JP2016070854A - 短絡事故点割出システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 多大な設備、費用を要せずに確実に事故点を割り出す。【解決手段】 短絡電流を検出する過電流継電器2と、過電流継電器2よりも上位系統のバックパーセントインピーダンスを保持する変電所設備4と、過電流継電器2および変電所設備4と通信自在な配電自動化システム5と、を備える。配電自動化システム5は、短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスからバックパーセントインピーダンスを減算して過電流継電器2から事故点Pまでのパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、該インピーダンスと予め記憶された配電線L1の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点Pが位置する区間を割り出す。【選択図】 図1
Description
この発明は、配電線に短絡事故が発生した場合の事故点(故障点)を割り出す、短絡事故点割出システムおよび短絡事故点割出方法に関する。
従来、過電流継電器(OCリレー)の動作による配電線事故が発生した場合、高圧線の断線等による公衆感電災害のおそれがあることから、事故発生後に速やかに巡視員による巡視、改修を行っている。この際、事故が発生した配電線の始端から終端までを巡視し、短絡の原因箇所(事故点)を探して事故点の改修を行っている。
一方、中性点電流計測用変流器を設けることなく、トロリ線とレールとの短絡事故やフィーダ線とレールとの短絡事故を検出できる、という電回路用事故点評定装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置は、オートトランスのトロリ線側の電流を検出する第1の保護用変流器と、フィーダ線側の電流を検出する第2の保護用変流器とを備える。そして、検出された電流に基づいて、オートトランスの吸上線に流れる中性点電流をそれぞれ算出し、その中性点電流に基づいて故障点を標定するものである。
ところで、配電線は、長いもので数十kmにも及び、全長にわたって巡視して事故点を探すには、多大な時間と労力とを要し、事故点の特定が遅れることによって公衆安全の確保が遅延するおそれがある。一方、特許文献1に記載の技術では、複数のオートトランスを設置する必要があり費用がかさむ。しかも、この技術は、オートトランスの吸上線に流れる中性点電流を利用するものであるが、配電線路は、中性点非接地系の回路構成であることが多いため、すべての配電線路にこの技術を適用することはできない。
そこでこの発明は、多大な設備、費用を要せずに確実に事故点を割り出すことが可能な、短絡事故点割出システムおよび短絡事故点割出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、配電線に短絡事故が発生した場合に、事故点を割り出す短絡事故点割出システムであって、前記配電線に配設され、短絡電流を検出する短絡電流検出手段と、前記短絡電流検出手段よりも上位系統のパーセントインピーダンスであるバックパーセントインピーダンスを保持する上位系統保持手段と、前記短絡電流検出手段および前記上位系統保持手段と通信自在に接続され、前記短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスから前記バックパーセントインピーダンスを減算して前記短絡電流検出手段から事故点までのパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、該インピーダンスと予め記憶された前記配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出す区間割出手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、配電線に短絡事故が発生すると、短絡電流検出手段によって短絡電流が検出され、区間割出手段に短絡電流が送信される。そして、区間割出手段によって、短絡電流とバックパーセントインピーダンスに基づいて短絡電流検出手段から事故点までのインピーダンスが算出され、この算出結果と予め記憶された配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間が割り出される。
請求項2の発明は、請求項1に記載の短絡事故点割出システムにおいて、前記区間割出手段で割り出された区間を配電系統図上に表示する表示手段を備える、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、配電線に短絡事故が発生した場合に、事故点を割り出す短絡事故点割出方法であって、前記配電線に配設された短絡電流検出手段によって短絡電流を検出し、前記短絡電流検出手段よりも上位系統のパーセントインピーダンスであるバックパーセントインピーダンスを取得し、前記短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスから前記バックパーセントインピーダンスを減算して前記短絡電流検出手段から事故点までのパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、該インピーダンスと予め記憶された前記配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出す、ことを特徴とする。
