JP2016072422A - 波長変換部材の製造方法、波長変換部材、バックライトユニットおよび液晶表示装置 - Google Patents

波長変換部材の製造方法、波長変換部材、バックライトユニットおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】量子ドットを含有する波長変換層の製造方法を提供する。
【解決手段】連続搬送される第一のフィルム10の表面に量子ドット含有重合性組成物を塗布し、塗膜を形成する工程と、塗膜の上に、連続搬送される第二のフィルム50をラミネートし(重ねあわせ)、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持する工程と、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持した状態で、第一のフィルム、および第二のフィルムの何れかをバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送しながら紫外線照射装置64にて光照射し、塗膜を重合硬化させて波長変換層(硬化層)を形成する工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、波長変換部材の製造方法、波長変換部材、バックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。より詳しくは、励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である波長変換部材の製造方法、波長変換部材、バックライトユニットおよび液晶表示装置に関する。
液晶表示装置(以下、LCD(Liquid Crystal Display)とも言う)などのフラットパネルディスプレイは、消費電力が小さく、省スペースの画像表示装置として年々その用途が広がっている。液晶表示装置は、少なくともバックライトと液晶セルとから構成され、通常、更に、バックライト側偏光板、視認側偏光板などの部材が含まれる。
フラットパネルディスプレイ市場では、LCD性能改善として、色再現性の向上が進行している。この点に関し、近年、発光材料として、量子ドット(Quantum Dot、QD、量子点とも呼ばれる。)が注目を集めている。例えば、バックライトから量子ドットを含む波長変換部材に励起光が入射すると、量子ドットが励起され蛍光を発光する。ここで異なる発光特性を有する量子ドットを用いることで、赤色光、緑色光、および青色光を発光させて白色光を具現化することができる。量子ドットによる蛍光は半値幅が小さいため、得られる白色光は高輝度であり、しかも色再現性に優れる。このような量子ドットを用いた3波長光源化技術の進行により、色再現域は、現行のテレビ規格(FHD(Full High Definition)、NTSC(National Television System Committee))比72%から100%へと拡大している。
特開2011−46046号公報
波長変換部材としては、量子ドットを含む波長変換層の一方または両方の主表面(主表面については後述する。)に一層以上の無機層を有するバリアフィルムを設けた積層構造のものが考えられる。しかし、バリアフィルムを有する波長変換部材を本発明者らが実際に検討したところ、波長変換層とこの層と隣接する無機層との密着性が十分ではなかった。
波長変換層とこの層と隣接する無機層との密着性が十分でないと、例えば、波長変換部材を製品として出荷するために規定のサイズに切り出す(例えば、打ち抜き器により打ち抜く)等の加工時に、波長変換層と無機層との界面端部等で剥離が生じてしまう。例えば一例として、無機層が酸素バリア性を有する層であるバリアフィルムの場合にこのような界面端部の剥離が発生すると、界面端部からの酸素の侵入により量子ドットの発光効率が低下することが懸念される。また、波長変換層と無機層との密着が十分でないことは、層間での部分的な剥離発生による部材の耐久性低下の原因となる。
また、近年では夏季の車載用途や屋外設置用途など、湿熱環境条件下で液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイを使用する要請が高まってきているところ、本発明者らが検討すると湿熱環境条件下では波長変換層とこの層と隣接する無機層との密着性がさらに低下する傾向にあることがわかった。
一方、シランカップリング剤をモノマー層に添加することで、層間の密着を付与する技術が公開されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1では、基材フィルムと、有機層と、無機層とをこの順に有し、有機層の厚さが300nm〜2000nmであり、有機層の表面が所定のRaおよびRzを満たすようにし、かつ無機層がSiOx(xは0.9〜1.5)で表される珪素酸化物を含む積層フィルムが開示されている。この文献には、有機層がシランカップリング剤を含有することにより、基材と有機層、有機層と無機層の密着性が向上し、剥離故障によるバリア性能の低下を低減させることが可能になると記載されている。
本発明の解決しようとする課題は、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である波長変換部材の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、バリアフィルムの無機層と量子ドットを含有する波長変換層を積層する前に、あらかじめバリアフィルムの無機層の表面を有機金属カップリング剤および水を含む組成物で表面処理しておくことで、特許文献1に類似する構成のバリアフィルムを有する波長変換部材の波長変換層にシランカップリング剤を添加する構成(後述の参考例1)とは全く異なる構成で、湿熱経時後の密着性を改善できることを見出した。
上記課題を解決するための具体的な手段である本発明およびその好ましい態様は以下のとおりである。
[1] 少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムを表面処理する表面処理工程と、
前述のバリアフィルムの表面処理された表面に量子ドットを含有する波長変換層を積層する積層工程とを含み、
前述の表面処理工程が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を前述のバリアフィルムの前述の無機層の表面に付与する工程である、波長変換部材の製造方法。
[2] [1]に記載の波長変換部材の製造方法は、前述の有機金属カップリング剤が末端に反応性官能基を有することが好ましい。
[3] [1]または[2]に記載の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理用の組成物が界面活性剤を含有することが好ましい。
[4] [3]に記載の波長変換部材の製造方法は、前述の界面活性剤がフッ素系ノニオン界面活性剤であることが好ましい。
[5] [1]〜[4]のいずれか一つに記載の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理用の組成物の溶媒に有機溶剤を含有することが好ましい。
[6] [1]〜[5]のいずれか一つに記載の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理工程が少なくとも1層の無機層を有する第一のバリアフィルムおよび少なくとも1層の無機層を有する第二のバリアフィルムをそれぞれ表面処理する工程であり、
前述の積層工程が前述の第一のバリアフィルムおよび前述の第二のバリアフィルムのそれぞれ表面処理された表面で前述の波長変換層を挟む工程であることが好ましい。
[7] [6]に記載の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理工程の前に前述の第一のバリアフィルムおよび前述の第二のバリアフィルムをそれぞれロールから巻き出す工程と、
前述の積層工程の後に前述の波長変換部材をロールに巻き取る工程を含み、
前述の巻き出す工程、前述の表面処理工程、前述の積層工程および前述の巻き取る工程をロールtoロールで行うことが好ましい。
[8] [1]〜[7]のいずれか一つに記載の波長変換部材の製造方法は、前述の積層工程が、量子ドット含有組成物の塗布工程であることが好ましい。
[9] [1]〜[8]のいずれか一つに記載の波長変換部材の製造方法で製造された、波長変換部材。
[10] 表面処理されてなる少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムと、
前述のバリアフィルムの表面処理された表面に直接接して配置された、量子ドットを含有する波長変換層とを含み、
前述の表面処理が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を前述のバリアフィルムの前述の無機層の表面への付与である、波長変換部材。
[11] [9]または[10]に記載の波長変換部材は、前述の波長変換層の少なくとも一方の表面から厚み方向に10%以下の距離の表面領域における有機金属カップリング剤の濃度が、前述の波長変換層の両方の表面から厚み方向に10%を超える距離の内部領域における有機金属カップリング剤の濃度よりも高いことが好ましい。
[12] [9]〜[11]のいずれか一つに記載の波長変換部材と、
光源と、
を少なくとも含む、バックライトユニット。
[13] [12]に記載のバックライトユニットは、前述の光源は、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有することが好ましい。
[14] [12]または[13]に記載のバックライトユニットと、
液晶セルと、
を少なくとも含む、液晶表示装置。
本発明によれば、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である波長変換部材の製造方法を提供することができる。
図1(a)、(b)は、本発明の一態様にかかる波長変換部材を含むバックライトユニットの一例の説明図である。 図2は、本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。 図3は、波長変換部材の製造装置の一例の概略構成図である。 図4は、図3に示す製造装置の部分拡大図である。
以下の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本発明および本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明および本明細書中、ピークの「半値幅」とは、ピーク高さ1/2でのピークの幅のことを言う。また、400〜500nmの波長帯域、好ましくは430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を青色光と呼び、500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を緑色光と呼び、600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有する光を赤色光と呼ぶ。
[波長変換部材の製造方法]
本発明の波長変換部材の製造方法は、少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムを表面処理する表面処理工程と、
バリアフィルムの表面処理された表面に量子ドットを含有する波長変換層を積層する積層工程とを含み、
表面処理工程が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物をバリアフィルムの無機層の表面に付与する工程である。
このような構成により、波長変換部材の製造方法によれば、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である波長変換部材を製造できる。
いかなる理論に拘泥するものでもないが、波長変換層とバリアフィルムとの湿熱経時後の密着性は、有機金属カップリング剤および水を含む組成物でバリアフィルムの無機層を表面処理することにより向上することができる。これは、反応性を高められた有機金属カップリング剤が、加水分解反応や縮合反応等により隣接するバリアフィルムの無機層の表面や構成成分と共有結合を形成すること、および、あらかじめ有機金属カップリング剤および水を含む組成物を調製してからバリアフィルムの無機層の表面処理を行うことで、波長変換層とバリアフィルムとを積層した後に有機金属カップリング剤の加水分解および脱水縮合が起こってメタノールや水が発生することを抑制できたこと等、によるものと考えられる。
以下、本発明の波長変換部材の製造方法の好ましい態様を説明する。
<表面処理工程>
本発明の波長変換部材の製造方法は、少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムを表面処理する表面処理工程を含み、表面処理工程が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物をバリアフィルムの無機層の表面に付与する工程である。
