JP2016079314A - シリコーン材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】Si-F結合を有する新たなシリコーン材料を提供する。【解決手段】シリコーン基材の表面に、フッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させることによってSi-F結合を有する表面層20を備え、表面層20が架橋反応層であり、その硬度が基材10より大きいものであり、表面層20と基材10との間に、表面層20から基材10へ向かってSi-F結合量が漸減する遷移層30を備え、遷移層30が同じく架橋反応層であるが、Si−F結合量及び架橋反応が漸時減少し、遷移層30の硬度が、表面層20より小さく、基材1よりも高いものであるシリコーン材料。【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーン材料、特に、表面にSi-F結合を有するシリコーン材料に関する。
シロキサン結合に有機基がついたオルガノポリシロキサンをベースとする材料(シリコーン材料)は、種々の用途、例えば、LEDパッケージ、医療素材、充填材、オイル、グリース、化粧品、接着剤等に用いられている。
これらシリコーン材料は用途や要求性能に合わせて、重合や架橋の反応メカニズム、分子量、分子構造(側鎖の種類)、耐熱性や硬度などが異なる様々なものが開発されている。
シリコーン材料は、側鎖の種類によって、一般的なメチル基を有するジメチルシリコーン、低温特性や耐放射線性に優れるフェニル基を有するフェニルシリコーン、耐薬品性に優れるパーフルオロアルキル基を有するフロロシリコーンなどが存在し、これら材料を用途に合わせて適時配合率を変えるなどの対応を行っている。
また、近年の製品開発の動向として小型化、薄膜化、高機能化が要求されており、材料の物性(強度や機械特性等)と同時に優れた表面特性や表面構造を有することが求められており、シリコーン材料表面の粘着性の低減や、光学特性の改善、耐久性向上等を目的として、コーティングや表面処理を行うなど表面のみの特性を変えるために様々な取り組みが行われている。
さらに、上述した表面特性の効果を高めるため、或いは別の機能性を付与するために表面に微細な規則的な表面構造を要求されることもある。
ここで、Si-F結合は、結合力が193kcal/molと強く、極めて安定であることが知られており、これまで、ガラス業界をはじめ様々な分野でSi-F結合についての合成法や熱力学的特性に関する研究が行われてきた。
この優れたSi-F結合を有するシリコーン材料が製造できれば、従来シリコーン材料の有するいくつかの問題が解決でき、さらに高機能化による用途の拡大、新用途への展開が達成できると考えられる。
表面特性の効果を高めるための技術として、例えば特許文献1〜3には、シリコーン材料の表面に、フッ素ガスを含有する処理ガスを接触させることで、表面特性を向上させる技術が開示されている。
また、特許文献4及び5には、Si-F結合を有する表面被膜を形成する方法が開示されている。
特開2005−296500号公報 特開2005−325176号公報 特開2005−325177号公報 特開平5−347298号公報 特開2003−7699号公報
しかしながら、特許文献1〜3に開示された技術や、その他の技術においても、シリコーン材料中にSi-F結合は存在しないと考えられ、シリコーン材料の表面に優れたSi-F結合に由来する表面特性を付与するには至っていなかった。
なお、特許文献1〜3の方法では、表面処理された層の耐久性が低く効果が消滅したり、表面層が変形によってクラックを生じて、その結果、効果の低減やゴミの付着などの問題を発生したりするなど、十分な性能を得ることができなかった。
さらに、特許文献4及び5の技術では、本技術では製膜温度が200℃以上必要であり、シリコーン材料表面に製膜することができないという問題があった。また、仮に製膜できたとしても、表面層とシリコーン基材との弾性率の差が大きく、変形によって密着界面で剥離するといった問題があった。
通常、シリコーン材料はモノマーを重合させて成型されるが、モノマーには重合するために必要な反応性の官能基が必要となる。S-F結合と反応性の官能基を同時に有するモノマーを製造することは極めて困難であることから、Si-F結合を有するシリコーン材料を製造することは極めて難しく、現在においても達成されていない。
上記課題を鑑みて、本発明の目的は、表面にSi-F結合を有する新たなシリコーン材料を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決するべく検討を行った結果、シリコーン基材に、フッ素ガスを含む処理ガスで表面処理することによって、表面にSi-F結合を有する新しいシリコーン材料を得ることができること、及び、表面に形成されたSi-F結合によって、上記新しいシリコーン材料はさまざまな優れた表面特性を実現できることを見出した。
