JP2016070213A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】高性能で信頼性の高い密閉型電動圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉容器1と、圧縮機構3と、吸込シールパイプ5と、吸込パイプ4と、を備え、吸込シールパイプ5は、内側パイプ5aと、内側パイプ5aの外側に設けられた外側パイプ5bと、による二重管構造で構成され、外側パイプ5bは、内側パイプ5aよりも上流側に突き出ており、外側パイプ5bは、上流側で吸込パイプ4に溶接され、内側パイプ5aの少なくとも一部は吸込パイプ4の延長上に位置する。
【選択図】図2

Description

本発明は、密閉型電動圧縮機に関する。
空調冷凍機器分野における密閉型電動圧縮機として、スクロール圧縮機やロータリ圧縮機が広く利用されている。スクロール圧縮機では、スクロール圧縮機構と、このスクロール圧縮機構を駆動する電動機とを、密閉容器内に収容した構成となっている。スクロール圧縮機構は、台板にラップと呼ばれる渦巻状の歯を立設し、このラップの先端面と連続して設けられた鏡板面とを有する固定スクロールと、鏡板にラップを立設してなる旋回スクロールとを有しており、両スクロールのラップを噛み合わせて対向させて配置し、旋回スクロールを公転運動させて互いのラップ間に形成される複数の圧縮室の容積を順次縮小させることにより、冷媒ガス(作動流体)を圧縮する。
圧縮室へ冷凍サイクルの冷媒ガスを導くために、固定スクロールに設けた吸込口と、吸込パイプとを、吸込シールパイプを介して接続している。吸込口から流入した冷媒ガスはスクロール圧縮機構により圧縮されて、固定スクロールの台板上部に設けた吐出口から密閉容器内に吐出され、吐出パイプから再び冷凍サイクルに供給される。
冷凍サイクルとこれに繋がる吸込パイプは、作業性の面から銅製のパイプが広く利用されており、その接合はリン銅ロウによる溶接が一般的である。そのため、吸込パイプと、圧縮機内部に繋がる吸込シールパイプとの接合にも、リン銅ロウによる溶接を適用するために、吸込シールパイプのサイクル側には、銅か、リン銅ロウがのるようコーティングを施した鋼材等が用いられる。
また、スクロール圧縮機では、電動機が停止した際、差圧による冷媒の逆流防止機構として、一般的に吸込口もしくは吐出口に逆止弁が設けられている。吸込口側に逆流防止機構が設けられているスクロール圧縮機では、吸込パイプ側へ流れようとする冷媒の流れと共に逆止弁が移動し、吸込シールパイプ下端に逆止弁が当たることで吸込シールパイプを塞ぎ、上流への冷媒逆流を防止している。そのため吸込シールパイプには、逆流時の逆止弁衝突に耐えうる強度と構造が必要である。
公知の技術として、特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、銅製で一端の径を絞った形状の吸込シールパイプを用いて、絞った側を固定スクロールの吸込口に挿入し、この吸込シールパイプの内部に銅より高い剛性をもつ鋼製のシール用圧入部品を圧入して銅製の吸込シールパイプを圧延することにより、吸込シールパイプを吸込口に密着させ、吸込シールパイプと吸込口のシール性を確保している。また、圧入部品は吸込シールパイプ下端より下方に突出しており、この圧入部品の下端面で逆止弁を受け、逆流を防止している。
特許文献2に開示されたスクロール圧縮機では、銅系材質の配管と、この銅管の下端にロウ付けにより接合された鉄系材質の配管とで構成された吸込シールパイプを用いて、鋼管部を固定スクロールの吸込口に圧入させ、鋼管部端面で逆止弁を受け止める構造としている。
特開平5−195967号公報 特開2006−152933号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、別体の圧入部品を用いるため、圧入部品による流路面積縮小、流路複雑化に伴う圧力損失が課題となる。加えて、圧縮機の急な停止時には、逆止弁が圧入部品に強く衝突するため、大出力クラスの圧縮機においては逆止弁が衝突する際の衝撃力が強くなり、圧入部品が抜けてしまうおそれがある。
また、密閉容器内が吐出ガスで満たされる高圧チャンバ方式の圧縮機では、吸込シールパイプの周囲も高温の吐出ガスで満たされているため、吸込シールパイプ内の冷媒ガスは吐出ガスによって加熱される。そのため、吸込シールパイプ内を流れる低温低圧の冷媒ガスは、加熱による密度低下を起こし、体積効率の低下を招くという課題がある。
また、特許文献2に開示されたスクロール圧縮機では、鉄製である固定スクロールに鉄系配管を圧入するため、鉄系配管の外径寸法に高い精度が要求される。このため、プレス等の安価な成形方法をとることができない。また、銅管と鋼管の接合にロウ付けが必要なため、高価なものとなる。
そこで、本発明は、高性能で信頼性の高い密閉型電動圧縮機を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明は、密閉容器と、前記密閉容器内に設けられた圧縮機構と、前記圧縮機構の吸込口と接続され、前記密閉容器を貫通した吸込シールパイプと、前記密閉容器の外側で前記吸込シールパイプに接合した吸込パイプと、を備え、前記吸込シールパイプは、内側パイプと、該内側パイプの外側に設けられた外側パイプと、による二重管構造で構成され、前記外側パイプは、前記内側パイプよりも上流側に突き出ており、前記外側パイプは、上流側で前記吸込パイプに溶接され、前記内側パイプの少なくとも一部は前記吸込パイプの延長上に位置することを特徴とする密閉型電動圧縮機である。
