JP2016079815A - 排ガス浄化フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】境界隔壁における熱応力の集中を緩和し、クラックの発生を防止することができる排ガス浄化フィルタを提供すること。【解決手段】ハニカム構造体2と、その軸方向Xの端面28、29を部分的に閉塞する栓部3とを有する排ガス浄化フィルタ1である。ハニカム構造体2は、中心部20から外周部200に向かって径方向Yにセル密度が異なる複数のセル密度領域23と、隣り合う該セル密度領域23同士の間に形成され、かつ両者を隔てる境界隔壁24とを有する。セル22は、境界隔壁24に接する境界セル221と、境界隔壁24に接することなくセル壁21に囲まれて形成された内部セル222とを有する。内部セル222は、両端面28、29のいずれか一方が栓部3によって閉塞している。境界セル221は、両端面28、29が栓部3によって閉塞された両端閉塞セル225を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば排ガス中の粒子状物質を除去するために用いられる排ガス浄化フィルタに関する。
例えばディーゼルエンジンからは、カーボン微粒子等の粒子状物質(パティキュレートマター;PM)が排出されることが知られている。このようなPMは大気汚染の原因となるため、その排出量には各国において規制値が設けられている。そこで、ディーゼルエンジン車には、PMを捕集するための排ガス浄化フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ;DPF)が設けられている。具体的には、隔壁に囲まれた多数のセルを有し、セル密度が均一なハニカム構造体と、セルの両端のいずれか一方の端部を閉塞する栓部とを有するフィルタが用いられている。PMは、DPFに捕集された後、加熱により燃焼除去される。この燃焼除去によりDPFの再生が可能になる。
一方、ハニカム構造体は、ガソリンエンジン車にも用いられている。例えば中心部から外周部に向かって径方向にセル密度が段階的に変化する複数のセル密度領域を有するハニカム構造体が開発されている(特許文献1参照)。該ハニカム構造体においては、隣り合うセル密度領域は、境界隔壁によって隔てられる。かかる構成のハニカム構造体においては、ハニカム構造体内を流れる排ガスの流速の均一化が可能になる。
近年、PMの排出量に対する規制がますます厳しくなる傾向にあり、ディーゼルエンジン車のみならず、ガソリンエンジン車から排出されるPMも問題視される傾向にある。そこで、ガソリンエンジン車にもPMを捕集するための排ガス浄化フィルタを装着することが検討されている。
特開2013−173134号公報
セル密度が均一なハニカム構造体を有するDPFの再生時には、ハニカム構造体の径方向における中央部分の温度が最も高くなり、径方向外方に向けて温度がより低くなる傾向がある。その結果、DPFの径方向における中央部分に最大温度差が発生し、再生条件によっては熱応力によるクラックが発生することがある。このクラックの発生は、PMの堆積量などの再生条件を制御することにより、回避することが可能である。一方、例えばガソリンエンジン車用の排ガス浄化フィルタとしては、複数のセル密度領域を有する上述のハニカム構造体と、該ハニカム構造体のセルの両端のいずれか一方に形成された栓部とを有するフィルタが想定される。このような排ガス浄化フィルタにおいても、均一なセル密度を有する上述の従来のDPFと同様に、再生時には、ハニカム構造体の径方向における中央部分の温度が最も高くなり、この中央部分に最大温度差が発生する。しかしながら、境界隔壁を有するハニカム構造体は、境界隔壁の周囲の強度が低いため、境界隔壁を有していない従来のDPFではクラックが発生しないような再生条件においても、境界隔壁の周囲にクラックが発生するおそれがある。即ち、境界隔壁に隣接するセルに堆積したPMの燃焼熱により、境界隔壁に熱応力が集中し、その結果、排ガス浄化フィルタの境界隔壁の周囲にクラックが発生してしまうおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、境界隔壁における熱応力の集中を緩和し、クラックの発生を防止することができる排ガス浄化フィルタを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、排ガス中の粒子状物質を捕集するための排ガス浄化フィルタであって、
