JP2016079489A - 粉末成形用金型およびサイジング用金型の設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた寸法精度の焼結体または製品を得るための高精度な粉末成形用金型の設計方法の提供。
【解決手段】鉄系材料を含む粉末を金型内で加圧成形、焼結工程を含む粉末成形用金型の設計方法。非接触式形状測定機により、加圧成形体の3次元形状データを取得する第1測定工程、前記焼結体の3次元形状データを取得する第2測定工程、前記粉末成形用金型の3次元形状データと、前記第1測定工程による形状データを比較して部分毎に異なるスプリングバック情報を得る第1情報取得工程、前記第2測定工程による焼結体の形状データと、前記第1測定工程による成形体の形状データを比較して部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得する第2情報取得工程、および前記スプリングバック情報および焼結時寸法変化情報を用いて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する修正工程を含む。統計学的に信頼できるサンプル数の前記情報に基づき粉末成形用金型を修正する。
【選択図】なし

Description

本発明は粉末成形用金型およびサイジング用金型の設計方法に関する。さらに詳しくは、鉄系材料を含む種々の組成の粉末を加圧成形し、得られた成形体を焼結して焼結体を得る粉末冶金法で用いられる粉末成形用金型の設計方法、および焼結体に対し寸法精度を上げるためにサイジングを行う場合に用いられるサイジング用金型の設計方法に関する。
比較的複雑な形状を有する機械部品などを製造する技術として粉末冶金法がある。この方法では、鉄系材料を含む種々の組成の粉末を所望の形状に加圧成形し、得られた成形体(圧粉体)を加熱して焼結させる。前記成形体は、通常、ダイ、上下のパンチ及びコアなどの金型(粉末成形用金型)を備えたプレス成型機を用いて製造される。このプレス成型機では、ダイプレート上を摺動するシューボックスから前記金型内に原料粉末が当該原料粉末の自然落下を利用して供給される。
また、最終製品に対し例えば±20μm程度の厳しい寸法精度が要求される場合には、前記焼結体に対し、サイジング用金型を用いて更なるサイジング処理が行われる。
前述した粉末冶金法では、原料となる粉末を粉末成形用金型内に供給し、当該金型を構成するダイや上下パンチなどを上下動させて前記粉末を所定形状の成形体に加工しているが、成形時の圧力から解放された成形体がスプリングバックにより変形することがある。
また、焼結に際しても成形体の密度の偏りや炉内の不均一な温度分布の影響などにより焼結体は均一に寸法変化せず変形が発生することがある。
そこで、成形体や焼結体の寸法および形状の変化を考慮して粉末成形用金型の設計をすることが行われている。すなわち、成形工程および焼結工程において、例えば径方向と高さ方向に関しての単純な寸法変化を考慮して、金型の寸法や形状を設計している。具体的には、マイクロメータや、プローブを備えた形状測定器を用いて成形体や焼結体の寸法を測定し、その測定結果を金型の寸法や形状にフィードバックさせている。
しかし、従来の方法は、プローブを備えた形状測定器であっても、当該プローブを用いて製品表面の高々数十点の2次元情報を得るだけであり、製品の表面全体をくまなく測定しているものではないので、例えば、反りなどの複雑な変形には対応することができない。また、部分的または局所的な変形に対しては、当該変形を評価して、その結果を金型の設計にフィードバックさせることができるが、製品全体の寸法および形状を総合的に評価することができない。
また、粉末冶金法の場合、原料となる粉末は自然落下により金型内に供給されるので、その供給量を制御することが難しく、金型内における粉末の密度が不均一になる虞がある。金型内における粉末の密度が場所により不均一であると、得られる成形体の密度も不均一となり、焼結後の製品の寸法や形状の精度に影響を及ぼす。
また、成形体を加熱処理するための加熱炉内における当該成形体の置き方や位置によって炉内の温度が異なるため、この影響を受けて、加熱処理後の製品間で変形にバラツキが生じ、金型設計にフィードバックさせるべき焼結体の変形量を決めることが難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金型内に供給される粉末を加圧成形した成形体を加熱して焼結体を得る粉末冶金法における粉末成形用金型を高精度に設計することができ、もって優れた寸法精度の焼結体を得ることができる粉末成形用金型の設計方法を提供することを目的としている。
