JP2016077942A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents

液体吐出装置及び液体吐出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した液体吐出による高品質な印刷が可能な液体吐出装置及び液体吐出方法の提供。【解決手段】印刷媒体に液滴を着弾させる液体吐出方法であって、圧電素子に第1の電圧を印加することにより、液体が充填されたノズルの内部を減圧して先端開口部からノズルの内部へ液体を予め引き込む予備引込ステップと、予備引込ステップの後、圧電素子に第2の電圧を印加することにより、ノズルの内部を加圧して先端開口部から液滴を吐出させる吐出ステップとを含み、吐出ステップでは、第2の電圧の印加終了タイミングと、予備引込ステップに起因して発生する圧電素子の残留振動がノズルの内圧を維持又は増加させる位相状態であるタイミングとを一致させるステップを含むインクジェット式印刷法における液体吐出方法。【選択図】図8

Description

本開示は、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
記録紙等に対してインクを液滴状に吐出するインクジェット技術を応用して、各種デバイス製造過程におけるパターンの形成及び薄膜の形成を行う液体吐出装置が開発されている。
特許文献1には、媒体に印刷を行わないときに、フラッシングしながらノズルの吐出検査を行う液体吐出装置が開示されている。これによれば、吐出検査をしながらフラッシングを実行するので、液体の無駄な消費を低減しつつノズルを回復することが可能となる。
特開2011−240564号公報
しかしながら、従来の液体吐出装置では、印刷中にノズル先端等に液残りなどが発生した場合にはフラッシングを実行することはできず、液体吐出が不安定となり印刷品質が低下するといった問題が生じる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、安定した液体吐出による高品質な印刷が可能な液体吐出装置及び液体吐出方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る液体吐出方法は、ノズルの先端開口部から液滴を吐出させて印刷媒体に前記液滴を着弾させる液体吐出方法であって、圧電素子に第1の電圧を印加することにより、液体が充填された前記ノズルの内部を減圧して前記先端開口部から前記ノズルの内部へ前記液体を予め引き込む予備引込ステップと、前記予備引込ステップの後、前記圧電素子に第2の電圧を印加することにより、前記ノズルの内部を加圧して前記先端開口部から液滴を吐出させる吐出ステップとを含み、前記吐出ステップでは、前記第2の電圧の印加終了タイミングと、前記予備引込ステップに起因して発生する前記圧電素子の残留振動が前記ノズルの内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させることを特徴とする。
本発明に係る液体吐出方法によれば、ノズル先端の液残りを抑制しつつ液体が吐出されるので、液滴吐出量及び印刷媒体上の液滴着弾位置が安定する。よって、高品質な印刷が可能となる。
正常な液滴吐出を表す飛翔観測図である。 不安定な液滴吐出を表す飛翔観測図である。 実施の形態に係る液体吐出装置の断面概略図である。 実施の形態に係る吐出ヘッドによる画素印刷工程の一例を示す図である。 実施の形態に係る吐出ヘッドの断面構成図である。 実施の形態に係るノズルの断面構成図である。 実施の形態に係る液体吐出方法を説明する動作フローチャートである。 実施の形態に係る液体吐出装置の吐出波形図である。 予備引込動作の振動周期Tを決定するための飛翔観測図である。 吐出波形の駆動タイミング及び液滴の吐出状態を表す図である。 実施の形態に係る液体吐出方法におけるノズル内圧力及び液滴体積の安定領域を表すグラフである。 従来の液体吐出方法におけるノズル内圧力及び液滴体積の安定領域を表すグラフである。 実施の形態に係る液体吐出方法における吐出周波数と液滴吐出状態との関係を表す飛翔観測図である。 従来の液体吐出方法における吐出周波数と液滴吐出状態との関係を表す飛翔観測図である。
(本発明の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した液体吐出装置に関し、以下の問題が生じることを見出した。
