に示すように、本実施例では、電動バキュームポンプ1は、吸気空間46を有している。この吸気空間46は、ボデー16の内周面16aと、ポンプハウジング26の外周面26bと、第2カバー部材38の側面38bと、第1カバー部材36の第2面36bと、ボデー16の端面16bとの間に形成されている。なお、ボデー16の端面16bは、ボデー16におけるポンプ部14の中心軸Lp方向の端面である。このように、吸気空間46は、ポンプ部14の径方向についてポンプ部14の外周面14a(ポンプハウジング26の外周面26bと第2カバー部材38の側面38b)の外側の位置にて、ポンプ部14の外周面14aと接するように形成されている。また、吸気空間46は、吸入部27とポンプ部14の吸入口40とに連通する。なお、吸気空間46は、本発明における「冷却部」の一例である。
サイレンサ部20は、ポンプ部14および吸気空間46に対してポンプ部14の中心軸Lp方向の排気部44側の位置に形成されている。このサイレンサ部20は、蓋18の内面18aと第1カバー部材36の第1面36aとの間の位置に形成される空間である。そして、サイレンサ部20は、第1カバー部材36により吸気空間46と分割されている。また、サイレンサ部20は、ポンプ部14における吐出口42と排気部44とに連通する。
このような構成の本実施例の電動バキュームポンプ1は、吸気空間46内において、吸気ポート24を介して吸入部27から吸入した常温の気体(高温でない気体、例えば大気温の空気)を吸入部27からポンプ部14の吸入口40へ流すことにより、ポンプ部14とサイレンサ部20を冷却する。すなわち、吸入部27から吸気空間46に導入される気体が吸気空間46の内部を流れてポンプ部14の吸入口40に流れ込むときに、吸気空間46の内部を流れる気体によりポンプハウジング26と第1カバー部材36と第2カバー部材38が冷却される。なお、図2において、吸気空間46内を流れる気体の流れ方向を点線の矢印により示す。
これにより、ポンプ室28内が冷却されるので、ポンプ室28内の温度が上昇することが抑制される。そのため、ベーン34におけるポンプハウジング26の内周面26aとの摺動部での摩耗の進行が抑制される。ここで、図3に示すように、カーボン部材(炭素部材、本実施例のベーン34に相当)の摩耗量は、カーボン部材の周辺の雰囲気温度(本実施例のポンプ室28内の温度に相当)が低下すると少なくなる。したがって、ポンプ部14を形成するベーン34などの部品の耐久性が維持される。
また、ポンプ室28内が冷却されるので、ポンプ室28内における温度上昇による気体の密度の低下が防止される。そのため、ポンプ容積効率の低下が抑制される。
また、サイレンサ部20内が冷却されるので、サイレンサ部20を形成する部品(例えば、蓋18)の耐熱性に対する要求を緩和できる。そのため、例えば、蓋18が耐熱性の低い樹脂で形成されていても、蓋18の耐久性が維持される。
本実施例において、サイレンサ部20は、蓋18の内面18aと第1カバー部材36の第1面36aとの間に形成されている。さらに、吸気空間46は、ボデー16の内周面16aとポンプハウジング26の外周面26bとの間に形成されている。これにより、サイレンサ部20と吸気空間46を備えつつも電動バキュームポンプ1の小型化を図ることができる。
また、ボデー16は、その内周面16aが円形状に形成されている。そして、吸入部27に接続する吸気ポート24は、ボデー16の内周面16aにより形成される円形状の接線Lt上に配置されている。図2に示す例においては、吸気ポート24の(図面左側の)外周部が接線Lt上に配置されている。そして、吸気ポート24は、その軸線が接線Ltと平行であり、吸気ポート24から吸気空間46内へ導入される気体の流れ方向がロータ30の回転方向と同じとなる向きに配置されている。これにより、電動バキュームポンプ1の外部から吸気ポート24を介して気体を吸気空間46内へスムーズに吸入することができるので、気体の圧力損失を低減できる。そのため、より確実に、吸気空間46内を流れる気体によるポンプ部14とサイレンサ部20の冷却効果が向上する。
また、図2に示すように、吸気ポート24は、ポンプ部14の吸入口40に対して、ポンプ部14を挟んだ反対側に配置されている。具体的には、吸入部27とポンプ部14の吸入口40とは、ポンプ部14の中心軸Lpを中心とする軸対称または略軸対称の位置に配置されている。これにより、吸気空間46内にて気体が流れる距離が長くなるので、吸気空間46内を流れる気体によりポンプ部14やサイレンサ部20が冷却される部分の面積が大きくなる。そのため、吸気空間46内を流れる気体によるポンプ部14とサイレンサ部20の冷却効果が向上する。