また、焼結後にサイジングを行う場合に用いられるサイジング用金型を3次元的なフィードバック値を用いて最適設計することができ、もって優れた寸法精度の製品を得ることができるサイジング用金型の設計方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る粉末成形用金型の設計方法は、鉄系材料を含む粉末を金型内で加圧成形して成形体を得る工程、および得られた成形体を焼結して焼結体を得る工程を含む粉末冶金法で用いられる粉末成形用金型の設計方法であって、
非接触式形状測定機を用いて前記成形体の3次元形状データを取得する第1測定工程、
非接触式形状測定機を用いて前記焼結体の3次元形状データを取得する第2測定工程、
前記粉末成形用金型設計データとしての3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した3次元形状データとの比較により部分毎に異なるスプリングバック情報を得る第1情報取得工程、
前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状との比較により部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得する第2情報取得工程、および
前記スプリングバック情報および焼結時寸法変化情報を用いて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する修正工程
を含んでおり、
統計学的に信頼できるサンプル数の成形体および焼結体について、前記部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得し、取得した部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報の各平均データに基づいて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する。
本発明の他の態様に係るサイジング用金型の設計方法は、鉄系材料を含む粉末の成形体を焼結して得られる焼結体をサイジングする際に用いられるサイジング用金型の設計方法であって、
非接触式形状測定機を用いてサイジング後の焼結体の3次元形状データを取得する測定工程、
前記サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの比較により、部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を得る情報取得工程、および
前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を用いて前記サイジング用金型の3次元形状を修正する修正工程
を含んでおり、
統計学的に信頼できるサンプル数の焼結体について、前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を取得し、取得した部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報の平均データに基づいて前記サイジング用金型の3次元形状を修正する。
上記発明によれば、金型を3次元的なフィードバック値を用いて最適設計することができ、もって優れた寸法精度の焼結体または製品を得ることができる。
(a)は焼結体の一例の平面図であり、(b)は同斜視図である。 粉末成形用金型の一例の断面説明図である。 (a)は歪んだ焼結体の正面説明図であり、(b)は同斜視説明図である。 非接触式形状測定機の一例の斜視説明図である。 本発明の設計方法により設計された金型の上下のパンチの正面説明図である。 本発明の設計方法により設計された金型の上下のパンチの斜視説明図である。 焼結体の他の例の斜視説明図である。 図7に示される焼結体を製造する際に用いられる粉末成形用金型の断面説明図である。
〔本発明の実施形態の説明〕
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の一態様に係る粉末成形用金型の設計方法は、
(1)鉄系材料を含む粉末を金型内で加圧成形して成形体を得る工程、および得られた成形体を焼結して焼結体を得る工程を含む粉末冶金法で用いられる粉末成形用金型の設計方法であって、
非接触式形状測定機を用いて前記成形体の3次元形状データを取得する第1測定工程、
非接触式形状測定機を用いて前記焼結体の3次元形状データを取得する第2測定工程、
前記粉末成形用金型設計データとしての3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した3次元形状データとの比較により部分毎に異なるスプリングバック情報を得る第1情報取得工程、
前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状との比較により部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得する第2情報取得工程、および
