JP2016075545A - 紙の光沢ムラ評価方法、およびこの評価方法によって評価された紙 - Google Patents

紙の光沢ムラ評価方法、およびこの評価方法によって評価された紙 Download PDF

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Abstract

【課題】紙の光沢ムラについて定量的に評価することが要求されているが、従来では狭小な範囲で微視的な光沢ムラを評価しているのに対して、測定面積が大きく巨視的な光沢ムラを定量的に評価できるようにする。【解決手段】移動ステージ4上に試料Sを載置する。ラインスキャンカメラ3の撮像ライン3aを移動ステージ4上であって、その方向を移動方向と直交する方向とする。ライン光源2から撮像ライン3aに測定光を照射し、その鏡面反射光をラインスキャンカメラ3で捕捉する。入射角と反射角とは15°以上75°以下とする。カメラ3で取得された画像データを画像解析装置5で、フーリエ変換による周波数解析を行い、波長を横軸に振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画し、前記周波数スペクトルに現れたピークにより光沢ムラの優劣を評価する。【選択図】 図1

Description

この発明は、紙の美粧性を左右する白紙面感の、いわゆる光沢ムラを評価するための光沢度を取得する紙の光沢ムラ評価方法、およびこの評価方法によって評価された紙に関する。
白紙面感は、微小面積ごとにおける光沢度のムラ(ばらつき)を、人の視覚により捉えられて評価されるものと考えられており、紙の美粧性に影響を与えている。この場合、紙の表面の光沢度が均一であれば面感が良好とされている。
白紙面感に影響する光沢ムラについては、検査員等による目視によって検査されていたが、検査員等の主観に左右されるところがあり、客観性に欠けていた。
このため、光沢ムラの評価の客観性を担保するために、評価の定量化が試みられており、種々の方法が提案されている。
例えば、特許文献1には塗工板紙の光沢むら測定方法および装置が、特許文献2にはマット調塗工紙の光沢むら測定方法および装置が、特許文献3には光沢むらの高精度測定方法および装置が、それぞれ開示されている。これらは、いずれも1つの光源から可視光を対象物の外表面に照射し、その反射光をテレビカメラで受光し、得られた明暗の階調分布を持つ2次元画像を画像解析装置においてフーリエ変換し、次いでフーリエ逆変換する際に、特定波長範囲において強調係数を用いて画像の明暗を2極化、閉区画を形成する暗部の画像領域を光沢むら部分としてそれぞれ別々に面積を計算し、その面積の分布パラメータを測定結果として出力しようとするものである。
また、特許文献4には、試料面上の光沢ムラ特性を評価できる反射光ムラの測定方法および装置として、平行光を試料に入射する入射工程と、その試料の表面をテレセントリック光学系により測定する受光工程と、その入射工程の光軸かつ/またはその受光工程の光軸をその試料上の1点を中心として回転させその試料の法線に対して任意の角度に設定する工程と、その試料の反射光分布を測定する工程と、を含むことを特徴とする反射光ムラ測定方法とその測定装置が開示されている。
また、特許文献5には、表面からの反射光強度と光沢ムラの空間周波数特性、人の視覚特性、さらにはサンプル色を考慮した光沢ムラ評価装置として、被評価サンプルからの正反射光を含む画像が撮像可能な撮像手段と、撮像した画像を記憶保持する画像保持手段と、該画像保持手段に記憶保持されている被評価画像の平均値を算出する平均値算出手段と、前記被評価画像と前記平均値算出手段で得られた平均値との偏差を算出する偏差算出手段と、該偏差算出手段により得られた画像の空間周波数特性を算出する空間周波数特性算出手段と、前記空間周波数特性と人の視覚の空間周波数特性を乗算する視覚特性乗算手段と、該視覚特性乗算手段により算出された空間周波数成分を積分する積分手段と、該積分手段により得られた値に比例係数を乗じた値を光沢ムラ評価量として出力する光沢ムラ評価量算出手段とを有する光沢ムラ評価装置が開示されている。
特開平8−297098号公報 特開平8−297097号公報 特開平8−297099号公報 特開2012−220224号公報 特開2002−350355号公報
前述した特許文献1〜特許文献3に開示された光沢むらの測定方法および装置では、固定された対象物の外表面での反射光をテレビカメラで所定の範囲を撮影することで2次元画像を取得するものであり、測定面積が比較的小さく、微視的な光沢ムラの測定に関するものである。