例えば、フッ素原子は電気陰性度が高く、フッ素化合物の誘電率が低いことから、屈折率が低下することが知られており、光学特性の改善が見込まれ、電気特性、表面の電気伝導率、吸着特性、ガス透過性も変化することが推察される。また、Si-F結合は結合力が高く、優れた安定性を示すことから、表面層の耐久性、耐薬品性及び耐熱性の向上が可能となる上、分解時に炭素成分が発生しない等の特性も得られると推察される。さらに、Si-F結合を有することにより、耐久性の高い所望の潤滑性、非粘着性を確保できる。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
本発明のシリコーン材料は、表面に、Si-F結合を有する表面層を備えることを特徴とする。
また、本発明のシリコーン材料は、前記表面層と基材との間に、該表面層から該基材へ向かってSi-F結合量が漸減する遷移層をさらに備えることが好ましく、前記表面層及び前記遷移層は、前記シリコーン材料の表面に、フッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させることによって形成されることがより好ましい。
また、本発明のシリコーン材料の前記表面層は、前記基材に比べてSi-O結合が増加していることが好ましく、前記遷移層では、前記Si-O結合量が前記表面層から前記基材へ向かって漸減することがより好ましい。
さらに、本発明のシリコーン材料の前記表面層は、架橋反応層であり、その硬度が前記基材の硬度よりも大きいことが好ましく、前記遷移層は、架橋反応層であり、その硬度が前記基材の硬度よりも大きく、前記表面層の硬度よりも小さいことがより好ましい。
本発明のシリコーン材料の前記表面層及び前記遷移層は、前記シリコーン材料の表面に、フッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガスを接触させることによって形成されることがより好ましい。
さらに、本発明のシリコーン材料の前記表面には、一定のパターン構造が形成されていることが好ましい。
本発明のシリコーン材料の前記表面構造は、前記シリコーン材料の表面にフッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させた後に変形保持させることによって形成されるか、又は、前記シリコーン材料を変形させた状態でフッ素ガス若しくはフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させた後に応力を除去することによって形成されることがより好ましい。
本発明によれば、表面にSi-F結合の優れた表面特性を付与した新しいシリコーン材料を提供することが可能となり、光学特性、耐久性、潤滑性、非粘着性等の種々の性能を要求される様々な用途に用いることができる。
本発明のシリコーン材料の一部について、断面を模式的に示した図である。 (a)は、本発明のシリコーン材料の表面からの中心部に向かって深さとケイ素原子(Si)に結合したフッ素原子(F)の量を示したグラフであり、(b)は、本発明のシリコーン材料の表面からの中心部に向かって深さとケイ素原子(Si)に結合した酸素原子(O)の量を示したグラフである。 各実施例及び比較例のシリコーン材料について、表面の組成を調べた結果を示したものであり、(b)は(a)の1300cm-1〜700cm-1の範囲を抜き出したものである。 比較例2−1、実施例2−1及び実施例2−2のシリコーン材料について、(a)C1sピークについて重ね合わせたもの、(b)O1sピークについて重ね合わせたもの、(c)F1sピークについて重ね合わせたもの、(d)Si2pピークについて重ね合わせたものである。 実施例3−1で得られたシリコーン材料の表面観察結果を示した写真である。 実施例3−2で得られたシリコーン材料の表面観察結果を示した写真である。 実施例3−3で得られたシリコーン材料の表面観察結果を示した写真である。 実施例3−4で得られたシリコーン材料の表面観察結果を示した写真である。 実施例3−5で得られたシリコーン材料の表面観察結果を示した写真である。
以下、必要に応じて図面を用い、本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明のシリコーン材料は、表面に、Si-F結合を有する表面層20を備えることを特徴とする。
シリコーン単位中のケイ素原子(Si)と結合したフッ素原子(F)の作用によって、Si-F結合の優れた特性をシリコーン材料表面に付与することが可能となり、光学特性、電気特性、吸着特性、ガス透過性、耐久性、耐薬品性、耐熱性、潤滑性、非粘着性等を実現できる。また、前記表面層20は、シリコーン材料の表面処理によって生成した層であり、コーティング等によって基材10の表面に別材料として形成したものではないため、シリコーン材料を長期間使用した際に剥がれて非粘着性が低下するという問題もない。