請求項1および請求項3の発明によれば、短絡電流とバックパーセントインピーダンスに基づいて事故点までのインピーダンスを算出し、算出したインピーダンスと配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出すため、すべての配電線において確実、適正に事故点を割り出すことが可能となる。この結果、割り出された区間のみを巡視して事故点を探せばよく、長い配電線を全長(全区間)にわたって巡視する必要がなくなり、時間や労力、費用を著しく削減することができ、さらには、事故点を早期に特定して公衆安全を早期に確保することが可能となる。
また、一般に、短絡電流を検出する短絡電流検出手段は、配電線に既に配設されている過電流継電器や開閉器(MDMR/ADMR)に備わっており、バックパーセントインピーダンスを保持する上位系統保持手段は、既存の変電所設備に備わっている。このため、新たに短絡電流検出手段や上位系統保持手段を配設する必要がない。つまり、多大な設備、費用を要せずに、既存の設備で容易に本システムや本方法を実現することができる。
請求項2の発明によれば、区間割出手段で割り出された区間が配電系統図上に表示されるため、配電系統における事故区間を迅速かつ的確に把握することができる。この結果、事故区間を早期に巡視して事故点を特定することや、他の区間に対する必要な処置を迅速かつ適正に行うことが可能となる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る短絡事故点割出システム1を示す概略構成図である。この短絡事故点割出システム1は、配電線L1、L2に短絡事故が発生した場合に、事故点Pを割り出すシステムであって、主として、過電流継電器(短絡電流検出手段)2と、開閉器(短絡電流検出手段)31〜3nと、変電所設備(上位系統保持手段)4と、配電自動化システム(区間割出手段)5と、を備えている。
ここで、この実施の形態では、変電所Hから並列に配電線L1、L2が配設され、両配電線L1、L2は同等の構成であるため、主として、一方の配電線L1について説明する。また、1つの変電所Hからの配電線L1、L2のみを図示しているが、複数の変電所からの配電線に対して、短絡事故点割出システム1が適用されている。
過電流継電器2は、配電線L1の変電所H側(上流側の一端)に配設され、短絡などにより負荷側に異常な電流が流れた時に、配電線L1を遮断することで負荷や配電線L1などを損傷から保護する継電器であり、短絡電流を検出、計測する機能を備えている。さらに、検出、計測した短絡電流値を記憶、蓄積(段階的に記憶)するとともに、配電自動化システム5に送信する機能を備えている。
ここで、この実施の形態では、短絡電流を検出する度に短絡電流値を配電自動化システム5に送信するようになっているが、配電自動化システム5からの要求に応じて短絡電流値を配電自動化システム5に送信するようにしてもよい。このような過電流継電器2は、既製、既存の過電流継電器に短絡電流値を記憶、送信する機能を備えたものである。
各開閉器31〜3nは、配電線L1の所定地に配設され、手動や遠隔で操作されることで配電線L1を開閉するものであり、この実施の形態は、配電線L1の変電所H側(過電流継電器2側)から順に、第1の開閉器31、第2の開閉器32、第3の開閉器33、第4の開閉器34、・・・第nの開閉器3nが配設されている。ここで、開閉器3と開閉器3との間が1区間となっている。
また、少なくとも、第1の開閉器31は、短絡電流を検出、計測する機能(MDMR/ADMR)を備え、さらに、過電流継電器2と同様に、検出、計測した短絡電流値を記憶、蓄積(段階的に記憶)するとともに、配電自動化システム5に送信する機能を備えている。このような第1の開閉器31は、短絡電流を検出する機能を有する既製、既存の開閉器に、短絡電流値を記憶、送信する機能を備えたものである。
変電所設備4は、変電所Hに設置され、変電所を監視、制御などするための設備であり、過電流継電器2および第1の開閉器31よりも上位系統におけるパーセントインピーダンスである、バック(背後)パーセントインピーダンスを保持する機能を備える。すなわち、変電所H(過電流継電器2および第1の開閉器31)よりも上位(上流)側の送配電系統におけるパーセントインピーダンスを、バックパーセントインピーダンスとして保持、記憶するものであり、このバックパーセントインピーダンスは、測定、演算されたり外部から設定されたりして保持、記憶される。
そして、バックパーセントインピーダンスの値が変わる度に、あるいは、配電自動化システム5からの要求に応じて、バックパーセントインピーダンスを配電自動化システム5に送信するようになっている。また、バックパーセントインピーダンスが固定値の場合には、一度の送信によって配電自動化システム5に記憶、設定される。このような変電所設備4は、既製、既存の変電所設備にバックパーセントインピーダンスの値を送信する機能を備えたものである。
