JP2016077453A - 眼底撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被検眼と装置本体との位置関係が適切でありながら、パン・チルト機構による装置本体の回旋中心を、被検眼の瞳孔中心と被検眼の眼球の回旋中心とで切り替え可能な眼底撮影装置を提供すること。
【解決手段】 眼底撮影装置は、測定光を被検眼に照射し且つ測定光を照射した被検眼からの戻り光を受ける光学系を支持する筺体と、光学系の光軸における所定の位置を回旋中心として筺体を回旋する回旋手段と、光学系の光軸において回旋手段の回旋中心の位置を変更する位置変更手段と、光学系の光軸において回旋手段の回旋中心の位置を変更する際に、筺体と被検眼との位置関係を保持する保持手段と、を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、被検眼の眼底を撮影する眼底撮影装置に関する。
走査型レーザー検眼鏡(SLO)や眼底カメラ等の眼底撮影装置において、装置本体を上下・左右方向に回旋するためのパン・チルト機構が知られている。ここで、パン・チルト機構は、ある任意の点を装置本体の回旋中心として、測定光の被検眼への照射角度を変更することができる。一般的には、回旋中心を被検眼の瞳孔中心として、装置本体の光学系と被検眼との作動距離を適切な状態に保ったまま、測定光の被検眼への照射角度を変更することにより、眼底の中心付近だけでなく眼底の周辺も簡単に観察することができる。このとき、光学系を備えた装置本体を、モーターを用いることによって円弧上ガイドに沿って移動させる装置が開示されている(特許文献1)。
また、所望の眼底位置を撮影するために、固視の安定しない被検眼に対して、測定光が瞳孔中心を通るように被検眼の視軸(眼底の黄斑と注視する物体とを結ぶ直線)と装置本体の光軸とを合わせることを目的として、パン・チルト機構が用いられることもある。このとき、装置本体を被検眼に対して適切な作動距離に配置してフォーカス調整が完了した後に、被検眼の固視ずれによる視軸と光軸とのずれが生じた場合を考える。まず、検者は、測定光が被検眼の眼底に対して略垂直に照射されるように視軸と光軸とを略一致させるように、パン・チルト機構により装置本体を回旋させる。そして、検者は、適切な作動距離に戻し、測定光が被検眼の瞳孔中心を通るように装置本体を並進移動させていた。
特開2011−245028号公報
ここで、被検眼の固視ずれによる視軸と光軸とのずれが生じた場合、パン・チルト機構による装置本体の回旋中心を、被検眼の瞳孔中心から被検眼の眼球の回旋中心まで移動させれば、作動距離や並進移動の調整を行わなくても、パン・チルト機構による装置本体の回旋動作により、上記ずれを低減することができる。このとき、装置本体を被検眼に対して近づける必要があるため、装置本体が被検者の顔に接触し易くなる。
そこで、本発明の目的の一つは、被検眼と装置本体との位置関係が適切でありながら、パン・チルト機構による装置本体の回旋中心を、被検眼の瞳孔中心と被検眼の眼球の回旋中心とで切り替え可能な眼底撮影装置を提供することである。
本発明に係る眼底撮影装置の一つは、
測定光を被検眼に照射し且つ前記測定光を照射した前記被検眼からの戻り光を受ける光学系を支持する筺体と、
前記光学系の光軸における所定の位置を回旋中心として前記筺体を回旋する回旋手段と、
前記光学系の光軸において前記回旋手段の回旋中心の位置を変更する位置変更手段と、
前記光学系の光軸において前記回旋手段の回旋中心の位置を変更する際に、前記筺体と前記被検眼との位置関係を保持する保持手段と、を有する。
