JP2016072802A - 音・振動検出センサ - Google Patents

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京子 西原
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Abstract

【課題】長時間胎動記録法に供することができるような高感度のセンサを提供することを課題とする。
【解決手段】電極20に、開口率が10%以下になるように小径の貫通穴27を多数設ける。
【効果】微細な貫通穴を電極の電極に設けた。電極を音響が透過するような現象が起こり、エレクトレット膜のみが空中に浮いているようになる。すると、エレクトレット膜が大きく振動する。結果、従来の静電型マイクロフォンに比較して15dB程度感度を高めることができた。
【選択図】図2

Description

本発明は、音と振動の少なくとも一方を静電容量の変化に基づいて検出する音・振動検出センサ、詳しくは、電極部分に半永久的に電荷を保持するエレクトレット膜を配置した、いわゆるECM(エレクトレットコンデンサーマイクロフォン)型のセンサであって、エレクトレット膜を振動させ、且つ振動膜に錘を取付けて振動膜を加速するように意図したセンサに関する。
現在の周産期医療の臨床検査は、超音波断層法と超音波ドプラー法による胎動心拍数図法(あるいは分娩監装置法)という2つの方法で胎児の健康状態を診断している。健康の指標としては、心拍数や胎動を検討している。これらの方法は、超音波を使用しているために、胎児の発達を考え、通常短時間記録しか行わない。周産期死亡率が下がったといっても、0.2%の子宮内胎児死亡は、依然と存在するし、原因も不明である。そして、上記2つの方法では、記録が短時間であるために、胎児の神経学的発達が不解明のために、分娩環境が良くなった現在においても一向に脳性麻痺の出現率が減少しない。これらの問題を解決するためには、超音波法でなく、完全非侵襲で、長時間記録でき、胎児の健康状態が把握できる、胎動(胎児の体動)を記録することが望まれている。
胎動は、振動信号である。非侵襲のために母親の腹部から胎動信号を記録しなければならないので、高感度のマイクロフォンで長時間胎動記録する方法の試みがなされている。この場合、胎児への影響と、機器の価格の面とから、いわゆる、コンデンサーマイク(静電型マイクロフォン)が採用される。
静電型マイクロフォンには、各種の構造の物が実用に知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
図15は従来の静電型マイクロフォンの基本構成を説明する図であり、静電型マイクロフォン100では、金属製の筐体101に、テーパー付きリング102が収納され、テーパー付きリング102の形成されているテーパー103に振動膜104が下から当てられ、この振動膜104が突き上げリング105で抑えられ、この突き上げリング105がリングナット106で押し上げられる。このリングナット106のねじ込み量を調節することで、振動膜104の張力が調節できる。
突き上げリング105にナット形状のガラス製保持具107がねじ込まれ、このガラス製保持具107に背極と呼ばれる電極108が載せられ、止めねじ状の端子109で固定される。電極108の上面にはエレクトレット膜111が貼られている。
振動膜104とエレクトレット膜111との間に僅かなギャップが設定されており、振動膜104が振動すると、振動膜104とエレクトレット膜111との間の静電容量が変化する。この電気情報を端子109から取り出す。
このような構造の静電型マイクロフォン100を、胎動記録法に供したところ、不適当であることが判明した。すなわち、電気信号が低レベルであるため、検査・診断に必要な十分なS/N比が得られないことである。更に、この低レベルの信号に、胎動と母体の心音・体動が含まれ、更に血流音が加わっている。胎動信号を分離するには、電気信号のレベルを十分に高め、結果的に良好なS/N比を確保する必要がある。