前記スプリングバック情報および焼結時寸法変化情報を用いて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する修正工程
を含んでおり、
統計学的に信頼できるサンプル数の成形体および焼結体について、前記部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得し、取得した部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報の各平均データに基づいて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する。
本態様に係る粉末成形用金型の設計方法では、非接触式形状測定機を用いて取得した部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を用いて粉末成形用金型の3次元形状を修正しているので、焼結体全体の寸法精度を向上させることができる。また、統計学的に信頼できるサンプル数のデータの平均データに基づいて粉末成形用金型の3次元形状を修正しているので、粉末密度の不均一や、加熱炉内における成形体の配置場所の違いなど、粉末冶金法固有の形状バラツキの影響を緩和させることができる。
(2)上記(1)の粉末成形用金型の設計方法において、前記第1測定工程で取得した3次元形状データと、前記成形体の設計データとしての3次元形状データとの差を前記スプリングバック情報とし、
前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状との差を前記焼結時寸法変化情報とし、
スプリングバック情報と焼結時寸法変化情報との和である変形量を補填する形状の粉末成形用金型とすることができる。この場合、スプリングバック情報と焼結時寸法変化情報との和からなる変形量を補填する形状の粉末成形用金型とすることにより、成形及び焼結後の焼結体の3次元形状を設計形状に近づけることができる。
本発明の他の態様に係るサイジング用金型の設計方法は、
(3)鉄系材料を含む粉末の成形体を焼結して得られる焼結体をサイジングする際に用いられるサイジング用金型の設計方法であって、
非接触式形状測定機を用いてサイジング後の焼結体の3次元形状データを取得する測定工程、
前記サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの比較により、部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を得る情報取得工程、および
前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を用いて前記サイジング用金型の3次元形状を修正する修正工程
を含んでおり、
統計学的に信頼できるサンプル数の焼結体について、前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を取得し、取得した部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報の平均データに基づいて前記サイジング用金型の3次元形状を修正する。
本態様に係るサイジング用金型の設計方法では、非接触式形状測定機を用いて取得した部分毎に異なるサイジング時スプリングバック情報を用いてサイジング用金型の3次元形状を修正しているので、サイジング後の焼結体全体の寸法精度を向上させることができる。また、統計学的に信頼できるサンプル数のデータの平均データに基づいてサイジング用金型の3次元形状を修正しているので、粉末密度の不均一などによる形状バラツキの影響を緩和させることができる。
(4)上記(3)のサイジング用金型の設計方法において、前記サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの差を、サイジング時スプリングバック情報とし、
前記サイジング時スプリングバック情報である変形量を補填する形状のサイジング用金型とすることができる。この場合、サイジングスプリングバック情報からなる変形量を補填する形状のサイジング用金型とすることにより、サイジング後の焼結体の3次元形状を設計形状に近づけることができる。
〔本発明の実施形態の詳細〕
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の粉末成形用金型およびサイジング用金型の設計方法の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[粉末成形用金型の設計方法]
