JP2016074395A - 潮流発電に用いる海底基礎と係留索 - Google Patents

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Abstract

【課題】係留型の潮流発電船は、発電時に潮流より受ける大きな推力を係留索に受けて船体は沈み込み、その反力として海底の基礎に大きな引き上げ力が加わるが、そのような負荷条件に好適な海底基礎の技術を提供する。【解決手段】小負荷の場合には係留索4の伸びる方向に直角になるように海底に杭を設け、大負荷の場合は海底に基礎構造体を埋設する海底基礎を設け、共に係留索上の発電船6の近くに中継ブイ5を設けて、操業時には中継ブイ5に発電船6側の係留索を連結し、サイトから発電船6が離れる場合には中継ブイ5から自船の係留索を解放し、中継ブイ5は海上に浮上する係留方式を提供する。この運営方式により、埋設型海底基礎建設時以外には海中での作業は一切なくなり、通常運営時に必要な作業は全て海上で行うことができ、潮流発電開発を加速させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、黒潮などの潮流(海流)の持つ流体の運動エネルギーを水力タービン等により回転エネルギーとなし、発電機により電気エネルギーへと変換する潮流発電施設に関する。
潮流発電施設は潮流のどの位置に置くかによって、海底固定型、海中支持型、係留型に分類できる。係留型は海底に設けた海底基礎に発する係留索に発電施設を係留し、潮流の運動エネルギーを電力に変換するが、この過程で潮流から受ける巨大な推力を係留索を介して海底基礎で受け止め、発電施設を潮流に対して一定位置に拘束する方式である。
係留型にも、海面と海底の中間的位置に施設の位置を保つ浮遊型(潜水発電船と呼ぶ場合もある)と、海面に船舶のように浮上させて施設の位置を保つ発電船型がある。本発明は主に発電船型の潮流発電施設に関する。
特開2004−068638号公報 特願2013−273778
共同研究「海流発電の研究」報告書 海洋科学技術センター 東京電力株式会社 1981年9月 再生可能エネルギー技術白書 第2版 第6章 海洋エネルギー 新エネルギー・産業技術総合開発機構 2013年12月
黒潮は平均的に海面から水深200m付近までに強流帯を有する表層流である。黒潮発電は海面から始めてある深度までの潮流を対象にする必要がある。黒潮では、多くの場合、海底付近には強流帯が及ばず、海底に近い場所に設置する海底固定型は適用できない。海底までの深度が浅い海域では海中支持型もありうるが、海面から海底までの距離が300m以上もある深い海域で作動できる方式は係留型にならざるをえない。
係留型は海底基礎と係留索を必要とするが、どのようにそれらを建設し運営するかについて、信頼できる技術はまだ完成していない。
本発明が解決せんとする第一の課題は、どのような海底基礎方式が適切であるかを示す事である。
第二の課題は、潮流発電船は時に応じて係留索から離れて、基地に戻って補給や整備を受けることがあり、その時の海底基礎と係留索と発電船の役割の相互関係をどのように構成することが実用上有効かを見極め、その解決手段を提供することである。
第一の課題を解決する手段について説明する。黒潮の場合、流速2.5m/sが期待できるサイト候補地は多数存在する。2.5m/sの潮流から総合効率0.5で電力を得る場合の1平方m当たりの発電量は約4kW、潮流から受ける推力は約0.16トン重である。電力以外の流体損失も考慮して、この推力を仮に0.2トン重と置こう。
幅100m、深さ200mの発電開口面積の場合、2万平方m当たりで8万kWの出力となり、推力は4000トン重となる。係留索の海面に対する角度が30度の時、係留索の張力は4480トン重、船体に負荷される力の垂直成分は2000トン重となる。
問題はこの垂直成分2000トン重である。これは潮流発電船を下方に向かって沈める力であるが、その反力は海底基礎を上方に引き上げる引張力となる。
これまでの土木建築業界では、基礎とは上から地球に向かって加わる加重を受け止めるものであった。ところが係留型潮流発電施設では、上方へ向かって大きな引張力が負荷されるのである。ここでは従来の基礎構造の常識は通じない。最悪の場合、海底基礎が上方に向かって引き抜かれる可能性がある。