したがって、以上のような背景から胎動記録法に供することができるような高感度のセンサが望まれる。
実用新案登録第2514204号公報
本発明は、胎動の長時間記録法に供することができるような高感度のセンサを提供することを課題とする
請求項1に係る発明は、筐体と、この筐体の内壁から延びる電気絶縁材と、この電気絶縁材で支持される電極と、この電極に取付けられたエレクトレット膜とを備え、
音と振動の少なくとも一方を静電容量の変化に基づいて検出する音・振動検出センサであって、
前記電極には、貫通穴が設けられており、
この貫通穴は、0.01mm〜2.0mmの穴径で、単位面積当たりの前記貫通穴の開口面積の総和を前記単位面積で除して得られる開口率が20%を超えないように穴数が決められており、
前記エレクトレット膜は、膜厚が1.0μm〜20μmであって、前記貫通穴の一端を塞ぐように且つ周縁部のみが前記電極に接着固定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、筐体と、この筐体の内壁から延びる電気絶縁材と、この電気絶縁材で支持される電極と、この電極に取付けられたエレクトレット膜とを備え、
音と振動の少なくとも一方を静電容量の変化に基づいて検出する音・振動検出センサであって、
前記電極には、貫通穴が設けられており、
この貫通穴は、0.01mm〜2.0mmの穴径で、単位面積当たりの前記貫通穴の開口面積の総和を前記単位面積で除して得られる開口率が20%を超えないように穴数が決められており、
前記エレクトレット膜は、膜厚が1.0μm〜20μmであって、前記貫通穴の一端を塞ぐように且つ前記貫通穴を除く部位にて前記電極に接着固定されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、エレクトレット膜に平行に配置する振動膜を備え、この振動膜の中心付近に点状又は島状の錘を備えていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、請求項1〜3のいずれか1項記載の音・振動検出センサは、妊婦の腹部に当てて胎動を検出する振動センサであることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、電極に、微細な貫通穴を設けた。詳しくは詳細な説明の項で説明するが、電極を音響が透過するような現象が起こり、エレクトレット膜のみが空中に浮いているようになる。さらには、エレクトレット膜は、周縁部が傘部に固定されている。周辺固定、中央自由であるため、エレクトレット膜は、大きく振れる。結果、従来の静電型マイクロフォンに比較して25dB程度感度を高めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1と同様に、電極に、微細な貫通穴を設けた。電極を音響が透過するような現象が起こり、エレクトレット膜のみが空中に浮いているようになる。さらには、エレクトレット膜は貫通穴に対応する部位が、拘束されていないため、大いに振れる。結果、従来の静電型マイクロフォンに比較して15dB程度感度を高めることができる。
請求項3に係る発明では、エレクトレット膜に平行に配置する振動膜を備え、この振動膜の中心付近に点状又は島状の錘を備えた。点又は島であれば、振動膜の曲げ剛性を高めることはなく、振動膜の共振周波数を下げる役割を果たし、エレクトレット膜の振動と錬成して、出力を高める。
請求項4に係る発明では音・振動検出センサは、妊婦の腹部に当てて胎動を検出する胎動センサである。音・振動検出センサは、従来の静電型マイクロフォンに比較して15dB〜25dB程度感度を高めることができるため、胎動信号を分離することができる。すなわち、長時間胎動記録法に供することができるような高感度の胎動センサが提供される。