水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を用いた表面処理の方法としては、特に制限はないがバリアフィルム上に、ロールtoロールで表面処理を実施することが、生産性の観点で好ましい。具体的には、塗布機を用いてロールtoロールで、バリアフィルム上に表面処理用の組成物の塗布および乾燥を実施する方法が挙げられる。
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理工程が少なくとも1層の無機層を有する第一のバリアフィルムおよび少なくとも1層の無機層を有する第二のバリアフィルムをそれぞれ表面処理する工程であることが好ましい。
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理工程の前に前述の第一のバリアフィルムおよび前述の第二のバリアフィルムをそれぞれロールから巻き出す工程を含むことがより好ましい。
(バリアフィルム)
波長変換部材は、バリアフィルムを含む。バリアフィルムは酸素を遮断するガスバリア機能を有するフィルムであることが好ましい。バリアフィルムが、水蒸気を遮断する機能を有していることも好ましい。
バリアフィルムは、波長変換層に隣接してまたは直接接する層として波長変換部材に含まれていることが好ましい。また、バリアフィルムは、波長変換部材中に1つまたは2つ以上含まれていてもよく、波長変換部材は、バリアフィルム、波長変換層、バリアフィルムがこの順で積層された構造を有していることが好ましい。
波長変換部材において、波長変換層はバリアフィルムを基材として形成されていてもよい。また、バリアフィルムは上述の第一のフィルムおよび第二のフィルムのいずれか、または双方に用いることもできる。第一のフィルムおよび第二のフィルムの双方がバリアフィルムであるとき、同一であっても異なっていてもよい。
バリアフィルムとしては、公知のいずれのバリアフィルムであってもよく、例えば以下に説明するバリアフィルムであってもよい。
バリアフィルムは、少なくとも1層の無機層を含んでいればよく、基材フィルムおよび無機層を含むフィルムであってもよい。基材フィルムについては、支持体の記載を参照できる。バリアフィルムは、基材フィルム上に少なくとも一層の無機層1層と少なくとも一層の有機層を含むバリア積層体を含むものであってもよい。このように複数の層を積層することは、より一層バリア性を高めることができるため、他方、積層する層の数が増えるほど、波長変換部材の光透過率は低下する傾向があるため、良好な光透過率を維持し得る範囲で、積層数を増やすことが望ましい。具体的には、バリアフィルムは、可視光領域における全光線透過率が80%以上であり、かつ酸素透過度が1cm/(m・day・atm)以下であることが好ましい。ここで、上記酸素透過度は、測定温度23℃、相対湿度90%の条件下で、酸素ガス透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN 2/20:商品名)を用いて測定した値である。また、可視光領域とは、380〜780nmの波長領域をいうものとし、全光線透過率とは、可視光領域にわたる光透過率の平均値を示す。
バリアフィルムの酸素透過度は、より好ましくは、0.1cm/(m・day・atm)以下、より好ましくは、0.01cm/(m・day・atm)以下である。可視光領域における全光線透過率は、より好ましくは90%以上である。酸素透過度は低いほど好ましく、可視光領域における全光線透過率は高いほど好ましい。
−無機層−
「無機層」とは、無機材料を主成分とする層であり、好ましくは無機材料のみから形成される層である。これに対し、有機層とは、有機材料を主成分とする層であって、好ましくは有機材料が50質量%以上、更には80質量%以上、特に90質量%以上を占める層を言うものとする。
無機層を構成する無機材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、金属、または無機酸化物、窒化物、酸化窒化物等の各種無機化合物を用いることができる。無機材料を構成する元素としては、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウムおよびセリウムが好ましく、これらを一種または二種以上含んでいてもよい。無機化合物の具体例としては、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化インジウム合金、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタンを挙げることができる。また、無機層として、金属膜、例えば、アルミニウム膜、銀膜、錫膜、クロム膜、ニッケル膜、チタン膜を設けてもよい。
上記の材料の中でも、窒化ケイ素、酸化ケイ素、または酸化窒化ケイ素などのケイ素を含む化合物が特に好ましく、窒化ケイ素がより特に好ましい。これらの材料からなる無機層は、有機層との密着性が良好であることから、バリア性をより一層高くすることができるからである。
無機層の形成方法としては、特に限定されず、例えば成膜材料を蒸発ないし飛散させ被蒸着面に堆積させることができる各種成膜方法を用いることができる。
無機層の形成方法の例としては、無機酸化物、無機窒化物、無機酸化窒化物、金属等の無機材料を、加熱して蒸着させる真空蒸着法;無機材料を原料として用い、酸素ガスを導入することにより酸化させて、蒸着させる酸化反応蒸着法;無機材料をターゲット原料として用い、アルゴンガス、酸素ガスを導入して、スパッタリングすることにより、蒸着させるスパッタリング法;無機材料にプラズマガンで発生させたプラズマビームにより加熱させて、蒸着させるイオンプレーティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法)、ケイ素を含む化合物の蒸着膜を成膜させる場合は、有機ケイ素化合物を原料とするプラズマ化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法)等が挙げられる。蒸着は、支持体、基材フィルム、波長変換層、有機層などを基板としてその表面に行えばよい。
ケイ素を含む化合物の膜は、有機ケイ素化合物を原料として、低温プラズマ化学気相成長法を用いて形成することが好ましい。この有機ケイ素化合物としては、具体的には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。また、上記有機ケイ素化合物の中でも、テトラメトキシシラン(TMOS)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)を用いることが好ましい。これらは、取り扱い性や蒸着膜の特性に優れるからである。
無機層の厚さは、例えば1nm〜500nmであり、5nm〜300nmであることが好ましく、10nm〜150nmの範囲であることがより好ましい。無機層の膜厚が、上述した範囲内であることにより、良好なバリア性を実現しつつ、無機層における反射を抑制することができ、光透過率がより高い波長変換部材を提供することができるからである。
無機層の水との接触角は、例えば5〜70°であることが好ましく、5〜55°であることがより好ましく、5〜35°であることが特に好ましい。無機層の水との接触角が、上述した範囲内であることで、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好であり、かつ、バリアフィルムの無機層の表面に波長変換層がハジキなく均一に形成された波長変換部材を提供しやすい。無機層の水との接触角は低い方が濡れ性・塗布性が良好で好ましい。
本発明の製造方法では、波長変換部材において、波長変換層に直接接している無機層が少なくとも一層含まれる。波長変換層の両面に無機層が直接接していることも好ましい。ただし無機層は、一般に、有機化合物を含む重合性組成物から形成される波長変換層との密着性を確保することが難しい傾向がある。これに対し、バリアフィルムの無機層の表面を有機金属カップリング剤および水を含む組成物で表面処理してから量子ドットを含有する波長変換層を積層して形成された波長変換部材においては、バリアフィルムの無機層と量子ドットを含有する波長変換層との間の湿熱経時後の密着性が良好である。
−有機層−
有機層としては、特開2007−290369号公報段落0020〜0042、特開2005−096108号公報段落0074〜0105を参照できる。なお有機層は、カルドポリマーを含むことが好ましい。これにより、有機層と隣接する層との密着性、特に、無機層とも密着性が良好になり、より一層優れたガスバリア性を実現することができるからである。カルドポリマーの詳細については、特開2005−096108号公報段落0085〜0095を参照できる。有機層の膜厚は、0.05μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。有機層がウェットコーティング法により形成される場合には、有機層の膜厚は、0.5〜10μmの範囲内、中でも1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。また、ドライコーティング法により形成される場合には、0.05μm〜5μmの範囲内、中でも0.05μm〜1μmの範囲内であることが好ましい。ウェットコーティング法またはドライコーティング法により形成される有機層の膜厚が上述した範囲内であることにより、無機層との密着性をより良好なものとすることができるからである。
無機層、有機層のその他詳細については、特開2007−290369号公報、特開2005−096108号公報、更にUS2012/0113672A1の記載を参照できる。
有機層と無機層との間、二層の有機層の間、または二層の無機層の間を、公知の接着層により貼り合わせてもよい。光透過率向上の観点からは、接着層は少ないほど好ましく、接着層が存在しないことがより好ましい。
−その他の層、支持体−
上記波長変換部材は、先に記載した通り、波長変換層の少なくとも一方の主表面に隣接層を有する。例えば、波長変換層の少なくとも一方の主表面に、無機層および有機層からなる群から選ばれる少なくとも一層を有することもできる。そのような無機層および有機層としては、後述のバリアフィルムを構成する無機層および有機層を挙げることができる。発光効率維持の観点から、波長変換層の両主表面に、それぞれ無機層および有機層からなる群から選択される少なくとも一層が含まれることが好ましい。かかる層により、主表面からの波長変換層への酸素、水分等の侵入を防ぐことができ、これらの侵入により量子ドットが劣化し発光効率が低下することを防ぐことができるからである。また、一態様では、無機層、有機層は、波長変換層の主表面に直接接する隣接層として含まれることが好ましい。なお、水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を用いることにより、接着層によらずとも波長変換層とバリアフィルムの無機層との界面の密着性を向上することができるが、接着層の使用を排除するものではない。バリアフィルムの無機層と波長変換層とを公知の接着層を貼り合わせてもよい。
波長変換部材は、強度向上、成膜の容易性等のため、支持体を有していてもよい。支持体は、波長変換層に隣接してまたは直接接する層として含まれていてもよく、バリアフィルムの基材フィルムとして含まれていてもよい。波長変換部材において、支持体は、後述の無機層、および支持体がこの順となるように含まれていてもよく、波長変換層、無機層、有機層、および支持体がこの順となるように含まれていてもよい。有機層と無機層との間、二層の有機層の間、または二層の無機層の間に、支持体を配してもよい。また、支持体は、波長変換部材中に1つまたは2つ以上含まれていてもよく、波長変換部材は、支持体、波長変換層、支持体がこの順で積層された構造を有していてもよい。支持体としては、可視光に対して透明である透明支持体であることが好ましい。ここで可視光に対して透明とは、可視光領域における線透過率が、80%以上、好ましくは85%以上であることをいう。透明の尺度として用いられる光線透過率は、JIS−K7105に記載された方法、すなわち積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率および散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。支持体については、特開2007−290369号公報段落0046〜0052、特開2005−096108号公報段落0040〜0055を参照できる。支持体の厚さは、ガスバリア性、耐衝撃性等の観点から、10〜500μmの範囲内、中でも20〜400μmの範囲内、特に30〜300μmの範囲内であることが好ましい。
支持体は基材として用いることもできる。また、支持体は第一のフィルムおよび第二のフィルムのいずれか、または双方に用いることもできる。第一のフィルムおよび第二のフィルムの双方が支持体であるとき、各支持体は同一であっても異なっていてもよい。
(表面処理用の組成物)
−水を含有する溶媒−
表面処理用の組成物は、水を含有する溶媒を含む。表面処理用の組成物は、有機金属カップリング剤の溶剤であることが好ましい。
表面処理用の組成物としては、加水分解を加速させるために水が必須である。