前記Si-F結合を有する表面層は、以下の構造を有する。
なお、R1は炭化水素基であり、nは特に限定はされない。
ここで、前記Si-F結合のフッ素は、ケイ素と直接結合した置換基であり、例えば、上記式のR1中に含まれるフッ素原子については、本願発明でいうSi-F結合を構成しない。
また、本発明のシリコーン材料は、特に限定はされないが、図1に示すように、前記表面層20と基材10との間に、該表面層20から該基材10へ向かってSi-F結合量が漸減する遷移層30をさらに備える。
前記遷移層は、前記シリコーン材料の表面処理を行った場合に、SiにおいてFによる置換が十分ではなく、表面層よりも少ないSi-F結合量が存在する層であると考えられる。当然、表面に近づくに従ってSi-F結合量が多くなるため、該遷移層では、表面層から基材へ向かってSi-F結合量が漸減することとなる。本発明のシリコーン材料では、Si-F結合を有する塗膜等を材料表面に形成するのではなく、シリコーン材料が前記遷移層を介して、表面層へと変化しているため、シリコーン材料中の表面層は強固であり、塗膜のように剥がれたりすることはない。
なお、いずれもSi-F結合を有する前記表面層と前記遷移層との違いについては、前記表面層は、Si-Fが一定の置換率で存在している(Si-F結合の量が一定である)のに対して、前記遷移層は、置換率(Si-F結合の量)が表面から基材へと向かって減少している点である。
ここで、図2(a)は、本発明のシリコーン材料の表面からの中心部に向かっての深さとケイ素原子(Si)に結合したフッ素原子(F)の量との関係について一例を示したものである。なお、フッ素原子の量は、X線光電子分光法(XPS)によって測定した。
図2からわかるように、シリコーン材料の表面から中心部に向かって、フッ素原子の量が多い部分、つまり表面層が存在し、フッ素原子の量が漸減する遷移層が存在し、フッ素原子をほとんど有しない基材が存在することがわかる。
また、前記表面層は、前記基材に比べてSi-O結合が増加していることが好ましい。
前記表面層中にSi-O結合を有することで、後述する架橋反応等の作用によって、シリコーン材料の表面硬度を向上できるため、高い表面硬度が必要な用途への使用が可能となり、シリコーン材料を長期間使用した際に表面層が劣化してSi-F結合の効果が低下するという問題を回避できる。また、潤滑性や非粘着性、電気特性等の一部効果に関しては、単にSi-F結合を導入するよりも高い効果が得られることが容易に推測される。
なお、「Si-O結合が増加する」というのは、シリコーン材料中のシロキサン結合(Si-O-Si)が存在するため、それに加えて、さらにSi上にOが置換した場合等、Si-O結合が増加することをいう。
前記Si-O結合が増加した表面層は、例えば、以下の単位を有する。
なお、R1、nは上記と同様である。
ここで、前記Si-F結合の酸素は、ケイ素と直接結合した置換基であり、例えば、上記式のR1中に含まれる酸素原子については、Si-O結合を構成しない。
また、前記遷移層では、前記Si-O結合量が前記表面層から前記基材へ向かって漸減する。
これは、前記Si-F結合の場合と同様に、Si-O結合量を増加させるために、前記シリコーン材料の表面処理を行った場合に、Oによる置換が十分ではなく、表面層よりも少ないSi-O結合量が存在する層であると考えられる。当然、表面に近づくに従ってSi-O結合量が多くなるため、該遷移層では、表面層から基材へ向かってSi-O結合量が漸減することとなる。
ここで、図2(b)は、本発明のシリコーン材料の表面からの中心部に向かっての深さとケイ素原子(Si)に結合した酸素原子(O)の量との関係について一例を示したものである。なお、酸素原子の量は、X線光電子分光法(XPS)によって測定した。
図2(b)からわかるように、シリコーン材料の表面から中心部に向かって、酸素原子の量が多い部分、つまり表面層が存在し、酸素原子の量が漸減する遷移層が存在し、酸素原子の量が一定の基材となることがわかる。
なお、図2(b)の中で、酸素の量がαで一定である理由については、上述したようにシリコーン材料中にシロキサン結合が存在することから、O原子は一定量存在するためである。
さらに、前記表面層は、Si-O結合が増加する場合には、架橋構造が形成されるので、その硬度は前記基材の硬度よりも大きくなるため、上述したように、高い表面硬度が必要な用途への使用が可能となり、シリコーン材料を長期間使用した際に表面層が劣化してSi-F結合の効果が低下するという問題を回避できるからである。さらに表面のみ限定して硬度が増加している新たなシリコーン材料として新たな用途への適用が可能となる。