本発明はこれに対して、二つの解決手段を提供する。一つは、海底が硬質の岩盤であって杭が有効である場合、係留索の伸びる方向に対して直角、もしくは若干少ない角度に掘削して杭を埋め込むのである。この幾何学的配置は係留索の引張力が杭に一切引き抜き方向の力を加えることがないので、杭が岩盤から引き抜かれる心配がない。これが第一の課題に対する第一の解決手段である。
もう一つの解決手段は、海底をある深さで広く掘削して広場のような場所を造成し、この広場一杯に水平方向に広がった基礎構造体を置き、掘削した岩石をその上に戻して基礎構造体を埋設し、上方へ引き上げる力に対して岩石を加えた自重で対抗する方式である。これが第一の課題に対する第二の解決手段である。
第二の課題を解決する手段について説明する。発電船は海底基礎に係留されるが、何時までもその位置に止まる訳ではない。時々は港に寄港したり、ドック入りして必要な補給と整備を受けなければ、長期間に亘って使用し続けることができない。その時には、埋設した海底基礎は現地に残さざるを得ない。
本発明が提供する解決手段では、係留索の大部分を残留させ、その先端部に無負荷時に係留索を吊り上げて浮上できるだけの浮力を有する中継ブイを設ける。
発電船は海底基礎から離れる際は、一旦中継ブイに近づいて係留索に引張力を加えない状態を作り、運転時に海底基礎と発電船の間で直線状になった係留索の一部として海中に沈潜していた中継ブイを引張力から解放して、自分の浮力で海面に浮かせる。次いで中継ブイに属する連結装置から自船に属する係留索の先端部連結装置を解放してサイトを離れる必要な補給と整備を受けた発電船は航行してサイトの位置に戻り、海面に漂う中継ブイに近づいて自船の係留索の先端部連結装置を中継ブイに付属する海底基礎側の連結装置に連結して任務を再開する。この運営方式では、全ての作業が海上で行えるように整えられており、確実に効率よく全ての作業を進めることができる。以上が第二の課題に対する解決手段である。
本発明は、係留型発電船を海底基礎に係留するための海底基礎は、地上での建築物・工作物と異なり、上方へ向かう巨大な引張力を受けるため、その負荷に耐える機能を実現する技術を提供する。
また、そのような海底基礎に発する係留索の端末に中継ブイを設けて、発電船がその係留索から離脱する場合や、復帰する場合に必要となる作業の一切を海上で行える技術を提供する。これら技術の適用により、発電船型の係留型潮流発電の実用化を促進することができる。
一本杭方式の海底基礎と係留索と中継ブイと発電船の相互関係を説明する図である。 (実施例1) 埋設型海底基礎の概念図である。 (実施例2) 複数本杭方式の潜水艦型海底基礎の側面概念図である。 (実施例3) 複数本杭方式の潜水艦型海底基礎の背面概念図である。 (実施例3) 筏型中継ブイの図6のA−A断面概念図である。 (実施例4) 筏型中継ブイの図5のB−B断面概念図である。 (実施例4) 海生生物の付着を防止する係留索の概念図である。 (実施例5)
図1は本発明を構成する要素と、それらの幾何学的関係を示した概念図である。図1には「発電船6が発電モードで係留索に大きな引張力が負荷されている場合」(以下、「発電モード」と呼ぶ)と、「発電船6がここを去って、係留索4に引張力が負荷されていない場合」(以下、「無負荷モード」と呼ぶ)とが、同時に描き込まれている。
最初に発電モードについて説明する。発電船6は「特許文献2」に引用されている特許願「発明の名称:多胴船型潮流発電施設」記載の発電船であり、この発明に特徴的な発電パネル8,船体の中心より潮流に対して後方に位置する係留点9などが見られる。係留点9は船体の左右に位置し、そこに発する2本の発電船に属する係留索7は先端部の連結装置で一つにまとめられて、海中にある中継ブイ5に属する連結装置に連結される。中継ブイ5は海底基礎に属する係留索4と接続している。発電モードにある発電船6よりの引張力が負荷されると、海底基礎の連結装置3、海底基礎に属する係留索4、中継ブイ5、2本の発電船に属する係留索7,係留点9を横から見ると、ほぼ一直線に張りつめる。