また、特許文献4に開示された測定方法では、光軸の角度を変更する構成が採用されているが、受光手段には所定の範囲を測定する光学系が用いられているもので、測定面積が比較的小さく、微視的な光沢ムラの測定に関するものである。
また、特許文献5に開示された光沢ムラ評価装置では、人の視覚特性を考慮した評価を行うものであると共に、撮像手段によって所定の範囲が撮影させるものであって、測定面積が比較的小さく、微視的な光沢ムラの測定に関するものである。
すなわち、従来の光沢ムラの評価方法では、光沢ムラのうちのいわゆる「ザラザラ感」等と表現される微視的なもののみ限定的に評価が行われるものであって、光沢ムラのうちのいわゆる「ぼこつき感」等で表現される巨視的な光沢ムラを定量的に評価するのには適していない。また、従来の方法では、静止した試料における光沢ムラ評価を行うため、採取された、すなわちオフラインの試料について評価を行う場合に適している。しかしながら、抄紙機上を走行する紙についてオンラインで光沢ムラを評価できれば、その評価結果を迅速に抄紙中の紙に反映できるので好ましい。
そこで、本願発明の目的は、いわゆる「ぼこつき感」「ザラザラ感」等で表現される紙の光沢ムラを定量的に評価する紙の光沢ムラ評価方法、およびこの評価方法によって評価されて光沢ムラが少ない紙を提供しようとするものである。また、その原理はオフライン、オンライン、いずれの評価においても適用できるものである。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る紙の光沢ムラ評価方法は、試料である紙に測定光を照射し、その鏡面反射光を撮像手段で捕捉して前記試料の表面画像を取得し、この表面画像について周波数解析を行って算出された波長により、前記試料の光沢ムラを定量的に評価する紙の光沢ムラ評価方法において、一方向に移動自在な移動ステージに載置させた前記試料の表面に、光源から前記測定光を照射し、前記移動ステージを移動させて載置させた試料を移動させながら、前記測定光の鏡面反射光をラインスキャンカメラで捕捉して撮像ラインにおける画像を取得し、前記取得された画像に対して周波数解析を行い、前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画し、前記周波数スペクトルに現れたピークにより光沢ムラの優劣を評価する事を特徴としている。
前記ラインスキャンカメラで捕捉された測定光の反射光から取得された画像の周波数解析を行い、得られた周波数スペクトルを用いて光沢ムラを定量的に評価するものである。
前記試料は移動ステージの移動に伴われて一方向に移動するから、前記撮像ラインを試料の表面が順次通過する。このため、ラインスキャンカメラで捕捉された撮像ラインにおける反射光には、該試料の移動域についての画像の情報が含まれているものとなる。すなわち、試料の表面について広い範囲について、巨視的な光沢ムラの評価に供する画像を取得できる。
取得された前記画像に対して周波数解析を行って、算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画する。この周波数スペクトルに現れたピークに基づいて光沢ムラの優劣を評価する。
また、請求項2の発明に係る紙の光沢ムラ評価方法は、前記光源にライン光源を用いていることを特徴としている。
前記ラインスキャンカメラで捕捉させる測定光を照射する光源は、前記撮像ラインを照明するものであればよいが、撮像ラインに対してのみ測定光を照射するライン光源を用いるものとした。この場合には、該ライン光源から照射された測定光がラインスキャンカメラに確実に捕捉されるよう、すなわち、測定光の鏡面反射光がラインスキャンカメラに入射するよう、ライン光源の測定光の光軸とラインスキャンカメラの光軸とが対称となるように、これらライン光源とラインスキャンカメラとを設置する。なお、光軸の角度を調整できるようにこれらライン光源とラインスキャンカメラとを保持する機構があれば好ましい。
また、請求項3の発明に係る紙の光沢ムラ評価方法は、前記ラインスキャンカメラの光軸と前記光源の光軸の方向をそれぞれ15°以上75°以下であることを特徴としている。
すなわち、前記ラインスキャンカメラの光軸および前記測定光の光軸の角度をそれぞれ15°以上75°以下とする。ただし、前記ラインスキャンカメラと前記測定光の光軸の角は、15°以上75°以下が好ましく、さらに好ましくは30°以上60°以下であり、特に好ましくは40°以上50°以下である。15°未満や75°より高い場合、正確な画像を取得することが困難であり好ましくない。また、前記ラインスキャンカメラと前記測定光の光軸の角度の差は、5°以下が好ましく、更に好ましくは3°以下であり、特に好ましくは、0°である。光軸の差が5°より高いと、ラインスキャンカメラに入射する光量が不十分であり、精細な画像を得ることが出来ないことがある。また、光量が高く、得られた画像の精細性に欠けるときには、前記ラインスキャンカメラと前記測定光の光軸に差をつけて光量を調節してもよい。