本発明に係る音・振動検出センサの断面図である。 図1の要部拡大図である。 図2の3−3矢視図である。 図3の4部拡大図である。 検証装置の原理図である。 検証で得た音響曲線図である。 貫通穴の径と音響透過率の相関を調べたグラフである。 音・振動検出センサの原理図である。 音・振動検出センサの作用図である。 音・振動検出センサの変更例を示す図である。 錘の変更例を説明する図である。 接着層の変更例を説明する分解図である。 変更例に係る音・振動検出センサの要部断面図である。 図13の14部拡大図である。 従来の静電型マイクロフォンの基本構成を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1に示すように、音・振動検出センサ10は、円筒状の筐体11と、この筐体11の内壁から延びるガラス製の電気絶縁材12と、この電気絶縁材12で支持される電極20と、この電極20に取付けられたエレクトレット膜14とを備えている。なお、電気絶縁材12は、単に絶縁材と呼ばれるが、振動を緩和する振動絶縁材、伝熱を抑制する熱絶縁材、音を遮断する音響絶縁材と区別するために、電気絶縁材と呼ぶ。
筒状の筐体11の内径は、10〜30mmである。
さらに、筐体11の一端が振動膜15で塞がれ、好ましくはこの振動膜15に質量増加のための錘16が付設されている。その上で、振動膜15等を覆う保護キャップ17が筐体11に取付けられている。
振動膜15は、厚さが10μm程度の金属(例えばチタン、ステンレス)膜である。
錘16は、タングステンが好適である。タングステンの比重は19.3であり、鉛の比重が11.4であるから、タングステンは十分に重く、質量増加材料として適している。その他、高価ではあるが比重が19.3である金や、比重が21.5である白金も使用可能である。
電極20は、単なる柱や筒であってもよいが、好ましくは、電気絶縁材12で支えられる柱部21と、この柱部21の一端に一体形成される傘部22とで構成する。柱部21の下部に端子23が取付けられ、この端子23にプリント基板24が取付けられ、このプリント基板24からケーブル25が延びている。筐体11の下端にエンドキャップ26が取付けられ、防塵が図られる。
図1の要部拡大図である図2に示すように、電極20は、電気絶縁材(図1、符号12)で支持される柱部21と、この柱部21の一端から柱部の軸直角方向へ広がる傘部22とからなり、この傘部22に、柱部21の軸に平行又は略平行に延びる多数の貫通穴27が設けられている。
そして、傘部22は、エレクトレット膜14が取付けられる辺が底辺であるところの二等辺三角形断面を呈している。柱部21から傘部22に向かって徐々に断面積が拡大するため、エレクトレット膜14の外径が大きくなる。大きな径のエレクトレット膜14は接着層28で支持され、上下に大きく振動する。
エレクトレット膜14は、厚さが1.0μm〜20μmの四フッ化エチレン六フッ化プロピレンの共重合体(FEPと略称される。)である。音を検出する場合は数μm、振動を検出する場合は10〜〜20μmとすることが推奨される。
図3に示すように、傘部22の縁に接着層28が形成される。そして、傘部22には多数の貫通穴27が設けられている。
図4は拡大図であり、貫通穴27などが10倍に拡大されている。
図4に示すように、貫通穴27の穴径がdであり、貫通穴27と隣の貫通穴27のピッチがPであり、縦の長さがaで横の長さがaであるエリア29に、n個の貫通穴27が設けられている。
開口率は、単位面積当たりの貫通穴の開口面積の総和を、単位面積で除して得られる。これを図面の表記に合わせると、開口率(%)は、100×(n×πd2/4)/a2で算出される。
例えば、n=9個、d=1mm、P=3.1mm、a=9.3mmであれば、100×(9×π×12)/9.32=8.2の計算により、開口率は約8%となる。
従来は、図1を参照すれば、振動膜15に対し、電極部分を帯電させるため電圧をかけるか、エレクトレット膜14を貼りこれに事前に電圧をかけ半永久的に(外部電源無しで)半永久的に帯電させる。エレクトレット膜14は、極めて薄いFEP膜であるため、いわゆる“腰が弱い”。そのため、電極20の全面でエレクトレット膜14を支持する構造が採用される。この観点から、大きな径の貫通穴を設けることや、開口率を高めることには抵抗がある。
本発明では、上記したように開口率は約8%であり、開口率が大きいとは言えない。
