JP2016079508A - カップ付き衣類 - Google Patents

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久美子 中尾
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Abstract

【課題】 バストを美感よく造形する。【解決手段】 人体の胸部に対応する一対のカップ部10を備え、一対のカップ部10の少なくともいずれか一方は補強体13を有し、下端がカップ頂上Tより胸部の内寄りに位置し、上端がカップ頂上Tより胸部の外寄りに位置するとともに、カップ頂上Tを胸部の外寄りに迂回する境界にて区分される、胸部の内寄り側を占める第1の領域10a及び胸部の外寄り側を占める第2の領域10bに区画され、補強体13は、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界に沿って延在し、第2の領域10bは第1の領域10aより伸縮性が小さい、ブラジャー1。【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばブラジャーとして実施されるカップ付き衣類に関する。
下着類において女性用のファウンデーションは保温、衛生の維持のみならず、それを着用する者の体型を調整し、美感を強調する機能を有する。特にブラジャーは、バストを美感よく造形することを目的として、バストを上げる、寄せる等の機能を向上させるべく、種々の技術が提案されている。
そのような技術の一例として、特許文献1には、カップ布に湾曲した弾性的なV字形の骨材を配設した構成を開示しており、これにより、カップ布に上下方向の形状安定性が付与され、バストの形状を円錐形に保持するとされている(例えば図1等を参照)。
特開平7−252704号公報
しかしながら、上記従来のブラジャーにおいては、以下のような課題があった。すなわち、V字形の骨材が配設されたカップ布によるバストの支持は、バストを胸に向かって圧迫させることはできても、十分に上げることはできない。したがって、バストを美感よく造形することは困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、バストを美感よく造形することが可能なカップ付き衣類を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面は、人体の胸部に対応する一対のカップ部を備え、前記一対のカップ部の少なくともいずれか一方は主補強体を有し、前記一対のカップ部の前記一方は、下端がカップ頂上より胸部の内寄りに位置し、上端が前記カップ頂上より胸部の外寄りに位置するとともに、前記カップ頂上を胸部の外寄りに迂回する境界にて区分される、胸部の内寄り側を占める第1の領域及び胸部の外寄り側を占める第2の領域に区画され、前記主補強体は、前記境界に沿って延在し、前記第2の領域は前記第1の領域より伸縮性が小さい、カップ付き衣類である。
本発明の第2の側面は、前記主補強体は、前記第1の領域及び前記第2の領域の前記境界に近接若しくは隣接して、又は前記境界に跨って形成されている、本発明の第1の側面のカップ付き衣類である。
本発明の第3の側面は、前記主補強体は、前記第2の領域上に配置され、前記境界と側縁が一致する帯状の部材である、本発明の第1又は第2の側面のカップ付き衣類である。
本発明の第4の側面は、前記第2の領域上に前記主補強体と平行をなすよう配置された単数又は複数の副補強体を備えた、本発明の第1から第3のいずれかの側面のカップ付き衣類である。
本発明の第5の側面は、前記主補強体又は前記副補強体は、保護スリーブと、前記保護スリーブに収容され、少なくとも前記カップ部の表面に対する接線方向に弾性を有する芯材とを有する、本発明の第1から第4のいずれかの側面のカップ付き衣類である。
本発明の第6の側面は、前記芯材はスパイラルボーンである、本発明の第5の側面のカップ付き衣類である。
本発明の第7の側面は、前記カップ部は、前記第1の領域及び前記第2の領域に対応した形状を有するカップ基材と、前記第2の領域に対応した形状を有し、前記カップ基材に接合される当て布材とを有し、前記当て布材は、前記カップ基材よりも伸縮性が小さい、本発明の第1から第6のいずれかの側面のカップ付き衣類である。
本発明の第8の側面は、ハーフカップブラジャーである、本発明の第1から第7のいずれかの側面のカップ付き衣類である。