配電自動化システム5は、配電線で短絡事故などが発生した場合に、自動的に事故区間を特定して開閉器3を開閉制御などすることで、事故の影響を最小限に抑えたりするシステムである。このような従来からの機能に加えて、過電流継電器2、第1の開閉器31および変電所設備4と通信自在に接続され、短絡電流やバックパーセントインピーダンスに基づいて、事故点が位置する区間を割り出す機能を備えており、ここでは、この機能について主として説明する。
すなわち、図2に示すように、入力部51と、表示部(表示手段)52と、メモリ53と、配電データベース54と、割出プログラム(区間割出手段)55と、これらを制御などする中央処理部56と、を備えている。
入力部51は、各種情報や指令などを入力するためのインターフェイスであり、例えば、割出プログラム55を起動する指令を入力する。表示部52は、各種情報やデータを表示するためのディスプレイであり、例えば、後述するように、割出プログラム55で割り出された区間を配電系統図上に表示する。メモリ53は、各種情報やデータを記憶するメモリであり、例えば、過電流継電器2や第1の開閉器31から受信した短絡電流、変電所設備4から受信したバックパーセントインピーダンスを記憶する。
配電データベース54は、配電系統に関する情報やデータが記憶されたデータベースであり、配電系統図やインピーダンス情報などが記憶されている。ここで、配電系統図とは、例えば、図1に示すように、配電線の配設経路、状態を系統的(流れ線図的)に表した図であり、このような配電系統図が全域にわたって記憶されている。
また、インピーダンス情報とは、配電線の各区間におけるインピーダンスの情報であり、この実施の形態では、配電線L1における各区間のインピーダンスの値が記憶されている。例えば、配電線L1における第1の開閉器31と第2の開閉器32との区間での第1のインピーダンス値Z1、第2の開閉器32と第3の開閉器33との区間での第2のインピーダンス値Z2、第3の開閉器33と第4の開閉器34との区間での第3のインピーダンス値Z3、などが記憶されている。
割出プログラム55は、過電流継電器2や第1の開閉器31から受信した短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、このパーセントインピーダンスからバックパーセントインピーダンスを減算して過電流継電器2や第1の開閉器31から事故点Pまでのパーセントインピーダンスを算出し、このパーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、このインピーダンスと予め記憶された配電線L1の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点Pが位置する区間を割り出すプログラムである。具体的には、次のようにして区間を割り出す。
まず、過電流継電器2や第1の開閉器31から受信した三相短絡電流Isに基づいて、次式に従って、パーセントインピーダンス%Z0を算出する。ここで、過電流継電器2から受信した短絡電流Isに基づいてパーセントインピーダンス%Z0を算出する場合について、以下に説明する。
Is=100÷%Z0×In
%Z0=In÷Is×100
In:定格電流であり、6.6kVの配電線の場合、例えば、875A
次に、算出したパーセントインピーダンス%Z0から、変電所設備4から受信したバックパーセントインピーダンス%ZBを減算して、過電流継電器2から事故点Pまでの配電線L1のパーセントインピーダンス%Zを算出する。
%Z0=In÷Is×100
In:定格電流であり、6.6kVの配電線の場合、例えば、875A
次に、算出したパーセントインピーダンス%Z0から、変電所設備4から受信したバックパーセントインピーダンス%ZBを減算して、過電流継電器2から事故点Pまでの配電線L1のパーセントインピーダンス%Zを算出する。
%Z=%Z0−%ZB
続いて、このパーセントインピーダンス%Zを、次式に従ってインピーダンスZに変換して、過電流継電器2から事故点Pまでの配電線L1のインピーダンスZを算出する。
続いて、このパーセントインピーダンス%Zを、次式に従ってインピーダンスZに変換して、過電流継電器2から事故点Pまでの配電線L1のインピーダンスZを算出する。
%Z=1000×Z÷V2
Z=%Z×V2÷1000
V:配電線の電圧であり、6.6kVの配電線の場合、6.6を代入
そして、このインピーダンスZと、配電データベース54に記憶された配電線L1の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点Pが位置する区間を割り出す。すなわち、配電データベース54にインピーダンス情報として記憶されている、各区間のインピーダンス値Z1、Z2、Z3・・・に基づいて、過電流継電器2から当区間までのインピーダンス(累積加算値)が、算出したインピーダンスZに該当(相当)する区間を割り出す。
Z=%Z×V2÷1000
V:配電線の電圧であり、6.6kVの配電線の場合、6.6を代入
