JP2016070462A - ダイナミックダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性連結体の耐久性の低下や質量体のこじり方向への振れ変位の増大を防ぎながら、軸方向と軸直角方向の何れにおいても、マス−バネ系の共振周波数を大きな自由度で設定可能とされた、新規な構造のダイナミックダンパを提供すること。
【解決手段】筒形振動体32に装着される筒状の取付部材12に質量体14が挿入配置されて、それら取付部材12と質量体14が弾性連結体16によって相互に弾性連結されているダイナミックダンパ10において、取付部材12の内周面から質量体14に向かって延びる第一の連結体26と第二の連結体28とが周上に各複数形成されて、それら第一の連結体26と第二の連結体28とを含んで弾性連結体16が構成されており、更に複数の第一の連結体26が質量体14における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、複数の第二の連結体28が質量体14における軸方向中央よりも他端側に固着されている。
【選択図】図2
【解決手段】筒形振動体32に装着される筒状の取付部材12に質量体14が挿入配置されて、それら取付部材12と質量体14が弾性連結体16によって相互に弾性連結されているダイナミックダンパ10において、取付部材12の内周面から質量体14に向かって延びる第一の連結体26と第二の連結体28とが周上に各複数形成されて、それら第一の連結体26と第二の連結体28とを含んで弾性連結体16が構成されており、更に複数の第一の連結体26が質量体14における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、複数の第二の連結体28が質量体14における軸方向中央よりも他端側に固着されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、プロペラシャフトなどの筒形振動体に内挿状態で取り付けられて、筒形振動体の振動エネルギーを吸収するダイナミックダンパに関するものである。
従来から、自動車の動力伝達系を構成するプロペラシャフトなどには、振動を低減するためのダイナミックダンパが取り付けられている。ダイナミックダンパは、例えば、特開2002−235802号公報(特許文献1)に示されているように、プロペラシャフトなどの筒形振動体に内挿状態で取り付けられる筒形の取付部材としての取付パイプ2を備えると共に、取付パイプの内周側に質量体としてのインナーウエイト4を備えており、それら取付パイプとインナーウエイトが、複数の弾性連結体としてのマウントゴム5によって、相互に弾性連結された構造を、有している。そして、ダイナミックダンパには、インナーウエイトをマスとしマウントゴムをばねとするマス−バネ系が構成されて、筒形振動体からの振動入力に対してインナーウエイトが共振状態で変位することにより、筒形振動体の振動エネルギーがインナーウエイトの運動エネルギーとして吸収されて、目的とする制振効果が発揮されるようになっている。
ところで、ダイナミックダンパでは、マス−バネ系の共振周波数を、筒形振動体において問題となる振動の周波数に合わせて設定する必要があり、実用上は共振周波数をより低周波に設定可能とすることによって、チューニング自由度を大きく得ることができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたダイナミックダンパでは、軸直角方向の振動入力に対して、マス−バネ系の共振周波数を低周波に設定することが難しく、制振効果が発揮される周波数のチューニング自由度が制限されてしまうおそれがあった。即ち、特許文献1の構造では、軸方向の振動入力に対してマウントゴムが剪断変形を生じて、マス−バネ系のばね成分が主としてマウントゴムの剪断ばねとされることから、ばね定数が比較的に小さくなって、マス−バネ系の共振周波数を低周波に設定可能となる。一方、軸直角方向の振動入力に対しては、マウントゴムが径方向の圧縮又は引張変形を生じて、マス−バネ系のばね成分が主としてマウントゴムの圧縮ばね又は引張ばねとされることから、軸方向の振動入力時に比してばね定数が大きくなって、マス−バネ系の共振周波数を低周波に設定し難いという問題がある。
また、マス−バネ系の共振周波数を低く設定するためには、マウントゴムを軸方向に薄肉化して、軸方向および軸直角方向のばねを小さく設定することが考えられる。しかし、マウントゴムを軸方向に薄肉化すると、インナーウエイトが取付パイプに対してこじり方向に振れ変位し易くなって、かかるインナーウエイトの振れ変位が、筒形振動体の振動状態に悪影響を及ぼすおそれがある。加えて、マウントゴムの薄肉化による耐久性の低下などの不具合も生じ得る。
なお、マウントゴムの軸直角方向での自由長を大きく設定して、マウントゴムの軸直角方向でのばね定数を小さくすることも考えられるが、取付パイプの直径が筒形振動体に応じて決定されることから、マウントゴムの軸直角方向での自由長を大きく得るためには、インナーウエイトを小径化する必要がある。ところが、インナーウエイトを材質や質量を変更せずに小径化しようとすると、インナーウエイトの軸方向寸法を大きくする必要が生じることから、インナーウエイトに作用するこじり方向のモーメントが大きくなって、こじり方向への振れ変位が増大することによる振動状態の悪化が懸念される。