以上のような本発明は、カップ付き衣類においてバストを美感よく造形することが可能になるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係るブラジャーの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の構成を示す分解斜視図 (a)本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の構成を示す正面図(b)本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の構成を示す底面図 (a)本発明の実施の形態に係るブラジャーの補強体の構成を示す斜視図(b)本発明の実施の形態に係るブラジャーの芯材の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の作用効果を説明するための図 本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の作用効果を説明するための図 (a)本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の他の構成例を示す図(b)本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の他の構成例を示す図(c)本発明の実施の形態に係るブラジャーのカップ部の他の構成例を示す図 本発明の実施の形態に係るブラジャーの他の構成例を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る、ハーフカップのストラップレスブラジャーであるブラジャー1の構成を示す斜視図である。
図1に示すように、ブラジャー1は、使用者のバストに対応する一対のカップ部10、一対のカップ部10の内側の端部同士が正対する位置にて設けられ、カップ部10同士を結合する前中心部20a、使用者の腋に対応して一対のカップ部10のそれぞれの外側の端部に位置する腋布部20b、及び、使用者の背中に対応して腋布部20bから延出し、図示しない両端がホック等の周知の技術的手段により脱着自在に結合されるバック部20cを主要素として構成される。なお、前中心部20a、腋布部20b及びバック部20cは一枚の生地である土台布の各部位として構成される。土台布は、一例として、ポリエステル、ナイロン等の織布を材料として用いることができる。
一対のカップ部10と土台布の上側の縁は、図中点線を境界とする縫着領域20xをかがり縫い等することにより縫着される。また、一対のカップ部10と土台布の下側の縁は、布製の下縁部20yにより被覆された状態で縫着される。さらに、腋布部20bと一対のバック部20cとの間には、カップ部10を補助してバストを安定して保持するためのサイドボーン22が縫着、接着等の手段により土台布に接合されている。
次に、カップ部10は、使用者のバストに対応した外形の略碗状又は略円錐状の部位であって、使用者のバストトップに対応したカップ頂上Tを含み、使用者の胸部の内寄りに位置する第1の領域10aと、使用者の胸部の外寄りに位置する第2の領域10bとに区画される。
第1の領域10aは後述するカップ本体11及びカップくり14により構成され、第2の領域10bはカップ本体11及びカップくり14並びに後述するマーキ12により構成される。カップ部10においては、単体で露出する上辺が縫着領域20xにて縫着されることによりカップ本体11、マーキ12及び、後述する補強体13が一体化する。土台布と重なる下辺はカップくり14がカップ本体11、マーキ12及び補強体13を挟み込んで土台布に縫着されることにより一体化する。
次に、図2及び図3を参照して、カップ部10の構成を説明する。ただし図2はカップ部10の構成を示す分解斜視図であり、図3(a)は、カップ部10の構成を使用者の正面側からみた方向を正面としてX−Y平面に投影した正面図であり、図3(b)はカップ部10の膨らみの方向をZ軸とした底面図である。
図2に示すように、カップ部10において、使用者に近い側から、カップ本体11、マーキ12、補強体13及びカップくり14がこの順で積層される。カップ本体11は、上カップ11xに対応するカップ布11aと、下カップ11yに対応するカップ布11b及び11cとを備える。カップ布11a、11b及び11cは、例として、ポリエステル、ナイロンを材料として用い、ダブルラッセル編み等により作成した部材、又は綿その他の不織布をナイロン織布又は編布等により被覆することにより作成した部材である。
カップ布11a、11b及び11cは、互いの各辺、角の一致する箇所がカップ頂上Tを形成するよう立体的に縫着されることにより、略碗状又は略円錐状の形状を有する。なお、カップ本体11は3つのカップ布11a、11b及び11cから構成されるものとしたが、2つ又は4つ以上のカップ布から構成されるものとしてもよい。