そして、このインピーダンスZと、配電データベース54に記憶された配電線L1の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点Pが位置する区間を割り出す。すなわち、配電データベース54にインピーダンス情報として記憶されている、各区間のインピーダンス値Z1、Z2、Z3・・・に基づいて、過電流継電器2から当区間までのインピーダンス(累積加算値)が、算出したインピーダンスZに該当(相当)する区間を割り出す。
例えば、次の関係式が成り立つ場合、事故点Pが位置する区間は、第3の開閉器33と第4の開閉器34との間の区間であると割り出す。
(第1のインピーダンス値Z1+第2のインピーダンス値Z2)<Z<
(第1のインピーダンス値Z1+第2のインピーダンス値Z2+第3のインピーダンス値Z3)
そして、このようにして割り出した区間を表示部52の配電系統図上に表示する。すなわち、図3に示すように、この区間が属する配電系統図を表示部52に表示し、さらに、この配電系統図上の当区間をフリッカ(点滅)表示するものである。
(第1のインピーダンス値Z1+第2のインピーダンス値Z2+第3のインピーダンス値Z3)
そして、このようにして割り出した区間を表示部52の配電系統図上に表示する。すなわち、図3に示すように、この区間が属する配電系統図を表示部52に表示し、さらに、この配電系統図上の当区間をフリッカ(点滅)表示するものである。
ここで、配電自動化システム5は、既設、既存の通信網を介して、過電流継電器2、第1の開閉器31および変電所設備4と通信自在に接続されている。すなわち、配電自動化システム5と各支店や各発変電所、各中継所などとを結ぶDX(情報集配装置)回線や、配電自動化システム5と各営業所や各遠制子局などとを結ぶ遠制親局回線によって、通信自在に接続されている。
次に、このような構成の短絡事故点割出システム1の作用および短絡事故点割出システム1による短絡事故点割出方法について説明する。
まず、変電所設備4から配電自動化システム5にバックパーセントインピーダンスが送信され、配電自動化システム5において配電線L1のバックパーセントインピーダンスが取得、記憶されているものとする。この状態で、配電線L1に短絡事故が発生すると、過電流継電器2や第1の開閉器31によって短絡電流が検出、計測され、短絡電流値が配電自動化システム5に送信されてメモリ53に記憶される。
次に、配電自動化システム5において割出プログラム55が起動されると、上記のようにして、短絡電流とバックパーセントインピーダンスとに基づいて、事故点Pが位置する区間が割り出され、表示部52の配電系統図上に該当区間がフリッカ表示される。そして、フリッカ表示された区間に対して巡視を行って事故点Pを探し、改修などを行うものである。
このように、本短絡事故点割出システム1および本短絡事故点割出方法によれば、短絡電流とバックパーセントインピーダンスに基づいて事故点PまでのインピーダンスZを算出し、算出したインピーダンスZと配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点Pが位置する区間を割り出すため、すべての配電線において確実、適正に事故点Pを割り出すことが可能となる。この結果、割り出された区間のみを巡視して事故点Pを探せばよく、長い配電線を全長(全区間)にわたって巡視する必要がなくなり、時間や労力、費用を著しく削減することができ、さらには、事故点Pを早期に特定して公衆安全を早期に確保することが可能となる。
また、割り出された区間が表示部52の配電系統図上にフリッカ表示されるため、配電系統における事故区間を迅速かつ的確に把握することができる。この結果、事故区間を早期に巡視して事故点Pを特定することや、他の区間に対する必要な処置を迅速かつ適正に行うことが可能となる。
一方、配電線L1に既に配設されている過電流継電器2や第1の開閉器31には、短絡電流を検出する機能が元々備わっており、また、既存の変電所設備4には、バックパーセントインピーダンスを保持する機能が備わっている。このため、新たに短絡電流検出手段や上位系統保持手段を配設する必要がない。しかも、配電自動化システム5は、既設、既存の通信網を介して、過電流継電器2、第1の開閉器31および変電所設備4と通信自在なため、通信路を新たに設ける必要がない。このように、多大な設備、費用を要せずに、既存の設備で容易に本システム1や本方法を実現することができる。つまり、既存の設備を利用して、確実、適正に事故点Pを割り出すことができる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、配電自動化システム5の表示部52を表示手段として備えているが、配電自動化システム5とは別のモニタを表示手段として備えてもよく、あるいは、複数の汎用コンピュータのディスプレイを表示手段としてもよい。
また、配電データベース54にインピーダンス情報として、各区間のインピーダンス値を記憶しているが、インピーダンスの累積加算値を記憶してもよい。すなわち、第1の開閉器31から第2の開閉器32までのインピーダンス値、第1の開閉器31から第3の開閉器33までのインピーダンス値、第1の開閉器31から第4の開閉器34までのインピーダンス値、というように記憶してもよい。
さらに、過電流継電器2または第1の開閉器31の一方から受信した短絡電流に基づいて、事故点Pの区間を割り出しているが、双方の短絡電流に基づいて区間を割り出すことで、精度、信頼性を高めるようにしてもよい。