本発明によれば、被検眼と装置本体との位置関係が適切でありながら、パン・チルト機構による装置本体の回旋中心を、被検眼の瞳孔中心と被検眼の眼球の回旋中心とで切り替え可能な眼底撮影装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る眼底撮影装置の構成図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置のバランス機構の断面図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置の光学系本体6と可動プレート9との可動機構を説明するための図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置の対物レンズ10と光学系本体6との結合部を説明するための図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置のパン・チルト機構が移動する際のフローを説明するための図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置の瞳孔中心のパン・チルトモードの動作を説明するための図である。 第1の実施形態に係る眼底撮影装置の眼球の回旋中心のパン・チルトモードの動作を説明するための図である。 第2の実施形態に係る眼底撮影装置の構成図である。 第2の実施形態に係る眼底撮影装置の水平方向の回旋の抑制機構を示す断面図である。
本実施形態に係る眼底撮影装置は、測定光を被検眼に照射し且つ測定光を照射した被検眼からの戻り光を受ける光学系(例えば、光学系本体6)を支持する筺体を有する。ここで、光学系本体6は、筺体で覆われており、筺体と一体となって移動することが可能である。
また、本実施形態に係る眼底撮影装置は、光学系の光軸における所定の位置(例えば、対物レンズ10の光軸上の点O)を回旋中心として筺体を回旋する回旋手段とを有する。ここで、回旋手段の一例は、回旋中心を通る重心方向の直線を回旋軸(軸11)として、左右方向(水平方向)に対して筺体を回動する機構(例えば、アーム4とアーム保持部材3)である。ユーザがこの機構を用いて行う操作は、一般的に、パンニング操作(以下、パン操作)と呼ばれる。また、回旋手段の一例は、回旋中心を通る水平方向の直線を回旋軸として、上下方向(垂直方向)に対して筺体を回動する機構(例えば、ピニオンギア8、ラックギア12、円弧状ガイド部材5、ガイドブロック7)である。ユーザがこの機構を用いて行う操作は、一般的に、チルティング操作(以下、チルト操作)と呼ばれる。
ここで、ラック&ピニオンの役割は、一般的に、一方に働いた力を他方に伝えることにより、一方に対して他方を移動させることや、一方と他方との位置関係を保つ(バランスを取る)ことである。ここでは、後者の役割があり、具体的には、光学系本体6の重さに対応する発条ばね14の力としてピニオンギア8の時計周りに力が働き、この力をラックギア12に伝える構成になっている。これにより、光学系本体6の重さによって円弧状ガイド部材5に対してガイドブロック7が重力方向に滑り落ちることを抑制することができる。また、光学系本体6側に設けられたガイドブロック7は、円弧状ガイド部材5に対する光学系本体6の移動の方向を制限している。
また、本実施形態に係る眼底撮影装置は、光学系の光軸において回旋手段の回旋中心の位置を変更する位置変更手段を有する。ここで、位置変更手段の一例は、回旋中心を移動する機構(例えば、リニアガイド等を用いて基台1に対して架台2を前後方向に移動する機構)である(第1の実施形態を参照)。また、位置変更手段の一例は、複数の回旋中心を切り替える機構である(第2の実施形態を参照)。
そして、本実施形態に係る眼底撮影装置は、光学系の光軸において回旋手段の回旋中心の位置を変更する際に、筺体と被検眼との位置関係を保持する保持手段を有する。ここで、保持手段の一例は、筺体と回旋手段との間に設けられ、回旋手段に対して筺体を移動する機構である。この機構は、例えば、リニアガイド18a、18bを用いて光学系本体6に対して移動可能な、ガイドブロック7及びピニオンギア8が設けられた可動プレート9である。これにより、可動プレート9が光学系本体6に対して1軸方向(略光軸方向)に移動することができる。このとき、可動プレート9を回旋中心の位置の変更量、回旋中心の位置を変更する方向(被検眼に対して近づく方向)とは逆の方向に移動することにより、回旋中心の位置を変更しても作動距離を略一定に保つことができる。すなわち、回旋中心の位置を変更しても、装置本体を被検眼に対して近づけることなく、ユーザはパン・チルト操作することができる。