発明者らは、ノズルからの液滴吐出量及び印刷媒体上の液滴着弾位置という指標パラメータで評価される吐出安定性は、直前の吐出動作における液切れ後のノズル吐出面の「液残り」に起因することを、液滴の飛翔観測により確認した。
図1Aは、正常な液滴吐出を表す飛翔観測図であり、図1Bは、不安定な液滴吐出を表す飛翔観測図である。なお、図1A及び図1Bに示された飛翔観測図では、ノズル先端部及び飛翔中の液滴は、液滴飛翔方向に垂直な方向から見た図となっており、液滴の着弾位置を表す印刷媒体は、液滴飛翔方向から見た図となっている。
図1Aに示すように、ノズル吐出面に液残りがない場合には、液滴の吐出方向は鉛直方向(ノズル吐出面の法線方向)となるので、ノズルを有するヘッドを走査することにより、印刷媒体上の所望の位置に液滴を着弾させることが可能となる。
これに対して、図1Bに示すように、ノズル吐出面に液残りがある場合には、ノズル吐出面に残った液体の付着状況により、液滴の吐出方向が変化し印刷媒体上の着弾位置が安定しない。特に、ノズル吐出面には、液体が付着して硬化することによる目詰まりを回避するため、撥水処理がされている場合が多い。このため、ノズル吐出面に撥水処理が施されている場合には、ノズル吐出面上に残留した液体の接触角などの付着状態が安定せず、液滴の吐出方向のばらつきは大きくなる。
また、特許文献1のように、印刷されない期間にフラッシングを実行し、上述したノズル吐出面の液残りを除去することは可能であるが、印刷中における液残りをその都度フラッシングして除去すると、印刷が大幅に長時間化し処理能力が低下する。さらには、液滴吐出の連続性が確保されず、印刷品質が低下することが懸念される。この観点から、印刷中の液残りの除去は、適切な処置とはいえない。
上記問題を解決すべく、本発明に係る液体吐出方法及び液体吐出装置では、印刷中におけるノズル吐出面に発生した液残りを除去するのではなく、ノズル吐出面における液残りの発生を未然に抑制することにより、高い印刷品質を確保するものである。
上記問題を解決するために、本発明の一態様に係る液体吐出方法は、ノズルの先端開口部から液滴を吐出させて印刷媒体に前記液滴を着弾させる液体吐出方法であって、圧電素子に第1の電圧を印加することにより、液体が充填された前記ノズルの内部を減圧して前記先端開口部から前記ノズルの内部へ前記液体を予め引き込む予備引込ステップと、前記予備引込ステップの後、前記圧電素子に第2の電圧を印加することにより、前記ノズルの内部を加圧して前記先端開口部から液滴を吐出させる吐出ステップとを含み、前記吐出ステップでは、前記第2の電圧の印加終了タイミングと、前記予備引込ステップに起因して発生する前記圧電素子の残留振動が前記ノズルの内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させることを特徴とする。
これによれば、吐出ステップにおいて、第2の電圧印加を終了してノズル内部を加圧状態から減圧していくタイミングと、圧電素子の残留振動がノズル内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させるので、当該残留振動が打ち消される方向となる。このため、液滴が吐出された後の残留振動の減衰率が高くなり、液滴吐出に関係するノズル内圧ノイズが低減される。よって、液滴吐出後の不要な液漏れが抑制されるのでノズル先端の液残りが抑制される。これにより、次回の液滴吐出動作時には、ノズル吐出面への液残りが抑制されているので、液滴吐出量及び印刷媒体上の液滴着弾位置が安定する。よって、高品質な印刷が可能となる。
また、前記予備引込ステップにおいて所定の電圧から前記第1の電圧が印加され再び前記所定の電圧が印加されるまでの期間を振動周期Tと定義した場合、前記吐出ステップでは、前記所定の電圧から前記第2の電圧を印加し再び前記所定の電圧を印加するまでの期間が、(2n−0.3)T〜(2n+0.3)T(nは自然数)となるよう前記第2の電圧を印加してもよい。
これにより、吐出ステップにおいて、第2の電圧を印加してノズル内圧を加圧する期間が、予備引込ステップにおける振動周期Tの略偶数倍となる。このため、第2の電圧が印加されている期間において、圧電素子の残留振動がノズル内圧を増加させる位相とノズル内圧を減少させる位相とが含まれることとなる。よって、吐出ステップにおいて、液滴を吐出させつつ、液滴吐出後のノズル吐出面における液残りの発生を抑制することが可能となる。
また、前記予備引込ステップでは、前記吐出ステップにおける前記先端開口部からの前記液滴の吐出速度が最大となるような前記振動周期Tを決定し、当該決定された前記振動周期Tで前記第1の電圧を印加してもよい。