本発明の波長変換部材の製造方法は、表面処理用の組成物の溶媒は、前述の表面処理用の組成物の溶媒に有機溶剤を含有することが好ましく、有機金属カップリング剤の溶解性を向上させるために極性溶剤を含むことが好ましい。具体的には、極性溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール、またはアセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類の溶剤が好ましく、アルコールがより好ましく、エタノールまたはイソプロピルアルコールが特に好ましい。水/極性溶剤の混合比率は質量比で10/90から90/10であることが好ましく、より好ましくは30/70〜70/30、更に好ましくは40/60〜60/40である。水が少ないと、有機金属カップリング剤の溶解性が改善する。水が多いと、加水分解反応が促進され、密着性の改良効果が増加する。
水を含有する溶媒への有機金属カップリング剤の溶解性が不足した場合は、表面処理用の組成物の溶媒に、pH調整のために、酸の添加が好ましい。酸の具体例としては、酢酸やほう酸が挙げられる。酢酸がより好ましい。
−有機金属カップリング剤−
前述の表面処理用の組成物は、シランカップリング剤などの有機金属カップリング剤を含む。有機金属カップリング剤の中でもシランカップリング剤およびアルミニウムカップリング剤が好ましく、シランカップリング剤がより好ましい。
また、有機金属カップリング剤がラジカル重合性基等の反応性官能基を有する場合には、波長変換層の形成に用いられる重合性化合物と架橋構造を形成することも、波長変換層と無機層との密着性向上に寄与し得ると考えらえる。この点からは、上記組成物に含まれる重合性化合物との架橋反応性が良好な反応性官能基を有する有機金属カップリング剤を用いることも好ましく、有機金属カップリング剤が末端に反応性官能基を有することがより好ましい。末端に反応性官能基を有する有機金属カップリング剤を導入することで、波長変換層中のアクリレートモノマーなどの重合性化合物と反応し、湿熱経時後の密着性が向上したと本発明者らは推測している。
有機金属カップリング剤が有し得る反応性官能基としては、例えば、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、(メタ)アクリル基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基等を挙げることができる。
後述する酸発生剤を上記組成物に添加しプロトン酸を発生するエネルギーを付与する工程を経て波長変換層を形成することにより、密着性を向上することも好ましい。これは、酸発生剤により発生するプロトン酸によって、有機金属カップリング剤の反応が促進されるためであると、本発明者らは推察している。
シランカップリング剤としては、公知のシランカップリング剤を、何ら制限なく使用することができる。密着性の観点から好ましいシランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンとその部分加水分解物、3−トリメトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミンとその部分加水分解物、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、ビニル、エポキシ、(メタ)アクリロイルオキシ、アミノ、イソシアネート変性のシランカップリング剤が好ましく、特に好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ変性のシランカップリング剤である。これらシランカップリング剤は例えば信越化学(株)のものを用いることができる。
また、シランカップリング剤としては、特開2013−43382号公報に記載の一般式(1)で表されるシランカップリング剤を挙げることができる。詳細については、特開2013−43382号公報段落0011〜0016の記載を参照できる。
その他の有機金属カップリング剤としては、例えば、チタンカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、スズカップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。
チタンカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられる。
ジルコニウムカップリング剤としては、例えば、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−ブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
アルミニウムカップリング剤としては、例えば、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムsec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチルアセトアセテエートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトアセテート)等を挙げることができる。
有機金属カップリング剤は、バリアフィルムの無機層と波長変換層との密着性をより一層向上する観点からは、表面処理用の組成物中に、1〜80質量%の範囲で含まれることが好ましく、より好ましくは10〜70質量%であり、さらに好ましくは20〜60質量%である。
−界面活性剤−
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の表面処理用の組成物が界面活性剤を含有することが好ましい。表面処理用の組成物を有機金属カップリング剤の水を含む溶液を用いる際に、疎水的なバリアフィルムの無機層表面との濡れ性を改善する観点から、表面処理用の組成物に界面活性剤を添加して表面張力を減少させることが好ましい。
本発明における界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更に、フッ素を含有する界面活性剤が特に好ましい。
アニオン系界面活性剤の具体例としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ナトリウムジオクチルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテ硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、t−オクチルフェノキシエトキシポリエトキシエチル硫酸ナトリウム塩等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、t−オクチルフェノキシエチルポリエトキシエタノール、ノニルフェノキシエチルポリエトキシエタノール等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を選択することができる。
カチオン性界面活性剤としては、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルアミン塩、ベンザルコニウム塩、アルキルピリジウム塩、イミダゾリウム塩等が挙げられ、具体的には、例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリン、ラウリルトリメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、ステアラミドメチルピリジウムクロライド等が挙げられる。
フッ素を含有する界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤として、DIC社製のF−114 F−410、ノニオン系界面活性剤として F−444、F−553、F−556、F−559、F−567、F−569、R−94などが挙げられる。
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の界面活性剤がフッ素系ノニオン界面活性剤であることが好ましい。
−反応促進剤−
上記表面処理用の組成物は、以上記載した成分とともに、反応促進剤を含んでいてもよい。反応促進剤とは、有機金属カップリング反応を促進する化合物のことを意味する。反応促進剤としては、酸発生剤を挙げることができる。酸発生剤としてはエネルギー付与によりプロトン酸を発生する酸発生剤などを挙げることができる。表面処理用の組成物は、エネルギー付与によりプロトン酸を発生する酸発生剤を含んでいてもよい。かかる酸発生剤は、通常、アニオン部Xとカチオン部Yとを含むイオン性の化合物または塩であって、エネルギー付与により分解し溶媒または酸発生剤自体からプロトンHを引き抜くことにより、プロトン酸XHを発生することができる。ここでプロトン酸とは、プロトンHを放出可能な化合物をいう。
酸発生剤からプロトン酸を発生させるためのエネルギー付与方法は、特に限定されるものではなく、光照射、加熱処理、放射線、電磁波等の活性エネルギー線の照射等を挙げることができる。好ましくは、光照射および加熱処理である。即ち、酸発生剤としては、光酸発生剤および熱酸発生剤からなる群から選択されることが好ましい。光酸発生剤にエネルギーを付与するために照射される光は、例えば紫外線であるが、上記組成物に含まれる酸発生剤がプロトン酸を発生し得る光照射を行うことができれば、照射する光の波長は限定されるものではない。また、エネルギー付与条件、例えば光照射条件、加熱条件も、上記組成物に含まれる酸発生剤がプロトン酸を発生し得る条件とすればよく、特に限定されるものではない。
光酸発生剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。また、トリアジン類、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート化合物を挙げることもできる。
また、光により酸を発生する基、または化合物をポリマーの主鎖もしくは側鎖に導入した化合物を用いることができる。
さらに、V. N. R. Pillai, Synthesis, (1), 1 (1980)、A. Abad et al., Tetrahedron Lett., (47) 4555 (1971)、D. H. R. Barton et al., J. Chem. Soc., (C), 329 (1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
また、光酸発生剤の具体例としては、特開2008−162952号公報の[0076]〜[0102]に記載の光酸発生剤<A−1>〜<A−4>を挙げることができる。
熱酸発生剤としては、酸と有機塩基からなる塩を挙げることができる。
上記の酸としては、スルホン酸、ホスホン酸、カルボン酸など有機酸や硫酸、リン酸のような無機酸が挙げられる。マトリックスに対する相溶性の観点からは、有機酸がより好ましく、スルホン酸、ホスホン酸が更に好ましく、スルホン酸が最も好ましい。好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸(PTS)、ベンゼンスルホン酸(BS)、p−ドデシルベンゼンスルホン酸(DBS)、p−クロロベンゼンスルホン酸(CBS)、1,4−ナフタレンジスルホン酸(NDS)、メタンスルホン酸(MsOH)、ノナフルオロブタン−1−スルホン酸(NFBS)などが挙げられ、何れも好ましく用いることができる(( )内は略称)。
酸とともに塩を形成する有機塩基の塩基性については、共役酸のpKaを用いて表すと、pKaは5.0〜10.5であることが好ましく、6.0〜10.0であることがより好ましく、6.5〜10.0であることが更に好ましい。有機塩基のpKaの値は水溶液中での値が化学便覧 基礎編(改訂5版、日本化学会編、丸善、2004年)第2巻のII−334〜340頁に記載があるので、その中から適当なpKaを有する有機塩基を選ぶことができる。また、上記文献に記載がなくても構造上適当なpKaを有すると推定できる化合物も好ましく用いることができる。下記表1に上記文献に記載の適当なpKaを有する化合物を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
一方、有機塩基の沸点が低い方が加熱時の酸発生効率が高く、有機金属カップリング剤の反応促進の観点からは好ましい。従って、適度な沸点を有する有機塩基を用いることが好ましい。有機塩基の沸点としては、120℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましい。
熱酸発生剤の具体例としては、例えば以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。( )内は沸点を示す。
b−3:ピリジン(115℃)、b−14:4−メチルモルホリン(115℃)、b−20:ジアリルメチルアミン(111℃)、b−19:トリエチルアミン(88.8℃)、b−21:t−ブチルメチルアミン(67〜69℃)、b−22:ジメチルイソプロピルアミン(66℃)、b−23:ジエチルメチルアミン(63〜65℃)、b−24:ジメチルエチルアミン(36〜38℃)。
有機塩基の沸点は35℃以上120℃以下であることが好ましく、40℃以上115℃以下であることが更に好ましい。