貫通穴27の径dにしても、1.0mm程度としているため、穴径が過大であるとは言えない。
本発明者らの検討では、開口率は30%まで高めることが可能である。しかし、安全若しくは余裕を見込んで、開口率は20%を上限とすることにした。
上述した約8%の開口率を更に検証する。
図5に示すような検証装置40を作製した。検証装置40は、1/3オクターブトーンバーストジェネレータ41と、パワーアンプ42と、スピーカ43と、マイクロフォン44と、ヘッドアンプ45と、レベルレコーダ46とからなる。すなわち、スピーカ43で発生した音をマイクロフォン44で受ける。
スピーカ43とマイクロフォン44の間隔Lを1000mmに設定する。そして、スピーカ43とマイクロフォン44の間に何も置かないで、音圧レベル(dB)を調べた。この調査は順次、周波数を変えながら実施したものである。結果、図6に示す「試料無し」の曲線を得た。
次に、図5にて、想像線で示す試料47を、スピーカ43とマイクロフォン44の間に置いた。試料47は傘部22に相当する。
試料47は、図4に示すように、1.0mmの貫通穴27が配置され、開口率が8%であって1.0mm厚さのアルミニウム板である。そして、周波数を変えながら音圧レベル(dB)を調べた。結果、図6に示す「試料有り」の曲線を得た。
常識的にみて、開口率が8%であれば、音を通さない部分が92%となり、スピーカ43で発生した音の大部分が遮断されてマイクロフォン44に到達しないはずである。
しかし、図6によれば、試料の有無による差はごく僅かであり、音が遮断されることなく、マイクロフォン44に到達したことになる。この現象は、上記の常識を逸脱するものであり、更なる検証が必要である。
そこで、次に、貫通穴27の穴径を検証する。
微細な穴は、レーザ加工や放電加工で開けることができる。ただし、加工コストの面から0.1mmを下限とすることが推奨される。そこで、開口率を8%(一定)とし、貫通穴27の径dが0.1mm、0.2mm、0.5mm、2.0mm、5mm、10mmの試料47を作製し、図5に示す検証装置40に掛けた。なお、最小穴径は、0.01mmであっても差し支えない。
図6に示すような音圧曲線が得られる。次に、曲線のグラフから次式により音響透過率X(%)を算出した。ただし、L0は図6の試料無しの音圧レベル(dB)、L1は図6の試料有りの音圧レベル(dB)である。
Figure 2016072802
得られた音響透過率が、100%であれば、全ての音が試料を透過したことになり、0%であれば、全ての音が試料で遮断されたことになる。結果を図7に示す。
図7に示すように、貫通穴27の径が0.1〜1.0mmの範囲では、音響透過率が約90%となり、ほぼ全音響透過現象が認められた。
貫通穴27の径が1.0〜2.0mmの範囲では、音響透過率が50〜90%となり、音響透過率は良好であった。
一方、貫通穴27の径が2.0〜10mmの範囲では、音響透過率が50%未満となり、音響透過率は不良であった。
図7のような曲線が出現した理由は、現在までのところ研究、解明されていないが、開口率を一定(8%)としたため、例えば穴径の低下と共に穴同士が接近するなど、穴径と穴の数に波動音響的な因果関係が予想される。そこで、穴の数、ピッチなどを調べることにした。
Figure 2016072802
中央に記載した、穴径が1.0mmの貫通穴が基準になる。図4で説明したように、穴の数nは9個、ピッチPは3.1mmである。任意の貫通穴の縁と隣の貫通穴の縁との最短距離は(P−d)で表され、(3.1−1.0)=2.1mmと計算される。
dが0.1mmの貫通穴であれば、穴の数は900個になり、(P−d)は0.2mmになる。貫通穴同士の距離が僅か0.2mmである。貫通穴同士が接近していることと、音の波動性との相関により、特異な音響現象が促されたと推定される。この傾向は、dが0.5mmの貫通穴でも同様に起こっていると思われる。
これに対して、dが5mmの貫通穴では、(P−d)が10.6mmとなり、貫通穴同士が十分に離れており、特異な音響現象が起こりにくくなっていると思われる。
図7に示す曲線は、開口率を10%に変更しても、殆ど変化がなかった。