前記架橋反応した表面層の硬度は、架橋の度合いによっても異なるため限定はしない。
さらにまた、上記と同様の理由から、前記遷移層も架橋反応層であり、その硬度が前記基材の硬度よりも大きいことが好ましい。ただし、Si-O結合の量が前記表面層に比べて少ないため、表面層の硬度よりは小さいと考えられ、大きな表面層の硬度から小さな基材の硬度まで漸減する勾配を生じる。
前記架橋反応した遷移層の硬度は、架橋の度合いによっても異なるため限定はしない。
また、前記表面層は、表面に規則的な表面構造を有していることが好ましい。
表面に規則的な表面構造を有することで、様々な機能性を表面特性の効果を高めたり、或いは別の機能性を付与したりことが可能となる。
ここで、「規則的な表面構造」とは、本発明では、規則的な間隔で(ただし、一定の間隔ではない)、表面形状が変化している構造のことを示し、例えば、図5に示すように、同じような方向に線状のヒビ割れが複数存在する形状、図6に示すように、表面にうねりが複数存在する形状、図8に示すように、表面にうろこ状のヒビ割れが等の形状が挙げられる。表面に規則的な表面構造を有することで、光の拡散性を均一にする特性が得られ、また、表面構造により実接触面積が低下し、電気特性や潤滑性や非粘着性の効果がより強く発現することが可能となる。また、表面構造による表面積の増加によって、吸着物質の増加を図ることも可能となる。
さらに、前記表面構造が基材の圧縮応力による変形によって前記表面層が変形して形成された場合には、前記シリコーン材料が基材の圧縮応力が無くなるまで引っ張り変形した時点で表面構造が消失する特性を有する。これは、前記架橋反応層は基材と硬度が異なるため、前記シリコーン材料が変形した場合、弾性率の違いから表面層にクラックを生じて、Si-F結合を有していない基材が表面に露出してしまう、といった問題を解決するものである。
なお、本発明において用いられるシリコーン基材については、シロキサン単位中にSi-C結合を有するものであれば良く、用途によって適宜選択することが可能であり、特に限定はされない。例えば、前記表面層を確実に形成できる点からは、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンコーティング被膜等の固体材料であることが好ましい。
例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリアルキルフェニルシロキサン、ビニル基含有ジメチルポリシロキサン、パーフルオロアルキル基含有オルガノポリシロキサン等のシリコーン材料を用いることができる。
また、前記表面層の厚さは、特に限定されることなく、用途に合わせて様々調整されるが、工業的コスト、作業時間等の点から通常は、100μm以下であることが好ましく、1μm〜20μmの範囲で調整されることがより好ましい。また、100μmを超えると、表面層の占める割合が多くなりすぎて、基材の物性が損なわれる場合が発生しやすくなるおそれがある。
さらに、前記遷移層の厚さは、0.01μm以上であることが好ましく、0.05μm以上であることがより好ましい。遷移層の厚さが薄すぎる場合には、表面層と基材の硬度差が大きい場合に、遷移層で変形応力を吸収しきることができずに、遷移層内で割れを生じて表面層が剥離してしまう問題を生じることがある。
続いて、本発明のシリコーン材料の製造方法について記載する。
本発明のシリコーン材料の表面に上述した表面層及び遷移層を形成する方法は、確実にSi-F結合を有する表面層を形成できる方法であれば特に限定はされない。
なお、確実に上述の表面層及び遷移層を形成することができる点からは、前記シリコーン基材の表面に対して、フッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させることが好ましい。
また、前記表面層及び前記遷移層のSi-O結合が増加している場合には、前記シリコーン基材の表面に、フッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガスを接触させることによって形成することが好ましい。
前記表面層及び前記反応層をフッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスで作成する場合は、前記層の厚みは混合ガスの内部拡散によって形成されるため、シリコーン基材の表面のみならず内部まで、全てを均一に、完全に、前記表面層及び前記反応層と同じ状態にしてしまうことも可能である。
さらに、前記表面構造の作成方法は特に限定されるものではないが、ナノインプリント等の技術であらかじめ表面構造を形成したシリコーン基材にフッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させる方法が挙げられる。