ここで、保持手段は、筺体と被検眼との距離を変更する方向に筺体を駆動する駆動手段(例えば、モーター19)と、回旋手段の回旋中心の位置の変更に応じて、駆動手段を制御する制御手段(例えば、モーター19に通信可能に接続されたPC)を含むことが好ましい。これにより、回旋中心の位置を変更しても、被検眼と装置本体との位置関係を自動的に適切に保つことができるため、利便性が向上する。
なお、本発明に係る眼底撮影装置は、眼底カメラ、OCT、SLOといった眼底撮影装置であれば何でも適用可能である。以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。
(第1の実施形態:回旋中心を移動する機構)
まず、第1の実施形態に係る眼底撮影装置の一例である走査型レーザー検眼鏡(SLO)について、図1を用いて説明する。ここで、図1は、第1の実施形態に係る眼底撮影装置の一例であるSLOの構成図である。SLOの基台1上には、装置本体の回旋中心を移動する移動手段の一例である架台2を介してアーム保持部材3が取り付けられている。リニアガイド等を用いて架台2を基台1に対して前後左右の方向(X方向とZ方向)に移動することにより、被検眼16とSLOとの相対位置を変更することができる。アーム保持部材3には、回旋手段の一例であるアーム4を介して回旋手段の一例である円弧状ガイド部材5が固定されている。また、円弧状ガイド部材5は、曲線ガイドレールである。円弧状ガイド部材5によって、測定光を被検眼に照射し且つ前記測定光を照射した被検眼からの戻り光を受ける光学系を含む筺体の一例である光学系本体6が支持されている。光学系本体6の側面には、ガイドブロック7およびピニオンギア8が取り付けられた保持手段の一例である可動プレート9が備わっている。円弧状ガイド部材5の回旋中心は、光学系本体6に含まれる対物レンズ10の光軸上の点Oであり、検者は光学系本体6をこの回旋中心Oに対して上下方向に俯仰操作(チルト操作)することができる。光学系本体6はガイドブロック7を介して、円弧状ガイド部材5に沿って上下方向にそれぞれ15°から10°程度の範囲で回旋移動することができる。アーム4はアーム保持部材3と軸11を介して支持されており、光学系本体6を軸11に対して左右方向にそれぞれ30°程度の範囲で回旋操作(パン操作)することができる。このとき、検者は、取っ手38を掴んで光学系本体6のパン・チルト操作を行うことができる。
次に、光学系本体6の自重バランス手段について説明する。図1のA−Aにおける断面図を図2に示す。ここで、図2は、光学系本体6の自重による下降力を打ち消すバランス手段を示している。円弧状ガイド部材5には、ラックギア12が取り付けられている。ラックギア12は、外周でギア8と噛み合っており、複数の歯を円弧状に並べた形状をしている。回転軸13上にはギア8および発条ばね14が固定されている。発条ばね14の片端は可動プレート9の側面に取り付けられた発条ばねホルダー15に固定されている。光学系本体6の俯仰による回転軸13の回転角度に応じて発条ばね14のばね力が発生する。このばね力が、光学系本体6の上下方向の可動範囲において、光学系本体6の自重による下降力を打ち消すようになっている。なお、発条ばねは、ゼンマイバネとも呼ばれる渦巻状のバネである。本実施形態に係るバネとしては、他にも、ガススプリングや引張コイルバネ等が適用可能である。
また、光学系本体6および対物レンズ10をパン・チルト機構の回旋中心に対して移動させる機構について説明する。ここで、図3(a)は、光学系本体6を可動プレート9に対して移動させる機構を示している。光学系本体6および対物レンズ10をパン・チルトの回旋中心の移動に応じて架台2に対し相対移動させる模式図を図6(a)および図7(a)に示す。パン・チルト回旋中心が図6(a)は瞳孔中心O、図7(a)は眼球の回旋中心O´の場合を表す。光学系本体6と可動プレート9には、それぞれリニアガイド18のガイドレール側18aとガイドブロック側18bとが固定されている。リニアガイド18は、対物レンズ10の光軸方向に対して略平行に配置されており、光学系本体6を光軸方向と略同じ方向に移動させることができる。