次に、マーキ12は、例として、ナイロン、ポリエステル等を材料とし、カップ本体11と上カップ11x及び下カップ11yのそれぞれの輪郭の一部を共有した略弧状の形状を有する部材であって、カップ本体11の表面に重なり、カップ部10における第2の領域10bを構成する。マーキ12は、上記材料を、例えばトリコット編み、又は天竺編み等の手段により作成して得られることにより、カップ本体11よりも伸縮性が小さくなっている。したがってカップ部10においては第1の領域10aは、第2の領域10bよりも伸縮性、可撓性が大きく、より変形し易い構造となっている。
次に、補強体13は、マーキ12の表面に重なりカップ部10における第2の領域10b上に位置する。
ここで図4(a)に補強体13の構成を示す。図4(a)に示すように、補強体13は、ポリエステル等のパイル生地素材により作成された筒状の保護スリーブ13a、保護スリーブ13aに収容される、ポリエステル等の素材を筒状に巻き回してなる芯地13b、及び筒状の芯地13bに更に収容された芯材13cから構成され、カップ本体11の表面に沿った面が扁平な帯状の部材である。
芯材13cは、補強体13に定形性と弾性を与える長大な帯状の部材であって、図4(b)に示すスパイラルボーンにより実現される。ただし、芯材13cはコイルボーンを用いるものとしてもよいし、合成樹脂、金属等の弾性を有する板状の部材を用いるものとしてもよい。
再度図4(a)を参照し、保護スリーブ13aにおいて芯材13cの両端は、内部空間の終端である縫目13a2に対して空隙13a1を有した状態で位置しており、したがって、芯材13cは保護スリーブ13a内を移動可能な状態で収容され、これにより、保護スリーブ13aの収縮時に芯材13cがスリーブの外にはみ出すことが妨げられる。
次に、図3(a)及び(b)を参照して、カップ部10における第1の領域10a及び第2の領域10bと、上述した各部との対応関係の説明を行う。ただし各図においてカップくり14は省略して示した。
各図に示すように、第1の領域10aはカップ本体11のみで構成され、第2の領域10bは、カップ本体11及びマーキ12の積層体として構成される。ここで、カップ部10における補強体13の配置は、カップくり14とともに土台布に縫着される余白部13xを含む下端13yが、カップ頂上Tを原点とするX−Y平面において、下カップ11yの輪郭上であって、使用者の胸部中央寄り(前中心部20a寄り)に位置し、カップ頂上Tを使用者の胸部外寄り(腋布部20b寄り)に迂回して、上端13zが上カップ11xの輪郭上、すなわちカップ部10の上辺に位置している。
更に、補強体13の一方の側縁13e1は、カップ本体11とマーキ12の境界に一致して配置されて、他方の側縁13e2はマーキ12の表面上に位置するよう配置される。これにより補強体13はマーキ12に積層された状態でカップ部10に固定される。
すなわち、カップ部10の第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eは、カップ頂上Tよりも下方にて位置し、下端がカップのカップ頂上Tより使用者の胸部内寄りであって、下端がカップのカップ頂上Tより使用者の胸部外寄りとなる曲線を形成している。
以上のような構成を有するブラジャー1において、カップ部10は本発明のカップ部に相当し、第1の領域10aは本発明の第1の領域に相当し、第2の領域10bは本発明の第2の領域に相当する。更に、補強体13は本発明の主補強体に相当し、境界12e又は補強体13の側縁13e1は本発明の境界に相当し、保護スリーブ13aは本発明の保護スリーブに相当し、芯材13cは本発明の芯材に相当する。更に、カップ本体11は本発明のカップ基材に相当し、マーキ12は本発明の当て布材に相当する。
このような構成を有する本実施の形態のブラジャー1は、カップ部10が第1の領域10a及び第2の領域10bにより区画され、各領域の境界12eに沿って補強体13が設けられたことを特徴とする。
すなわち、従来のブラジャー、とりわけハーフカップのストラップレスブラジャーにおいては、カップ単体の構造によりバストを造形する必要があるが、その効果は主にバストを身体の中心に向かって圧迫するよう変化させるに止まり、バストを十分に美感よく造形することは困難であった。
一方、3/4カップブラジャーのようなストラップ付きブラジャーにおいては、ストラップによりバストを持ち上げることにより、カップによる寄せの作用と併せてバストを造形するようにしているが、ストラップそのものがバストの美感を損ねることとなり、更にはストラップの負荷が使用者の肩に加わることとなってしまう。
本発明は、以上のような考察に基づきなされたものであって、上記特徴を備えたことにより、以下の効果を奏する。