上記の熱酸発生剤は、酸と有機塩基からなる塩を単離して用いてもよいし、酸と有機塩基を混合して溶液中で塩を形成させ、その溶液を用いてもよい。また、酸、有機塩基とも1種類だけで用いてもよいし、複数種類のものを混合して用いてもよい。酸と有機塩基を混合して用いる時には、酸と有機塩基の当量比が1:0.9〜1.5となるように混合することが好ましく、1:0.95〜1.3となるように混合することがより好ましく、1:1.0〜1.1となるように混合することが更に好ましい。
上記酸発生剤がエネルギーを付与されることにより発生するプロトン酸(前述のXH)の分子量は、特に限定されるものではない。発生したプロトン酸により有機金属カップリング剤の反応が促進されると考えられるが、この反応が隣接層との界面で進行することが、波長変換層と隣接層との界面の密着性を向上するためには好ましい。このためには、発生したプロトン酸が比較的低分子量であって波長変換層内での移動性が良好であることが好ましいと、本発明者らは推察している。この点から、発生するプロトン酸の分子量は。好ましくは500以下であり、より好ましくは300以下であり、更に好ましくは200以下であり、いっそう好ましくは100以下である。上記分子量の下限値は、例えば30以上であるが、特に限定されるものではない。
以上説明した酸発生剤は、上記組成物に、例えば上記重合性化合物全量100質量部に対して0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、更に好ましくは0.5〜5質量部含めることができる。
<積層工程>
本発明の波長変換部材の製造方法は、バリアフィルムの表面処理された表面に量子ドットを含有する波長変換層を積層する積層工程を含む。
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の積層工程が、量子ドット含有組成物の塗布工程であることが好ましい。量子ドット含有組成物は、量子ドット含有重合性組成物であり、塗布後の量子ドット含有重合性組成物を重合処理(硬化)することがより好ましい。以下において、量子ドット含有組成物を用いた積層工程の好ましい態様の説明の代表例として量子ドット含有重合性組成物について説明することがあるが、量子ドット含有組成物を用いた積層工程の好ましい態様は量子ドット含有重合性組成物に限定されない。
量子ドット含有組成物の塗布方法としては、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーテティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等の公知の塗布方法が挙げられる。
また、硬化条件は、使用する重合性化合物の種類や重合性組成物の組成に応じて、適宜設定することができる。また、量子ドット含有重合性組成物が溶媒を含む組成物である場合には、重合処理を行う前に、溶媒除去のために乾燥処理を施してもよい。
波長変換層は、上記量子ドット含有重合性組成物に、重合処理を施し形成された層であることが好ましい。量子ドット含有重合性組成物の重合処理は光照射または加熱により行うことができる。
表面処理用の組成物が酸発生剤などの反応促進剤を含む場合、量子ドット含有重合性組成物の重合処理と、表面処理用の組成物の酸発生剤へのエネルギー付与の方法は特に限定されない。例えば、酸発生剤が光酸発生剤であり、かつ重合性組成物の重合処理を光照射により行う態様においては、エネルギー付与および重合処理は、同時に、即ち一工程として行うことができる。この点は、酸発生剤が熱酸発生剤であり、重合処理を加熱により行う態様についても同様である。一方、酸発生剤が熱酸発生剤であり、重合処理は光照射により行う態様では、エネルギー付与(加熱)と重合処理(光照射)は順次、別工程として行われる。この点は、酸発生剤が光酸発生剤であり、重合処理は加熱により行う態様についても同様である。このようにエネルギー付与と重合処理が別工程で行われる場合には、エネルギー付与を行った後に重合処理を行うことが好ましい。エネルギー付与により有機金属カップリング剤の反応を促進した後に重合処理を行うことが、波長変換層と無機層との密着性のいっそうの向上に寄与すると考えられるためである。また、エネルギー付与と重合処理がともに光照射により行われる場合であって、エネルギー付与のための光照射条件(例えば照射する光の波長)が重合処理のものと異なる場合にも、同様の理由から、エネルギー付与のための光照射の後、重合処理のための光照射を行うことが好ましい。この点は、エネルギー付与と重合処理がともに加熱により行われる場合であって、エネルギー付与のための加熱条件と重合処理の加熱条件が異なる場合も同様である。
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の積層工程が前述の第一のバリアフィルムおよび前述の第二のバリアフィルムのそれぞれ表面処理された表面で前述の波長変換層を挟む工程であることが、波長変換部材のバリア性を高める観点からより好ましい。
本発明の波長変換部材の製造方法の一態様では、量子ドット含有重合性組成物の重合処理は、この組成物を2枚の基材間に挟持した状態で行うことができる。かかる重合処理を含む波長変換部材の製造工程の一態様を、図面を参照し、以下に説明する。ただし、本発明は、下記態様に限定されるものではない。
図3は、波長変換部材の製造装置100の一例の概略構成図であり、図4は、図3に示す製造装置の部分拡大図である。図3、4に示す製造装置100を用いる波長変換部材の製造工程は、
連続搬送される第一の基材(以下、「第一のフィルム」とも記載する。)の表面に量子ドット含有重合性組成物を塗布し塗膜を形成する工程と、
塗膜の上に、連続搬送される第二の基材(以下、「第二のフィルム」とも記載する。)をラミネートし(重ねあわせ)、第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持する工程と、
第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持した状態で、第一のフィルム、および第二のフィルムの何れかをバックアップローラに巻きかけて、連続搬送しながら光照射し、塗膜を重合硬化させて波長変換層(硬化層)を形成する工程と、
を少なくとも含む本発明の製造方法の一態様である。第一の基材、第二の基材のいずれか一方として無機層(好ましくは酸素や水分に対するバリア性を有する無機層)を有するバリアフィルムを用いることにより、片面がバリアフィルム(バリア層)により保護された波長変換部材を得ることができる。また、第一の基材および第二の基材として、それぞれバリアフィルムを用いることにより、波長変換層の両面がバリアフィルム(バリア層)により保護された波長変換部材を得ることができる。
より詳しくは、まず、図示しない送出機から第一のフィルム10が塗布部20へと連続搬送される。送出機から、例えば、第一のフィルム10が1〜50m/分の搬送速度で送り出される。但し、この搬送速度に限定されない。送出される際、例えば、第一のフィルム10には、20〜150N/mの張力、好ましくは30〜100N/mの張力が加えられる。
塗布部20では、連続搬送される第一のフィルム10の表面に量子ドット含有重合性組成物(以下、「塗布液」とも記載する。)が塗布され、塗膜22(図2参照)が形成される。塗布部20では、例えば、ダイコーター24と、ダイコーター24に対向配置されたバックアップローラ26とが設置されている。第一のフィルム10の塗膜22の形成される表面と反対の表面をバックアップローラ26に巻きかけて、連続搬送される第一のフィルム10の表面にダイコーター24の吐出口から塗布液が塗布され、塗膜22が形成される。ここで塗膜22とは、第一のフィルム10上に塗布された重合処理前の量子ドット含有組成物をいう。
本実施の形態では、塗布装置としてエクストルージョンコーティング法を適用したダイコーター24を示したが、これに限定されない。例えば、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロッドコーティング法またはロールコーティング法等、種々の方法を適用した塗布装置を用いることができる。
塗布部20を通過し、その上に塗膜22が形成された第一のフィルム10は、ラミネート部30に連続搬送される。ラミネート部30では、塗膜22の上に、連続搬送される第二のフィルム50がラミネートされ、第一のフィルム10と第二のフィルム50とで塗膜22が挟持される。
ラミネート部30には、ラミネートローラ32と、ラミネートローラ32を囲う加熱チャンバー34とが設置されている。加熱チャンバー34には第一のフィルム10を通過させるための開口部36、および第二のフィルム50を通過させるための開口部38が設けられている。
ラミネートローラ32に対向する位置には、バックアップローラ62が配置されている。塗膜22の形成された第一のフィルム10は、塗膜22の形成面と反対の表面がバックアップローラ62に巻きかけられ、ラミネート位置Pへと連続搬送される。ラミネート位置Pは第二のフィルム50と塗膜22との接触が開始する位置を意味する。第一のフィルム10はラミネート位置Pに到達する前にバックアップローラ62に巻きかけられることが好ましい。仮に第一のフィルム10にシワが発生した場合でも、バックアップローラ62によりシワがラミネート位置Pに達するまでに矯正され、除去できるからである。したがって、第一のフィルム10がバックアップローラ62に巻きかけられた位置(接触位置)と、ラミネート位置Pまでの距離L1は長い方が好ましく、例えば、30mm以上が好ましく、その上限値は、通常、バックアップローラ62の直径とパスラインとにより決定される。
本実施の形態では重合処理部60で使用されるバックアップローラ62とラミネートローラ32とにより第二のフィルム50のラミネートが行われる。即ち、重合処理部60で使用されるバックアップローラ62が、ラミネート部30で使用するローラとして兼用される。ただし、上記形態に限定されるものではなく、ラミネート部30に、バックアップローラ62と別に、ラミネート用のローラを設置し、バックアップローラ62を兼用しないようにすることもできる。
重合処理部60で使用されるバックアップローラ62をラミネート部30で使用することで、ローラの数を減らすことができる。また、バックアップローラ62は、第一のフィルム10に対するヒートローラとしても使用できる。
図示しない送出機から送出された第二のフィルム50は、ラミネートローラ32に巻きかけられ、ラミネートローラ32とバックアップローラ62との間に連続搬送される。第二のフィルム50は、ラミネート位置Pで、第一のフィルム10に形成された塗膜22の上にラミネートされる。これにより、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22が挟持される。ラミネートとは、第二のフィルム50を塗膜22の上に重ねあわせ、積層することをいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2は、第一のフィルム10と、塗膜22を重合硬化させた波長変換層(硬化層)28と、第二のフィルム50と、の合計厚みの値以上であることが好ましい。また、L2は第一のフィルム10と塗膜22と第二のフィルム50との合計厚みに5mmを加えた長さ以下であることが好ましい。距離L2を合計厚みに5mmを加えた長さ以下にすることより、第二のフィルム50と塗膜22との間に泡が侵入することを防止することができる。ここでラミネートローラ32とバックアップローラ62との距離L2とは、ラミネートローラ32の外周面とバックアップローラ62の外周面との最短距離をいう。
ラミネートローラ32とバックアップローラ62の回転精度は、ラジアル振れで0.05mm以下、好ましくは0.01mm以下である。ラジアル振れが小さいほど、塗膜22の厚み分布を小さくすることができる。
また、第一のフィルム10と第二のフィルム50とで塗膜22を挟持した後の熱変形を抑制するため、重合処理部60のバックアップローラ62の温度と第一のフィルム10の温度との差、およびバックアップローラ62の温度と第二のフィルム50の温度との差は30℃以下であることが好ましく、より好ましくは15℃以下、最も好ましくは同じである。
バックアップローラ62の温度との差を小さくするため、加熱チャンバー34が設けられている場合には、第一のフィルム10、および第二のフィルム50を加熱チャンバー34内で加熱することが好ましい。例えば、加熱チャンバー34には、図示しない熱風発生装置により熱風が供給され、第一のフィルム10、および第二のフィルム50を加熱することができる。
第一のフィルム10が、温度調整されたバックアップローラ62に巻きかけられることにより、バックアップローラ62によって第一のフィルム10を加熱してもよい。
一方、第二のフィルム50については、ラミネートローラ32をヒートローラとすることにより、第二のフィルム50をラミネートローラ32で加熱することができる。
ただし、加熱チャンバー34、およびヒートローラは必須ではなく、必要に応じで設けることができる。
次に、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22が挟持された状態で、重合処理部60に連続搬送される。図面に示す態様では、重合処理部60における重合処理は光照射により行われるが、量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物が加熱により重合するものである場合には、温風の吹き付け等の加熱により、重合処理を行うことができる。また、重合処理と一工程でエネルギー付与が行われる場合には、重合処理部60で、エネルギー付与が行われる。一方、エネルギー付与と重合処理が別工程で行われる場合には、先に記載した理由から、エネルギー付与を重合処理前に行うことが好ましい。