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、弾性連結体の耐久性の低下や質量体のこじり方向への振れ変位の増大を防ぎながら、軸方向と軸直角方向の何れにおいても、マス−バネ系の共振周波数を大きな自由度で設定可能とされた、新規な構造のダイナミックダンパを提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
すなわち、本発明の第一の態様は、筒形振動体に内挿状態で取り付けられる筒状の取付部材を備えると共に、該取付部材の内周側には質量体が配設されており、該取付部材と該質量体が弾性連結体によって相互に弾性連結されているダイナミックダンパにおいて、前記取付部材の内周面から前記質量体に向かって延びる第一の連結体が周上に複数形成されていると共に、該取付部材の内周面から該質量体に向かって延びる第二の連結体が周上に複数形成されて、それら第一の連結体と第二の連結体とを含んで前記弾性連結体が構成されており、更に該第一の連結体が該質量体における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、該第二の連結体が該質量体における軸方向中央よりも他端側に固着されていることを、特徴とする。
このような第一の態様に従う構造とされたダイナミックダンパによれば、マス−バネ系の共振周波数のチューニング自由度を大きく得ながら、質量体の取付部材に対するこじり方向の振れ変位を抑えて、優れた制振性能を得ることができる。即ち、質量体と取付部材が、振れ変位の中心から離れた質量体の軸方向両端側において、第一の連結体と第二の連結体によって相互に弾性連結されていることにより、質量体の取付部材に対する相対的な振れ変位が、第一の連結体と第二の連結体によって制限される。特に、質量体の取付部材に対するこじり方向の振れ変位が、第一の連結体と第二の連結体の圧縮ばねと引張ばねによって制限されることから、剪断ばねが支配的になる場合に比して硬いばね特性によって、目的とする変位制限作用が効率的に発揮される。従って、第一の連結体と第二の連結体の断面形状を軸方向および周方向において小さくしたり、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きくするなどして、第一の連結体と第二の連結体のばね定数を小さくすることにより、マス−バネ系の共振周波数のチューニング自由度を大きく得ながら、質量体の振れ変位を有効に制限することができる。
本発明の第二の態様は、第一の態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材の径方向に対して傾斜して延びているものである。
第二の態様によれば、スペースが限定された取付部材と質量体の間において、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きく設定することが可能となって、第一の連結体と第二の連結体のばねをより効果的に低減できる。しかも、径方向において第一の連結体と第二の連結体の剪断変形による柔らかいばね特性が発揮されることから、マス−バネ系の共振周波数のチューニング自由度を大きく得ることができる。
本発明の第三の態様は、第二の態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材の径方向に対して軸方向に傾斜して延びているものである。
第三の態様によれば、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きく得ることができると共に、径方向において第一の連結体と第二の連結体の剪断ばね成分による柔らかいばね特性を得ることが可能となる。特に、取付部材と質量体の径方向間の距離を大きくするために質量体が小径且つ長尺とされた構造では、第一の連結体と第二の連結体を軸方向に傾斜させることで、長尺化によって軸方向に長く形成されるスペースを巧く利用して、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きく得ることができる。
本発明の第四の態様は、第三の態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材から前記質量体に向かって軸方向外側に傾斜して延びているものである。
第四の態様によれば、第一の連結体と第二の連結体が、質量体の取付部材に対するこじり方向への振れ変位に対して、圧縮変形および引張変形を生じ易い方向に傾斜していることから、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きく得ながら、圧縮ばね成分および引張ばね成分によって質量体の振れ変位が効果的に制限される。
本発明の第五の態様は、第二〜第四の何れか一つの態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体が何れも径方向に対して周方向の同じ向きに傾斜して延びているものである。
第五の態様によれば、第一の連結体と第二の連結体の成形後の冷却による収縮などに対して、取付部材と質量体が周方向に相対回転することにより、第一の連結体と第二の連結体の初期歪みが低減されて、第一の連結体と第二の連結体の耐久性の向上が図られる。しかも、取付部材と質量体の径方向間距離を取付部材への縮径加工などによって変化させることなく、第一の連結体と第二の連結体の初期歪みを低減乃至は解消することができることから、製造工程数の増加が回避される。