よって、図7に基づき、開口率が10%以下であれば、貫通穴の穴径は0.01〜2.0mm、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲に設定することが推奨される。
次に、本発明に係る音・振動検出センサ10の形態を説明する。
図8(a)は、図1で説明した音・振動検出センサ10の原理図である。すなわち、音・振動検出センサ10は、底板51で塞がれた筒形の筐体11と、この筐体11の内壁から延びる電気絶縁材12と、この電気絶縁材12で支持される電極20と、この電極20に取付けられたエレクトレット膜14と、このエレクトレット膜14と底板51との間に配置するようにして筐体11に渡した振動膜15とからなる。
図8(b)は変更例を示し、音・振動検出センサ10Bは、底板51を保護グリッド(網)52に変更したものである。その他は、図8(a)と同じであるため、符号を流用して、詳細な説明を省略する。
図8(c)も変更例を示し、音・振動検出センサ10Cは、図8(a)から振動膜15を省いたものである。この構造でも差し支えないことを、図9(a)、(b)で説明する。
図9(a)に示すように、妊婦の腹部53へ音・振動検出センサ10Cの底板51を当てる。胎動や母体の心音などが、底板や筐体(ケース)51を振動させる。底板51から矢印(1)のように伝播しエレクトレット膜14を振動させる。矢印(1)の音は空気層を伝播する空気音である。
並行して、図9(b)に示すように、音は一次固体音すなわち振動として、筐体11、電気絶縁材12、柱部21、傘部22、エレクトレット膜14の順に伝播する(矢印(2))。矢印(2)の音は固体内を伝播する固体音である。
空気音と固体音との合成音でエレクトレット膜14が振動するが、空気音より固体音の方が大きい。そして、固体音による振動は振動膜15の有無に影響されない。
結果、音・振動検出センサ10Cで胎動などを検出することができる。胎動の検出に、図8(a)、(b)に示す音・振動検出センサ10、10Bを採用できることは言うまでもない。
更なる変更例を次に説明する。
図10(a)は変更例を示し、音・振動検出センサ10Dは、電極20の構造を変更したものである。その他は、図8(a)と同じであるため、符号を流用して、詳細な説明を省略する。すなわち、電極20は、柱部21と、傘部22とからなるが、傘部22は平板である。平板であれば、二等辺三角形断面のものより、造り易く、安価となる。
図10(b)も変更例を示し、音・振動検出センサ10Eは、電極20の構造を変更したものである。その他は、図8(b)と同じであるため、符号を流用して、詳細な説明を省略する。
図10(c)は変更例を示し、音・振動検出センサ10Fは、電極20の構造を変更したものである。その他は、図8(c)と同じであるため、符号を流用して、詳細な説明を省略する。
次に、錘16の形態について説明する。
図1では、振動膜15に平板状の錘16を付設し、エレクトレット膜の振動と練成して出力増幅効果を加速することを意図したものである。
図11に示すように、錘16は、点状や島状や円錐状であってもよい。円錐状の錘16を振動膜15の中央に載せる。
したがって、錘16の形態は任意であるが、振動膜の曲げ剛性(スティフネス)を増大させ振動が拘束されることなく振動膜系全体の共鳴周波数fcを低下させることを意図したものである。因みに、純粋に共鳴周波数だけを1オクターブ下げることができれば、感度、すなわち出力は約12dB上昇する、とされている。
なお、錘16は質量が大きいが、付着する膜部分の質量の1000倍を超えないようにする。
ところで、図2では、エレクトレット膜14は、接着層28で周辺が固定されている。この固定構造は次のように変更することができる。
図12は分解図であり、接着層28は、薄膜55に小穴56を設けたものである。
傘部22に接着層28を載せ、この接着層28にエレクトレット膜14を重ねる。
接着層28は塗布してもよいが、この場合は、塗布後に貫通穴27に合わせて小穴56を設ける。そして、エレクトレット膜14を重ねそのすぐ背後が貫通穴に接するようにする。