また、サイレンサ部20と吸気空間46を分割する第1カバー部材36は、ボデー16と接している。これにより、サイレンサ部20と吸気空間46から伝達される熱は、ボデー16を伝わって電動バキュームポンプ1の外部へ放出される。そのため、サイレンサ部20と吸気空間46から電動バキュームポンプ1の外部への放熱性がさらに向上する。
また、吸気空間46内を流れる気体により第1カバー部材36が冷却されるので、第1カバー部材36の温度上昇により発生し得るロータ30の中心軸方向の端面30aにおける磨耗の進行が抑制される。そのため、電動バキュームポンプ1におけるスラストクリアランス(電動バキュームポンプ1を形成する各部品間における電動バキュームポンプ1の中心軸方向の隙間)に対する影響が抑制されるので、ポンプ性能の低下が防止される。
また、吸気空間46内を流れる気体によりポンプ組み付け部48(図2参照)が冷却されるので、電動バキュームポンプ1におけるスラストクリアランスの熱膨張による拡大が抑制される。そのため、スラストクリアランスの拡大によるポンプ性能の低下が抑制される。なお、ポンプ組み付け部48は、ポンプ部14を形成する各部品を組み付ける部位であり、具体的には、ネジ50によりポンプハウジング26と第1カバー部材36と第2カバー部材38とが組み付けられている部位である。
〔実施例2〕
次に、実施例2について説明するが、実施例1と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。なお、図4は、本実施例の電動バキュームポンプの断面図であり、図2に対応する断面図である。
本実施例では、吸入部27は複数形成され、かつ、各々の吸入部27は、吸気空間46内を流れる気体の流れ方向(以下、「ポンプ部14の周方向」ともいう。)について互いに異なる位置に配置されている。具体的には、図4に示すように、電動バキュームポンプ1は、吸気ポート24Aと吸気ポート24Bを有し、かつ、吸気ポート24Aが接続される吸入部27Aと吸気ポート24Bが接続される吸入部27Bを有する。そして、吸入部27A(吸気ポート24A)と吸入部27B(吸気ポート24B)は、ポンプ部14の周方向について互いに異なる位置に配置されている。図4に示す例では、一例として、吸入部27Bは、吸入部27Aに対してポンプ部14の周方向(図4における反時計回り方向(左回り方向))に140°〜150°移動した位置に配置されている。
そして、吸気ポート24Bと吸入部27Bを介して吸気空間46内へ気体が導入されることにより、吸入部27Aからポンプ部14の吸入口40までの吸気空間46における途中の位置からも気体が導入されることになる。
これにより、吸気空間46内の気体の温度の上昇を抑制できるので、ポンプ部14と吸気空間46との間、および、サイレンサ部20と吸気空間46との間における温度差を維持できる。そのため、吸気空間46内の気体によるポンプ部14とサイレンサ部20の冷却効果が向上する。また、吸気空間46内の気体について、ポンプ部14の周方向の温度分布の差が小さくなる。ここで、図5に示すように、吸気空間46内の気体の温度(吸気温度)について、吸気ポート24が1つである比較例よりも吸気ポート24が2つである実施例2のほうがポンプ部14の周方向の温度分布の差が小さくなる。なお、図5の横軸は、吸気ポート24Aの位置を0°としたときのポンプ部14の周方向(図4における反時計回り方向(左回り方向))における位置を示している。以上のように、ポンプ部14の周方向について、ポンプ部14は均一に冷却され易くなる。そのため、ポンプ部14において局部的にベーン34などの磨耗が発生することが抑制される。
〔実施例3〕
次に、実施例3について説明するが、実施例1や実施例2と同等の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略し、異なった点を中心に述べる。なお、図6は、本実施例の電動バキュームポンプの断面図であり、図2や図4に対応する断面図である。
本実施例では、吸気空間46における気体の流れ方向に直交する方向の断面積は、吸入部27からポンプ部14の吸入口40に向かうにつれて徐々に大きくなっている。具体的には、図6に示すように、吸気空間46における電動バキュームポンプ1の径方向(ポンプハウジング26の径方向)の幅δは、吸入部27からポンプ部14の吸入口40側に向かうにつれて、徐々に大きくなっている。なお、吸気空間46の幅δは、ボデー16の内周面16aとポンプハウジング26の外周面26bとの間の距離である。