本発明の第六の態様は、第一〜第五の何れか一つの態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体が軸方向に重なり合うことなく周上の異なる位置に設けられているものである。
第六の態様によれば、軸方向に型抜きされる金型を用いることによって、第一の連結体と第二の連結体を一体形成することができて、製造工程数を減らすことができる。
本発明の第七の態様は、第一〜第六の何れか一つの態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記第一の連結体と前記第二の連結体の外周端には外周筒部が一体形成されて、該外周筒部が前記取付部材の内周面に固着されている一方、複数の該第一の連結体が該外周筒部によって一体形成されていると共に、複数の該第二の連結体が該外周筒部によって一体形成されており、更に該外周筒部の周上における該第一の連結体および該第二の連結体を外れた部分には内周側に突出する突起部が一体形成されているものである。
第七の態様によれば、外周筒部を設けることによって、複数の第一の連結体を一体的に繋いで形成することができると共に、複数の第二の連結体を一体的に繋いで形成することができる。特に、第一の連結体と第二の連結体を外周筒部で一体的に繋ぐ構造を採用すれば、第一の連結体と第二の連結体とを一体で形成することも可能になる。
また、大振幅の振動が径方向に入力される場合に、取付部材と質量体が突起部を介して当接することにより、取付部材と質量体の径方向への相対変位量が制限されて、第一の連結体と第二の連結体の過大な変形が防止されることから、耐久性の向上が図られる。しかも、取付部材と質量体が、弾性体である突起部を介して相互に当接することから、当接時の打音や衝撃が低減される。
さらに、突起部が外周筒部を介して第一の連結部および第二の連結部と一体形成されることから、金型における突起部のキャビティにゴムなどの形成材料を注入することにより、外周筒部のキャビティを介して第一の連結体および第二の連結体のキャビティに形成材料が注入される。それ故、金型における突起部の成形部分にゴムなどの形成材料の注入口を形成すれば、第一の連結体および第二の連結体の成形部分には形成材料の注入口を直接形成する必要がなく、十分に細い第一の連結体および第二の連結体を成形することができる。
本発明の第八の態様は、第一〜第七の何れか一つの態様に記載されたダイナミックダンパにおいて、前記取付部材の外周面には嵌着弾性体が固着されており、前記筒形振動体の内周面と該取付部材の外周面とが該嵌着弾性体を挟んで間接的に当接して該取付部材が該筒形振動体に内挿状態で取り付けられるようにしたものである。
第八の態様によれば、筒形振動体の内径寸法の誤差と、取付部材の外径寸法の誤差とが、嵌着弾性体によって何れも許容されて、ダイナミックダンパが筒形振動体に対して挿入不能となったり、ダイナミックダンパの筒形振動体に対する固定が不十分になる等といった不具合が回避される。
本発明によれば、第一の連結体と第二の連結体の断面積を小さくしたり、第一の連結体と第二の連結体の自由長を大きくして、第一の連結体と第二の連結体のばね定数を小さく設定しても、質量体の取付部材に対するこじり方向への振れ変位を抑えることができる。従って、マス−バネ系の共振周波数のチューニング自由度を大きく得ながら、質量体の振れ変位による振動状態への悪影響を防いで、優れた制振性能を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1,2には、本発明の第一の実施形態としてのダイナミックダンパ10が示されている。ダイナミックダンパ10は、筒形の取付部材12と質量体としてのマス部材14とが、弾性連結体16によって相互に弾性連結された構造を有している。
より詳細には、取付部材12は、鉄やアルミニウム合金、繊維補強合成樹脂などで形成された高剛性の部材であって、薄肉大径の略円筒形状を有している。また、取付部材12の外径寸法は、後述するプロペラシャフト32の内径寸法よりも小さく設定されている。
さらに、取付部材12の外周面には、嵌着弾性体としての嵌着ゴム20が固着されている。嵌着ゴム20は、略円環形状を有しており、取付部材12側である内周部分が略一定の軸方向寸法で形成されていると共に、外周部分は、軸方向端面がそれぞれテーパ面とされて、外周側に向かって次第に軸方向寸法が小さくなっている。また、本実施形態では、一対の嵌着ゴム20,20が形成されており、それら一対の嵌着ゴム20,20が、軸方向に所定の距離を隔てて並んで配置されている。
マス部材14は、中実小径の略円柱形状を有しており、本実施形態では、密度が大きい鉄などの金属で形成されているが、ゴム弾性体やエラストマ、合成樹脂などで形成されていても良く、金属製には特に限定されない。また、マス部材14は、外径寸法が取付部材12の内径寸法よりも小さくされていると共に、本実施形態では、軸方向寸法が取付部材12の軸方向寸法よりも大きくされている。なお、マス部材14の形状は、円柱形状に限定されるものではなく、例えば多角柱形状や筒形状なども採用され得る。
そして、マス部材14が取付部材12の内周側に挿入されて、取付部材12とマス部材14が同一中心軸上に配置されており、それら取付部材12とマス部材14の径方向間には、弾性連結体16が配設されている。