光学系本体6側面には、駆動手段の一例であるモーター19が取り付けられている。また、可動プレート9には、ラックギア20が取り付けられている。可動プレート9に対する光学系本体6の移動はモーター19を用いて行われる。ラックギア20による光学系本体6の可動範囲は少なくとも約12mmである。これは一般的な人眼の瞳孔中心から眼球の回旋中心までの距離とほぼ等しい。図6(a)および図7(a)のように、架台2の移動によりパン・チルト機構の回旋中心を被検眼16の瞳孔中心Oから眼球の回旋中心O´まで移動させたときに、光学系本体6および対物レンズ10を、回旋中心の移動方向と逆方向に略等しい距離だけ移動させる。ラックギア20による光学系本体6の移動量は、架台2の移動量をモニタし、フィードバックすればよい。架台2による移動を可動プレート9の移動で相殺することで、光学系本体6と被検眼16との位置関係を適当な距離に保つことができる。可動プレート9に対する光学系本体6の移動は、モーターを使用せずに手動で行われても良い。
また、第1の撮影モードの一例である狭画角撮影モードと、第2の撮影モードの一例である広画角撮影モードの切り替えについて、図4を用いて説明する。ここで、図4は、対物レンズ10と光学系本体6との結合部の機構を示している。対物レンズ10はレンズ鏡筒21に保持されている。レンズ鏡筒21は、SLOの撮影倍率に応じて検者が所望の投影倍率の対物レンズ10に交換できるように、光学系本体6から着脱可能になっている。レンズ鏡筒21は、レンズ鏡筒21と光学系本体6との結合部21aを備えている。結合部21aは、バヨネット構造であり、光学系本体6に結合されると、光学系本体6側の接続端子22と接触して電気的接続がなされる。この電気的接続によって、制御部は、装着されている対物レンズ10の種類を識別することができる。対物レンズ10には、眼底面の狭い領域を高精細に撮影するための狭画角レンズと、広い領域を撮影するための広画角レンズとがある。それぞれのレンズを用いることにより、狭画角撮影モードと広画角撮影モードを使い分けることができる。また、画角の切り替えは、レーザーを走査するスキャナ(不図示)の走査量を変えても良い。
また、パン・チルト機構の回旋中心の位置制御について、図5等を用いて説明する。ここで、図5(a)は、検者により装置電源が入れられた後、制御部が、パン・チルト機構の回旋中心を自動制御によって変更するためのフローを示している。検者により装置電源が入れられる(ステップ100)。検者により装置電源が入れられると、制御部は、光学系本体6に備わった接続端子24とレンズ鏡筒10の結像部21aとの電気接続を認識して(ステップ101)、対物レンズ10の種類を自動識別する(ステップ102)。対物レンズ10の種類が狭画角レンズの場合、制御部はモーター19を駆動させて、パン・チルト機構の回旋中心を瞳孔中心の位置まで移動させる(ステップ103)。一方、対物レンズ10の種類が広画角レンズの場合、制御部はモーター19を駆動させて、パン・チルト機構の回旋中心を眼球の回旋中心の位置まで移動させる(ステップ104)。装置電源が入った状態で、対物レンズ10の交換が行われた場合も、上記と同様の自動制御が行われる。図5(b)に、対物レンズ10を交換した場合のフローを示す。対物レンズ10を交換した後(S100’)、前述のフローと同様に、制御部は、対物レンズの種類に応じて、パン・チルト機構の回旋中心の位置を自動制御によって変更させる。
また、瞳孔中心パン・チルトモードでの眼底撮影について図6を用いて説明する。ここで、図6は、瞳孔中心パン・チルトモードで、対物レンズ10と被検眼16との作動距離が適切となるように、光学系本体6および被検眼16が配置された状態を示している。このとき、光学系本体6と可動プレート9との位置関係は、図3(a)のような状態となっており、光学系本体6と被検眼16との距離を適切な距離に保ったまま、パン・チルト操作することができる。図6(a)のように対物レンズ10の光軸方向が水平である場合、対物レンズ10を透過したSLO測定光24(図中黒矢印)は被検眼16の瞳孔中心を通過してから眼底面の略中心部に照射される。一方、図6(b)のように光学系本体6を、対物レンズ10の光軸が水平方向からθ°傾くように俯仰操作した場合、測定光24は被検眼16の眼底の略中心部とは異なる部分に照射される。このように、光学系本体6のパン・チルト操作を行い、測定光24を、被検眼16の瞳孔中心を回旋中心として走査することで、眼底上の所望領域を撮影することができる。