該排ガス浄化フィルタは、ハニカム構造体と、該ハニカム構造体の軸方向の端面を部分的に閉塞する栓部とを有し、
上記ハニカム構造体は、格子状に設けられたセル壁と、
該セル壁に囲まれて形成された複数のセルと、
上記軸方向に直交する断面において、中心部から外周部に向かって径方向にセル密度が異なる複数のセル密度領域と、
隣り合う該セル密度領域同士の間に形成され、かつ両者を隔てる境界隔壁とを有し、
上記セルは、上記境界隔壁に接する境界セルと、上記境界隔壁に接することなく上記セル壁に囲まれて形成された内部セルとを有し、
該内部セルは、上記軸方向における両端面のいずれか一方が上記栓部によって閉塞しており、
上記境界セルは、上記軸方向における両端面が上記栓部によって閉塞された両端閉塞セルを有していることを特徴とする排ガス浄化フィルタにある。
上記排ガス浄化フィルタにおいては、境界隔壁に接する境界セルの少なくとも一部が、両端閉塞セルを有している。即ち、境界セルの少なくとも一部が、栓部によって、両端面において閉塞している。そして、両端閉塞セルからなる境界セルには、PMが蓄積しないため、PMの燃焼熱が発生しなくなる。そのため、PMの燃焼時における境界隔壁の周囲の温度を低下させることができ、境界隔壁の周囲にかかる熱応力が緩和される。その結果、上記排ガス浄化フィルタは、境界隔壁を備えるという強度の低い構造を有しているにも関わらず、クラックの発生を防止することが可能になる。
また、ハニカム構造体は、その軸方向に直交する断面において、中心部から外周部に向かって径方向にセル密度が異なる複数のセル密度領域を有する。そのため、排ガス浄化フィルタにおいては、例えば中心部側に比べて排ガスの流通性の低い外周部側のセル密度を低くすることができる。これにより、排ガス浄化フィルタに流入する排ガスの流速分布の均一化が可能になる。その結果、排ガス浄化フィルタに捕集されるPMの偏りが緩和されるため、排ガス浄化フィルタのPMの捕集性能が向上する。
実施例1における、排ガス浄化フィルタの斜視図。 実施例1における、排ガス浄化フィルタの境界隔壁周辺を示す部分拡大図。 実施例1における、図2のIII−III線矢視断面図。 実施例1における、図2のIV−IV線矢視断面図。 実施例4における、排ガス浄化フィルタの境界隔壁周辺を示す部分拡大図。 実施例4における、図5のVI−VI線矢視断面図。 比較例1における、排ガス浄化フィルタの境界隔壁周辺を示す部分拡大図。 比較例1における、図7のVIII−VIII線矢視断面図。 実験例における、排ガス浄化フィルタの下流側の端面を示す図。 実験例における、境界セルにおける両端閉塞セルの面積割合とPM燃焼時における境界セルの温度(相対温度)との関係を示す図。 実施例5における、境界セルの開口部の面積割合と触媒詰まり発生率との関係を示す図。
上記排ガス浄化フィルタの好ましい実施形態について説明する。
ハニカム構造体は、複数のセル密度領域を有し、各セル密度領域内のセル密度は一定であり、隣り合うセル密度領域のセル密度は異なっている。ハニカム構造体においては例えば径方向にセル密度を段階的に変化させることができる。
セル密度を段階的に変化させる手段としては、例えばセルの間隔(セルピッチ)を変化させる方法や、セルの形状を変化させる方法等がある。セルの形状は、排ガス浄化フィルタの径方向断面において、例えば円形、多角形等にすることができる。多角形としては、具体的には、四角形、六角形等があるが、機械強度を確保するという観点からは、四角形が好ましい。
ハニカム構造体においては、中心部側のセル密度領域における熱容量が外周側のセル密度領域に比べて大きいことが好ましい。より具体的には、中心部側のセル密度領域におけるセル壁の厚みを外周側のセル密度領域におけるセル壁の厚みよりも大きくすることが好ましい。この場合には、粒子状物質(PM)の堆積量が多くなりやすい中心部側のセル密度領域内における再生時の発熱を抑制することができる。
