JP2016071957A - 放電ランプおよび放電電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】点灯と消灯の繰り返しにより電極芯材と気密容器の封止部との間に隙間が生じることを抑制することができる放電ランプおよび放電電極を提供する。【解決手段】実施形態の放電ランプ1は、気密容器2と、一対の放電電極3とを具備する。気密容器2は、紫外線透過性の材料からなり、内部に少なくとも希ガス、水銀が封入された放電空間23が形成され、放電空間23の両端に設けられた封止部21を有する。放電電極3は、気密容器2内に形成される放電空間23の両端部に対向し、一部が封止部21に埋設して設けられる。一対の放電電極3は、電極芯材31と、コイル32とを具備する。コイル32は、電極芯材31の放電空間23側の端部の外周面31aに設けられる。電極芯材31の外周面31aのうち、少なくとも気密容器3の封止部21に密着する密着領域Sは、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす。【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、放電ランプおよび放電電極に関する。
放電ランプは、例えば、プロジェクタ装置の光源、半導体素子製造用または液晶表示素子製造用の露光装置の光源、あるいは紫外線を利用した検査装置の光源などに用いられている。放電ランプ、特に高圧放電ランプは、希ガス及び水銀、または希ガス、水銀及び鉄などのメタルハライドを封入した気密容器の両端部に一対の放電電極が取り付けられており、点灯中は放電電極の温度が高温、例えば2300度以上となる。また、消灯すると、放電電極の温度が低下する。このために、放電ランプの放電電極は、点灯、消灯を繰り返す際に、熱膨張・熱収縮を繰り返すこととなる。
ところで、電極芯材は、熱膨張・熱収縮を繰り返し、気密容器の封止部との間に隙間を生じ、当該隙間に気密容器内の水銀やメタルハライドが浸入する可能性がある。
本発明は、点灯と消灯の繰り返しにより電極芯材と気密容器の封止部との間に隙間が生じることを抑制することができる放電ランプおよび放電電極を提供することを目的とする。
実施形態に係る放電ランプは、気密容器と、一対の放電電極とを具備する。気密容器は、紫外線透過性の材料からなり、内部に少なくとも希ガス、水銀が封入された放電空間が形成され、放電空間の両端に設けられた封止部を有する。放電電極は、気密容器内に形成される放電空間の両端部に対向し、一部が封止部に埋設して設けられる。一対の放電電極は、電極芯材と、コイルとを具備する。コイルは、電極芯材の放電空間側の端部の外周面に設けられる。電極芯材の外周面のうち、少なくとも気密容器の封止部に密着する密着領域は、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす。
本発明によれば、点灯と消灯の繰り返しにより電極芯材と気密容器の封止部との間に隙間が生じることを抑制することができる。
以下で説明する実施形態、変形例1及び変形例2に係る放電ランプ1は、気密容器2と、一対の放電電極3とを具備する。気密容器2は、紫外線透過性の材料からなり、内部に少なくとも希ガス、水銀が封入された放電空間23が形成され、放電空間23の両端に設けられた封止部21を有する。放電電極3は、気密容器2内に形成される放電空間23の両端部に対向し、一部が封止部21に埋設して設けられる。一対の放電電極3は、電極芯材31と、コイル32とを具備する。コイル32は、電極芯材31の放電空間23側の端部の外周面31aに設けられる。電極芯材31の外周面31aのうち、少なくとも気密容器3の封止部21に密着する密着領域Sは、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす。
また、以下で説明する実施形態、変形例1及び変形例2に係る放電ランプ1において、電極芯材31の直径は1.0〜4.0mmである。
また、以下で説明する実施形態、変形例1及び変形例2に係る放電ランプ1において、封止部21の外径は5〜15mmである。
また、以下で説明する実施形態、変形例1及び変形例2に係る放電ランプ1において、放電ランプ1は、ロングアークの高圧水銀ランプまたはロングアークのメタルハライドランプである。
また、以下で説明する実施形態、変形例1及び変形例2に係る放電電極3は、放電ランプ1の気密容器2内の放電空間23に対向し、一部が封止部21に埋設して設けられる。放電電極3は、電極芯材31と、電極芯材31の放電空間23側の端部の外周面31aに設けられるコイル32とを具備する。電極芯材31の外周面31aのうち、少なくとも気密容器2の封止部21に密着する密着領域Sは、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす。
〔実施形態〕
図1〜図3を参照して、実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る放電ランプを示す正面図である。図2は、実施形態に係る放電電極を示す断面図である。図3は、実施形態に係る放電ランプの部分断面図である。なお、図3は、コイル、気密容器を管軸方向を含む平面で断面とした図である。
図1〜図3を参照して、実施形態を説明する。図1は、実施形態に係る放電ランプを示す正面図である。図2は、実施形態に係る放電電極を示す断面図である。図3は、実施形態に係る放電ランプの部分断面図である。なお、図3は、コイル、気密容器を管軸方向を含む平面で断面とした図である。
図1に示すように、実施形態に係る放電ランプ1は、気密容器2と、一対の放電電極3,3とを含んで構成され、さらに気密容器2の管軸方向の両端部をそれぞれ支持するソケット4,4と、放電ランプ1に電力を供給する一対の外部リード5,5とを含んで構成されている。