1 短絡事故点割出システム
2 過電流継電器(短絡電流検出手段)
31〜3n 開閉器(短絡電流検出手段)
4 変電所設備(上位系統保持手段)
5 配電自動化システム(区間割出手段)
51 入力部
52 表示部(表示手段)
53 メモリ
54 配電データベース
55 割出プログラム(区間割出手段)
56 中央処理部
H 変電所
L1、L2 配電線
P 事故点
2 過電流継電器(短絡電流検出手段)
31〜3n 開閉器(短絡電流検出手段)
4 変電所設備(上位系統保持手段)
5 配電自動化システム(区間割出手段)
51 入力部
52 表示部(表示手段)
53 メモリ
54 配電データベース
55 割出プログラム(区間割出手段)
56 中央処理部
H 変電所
L1、L2 配電線
P 事故点
この発明は、配電線に短絡事故が発生した場合の事故点(故障点)を割り出す、短絡事故点割出システムに関する。
そこでこの発明は、多大な設備、費用を要せずに確実に事故点を割り出すことが可能な、短絡事故点割出システムを提供することを目的とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の短絡事故点割出システムにおいて、前記短絡電流検出手段が過電流継電器および開閉器の少なくとも一方で構成され、前記上位系統保持手段が変電所設備で構成され、前記区間割出手段が配電自動化システムで構成されている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の短絡事故点割出システムにおいて、前記区間割出手段で割り出された区間を配電系統図上に表示する表示手段を備える、ことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、短絡電流とバックパーセントインピーダンスに基づいて事故点までのインピーダンスを算出し、算出したインピーダンスと配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出すため、すべての配電線において確実、適正に事故点を割り出すことが可能となる。この結果、割り出された区間のみを巡視して事故点を探せばよく、長い配電線を全長(全区間)にわたって巡視する必要がなくなり、時間や労力、費用を著しく削減することができ、さらには、事故点を早期に特定して公衆安全を早期に確保することが可能となる。
請求項3の発明によれば、区間割出手段で割り出された区間が配電系統図上に表示されるため、配電系統における事故区間を迅速かつ的確に把握することができる。この結果、事故区間を早期に巡視して事故点を特定することや、他の区間に対する必要な処置を迅速かつ適正に行うことが可能となる。
Claims (3)
- 配電線に短絡事故が発生した場合に、事故点を割り出す短絡事故点割出システムであって、
前記配電線に配設され、短絡電流を検出する短絡電流検出手段と、
前記短絡電流検出手段よりも上位系統のパーセントインピーダンスであるバックパーセントインピーダンスを保持する上位系統保持手段と、
前記短絡電流検出手段および前記上位系統保持手段と通信自在に接続され、前記短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスから前記バックパーセントインピーダンスを減算して前記短絡電流検出手段から事故点までのパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、該インピーダンスと予め記憶された前記配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出す区間割出手段と、
を備えることを特徴とする短絡事故点割出システム。 - 前記区間割出手段で割り出された区間を配電系統図上に表示する表示手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の短絡事故点割出システム。 - 配電線に短絡事故が発生した場合に、事故点を割り出す短絡事故点割出方法であって、
前記配電線に配設された短絡電流検出手段によって短絡電流を検出し、
前記短絡電流検出手段よりも上位系統のパーセントインピーダンスであるバックパーセントインピーダンスを取得し、
前記短絡電流に基づいてパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスから前記バックパーセントインピーダンスを減算して前記短絡電流検出手段から事故点までのパーセントインピーダンスを算出し、該パーセントインピーダンスをインピーダンスに変換し、該インピーダンスと予め記憶された前記配電線の各区間におけるインピーダンスの情報とに基づいて、事故点が位置する区間を割り出す、
ことを特徴とする短絡事故点割出方法。
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JP2014202804A JP2016070854A (ja) | 2014-10-01 | 2014-10-01 | 短絡事故点割出システム |
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