また、前記架橋反応層を形成した後に、シリコーン材料を変形させた状態で一定時間保持した場合にも表面構造を得ることが可能であり、変形方向に整合性を持った規則的な表面構造を得ることが可能となる。圧縮した場合は基材と前記反応層との硬度の違いから、なめらかな連続した規則的凸構造が形成され、全方向に圧縮させた場合は球形、一方向に圧縮させた場合はかまぼこ型の構造を得ることができる。延伸した場合は基材と前記架橋層の硬度の違いから、クラックを生じて規則的な凹構造が発生する。この場合、底部分は基材が露出しており、Si-F結合を有する凸部と基材の凸部が規則的に配列した表面構造を得られる。
短冊形の基材を一方向で延伸した場合は、変形方向に大きな引っ張り応力が発生し、変形垂直方向に微細な圧縮応力が発生するため、変形に対して垂直方向に大きな凹構造と水平方向に微細なかまぼこ型の連続凸構造を形成する複合的な表面構造を得ることが可能となる。
さらに、シリコーン基材を変形させた状態で、前記反応層を形成した後に前記シリコーン材料を取り出し、変形応力を開放する方法でも表面構造を得ることが可能である。変形方向に整合性を持った規則的な表面構造を得ることが可能であることは上述した表面構造の場合と同様である。
延伸変形させて前記反応層を形成した場合は、応力開放によって前記反応層に圧縮応力が発生し、前記同様の表面構造が形成される。また、圧縮変形させて前記反応層を形成した場合は、応力開放によって前記反応層に延伸応力発生し、前記同様の表面構造が形成される。
上記二つの方法で形成された表面構造は、前記反応層を作成した状態になると表面構造が消失するため、前者であれば応力を除去したとき、後者であれば応力をかけたときに表面構造が消失する。ただし、発生したクラックが修復されるわけではない。
後者の方法で作成された表面構造は、前者の様に使用時にシリコーン材料を変形させておく必要が無いため、取り扱いが簡便であることは優れている点の一つである。さらに、延伸変形させて前記反応層を作成した前記シリコーン材料に関しては、反応層作成時に与えていた延伸変形程度以内の変形をでは表面にクラックを生じないため、常にSi-F結合表面を保持することが可能であり、延伸変形される用途においては、大変優れた性能を有する。
前記変形としては、例えば、曲げや、圧縮、延在、膨潤、熱膨張などの変形が挙げられる。
変形により表面構造を調整できることから、表面構造によって光の透過性が異なり、変形に応じた光学スイッチ等への活用も検討できる。
また、前記フッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガスを前記シリコーン材料の表面に接触させる場合には、前記シリコーン材料を変形させた状態で行うこともできる。前記表面層は架橋反応層となり硬化することが考えられるため、変形した状態で前記ガスを接触させると、変形状態で表面が硬化し、変形応力除去後に表面に特定の構造を形成できるためである。
ここで、前記シリコーン基材の表面に、上述したガスを接触させる方法については特に限定されない。例えば、所定のチャンバー内にシリコーン材料を載置し、特定の温度、圧力、ガス分圧の条件を調整した状態で、前記シリコーン材料と前記ガスとを接触させることが可能である。
なお、前記シリコーン基材の表面を処理する条件には、全く制限がない。
フッ素ガス分圧は、Si-F結合の生成量は前記表面層の厚みに影響を与えるが、シリコーン基材の表面積や反応層の容量、処理ガスの当て方によって異なりを見せる。一般工業的には、フッ素ガス濃度20%を超えると専門設備が必要となり、設備管理、安全性管理に係る労力が膨大に増えるため、通常は20%以下で用いることが多いため、フッ素ガス分圧で1〜20kPaの範囲で設定されることが多いが、本値を超えても問題は無い。
フッ素ガス分圧に対する酸素ガス分圧を変更することで、Si-F結合に対するSi-O結合の増加程度を制御することが可能であり、通常は酸素ガス分圧で0〜50kPaの範囲で設定することが多い。酸素ガス分圧が、フッ素ガス分圧の2倍以上となった場合には、Si-F結合に対するSi-O結合の増加程度に変化無い場合が多いので、本値を超えても問題は無い。
また、酸素が微量でも存在するとSi-O結合の増加が発生するため、Si-O結合の増加が望ましくないときフッ素ガスを含む処理ガスを接触させる前に、ベーキングや窒素ガス置換を行うなどの条件設定を行う場合もある。
処理温度は、Si-F結合の置換率やSi-O結合の増加率、前記表面層の厚みに影響を与えるが、特に限定されるものではなく、通常、処理温度は0〜100℃の範囲で設定されることが多い。100℃を超えるとシリコーン基材とフッ素ガスとの異常反応により燃焼等のトラブルの確率が上がるため、通常は行わないが、特殊な用途に向けては実施されることもある。処理温度が0℃未満の場合であってもフッ素ガスの極めて高い反応性から表面処理は実施できるが、工業的な装置管理のわずらわしさや湿気の問題から実施されることは少ない。