出来上がった形態の断面図を、図13に示す。すなわち、傘部22の上面に接着層28を介してエレクトレット膜14が取付けられている。
図14に示すように、穴径がdである貫通穴27に、厚さがtであるエレクトレット膜14が被せられる。dは、例えば1000μm(1.0mm)であり、tは、例えば1.0μmである。厚さtに対して穴径dは十分に大きい。結果、エレクトレット膜14は上下に大きく振れる。すなわち、エレクトレット膜14は、貫通穴27を除く部位にて電極(傘部22の上面)に接着固定されている。
図13の構造では、従来比で15dB程度の感度向上が得られた。これに対して、図2に示す周辺固定構造(周辺のみを固定する形態)では、従来比で25dB程度の感度向上が得られた。
よって、図13の構造よりは、図2の構造の方が感度向上が見込めることになる。
逆に、腰が弱いエレクトレット膜14のほぼ全面を受ける構造である図13の構造の方が、図2の構造より、製造が容易で構造的にも安定する。
すなわち、性能重視であれば図2の構造を採用し、コスト重視であれば図13の構造を採用すればよい。因みに、周辺に加え中心部の数点を固定するそれらの中間的な形態も本請求の範囲であることは言を待たない.
尚、本発明の音・振動検出センサは、胎動センサに好適であるが、その他の音を検出する音センタや、その他の振動を検出する振動センサとして使用することは差し支えなく、本請求の範囲と位置づける。
本発明の音・振動検出センサは、胎動センサに好適であるが、一方で、市販されている静電型の音・振動センサ(即ち、コンデンサーマイクロホンや振動加速度ピックアップ、等)の感度上昇手段としても広く実施可能である。
10、10B〜10F…音・振動検出センサ、11…筐体、12…電気絶縁材、14…エレクトレット膜、16…錘、20…電極、21…柱部、22…傘部、27…貫通穴、28…接着層、53…妊婦の腹部、d…貫通穴の径(穴径)、t…エレクトレット膜の膜厚。

Claims (4)

  1. 筐体と、この筐体の内壁から延びる電気絶縁材と、この電気絶縁材で支持される電極と、この電極に取付けられたエレクトレット膜とを備え、
    音と振動の少なくとも一方を静電容量の変化に基づいて検出する音・振動検出センサであって、
    前記電極には、貫通穴が設けられており、
    この貫通穴は、0.01mm〜2.0mmの穴径で、単位面積当たりの前記貫通穴の開口面積の総和を前記単位面積で除して得られる開口率が20%を超えないように穴数が決められており、
    前記エレクトレット膜は、膜厚が1.0μm〜20μmであって、前記貫通穴の一端を塞ぐように且つ周縁部のみが前記電極に接着固定されていることを特徴とする音・振動検出センサ。
  2. 筐体と、この筐体の内壁から延びる電気絶縁材と、この電気絶縁材で支持される電極と、この電極に取付けられたエレクトレット膜とを備え、
    音と振動の少なくとも一方を静電容量の変化に基づいて検出する音・振動検出センサであって、
    前記電極には、貫通穴が設けられており、
    この貫通穴は、0.01mm〜2.0mmの穴径で、単位面積当たりの前記貫通穴の開口面積の総和を前記単位面積で除して得られる開口率が20%を超えないように穴数が決められており、
    前記エレクトレット膜は、膜厚が1.0μm〜20μmであって、前記貫通穴の一端を塞ぐように且つ前記貫通穴を除く部位にて前記電極に接着固定されていることを特徴とする音・振動検出センサ。
  3. 前記エレクトレット膜に平行に配置する振動膜を備え、この振動膜の中心付近に点状又は島状の錘を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の音・振動検出センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の音・振動検出センサは、妊婦の腹部に当てて胎動を検出する振動センサであることを特徴とする音・振動検出センサ。
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