JP2016109532A - 面の評価方法および面の評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像、画像処理技術を応用して、ピストンリングなどの外周の面を他の標準的な面との関係で適切に評価できるようにする。【解決手段】評価対象の面7に光源2からの照明光8を明暗パターンのフィルタ3経由で照射することによって、面7に明および暗に対応する反射光9を発生させ、これらの反射光9をカメラ4で撮影し、カメラ4の撮影画像から明の画像輝度と暗の画像輝度との差をコントラストとして求め、事前に良好な面のコントラストよりコントラスト差(良好な面のコントラスト−面7のコントラスト)を算出し、この算出結果から式(コントラスト差<しきい値)のときに、面7を不良と評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像処理技術を利用して、各種製品の面を評価する技術に関する。
製品の面、例えばピストンリングの外周面は、研磨工程によって滑らかな研磨面として加工される。従来から、ピストンリングの外周面の検査は、目視または画像処理技術によって行われている。
例えば特許文献1は、ピストンリングの外周面の検査のために、画像処理技術を応用して行っているが、その検査は、簡易な方法でなく、複雑な処理プログラムや処理速度にも問題がある。
また、特許文献2は、自動車などの塗装面を検査対象とし、塗装面に明暗パターンを照射して、撮影画像から明暗画像の輝度差を求め、この輝度差から塗装面の凹凸の高さや深さを検出している。この塗装面の検査技術は、なだらかなうねりのある面の凹凸の検査であり、滑らかな面の評価ではない。
特開平9−257438公報 特開2004−191070公報
前記のいずれの技術も撮像、画像処理技術を利用しているが、簡易な技術ではなく、また、ピストンリングなどの外周の面、特に研磨面の評価としてそのまま応用できない。
したがって、本発明の解決課題は、画像処理技術を応用して、ピストンリングなどの製品の面、特にピストンリングの外周の研磨面を他の良好な標準の研磨面との関係で適切に評価できるようにすることである。
上記の課題のもとに、本発明は、評価対象の面に光源からの照明光を明暗パターンのフィルタ経由で照射することによって、面に明および暗に対応する反射光を発生させ、これらの反射光をカメラで撮影し、画像処理ユニットによってカメラの撮影画像から明の画像輝度と暗の画像輝度とのコントラスト差を求め、コントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値とを比較し、この比較結果から面の良否を評価している。
また、本発明は、画像処理ユニットによる比較結果から式(コントラスト差の値<しきい値)のときに、面を不良としている。
特に、本発明は、評価対象の面をピストンリングの外周の研磨面とし、画像処理ユニットによって、複数の明の画像輝度の平均値と複数の暗の画像輝度の平均値とから平均のコントラスト差を求めている。
また、本発明は、画像処理ユニットによる比較のときに、式(明の輝度値>明の下限輝度値)および(暗の輝度値<暗の上限輝度値)のうち、少なくとも何れかの比較を加重することにより、検査の安定化を図っている。
本発明によると、明の画像輝度と暗の画像輝度とのコントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値とを比較するから、評価対象の面と良品の良好な標準の面との間でコントラスト差が数値化して効率よく評価でき、適切な良否評価が可能となる。これによって、目視作業が自動化、省力化でき、しかも評価過程が従来の画像処理技術に比較して簡略化できる。
また、本発明によると、式(コントラスト差の値<しきい値)の比較に際して、しきい値が実際の良好な標準の面に応じて適切に設定できるから、誤評価が少なくなる。
特に、本発明によると、ピストンリングの外周の研磨面に応じて、平均のコントラスト差が用いられるから、不規則な明暗画像の境界やノイズなどの特異な輝度に影響されず、評価が安定し、誤評価が確実に防止できる。
また、本発明によると、式(明の輝度値>明の下限輝度値)および式(暗の輝度値<暗の上限輝度値)のうち、少なくとも何れかの比較を加重することが可能であり、式(コントラスト差の値<しきい値)が成立する時、この下限輝度、上限輝度による評価結果からしきい値の校正の必要性も予測でき、検査の安定化を図ることが可能である。
面の評価装置の光学系の正面図である。 面の評価装置においてピストンリングと明暗パターンとの位置関係の平面図である。 面の評価装置においてカメラの撮影画像の説明図である。 撮影画像の輝度変化のグラフである。