これにより、吐出周波数を高くすることができるので、印刷速度が向上する。よって、各種デバイス製造過程におけるパターンの形成工程及び薄膜の形成工程を高速化できるので、量産性が向上する。
また、本発明は、このような特徴的なステップを含む液体吐出方法として実現することができるだけでなく、当該液体吐出方法に含まれる特徴的なステップを実行する駆動部を有する液体吐出装置としても、上記と同様の効果を奏す。
本発明の一態様に係る液体吐出装置は、ノズルと、電圧が印加されることにより、液体が充填された前記ノズルの内圧を変化させる圧電素子と、第1の電圧を前記圧電素子に印加することにより前記ノズルの内部を減圧して前記ノズルの先端開口部から前記ノズルの内部へ前記液体を予め引き込ませ、第2の電圧を前記圧電素子に印加することにより前記ノズルの内部を加圧して前記先端開口部から液滴を吐出させる駆動部とを備え、前記駆動部は、前記第2の電圧の前記圧電素子への印加終了タイミングと、前記圧電素子の残留振動が前記ノズルの内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させることを特徴とする。
また、液体が貯留される貯留タンクと、前記貯留タンクから前記液体が供給されることにより印刷物に液滴を吐出し、残留する前記液体を前記貯留タンクへ戻す液体循環型の吐出ヘッドと、前記貯留タンクと前記吐出ヘッドとの間の液体流路上に配置された流量調整部と、前記駆動部とを備え、前記吐出ヘッドは、線状に配置された複数の前記ノズルと、前記複数のノズルのそれぞれに対応して配置された複数の前記圧電素子とを備えてもよい。
これにより、複数のノズルにおいて液体が循環するため、液体の硬化によるノズルの目詰まりが抑制され、フラッシングや待機後の捨て打ちが不要となる。また、循環型ヘッドの利点である、ノズル近傍での液体の硬化抑制によれば、ノズル先端部への液体漏れが懸念されるが、駆動部の動作により液残りが効果的に抑制される。
以下、液体吐出装置及び液体吐出方法の一実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示における好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、並びに、ステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明における最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
以下、実施の形態に係る液体吐出装置及び液体吐出方法について、図面を参照しながら説明する。
[1.液体吐出装置の基本構成]
図2は、実施の形態に係る液体吐出装置の断面概略図である。同図における液体吐出装置1は、吐出ヘッド10と、貯留タンク20と、流量調整部30と、駆動部50とを備える。
貯留タンク20は、印刷媒体に吐出される液滴の原料である液体40を貯留する槽である。
吐出ヘッド10は、複数のノズル13と、液体循環流路12とを備える。ノズル13は、液体循環流路12との間で液体40の需給を行う。貯留タンク20から液体循環流路12に流入した液体40はノズル13内部に充填され、また、ノズル13内部に残留する液体40は、液体循環流路12を介して貯留タンク20に戻される。つまり、液体吐出装置1は、液体循環型の吐出ヘッド10を有している。ノズル13は、上記のように液体40が循環されている状態で、印刷媒体に液滴を吐出する。ノズル13の詳細構成については後述する。
流量調整部30は、貯留タンク20と吐出ヘッド10との間の液体流路上に配置され、当該液体流路における液体40の循環流量を調整する。
駆動部50は、吐出ヘッド10の液滴吐出条件及び流量調整部30の液体流量を駆動制御する。駆動部50は、ノズル13が有する圧電素子に第1の電圧を印加することによりノズル13の内部を減圧してノズル13の先端開口部からノズル13の内部へ液体40を予め引き込ませる。その後、第2の電圧を上記圧電素子に印加することによりノズル13の内部を加圧して先端開口部から液滴を吐出させる。このとき、駆動部50は、第2の電圧の圧電素子への印加終了タイミングと、当該圧電素子の残留振動がノズル13の内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させる。
上記駆動部50の駆動制御により、次回の液滴吐出動作時には、ノズル吐出面に液残りが発生していないので、液滴吐出量及び印刷媒体上の液滴着弾位置が安定する。よって、高品質な印刷が可能となる。
[2.有機EL基板の画素印刷]