図5は、図3(a)に示す上カップ11xと下カップ11yの境界線Bに一致する、カップ部10のA−A直線による模式的断面図である。図5に示すように、カップ部10において、使用者の胸部内寄りの第1の領域10aはカップ本体11単体により構成される一方、使用者の胸部外寄りの第2の領域10bはカップ本体11及びマーキ12の積層体により構成され、更に補強体13が付加されている。
これにより、ブラジャー1の着用時において、使用者のバストは第2の領域10bによって押圧され、相対的に伸縮性、可撓性が大きい第1の領域10a側へ向かって移動する。その結果、バストは、使用者の身体の腋側への移動、いわゆる腋流れが抑制されるとともに胸部中央に寄せられ、第1の領域10aをその法線方向D0に沿って膨張させるように変形する。
更に、カップ部10においては、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eに側縁13e1が一致するように補強体13が設けられている。図3(a)及び(b)にも示したように、補強体13は下カップ11yの胸部内寄り側からカップ頂上Tを迂回して上カップ11xの胸部外寄り側に渡って配置されることにより、カップ部10全体を、カップくり14(図示省略)側からカップ部10の上辺に向けて補強してバストを上方(使用者の頭側)に持ち上げるとともに、第1の領域10aの面積を上方に向かって漸近的に拡大させる。これにより、バストは下方から上方へ漸近的に膨張するように変形する。
上述した第1の領域10a及び第2の領域10b並びに補強体13の作用は、図6に示すように、使用者の身体100においては、図中矢印D3により示すように、ストラップブラジャーにおける、ストラップによるバストの持ち上げ作用と同様に、使用者のバストを下方から押し上げる力として与えられ、更に胸部中央へ寄せる力としても与えられる。
その結果、バストの谷間の陰影が強調されるとともに、胸部のカップ部10の上辺より上部の位置に膨張感が与えられ、バスト全体が美感よく造形される。
このように、本実施の形態によれば、カップ部10のみでバストを美感よく造形することが可能となる。特にハーフカップのブラジャーとしてブラジャー1を実施した場合、ストラップが省略されることで、使用者の肩及び襟ぐりを大きく露出させて、使用者のバストを含めた上半身の美感を向上させる効果、及び使用者の肩への負担を低減する効果を併せて奏し、特に好適である。
更に、本実施の形態においては、補強体13の芯材13cとして、図4(b)に示すスパイラルボーンを備えたことにより、以下の効果を奏する。すなわち、スパイラルボーンはその延伸方向に直交する平面上にほぼ等方的な弾性を有することにより、補強体13は、カップ10の表面に形状よく追従する帯状の主面をマーキ12に接合した状態で、図5に示すように、カップ部10の法線方向D1及び接線方向D2の双方において等方的な弾力をバストに与えている。
これにより、上述したカップ部10によるバストの造形作用を、使用者の姿勢の変化に追従して維持することが可能となっている。すなわち、図6に示すように、ブラジャー1の着用時において、使用者の身体100は図中矢印R1に示す背面から腹部へ向けての回転、図中矢印R2に示す両肩にかけての回転、及び図中矢印R1に示す、背骨を軸とする腰回りの回転の三種の異なる向きに沿って変化するが、これらいずれの向きに沿った変化が生じた場合であっても、補強体13によりカップ部10はバストに密接して、ブラジャー1と身体100に隙間が生ずることを抑制し、バストの美感を恒常的に保つことができる。
なお、補強体13は、少なくとも図5の接線方向D2における弾力を有することが望ましく、この場合、特に図6中矢印R2に示す両肩にかけての回転を含む使用者の姿勢の変化への追従性を確保することが可能となる。
更に、以上の効果は、使用者にとっては、あたかもバストが掌により常時下方から支えられているかのような感触として受容され、肩への負担が低減されるともに、快適な装着感が与えられるもので、ひいてはブラジャー1の長期間の着用を可能としている。
このように、本発明の実施の形態1のブラジャー1は、カップ部10が第1の領域10a及び、第1の領域10aより伸縮性が大きい第2の領域10bにより区画されるとともに、弾性を有する補強体13が各領域の境界12eに沿って設けられたことにより、バストを上げて、且つ寄せて、美感よく造形することを可能としている。
しかしながら、本発明は上記の実施の形態により限定されるものではない。
上記の説明においては、カップ部10における補強体13の位置は、第2の領域10bをなすマーキ12上であって、一方の側縁13e1が、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eに一致するものとした。