また、請求項4の発明に係る紙は、前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、少なくとも1つ以上のピークが、波長0.1〜100.0mmの間に存在することを特徴としている。
すなわち、前記評価方法に供して得られた前記周波数スペクトルにピークが存在する場合に、波長が0.1〜100.0mmの間に存在することに特徴がある紙である。
また、請求項5の発明に係る紙は、前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、波長0.1〜100.0mmの間に現れた少なくとも1つ以上のピークの振幅が、140000以下であることを特徴としている。
すなわち、前記評価方法に供して得られた前記周波数スペクトルの波長が0.1〜100.0mmの間に存在するピークの少なくとも1つの振幅が140000以下であることに特徴がある紙である。
また、請求項6の発明に係る紙は、前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、波長0.1〜100.0mmの間に現れた少なくとも2つ以上のピークのうち、長波長側の振幅が、短波長側の振幅より小さいことを特徴としている。
すなわち、前記評価方法に供して得られた前記周波数スペクトルの波長が0.1〜100.0mmの間に2つ以上のピークが存在する場合に、長波長側のピークの振幅が、短波長側のピークの振幅よりも小さいことに特徴がある紙である。
この発明に係る紙の光沢ムラ評価方法によれば、移動ステージの移動により試料を移動させながらラインスキャンカメラで試料の画像を取得するから、広範囲にわたり画像データを取得して、微視的な光沢ムラから巨視的な光沢ムラまで幅広い光沢ムラの評価に供することができる。
しかも、試料が移動することは、抄紙機上を走行する紙に対してオンラインでの測定を行える道を拓くことができるため、前記移動ステージに替えて走行する紙面に対して適用させることができる。
また、後述するように、取得された試料の画像を周波数解析して得られた周波数スペクトルの特徴と、当該試料を目視により評価した場合の光沢ムラとの相関が高く、この試料の光沢ムラを表していると判断できる。しかも、光沢ムラを定量化して評価することができる。
また、前記評価方法によって評価された紙は、迅速に光沢ムラの原因を究明することが可能であり、それにより光沢ムラの少ない紙を得ることができる。
この発明に係る紙の光沢ムラ評価のための光沢ムラ検出装置の構成を示す模式図である。 試料の概要を示す一覧表である。 図2に示す試料1について取得した表面画像である。 図2に示す試料1について取得した表面画像の周波数スペクトルである。 図2に示す試料2について取得した表面画像である。 図2に示す試料2について取得した表面画像の周波数スペクトルである。 図2に示す試料3について取得した表面画像である。 図2に示す試料3について取得した表面画像の周波数スペクトルである。 図2に示す試料4について取得した表面画像である。 図2に示す試料4について取得した表面画像の周波数スペクトルである。 図2に示す試料5について取得した表面画像である。 図2に示す試料5について取得した表面画像の周波数スペクトルである。 試料1から試料5についての周波数スペクトルにおけるピークの振幅と目視による面感との関係の一例を示す図で、ピークの波長が0.8mmにおける図である。 試料1から試料5についての周波数スペクトルにおけるピークの振幅と目視による面感との関係を示す図で、ピークの波長が6.0mmにおける図である。 試料である塗工紙を層間剥離させる場合の状態を示す断面図である。 試料の全層についての地合と目視による面感との関係を示す図である。 層間剥離させて試料の各層の地合指数を示す図である。 試料の各層についての地合と目視による面感との関係を示す図であり、表面層について示している。 試料の各層についての地合と目視による面感との関係を示す図であり、中間層について示している。
以下、この発明に係る紙の光沢ムラ評価方法を実施するのに適した光沢ムラ検出装置の一例を説明すると共に、光沢ムラ評価方法に基づいて得られた紙の特徴を説明する。