図3は、実施の形態に係る吐出ヘッドによる画素印刷工程の一例を示す図である。同図には、製造工程における有機EL基板2と、有機EL基板2の上を走査する吐出ヘッド10とが示されている。
有機EL基板2は、例えば、有機EL素子を有する発光画素が行列状に配置された表示パネルの製造仕掛品である。有機EL基板2の表面には、バンクにより区画された赤色発光画素2R、青色発光画素2B、及び緑色発光画素2Gの配置が予定されている。なお、有機EL表示パネルでは、上記3原色のサブ画素の配置は列単位となっている。これより、例えば、図3に示すように、各色発光画素の並び方向と同じ方向に線状に配置された複数のノズル13を有する吐出ヘッド10を、上記並び方向と垂直な方向に走査させながら、各色発光画素に対応した液滴を吐出させる。液体40は、例えば、低分子の有機材料を含む溶液である。各色発光画素間で、上記有機材料が異なる場合には、例えば、赤色発光画素2Rを列順次に印刷した後、青色発光画素2Bを列順次に印刷し、最後に、緑色発光画素2Gを列順次に印刷するというように、サブ画素ごとに印刷が実行される。また、各色発光画素間で、上記有機材料及び塗布量が同じ場合には、発光画素の種類に関係なく列順次に印刷してもよい。
[3.ノズルの構成]
図4Aは、実施の形態に係る吐出ヘッドの断面構成図である。同図に示されたノズル13は、液体循環流路12と近接し、液体循環流路12に沿って線状に配置されている。なお、図4Aには、複数のノズル13のうち隣接する3つのノズル13を抽出して例示している。ノズル13は、ノズル本体131と、ダイヤフラム132と、圧電素子133とを備える。また、ノズル本体131は、液体循環流路12との間で液体40を需給できる液体流通管に接続されている。
ノズル本体131は、内部に液体40を充填でき、先端に設けられた開口部から液滴を吐出することが可能な吐出部材である。
ダイヤフラム132は、ノズル本体131の先端と反対側の背面と接するように配置された押圧部材である。
圧電素子133は、ダイヤフラム132のノズル本体と反対側の面と接するように配置された圧電変換部材である。圧電素子133には、駆動部50から電圧が印加できるよう配線(図示せず)されている。
なお、本実施の形態に係るノズル13の上記構成は一例であり、これに限定されない。例えば、ダイヤフラム132がない構成であってもよく、また、ノズル本体131に対して加圧及び減圧を印加する素子として圧電素子133以外の素子であってもよい。
[4.ノズルの基本動作]
以下、本実施の形態に係る液体吐出方法の基本動作である、ノズル13の吐出動作及び引込動作について図4Bを用いて説明する。
図4Bは、実施の形態に係る吐出部の断面構成図である。ノズル本体131の内圧が高くなると、ノズル本体131に充填されている液体40は、先端開口部から液滴を吐出させて上記内圧を低減する方向へと動く(吐出動作)。一方、ノズル本体131の内圧が低くなると、ノズル本体131に充填されている液体40の外気との境界面は、ノズル本体131の液滴吐出面からノズル本体131の内部へと後退して上記内圧を増加させる方向へと動く(引込動作)。
上記現象により、例えば、所定の電圧より低い第1の電圧を圧電素子133に印加した場合には、圧電素子133は体積縮小し、ダイヤフラム132が圧電素子133側(図4Bで上方)へと変位する。この場合、ノズル本体131の内圧は低くなり、上記引込動作が生じる。
一方、例えば、所定の電圧より高い第2の電圧を圧電素子133に印加した場合には、圧電素子133は体積膨張し、ダイヤフラム132がノズル本体131側(図4Bで下方)へと変位する。この場合、ノズル本体131の内圧は高くなり、上記吐出動作が生じる。
[5.液体吐出動作]
本実施の形態に係る液体吐出方法について詳細に説明する。
図5は、実施の形態に係る液体吐出方法を説明する動作フローチャートである。また、図6は、実施の形態に係る液体吐出装置の吐出波形図である。
本実施の形態に係る液体吐出方法は、例えば、多画素かつ高精細な表示パネルの画素印刷に対応すべく、高速かつ高精度な液滴吐出を目的とする。このため、液滴の吐出周波数を高くしつつ安定した液滴吐出量及び着弾位置を実現すべく、図6に示すような液滴の吐出波形を採用する。図6において、横軸は経過時間を表し、縦軸は圧電素子133への印加電圧を表している。なお、図6に示された波形図では、圧電素子133への印加電圧が高いほどノズル本体131の内圧は増加し、当該印加電圧が所定の電圧(20V)である場合には、ノズル本体131の内圧は平衡状態を保っているものとしている。