眼球の回旋中心のパン・チルトモードでの眼底撮影について図7を用いて説明する。眼球の回旋中心のパン・チルトモードでは、パン・チルト操作の回旋中心を、被検眼16の眼球の回旋中心O´にすることで、測定中に被検眼16の視軸のずれが生じても、パン・チルト操作によってアライメントの再調整を容易に行うことができる。図7は、眼球の回旋中心のパン・チルトモードで、光学系本体6と被検眼16との距離が適切な距離となる状態を示している。このとき、光学系本体6と可動プレート9との相対位置関係は図3(b)の状態となっている。図7(a)のように対物レンズ10の光軸方向が水平である場合、SLO測定光24は、図6(a)と同様に、対物レンズ10および被検眼16の瞳孔中心を通過して眼底面の略中心部に照射される。広画角レンズを用いた場合には、狭画角レンズを用いる場合に比べて、眼底の広い領域の画像を一枚の画像として取得することができる。そのため、SLO測定光を眼底上の所望部位に照射するためにパン・チルト操作を行う必要性が低減される。
被検眼16の固視が不安定な場合、光学系本体6と被検眼16との作動距離調整とフォーカス調整を済ませた後に、被検者の意図しない眼球運動によって視軸が動き、SLOの測定光24が所望の眼底照射部からずれてしまうことがある。図7(b)は、被検眼16の視軸の傾きθ°に合わせるように光学系本体6をチルト操作した状態を示している。図7(c)に示すように、眼球の回旋中心のパン・チルトモードでは、パン・チルト操作時の対物レンズ10の回旋半径が被検眼16と対物レンズ10との作動距離WDと被検眼16の瞳孔中心と眼球の回旋中心との距離rの和となっている。そのため、被検眼16の視軸と対物レンズ10との光軸とが略一致するように光学系本体6のパン・チルト操作をしても、光学系本体6と被検眼16との相対位置を適切な距離に保つことができる。そのため、被検眼16の視軸がずれてもパン・チルト操作を行うだけで、容易にアライメントの再調整を行うことができる。
また、マニュアル操作での可動プレート位置の切り替えについて説明する。瞳孔中心パン・チルトモードと眼球の回旋中心のパン・チルトモードとの切り替えは、架台2に備え付けられた切り替え用ボタンを用いて行うこともできる。以上、チルト操作について説明したが、パン操作についても同様である。
(第2の実施形態:複数の回旋中心を切り替える機構)
次に、第2の実施形態について、図8を用いて説明する。ここで、図8は、本実施形態に係るSLOの構成図を示している。SLOの基台1上には、架台2を介してアーム保持部材3が取り付けられている。アーム保持部材3にはアーム4を介して第1の回旋手段の一例である第1の円弧状ガイド部材5が固定されている。
まず、左右方向の回旋中心の切り替え機構について説明する。アーム保持部材34は、架台2に取り付けられた34a部および第2の回旋手段の一例である34b部からなる。アーム保持部材34a部と34b部とは軸35aを介して、アーム保持部材34b部と第1の回旋手段の一例であるアーム4とは軸35bを介して、それぞれ回転可能に取り付けられている。アーム保持部材34a部および34b部には、それぞれアーム保持部材34a部に対する34b部の左右方向の回転を抑制する切り替え手段の一例である左右回旋ストッパ26aとアーム保持部材34b部に対するアーム4の左右方向回旋を抑制する切り替え手段の一例である左右回旋ストッパ26bとが取り付けられている。