<実施例1>
以下の条件で、各実施例及び比較例のサンプルを作製し、評価を行った。
(1)シリコーン材料
ジメチルシリコーンゴムをシリコーン基材として用いた。
(2)表面処理条件
以下の条件で、上記シリコーン基材の表面にフッ素化処理を行った。
比較例1−1:上記シリコーン基材にフッ素処理を行わなかった。
実施例1−1:F2ガス分圧1.33kPa、N2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例1−2:F2ガス分圧1.33kPa、O2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例1−3:F2ガス分圧4.00kPa、O2ガス分圧89.3kPa、処理温度25℃、処理時間10分
(3)評価
各実施例及び比較例のシリコーン材料について、島津製作所製のFTIR-8400Sを用いて、反射プリズムをGe、分解能4cm-1、積算回数32回の条件で、FT-IR-ATRスペクトルを測定し、表面の組成を調べた。得られたスペクトルを図3(a)及び(b)に示す。なお、図3(b)は図3(a)の1300cm-1〜700cm-1の範囲を抜き出したものである。
図3(a)及び(b)の結果から、以下のことがわかった。
1263cm-1近辺のSi-(CH3)2のC-H変角振動吸収に由来した吸収が減少し、1274cm-1近辺にSi-(CH3)1の吸収が出現しており、また、800cm-1近辺のSi-(CH3)2の横揺れ振動に由来した吸収が減少し、780cm-1付近にSi-(CH3)1の吸収が出現していることから、メチル基は2個から1個に脱メチル化していることが確認できた。
また、Si-O-Si伸縮振動は、比較例1−1の1017〜1086cm-1付近から、1032〜1088cm-1付近に検出され、さらに1100cm-1付近の吸収が増加することが認められるため、SiO3やSiO4、SiOxF(4-x)の様な変化があると考えられる。
さらに、900cm-1近辺にSi-Fの吸収が出現していることがわかった。
さらにまた、比較例1−1と、実施例1−2及び1−3とを比較すると、処理ガスに酸素ガスが含まれると、1697cm-1に若干であるがカルボニル基の吸収が出現するが、酸素ガスが含まれない場合にはほとんど検出されないことがわかった。
<実施例2>
以下の条件で、各実施例及び比較例のサンプルを作製し、評価を行った。
(1)シリコーン材料
ジメチルシリコーンゴムをシリコーン材料として用いた。
(2)表面処理条件
以下の条件で、上記シリコーン材料の表面にフッ素化処理を行った。
比較例2−1:上記シリコーン材料にフッ素処理を行わなかった。
実施例2−1:F2ガス分圧1.33kPa、N2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例2−2:F2ガス分圧0.67kPa、O2ガス分圧92.7kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例2−3:F2ガス分圧4.00kPa、O2ガス分圧89.3kPa、処理温度25℃、処理時間10分
(3)評価
i)各実施例及び比較例のシリコーン材料について、X線光電子分光法で表面分析を行った。具体的には、PHI社製のQuantera SXMを用い、励起X線:monochromatic AlKα1,2線(1486.6eV)、X線経:100μm、光電子脱出角度:45°、スムージング:9points smoothing、横軸補正C1sメインピーク:284.0eV、の条件で分析を行った。得られた表面分析の結果を、表1に示す。
ii)また、XPSスペクトルの波形分離からケイ素の化学状態を考察した。C1sピーク、O1sピーク、F1sピーク及びSi2pピークについて、比較例2−1、実施例2−1及び実施例2−2を重ね合わせたものを図4(a)〜(d)に示す。そして、各実施例及び比較例の波形分離のSi2pピーク分割結果(%)を表2に示す。
表1の結果から、各実施例2−1〜2−3におけるフッ素ガス処理を行うことによって、シリコーンゴムの表面は、C/Siが減少し、F/Siが生成することがわかった。また、酸素ガスがない場合には、O/Siはあまり変化しないものの、酸素ガスが存在する場合には、O/Siが増加することがわかった。さらに、フッ素ガス分圧が増加する場合には、C/Siは減少し、O/Si及びF/Siが増加することがわかった。
図4(a)〜(d)及び表2の結果から、ケイ素の化学状態は、比較例2−1では、2官能シロキサン状態(O-Si-O)が主成分であるのに対し、フッ素ガス処理を行った実施例2−1〜2−3については、3官能シロキサン成分(O-OSi-O)又はSi-F成分が存在し、その割合はフッ素分圧の増加とともに増加することがわかった。また、炭素の化学状態については、全てCHx-Si、CHxが主成分であったが、フッ素ガス処理を行うことで、C=O、O=C-Oが生成され、その割合はフッ素分圧が増加するとともに増加することがわかった。なお、フッ素の化学状態は、Si-F成分が主成分である。