本実施の形態に係る液体吐出方法では、安定した液滴吐出周期を確保するために、まず、本吐出動作を実行する吐出期間dの前に、予備引込動作を実行する予備引込期間a及びcが設けられている。つまり、予備引込期間a及びcにおいて、ノズル13に対して事前に引込動作を実行させておくことで、圧電素子133及びダイヤフラム132に対して周期的な振動を与えておく。そして、この周期的な振動に同期させて吐出期間dを設けることにより、高効率及び高速な吐出動作を実現する。本実施の形態に係る液体吐出方法は、上述した予備引込動作→本吐出動作を前提としたものである。
本実施の形態に係る液体吐出方法では、図5に示すように、まず、予備引込動作の振動周期Tを決定する(S10)。具体的には、図6の吐出波形において、予備引込期間a及びc(及びb)の周期を決定する。予備引込振動の周期Tを決定するにあたり、例えば、図7に示す液滴の飛翔観測を利用することが可能である。
図7は、予備引込動作の振動周期Tを決定するための飛翔観測図である。同図には、液滴がノズル13の先端開口部からの吐出が開始されてから所定の時刻が経過したときの吐出液滴の状態が観測されている。なお、図7に示された飛翔観測は、図6に示された吐出波形と同様に、予備引込動作を同周期で2回繰り返し、その後、本吐出動作を実行している。この場合、予備引込動作の振動周期を3.0マイクロ秒と設定した場合において、液滴が最下点に到達していることがわかる。つまり、上記振動周期が3.0マイクロ秒である場合に、最大吐出速度が得られる。
上記観点から、ステップS10において、予備引込動作の振動周期Tを、ノズル13の先端開口部からの液滴の吐出速度が最大となる周期としてもよい。これにより、吐出周波数を高くすることができるので、印刷速度が向上する。よって、各種デバイス製造過程におけるパターンの形成工程及び薄膜の形成工程を高速化できるので、量産性が向上する。
次に、本吐出動作における第2の電圧の印加終了タイミングと、予備引込動作に起因して発生する圧電素子133の残留振動がノズル13の内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させるよう、本吐出動作における第2の電圧の印加期間を決定する(S20)。
次に、ステップS10で決定された振動周期Tの期間、圧電素子133に第1の電圧を連続印加することにより、液体40が充填されたノズル13の内部を減圧して先端開口部からノズル13の内部へ液体40を予め引き込む(S30)。
次に、ステップS30の後、ステップS20で決定された印加期間、圧電素子133に第2の電圧を連続印加することにより、ノズル13の内部を加圧して先端開口部から液滴を吐出させる(S40)。
図8は、吐出波形の駆動タイミング及び液滴の吐出状態を表す図である。具体的には、図8の上段に、本吐出期間を変化させた場合の圧電素子133の印加電圧波形と圧電素子133の残留振動波形との相対タイミングを表すグラフを示している。また、図8の下段に、本吐出期間を変化させた場合の液滴の飛翔観測図を示している。また、図8の上段の圧電素子133の残留振動波形では、圧電素子133がノズル本体131を加圧する方向(図4Bにおける下方向)が、圧電素子133の印加電圧の正方向(図中上方向)と一致している。
図8の上段に示すように、本吐出期間を振動周期Tの1倍及び3倍とした場合、本吐出動作における第2の電圧(図8の実線)の印加終了タイミングと、圧電素子133の残留振動(図8の破線)がノズル13の内圧を減少させる位相状態であるタイミングとが一致している(図8におけるA1及びA3)。また、本吐出動作における第2の電圧の印加終了時以降において、残留振動の減衰率が低い。これらの場合、図8の下段に示すように、ノズル13の吐出面(ノズルからの距離0μm)において液残りが発生しており、さらには、液滴の吐出速度が低いことがわかる。
これに対して、本吐出期間を振動周期Tの2倍及び4倍とした場合、本吐出動作における第2の電圧(図8の実線)の印加終了タイミングと、圧電素子133の残留振動(図8の破線)がノズル13の内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとが一致している(図8におけるA2及びA4)。また、本吐出動作における第2の電圧の印加終了時以降において、残留振動の減衰率が高い。これらの場合、図8の下段に示すように、ノズル13の吐出面(ノズルからの距離0μm)において液残りが発生しておらず、さらには、液滴の吐出速度が高いことがわかる。
つまり、上記ステップS20のように本吐出動作における第2の電圧の印加期間を決定し、ステップS40のように圧電素子133に第2の電圧を連続印加することにより、ノズル13の吐出面において液残りの発生を抑制することが可能となる。