気密容器2は、管状に形成され、管軸方向の両端に設けられた封止部21を有し、内部が封止部21により封止されることで、内部に放電空間23が形成されているものである。気密容器2は、紫外線透過性の材料、例えば石英からなり、放電空間23の内部に少なくとも希ガス、水銀が封入されている。本実施形態における放電空間23には、キセノン(Xe)、アルゴン(Ar)などのうち1種類、または複数種組み合わせた希ガスと、微量な水銀(Hg)が封入されている。例えば、希ガスが約1.3kPa〜約6.7kPa、水銀が50mg以上2000mg以下封入されている。つまり、本実施形態における放電ランプ1は、いわゆる高圧放電型のロングアークの水銀ランプである。また、水銀が70mg以上1000mg以下、ヨウ化水銀が10mg以上40mg以下、ヨウ化タリウムが1mg以上3mg以下封入されることもある。つまり、本実施形態における放電ランプ1は、いわゆる高圧放電型のロングアークのメタルハライドランプであってもよい。また、気密容器2内には、鉄、ビスマス、タリウム、錫及びヨウ化物あるいは臭化物等のメタルハライドが封入されていてもよい。放電ランプ1は、一対の放電電極3,3と接続されている一対の外部リード5,5から供給される電力により、アーク放電を発生させ発光するものである。放電ランプ1は、管軸方向の長さLWを例えば1200mmとし、主な発光ピークを350nm〜450nmとするものである。
一対の放電電極3は、気密容器2内に形成される放電空間23の両端部に対向して設けられるものである。放電電極3は、放電空間23において対向配置され、気密容器2の両端部に形成された封止部21に一部が埋設してそれぞれ設けられている。封止部21の外径は、5〜15mmである。放電電極3は、図2に示すようにコイル巻装電極であり、電極芯材31と、コイル32と、電極箔33とを含んで構成されている。
電極芯材31は、放電電極3の主要部であり、円筒形状に形成されており、耐熱性を有するためタングステン(W)を主成分とする。本実施形態における電極芯材31は、電子放射性物質としてトリア(ThO2)が0.5重量%〜3.0重量%含有されたタングステンを材料として形成されている。電極芯材31の外径は、1.0〜4.0mmである。電極芯材31の外周面31aの放電空間23内の先端部31bにコイル32が巻かれており、先端部31bと反対側の基端部31cが電極箔33と接続されている。電極箔33は、モリブデンを含む金属で構成される。電極箔33の軸方向長さは、10〔mm〕以上に形成され、電極箔33の厚みは、0.010〜0.030〔mm〕程度に形成されている。各電極芯材31は、各ソケット4の内部において、各電極箔33、電力印加用の棒材(図示せず)を介して各外部リード5とそれぞれ接続されている。電力印加用の棒材は、純モリブデンあるいは酸化ランタンを添加したモリブデンを材料として構成され、電極箔33の電極芯材31の反対側に抵抗溶接等の手段により取り付けられている。なお、電極芯材31が含有する電子放射性物質としては、トリアに限定されず、電子を放出しやすい物質であればよい。
コイル32は、螺旋状に巻き回された金属線であり、放電電極3の表面積を増加させて放熱効果を向上するものである。コイル32は、耐火性を有するため上記電極芯材31と同様にタングステン(W)を主成分とする。本実施形態におけるコイル32は、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カリウム(K)のいずれか1つをドープ剤として添加したドープタングステン線で形成されている。コイル32は、巻かれた状態で、電極芯材31の先端部31bから挿入され、電極芯材31に対して嵌合している。実施形態で、コイル32は、電極芯材31の放電空間23側の先端部31bの外周面31aに設けられる。
ここで、電極芯材31の外周面31aのうち、中央部31dの気密容器2の封止部21に密着する密着領域Sには、図3に示すように、粗面部CFが形成されている。密着領域Sに形成された粗面部CF(同図に示す斜線領域)は、砥石ややすりによる研削処理や粒体を衝突させるブラスト処理などにより、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sを除く領域よりも表面粗さが大きく形成されている。つまり、密着領域Sでは、外周面31aの密着領域Sを除く領域よりも表面粗さが増大する。本実施形態における粗面部CFは、電極芯材31の外周面31aのうち、気密容器2の封止部21に密着する密着領域Sの全域に形成されている。
つまり、粗面部CFの電極芯材31の軸方向における軸方向長さL1と、封止部21の軸長L2とが同じである。ここで、粗面部CFは、電極芯材31の先端部31b及び基端部31cには形成されていない。つまり、電極芯材31の外周面31aのうち、先端部31b側及び基端部31c側は、密着領域Sよりも表面粗さが小さい。従って、電極芯材31の先端部31bからコイル32を挿入する際に、先端部31bに粗面部CFが形成された場合と比較して、挿入が容易となる。これにより、放電電極3の組み付け性の低下を抑制することができる。
本実施形態における粗面部CF即ち密着領域Sの表面粗さは、算術平均粗さRaにおいて、密着領域Sを除く領域よりも大きくなる。コイル32を電極芯材31に嵌合した後において、密着領域Sは、算術平均粗さRaが、80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たしている。ここで、算術平均粗さRaとは、公知であり、JIS(日本工業規格)B0601に規定されているものをいう。
なお、「コイル32を電極芯材31に嵌合した後の密着領域Sの算術平均粗さRa」とは、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−8500や、金属顕微鏡で測定することができる。