図1において、本発明に係る面の評価装置1は、光源2、フィルタ3、カメラ4および画像処理ユニット5からなり、製品、例えばピストンリング6の外周の面7を評価対象としている。面7は、研磨面であり、研磨面の評価のときに、ピストンリング6は、図示しないが適当なワークホルダに保持され、ピストンリング6の中心線を回転中心として一定の速度で回転する。
光源2は、ピストンリング6の面7に均一な照明光8を照射する。フィルタ3は、光源2と面7との間に介在し、1本または複数、例えば1本の暗いラインを面7の母線方向に形成している。このため、照明光8は、フィルタ3を透過して、面7に照射され、面7に明暗パターンを形成している。なお、面7は、凸面鏡として作用するから、照明光8による面7の明暗パターンは、円周方向に縮小した状態となっている。
図2のように、面7上の1本の暗いラインは、カメラ4の視野内において、面7の母線方向に平行な方向、つまりピストンリング6の幅方向に形成される。このように照明光8は、明暗パターンのフィルタ3を経由して、面7に照射される過程において、フィルタ3の光透過率の違いによって、フィルタ3の明の領域対応する明るい光と暗のラインに対応する暗い光とに分かれた状態となっている。
カメラ4は、例えばCCDカメラであり、ピストンリング6の面7の法線を対称軸として、光源2に対して対称位置に配置され、面7に明暗パターン、つまり明に対応する反射光9と暗に対応する反射光9とを入射し、図3のような撮影画像を撮影し、撮影画像のデータを画像処理ユニット5に送る。なお、図3の撮影画像で上、下は、カメラ4の撮影姿勢での上、下に対応しており、中央の明るい部分(灰色の部分)は、ピストンリング6の面7に相当し、中央の水平方向の暗い部分(黒い部分)は、フィルタ3の1本の暗いラインに相当し、さらに左右の上下方向の暗い部分(黒い部分)は、撮影時の背景に相当している。
画像処理ユニット5は、本発明にもとづく画像処理プログラムを内蔵しているコンピュータなどによって構成されており、図3のように、カメラ4の撮影画像からピストンリング6の面7上で暗のラインを横切る方向、つまり面7の周方向(矢印の方向)に走査し、図4のように、走査方向を横軸とし、輝度を縦軸とする輝度変化のグラフ(輝度断面)から、明の画像輝度と暗の画像輝度とのコントラスト差を求め、コントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値とを比較し、面7の研磨状態の良否を評価する。なお図4で、上、下は、図3での撮影画像の上、下に対応している。
画像処理ユニット5は、コントラスト差の値と標準の面に対応するしきい値との比較を例えば式(良好な面のコントラスト差−面7のコントラスト差)の計算からコントラスト差の値を求め、式(コントラスト差の値<しきい値)の成立のときに、面7を不良と評価し、式(コントラスト差の値<しきい値)の不成立のときに、面7を良好と評価する。このときのしきい値は、研磨状態の良好な面の標準値であり、光源2の輝度の影響を受けて変動するため、定期的に良品のピストンリング6の面7を検査し、そのときの良品の面7のコントラスト差の値から不良品を判定するための限度値として設定される。
評価対象の面7がピストンリング6の外周の研磨面であるとき、研磨面は、微細な筋によって照明光8を乱反射させ、不規則な反射光9を発生することもある。このとき、撮影画像は、明暗パターンの境界位置で明確な境界を形成せず、また明の範囲や暗の範囲でも特異な輝度値を含むことになる。このような状況のときに、必要に応じて、画像処理ユニット5は、面7の周方向(図3の矢印の方向)に複数の位置で走査し、図4のような輝度変化のグラフ(輝度断面)を複数作成し、これらの輝度変化のグラフ(輝度断面)から、複数の明の画像輝度の平均値と複数の暗の画像輝度の平均値とから平均のコントラスト差の値を求める。このような平均のコントラスト差は、不規則な境界やノイズなどの特異な輝度に影響されず、安定し、誤評価の防止に有効である。
評価対象の面7がピストンリング6の外周の研磨面であリ、研磨面に微細な筋によって不規則な反射光9が発生しているとき、不規則な反射光9の発生から、微細な筋に関しても研磨不良として評価が可能となる。微細な筋の検査の時に、画像処理ユニット5は、撮影画像の輝度グラフの複雑な変化から不規則な反射光9を認識することになるが、例えばピストンリング6の外周において面7の幅方向にいくつかのエリアに分割し、ブロック毎に分けて判定することで、研磨面に微細な筋の存在から部分的な研磨不良も検出可能となる。