また、上記ステップS10において、予備引込動作の振動周期Tを、液滴の飛翔観測結果に基づいて液滴の吐出速度が最大となる周期とすることにより、吐出周波数を高くすることが可能となる。
なお、ステップS10〜ステップS40は、上述した順で実行されなくてもよい。例えば、ステップS10は、ステップS30の直前に実行されてもよいし、また、ステップS20がステップS40の直前に実行されてもよい。つまり、予備引込動作の振動周期Tを決定して(S10)圧電素子133に第1の電圧を印加する(S30)ことにより、液体が充填されたノズル本体131の内部を減圧して先端開口部からノズル本体131の内部へ液体40を予め引き込み、本吐出動作における第2の電圧の印加期間を決定して(S20)圧電素子133に第2の電圧を印加することにより、ノズル本体131の内部を加圧して先端開口部から液滴を吐出させてもよい。
なお、所定の電圧から第2の電圧を印加し再び所定の電圧を印加するまでの本吐出期間は、(2n−0.3)T〜(2n+0.3)T(nは自然数)であってもよい。これによれば、吐出ステップにおいて、第2の電圧を印加してノズル内圧を加圧する期間が、予備引込ステップにおける振動周期Tの略偶数倍となる。つまり、第2の電圧が印加されている期間において、圧電素子133の残留振動がノズル内圧を増加させる位相とノズル内圧を減少させる位相とが含まれることとなる。つまり、外的負荷によりノズル内圧を減圧するタイミングと圧電素子133の残留振動がノズル内圧を増加させる位相とを一致させて本吐出動作終了時に当該残留振動を打ち消す期間を創出することが可能となる。よって、吐出ステップにおいて、液滴を吐出させつつ、液滴吐出後のノズル吐出面における液残りの発生を抑制することが可能となる。
図9Aは、実施の形態に係る液体吐出方法におけるノズル内圧力及び液滴体積の安定領域を表すグラフである。また、図9Bは、従来の液体吐出方法におけるノズル内圧力及び液滴体積の安定領域を表すグラフである。図9A及び図9Bにおいて、横軸は平衡状態におけるノズル本体131内の圧力を表し、縦軸は液滴の吐出体積を表す。また、図9A及び図9Bのグラフ中には、ノズル13の吐出面に液残りが発生しない吐出安定領域(図中太枠内)が示されている。
図9A及び図9Bのグラフにおける吐出安定領域の比較結果から、本実施の形態に係る液体吐出方法によれば、ノズル本体131の内圧及び液滴体積で規定される吐出安定領域が大幅に拡大されることがわかる。
図10Aは、実施の形態に係る液体吐出方法における吐出周波数と液滴吐出状態との関係を表す飛翔観測図である。また、図10Bは、従来の液体吐出方法における吐出周波数と液滴吐出状態との関係を表す飛翔観測図である。具体的には、図10A及び図10Bには、吐出周波数ごとの液滴(体積=6.5pl)の飛翔観測図が表されている。図10A及び図10Bの飛翔観測図の比較結果から、本実施の形態に係る液体吐出方法によれば、吐出周波数が高い領域であっても液残りは発生していない。よって、吐出周波数を高く設定することが可能となり、印刷速度が向上する。よって、各種デバイス製造過程におけるパターンの形成工程及び薄膜の形成工程を高速化できるので、量産性が向上する。
(その他の実施の形態)
以上、上記実施の形態に基づいて液体吐出装置及び液体吐出方法を説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。実施の形態における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、実施の形態に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、本実施の形態に係る液体吐出装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
また、上記実施の形態に係る液体吐出装置1に含まれる駆動部50は、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。なお、上記液体吐出装置1に含まれる駆動部50の一部を、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
また、本発明は、液体吐出方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしても良いし、上記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしても良い。