次に無負荷モードについて説明する。発電船6が係留索7の先端部の接続装置を中継ブイ5に属する連結装置から解放して、この発電サイトを去って係留索4が無負荷モードになると、大きな浮力を持つ中継ブイ5は海面に浮上して係留索4は懸垂曲線と呼ばれる幾何学的形状になる。浮上した中継ブイ5は、付近を航行する船舶に対する標識となり、発電船6が来航して発電船に属する係留索7を中継ブイ5に連結する作業の際の標識であり、作業基地ともなる。この「実施例1」は「特許請求範囲」の「請求項1」に相当する。
図1では、海底基礎は一本杭方式である場合を描いた。前出試算例では係留索の海面に対する角度が30度の時、係留索の張力は4480トン重、船体に負荷される力の垂直成分は2000トン重となった。このような本格的な大出力発電船を係留する場合は、一本杭方式で機能を果たすことは困難であり、より強固な海底基礎が必要となる。
図2は大出力発電船に好適な埋設型海底基礎の概念図である。最初に海底を所定の深さと広さに掘削して掘り込み空間を造成する。これは数百m以上の海底の高水圧下で行う現在はあまり経験がない難工事である。掘り込み空間が完成したら、その中に、上方に係留索4の一端を係留する連結装置3を有し、下方に前述掘り込み空間に適合する広さと機械的強度を有する基礎構造体10を沈設する。その上に前述掘削作業で得た排出岩石を埋め戻し、必要あればセメント等を流し込んで全体を一体化する。埋め戻し岩石11の重さが基礎構造体10に加わることにより、この海底基礎は極めて強固な係留索の係留点として機能できる。
このような海底基礎は一旦設置したら、発電船や係留索の機械的寿命や技術的寿命を超えて、潮流発電船方式が有効な限り、数百年間に亘って利用可能な一種の社会的インフラになり続けることができる。従って、将来の技術的変化も見据えて、耐久性や汎用性が高く、改造も可能な連結装置等を備えることが求められるであろう。以上の「実施例2」は「特許請求範囲」の「請求項3」に相当する。
黒潮の場合、四国から千葉の沖にかけて非大蛇行接岸流路、非大蛇行離岸流路、大蛇行流路といった大別して三種類の流路があって、最も潮流発電に適した海域は数年単位で変化するという特殊事情がある。潮流発電の本格利用期になれば、埋設海底基礎を各地に設けておき、最適流路を求めて発電船は移動するといった利用法が可能である。
だが、開発初期の段階では、埋設型海底基礎建設の技術的困難さと費用を考えると、そのような贅沢な方式は採用できない。
発電船方式が自然エネルギー利用の支柱の一つと認められるまでには、小型の実験船による設計基礎データの蒐集、中型の実証試験船による海洋環境からの課題発掘とその解決方法の開発を経て、始めて大型潮流発電船の実用化に至るのであろう。
実験船や実証試験船の段階では、潮流のいろんな場所で、基礎的データの蒐集を行わなくてはならない。小型の実験船なら、碇を海底の岩石に引っかける古典的で実績ある係船方法が利用できよう。
それより遙かに発電出力が大きく、従って潮流から受ける推力が大きい実証試験船になると、碇では対応できない大きな係留能力を要求されるであろう。このためには、実証試験船等に対する費用比率がやや大きくなっても、選んだ対象場所の上まで自力で航行し、指令に従って潜航して目的地に着地し、海底を掘削して基礎杭を挿入して海底基礎となり、そこでの研究作業を終えたら基礎杭を抜き取って回収し、浮上して次の地域に移動できる無人操作の移動型海底基礎が利用できることが望ましい。
図3及び図4は、そのような機能を有する移動型海底基礎の概念図である。ここでは移動型海底基礎本体12は筏のような形状をしている。図3では片側3本描かれている掘削杭13は海底2に着地した時は移動型海底基礎本体12に固定された保持スリーヴ14により上方に引き上げられている。掘削杭13の外周は頑丈な鋼管で、その内部に先端に掘削ヘッドを有し、その後に掘削した岩石を上方に運び上げて外部に排出する回転するアルキメデス螺旋を施した回転軸を有し、その回転軸は駆動モータ15により駆動される。掘削杭13は掘削の進行に伴って、保持スリーヴ14により下方へ繰り出され、図3の位置に至れば停止する。掘削杭13は海底2の岩盤に僅かなギャップを設けて挿入された状態で、海底基礎としての役割を果たす。