また、ハニカム構造体においては、中心部側のセル密度領域における圧力損失が外周側のセル密度領域に比べて大きいことが好ましい。より具体的には、中心部側のセル密度領域におけるセル密度が外周側のセル密度領域におけるセル密度に比べて大きいことが好ましい。この場合には、外周側のセル密度領域内への排ガスの流入量を増やし、中心部側のセル密度領域内へPMの堆積が集中することを抑制することができる。その結果、再生時の発熱が中心部側のセル密度領域内に集中することを抑制することができる。
排ガス浄化フィルタは、例えばコージェライト、SiC、チタン酸アルミニウム等のセラミックス材料等から形成することができる。具体的には、セル壁、境界隔壁、栓部等をこれらのセラミックス材料により形成することができる。
排ガス浄化フィルタは、上述のように、ハニカム構造体と、その端面を部分的に閉塞する栓部とを有する。ハニカム構造体は、後述の実施例において示すごとく、粘土質の原料を押出成形して得られる成形体を焼成することにより得られる。このようにして得られるハニカム構造体においては、開口部の面積の小さなセルがハニカム構造体の両端において閉塞する場合がある。このようなハニカム構造体の作製時に閉塞されたセルは、例え両端が閉塞していたしても、上述の両端閉塞部には含まれない。本明細書において、両端閉塞部とは、セルの両端に栓部を積極的に形成することによって閉塞された部分のことである。
排ガス浄化フィルタには、例えばPt、Rh、Pd等の貴金属からなる触媒を担持させることができる。このとき、触媒は、セリア−ジルコニア固溶体等の助触媒、アルミナ等の無機バインダと共に排ガス浄化フィルタに担持させることができる。
(実施例1)
排ガス浄化フィルタの実施例について、図面を用いて具体的に説明する。図1に示すごとく、本例の排ガス浄化フィルタ1は、円柱状のハニカム構造体2と、栓部3とを有する。ハニカム構造体2は、四角形格子状に設けられた多孔質のセル壁21と、セル壁21に囲まれて形成された多数のセル22とを有する。セル22は、ハニカム構造体2の軸方向Xに伸びるように形成されている。栓部3は、ハニカム構造体2の軸方向Xにおける端面28、29を部分的に閉塞する。ハニカム構造体2及び栓部3はコージェライトからなり、ハニカム構造体2の容量は1.3Lである。
図1及び図2に示すごとく、ハニカム構造体2は、軸方向に直交する断面において、中心部20から外周部200に向かって径方向Yにセル密度が異なる2つのセル密度領域23(第1セル密度領域231、第2セル密度領域232)を有している。各セル密度領域231、232内のセル密度はそれぞれ一定である。本例においては、中心部20側に位置する第1セル密度領域231のセル密度は62個/cm2であり、外周部200側に位置する第2セル密度領域232のセル密度は47個/cm 2 であり、第2セル密度領域232のセル密度が第1セル密度領域231よりも低くなっている。また、第1セル密度領域231におけるセル壁21の厚みは0.25mmであり、第2セル密度領域232におけるセル壁21の厚みは0.2mmである。隔壁22の厚みは例えば0.1mm〜0.3mmの範囲で適宜変更することができる。また、ハニカム構造体2の気孔率は、例えば40%〜70%の範囲内で適宜変更することができる。
第1セル密度領域231は、ハニカム構造体2の中心部20を含む領域にあり、円柱状のハニカム構造体2の径方向Yにおける最も内側に位置している。一方、第2セル密度領域232は、ハニカム構造体2の外周部200を含む領域にあり、円柱状のハニカム構造体2の径方向Yにおける最も外側に位置している。
図1及び図2に示すごとく、ハニカム構造体2は、第1セル密度領域231と第2セル密度領域232との間に両者を隔てる円筒状の境界隔壁24を有している。そして、境界隔壁24によって隣り合うセル密度領域同士、即ち第1セル密度領域231と第2セル密度領域232とが隔てられている。ハニカム構造体2のセル22には、境界隔壁24に接する境界セル221と、境界隔壁24に接しない内部セル222とが存在する。境界セル221は、境界隔壁24と格子状に設けられたセル壁21とに囲まれたセルである。内部セル222は、格子状に設けられたセル壁21に囲まれたセル、及びセル壁21と外周部200に囲まれたセルである。セル壁21のみに囲まれた内部セル222は、所定の四角形(正方形)状を有するのに対し、境界セル221は、形状が不定である。