以上のことを考慮すると、実施例2のFT-IR及びXPSの結果から、処理ガスに酸素ガスが含まれない場合には、Si-CがSi-Fに変化していること、及び、処理ガスに酸素ガスが含まれる場合は、架橋反応が起こっていることが理解できる。また、フッ素ガスの処理がガスの接触によって進行し、基材内部に向けて浸透しながら厚みを形成することから、表面状態は最表面に反応の到達状態である均一な層が形成され、内部の未処理部分との境界部分に、ガス拡散と反応速度によって生じる遷移帯が生じるであろうことも理解できる。
<実施例3>
以下の条件で、各実施例のサンプルを作製し、評価を行った。
(1)シリコーン材料
ジメチルシリコーンゴムをシリコーン材料として用いた。なお、材料として用いたジメチルシリコーンゴムの硬度は10°である。
(2)表面処理条件
以下の条件で、上記シリコーン材料の表面に、F2ガス分圧1.33kPa、O2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間5分の条件でフッ素化処理を行った。
そして、各実施例では、以下に示す条件で、フッ素化処理の前後にシリコーン材料に変形を施した。
実施例3−1:フッ素化処理を行った後に、シリコーン材料を引き延ばして変形させた。
実施例3−2:フッ素化処理を行った後に、シリコーン材料を圧縮して変形させた。
実施例3−3:フッ素化処理を行う前に、シリコーン材料を一方向に引き延ばして変形させた。変形状態でフッ素化処理を行い、処理後、変形を解放した。
実施例3−4:フッ素化処理を行う前に、シリコーン材料を全方向に引き延ばして変形させた。変形状態でフッ素化処理を行い、処理後、変形を解放した。
実施例3−5:フッ素化処理を行う前に、シリコーン材料を全方向に実施例2−3よりも大きく引き延ばして変形させた。変形状態でフッ素化処理を行い、処理後、変形を解放した。
(3)評価
各実施例で得られたシリコーン材料の表面について、実施例3−1及び3−2では電子顕微鏡(300倍、800倍)を用い、実施例3−3では走行型共焦点レーザー顕微鏡を用い、実施例3−4及び3−5ではデジタルマイクロスコープを用いて観察した。実施例3−1〜3−5で得られたシリコーン材料の表面観察結果を、それぞれ、図5〜図9に示す。
観察の結果、実施例3−1では、引っ張り変形させると表面にクラックが確認され、表面が架橋されていることが確認された。
実施例3−2では、圧縮方向に整合を持った規則的な凸構造が形成されていることが確認された。
実施例3−3では、引っ張り方向に対して垂直な凸構造、水平方向にクラック構造が規則的に形成されていることが確認された。これは、変形させてフッ素化処理を行い、変形を開放することでシリコーン材料の処理表面には、変形を開放した後、引っ張り方向水平には開放による圧縮応力が、垂直方向には膨張応力が発生したためであると考えられる。
実施例3−4、3−5では、全方向に引っ張りっていたため、変形を開放することで、全方向で圧縮応力が発生し、円形・半球状の構造が規則的に成型されることがわかった。
なお、表面処理した後に、シリコーン材料を変形させた場合(実施例3−1及び3−2)には、表面にクラックが形成したが、変形状態でフッ素化処理を行い、処理後、変形を解放した場合(実施例3−3〜3−5)には、処理時に行った変形度までの範囲内であれば、変形させてもクラックが生じないことが確認されている。
<実施例4>
以下の条件で、各実施例及び比較例のサンプルを作製し、評価を行った。
(1)シリコーン材料
ジメチルシリコーンゴムをシリコーン材料として用いた。
(2)表面処理条件
以下の条件で、上記シリコーン材料の表面にフッ素化処理を行った。
比較例4−1:上記シリコーン材料にフッ素処理を行わなかった。
実施例4−1:F2ガス分圧1.33kPa、N2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例4−2:F2ガス分圧1.33kPa、O2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例4−3:F2ガス分圧4.00kPa、O2ガス分圧89.3kPa、処理温度25℃、処理時間10分
(3)評価
JIS K 7218のプラスチックの滑り磨耗試験方法に準拠し、各実施例及び比較例のシリコーン材料について、表面抵抗値を測定した。