弾性連結体16は、薄肉大径の略円筒形状を有する外周筒部22と、薄肉小径の略円筒形状を有する内周筒部24とを、第一の連結体としての第一の連結ゴム26と、第二の連結体としての第二の連結ゴム28とによって、一体的に連結した構造を有している。換言すれば、弾性連結体16は、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の外周端に外周筒部22が一体形成されていると共に、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の内周端に内周筒部24が一体形成された構造を、有している。
そして、外周筒部22が取付部材12の内周面に加硫接着されると共に、内周筒部24がマス部材14の外周面に加硫接着されることにより、それら取付部材12とマス部材14が弾性連結体16によって相互に弾性連結されている。なお、本実施形態の弾性連結体16は、取付部材12とマス部材14を備える一体加硫成形品として形成されている。また、取付部材12の内周面に固着される外周筒部22と、取付部材12の外周面に固着される嵌着ゴム20,20とが、取付部材12を貫通する図示しない連通孔を通じて相互に繋がって一体形成されていても良い。
第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、取付部材12の内周面からマス部材14に向かって延びる長手形状のゴム弾性体であって、それぞれ複数が設けられて、軸方向視で径方向放射状に延びている。本実施形態では、四つの第一の連結ゴム26a,26b,26c,26dと、四つの第二の連結ゴム28a,28b,28c,28dとが、周方向で交互に並んで設けられている。また、第一,第二の連結ゴム26,28の軸方向寸法は、何れも、外周筒部22および内周筒部24の軸方向寸法よりも十分に小さくされている。更に、各複数の第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、外周側に一体形成される外周筒部22と、内周側に一体形成される内周筒部24とによって、相互に連続するように繋がって一体形成されている。なお、以下の説明において、第一,第二の連結ゴム26,28の長さ方向とは、取付部材12とマス部材14を繋ぐ方向を、第一,第二の連結ゴム26,28の幅方向とは、長さ方向と直交する取付部材12およびマス部材14の略周方向を、それぞれ言う。
さらに、第一,第二の連結ゴム26,28は、外周筒部22に繋がる外周端部と、内周筒部24に繋がる内周端部とが、何れも、長さ方向の中間部分よりも周方向寸法を大きくされている。このように、外周筒部22と内周筒部24の各一方に接続される第一,第二の連結ゴム26,28の内外周端部が、周方向の長さを大きくされていることにより、変形時に応力が集中し易い第一,第二の連結ゴム26,28の内外周端部において、耐久性の向上が図られる。更にまた、第一,第二の連結ゴム26,28は、外周筒部22に繋がる外周端部と、内周筒部24に繋がる内周端部とが、何れも、長さ方向の中間部分よりも軸方向寸法を大きくされており、変形時に応力が集中し易い第一,第二の連結ゴム26,28の内外周端部において、耐久性の向上が図られる。しかも、第一,第二の連結ゴム26,28の中間部分が、周方向および軸方向の寸法を比較的に小さくされていることによって、第一,第二の連結ゴム26,28の低ばね化が図られる。
また、第一の連結ゴム26が弾性連結体16の軸方向一端側(図2中の右側)に偏った位置に形成されていると共に、第二の連結ゴム28が弾性連結体16の軸方向他端側(図2中の左側)に偏った位置に形成されている。そして、第一の連結ゴム26の内周端が、マス部材14における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、第二の連結ゴム28の内周端が、マス部材14における軸方向中央よりも他端側に固着されている。本実施形態では、第一の連結ゴム26の外周端が、取付部材12における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、第二の連結ゴム28の外周端が、取付部材12における軸方向中央よりも他端側に固着されている。
さらに、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、径方向(軸直角方向)に対して軸方向に傾斜して延びている。即ち、第一,第二の連結ゴム26,28は、何れも、取付部材12側である外周端からマス部材14側である内周端に向かって次第に軸方向外側に傾斜して延びており、第一の連結ゴム26の内周端が、マス部材14の軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、第二の連結ゴム28の内周端が、マス部材14の軸方向中央よりも他端側に固着されている。なお、第一の連結ゴム26および第二の連結ゴム28は、傾斜角度が略一定の直線的な形状であっても良いし、径方向で傾斜角度が変化した湾曲形状などであっても良い。
また、各複数の第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、周上で交互に配置されていると共に、軸方向の投影において互いに重なり合わないように、周上で互いに外れた異なる位置に配されている。本実施形態では、四つの第一の連結ゴム26a〜26dが周方向に略90°ずつずれた位置に配されていると共に、四つの第二の連結ゴム28a〜28dが周方向に略90°ずつずれた位置に配されており、且つ周方向で隣り合う第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28が、周方向に略45°ずれて配されている。換言すれば、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、隣り合うもの同士が周方向に45°の角度をなす径方向に延びていると共に、周方向で交互に配置されている。