図1には、この発明に係る紙の光沢ムラ評価のための光沢ムラ検出装置1の概略構造を模式的に示している。この光沢ムラ検出装置1は、光源2とラインスキャンカメラ3、移動ステージ4とを主体として構成されている。前記移動ステージ4は矢標P方向に移動自在とされており、この移動ステージ4に載置された対象物である試料Sを同方向Pへ移動させる。なお、この矢標P方向が、試料Sの抄造時における抄紙機の走行方向と等しくなるように試料Sを移動ステージ4に載置させる。前記ラインスキャンカメラ3は、前記移動ステージ4の移動範囲内であって移動方向と直交する方向の撮像ライン3aに沿って画像を取得する。すなわち、移動ステージ4に載置された試料Sの表面の画像を取得するようにしてある。また、前記光源2は前記撮像ライン3aを照明するようにしてある。なお、光源2は前記撮像ライン3aを含む部分を照明すればよいが、光源2に前記撮像ライン3aに測定光を照射するライン光源を用いることが好ましい。光源2にライン光源を用いる場合には、測定光の入射角と反射角とを等しくするようにして、鏡面反射光が前記ラインスキャンカメラ3に入射するようにする。すなわち、ライン光源2の光軸とラインスキャンカメラ3の光軸とは撮像ライン3aに対して線対称となる位置として、ライン光源2から照射された測定光の鏡面反射光がラインスキャンカメラ3で受光されるようにしてある。なお、本実施形態では、ライン光源2の光軸とラインスキャンカメラ3の光軸とは、いずれも移動ステージ4の載置面に対して45°としてある。また、この光軸の角度は45°に限らず、試料Sの種類等によって適宜なものに設定すれば良い。なお、これらの光軸の角度は15°以上75°以下が好ましく、さらに好ましくは30°以上60°以下であり、特に好ましくは40°以上50°以下である。また、前記ラインスキャンカメラと前記測定光の光軸の角度の差は、5°以下が好ましく、更に好ましくは3°以下であり、特に好ましくは、0°である。このため、載置面に対する光軸の角度を調整できるようにすることが好ましい。このラインスキャンカメラ3で捕捉された反射光から得られた画像データは画像解析装置5に送出されて、フーリエ変換による周波数解析に供される。
前記紙の光沢ムラ検出装置1により試料Sの表面の画像を取得するには、前記光源2から測定光を撮像ライン3aに向けて照射し、その反射光を前記ラインスキャンカメラ3に入射させて撮像ライン3a上における試料Sの表面の画像を取得する。このとき、前記移動ステージ4を矢標P方向に移動させながらラインスキャンカメラ3で画像を捕捉することにより、試料Sの表面の矩形範囲について画像を取得することができる。
次に、前述した光沢ムラ検出装置1により試料Sの光沢ムラを評価する光沢ムラ評価方法を説明する。測定の対象とした試料Sは、図2に概要を示す高級板紙5水準を使用した。いずれも2層あるいは3層からなる多層抄き原紙の両面に顔料塗工が施されたものである。同図に示すように、目視評価による白紙面感(光沢ムラ)は、一般的な平滑性の指標である王研式平滑度やPPSラフネスの傾向とは必ずしも一致しなかった。
前記光沢ムラ検出装置1のライン光源2から測定光を試料Sに照射しながらその鏡面反射光をラインスキャンカメラ3で捕捉する。本実施形態では、撮像ライン3aの長さを220mmとし、移動ステージ4を300mm移動させながら反射光を捕捉させた。ラインスキャンカメラ3で取得された画像データが前記画像解析装置5に供される。なお、前記ラインスキャンカメラ3で受光した明るさの平均値が各試料に対して等しくなるように、前記ライン光源2の光量を調整した。
前記画像解析装置5では提供された画像データについて周波数解析を行って、横軸に波長(周波数から変換)、縦軸に振幅を設定した周波数スペクトルのグラフを描画させた。得られた周波数スペクトルのグラフについて、移動平均処理によりノイズを除去した後、各波長における振幅を、前記試料1〜試料5の間で比較した。
図3には試料1について光沢ムラ検出装置1により取得された画像を示しており、図4にはこの画像データの周波数解析を行って、横軸に波長を、縦軸に振幅を設定して示す周波数スペクトルのグラフである。
図5には試料2について光沢ムラ検出装置1により取得された画像を示しており、図6にはこの画像データの周波数解析を行って、横軸に波長を、縦軸に振幅を設定して示す周波数スペクトルのグラフである。
図7には試料3について光沢ムラ検出装置1により取得された画像を示しており、図8にはこの画像データの周波数解析を行って、横軸に波長を、縦軸に振幅を設定して示す周波数スペクトルのグラフである。
図9には試料4について光沢ムラ検出装置1により取得された画像を示しており、図10にはこの画像データの周波数解析を行って、横軸に波長を、縦軸に振幅を設定して示す周波数スペクトルのグラフである。
図11には試料5について光沢ムラ検出装置1により取得された画像を示しており、図12にはこの画像データの周波数解析を行って、横軸に波長を、縦軸に振幅を設定して示す周波数スペクトルのグラフである。