移動型海底基礎はいろんな水深の場所で用いられるために、連結装置3には係留索4の長さを適切に調整するための巻き取りリールが必要である。係留索4の他端には、中継ブイ5を設け、中継ブイ5の連結装置により発電船6に発する2本の発電船に属する係留索7の先端にある連結装置を連結或いは解放する。
移動型海底基礎本体12がこの場所を離れる場合の動きを説明する。発電船6は発電パネル8を船内の海上に引き上げて、係留索4には発電船6からの引張力が負荷されない状態を作る。次に保持スリーヴ14内の軸方向駆動機構により、掘削杭13を海底2の岩盤より引き抜く。
万一、引き抜きに失敗した非常事態では、当該掘削杭13とその保持スリーヴ14を切り離して海底に残したまま、移動型海底基礎本体12は浮上する。図4で保持スリーヴ14が移動型海底基礎本体12に取り付けられた位置に若干のテーパがついているのは、保持スリーヴ14を残留させても移動型海底基礎本体12は浮上できるためである。このようなテーパを設けることにより、上方への引き抜き力に抵抗できる効果もある。
なお、移動型海底基礎を製作するために必要となる二三の技術的要素について付記する。移動型海底基礎本体12を沈降・浮上させるための浮力調整は、本体内に多数設けられた圧力隔室内の海水を注入、或いは高圧ポンプで排出することで行う。潜水艦で一般的な圧縮空気による急速排水方式とは異なるが、浮上に敏速性を求められていない移動型海底基礎であれば、このような構成要素が少なく、信頼性が高い方式が採用可能である。
移動は一般の船舶同様、前後進は推進器16で、位置調整等の動きはスラスタ17で行う。駆動エネルギーは基本的に電力であり、発電船から供給するか、移動型海底基礎本体12内のタンクから得た水素と酸素を用いて燃料電池より得る。
なお、この移動型海底基礎が好適な場所に設置されるためには、事前に有人あるいは無人の海底探査艇によって当該海域の海底の地形と地質を入念に調査した上で適地を選定し、位置を決定したら、その位置に特定のコード信号を発信する標識音波発信器等を潮流に流されないように固定して残留する。移動型海底基礎はそのコード信号を頼りに設置の位置と方位を割り出して正確に着地するように作業工程を構成する。以上の「実施例3」は「特許請求範囲」の「請求項4」に相当する。
中継ブイの具体的イメージを得るために、一つの設計例を示そう。中継ブイに求められている機能は、「海底基礎に属する係留索と、発電船に属する係留索の連結の容易な(自動化された)着脱が可能」「浮上時に作業・点検のため乗り込めること」「発電モード潜航時の流体抵抗が小さく、姿勢安定性が高いこと」等である。
図5、図6はそれらの要求事項を満たすべく設計された筏型の中継ブイ5である。図5は図6のA−A断面、図6は図5のB−B断面の関係にある。右下がり斜線を施した断面はフロート部であることを示した。フロート部は中空、もしくは発泡樹脂材を充填してなる。図5、図6は無負荷モード時に中継ブイ5が海面1に浮上しており、海底基礎に属する係留索4とそれに繋がる海底基礎に属する連結レバー20と、発電船に属する係留索7とそれに繋がる発電船に属する連結レバー24は何れも中継ブイ5に対して懸垂状態になっている。これら2本の連結レバーを中継レバー23が連結している。
この設計プランでは、中継レバー23は海底基礎に属する連結レバー20に常時ピン結合され、海底基礎側と発電船側の係留索の着脱は、発電船に属する連結レバー24のピンに、中継レバー23を着脱することにより行うとしよう。小型の実験船でもない限り、この作業を人力で行うことは難しい。各種の解決法が考えられるが、最も単純で確実なのは、安全ベルトに用いられている安全フックの機構である。連結レバー20が波浪で動揺しないように拘束機構で拘束し、中継レバー23を斜めに持ち上げ、その下に同じく拘束された連結レバー24を持ってきて、中継レバー23を水平に下ろしてラッチを潜らせて中継レバー23のフック空間に入れ、連結レバー24を図5の左側に少し移動させるとラッチがバネ作用によりロック位置に戻り、連結レバー24のピンは中継レバー23のフック空間から外れることがなくなる。この方式はワンタッチ動作で連結と解放が行え、自動化も容易である。以上は一つの可能性を示したもので、現実には所定の機能を実現するための多数の設計プランがあり得る。