さらに、周方向で隣り合う第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の周方向間には、突起部30が形成されている。突起部30は、第一,第二の連結ゴム26,28を周方向に外れた位置で、外周筒部22と一体形成されて内周側に突出しており、外周筒部22の軸方向全長に亘って略半円形断面で連続して延びている。また、突起部30は、周方向で隣り合う第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の各周方向間で、第一,第二の連結ゴム26,28とは周方向に離れて形成されており、本実施形態では、八つの突起部30が周上で略均等に設けられている。以上からも明らかなように、八つの突起部30は、外周筒部22を介して、各四つの第一の連結ゴム26および第二の連結ゴム28と繋がっており、第一,第二の連結ゴム26,28と、外周筒部22および内周筒部24と、嵌着ゴム20と、突起部30とが、ゴム弾性体によって一体形成されている。
なお、第一,第二の連結ゴム26,28を成形する図示しない金型には、突起部30の成形部分にゴム材料の注入口が開口形成されている。そして、ゴム材料が金型のキャビティに突起部30の成形部分から充填されることによって、第一,第二の連結ゴム26,28と、外周筒部22および内周筒部24と、嵌着ゴム20と、突起部30とが、取付部材12とマス部材14を備えた一体加硫成形品として形成される。本実施形態では、取付部材12の内周側に位置する第一,第二の連結ゴム26,28と、嵌着ゴム20と、突起部30とが、周上で互いに異なる位置に配されていることから、内型の軸方向への脱型が可能とされており、それら第一,第二の連結ゴム26,28と、嵌着ゴム20と、突起部30とが、一体で形成可能とされている。
そして、取付部材12とマス部材14が、第一,第二の連結ゴム26,28によって弾性連結されることにより、ダイナミックダンパ10には、マス部材14をマス成分とすると共に第一,第二の連結ゴム26,28をばね成分とする第一のマス−バネ系が構成されている。この第一のマス−バネ系の共振周波数は、後述するプロペラシャフト32において問題となる制振対象振動の周波数に合わせてチューニングされる。
かくの如き構造とされたダイナミックダンパ10は、図3,4に示すように、筒形振動体としてのプロペラシャフト32に取り付けられる。即ち、ダイナミックダンパ10は、取付部材12がプロペラシャフト32に内挿されると共に、嵌着ゴム20がプロペラシャフト32の内周面に押し当てられて、嵌着ゴム20が取付部材12とプロペラシャフト32の径方向対向面間で狭み込まれる。このように、取付部材12の外周面が、プロペラシャフト32の内周面に、嵌着ゴム20を介して間接的に当接せしめられて、取付部材12がプロペラシャフト32に内挿状態で取り付けられることにより、ダイナミックダンパ10がプロペラシャフト32に対して内挿状態で取り付けられる。このように、取付部材12が、プロペラシャフト32に対して、嵌着ゴム20を介して内挿装着されることにより、取付部材12の外径寸法およびプロペラシャフト32の内法寸法にばらつき等が生じたとしても、嵌着ゴム20の弾性変形によってかかる寸法誤差が許容される。その結果、部品の寸法誤差などによって、ダイナミックダンパ10がプロペラシャフト32に内挿不能となったり、ダイナミックダンパ10のプロペラシャフトに対する位置決めが不充分になったりするのを、防ぐことができる。
そして、プロペラシャフト32の振動がダイナミックダンパ10の取付部材12に及ぼされると、第一,第二の連結ゴム26,28を介して弾性支持されたマス部材14が、取付部材12およびプロペラシャフト32に対して相対的に変位する。これにより、プロペラシャフト32の振動エネルギーがマス部材14の運動エネルギーとして吸収されて、防振対象部材であるプロペラシャフト32に制振作用が及ぼされることから、プロペラシャフト32の振動が低減されるようになっている。特に、ダイナミックダンパ10における第一のマス−バネ系の共振周波数が、軸方向と軸直角方向において、それぞれ主たる入力振動の周波数に合わせて設定されていることにより、目的とする制振作用が効果的に発揮されるようになっている。
本実施形態のダイナミックダンパ10では、取付部材12が嵌着ゴム20を介してプロペラシャフト32に弾性支持されることから、取付部材12とマス部材14と第一,第二の連結ゴム26,28とをマス成分とし、嵌着ゴム20をばね成分とする、第二のマス−バネ系が構成される。これにより、第二のマス−バネ系においても、プロペラシャフト32の振動エネルギーが、マス成分の運動エネルギーとして吸収されることから、より優れた制振性能を得ることが可能となり得る。なお、例えば、第二のマス−バネ系の共振周波数を、第一のマス−バネ系の共振周波数とは異なる周波数にチューニングすれば、周波数の異なる複数種類の振動に対して有効な制振効果を、それぞれ得ることができる。