一方で、補強体13は、図7(a)に示すように、第1の領域10aをなすカップ本体11上であって、他方の側縁13e2が、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eに一致するものとしてもよい。更に、補強体13は、図7(b)に示すように、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eに跨って配置されるものであるとしてもよく、図7(c)に示すように、一方の側縁13e1及び他方の側縁13e2の双方が第2の領域10bをなすマーキ12上に配置されるものとしてもよく、いずれの配置によっても上記の実施の形態と同様の効果を奏する。なお、図7(c)の場合においては、補強体13の一方の側縁13e1上にてカップ本体11とマーキ12を縫着させて、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界12eをカップ本体11上にフロートさせる構成としてもよい。
更に、補強体13の一方の側縁13e1又は他方の側縁13e2は、第1の領域10aと第2の領域10bとの境界に一致した配置に限定されず、近接又は隣接した配置であるとしてもよく、これによっても上記実施の形態と同様の効果を奏する。ただし、近接とは、型紙を定めるさいにあらかじめ設定可能な程度の寸法であることを意味し、隣接とは、型紙にあらかじめ設定された寸法でなくとも、縫着時の誤差又は公差程度の寸法に収まっていることを意味する。
更に、本発明は、カップ部において複数の補強体を備えた構成としてもよい。図8に示すブラジャー2は、第2の領域10bをなすマーキ12上に、補強体13に平行で、カップくり14からカップ部10の上辺まで延伸してなる、補強体13と同一構成を有する補強体15を更に備える。これにより、第2の領域10bが補強され、バスト造形の効果を向上させることが可能となる。
カップサイズが大きくなると第2の領域10bは面積が拡大し、伸縮性が増大して、カップ布及びマーキによるバスト押圧及び補強体による持ち上げの効果が減じされるところ、補強体15を設けることにより、バスト押圧及び持ち上げの効果を良好に維持することができる。したがって、カップサイズの大小にかかわらず本発明の効果を好適に発揮することが可能となる。なお、補強体13と補強体15の構成は異なっていてもよく、例えば補強体15の芯材として合成樹脂製のボーンを用いるようにしてもよい。
なお、上記の説明において、補強体15は本発明の副補強体に相当するが、補強体15はカップの大きさに対応して複数本設ける構成としてもよい。さらに、補強体15は補強体13に平行に設けるとしたが、交差する向きに設ける構成としてもよい。
更に、上記の説明においては、本発明のカップ部は、カップ部10として、使用者に近い側から、カップ本体11、マーキ12及び補強体13がこの順で積層される構成としたが、本発明のカップ部は第1の領域及び第2の領域を有していればよく、各領域の具体的な構成によって限定されるものではない。したがって、カップ本体11、マーキ12及び補強体13は任意の順で積層される構成としてもよい。
更に、上記の説明においては、本発明のカップ部は、カップ部10として、カップ本体11から構成される第1の領域、及びカップ本体11、マーキ12の積層体から構成される第2の領域を有するものとしたが、本発明のカップ部は第1の領域及び第2の領域を有していればよく、各領域の具体的な構成によって限定されるものではない。したがって、第1の領域及び第2の領域は、同一のカップ基材における伸縮性の部位の異なりとして構成されるものであってもよい。具体的には、カップ本体11を構成するカップ布の一部を第2の領域に対応させ、第1の領域に対応する残りの部分よりも伸縮性が小さい素材、又は伸縮性が小さい織布、編布等により作成することにより、本発明の上記効果を奏することが可能となる。
更に、上記の説明においては、本発明の主補強体は、マーキ12に縫着される別部材としての補強体13として説明を行ったが、本発明の補強体は、第1の境界と第2の境界に沿って延在していればよく、その具体的な構成によって限定されるものではない。したがて、上記実施の形態の、保護スリーブ及び芯材による構成の他、合成繊維の織布、不織布等を縫製してなる部材として構成されていてもよいし、第1の境界と第2の境界とを縫合する縫合糸の集合体として構成されていてもよい。
更に、上記の説明においては、カップ付き衣類は、ブラジャー1等としてカップ部が台布部に縫着又は接着された、所謂台倒しの構成であるとしたが、カップ部と他の部分との具体的な結合の態様によって限定されるものではなく、下縁部20yを省略してカップくり14が土台布の縁に達した、所謂カップ倒しの態様であるとしてもよい。
更に、ブラジャー1はハーフカップのブラジャーであるとしたが、本発明は、例えば3/4カップのブラジャーとして実現してもよく、カップの種類により限定されるものではない。