ここで、図9は、左右回旋ストッパ26aの機構を示している(左右回旋ストッパ26bも同様)。図9(a)は、図8のB−Bにおける断面図、図9(b)は、図8の軸35aの中心軸を通るYZ平面を+X方向から見た断面図を示している。軸35aはアーム保持部材34bに固定されている。アーム保持部材34aには、軸35aを保持するベアリング27a、軸34aの回転止めをするためのU字型ストッパ28a、U字型ストッパ28aを締めるためのつまみ付きビス29aが取り付けられている。つまみ付きビス29aを締緩することにより、軸35aでの固定と回転とを切り替えることができる。左右回旋ストッパ26aと左右回旋ストッパ26bは、少なくともどちらか一方を固定した状態で使用する。
軸35aと軸35bとは対物レンズ10の光軸方向に約12mm程度離れている。図8(a)に示すように、対物レンズ10と被検眼16との作動距離が適切となったとき、軸35aが被検眼16の眼球の回旋中心O´(第1の回旋中心)を、また、軸35bが瞳孔中心O(第2の回旋中心)を通るようになっている。そのため、光学系本体6の左右方向の回旋中心軸は、左右回旋ストッパ26aにより軸35a周りの回旋運動が抑制された場合には被検眼16の略瞳孔中心Oとなり、左右回旋ストッパ26bにより軸35b周りの回旋運動が抑制された場合は被検眼16の眼球の回旋中心O´となるように切り替えることができる。
また、左右方向の回旋中心の切り替えに伴う俯仰方向の回旋半径の切り替え機構について説明する。第1の円弧状ガイド部材5は、曲線ガイドレールである。光学系本体6と円弧状ガイド部材5の間には、左右方向の回旋中心の切り替えに伴い、光学系本体6の俯仰方向の回旋半径を切り替える切り替え機構30が備えられている。
パンニング操作の回旋中心軸の位置に応じてチルト操作の回旋半径を切り替えることによって、光学系本体6を、光学系本体6と被検眼16との距離が適切な距離にある状態を保ったまま、チルト操作することができる。
チルト回旋半径の切り替え機構30には、第1の円弧状ガイド部材5、第1の円弧状ガイド部材5を保持するガイドブロック7、ガイドブロック7に固定されており第1の円弧状ガイド部材5に沿って動くガイドブロック固定板31、ガイドブロック固定板31のガイドブロック7とは反対側の面に固定された第2の回旋手段の一例である第2の円弧状ガイド32、第2の円弧状ガイド部材32を保持する第2のガイドブロック33がある。第2のガイドブロック33は、光学系本体6の側面に取り付けられている。光学系本体6の側面には、さらに光学系本体6が第2の円弧状ガイド部材32に沿って動かないように俯仰方向の運動を抑制するストッパ36が取り付けられている。ガイドブロック固定板31の側面には、ガイドブロック固定板31が第1の円弧状ガイド部材5に沿って動かないように俯仰方向の運動を抑制するストッパ37が取り付けられている。ストッパ36およびストッパ37は図中黒印方向に可動である。ストッパ36を第2の円弧状ガイド部材32の側面に押し付けられることで、光学系本体6が円弧状ガイド部材32に対して動くことを抑制できる。一方、ストッパ37を第1の円弧状ガイド部材5の側面に押し付けることで、ガイドブロック固定板31が円弧状ガイド部材5に対して動くことを抑制できる。
このとき、第1の円弧状ガイド部材5の回旋中心は、対物レンズ10の光軸上及び軸35a状の点O´(第1の回旋中心)であり、また、第2の円弧状ガイド部材32の回旋中心は、対物レンズ10の光軸上と軸35b上の点O(第2の回旋中心)である。すなわち、第1の円弧状ガイド部材5の回旋中心は、第2の円弧状ガイド部材32の回旋中心よりも光学系本体6から遠い。このとき、第1の円弧状ガイド部材5の回旋半径は、第2の円弧状ガイド部材32の回旋半径よりも長い。また、ストッパ36を用いた場合には、光学系本体6を被検眼16の略瞳孔中心に沿って俯仰操作することができる。またストッパ37を用いた場合、光学系本体6を被検眼16の眼球の回旋中心に沿って俯仰操作することができる。