図5では中継ブイ5の浮力中心より遙か下方に、中継ブイ5と海底基礎に属する係留索4との機械的接続点の連結ピン21の位置が設けられおり、この機械的位置関係により、中継ブイ5は発電モードで引張力が負荷されて海中に潜航する状態での姿勢の復元性能が極めて高く保たれている。また、潮流に対して前方に前方フロート18を置き、後方の両側に垂直フィン状の舷側をなす側面フロート19を設け、中央部を薄くして前方フロート18の後続流が溝の中を流れるような外形にしたのは、水中における中継ブイの姿勢安定性を高める目的のためである。中継ブイ5の外観形状については、これ以外にも多数の設計プランが可能だが、その何れも中継ブイ5が潮流の中で静止状態を保ち、貴重な係留索に捻り、折り曲げ等の力を加えることがないよう、細心の注意を払いたい。以上の「実施例4」は「特許請求範囲」の「請求項5」に相当する。
潮流発電船の係留索には、常時、引張力のみが負荷され、曲げ応力や圧縮応力が負荷されることが少ないため、軽量であり、引張強度が極めて高い炭素繊維ケーブルは好適な素材である。炭素繊維ケーブルは海底の岩の角等からの打撲、引っかけ等の機械的破壊力に対して脆弱であるため、これを防御するための保護外装が必要である。充分な機械的強度を有し、かつ、海生生物の付着等の海中の環境汚損から守るための素材としてチタンが好適である。
ある研究報告で、チタン箔に1〜1.2V程度の負電圧を印加して表面に酸素イオンを微量発生させることにより、効果的にフジツボやワカメ等の海生生物の付着を防ぐことができたと紹介されていた。
図7はそのような仕様を満たすことができる係留索の構造である。図7の中心線より上方は断面図とし、下方は係留索の外観としている。潮流発電船の引張力を負担する炭素繊維ケーブル26の上に絶縁体27が施されており、その上を重ね捲きされたチタンが表面を被うテープ状保護外装28が被っている。テープ状の保護外装28の一部が破損・切断しても全体がほどけてしまわないように、テープの幅方向の一方の端を接着、溶接等の方法で一体化して保護外装の耐久性を高める必要がある。また、このような保護外装構造は、保護外装の厚みを充分にとりながら、係留索の曲げに対する剛性を下げることができ、係留索を格納するリールの直径を抑える効果がある。
炭素繊維ケーブル26から電気的に絶縁された状態にある保護外装28には、中継ブイが持つ潮流発電機より電力を供給された海生生物付着防止電源から所定の電圧を供給する。連続的な直流電流印加は、長期的には係留索本体や連結装置等の金属に対する電蝕の副作用もありうるので、慎重な実用条件の割り出しが求められる。
数百〜数千kW級の潮流発電実験・実証船から、数万〜数十万kW級の大出力潮流発電船は、発電船を潮流に対して一定の位置を保つように係留する係留索と、その係留索を海底に拘束する海底基礎を必要とする。本発明は現在技術の応用で実行可能な海底基礎の構造を提供し、かつ、潮流発電船が海底基礎に発する係留索を離れなければならない場合に、中継ブイを用いることで係留索と潮流発電船の役割分担の関係を合理的に構成することで、海中での作業を極力減らすことができ、海中作業の困難さが阻んでいる潮流エネルギー利用への実用化促進を可能にする運用方式を提供する。
1 海面
2 海底
3 海底基礎の連結装置
4 海底基礎に属する係留索
5 中継ブイ
6 発電船
7 発電船に属する係留索
8 発電パネル
9 発電船の係留点
10 基礎構造体
11 埋め戻し岩石
12 移動型海底基礎本体
13 掘削杭
14 保持スリーヴ
15 駆動モータ
16 推進機
17 スラスタ
18 前方フロート
19 側面フロート
20 海底基礎に属する連結レバー
21 連結ピン
22 連結ピン支持体
23 中継レバー
24 発電船に属する連結レバー
25 負荷時に係留索がとる位置
26 炭素繊維ケーブル
27 絶縁体
28 保護外装

Claims (7)