内部セル222は、図2〜図4に示すごとく、軸方向Xの両端面28、29のうちいずれか一方が栓部3により閉塞している。即ち、内部セル222は、排ガスが流入する側の端面28、又は排ガスが流出する側の端面29が栓部3により閉塞している。栓部3は、隣り合う内部セル222の端面28、29を交互に閉塞している。そして、排ガスが流入する内部セル222の上流側の端面28と、排ガスが流出する内部セル222の下流側の端面29とが開口している。
一方、境界セル221は、図2〜図4に示すごとく、両端面28、29のいずれもが栓部3により閉塞された両端閉塞セル225を有している。本例における境界セル221には、両端面28、29が閉塞されたセル(両端閉塞セル225)と、両端面28、29のうちのいずれか一方が栓部3により閉塞されたセルとが存在する。端面28、29における面積(開口面積)が比較的大きな境界セル221が両端閉塞セル225からなり、開口面積が比較的小さな境界セル221は、上述の内部セル222と同様に、端面28、29のいずれか一方が栓部3により閉塞している。
具体的には、同じセル密度領域231、232内に存在する境界セル221と内部セル222について、内部セル222の端面28、29における面積S1に対する境界セル221の端面28、29における面積S2の割合(S2/S1×100)が75%以上である境界セル221の全てが両端閉塞セル225を有している(図2〜図4参照)。一方、上述の面積割合が75%未満の境界セル221は、内部セル222と同様に、端面28、29のいずれか一方が栓部3によって閉塞している。なお、図2においては、第1セル密度領域231内における内部セル222の面積S1及び境界セル221の面積S2を示しているが、第2セル密度領域232についても同様の関係である。内部セル222の端面28、29における面積S1、境界セル221の端面28、29における面積S2は、セル壁21や境界隔壁24の部分の面積を含まない。即ち、面積S1、S2は、栓部3が形成されていない状態におけるセルの開口部分の面積のことである。
本例の排ガス浄化フィルタ1は、次のようにして作製される。まず、シリカ、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム等を含有するコージェライト原料を準備する。そして、焼成後の最終的な組成が、SiO2:47〜53質量%、Al23:32〜38質量%、MgO:12〜16質量%となるように、原料組成の調整を行う。コージェライト原料は、水等の溶媒、増粘剤、分散剤等と共に混合されて粘土質に調整されている。粘土質のコージェライト原料は、金型を用いて押出成形され、その後乾燥されることにより、ハニカム形状の成形体(ハニカム成形体)が得られる。
次に、シリカ、タルク、カオリン、アルミナ、水酸化アルミニウム等の原料粉末を含有する栓部形成材料を準備する。栓部形成材料は、焼成後の最終的な組成が、SiO2:47〜53質量%、Al23:32〜38質量%、MgO:12〜16質量%となるように、調整されている。栓部形成材料は、水又は油等の溶媒中に、増粘剤や分散剤等と共に分散されており、スラリー状である。栓部形成材料のスラリーは、混合機を用いて撹拌を行うことにより得られる。
次に、ハニカム成形体の両端面にマスキングテープを貼り付ける。その後、マスキングテープを部分的に除去することより、栓詰めすべきセルの端面に開口部を形成する。マスキングテープの除去は、例えばレーザ光の照射等により行うことができる。次いで、ハニカム成形体の両端面をそれぞれ上述の栓部形成材料のスラリーに浸漬する。これにより、開口部から栓詰めすべきセル内に適量の栓部形成材料を浸入させる。