バックアップローラ62と、バックアップローラ62に対向する位置には、光照射装置64が設けられている。バックアップローラ62と光照射装置64と間を、塗膜22を挟持した第一のフィルム10と第二のフィルム50とが連続搬送される。光照射装置により照射される光は、量子ドット含有重合性組成物に含まれる光重合性化合物の種類に応じて決定すればよく、一例としては、紫外線が挙げられる。ここで紫外線とは、波長280〜400nmの光をいうものとする。紫外線を発生する光源として、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。光照射量は塗膜の重合硬化を進行させ得る範囲に設定すればよく、例えば、一例として100〜10000mJ/cmの照射量の紫外線を塗膜22に向けて照射することができる。
重合処理部60では、第一のフィルム10と第二のフィルム50とにより塗膜22を挟持した状態で、第一のフィルム10をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送しながら光照射装置64から光照射を行い、塗膜22を硬化させて波長変換層(硬化層)28を形成することができる。
本実施の形態では、第一のフィルム10側をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送したが、第二のフィルム50をバックアップローラ62に巻きかけて、連続搬送させることもできる。
バックアップローラ62に巻きかけるとは、第一のフィルム10および第二のフィルム50の何れかが、あるラップ角でバックアップローラ62の表面に接触している状態をいう。したがって、連続搬送される間、第一のフィルム10および第二のフィルム50はバックアップローラ62の回転と同期して移動する。バックアップローラ62へ巻きかけは、少なくとも紫外線が照射されている間であれば良い。
バックアップローラ62は、円柱状の形状の本体と、本体の両端部に配置された回転軸とを備えている。バックアップローラ62の本体は、例えば、φ200〜1000mmの直径を有している。バックアップローラ62の直径φについて制限はない。積層フィルムのカール変形と、設備コストと、回転精度とを考慮すると直径φ300〜500mmであることが好ましい。バックアップローラ62の本体に温度調節器を取り付けることにより、バックアップローラ62の温度を調整することができる。
バックアップローラ62の温度は、光照射時の発熱と、塗膜22の硬化効率と、第一のフィルム10と第二のフィルム50のバックアップローラ62上でのシワ変形の発生と、を考慮して、決定することができる。バックアップローラ62は、例えば、10〜95℃の温度範囲に設定することが好ましく、15〜85℃であることがより好ましい。ここでローラに関する温度とは、ローラの表面温度をいうものとする。
ラミネート位置Pと光照射装置64との距離L3は、例えば30mm以上とすることができる。
光照射により塗膜22は硬化層28となり、第一のフィルム10と硬化層28と第二のフィルム50とを含む波長変換部材70が製造される。波長変換部材70は、剥離ローラ80によりバックアップローラ62から剥離される。波長変換部材70は、図示しない巻取機に連続搬送され、次いで巻取機により波長変換部材70はロール状に巻き取られる。
以上、波長変換部材の製造工程の一態様について説明したが、本発明は上記態様に限定されるものではない。例えば、量子ドット含有組成物を基材上に塗布し、その上に更なる基材をラミネートすることなく、必要に応じて行われる乾燥処理の後、重合処理を施すことにより波長変換層(硬化層)を作製してもよい。作製された波長変換層には、バリア層等の一層以上の他の層を、公知の方法により積層することもできる。
波長変換層の総厚は、好ましくは1〜500μmの範囲であり、より好ましくは100〜400μmの範囲である。また、波長変換層は、二層以上の積層構造であってもよく、二種以上の異なる発光特性を示す量子ドットを同一の層に含んでいてもよい。波長変換層が二層以上の複数の層の積層体である場合、一層の膜厚は、好ましくは1〜300μmの範囲であり、より好ましくは10〜250μmの範囲であり、さらに好ましくは30〜150μmの範囲である。
(量子ドット含有組成物)
量子ドット含有組成物は、励起光により励起され蛍光を発光する量子ドット、を含む。
量子ドット含有組成物から、例えば塗布法により、波長変換層を形成することができる。量子ドット含有組成物はさらに重合性化合物を含む量子ドット含有重合性組成物であることが好ましい。量子ドット含有重合性組成物を用いる場合、具体的には、量子ドット含有重合性組成物(硬化性組成物)を基材上等に塗布し、次いで光照射等により硬化処理を施すことにより波長変換層を得ることができる。
以下、上記量子ドット含有組成物について、更に詳細に説明する。
−量子ドット−
上記量子ドット含有組成物は、少なくとも一種の量子ドットを含み、発光特性の異なる二種以上の量子ドットを含むこともできる。公知の量子ドットには、600nm〜680nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットA、500nm〜600nmの範囲の波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットB、400nm〜500nmの波長帯域に発光中心波長を有する量子ドットCがある。量子ドットAは、励起光により励起され赤色光を発光し、量子ドットBは緑色光を、量子ドットCは青色光を発光する。例えば、量子ドットAと量子ドットBを含む波長変換層へ励起光として青色光を入射させると、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光と、波長変換層を透過した青色光により、白色光を具現化することができる。または、量子ドットA、B、およびCを含む波長変換層に励起光として紫外光を入射させることにより、量子ドットAにより発光される赤色光、量子ドットBにより発光される緑色光、および量子ドットCにより発光される青色光により、白色光を具現化することができる。量子ドットとしては、公知の方法により調製されるものおよび市販品を、何ら制限なく用いることができる。量子ドットについては、例えば特開2012−169271号公報の段落0060〜0066を参照することができるが、ここに記載のものに限定されるものではない。量子ドットの発光波長は、通常、粒子の組成、サイズ、ならびに組成およびサイズにより調整することができる。
量子ドットは、上記量子ドット含有組成物調製時に他の成分と粒子の状態で混合してもよく、溶媒に分散した分散液の状態で混合してもよい。分散液の状態で添加することが、量子ドットの粒子の凝集を抑制する観点から、好ましい。ここで使用される溶媒は、特に限定されるものではない。量子ドットは、量子ドット含有組成物の全量100質量部に対して、例えば0.01〜10質量部程度添加することができる。
以上の量子ドットを含む波長変換部材における波長変換の具体的態様について、以下に図面を参照し説明する。ただし本発明は、下記具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の一態様にかかる波長変換部材を含むバックライトユニット1の一例の説明図である。図1中、バックライトユニット1は、光源1Aと、面光源とするための導光板1Bを備える。図1(a)に示す例では、波長変換部材は、導光板から出射される光の経路上に配置されている。一方、図1(b)に示す例では、波長変換部材は、導光板と光源との間に配置されている。
そして図1(a)に示す例では、導光板1Bから出射される光が、波長変換部材1Cに入射する。図1(a)に示す例では、導光板1Bのエッジ部に配置された光源1Aから出射される光2は青色光であり、導光板1Bの液晶セル(図示せず)側の面から液晶セルに向けて出射される。導光板1Bから出射された光(青色光2)の経路上に配置された波長変換部材1Cには、青色光2により励起され赤色光4を発光する量子ドットAと、青色光2により励起され緑色光3を発光する量子ドットBを、少なくとも含む。このようにしてバックライトユニット1からは、励起された緑色光3および赤色光4、ならびに波長変換部材1Cを透過した青色光2が出射される。こうしてRGBの光を発光させることで、白色光を具現化することができる。
図1(b)に示す例は、波長変換部材と導光板の配置が異なる点以外は、図1(a)に示す態様と同様である。図1(b)に示す例では、波長変換部材1Cから、励起された緑色光3および赤色光4、ならびに波長変換部材1Cを透過した青色光2が出射され導光板に入射し、面光源が実現される。
−重合性化合物−
上記量子ドット含有組成物として量子ドット含有重合性組成物を用いて形成される波長変換層では、量子ドットは、重合性化合物を光照射等により重合させたマトリックス(重合体)中に含まれることが好ましい。
波長変換層の形状は特に限定されるものではない。例えば、波長変換層、およびこの層を含む波長変換部材は、シート状ないしフィルム状である。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物、カチオン重合性化合物、アニオン重合性化合物等の各種重合形式による重合性化合物を用いることができる。また、重合性化合物は、一種用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。上記組成物全量に占める重合性化合物の含有量は、10〜99.99質量%程度とすることが好ましい。好ましい重合性化合物の一例としては、硬化後の硬化被膜の透明性、密着性等の観点からは、単官能または多官能(メタ)アクリレートモノマー、そのポリマー、プレポリマー等の単官能または多官能(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。なお本発明および本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、アクリレートとメタクリレートとの少なくとも一方、または、いずれかの意味で用いるものとする。「(メタ)アクリロイル」等も同様である。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、アクリル酸およびメタクリル酸、それらの誘導体、より詳しくは、(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を分子内に1個有する化合物を挙げることができる。それらの具体例として以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜30であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等のアラルキル基の炭素数が7〜20であるアラルキル(メタ)アクリレート;ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基の炭素数が2〜30であるアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の(モノアルキルまたはジアルキル)アミノアルキル基の総炭素数が1〜20であるアミノアルキル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコールエチルエーテルの(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールブチルエーテルの(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルの(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ヘプタプロピレングリコールのモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールのモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜10で末端アルキルエーテルの炭素数が1〜10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルの(メタ)アクリレート;ヘキサエチレングリコールフェニルエーテルの(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30で末端アリールエーテルの炭素数が6〜20のポリアルキレングリコールアリールエーテルの(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環構造を有する総炭素数4〜30の(メタ)アクリレート;ヘプタデカフロロデシル(メタ)アクリレート等の総炭素数4〜30のフッ素化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート;テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜30のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