しかしながら、本発明は、上記の説明のように、ストラップレスの構成において、ストラップによるバスト持ち上げに相当する作用を、カップ部の構成により実現することを特徴とする。したがって、本発明が、ハーフカップ又はストラップレスに対応したカップを備えたブラジャーにおいて適用されることは、使用者のバストを含めた上半身の美感を向上させる効果、及び使用者の肩への負担を低減する効果を併せて奏し、より好適である。
更に、上記の説明においては、一対のカップ部10の双方に第1の領域10a及び第2の領域10b並びに補強体13を備えた構成としたが、本発明は、少なくとも一方のカップ部に各領域及び補強体を備えた構成であればよい。
更に、上記の説明においては、本発明のカップ付き衣類は、ブラジャー1であるとして説明を行ったが、本発明は、一対のカップ部を有する衣類であればよく、その他の用途、構成によって限定されるものではない。したがって、ブラジャーの他、ビスチェ、チュチュ、ボディシェイパー、ボディスーツその他のファウンデーション又はランジェリーとして実施してもよい。更に、下着類の他、ドレス等として実施してもよい。
本発明によれば、上記の説明のように、ストラップレスの構成においてカップ部のみでバストを上げて、且つ寄せて、美感よく造形することができ、使用者の肩及び襟ぐりを大きく露出させて美感を向上させ、かつ使用者の肩への負担を低減する効果を併せて奏することができるため、ストラップレスブラジャー、ボティシェイパ−等の他、肩紐(ストラップ)を必要としないイヴニングドレスに好適である。ただし、肩がバストからの負荷を受けることを目的としない装飾用のストラップを設ける構成としてもよい。
要するに、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内であれば、以上説明したものを含め、上記実施の形態に種々の変更を加えたものとして実施してもよい。
以上のような本発明は、バストを美感よく造形することが可能になる効果を有し、例えばハーフカップブラジャーのようなカップ付き衣類において有用である。
1、2 ブラジャー
10 カップ部
10a 第1の領域
10b 第2の領域
11 カップ本体
11a、11b カップ布
11x 上カップ
11y 下カップ
12 マーキ
12e 境界
13、15 補強体
13a 保護スリーブ
13b 芯地
13a1 空隙
13c 芯材
13a2 縫目
13e1、13e2 側縁
13x 余白部
13y 下端
13z 上端
14 カップくり
20a 前中心部
20b 腋布部
20c バック部
20x 縫着領域
20y 下縁部
22 サイドボーン
100 身体

Claims (8)

  1. 人体の胸部に対応する一対のカップ部を備え、
    前記一対のカップ部の少なくともいずれか一方は主補強体を有し、
    前記一対のカップ部の前記一方は、
    下端がカップ頂上より胸部の内寄りに位置し、上端が前記カップ頂上より胸部の外寄りに位置するとともに、前記カップ頂上を胸部の外寄りに迂回する境界にて区分される、胸部の内寄り側を占める第1の領域及び胸部の外寄り側を占める第2の領域に区画され、
    前記主補強体は、前記境界に沿って延在し、
    前記第2の領域は前記第1の領域より伸縮性が小さい、
    カップ付き衣類。
  2. 前記主補強体は、前記第1の領域及び前記第2の領域の前記境界に近接若しくは隣接して、又は前記境界に跨って形成されている、
    請求項1に記載のカップ付き衣類。
  3. 前記主補強体は、前記第2の領域上に配置され、前記境界と側縁が一致する帯状の部材である、
    請求項1又は2に記載のカップ付き衣類。
  4. 前記第2の領域上に前記主補強体と平行をなすよう配置された単数又は複数の副補強体を備えた、
    請求項1から3のいずれかに記載のカップ付き衣類。
  5. 前記主補強体又は前記副補強体は、保護スリーブと、前記保護スリーブに収容され、少なくとも前記カップ部の表面に対する接線方向に弾性を有する芯材とを有する、
    請求項1から4のいずれかに記載のカップ付き衣類。
  6. 前記芯材はスパイラルボーンである、請求項5に記載のカップ付き衣類。
  7. 前記カップ体は、前記第1の領域及び前記第2の領域に対応した形状を有するカップ基材と、前記第2の領域に対応した形状を有し、前記カップ基材に接合される当て布材とを有し、
    前記当て布材は、前記カップ基材よりも伸縮性が小さい、
    請求項1から6のいずれかに記載のカップ付き衣類。
  8. ハーフカップブラジャーである、
    請求項1から7のいずれかに記載のカップ付き衣類。
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