次いで、ハニカム成形体を乾燥させた後、焼成させる。これにより、ハニカム成形体及び栓部形成材料が焼結する。このようにして、図1〜図4に示すごとく、ハニカム構造体2と栓部3とを有する排ガス浄化フィルタ1が得られる。なお、本例においては、ハニカム成形体と栓部形成材料を一度の焼成により、焼結させているが、予めハニカム成形体を焼成してハニカム構造体2を作製した後に、再度焼成により栓部3を形成することも可能である。この場合には、ハニカム構造体2にマスキングテープを貼り付けた後、上述の製法と同様にして排ガス浄化フィルタ1を製造することができる。
本例の排ガス浄化フィルタ1は、例えばディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中に含まれるPMを捕集するために用いられる。図1〜図4に示すごとく、排ガス浄化フィルタ1においては、境界隔壁24に接する境界セル221が、両端閉塞セル225を有している。即ち、境界セル221の少なくとも一部がハニカム構造体2の両端面28、29において閉塞している。そして、両端閉塞セル225からなる境界セル221にはPMが蓄積しないため、PMを燃焼させて排ガス浄化フィルタ1を再生させる際に、この境界セル221にはPMの燃焼熱が発生しない。そのため、PM燃焼時に境界隔壁24にかかる熱応力が緩和される。その結果、排ガス浄化フィルタ1のクラックの発生の防止が可能になる。
また、ハニカム構造体2は、その軸方向Xに直交する断面において、中心部20から外周部200に向かって径方向Yにセル密度が異なる複数のセル密度領域23を有する。そのため、排ガス浄化フィルタ1においては、中心部側に比べて排ガスの流通性の低い外周部側のセル密度を低くすることができる。実際に、本例のハニカム構造体2においては、中心部20側に位置する第1セル密度領域231に比べて、外周部200側に位置する第2セル密度領域232のセル密度が低くなっている。これにより、第2セル密度領域232のセル22内にも、第1セル密度領域と同様にスムーズに排ガスが流れる。そのため、排ガス浄化フィルタ1に流入する排ガスの流速分布の均一化が可能になる。その結果、排ガス浄化フィルタ1に捕集されるPMの偏りが緩和されるため、排ガス浄化フィルタ1のPMの捕集性能が向上する。
排ガス浄化フィルタ1は、ガソリンエンジンから排出されるPMを捕集するために用いられることが好ましい。この場合には、PMの燃焼頻度を小さくすることができ、燃費が向上する。
以上のように、本例の排ガス浄化フィルタ1においては、境界隔壁24における熱応力の集中が緩和され、クラックの発生を防止することができる。
(実施例2〜4)
実施例2〜4は、境界セルにおける両端閉塞セルの形成パターンを実施例1とは変更した排ガス浄化フィルタの例である。
実施例2の排ガス浄化フィルタは、内部セルの端面における面積S1に対する境界セルの端面における面積S2の割合(S2/S1×100)が50%以上である境界セルの全てが両端閉塞セルを有している。一方、面積割合(S2/S1×100)が50%未満の境界セルは、端面のいずれか一方が栓部によって閉塞している。その他の構成は、実施例1と同様である。実施例3のハニカム構造体は、上述の面積割合(S2/S1×100)が25%以上である境界セルの全てが両端閉塞セルを有している。一方、面積割合(S2/S1×100)が25%未満の境界セルは、端面のいずれか一方が栓部によって閉塞している。その他の構成は、実施例1と同様である。実施例2及び実施例3の排ガス浄化フィルタの図示は省略する。
実施例4のハニカム構造体は、図5及び図6に示すごとく、全ての境界セル221が両端閉塞セル225を有している。即ち、境界隔壁24に接するセル(境界セル221)の全てがハニカム構造体の両端28、29において栓部3によって閉塞されている。換言すれば、上述の面積割合(S2/S1×100)が0を超える全ての境界セル221が両端閉塞セル225を有している。その他の構成は、実施例1と同様である。なお、実施例4の排ガス浄化フィルタ(図5及び図6参照)において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示し、先行する説明を参照する。また、図5及び図6においては図示を省略するが、境界セル221だけでなく、一部の内部セル222も、両端閉塞セル225を有することができる。具体的には、例えば境界セル221に隣接する内部セル222の少なくとも一部が両端閉塞セル225を有していてもよい。また、境界セル221に隣接していない内部セルの少なくとも一部も両端閉塞セル225を有することができる。