ここで、密着領域Sの表面粗さを算術平均粗さRaで設定するのは、電極芯材31の密着領域Sの封止部21に対する密着度と、点灯、消灯の繰り返しによる封止部21と電極芯材31との間の隙間の生じ易さとの相関性が高いためである。例えば、放電ランプ1の点灯時には、発光部分の温度が最大800℃程度まで上昇し、電力印加用の棒材の温度が最大300℃程度まで上昇する。電極芯材31は、前述した金属などで、また、気密容器2は、石英などで構成されている。このために、電極芯材31の熱膨張係数と、気密容器2の熱膨張係数とが異なることとなり、電極芯材31の点灯時の熱膨張及び消灯時の熱収縮と、気密容器2の点灯時の熱膨張及び消灯時の熱収縮とが異なることとなる。したがって、点灯と消灯の繰り返しにより、封止部21にクラックが生じるなどの電極芯材31と封止部21との間に隙間が生じやすい。密着領域Sの表面粗さを算術平均粗さRa、即ち、電極芯材31の密着領域Sの封止部21に対する密着度を適切な範囲とすることで、点灯と消灯の繰り返しにより電極芯材31と封止部21との間に隙間が生じることを抑制することができるからである。
また、電極芯材31の外径は1.0〜4.0mmである。電極芯材31の外径が1.0mm未満であると、電極芯材31が細すぎることにより電極芯材31の温度が高くなり、放電ランプ1の点灯中に、熱による電極芯材31自身の曲がりや先端部31bの溶融による始動性の低下や立ち消えが生じてしまう。一方、電極芯材31の外径が4.0mmを超えると、電極芯材31自身の温度が下がり、先端部31bから電子の放出が困難となり、放電ランプ1の点灯中に、立ち消えが生じてしまう。よって、電極芯材31の外径は1.0〜4.0mm、好ましくは1.5〜3.0mmであることが望ましい。
また、封止部21の外径は5〜15mmである。封止部の外径が5mm未満であると、封止部21を形成したときに電極箔33の周囲を取り囲む溶融ガラスの量が少なくなり、扁平形状となる。扁平形状となると封止部21の機械的強度が落ちるため、好ましくない。一方、封止部21の外径が15mmを超えると、電極芯材31と封止部21を構成するガラスとの密着性が良くないため、好ましくない。よって、封止部21の外径は5〜15mm、好ましくは8〜13mmであることが望ましい。
ここで、電極芯材31およびコイル32は、図2に示すように、電極芯材31の外径WDと、コイル32の線径MDとの比であるマンドレル比WD/MDが150〔%〕≦WD/MD≦300〔%〕となるように形成されている。
以上のように、本実施形態に係る放電電極3(放電ランプ1)は、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの表面粗さがブラスト処理などにより大きく形成されているので、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との接触面積を大きくすることができる。このために、放電電極3(放電ランプ1)は、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との摩擦力を大きくすることができ、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との密着性を高めることができる。
このために、放電電極3(放電ランプ1)は、点灯と消灯の繰り返し、即ち熱膨張と熱収縮の繰り返しによっても、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21とを密着させることができ、電極芯材31と気密容器2の封止部21との間に隙間が生じることを抑制することができる。したがって、放電電極3(放電ランプ1)は、点灯と消灯とを繰り返しても、気密容器2内の希ガスや水銀が電極芯材31と封止部21との間に浸入して、電極芯材31や電極箔33が腐食されることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る放電電極3(放電ランプ1)では、外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たすようにしたので、電極芯材31と気密容器2の封止部21との摩擦力を十分に確保することができる。つまり、電極芯材31と気密容器2の封止部21との摩擦力の増大により、点灯と消灯の繰り返しによりこれらの間に隙間が生じることを抑制することができる。ただし、放電電極3の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaが大きくなり過ぎると、点灯と消灯とを繰り返す前においても、電極芯材31と気密容器2の封止部21との間の隙間が大きくなる。このために、放電電極3の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaは、上記の範囲内であっても90〔μm〕≦Ra≦120〔μm〕の範囲に納めることがより望ましい。
また、本実施形態に係る放電電極3(放電ランプ1)において、電極芯材31の直径が1.0〜4.0mmであるため、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との接触面積を更に大きくすることができる。このために、放電電極3(放電ランプ1)は、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との摩擦力を大きくすることができ、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との密着性を高めることができる。したがって、放電電極3(放電ランプ1)は、点灯と消灯を繰り返しても、気密容器2内の水銀やメタルハライドが電極芯材31と封止部21との間に浸入して、電極芯材31や電極箔33が腐食されることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る放電電極3(放電ランプ1)において、封止部の外径は5〜15mmであるため、気密容器2内の水銀やメタルハライドが電極芯材31と封止部21との間に浸入して、電極芯材31や電極箔33が腐食されることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る放電電極3(放電ランプ1)において、放電ランプは、ロングアークの高圧水銀ランプまたはロングアークのメタルハライドランプであるため、気密容器2内の水銀やメタルハライドが電極芯材31と封止部21との間に浸入して、電極芯材31や電極箔33が腐食されることを抑制することができる。