また、軸直角方向の大振幅振動がダイナミックダンパ10に入力されると、取付部材12とマス部材14が突起部30を介して当接することで、取付部材12とマス部材14の相対変位量が制限されるようになっており、取付部材12とマス部材14の突起部30を介した当接によって、ストッパ手段が構成される。かかるストッパ手段によって、第一,第二の連結ゴム26,28が過大な変形によって損傷するのを、防ぐことができる。しかも、取付部材12とマス部材14が、弾性体で形成された突起部30を介して当接することから、当接時の打音や衝撃が突起部30の緩衝作用によって緩和される。
このような本実施形態に従う構造とされたダイナミックダンパ10では、マス部材14が小径とされて、取付部材12とマス部材14の径方向間の間隔が大きく確保されており、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の長さ方向の自由長が、何れも大きく確保されている。それ故、第一,第二の連結ゴム26,28のばね定数を小さく設定して、第一のマス−バネ系の共振周波数をより低周波にチューニングすることが可能とされている。しかも、第一,第二の連結ゴム26,28は、内周側に向かって次第に軸方向外方へ傾斜していることから、第一,第二の連結ゴム26,28の自由長がより効率的に大きく確保されると共に、径方向の振動入力に対して剪断による低いばねが発揮されて、共振周波数を低周波に設定し易くなる。
加えて、第一,第二の連結ゴム26,28は、軸方向に薄肉とされていると共に、周方向に狭幅とされていることによっても、ばね定数が小さくされており、第一のマス−バネ系の共振周波数をより低周波に設定することができる。
なお、このような細長い形状の第一,第二の連結ゴム26,28を採用すると、金型における第一,第二の連結ゴム26,28の成形部分が細長くなって、ゴム材料の注入口を直接設けることが難しくなる。そこにおいて、本実施形態では、第一,第二の連結ゴム26,28の周方向間に突起部30が一体形成された構造を採用し、金型における突起部30の成形部分にゴム材料の注入口を設けることにより、第一,第二の連結ゴム26,28の成形部分にゴム材料の注入口を設けることなく、第一,第二の連結ゴム26,28を形成することが可能とされている。
また、マス部材14が小径の中実ロッド形状とされており、筒状や環状とされている場合に比して、中心軸から外周端までの距離が小さくされていることから、マス部材14に作用するこじり方向のモーメントが低減される。それ故、第一,第二の連結ゴム26,28の径方向の自由長が大きくされて、柔らかいばね特性が設定されていても、マス部材14のこじり方向への振れ変位が低減されて、マス部材14の振れ変位がプロペラシャフト32に及ぼし得る悪影響が防止される。特に本実施形態では、第一,第二の連結ゴム26,28が軸方向に傾斜しながら径方向に延びていることから、第一,第二の連結ゴム26,28の自由長をより効率的に大きく得ることができて、第一,第二の連結ゴム26,28のばねをより小さくすることができる。
さらに、マス部材14の軸方向一端側に第一の連結ゴム26が固着されていると共に、マス部材14の軸方向他端側に第二の連結ゴム28が固着されていることから、マス部材14のこじり方向への振れ変位が、ばね定数の大きい第一,第二の連結ゴム26,28の圧縮ばねおよび引張ばねによって有効に制限される。特に、第一,第二の連結ゴム26,28が内周側に行くに従って軸方向外方に傾斜していることから、マス部材14と取付部材12の相対的なこじり変位に対して、第一,第二の連結ゴム26,28の圧縮変形および引張変形による比較的に硬いばね特性が発揮されて、マス部材14のこじり変位が有効に制限される。また、マス部材14の質量を大きく得るために、マス部材14が軸方向に長尺とされる場合にも、マス部材14の軸方向両端側を第一,第二の連結ゴム26,28によって支持することで、マス部材14のこじり方向への振れ変位が効果的に制限される。
また、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28が、周上で交互に配されていると共に、周上で均等に分散して配置されており、第一,第二の連結ゴム26,28のばねが周上で偏りなく良好なバランスで発揮される。それ故、軸方向および軸直角方向の振動入力時に、マス部材14の取付部材12に対するこじりや回転などの意図しない変位が生じるのを防いで、目的とする制振効果を有効に得ることができる。
図5,6には、本発明の第二の実施形態としてのダイナミックダンパ40が示されている。ダイナミックダンパ40は、取付部材12とマス部材14が、弾性連結体42によって相互に弾性連結された構造を有している。なお、第一の実施形態と実質的に同一の部材および部位については、同一の符号を付すことにより、説明を省略する。
弾性連結体42は、第一の連結体としての第一の連結ゴム44と、第二の連結体としての第二の連結ゴム46とを、各複数備えている。第一の連結ゴム44と第二の連結ゴム46は、第一の実施形態の第一,第二の連結ゴム26,28と同様に、取付部材12からマス部材14に向かって軸方向外方に傾斜しながら延びている。
さらに、第一の連結ゴム44と第二の連結ゴム46は、各第一,第二の連結ゴム44,46の長さ方向に延びる弾性中心線が、径方向線に対して周方向に所定の角度(θ)だけ傾斜している。図5には、第一の連結ゴム44dについて、弾性中心線(C)と径方向線(R)が例示されているが、他の第一の連結ゴム44および第二の連結ゴム46についても同様であり、何れの連結ゴム44,46の弾性中心線も、径方向線に対して所定の角度(θ)で、同じ周方向に傾斜している。なお、本実施形態において、第一,第二の連結ゴム44,46の各弾性中心線と各径方向線の成す傾斜角(θ)は、長さ方向の全体に亘って略一定とされているが、例えば長さ方向で傾斜角(θ)が変化する屈曲形状や湾曲形状の連結ゴム44,46も採用され得る。