(比較例1)
本例は、境界セルに両端閉塞セルを有していない排ガス浄化フィルタの例である。
図7及び図8に示すごとく、本例の排ガス浄化フィルタ9においては、内部セル22と境界セル221とを含む全てのセル22の両端面28、29のいずれか一方が、交互に栓部3により閉塞している。即ち、内部セル222と同様に、全ての境界セル221も、端面28、29の一方が閉塞している。その他の構成は、実施例1と同様である。なお、比較例1の排ガス浄化フィルタ9(図7及び図8参照)において、実施例1と同じ符号は、同一の構成を示し、先行する説明を参照する。
(実験例)
本例は、実施例及び比較例の各排ガス浄化フィルタにPMを堆積させた後、PMを燃焼させるPM燃焼試験を行う例である。
具体的には、まず、各排ガス浄化フィルタをガソリンエンジンの排気管内に装填し、排ガス浄化フィルタに排ガス中に含まれるPMを3g/L堆積させた。次いで、空燃比(空気/燃料)を1に保持した状態で排ガス浄化フィルタを700℃まで昇温させた。その後、アイドル相当まで燃料ガスの供給量を下げることにより、PMを燃焼させた。このときの排ガス中の酸素濃度は16体積%となる。
PMの燃焼時における排ガス浄化フィルタの下流側の端面における境界セル内の温度を測定した。具体的には、図9に示すごとく、境界隔壁24に内接する境界セル221(第1セル密度領域231内の境界セル221)内に、ハニカム構造体2の周方向に等間隔に4つ熱電対5を設置し、各熱電対5により境界セル内の温度を測定した。各熱電対5は、排ガス浄化フィルタ1の下流側の端面29から軸方向(図9の紙面と垂直な方向)へ5mm内側に設置した。各熱電対5は、図9に示すように、90°間隔で配置した。なお、熱電対5を配置する境界セル24が下流側の端面29において閉塞されている場合には、ドリルにより穴を開け、その穴から熱電対5を配置した。境界セル221内の温度は、熱電対5を設置した4箇所の温度の平均値から算出した。各実施例の排ガス浄化フィルタ1の測定温度結果を、比較例1の排ガス浄化フィルタに対する相対温度として、図10に示す。図10は、各排ガス浄化フィルタにおける両端閉塞セルの面積割合と、上述のPM燃焼時における境界セルの相対温度との関係を示す。
図10より知られるごとく、上述の面積割合(S2/S1×100)が75%以上である境界セルが両端閉塞セルを有している場合(実施例1〜4)には、境界セルが両端閉塞セルを有してない場合(比較例1)に比べて、PM燃焼時における境界セルの温度がより十分に低下する。そのため、この場合には、PM燃焼時に境界隔壁にかかる熱応力が緩和され、排ガス浄化フィルタのクラックの発生をより防止することができる。また、図10より知られるごとく、上述の面積割合(S2/S1×100)が50%以上である境界セルが両端閉塞セルを有している場合(実施例2〜実施例4)には、PM燃焼時における境界セルの温度をより一層低下させることができる。さらに同図より知られるように、全ての境界セルが両端閉塞セルを有している場合(実施例4)には、境界セルの温度をさらにより一層低下させることができる。したがって、クラックの発生を防止するという観点からは、面積割合が75%以上である境界セルが両端閉塞セルを有していることが好ましく、面積割合が50%以上である境界セルが両端閉塞セルを有していることがより好ましく、全ての境界セルが両端閉塞セルを有していることがさらに好ましい。
また、PMの堆積量を5g/Lに変更した点を除いては、上述と同様の方法により、各排ガス浄化フィルタのPMの燃焼試験を行い、クラックの発生の有無を調べた。その結果、両端閉塞セルを有してない比較例1の排ガス浄化フィルタにおいては、強度の低い境界隔壁の周囲にクラックが発生した。これに対し、両端閉塞セルを有する実施例1〜4の排ガス浄化フィルタにおいては、比較例1と同様に境界隔壁を有しているにもかかわらず、クラックは発生していなかった。これは、実施例1〜4の排ガス浄化フィルタにおいては、上述のようにPM燃焼時における境界セルの温度が低下するため、境界隔壁にかかる熱応力が緩和されたためである。