これにより、吸気空間46内を流れる気体の流速は、ポンプ部14の周方向の位置によって変化する。具体的には、吸気空間46内を流れる気体の流速は、吸入部27付近の位置よりもポンプ部14の吸入口40付近の位置の方が遅くなる。そのため、吸気空間46内を流れる気体の温度について、ポンプ部14の周方向における温度差が抑制される。ここで、図7に示すように、吸気空間46内を流れる気体の温度について、吸気空間46の断面積が均一である比較例よりも、吸気空間46の断面積が徐々に変化する実施例3の方が、ポンプ部14の周方向における温度差が小さくなっている。なお、図7の横軸は、吸気ポート24の位置を0°としたときのポンプ部14の周方向(図6における反時計回り方向(左回り方向))における位置を示している。以上のように、ポンプ部14の吸入口40付近においても、吸気空間46内を流れる気体によるポンプ部14とサイレンサ部20に対する冷却効果が向上する。そのため、ポンプ部14の周方向についてポンプハウジング26の温度差が小さくなるので、ポンプ部14において局部的にベーン34の磨耗が発生することが抑制される。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 電動バキュームポンプ
14 ポンプ部
14a 外周面
16 ボデー
16a 内周面
16b 端面
18 蓋
18a 内面
20 サイレンサ部
24,24A,24B 吸気ポート
25 流路
26 ポンプハウジング
26a 内周面
26b 外周面
27,27A,27B 吸入部
30 ロータ
30a 端面
34 ベーン
36 第1カバー部材
36a 第1面
36b 第2面
38 第2カバー部材
38b 側面
40 吸入口
42 吐出口
44 排気部
46 吸気空間
Lp (ポンプ部の)中心軸
Lt 接線
δ (吸気空間の)幅

Claims (6)

  1. 外部から流体を吸入する吸入部と、前記吸入部から吸入した前記流体を吸入し吐出することにより負圧を発生させるポンプ部と、前記ポンプ部から吐出される前記流体を外部へ排出する排出部を有するバキュームポンプにおいて、
    前記ポンプ部における外周面の外側に前記外周面と接するように形成され、前記ポンプ部における前記流体の吸入口であるポンプ部吸入口と前記吸入部とに連通する空間である冷却部と、
    前記ポンプ部および前記冷却部に対して前記ポンプ部の中心軸方向側に形成され、前記ポンプ部における前記流体の吐出口であるポンプ部吐出口と前記排出部とに連通する空間であるサイレンサ部と、を有し、
    前記冷却部の内部にて前記流体を前記吸入部から前記ポンプ部吸入口へ流すことにより前記ポンプ部と前記サイレンサ部を冷却すること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
  2. 請求項1のバキュームポンプにおいて、
    前記ポンプ部を収容するケース部を有し、
    前記ポンプ部は、円筒状のポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに対して前記ポンプハウジングの中心軸方向側に配置されるカバー部材とを備え、
    前記冷却部は、前記ケース部と前記ポンプハウジングとの間に形成され、
    前記サイレンサ部は、前記ケース部と前記カバー部材との間に形成されていること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
  3. 請求項2のバキュームポンプにおいて、
    前記ケース部は、内周面が円筒状に形成されるボデーを備え、
    前記吸入部は前記ボデーに形成され、
    前記吸入部に接続する筒状の吸入ポートは、前記ボデーの内周面により形成される円形状の接線上に配置されていること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つのバキュームポンプにおいて、
    前記吸入部と前記ポンプ部吸入口とは、前記ポンプ部の中心軸を中心とする軸対称または略軸対称の位置に配置されていること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つのバキュームポンプにおいて、
    前記吸入部は複数形成され、
    各々の前記吸入部は、前記冷却部の内部を流れる前記流体の流れ方向について互いに異なる位置に配置されていること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つのバキュームポンプにおいて、
    前記冷却部の断面積は、前記吸入部から前記ポンプ部吸入口側へ向かうにつれて徐々に大きくなること、
    を特徴とするバキュームポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018198368A1 (ja) * 2017-04-28 2018-11-01 株式会社ミクニ ベーンポンプ

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