このような本実施形態に従う構造とされたダイナミックダンパ40によれば、第一の連結ゴム44と第二の連結ゴム46が、軸方向だけでなく周方向にも傾斜して延びていることから、第一,第二の連結ゴム44,46の自由長をより大きく確保することができる。その結果、第一,第二の連結ゴム44,46のばねを柔らかく設定することができて、第一のマス−バネ系の共振周波数をより大きな自由度でチューニングすることが可能となる。
また、全ての第一,第二の連結ゴム44,46が、各径方向線に対して同じ傾斜角度で且つ同じ周方向に傾斜して延びていることから、第一,第二の連結ゴム44,46の加硫成形後の冷却による収縮に際して、第一,第二の連結ゴム44,46の引張歪みが、取付部材12とマス部材14の相対回転によって低減されるようになっている。即ち、取付部材12とマス部材14が、第一,第二の連結ゴム44,46の弾性中心線と径方向線との傾斜角度(θ)が小さくなるように、周方向に相対回転することにより、第一,第二の連結ゴム44,46の引張歪みが自動的に低減乃至は解消される。それ故、第一,第二の連結ゴム44,46の加硫成形後に、第一,第二の連結ゴム44,46の引張歪みを低減する目的で、取付部材12に縮径加工などを施す必要がなく、製造工程数を減らすことができる。
図7,8には、本発明の第三の実施形態としてのダイナミックダンパ50が示されている。ダイナミックダンパ50は、取付部材12とマス部材14が、弾性連結体52によって相互に弾性連結された構造を有している。
弾性連結体52は、第一の連結体としての第一の連結ゴム54と、第二の連結体としての第二の連結ゴム56を、各複数備えている。第一の連結ゴム54と第二の連結ゴム56は、第一の実施形態と同様に、取付部材12とマス部材14の径方向間を径方向に延びており、外周端が外周筒部22を介して取付部材12の内周面に加硫接着されていると共に、内周端が内周筒部24を介してマス部材14の外周面に加硫接着されている。
さらに、本実施形態の第一,第二の連結ゴム54,56は、第一の実施形態とは異なり、軸方向に傾斜することなく略軸直角方向に延びており、各第一,第二の連結ゴム54,56の弾性中心線が、径方向線に対して非傾斜で延びている。
このような本実施形態に従う構造とされたダイナミックダンパ50においても、第一,第二の連結ゴム54,56の軸方向および周方向の寸法を小さく設定して、第一,第二の連結ゴム54,56の低ばね化によるチューニング自由度の向上を図りつつ、第一,第二の連結ゴム54,56の比較的に硬い圧縮ばねおよび引張ばねによって、マス部材14のこじり方向への振れ変位を低減することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態では、複数の第一の連結ゴム26a〜26dが周上で等間隔に分散して配置されているが、それら複数の第一の連結ゴム26a〜26dは周上で偏って配置され得る。なお、複数の第二の連結ゴム28a〜28dについても同様に、周上で偏って配置され得る。
また、第一の連結ゴム26および第二の連結ゴム28の数は、あくまでも例示であって、何ら限定されるものではない。更に、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、必ずしも同数が形成されるものではなく、互いに異なる数が形成され得る。なお、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の数が相互に異なる場合には、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の形状や形成材料などを相互に異ならせることにより、第一の連結ゴム26全体の径方向でのばね特性と、第二の連結ゴム28全体の径方向でのばね特性とを、互いに略同じとすることが望ましい。これにより、径方向の振動入力に対して、支持ばねのアンバランスに起因するマス部材14のこじり方向への振れ変位が防止される。
また、弾性連結体は、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28によって構成されていても良いし、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28に加えて、例えば、取付部材12とマス部材14を相互に弾性連結する更なる連結体を、軸方向の中央部分などに備えていても良い。
また、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、取付部材12やマス部材14に直接固着されている必要はない。例えば、小径のインナ筒部材が大径のアウタ筒部材に内挿配置されて、それらインナ筒部材とアウタ筒部材が第一,第二の連結ゴム26,28によって弾性連結されており、インナ筒部材にマス部材14が内挿状態で固定されると共に、アウタ筒部材に取付部材12が外挿状態で固定されることにより、取付部材12とマス部材14が第一,第二の連結ゴム26,28で相互に弾性連結された構造も、採用され得る。