(実施例5)
本例においては、排ガス浄化フィルタに用いられるハニカム構造体に触媒を担持させる例である。まず、実施例1と同様に、ハニカム成形体を作製した。次いで、ハニカム成形体を乾燥させた後、焼成させることにより、ハニカム成形体を焼結させた。このようにして、栓部を有していない点を除いては、実施例1と同様の境界隔壁を有するハニカム構造体を作製した。
次に、セリア−ジルコニア複合酸化物及び/又はアルミナ等の無機酸化物に、貴金属が担持された触媒と、有機バインダとの混合物が水に分散された懸濁液を作製した。次いで、本例において作製したハニカム構造体を懸濁液中に浸漬した。懸濁液からハニカム構造体を引き上げた後、余分な水分を吹き飛ばし、乾燥させた。その後、ハニカム構造体を温度500℃、2時間加熱した。このようにして、触媒を担持したハニカム構造体を得た。
得られたハニカム構造体を観察したところ、開口部の面積割合が小さい境界セルは触媒によって両端が閉塞されていた。境界セルの開口部の面積割合と、触媒の詰まり発生率との関係を図11に示す。面積割合の算出方法は、実施例1と同様である。触媒の詰まり発生率は、所定の開口面積割合のセルにおいて詰まりが発生したセル数÷所定の開口面積割合のセル数という算出式によって算出することができる。
図11より知られるように、開口部の面積割合が40%未満の領域では、触媒による閉塞が顕著になる。即ち、面積割合40%未満の境界セルは、栓部により閉塞しなくとも触媒のコート時に閉塞する。したがって、面積割合が40%以上である境界セルを栓部により閉塞し、上述の両端閉塞セル225を形成すればよいことがわかる。
1 排ガス浄化フィルタ
2 ハニカム構造体
221 境界セル
222 内部セル
225 両端閉塞セル
23 セル密度領域
24 境界隔壁
3 栓部

Claims (3)

  1. 排ガス中の粒子状物質を捕集するための排ガス浄化フィルタ(1)であって、
    該排ガス浄化フィルタ(1)は、ハニカム構造体(2)と、該ハニカム構造体(2)の軸方向(X)の端面(28、29)を部分的に閉塞する栓部(3)とを有し、
    上記ハニカム構造体(2)は、格子状に設けられたセル壁(21)と、
    該セル壁(21)に囲まれて形成された複数のセル(22)と、
    上記軸方向(X)に直交する断面において、中心部(20)から外周部(200)に向かって径方向(Y)にセル密度が異なる複数のセル密度領域(23)と、
    隣り合う該セル密度領域(23)同士の間に形成され、かつ両者を隔てる境界隔壁(24)とを有し、
    上記セル(22)は、上記境界隔壁(24)に接する境界セル(221)と、上記境界隔壁(24)に接することなく上記セル壁(21)に囲まれて形成された内部セル(222)とを有し、
    該内部セル(222)は、上記軸方向(X)における両端面(28、29)のいずれか一方が上記栓部(3)によって閉塞しており、
    上記境界セル(221)は、上記軸方向(X)における両端面(28、29)が上記栓部(3)によって閉塞された両端閉塞セル(225)を有していることを特徴とする排ガス浄化フィルタ(1)。
  2. 同じ上記セル密度領域(23)内に存在する上記境界セル(221)と上記内部セル(222)について、上記内部セル(222)の端面(28、29)における面積S1に対する上記境界セル(221)の端面(28、29)における面積S2の割合(S2/S1×100)が40%以上である上記境界セル(221)が上記両端閉塞セル(225)を有していることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化フィルタ(1)。
  3. 全ての上記境界セル(221)が上記両端閉塞セル(225)を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化フィルタ(1)。
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