  1. 上方への引張力とその2倍前後の横方向への引張力に抗する能力を有する海底に設置された海底基礎と、前述海底基礎に一端を係留する数百mから数千mの長さの係留索と、前述係留索の他端に設けた前述係留索の自重に抗して海面に浮上して位置を知らせる浮力を有する中継ブイの三要素よりなり、前述中継ブイの連結装置と潮流発電船より発する係留索の先端部に設けられた連結装置は着脱可能に連結できるようになっており、連結状態で前述潮流発電船を潮流に対して一定の位置を維持できるように係留する海底基礎・係留索方式。
  2. 前述中継ブイの連結装置に潮流発電船を係留して前述係留索に引張力が負荷されて直線に近い形状に係留索が伸びた状態で、前述係留索となす角度が直角か、それより若干少ない角度となるように、海底に一本または複数本の杭を設置し、一本杭の場合は杭の上端に前述係留索を連結する連結装置を設け、複数本杭の場合はこれらの杭を力学的に一体化させる構造体に前述係留索を連結する連結装置を設ける杭型の海底基礎を有する請求項1に記載の海底基礎・係留索方式。
  3. 海底を所定の深さと広さに掘削して掘り込み空間を造成し、上方に前述係留索の一端を係留する連結装置を有し下方に前述掘り込み空間に適合する広さと強度を有する基礎構造体を前述掘り込み空間の内部に設置し、その上に前述掘削作業で得た排出岩石を埋め戻して固定し、前述埋め戻し固定岩石の重さが加わることにより、前述潮流発電船より負荷される前述上方への引張力と、同じく前述横方向への引張力に抗する能力を持つ埋設型の海底基礎を有する請求項1に記載の海底基礎・係留索方式。
  4. 外部からの指令に基づき自律的に海上航行及び海中潜航ができ、海底基礎の設置予定地に接近したら好適な位置と方位を割り出して着地し、舷側に装備された保持スリーヴにより掘削杭を繰り出しながら掘削杭上部先端に設けられた駆動モータにより前述掘削杭の内部で回転するアルキメデス螺旋とその下部先端に設けられた掘削ヘッドを回転させて海底の岩盤を掘削し、その岩石の掘削屑を前述アルキメデス螺旋の働きで前述掘削杭の内部を上方まで運び上げて外部に排出しつつ掘り進み、所定の深さまで掘削したら停止するようにしてなる請求項2に記載の複数本杭型の海底基礎。
  5. 潮流発電船がこのサイトから離脱、または帰着するために前述中継ブイに接近して係留索が無負荷となって前述中継ブイが海面に浮上した状態で、海底基礎に属する係留索と前述潮流発電船に属する係留索の連結或いは解放をワンタッチ動作で行うことができ、前述中継ブイ上は必要あれば前述潮流発電船の乗務員が乗り込んで前述連結作業の立会・点検を行えるプラットフォームとなり、前述潮流発電船が発電中は大きな引張力が負荷されるために係留索が直線状となって前述中継ブイが潜航状態となった場合は、潮流に対する姿勢安定性を高く保って係留索に捻り、折り曲げ等の力を加えないように構成された前述中継ブイを有する請求項1に記載の海底基礎・係留索方式。
  6. 海底基礎と潮流発電船間の引張力を負担する炭素繊維ケーブルと、その上に設けられた絶縁体と、更にその上に設けられたチタン板、チタンクラッド鋼板等の表面がチタンである保護外装を有し、前述保護外装の表面処理等の機械的手段であるか、或いは前述保護外装に低圧の直流負電圧或いは負電位単極性または正負電位双極性のパルス電圧を中継ブイに設けられた潮流発電機により電力を供給された電源より印加する電気的手段であるかの何れかにより、フジツボ、ワカメ等の海生付着生物の付着を防止するようにしてなる係留索を有する請求項1に記載の海底基礎・係留索方式。
  7. 潮流発電船が不在で、中継ブイが浮上した時の無防備状態での事故や破壊の原因を解明できるだけの情報を基地に連絡するためのレーダー、視覚センサー、音波センサー等を備え、その情報を適宜送信できる無線通信装置を備え、更に請求項6に記載の係留索の内部に前述中継ブイから海底基礎に至る光ファイバーを設け、常時は必要あれば中継ブイを介しての海底基礎との情報交換等に使用し、万一、係留索が切断したような場合は、光ファイバーの残存部の長さを光信号の往復時間で計測して切断位置を測定したデータと、切断事故のために漂流状態にある現在位置をGPSより割り出して前述無線通信装置から基地に送信するようにしてなる中継ブイを有する請求項1に記載の海底基礎・係留索方式。
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