また、これらの試料1〜試料5について、目視により白紙面感の優劣を評価し、その結果を図2に併記した。この優劣については、劣っているものを1、優れているものを5として評価を行った。
図13は前述した目視評価による白紙面感の優劣を縦軸に、波長0.8mmにおける振幅を横軸に設定して描画して、振幅と目視による面感との相関を示すグラフである。また、図14は同様に、波長6.0mmにおける振幅と目視による面感との相関を示すグラフである。波長0.8mmの場合にはR(=0.0339)値は小さく、相関関係は認められなかった。これに対して、波長6.0mmの場合にはR(=0.9559)値が大きく、高い相関関係が認められた。なお、Rは、決定係数あるいは寄与率である。
すなわち、試料1〜試料5においては、波長6.0mm付近における振幅の大きさと、目視評価による光沢ムラの度合の間に高い相関が認められ、このことから、試料1〜試料5の目視評価における光沢ムラの発生要因は、比較的周波数の高い「ぼこつき感」であることが示唆された。これにより、光沢ムラ検出装置1により取得された画像データに基づく周波数解析による定量評価が有効なものであり、光沢ムラの原因の究明に供することができるものであることが分かる。しかも、広範囲にわたっての画像データを取得することにより、いわゆる「ザラザラ感」と呼ばれる微視的な光沢ムラから、いわゆる「ぼこつき感」等で表現される巨視的な光沢ムラまで、あらゆる周波数をもつ光沢ムラを定量的に評価することができる。さらに、移動ステージにより試料Sを移動させながら画像データを取得することから、抄紙機上を走行する紙についての光沢ムラに対する画像データを取得することを可能とする。
本発明の光沢ムラ評価方法で得られた周波数スペクトルにおいて、光沢ムラが存在する場合には、波長0.1mm〜100mmの間に少なくとも1つ以上のピークが存在し、より小さいムラの場合は0.1〜10mmの間に存在する。振幅のピークに対応する周波数は、光沢ムラの発生要因となる地合いムラや、塗工ムラの発生パターンの波長との相関が高く、周波数を検出することで、光沢ムラの発生要因解析が可能になる。
また、本発明の光沢ムラ評価方法で得られた周波数スペクトルにおいて、波長0.1〜100mmの間に存在する少なくとも1つ以上のピークの振幅が、いずれも140000以下であることが好ましい。140000より高い場合、光沢の振幅が大きいすなわち、ムラが非常に目立っている状態であり、好ましくない。
さらに、本発明の光沢ムラ評価方法で得られた周波数スペクトルに於いて、波長0.1〜100mmの間に少なくとも2つ以上のピークが存在した場合、低波長側の振幅より、高波長側の振幅の方が小さくなることが好ましい。周波数の大きい光沢ムラは、小さいものと比較して目視で捉えやすく、目視の光沢ムラ評価に与える影響が大きい。例え低波長側と高波長側の振幅が同程度であったとしても、高波長側の光沢ムラが目立ちやすく、低波長側の振幅より、高波長側の振幅が大きくなると、さらに光沢ムラが目立ちやすくなる。
次に、光沢ムラを引き起こす紙物性を明確にすべく、その要因の一つとして考えられる地合との関係について調査した。紙は繊維が分散して構成されていて、繊維の分散の均一性の度合いを地合と称しており、優れた地合の紙では例えば印刷適性に優れている。そこで、地合と光沢ムラとの関係を把握すべく、調査した。
地合の測定は、野村商事社製フォーメーションテスターFMT-MIII形により紙の光透過画像を取得し、地合指数(吸光度の変動係数)を測定した。明るさは平均透過率が試料の間で等しくなるよう、カメラの絞りを調整した。試料Sとして、多層抄きの原紙上に塗工層を設けた塗工白板紙を使用した。図15に示すように、多層の状態のままで測定すると共に、試料を温水に浸漬させて層間剥離させて、各層の地合指数も測定した。但し、最外層は原紙層の他に塗工層が含まれているための、原紙層のみからなる内側の層と厳密に比較することはできない。
図16に全層の地合について、各試料の地合指数と目視の評価による面感の評価結果を示してある。R値は比較的高かったことから、地合指数と面感との間に相関関係が認められたが、地合指数の低い領域では、地合指数の差が0.1以下と僅かであるにも拘わらず目視評価による面感は大きく異なっていた。
図17には、試料1〜試料5についての各層の地合指数を示している。なお、試料4ではいずれも塗工層を含む二つの層に剥離でき、他の試料1〜3、5では、中間層以外のいずれも塗工層を含む三つの層に剥離できた。試料1では中間層の地合指数が最も高かった。なお、最外層は塗工層を含んでいるため、正確な地合指数を求めることはできないので、厳密な比較を行えない。試料2では、試料1に対して中間層の地合指数が小さく、最外層でほぼ等しかった。試料3では、試料1に対して全ての層で地合指数が低かった。試料4では、各層の地合指数は試料3の最外層の地合指数とほぼ等しかった。試料5では、試料1に対し全層で地合指数が高かった。