図1は、本発明に係る粉末成形用金型を用いて製造される焼結体の一例を示しており、(a)は平面図であり、(b)は斜視図である。焼結体Wはリング形状を呈しており、中央に開口部としての丸孔1を有している。かかる焼結体Wは、通常、ダイ、上下のパンチ及びコアなどの金型(粉末成形用金型)を備えたプレス成型機(図示せず)を用いて製造される成形体を加熱炉内で焼結、熱処理することで得ることができる。具体的に、例えば、図2に示されるようなダイ2、上パンチ3、下パンチ4、及びコアロッド5を有する金型を備えたプレス成型機を用いて製造される成形体を加熱炉内で焼結、熱処理することで得ることができる。
粉末冶金法により得られる焼結体Wは、当該粉末冶金法に特有の理由により変形ないし歪が生じることがある。すなわち、前述したスプリングバックの影響による変形、および不均一な炉内温度分布の影響による変形である。前者は成形体製造時に発生する変形であり、後者は当該成形体の焼結時に発生する変形である。
また、原料となる粉末を金型内に自然落下により供給していることから、金型内における粉末の密度が場所により不均一になり、得られる成形体の密度が不均一になることがある。これにより、焼結後の製品の寸法や形状の精度が影響を受ける。
さらに、成形体を加熱処理するための加熱炉内における当該成形体の置き方や位置によって炉内の温度が異なるため、この影響を受けて、加熱処理後の製品間で変形にバラツキが生じる。
このように、焼結体Wには成形時における変形と、焼結時における変形とが存在する。また、粉末密度の不均一性に起因して、製品毎に変形の箇所や程度が異なっている。
そこで、本実施形態に係る粉末成形用金型の設計方法では、成形体の3次元形状及び焼結体の3次元形状をそれぞれ測定し、成形時の変形を表すスプリングバック情報と、焼結時の変形を表す焼結時寸法変化情報とを得ている。また、変形のバラツキに対応するために、統計学的に信頼できるサンプル数の成形体及び焼結体について測定を行い、平均的な変形を求め、そのデータを用いて金型の設計を行っている。ここで、「統計学的に信頼できるサンプル数」とは、例えば日科技連数値表で示されているC↓2↑*値から、正規分布母集団における工程能力値との乖離を1%未満に抑えることができる、20〜30個程度以上のサンプル数をいう。
次に、本実施形態に係る粉末成形用金型の設計方法について詳細に説明する。
図3は、歪んだ形状を有する焼結体Waを示しており、(a)は正面説明図であり、(b)は斜視説明図である。図3及び後出する図5〜6では、分かりやすくするために焼結体Wa及び金型の変形の程度を誇張して描いている。
焼結体Waは、中央が凹んだ形状を呈している。焼結体Waの本来的な形状、すなわち設計データでは、図1に示されるように、焼結体Wの上面6及び下面7はいずれも平坦な面である。したがって、その高さないしは厚さは均一である。このような焼結体Waが製造される場合の粉末成形用金型の設計方法について説明する。
(1)まず、本実施形態では、粉末を加圧成形して得られる成形体の3次元形状データを取得する(第1測定工程)。かかる3次元形状データは、例えば図4に示される非接触式形状測定機10を用いて取得することができる。この非接触式形状測定機10は、プロジェクター11と、CCDカメラ12とを備えており、従来のプローブを用いた形状測定器のように被測定物に接触することなく当該被測定物の3次元データを得ることができる。
被測定物である成形体Pをロータリーテーブル13上に載置し、当該成形体Pに向けてプロジェクター11からLED光源を照射した状態で前記ロータリーテーブル13を所定の回転数(例えば、0.5rpm)で回転させる。回転する成形体Pを所定のサンプリング間隔(例えば、85msec間隔)でCCDカメラ12を用いて撮影し、得られた撮像データにもとづいて成形体Pの3次元データを取得する。このような非接触式形状測定機10としては、例えばシュタインビヒラー(Steinbichler)社製の「COMET L3D」(商品名)を用いることができる。
(2)成形体を加熱処理することで得られる焼結体についても、前記成形体Pと同様にして非接触式形状測定機10を用いて当該焼結体の3次元形状データを取得する(第2測定工程)。成形体の3次元形状データ及び焼結体の3次元形状データは、統計学的に信頼できるサンプル数、例えば20個の成形体又は焼結体について取得する。
(3)ついで、記憶部及びCPU(Central Processing Unit)を含むPC(Personal Computer)などの制御ユニットを用いて、取得した統計学的に信頼できるサンプル数の3次元形状データの平均値データに基づいて、成形時の変形を表すスプリングバック情報及び焼結時の変形を表す焼結時寸法変化情報を取得する。なお、成形体の3次元測定データ及び焼結体の3次元測定データは、それぞれ前記制御ユニットの記憶部に記憶される。また、焼結体の設計データであるCADデータは予め制御ユニットの記憶部に記憶されている。制御ユニットのCPUは、記憶部に記憶される統計学的に信頼できるサンプル数の3次元形状データから当該3次元形状の平均値データを演算する。演算された平均値データと、前記CADデータとからスプリングバック情報及び焼結時寸法変化情報を取得する。