さらに、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしても良い。また、これらの非一時的な記録媒体に記録されている上記デジタル信号であるとしても良い。
また、本発明は、上記コンピュータプログラムまたは上記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしても良い。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリを備えたコンピュータシステムであって、上記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、上記マイクロプロセッサは、上記コンピュータプログラムに従って動作するとしても良い。
また、上記プログラムまたは上記デジタル信号を上記非一時的な記録媒体に記録して移送することにより、または上記プログラムまたは上記デジタル信号を、上記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしても良い。
本発明に係る表示装置及びその製造方法は、大画面及び高解像度が要望される薄型テレビ及びパーソナルコンピュータのディスプレイなどの技術分野に有用である。
1 液体吐出装置
2 有機EL基板
2B 青色発光画素
2G 緑色発光画素
2R 赤色発光画素
10 吐出ヘッド
12 液体循環流路
13 ノズル
20 貯留タンク
30 流量調整部
40 液体
50 駆動部
131 ノズル本体
132 ダイヤフラム
133 圧電素子

Claims (5)

  1. ノズルの先端開口部から液滴を吐出させて印刷媒体に前記液滴を着弾させる液体吐出方法であって、
    圧電素子に第1の電圧を印加することにより、液体が充填された前記ノズルの内部を減圧して前記先端開口部から前記ノズルの内部へ前記液体を予め引き込む予備引込ステップと、
    前記予備引込ステップの後、前記圧電素子に第2の電圧を印加することにより、前記ノズルの内部を加圧して前記先端開口部から液滴を吐出させる吐出ステップとを含み、
    前記吐出ステップでは、前記第2の電圧の印加終了タイミングと、前記予備引込ステップに起因して発生する前記圧電素子の残留振動が前記ノズルの内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させる
    液体吐出方法。
  2. 前記予備引込ステップにおいて所定の電圧から前記第1の電圧が印加され再び前記所定の電圧が印加されるまでの期間を振動周期Tと定義した場合、
    前記吐出ステップでは、前記所定の電圧から前記第2の電圧を印加し再び前記所定の電圧を印加するまでの期間が、(2n−0.3)T〜(2n+0.3)T(nは自然数)となるよう前記第2の電圧を印加する
    請求項1に記載の液体吐出方法。
  3. 前記予備引込ステップでは、前記吐出ステップにおける前記先端開口部からの前記液滴の吐出速度が最大となるような前記振動周期Tを決定し、当該決定された前記振動周期Tで前記第1の電圧を印加する
    請求項2に記載の液体吐出方法。
  4. ノズルと、
    電圧が印加されることにより、液体が充填された前記ノズルの内圧を変化させる圧電素子と、
    第1の電圧を前記圧電素子に印加することにより前記ノズルの内部を減圧して前記ノズルの先端開口部から前記ノズルの内部へ前記液体を予め引き込ませ、第2の電圧を前記圧電素子に印加することにより前記ノズルの内部を加圧して前記先端開口部から液滴を吐出させる駆動部とを備え、
    前記駆動部は、前記第2の電圧の前記圧電素子への印加終了タイミングと、前記圧電素子の残留振動が前記ノズルの内圧を維持または増加させる位相状態であるタイミングとを一致させる
    液体吐出装置。
  5. 液体が貯留される貯留タンクと、
    前記貯留タンクから前記液体が供給されることにより印刷物に液滴を吐出し、残留する前記液体を前記貯留タンクへ戻す液体循環型の吐出ヘッドと、
    前記貯留タンクと前記吐出ヘッドとの間の液体流路上に配置された流量調整部と、
    前記駆動部とを備え、
    前記吐出ヘッドは、
    線状に配置された複数の前記ノズルと、
    前記複数のノズルのそれぞれに対応して配置された複数の前記圧電素子とを備える
    請求項4に記載の液体吐出装置。
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