単官能(メタ)アクリレート化合物としては、炭素数が4〜30のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが好ましく、炭素数12〜22のアルキル(メタ)アクリレートを用いることが、量子ドットの分散性向上の観点から、より好ましい。量子ドットの分散性が向上するほど、波長変換層から出射面に直行する光量が増えるため、正面輝度および正面コントラストの向上に有効である。具体的には、単官能(メタ)アクリレート化合物としては、ブチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリルアミド、オクチル(メタ)アクリルアミド、ラウリル(メタ)アクリルアミド、オレイル(メタ)アクリルアミド、ステアリル(メタ)アクリルアミド、ベヘニル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。中でもラウリル(メタ)アクリレート、オレイル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記(メタ)アクリル酸の重合性不飽和結合((メタ)アクリロイル基)を1分子内に1個有するモノマーと共に、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する多官能(メタ)アクリレート化合物を併用することもできる。具体例として、以下に化合物を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜20のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレン鎖の炭素数が1〜20のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の総炭素数が10〜60のトリ(メタ)アクリレート;エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の総炭素数が10〜100のテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
2官能、3官能等の多官能(メタ)アクリレート化合物の使用量は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、塗膜強度の観点からは、5質量部以上とすることが好ましく、組成物のゲル化抑制の観点からは、95質量部以下とすることが好ましい。また、同様の観点から、単官能(メタ)アクリレート化合物の使用量は、上記重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量100質量部に対して、5質量部以上、95質量部以下とすることが好ましい。
好ましい重合性化合物としては、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合可能な環状エーテル基等の環状基を有する化合物を挙げることができる。そのような化合物としてより好ましくは、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を有する化合物を挙げることができる。
エポキシ化合物としては、例えば、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類などを例示することができる。
エポキシ化合物としては、更に、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物およびエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることもできる。
これらの成分の中、脂肪族環状エポキシ化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
グリシジル基含有化合物として好適に使用できる市販品としては、UVR−6216(ユニオンカーバイド社製)、グリシドール、AOEX24、サイクロマーA200、(以上、ダイセル化学工業(株)製)、エピコート828、エピコート812、エピコート1031、エピコート872、エピコートCT508(以上、油化シェル(株)製)、KRM−2400、KRM−2410、KRM−2408、KRM−2490、KRM−2720、KRM−2750(以上、旭電化工業(株)製)などを挙げることができる。これらは、1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、これらのエポキシ化合物はその製法は問わない。例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号公報、特許第2906245号公報、特許第2926262号公報などの文献を参考にして合成できる。
エポキシ化合物として、使用条件に合わせて2種以上の成分が予め混合調製されている市販のエポキシ組成物を用いてもよい。これらは、接着剤または封止剤などとして市販されている。市販品は、例えば、スリーボンド社、EMI社、テスク社などから入手することができる。具体的には、EMI社製OPTOCAST(商標名)3505、同3506、同3553、テスク社製A−1771(商品名)などが例示される。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記量子ドット含有重合性組成物は、重合開始剤を含むことができる。具体的には、重合開始剤として、公知のラジカル重合開始剤やカチオン重合開始剤を含むことができる。重合開始剤については、例えば、特開2013−043382号公報の段落0037、特開2011−159924号公報の段落0040〜0042を参照できる。重合開始剤は、重合性組成物に含まれる重合性化合物の全量の0.1モル%以上であることが好ましく、0.5〜5モル%であることがより好ましい。ただし、酸発生剤が重合性化合物に対して重合開始剤として作用する場合もあるため、重合開始剤の使用は必須ではない。重合開始剤としては、光重合開始剤または熱重合開始剤を、重合性化合物の種類に応じて適宜選択して用いればよい。重合処理が短時間で終了する点では重合処理は光照射により行うことが好ましい。したがって、この点からは、重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましい。
酸発生剤の中には、カチオン重合性化合物の重合を開始可能なカチオン重合開始剤として機能するものもある。そのような酸発生剤を用いる場合、上記量子ドット含有重合性組成物に含まれる重合性化合物が、上記酸発生剤からのプロトン酸の放出により重合反応を開始可能なカチオン重合性化合物である場合には、重合開始剤を別途添加し併用することは必須ではない。他方、密着性の更なる向上の観点からは、重合性化合物がラジカル重合性化合物であることが好ましい。この点から好ましい重合性化合物としては、先に記載した単官能(メタ)アクリレート化合物および多官能(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。
−その他成分−
量子ドット含有組成物は、以上記載した成分、および任意に添加可能な公知の添加剤を必要に応じて用いることにより調製することができる。例えば、上記成分、および必要に応じて添加される一種以上の公知の添加剤を、同時または順次混合して量子ドット含有組成物を調製することができる。添加剤の使用量は特に限定されるものではなく、適宜設定可能である。また、量子ドット含有組成物の粘度等のために、必要に応じて溶媒を添加してもよい。この場合に使用される溶媒の種類および添加量は、特に限定されるものではない。例えば溶媒として、有機溶媒を一種または二種以上混合して用いることができる。
上記量子ドット含有組成物は、エネルギー付与によりプロトン酸を発生する酸発生剤を含んでいてもよい。エネルギー付与(トリガー)によりプロトン酸を発生する酸発生剤であれば、例えば上記組成物を隣接層表面と接触させた後にエネルギー付与を行うことによってプロトン酸を発生させることができる。こうして酸発生剤から発生されたプロトン酸により有機金属カップリング剤の反応が促進される結果、隣接層との密着性向上になると、本発明者らは推察している。
以上の観点からは、上記量子ドット含有組成物は、エネルギー付与によりプロトン酸を発生する形態ではない状態のプロトン酸を多量に含まないことが好ましい。具体的には、そのようなプロトン酸の含有量は、有機金属カップリング剤100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、0質量部であることが最も好ましい。
また、本発明の波長変換部材の製造方法ではバリアフィルムの無機層と量子ドットを含有する波長変換層を積層する前に、あらかじめバリアフィルムの無機層の表面を有機金属カップリング剤および水を含む組成物で表面処理することで、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が十分に良好であるため、量子ドット含有組成物は酸発生剤などの反応促進剤を含まなくてもよい。具体的には、酸発生剤などの反応促進剤の含有量は、有機金属カップリング剤100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、0質量部であることが最も好ましい。
<巻き取る工程>
本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の積層工程の後に前述の波長変換部材をロールに巻き取る工程を含むことが好ましい。
また、本発明の波長変換部材の製造方法は、前述の巻き出す工程、前述の表面処理工程、前述の積層工程および前述の巻き取る工程をロールtoロールで行うことが、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である波長変換部材を高い生産性で製造できる観点から好ましい。
[波長変換部材]
本発明の波長変換部材の第一の態様は、本発明の波長変換部材の製造方法で製造された波長変換部材である。
本発明の波長変換部材の第二の態様は、表面処理されてなる少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムと、バリアフィルムの表面処理された表面に直接接して配置された、量子ドットを含有する波長変換層とを含み、表面処理が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物をバリアフィルムの無機層の表面への付与である、波長変換部材である。
以下、本発明の波長変換部材について、更に詳細に説明する。
本発明の波長変換部材は、波長変換層の少なくとも一方の表面から厚み方向に10%以下の距離の表面領域における有機金属カップリング剤の濃度が、波長変換層の両方の表面から厚み方向に10%を超える距離の内部領域における有機金属カップリング剤の濃度よりも高いことが、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好である観点から好ましい。
波長変換層の少なくとも一方の表面から厚み方向に10%以下の距離の表面領域における有機金属カップリング剤の濃度が、波長変換層の両方の表面から厚み方向に10%を超える距離の内部領域における有機金属カップリング剤の濃度よりも高いことは、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。
[バックライトユニット]
本発明のバックライトユニットは、本発明の波長変換部材と、光源と、を少なくとも含む。波長変換部材の詳細は、先に記載した通りである。
(バックライトユニットの発光波長)
高輝度かつ高い色再現性の実現の観点からは、バックライトユニットとして、多波長光源化されたものを用いることが好ましい。好ましい一態様としては、
430〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する青色光と、
500〜600nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する緑色光と、
600〜680nmの波長帯域に発光中心波長を有し、半値幅が100nm以下である発光強度のピークを有する赤色光と、
を発光するバックライトユニットを挙げることができる。
より一層の輝度および色再現性の向上の観点から、バックライトユニットが発光する青色光の波長帯域は、440〜480nmの範囲であることが好ましく、440〜460nmの範囲であることがより好ましい。
同様の観点から、バックライトユニットが発光する緑色光の波長帯域は、510〜560nmの範囲であることが好ましく、510〜545nmの範囲であることがより好ましい。
また、同様の観点から、バックライトユニットが発光する赤色光の波長帯域は、600〜650nmの範囲であることが好ましく、610〜640nmの範囲であることがより好ましい。
また同様の観点から、バックライトユニットが発光する青色光、緑色光および赤色光の各発光強度の半値幅は、いずれも80nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、40nm以下であることがさらに好ましく、30nm以下であることが一層好ましい。これらの中でも、青色光の各発光強度の半値幅が25nm以下であることが、特に好ましい。