スプリングバック情報は、粉末成形用金型設計データである3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状データとの比較、例えば両データの差をとることで得ることができる。
また、焼結時寸法変化情報は、前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状データとの比較、例えば両データの差をとることで得ることができる。
このような2種のデータの比較に際しては、CAT(Computer Aided Testing)ソフトを用いることができる。このCATは、3次元CADデータを基準として、3次元測定機を用いて測定された3次元形状データを照合させる技術であり、例えばsp Gauge(商品名。東京貿易テクノシステム株式会社製のソフト)として市販されているものを利用することができる。
(4)ついで、得られたスプリングバック情報及び焼結時寸法変化情報を用いて粉末成形用金型の3次元形状を修正する。
具体的には、前記スプリングバック情報と焼結時寸法変化情報との和である変形量を補填する形状の粉末成形用金型となるように、当該金型の設計用のCADデータを修正する。本実施形態では、図3に示されるように、中央が凹んだ形状の焼結体Waとなることから、かかる歪みと反対方向の歪を有する成形体となるように、粉末成形用金型の設計用のCADデータを修正する。中央が膨らんだ形状の成形体Pが得られるように、上パンチの端面形状及び下パンチの端面形状を修正する。図5〜6に示されるように、上パンチ14の端面14aの形状は、上向きに凸となる成形体Pの上面16の形状に対応する上向きに凸となる面とする。一方、下パンチ15の端面15aの形状は、同じく上向きに凸となる成形体Pの下面17の形状に対応する上向きに凸となる面とする。
このように成形時の変形及び焼結時の変形を考慮した形状の粉末成形用金型とすることで、寸法精度の優れた焼結体を製造することができる。
[サイジング用金型の設計方法]
通常、全体が±100μm程度の精度しか要求されない製品については、焼結体に対するサイジングは不要であるが、最終製品に対し例えば±20μm程度の厳しい寸法精度が要求される場合には、前記焼結体に対し、サイジング用金型を用いて更なるサイジング処理が行われる。
前述したスプリングバック情報及び焼結時寸法変化情報をフィードバックさせた粉末成形金型を用いることで、ほぼ設計通りの形状及び寸法を有する焼結体を製造することができるが、この場合でも、サイジング処理をした後に部分的に予想通りの形状・寸法にならないことがある。これは、焼結体の密度分布が完全には均一ではないことや、製品形状が異なっているにもかかわらず単純形状でのサイジングデータに基づいてサイジング用金型を設計していることなどに起因している。最終製品が複雑な形状であればそれだけ、当該製品にかかる応力は複雑となり、その結果、予想と異なる形状になることがある。
本実施形態では、サイジング処理を行う場合において、当該サイジング処理に用いられるサイジング用金型の設計方法を提供するものである。以下、本実施形態に係るサイジング用金型の設計方法について詳細に説明する。
(1)まず、前述した非接触式形状測定機10を用いて、成形体の場合と同様にして、サイジング後の焼結体の3次元形状データを取得する(測定工程)。
(2)ついで、前記制御ユニットを用いて、取得した統計学的に信頼できるサンプル数の3次元形状データの平均値データに基づいて、サイジング時の変形を表すサイジング時スプリングバック情報を取得する(情報取得工程)。
サイジング時スプリングバック情報は、サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの比較、例えば両データの差をとることで得ることができる。かかる2種のデータの比較には前述したCATソフトを用いることができる。
(3)ついで、得られたサイジング時スプリングバック情報を用いてサイジング用金型の3次元形状を修正する。
具体的には、前記サイジング時スプリングバック情報である変形量を補填する形状のサイジング用金型となるように、当該金型の設計用のCADデータを修正する。その具体例は、図3及び5〜6を参照しつつ説明した粉末成形用金型用の場合と同様である。サイジング後に凸状に変形する部分については、当該部分が凹状になるようにサイジング用金型の形状を修正する。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、分かりやすくするために単純な形状の焼結体を例にとって本発明の実施形態を説明しているが、複雑な形状の焼結体を製造する金型に対しても本発明を適用することができる。例えば、図7に示される焼結体Wbは、中央に突出壁20を有するとともに、外周に歯21が形成された複雑な形状を呈している。かかる焼結体Wbは、図8に示されるように、中央に丸孔22を有するダイ23、ならびに当該丸孔22内に位置する第1下パンチ24、第2下パンチ25、第3下パンチ26、第1上パンチ27、第2上パンチ28及びコアロッド29からなる粉末成形用金型30を用いて製造することができる。このような粉末成形用金型30に対しても、本発明の粉末成形用金型の設計方法を適用して、当該金型の形状を修正ないし変更することができ、そうすることにより得られる焼結体の寸法精度を向上させることができる。