ここで、表面層および中間層の地合指数と、目視面感に対して高い相関のあった、波長6.0mmにおける振幅を描画したグラフをそれぞれ図18と図19とに示す。表面層と中間層ともに波長6.0mmにおける振幅と高い相関を示したが、特に表面層でより高い相関を示した。
前述した光沢ムラについて評価した周波数解析で得られた波長6.0mm付近における振幅の大きさと、最外層の地合指数との間に高い相関が認められた。このことから、多層抄き製品では最外層の地合が光沢ムラに大きな影響を及ぼすことが示唆された。さらに、光沢ムラがワイヤーにおける脱水工程に起因する場合などには、ワイヤーメッシュの大きさの波長と目視の面感評価結果に相関がみられるなど、目視の光沢ムラ評価と周波数解析で得られる波長の相関関係から、光沢ムラの発生要因解析を、迅速かつ正確に行うことが可能になる。
そして、前記光沢ムラ検出装置1により抄紙機上を走行する紙について適用する場合には、従来のオンライン地合計測器と併用させることにより、紙の面感を効率的に改善できる可能性を備えている。
さらに本発明によれば、塗工紙、単層、多層抄きの塗工白板紙などの光沢ムラを評価することが出来るが、透過光での測定が困難な高坪量の塗工紙や、透過光では最表層の原紙以外の地合いのムラも拾ってしまう多層抄きの原紙を使用した塗工白板紙などにおいても、効果的に塗工層の光沢ムラの波長を検出することが出来、特に好適に使用される。
この発明に係る紙の光沢ムラ評価のための光沢ムラ検出装置と光沢ムラ評価方法によれば、移動ステージを移動させることにより、試料の巨視的な光沢ムラを定量的に評価することができるから、抄紙機上を走行する紙についてのオンラインでの光沢ムラの評価を行うための装置の開発に寄与し、抄造される紙の紙質の向上に寄与する。
1 光沢ムラ検出装置
2 光源(ライン光源)
3 ラインスキャンカメラ
3a 撮像ライン
4 移動ステージ
5 画像解析装置

Claims (6)

  1. 試料である紙に測定光を照射し、その鏡面反射光を撮像手段で捕捉して前記試料の表面画像を取得し、この表面画像について周波数解析を行って算出された波長により、前記試料の光沢ムラを定量的に評価する紙の光沢ムラ評価方法において、
    一方向に移動自在な移動ステージに載置させた前記試料の表面に、光源から前記測定光を照射し、
    前記移動ステージを移動させて載置させた試料を移動させながら、前記測定光の鏡面反射光をラインスキャンカメラで捕捉して撮像ラインにおける画像を取得し、
    前記取得された画像に対して周波数解析を行い、
    前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画し、
    前記周波数スペクトルに現れたピークにより光沢ムラの優劣を評価する事を特徴とする紙の光沢ムラ評価方法
  2. 前記光源にライン光源を用いていることを特徴とする請求項1に記載の紙の光沢ムラ評価方法。
  3. 前記ラインスキャンカメラの光軸と前記光源の光軸の方向をそれぞれ15°以上75°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の紙の光沢ムラ評価方法。
  4. 前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、少なくとも1つ以上のピークが、波長0.1〜100.0mmの間に存在することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の方法で評価された紙。
  5. 前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、波長0.1〜100.0mmの間に現れた少なくとも1つ以上のピークの振幅が、140000以下であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいすれかに記載の方法で評価された紙。
  6. 前記周波数解析により算出された波長を横軸に、振幅を縦軸にして周波数スペクトルを描画したときに、波長0.1〜100.0mmの間に現れた少なくとも2つ以上のピークのうち、長波長側の振幅が、短波長側の振幅より小さいことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の方法で評価された紙。
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