平均のコントラスト差の値は、フィルタ3に複数の明暗パターン、すなわち2本以上の暗いラインによって縞状の明暗パターンを形成することによっても実現できる。この場合に、画像処理ユニット5は、複数の明の画像輝度の平均値と複数の暗の画像輝度の平均値とから平均のコントラスト差の値を求めてから、前記の式により両者を比較することになる。これによって、評価の過程で、研磨面の微細な筋による悪影響が少なくなる。フィルタ3を複数の明暗パターンとする場合は、例えばピストンリング6の外周方向の複数ラインとする。このようにすることで、ピストンリング6の外周の面7の母線方向に走査するラインセンサカメラをカメラ4として用いることが可能となり、これにより高速評価が可能となる。ただし、ラインセンサカメラによると、部分的な研磨不良が外周の全面で評価ができなくなるから、この点を考慮して実施することになる。
以上の例は、コントラスト差の値と標準のしきい値とを比較しているが、面7の評価は面7の明の輝度値と明の下限輝度値との比較、または暗の輝度値と暗の下限輝度値との比較の条件を加重することも可能である。この条件加重によって、面7は、式(明の輝度値>明の下限輝度値)、式(暗の輝度値<暗の上限輝度値)または式(明の輝度値>明の下限輝度値)・(暗の輝度値<暗の上限輝度値)の組み合わせから評価でき、これらの式の成立時に検査が正常に行われたと判定できる。式(コントラスト差の値<しきい値)が成立し、かつ上下限輝度値による評価が不成立時に、原因として光源2の光量不足であることも予測できるから、しきい値の校正時期の参考となる。
本発明は、ピストンリング6の外周の面7を評価対象として開発されたが、ピストンリング6に限定されず、各種製品の研磨面や塗装面の評価や良否の検査についても利用できる。
1 面の評価装置
2 光源
3 フィルタ
4 カメラ
5 画像処理ユニット
6 ピストンリング
7 評価対象の面
8 照明光
9 反射光

Claims (8)

  1. 評価対象の面に光源からの照明光を明暗パターンのフィルタ経由で照射することによって、面に明および暗に対応する反射光を発生させ、これらの反射光をカメラで撮影し、カメラの撮影画像から明の画像輝度と暗の画像輝度とのコントラスト差を求め、コントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値とを比較し、比較結果から面の良否を評価する、ことを特徴とする面の評価方法。
  2. 比較結果から式(コントラスト差の値<しきい値)のときに、面を不良と評価する、ことを特徴とする請求項1記載の面の評価方法。
  3. 評価対象の面をピストンリングの外周の研磨面とし、複数の明の画像輝度の平均値と複数の暗の画像輝度の平均値とから平均のコントラスト差を求める、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の面の評価方法。
  4. 比較のときに、式(明の輝度値>明の下限輝度値)および式(暗の輝度値<暗の上限輝度値)のうち、少なくとも何れかの比較を加重することが可能である、ことを特徴とする請求項1記載の面の評価方法。
  5. 評価対象の面に照明光を照射する光源と、光源と面との間に介在する明暗パターンのフィルタと、フィルタ経由で面に照射される照射光による明および暗に対応する反射光を撮影するカメラと、カメラの撮影画像から明の画像輝度と暗の画像輝度とのコントラスト差を求め、コントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値との比較結果から、面の良否を評価する画像処理ユニットとを有する、ことを特徴とする面の評価装置。
  6. コントラスト差の値と良好な標準の面に対応するしきい値との比較を画像処理ユニットにより行い、比較結果から式(コントラスト差の値<しきい値)のときに、面を不良と評価する、ことを特徴とする請求項5記載の面の評価装置。
  7. 評価対象の面をピストンリングの外周の研磨面とし、複数の明の画像輝度の平均値と複数の暗の画像輝度の平均値とから画像処理ユニットによって平均のコントラスト差を求める、ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の面の評価装置。
  8. 画像処理ユニットによる比較のときに、式(明の輝度値>明の下限輝度値)および式(暗の輝度値<暗の上限輝度値)のうち、少なくとも何れかの比較を加重することが可能である、ことを特徴とする請求項5記載の面の評価装置。
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