バックライトユニットは、少なくとも、上記波長変換部材とともに、光源を含む。一態様では、光源として、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する青色光を発光するもの、例えば、青色光を発光する青色発光ダイオードを用いることができる。青色光を発光する光源を用いる場合、波長変換層には、少なくとも、励起光により励起され赤色光を発光する量子ドットAと、緑色光を発光する量子ドットBが含まれることが好ましい。これにより、光源から発光され波長変換部材を透過した青色光と、波長変換部材から発光される赤色光および緑色光により、白色光を具現化することができる。
または他の態様では、光源として、300nm〜430nmの波長帯域に発光中心波長を有する紫外光を発光するもの、例えば、紫外光発光ダイオードを用いることができる。この場合、波長変換層には、量子ドットA、Bとともに、励起光により励起され青色光を発光する量子ドットCが含まれることが好ましい。これにより、波長変換部材から発光される赤色光、緑色光および青色光により、白色光を具現化することができる。
また他の態様では、青色光を発光する青色レーザー、緑色光を発光する緑色レーザー、赤色光を発光する赤色レーザーからなる群から選ばれる光源の二種を用い、この光源が出射する光とは異なる発光波長を有する蛍光を発光する量子ドットを、波長変換層に存在させることにより、光源から発光される二種の光と、波長変換層の量子ドットから発光される光により、白色光を具現化することもできる。
また他の態様では、発光ダイオードはレーザー光源で代用することができる。
本発明のバックライトユニットは、前述の光源は、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有することが好ましい。
(バックライトユニットの構成)
バックライトユニットの構成は、導光板や反射板などを構成部材とするエッジライト方式であっても、直下型方式であってもよい。図1には、一態様として、エッジライト方式のバックライトユニットの例を示した。導光板としては、公知のものを何ら制限なく使用することができる。
また、バックライトユニットは、光源の後部に、反射部材を備えることもできる。このような反射部材としては特に制限は無く、公知のものを用いることができ、特許3416302号、特許3363565号、特許4091978号、特許3448626号などに記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
バックライトユニットは、その他、公知の拡散板や拡散シート、プリズムシート(例えば、住友スリーエム社製BEFシリーズなど)、導光器を備えていることも好ましい。その他の部材についても、特許第3416302号、特許第3363565号、特許第4091978号、特許第3448626号などの各公報に記載されており、これらの公報の内容は本発明に組み込まれる。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、本発明のバックライトユニットと、液晶セルと、を少なくとも含む。
(液晶表示装置の構成)
液晶セルの駆動モードについては特に制限はなく、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等の種々のモードを利用することができる。液晶セルは、VAモード、OCBモード、IPSモード、またはTNモードであることが好ましいが、これらに限定されるものではない。VAモードの液晶表示装置の構成としては、特開2008−262161号公報の図2に示す構成が一例として挙げられる。ただし、液晶表示装置の具体的構成には特に制限はなく、公知の構成を採用することができる。
液晶表示装置の一実施形態では、対向する少なくとも一方に電極を設けた基板間に液晶層を挟持した液晶セルを有し、この液晶セルは2枚の偏光板の間に配置して構成される。液晶表示装置は、上下基板間に液晶が封入された液晶セルを備え、電圧印加により液晶の配向状態を変化させて画像の表示を行う。さらに必要に応じて偏光板保護フィルムや光学補償を行う光学補償部材、接着層などの付随する機能層を有する。また、カラーフィルター基板、薄層トランジスタ基板、レンズフィルム、拡散シート、ハードコート層、反射防止層、低反射層、アンチグレア層等とともに(又はそれに替えて)、前方散乱層、プライマー層、帯電防止層、下塗り層等の表面層が配置されていてもよい。
図2に、本発明の一態様にかかる液晶表示装置の一例を示す。図2に示す液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面にバックライト側偏光板14を有する。バックライト側偏光板14は、バックライト側偏光子12のバックライト側の表面に、偏光板保護フィルム11を含んでいても、含んでいなくてもよいが、含んでいることが好ましい。
バックライト側偏光板14は、偏光子12が、2枚の偏光板保護フィルム11および13で挟まれた構成であることが好ましい。
本明細書中、偏光子に対して液晶セルに近い側の偏光板保護フィルムをインナー側偏光板保護フィルムと言い、偏光子に対して液晶セルから遠い側の偏光板保護フィルムをアウター側偏光板保護フィルムと言う。図2に示す例では、偏光板保護フィルム13がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム11がアウター側偏光板保護フィルムである。
バックライト側偏光板は、液晶セル側のインナー側偏光板保護フィルムとして、位相差フィルムを有していてもよい。このような位相差フィルムとしては、公知のセルロースアシレートフィルム等を用いることができる。
液晶表示装置51は、液晶セル21のバックライト側の面とは反対側の面に、表示側偏光板44を有する。表示側偏光板44は、偏光子42が、2枚の偏光板保護フィルム41および43で挟まれた構成である。偏光板保護フィルム43がインナー側偏光板保護フィルムであり、偏光板保護フィルム41がアウター側偏光板保護フィルムである。
液晶表示装置51が有するバックライトユニット1については、先に記載した通りである。
本発明の一態様にかかる液晶表示装置を構成する液晶セル、偏光板、偏光板保護フィルム等については特に限定はなく、公知の方法で作製されるものや市販品を、何ら制限なく用いることができる。また、各層の間に、接着層等の公知の中間層を設けることも、もちろん可能である。
以下に実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
1.バリアフィルム10の作製
ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、東洋紡社製、商品名:コスモシャイン(登録商標)A4300、厚さ50μm、幅1000mm、長さ100m)の片面側に以下の手順で有機層および無機層を順次形成した。
トリメチロールプロパントリアクリレート(ダイセルサイテック社製TMPTA)および光重合開始剤(ランベルティ社製、ESACURE KTO46)を用意し、質量比率として、前者:後者=95:5となるように秤量し、これらをメチルエチルケトンに溶解させ、固形分濃度15%の塗布液とした。この塗布液を、ダイコーターを用いてロールtoロールにて上記PETフィルム上に塗布し、50℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。その後、窒素雰囲気下で紫外線を照射(積算照射量約600mJ/cm)し、紫外線硬化にて硬化させ、巻き取った。支持体上に形成された第一有機層の厚さは、1μmであった。
次に、ロールtoロールのCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて、第一有機層の表面に無機層(窒化ケイ素層)を形成した。原料ガスとして、シランガス(流量160sccm)、アンモニアガス(流量370sccm)、水素ガス(流量590sccm)、および窒素ガス(流量240sccm)を用いた。電源として、周波数13.56MHzの高周波電源を用いた。成膜圧力は40Pa、到達膜厚は50nmであった。このようにして第一有機層の表面に無機層が積層されたバリアフィルム10を2枚作製した。
得られたバリアフィルム10の無機層表面の水との接触角は50度であった。バリアフィルム10の酸素透過度は、0.01cm/(m・day・atm)以下であり、可視光領域における全光線透過率は90%以上であることを確認した。
2.有機金属カップリング剤による表面処理
下記組成の溶液を調製し、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)とした。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)=14/14/2/20/50質量%、pH=4.5。
IPAはイソプロパノールの略称であり、KBM−5103は有機金属カップリング剤の1種であるシランカップリング剤を含む溶液である。
この表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を、ダイコーターを用いてロールtoロールにて、バリアフィルムの無機層上に2cc/mの塗布量で塗布し、120℃の乾燥ゾーンを3分間通過させた。
3.積層(波長変換層の作製)
量子ドット含有重合性組成物として、下記の量子ドット分散液1を調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布液として用いた。以下のトルエン分散液中の量子ドット濃度は、1質量%であった。
──────────────────────────────────────
量子ドット分散液1
──────────────────────────────────────
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:520nm) 10質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発行極大:630nm) 1質量部
ラウリルメタクリレート 80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 18.2質量部
光重合開始剤 1質量部
(イルガキュア(登録商標)819(BASF(株)製)
──────────────────────────────────────
量子ドット1、2としては、下記のコア−シェル構造(InP/ZnS)を有するナノ結晶を用いた。
量子ドット1:INP530−10(NN−labs社製)
量子ドット2:INP620−10(NN−labs社製)
量子ドット分散液1の粘度は50mPa・sであった。
シランカップリング剤KBM−5103
上述した手順で作製したバリアフィルム10を第一、第二のフィルムとして使用し、図3および図4を参照し説明した製造工程により、波長変換部材1を得た。具体的には、第一のフィルムとして1枚目のバリアフィルム10を1m/分、60N/mの張力で連続搬送しながら、ダイコーターから量子ドット含有組成物である塗布液を第一のフィルムの表面に塗布し、50μmの厚さの塗膜を形成した。次いで、塗膜の形成された第一のフィルムをバックアップローラに巻きかけ、塗膜の上に別の2枚目のバリアフィルム10である第二のフィルムをラミネートした。第一のフィルムと第二のフィルムとで塗膜を挟持した状態でバックアップローラに巻きかけ、連続搬送しながら紫外線を照射した。バックアップローラの直径はφ300mmであり、バックアップローラの温度は50℃であった。紫外線の照射量は2000mJ/cmであった。また、L1は50mm、L2は1mm、L3は50mmであった。
紫外線の照射により塗膜を硬化させて波長変換層(硬化層)を形成し、別の回収用ロールに得られた積層体である波長変換部材1を巻き取り、製造した。波長変換部材の硬化層の厚みは約50μmであった。こうして、波長変換層の両表面上にそれぞれバリアフィルム10を有し、かつ波長変換層の両主表面がバリアフィルム10の表面処理されてなる無機層と直接接している実施例1の波長変換部材1を得た。
[実施例2]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を下記組成にした以外は実施例1と同様にして、実施例2の波長変換部材2を作製した。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)/F−444(DIC社製)=14/14/2/20/50/0.1質量%、pH=4.6。
DIC社製フッ素系ノニオン界面活性剤であるF−444を下記表2では界面活性剤Aとして記載した。
[実施例3]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を下記組成にした以外は実施例1と同様にして、実施例3の波長変換部材3を作製した。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)/F−114(DIC社製)=14/14/2/20/50/0.1質量%、pH=4.4。
DIC社製フッ素系アニオン界面活性剤であるF−114を下記表2では界面活性剤Bとして記載した。