以上に述べた実施形態によれば、装置本体と被検眼との距離を適切な距離に保ったまま、パン・チルト操作の回旋中心を眼球の回旋中心と瞳孔中心とで切り替えることができる。固視の安定しない被検眼の眼底撮影を行う際に、パン・チルト操作を用いて、アライメントを容易に行う事が出来る。装置の光学系本体のパン・チルト操作の回旋中心が被検眼の略瞳孔の場合、検者がパン・チルト操作を行うことによって被検眼の眼底面の所望領域を観察することができる。一方、パン・チルト操作の回旋中心が被検眼の眼球の回旋中心の場合、被検眼の固視ずれ・回旋が起きても、検者が装置をパン・チルト操作するだけで、測定光の光軸を被検眼の略視軸に合わせることが可能であり、容易にアライメントをし直すことができる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (10)

  1. 測定光を被検眼に照射し且つ前記測定光を照射した前記被検眼からの戻り光を受ける光学系を支持する筺体と、
    前記光学系の光軸における所定の位置を回旋中心として前記筺体を回旋する回旋手段と、
    前記光学系の光軸において前記回旋手段の回旋中心の位置を変更する位置変更手段と、
    前記光学系の光軸において前記回旋手段の回旋中心の位置を変更する際に、前記筺体と前記被検眼との位置関係を保持する保持手段と、
    を有することを特徴とする眼底撮影装置。
  2. 前記保持手段は、前記筺体と前記回旋手段との間に設けられ、前記回旋手段に対して前記筺体を移動する機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の眼底撮影装置。
  3. 前記保持手段は、
    前記筺体と前記被検眼との距離を変更する方向に前記筺体を駆動する駆動手段と、
    前記回旋手段の回旋中心の位置の変更に応じて、前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とする請求項2に記載の眼底撮影装置。
  4. 測定光を被検眼に照射し且つ前記測定光を照射した前記被検眼からの戻り光を受ける光学系を支持する筺体と、
    前記光学系の光軸における所定の位置を回旋中心として前記筺体を回旋する回旋手段と、
    前記筺体と前記回旋手段との間に設けられ、前記回旋手段に対して前記筺体と前記被検眼との距離を変更する方向に前記筺体を駆動する駆動手段と、
    前記光学系の光軸において前記回旋手段の回旋中心の位置を変更する位置変更手段と、
    前記回旋手段の回旋中心の位置の変更に応じて、前記駆動手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする眼底撮影装置。
  5. 前記位置変更手段は、基台に対して前記回旋手段の回旋中心を移動する機構を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼底撮影装置。
  6. 狭画角撮影モードの場合には、前記回旋手段の回旋中心は前記被検眼の瞳孔中心であり、
    広画角撮影モードの場合には、前記回旋手段の回旋中心は前記被検眼の眼球の回旋中心であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼底撮影装置。
  7. 前記回旋手段は、前記光学系の光軸における第1の回旋中心で前記筺体を回旋する第1の回旋手段と、前記光学系の光軸における第2の回旋中心で前記筺体を回旋する第2の回旋手段と、を含み、
    前記位置変更手段は、前記第1の回旋手段と前記第2の回旋手段とを切り替えることにより、前記回旋手段の回旋中心の位置を変更することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の眼底撮影装置。
  8. 前記第1の回旋手段の回旋半径は、前記第2の回旋手段の回旋半径よりも長いことを特徴とする請求項7に記載の眼底撮影装置。
  9. 前記第1の回旋手段の回旋中心は、前記第2の回旋中心よりも前記筺体から遠いことを特徴とする請求項7または8に記載の眼底撮影装置。
  10. 前記第1の回旋手段の回旋中心は、前記被検眼の眼球の回旋中心であり、
    前記第2の回旋手段の回旋中心は、前記被検眼の瞳孔中心であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の眼底撮影装置。
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