このように、本発明の発明者は、放電電極3の外周面31aの密着領域Sの表面粗さを高くすること、即ち、算術平均粗さRaを80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たすようにするなどの適切な値とすることにより、放電電極3と気密容器2の封止部21との間に隙間が生じることを抑制できるという事実を発見した。
ここで、密着領域Sの算術平均粗さRaが異なる放電電極3を、比較例1〜比較例7、本発明品1〜本発明品9として製造して試験を行った。結果を図4に示す。図4は、実施形態に係る放電ランプの評価結果を示す図である。
結果を図4に示す試験では、製造した比較例1〜比較例7、本発明品1〜本発明品9の放電電極3を含む放電ランプ1を繰り返し、点灯、消灯した際に、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の希ガス、水銀が付着しているか否かを目視により確認することで、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との間に隙間が生じたかを確認した。電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の希ガス、水銀が付着していると、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との間に隙間が生じたと確認し、電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の希ガス、水銀が付着していないと、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sと封止部21との間に隙間が生じていないと確認した。
また、比較例1〜比較例7、本発明品1〜本発明品9では、外径が1.5〔mm〕、長さが20〔mm〕の電極芯材31にサンドブラスト処理を施して、密着領域Sの表面粗さを所定の算術平均粗さRaに形成し、コイル32の外径を2.0〔mm〕とした放電電極3を用いた。比較例1〜比較例7、本発明品1〜本発明品9では、電極芯材31の先端部31b間の間隔を1000〔mm〕とし、内径が22.5〔mm〕でかつ水銀300〔mg〕、ヨウ化水銀10〔mg〕、錫1〔mg〕を封入した気密容器2を備えた放電ランプ1を用いた。
比較例1の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを50〔μm〕とし、比較例2の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを60〔μm〕とし、比較例3の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを70〔μm〕とした。本発明品1の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを80〔μm〕とし、本発明品2の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを90〔μm〕とし、本発明品3の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを100〔μm〕とした。本発明品4の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを110〔μm〕とし、本発明品5の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを120〔μm〕とし、本発明品6の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを130〔μm〕とした。本発明品7の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを140〔μm〕とし、本発明品8の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを150〔μm〕とし、本発明品9の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを160〔μm〕とした。比較例4の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを170〔μm〕とし、比較例5の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを180〔μm〕とし、比較例6の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを190〔μm〕とし、比較例7の放電ランプ1の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaを200〔μm〕とした。なお、電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaは、金属顕微鏡を用いて測定した。
また、比較例1〜比較例7、本発明品1〜本発明品9では、放電ランプ1を3本ずつ用い、すべての放電ランプ1の放電電極3の電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の希ガス、水銀が付着していない場合、隙間が生じていないと確認し、少なくとも一つの放電電極3の電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の希ガス、水銀が付着した場合、隙間が生じたと確認した。試験においては、放電ランプ1への入力電力を16kWとし、放電ランプ1を昭和電機製1500kW伝送送風機を、60Hzで空気を掃引し冷却した。