また、前記第一の実施形態のように、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28が軸方向に傾斜する構造とされている場合には、第一,第二の連結ゴム26,28の傾斜方向は特に限定されない。具体的には、例えば、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28の両方或いは何れか一方が、取付部材12からマス部材14に向かって軸方向内方に傾斜しながら延びていても良い。このことからも明らかなように、第一の連結ゴム26の傾斜方向と第二の連結ゴム28の傾斜方向は、同じ向きである必要はなく、相互に逆向きであっても良い。
また、前記実施形態では、複数の第一の連結ゴム26が、外周筒部22および内周筒部24によって相互に繋がれて一体形成されているが、複数の第一の連結ゴム26は、互いに独立して形成されていても良い。同様に、複数の第二の連結ゴム28も、互いに独立して形成されていても良い。
さらに、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、互いに独立して別体で形成されていても良い。具体的には、例えば、内外挿配置された第一のインナ軸部材と第一のアウタ筒部材を第一の連結ゴム26で相互に弾性連結した第一の一体加硫成形品と、内外挿配置された第二のインナ軸部材と第二のアウタ筒部材を第二の連結ゴム28で相互に弾性連結した第二の一体加硫成形品とを、それぞれ形成する。そして、第一のインナ軸部材と第二のインナ軸部材を軸方向直列に連結してマス部材14を形成すると共に、第一のアウタ筒部材と第二のアウタ筒部材を軸方向直列に連結して取付部材12を形成することにより、ダイナミックダンパを構成することもできる。なお、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28が別体形成される場合には、第一の連結ゴム26と第二の連結ゴム28は、必ずしも周上で互いに外れた位置に配置されていなくても良く、軸方向投影において全体が或いは部分的に重なっていても良い。
10,40,50:ダイナミックダンパ、12:取付部材、14:マス部材、16,42,52:弾性連結体、20:嵌着ゴム(嵌着弾性体)、22:外周筒部、26,44,54:第一の連結ゴム(第一の連結体)、28,46,56:第二の連結ゴム(第二の連結体)、30:突起部、32:プロペラシャフト(筒形振動体)
Claims (8)
- 筒形振動体に内挿状態で取り付けられる筒状の取付部材を備えると共に、該取付部材の内周側には質量体が配設されており、該取付部材と該質量体が弾性連結体によって相互に弾性連結されているダイナミックダンパにおいて、
前記取付部材の内周面から前記質量体に向かって延びる第一の連結体が周上に複数形成されていると共に、該取付部材の内周面から該質量体に向かって延びる第二の連結体が周上に複数形成されて、それら第一の連結体と第二の連結体とを含んで前記弾性連結体が構成されており、更に該第一の連結体が該質量体における軸方向中央よりも一端側に固着されていると共に、該第二の連結体が該質量体における軸方向中央よりも他端側に固着されていることを特徴とするダイナミックダンパ。 - 前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材の径方向に対して傾斜して延びている請求項1に記載のダイナミックダンパ。
- 前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材の径方向に対して軸方向に傾斜して延びている請求項2に記載のダイナミックダンパ。
- 前記第一の連結体と前記第二の連結体が前記取付部材から前記質量体に向かって軸方向外側に傾斜して延びている請求項3に記載のダイナミックダンパ。
- 前記第一の連結体と前記第二の連結体が何れも径方向に対して周方向の同じ向きに傾斜して延びている請求項2〜4の何れか一項に記載のダイナミックダンパ。
- 前記第一の連結体と前記第二の連結体が軸方向に重なり合うことなく周上の異なる位置に設けられている請求項1〜5の何れか一項に記載のダイナミックダンパ。
- 前記第一の連結体と前記第二の連結体の外周端には外周筒部が一体形成されて、該外周筒部が前記取付部材の内周面に固着されている一方、複数の該第一の連結体が該外周筒部によって一体形成されていると共に、複数の該第二の連結体が該外周筒部によって一体形成されており、更に該外周筒部の周上における該第一の連結体および該第二の連結体を外れた部分には内周側に突出する突起部が一体形成されている請求項1〜6の何れか一項に記載のダイナミックダンパ。
- 前記取付部材の外周面には嵌着弾性体が固着されており、前記筒形振動体の内周面と該取付部材の外周面とが該嵌着弾性体を挟んで間接的に当接して該取付部材が該筒形振動体に内挿状態で取り付けられるようにした請求項1〜7の何れか一項に記載のダイナミックダンパ。
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JP2018204712A (ja) * | 2017-06-06 | 2018-12-27 | Nok株式会社 | ダイナミックダンパ |
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-
2014
- 2014-10-01 JP JP2014203214A patent/JP2016070462A/ja active Pending
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