1: 丸孔
2: ダイ
3: 上パンチ
4: 下パンチ
5: コアロッド
10: 非接触式形状測定機
11: プロジェクター
12: CCDカメラ
13: ロータリーテーブル
14: 上パンチ
15: 下パンチ
16: 上面
17: 下面
20: 突出壁
21: 歯
22: 丸孔
23: ダイ
24: 第1下パンチ
25: 第2下パンチ
26: 第3下パンチ
27: 第1上パンチ
28: 第2上パンチ
29: コアロッド
30: 粉末成形用金型
P: 成形体
W: 焼結体
Wa:歪んだ焼結体
Wb:他の焼結体













Claims (4)

  1. 鉄系材料を含む粉末を金型内で加圧成形して成形体を得る工程、および得られた成形体を焼結して焼結体を得る工程を含む粉末冶金法で用いられる粉末成形用金型の設計方法であって、
    非接触式形状測定機を用いて前記成形体の3次元形状データを取得する第1測定工程、
    非接触式形状測定機を用いて前記焼結体の3次元形状データを取得する第2測定工程、
    前記粉末成形用金型設計データとしての3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した3次元形状データとの比較により部分毎に異なるスプリングバック情報を得る第1情報取得工程、
    前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状との比較により部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得する第2情報取得工程、および
    前記スプリングバック情報および焼結時寸法変化情報を用いて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する修正工程
    を含んでおり、
    統計学的に信頼できるサンプル数の成形体および焼結体について、前記部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報を取得し、取得した部分毎に異なるスプリングバック情報および部分毎に異なる焼結時寸法変化情報の各平均データに基づいて前記粉末成形用金型の3次元形状を修正する、粉末成形用金型の設計方法。
  2. 前記第1測定工程で取得した3次元形状データと、前記成形体の設計データとしての3次元形状データとの差を前記スプリングバック情報とし、
    前記第2測定工程で取得した焼結体の3次元形状データと、前記第1測定工程で取得した成形体の3次元形状との差を前記焼結時寸法変化情報とし、
    スプリングバック情報と焼結時寸法変化情報との和である変形量を補填する形状の粉末成形用金型とする、請求項1に記載の粉末成形用金型の設計方法。
  3. 鉄系材料を含む粉末の成形体を焼結して得られる焼結体をサイジングする際に用いられるサイジング用金型の設計方法であって、
    非接触式形状測定機を用いてサイジング後の焼結体の3次元形状データを取得する測定工程、
    前記サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの比較により、部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を得る情報取得工程、および
    前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を用いて前記サイジング用金型の3次元形状を修正する修正工程
    を含んでおり、
    統計学的に信頼できるサンプル数の焼結体について、前記部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報を取得し、取得した部分毎に異なるサイジング時のスプリングバック情報の平均データに基づいて前記サイジング用金型の3次元形状を修正
    する、サイジング用金型の設計方法。
  4. 前記サイジング後の焼結体の設計データとしての3次元形状データと、前記測定工程で取得した3次元形状データとの差を、サイジング時のスプリングバック情報とし、
    前記サイジング時のスプリングバック情報である変形量を補填する形状のサイジング用金型とする、請求項3に記載のサイジング用金型の設計方法。
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