試験機としてピンオンディスク式磨耗試験機を用い、試験片の寸法:30mm×30mm、厚さ1.5mm、相手材料:S45C、相手材料の寸法:外径25.6mm、内径20mm、長さ15mm、という条件で表面抵抗値の測定を行った。垂直加重が0.7kgfの場合と、0.0kgfの場合を測定し、2回測定した平均値を測定結果とした。得られた表面抵抗値を表3に示す。
表3の結果から、フッ素ガス及び窒素ガスを用いた実施例4−1についても潤滑性は向上するが、フッ素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いた実施例4−2及び4−3のほうが、摩擦力が小さく、潤滑性効果が高いことが確認された。
<実施例5>
以下の条件で、各実施例及び比較例のサンプルを作製し、評価を行った。
(1)シリコーン材料
ジメチルシリコーンゴムをシリコーン材料として用いた。なお、材料として用いたジメチルシリコーンゴムの硬度は5°である。
(2)表面処理条件
以下の条件で、上記シリコーン材料の表面にフッ素化処理を行った。
比較例5−1:上記シリコーン材料にフッ素処理を行わなかった。
実施例5−1:F2ガス分圧1.33kPa、N2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例5−2:F2ガス分圧0.60kPa、O2ガス分圧92.73kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例5−3:F2ガス分圧1.33kPa、O2ガス分圧92.0kPa、処理温度25℃、処理時間10分
実施例5−4:F2ガス分圧4.00kPa、O2ガス分圧89.3kPa、処理温度25℃、処理時間10分
(3)評価
各実施例及び比較例のシリコーン材料同士を貼り合わせ、一定荷重をかけた後に、引き剥がした。引き剥がしの際の剥がれやすさの感覚に基づいて、非粘着性の評価を行った。評価結果を表4に示す。
表4の結果から、フッ素ガス及び窒素ガスを用いた実施例5−1でも非粘着性は確認できたが、フッ素ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いた実施例5−2〜5−4のほうが、効果はより大きいことがわかる。
本発明によれば、表面にSi-F結合を有し、種々の性能に優れたシリコーン材料を提供することが可能となる。
10 表面層
20 遷移層
30 基材

Claims (10)

  1. 表面に、Si-F結合を有する表面層を備えることを特徴とするシリコーン材料。
  2. 前記表面層と基材との間に、該表面層から該基材へ向かってSi-F結合量が漸減する遷移層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン材料。
  3. 前記表面層及び前記遷移層は、シリコーン基材の表面に、フッ素ガス又はフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させることによって形成されることを特徴とする請求項2に記載のシリコーン材料。
  4. 前記表面層は、前記シリコーン基材に比べてSi-O結合が増加していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーン材料。
  5. 前記遷移層では、前記Si-O結合量が前記表面層から前記基材へ向かって漸減することを特徴とする請求項4に記載のシリコーン材料。
  6. 前記表面層は、架橋反応層であり、その硬度が前記シリコーン基材の硬度よりも大きいことを特徴とする請求項4又は5に記載のシリコーン材料。
  7. 前記遷移層は、架橋反応層であり、その硬度が前記シリコーン基材の硬度よりも大きく、前記表面層の硬度よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載のシリコーン材料。
  8. 前記表面層及び前記遷移層は、前記シリコーン基材の表面に、フッ素ガス及び酸素ガスを含有する混合ガスを接触させることによって形成されることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のシリコーン材料。
  9. 表面に規則的な表面構造が形成されていることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のシリコーン材料。
  10. 前記規則的な表面構造が、前記シリコーン基材の表面に、フッ素ガス若しくはフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させた後に変形保持させることによって形成されるか、又は、前記シリコーン基材を変形させた状態でフッ素ガス若しくはフッ素ガスを含有する混合ガスを接触させた後に応力を除去することによって形成されることを特徴とする請求項9に記載のシリコーン材料。
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