図4の結果によれば、比較例1〜7で、少なくとも一つの放電ランプ1の放電電極3の電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の水銀やメタルハライドが付着したが、本発明品1〜9で、すべての放電ランプ1の放電電極3の電極芯材31の外周面31aの基端部31cに気密容器2内の水銀やメタルハライドが付着しなかった。よって、図4の結果によれば、放電ランプ1は、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たすことで、点灯と消灯とを繰り返しても、電極芯材31と気密容器2の封止部21との間に隙間が生じることを抑制することができることが判明した。さらに、図4の結果によれば、放電ランプ1は、放電電極3の電極芯材31の外周面31aの密着領域Sの算術平均粗さRaが90〔μm〕≦Ra≦120〔μm〕を満たすことで、点灯と消灯とを繰り返しても、電極芯材31と気密容器2の封止部21との間に隙間が生じることを抑制することができることが判明した。
本実施形態における粗面部CFの軸方向長さL1は、封止部21の軸長L2と同じであるがこれに限定されるものではなく、電極芯材31の外周面31aのうち、少なくとも封止部21に密着する密着領域Sを含む領域に粗面部CFを形成し、少なくとも封止部21に密着する密着領域Sの算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たせばよい。図5は、実施形態に係る放電ランプの変形例1を示す部分断面図である。図6は、実施形態に係る放電ランプの変形例2を示す部分断面図である。図5及び図6において、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図5に示す変形例1のように、電極芯材31の外周面31aのうち、密着領域Sとコイル32が巻かれる領域の一部とに亘って、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす粗面部CFを形成してもよい。また、図6に示す変形例2のように、電極芯材31の外周面31aのうち、密着領域Sと電極箔33に取り付けられる基端部31cの一部とに亘って、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす粗面部CFを形成してもよい。
なお、本実施形態における電極芯材31の先端部31bは、円柱形状であるがこれに限定されるものではなく、半球形状であってもよい。また、本実施形態における電極芯材31の先端部31bは、コイル32から突出しているがこれに限定されるものではなく、径方向視において先端部31bがコイル32から突出していなくてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 放電ランプ
2 気密容器
21 封止部
23 放電空間
3 放電電極
31 電極芯材
31a 外周面
32 コイル
S 密着領域
2 気密容器
21 封止部
23 放電空間
3 放電電極
31 電極芯材
31a 外周面
32 コイル
S 密着領域
Claims (5)
- 紫外線透過性の材料からなり、内部に少なくとも希ガス、水銀が封入された放電空間が形成され、前記放電空間の両端に設けられた封止部を有する気密容器と;
前記気密容器内に形成される放電空間の両端部に対向し、一部が前記封止部に埋設して設けられる一対の放電電極と;
を具備する放電ランプであって、
前記一対の放電電極は、
電極芯材と;
前記電極芯材の前記放電空間側の端部の外周面に設けられるコイルと;
を具備し、
前記電極芯材の外周面のうち、少なくとも前記気密容器の前記封止部に密着する密着領域は、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす放電電極である放電ランプ。 - 前記電極芯材の直径は1.0〜4.0mmである請求項1記載の放電ランプ。
- 前記封止部の外径は5〜15mmである請求項1または2記載の放電ランプ。
- 前記放電ランプは、ロングアークの高圧水銀ランプまたはロングアークのメタルハライドランプである請求項1〜3のいずれか一に記載の放電ランプ。
- 放電ランプの気密容器内の放電空間に対向し、一部が封止部に埋設して設けられる一対の放電電極であって、
電極芯材と;
前記電極芯材の前記放電空間側の端部の外周面に設けられるコイルと;
を具備し、
前記電極芯材の外周面のうち、少なくとも前記気密容器の前記封止部に密着する密着領域は、算術平均粗さRaが80〔μm〕≦Ra≦160〔μm〕を満たす放電電極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014197180A JP2016071957A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | 放電ランプおよび放電電極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014197180A JP2016071957A (ja) | 2014-09-26 | 2014-09-26 | 放電ランプおよび放電電極 |
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- 2014-09-26 JP JP2014197180A patent/JP2016071957A/ja active Pending
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