[実施例4]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を下記組成にした以外は実施例1と同様にして、実施例4の波長変換部材4を作製した。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)/ネオペレックスG−15(花王株式会社製)=14/14/2/20/50/0.6質量%、pH=4.5。
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム界面活性剤であるネオペレックスG−15 (花王株式会社製)、固形分濃度16%を下記表2では界面活性剤Cとして記載した。
[実施例5]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を下記組成にした以外は実施例1と同様にして、実施例5の波長変換部材5を作製した。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)/エマルゲン106(花王株式会社製)=14/14/2/20/50/0.1質量%、pH=4.7。
ポリオキシエチレンラウリルエーテル界面活性剤であるエマルゲン106(花王株式会社製)を下記表2では界面活性剤Dとして記載した。
[実施例6]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)を下記組成にした以外は実施例1と同様にして、実施例6の波長変換部材6を作製した。
IPA/エタノール/酢酸/水/KBM−5103(信越化学工業(株)製)/コータミン24P(花王株式会社製)=14/14/2/20/50/0.1質量%、pH=4.4。
ラウリルトリメチルベンジルアンモニウムクロライド界面活性剤であるコータミン24P(花王株式会社製)を下記表2では界面活性剤Eとして記載した。
[実施例7]
実施例1において、表面処理用の組成物(表面処理用塗布液)中のKBM−5103をシランカップリング剤であるKBM−603(信越化学工業(株)製)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の波長変換部材7を作製した。
[実施例8]
実施例1において、バリアフィルムの無機層を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、波長変換部材8を作製した。
有機層を形成したフィルムをホローカソード型イオンプレーティング装置にセットした。そして、蒸発源材料である酸化ケイ素(高純度化学研究所製)をホローカソード型イオンプレーティング装置に投入し、真空引きを行った。真空度が5×10−4Paまで到達した後、プラズマガンにアルゴンガスを15sccm導入し、電流110A、電圧90Vのプラズマを発生させた。チャンバー内を1×10−1Paに維持することと磁力によりプラズマを所定方向に曲げ、蒸発源材料に照射させた。蒸発源材料は溶融状態を経て昇華した。このイオンプレーティングを10秒間実施し、フィルム上に堆積させることで、膜厚50nmの酸化ケイ素からなる無機層を形成した。得られたバリアフィルムの無機層の水との接触角は25度であった。バリアフィルムの酸素透過度は、0.01cm/(m・day・atm)以下であり、可視光領域における全光線透過率は90%以上であることを確認した。
[比較例1]
実施例1において、表面処理用の組成物の塗布を実施しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の波長変換部材Tを作製した。
[比較例2]
実施例1において、実施例1の表面処理用の組成物を、IPA/エタノール/KBM−5103=25/25/50質量%の水を含まない表面処理用の組成物へと変更した以外は実施例1と同様にして、比較例2の波長変換部材を作製した。なお、シランカップリング剤を含む溶液であるKBM−5103は水を含まない。
[参考例1]
実施例1において、バリアフィルム10を作製した後に表面処理を行わず、量子ドット含有重合性組成物として、下記の量子ドット分散液2を用いた以外は実施例1と同様にして、参考例1の波長変換部材を作製した。量子ドット分散液2の詳細を以下に示す。
量子ドット含有重合性組成物として、下記の量子ドット分散液2を調製し、孔径0.2μmのポリプロピレン製フィルタでろ過した後、30分間減圧乾燥して塗布液として用いた。以下のトルエン分散液中の量子ドット濃度は、1質量%であった。
──────────────────────────────────────
量子ドット分散液2
──────────────────────────────────────
量子ドット1のトルエン分散液(発光極大:520nm) 10質量部
量子ドット2のトルエン分散液(発行極大:630nm) 1質量部
ラウリルメタクリレート 80.8質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 18.2質量部
光重合開始剤 1質量部
(イルガキュア(登録商標)819(BASF(株)製)
シランカップリング剤 3質量部
(KBM−5103 信越化学工業(株)製)
──────────────────────────────────────
量子ドット1、2としては、下記のコア−シェル構造(InP/ZnS)を有するナノ結晶を用いた。
量子ドット1:INP530−10(NN−labs社製)
量子ドット2:INP620−10(NN−labs社製)
量子ドット分散液2の粘度は50mPa・sであった。
[評価]
<表面濡れ性評価方法>
表面処理用の組成物をバリアフィルムの無機層の表面に塗布・乾燥した際に、表面処理用の組成物が無機層の表面の
全面に塗布できれば:A
一部はじきが発生:B
全面はじき塗布できず:C
と判定した。
その結果を下記表2に示す。
AまたはB評価ならば、実用上問題ない。A評価であることが好ましい。
<密着性の評価>
作製した波長変換部材を、70℃75%の高温高湿条件で5日間保管したサンプルを調製し、本サンプルをJIS K5400に準拠した方法で評価した。各実施例、比較例および参考例の波長変換部材の波長変換層以外の層(バリアフィルム)の片面にカッターナイフで膜面に対して90°の波長変換層に到達する切り込みを1mm間隔で入れ、1mm間隔の碁盤目を100マス作製した。この上に2cm幅のマイラーテープ(日東電工製、ポリエステルテープ、No.31B)で貼り付けたテープを剥がした。各実施例、比較例および参考例の波長変換部材の最表面の層が残存したマスの数で評価した。両面について同様の試験を行い、最表面の層が残存したマスの数が少ない方の面の値を用いて以下の評価基準により評価した。その結果を下記表2に示す。
(評価基準)
A:残存マス数 100個
B:残存マス数 99〜80個
C:残存マス数 79〜60個
D:残存マス数 59〜20個
E:残存マス数 19〜0個
A、BまたはC評価ならば、実用上問題ない。AまたはB評価であることが好ましく、A評価であることがより好ましい。
上記表2より、各実施例の波長変換部材は、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が良好であることがわかった。
比較例1より、表面処理をしていないバリアフィルムを用いて製造した波長変換部材は、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が悪いことがわかった。
比較例2より、水を含まない表面処理用の組成物を用いて製造した波長変換部材は、量子ドットを含有する波長変換層とバリアフィルムとの間の湿熱経時後の密着性が悪いことがわかった。
<有機金属カップリング剤の偏在の評価>
さらに、各実施例、比較例および参考例の波長変換部材について、波長変換層における有機金属カップリング剤の偏在を評価した。
具体的には、各実施例の波長変換部材について波長変換層の少なくとも一方の表面から厚み方向に10%以下の距離の表面領域における有機金属カップリング剤の濃度が、波長変換層の両方の表面から厚み方向に10%を超える距離の内部領域における有機金属カップリング剤の濃度よりも高いことを、以下の方法で確認した。
作製した波長変換部材であるフィルムを切削し、断面をX線光電子分光法(XPS)で解析することで、カップリング剤の存在分布を確認した。
一方、比較例1および参考例の波長変換部材は波長変換層における有機金属カップリング剤の偏在は上記の方法では測定できなかった。
[実施例101〜108、比較例101、102および参考例101]
<バックライトユニットおよび液晶表示装置の製造>
市販のタブレット端末(Amazon社製Kindle(登録商標)Fire HDX 7”)を分解し、バックライトユニットを取り出した。取り出したバックライトユニットの導光板上に矩形に切り出した各実施例、比較例および参考例の波長変換部材を置き、その上に表面凹凸パターンの向きが直交した2枚のプリズムシートを重ね置き、実施例101〜108、比較例101、102および参考例101のバックライトユニットおよび液晶表示装置を作製した。
各実施例の波長変換部材は、比較例の波長変換部材よりも、矩形に切り出した際の端部の剥がれが少ないことがわかった。
また、各実施例の液晶表示装置は良好な表示性能を示した。
1 バックライトユニット
1A 光源
1B 導光板
1C 波長変換部材
2 青色光
3 緑色光
4 赤色光
10 第一のフィルム
11 偏光板保護フィルム
12 偏光子
13 偏光板保護フィルム
14 バックライト側偏光板
20 塗布部
21 液晶セル
22 塗膜
24 ダイコーター
26 バックアップローラ
28 波長変換層(硬化層)
30 ラミネート部
32 ラミネートローラ
34 加熱チャンバー
41 偏光板保護フィルム
42 偏光子
43 偏光板保護フィルム
44 表示側偏光板
50 第二のフィルム
51 液晶表示装置
60 硬化部
62 バックアップローラ
64 紫外線照射装置
70 波長変換部材
80 剥離ローラ
100 製造設備
本発明は、液晶表示装置の製造分野において有用である。

Claims (14)

  1. 少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムを表面処理する表面処理工程と、
    前記バリアフィルムの表面処理された表面に量子ドットを含有する波長変換層を積層する積層工程とを含み、
    前記表面処理工程が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を前記バリアフィルムの前記無機層の表面に付与する工程である、波長変換部材の製造方法。
  2. 前記有機金属カップリング剤が末端に反応性官能基を有する、請求項1に記載の波長変換部材の製造方法。
  3. 前記表面処理用の組成物が界面活性剤を含有する、請求項1または2に記載の波長変換部材の製造方法。
  4. 前記界面活性剤がフッ素系ノニオン界面活性剤である、請求項3に記載の波長変換部材の製造方法。
  5. 前記表面処理用の組成物の溶媒に有機溶剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法。
  6. 前記表面処理工程が少なくとも1層の無機層を有する第一のバリアフィルムおよび少なくとも1層の無機層を有する第二のバリアフィルムをそれぞれ表面処理する工程であり、
    前記積層工程が前記第一のバリアフィルムおよび前記第二のバリアフィルムのそれぞれ表面処理された表面で前記波長変換層を挟む工程である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法。
  7. 前記表面処理工程の前に前記第一のバリアフィルムおよび前記第二のバリアフィルムをそれぞれロールから巻き出す工程と、
    前記積層工程の後に前記波長変換部材をロールに巻き取る工程を含み、
    前記巻き出す工程、前記表面処理工程、前記積層工程および前記巻き取る工程をロールtoロールで行う、請求項6に記載の波長変換部材の製造方法。
  8. 前記積層工程が、量子ドット含有組成物の塗布工程である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換部材の製造方法で製造された、波長変換部材。
  10. 表面処理されてなる少なくとも1層の無機層を有するバリアフィルムと、
    前記バリアフィルムの表面処理された表面に直接接して配置された、量子ドットを含有する波長変換層とを含み、
    前記表面処理が水を含有する溶媒および有機金属カップリング剤を含む表面処理用の組成物を前記バリアフィルムの前記無機層の表面への付与である、波長変換部材。
  11. 前記波長変換層の少なくとも一方の表面から厚み方向に10%以下の距離の表面領域における有機金属カップリング剤の濃度が、前記波長変換層の両方の表面から厚み方向に10%を超える距離の内部領域における有機金属カップリング剤の濃度よりも高い、請求項9または10に記載の波長変換部材。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
    光源と、
    を少なくとも含む、バックライトユニット。
  13. 前記光源は、430nm〜480nmの波長帯域に発光中心波長を有する、請求項12に記載のバックライトユニット。
  14. 請求項12または13に記載のバックライトユニットと、
    液晶セルと、
    を少なくとも含む、液晶表示装置。
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