本発明によれば、高性能で信頼性の高い密閉型電動圧縮機を提供することができる。
第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機の断面図である。 第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機における吸込シールパイプ付近の構成を示す部分拡大断面図である。 第2実施形態に係る密閉型電動圧縮機における吸込シールパイプ付近の構成を示す部分拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sについて、図1を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sの断面図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、縦型スクロール圧縮機であり、冷媒(作動流体)として例えばR32冷媒等を使用するものである。
密閉型電動圧縮機Sは、主な構成として、密閉容器(チャンバ)1と、密閉容器1の内部に配置される電動機2と、密閉容器1の内部に配置され電動機2により駆動されるスクロール圧縮機構3と、電動機2の回転動力をスクロール圧縮機構3に伝達するクランクシャフト7と、を備えている。
密閉容器1は、円筒状の筒チャンバ1aと、筒チャンバ1aの上部に溶接される蓋チャンバ1bと、筒チャンバ1aの下部に溶接される底チャンバ1cと、で構成され、その内部に密閉されたチャンバ内空間(吐出圧力空間)53を形成している。
また、蓋チャンバ1bには、円錐台状部材1dおよび吸込継ぎパイプ1eを介して、吸込パイプ4および吸込シールパイプ5が溶接またはロウ付けされて固定配置されている。吸込パイプ4は、吸込シールパイプ5を介して、吸込口12dに連通するようになっている。具体的には、吸込パイプ4は吸込シールパイプ5と連通し、吸込シールパイプ5の下端側はスクロール圧縮機構3(固定スクロール12)の吸込口12dに圧入されている。また、吸込口12dには、電動機2が停止した際、差圧による冷媒の逆流を防止する機構として、逆止弁10が設けられている。なお、吸込パイプ4から逆止弁10付近の構成の詳細については、図2を用いて後述する。
また、スクロール圧縮機構3(固定スクロール12)の吐出口12eは、チャンバ内空間(吐出圧力空間)53と連通しており、筒チャンバ1aの側面にチャンバ内空間53と外部とを連通する吐出パイプ6が溶接またはロウ付けされて固定配置される。このように、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、チャンバ内空間53が高温高圧雰囲気となる、いわゆる高圧チャンバタイプの圧縮機である。
また、密閉容器1の内部には、組み立ての適当な段階で油を封入するようになっている。これにより、密閉容器1の底部に、貯油部8が形成される。
電動機2は、ステータと、ロータと、を備えている。ステータは、密閉容器1に圧入、溶接等により固定されている。ロータは、ステータ内に回転可能に配置されている。また、ロータにはクランクシャフト7が固定されている。
クランクシャフト7は、主軸と、偏心部であるピン部7cと、を備えている。クランクシャフト7の主軸は、上側が後述するフレーム13に設けた主軸受13aに支持され、下側が下軸受9で支持されている。電動機2を駆動してクランクシャフト7を回転させると、ピン部7cは主軸に対して偏心回転運動するようになっている。また、クランクシャフト7には、主軸受13a、下軸受9および後述する旋回軸受へ貯油部8の油を給油するための給油縦穴7aおよび給油横穴7bが設けられている。
スクロール圧縮機構3は、旋回スクロール11と、固定スクロール12と、フレーム13と、オルダムリング14と、を備えている。
旋回スクロール11は、渦巻状の旋回スクロールラップ11aと、鏡板11bと、クランクシャフト7の偏心部であるピン部7cが挿入される旋回軸受部11cと、を有している。
固定スクロール12は、渦巻状の固定スクロールラップ12aと、台板12bと、固定スクロールラップ12aの先端面と連続する鏡板面12cと、を有している。また、台板12bの外周部に吸込口12dが配置され、台板12bの中央部に吐出口12eが配置されている。
旋回スクロール11は、固定スクロール12と相対向して旋回自在に配置されており、旋回スクロールラップ11aと固定スクロールラップ12aによって、吸込口12dと連通する吸込室(図示せず)と、圧縮室51が形成されている。
フレーム13は、その外周側が溶接によって密閉容器1の内壁面に固定されており、クランクシャフト7の主軸を回転自在に支持する主軸受13aを備えている。固定スクロール12は、ボルトによりフレーム13と締結され固定される。また、旋回スクロール11とフレーム13との間には、背圧室52が形成されている。
オルダムリング14は、旋回スクロール11とフレーム13の間に配置されており、オルダムリング14のキー部(図示せず)が、旋回スクロール11に形成された旋回オルダム溝(図示せず)と、フレーム13に形成されたフレームオルダム溝(図示せず)に挿入されている。オルダムリング14は、旋回スクロール11を固定スクロール12に対して、自転させずに公転運動をさせる働きをする自転規制部材である。
また、図示は省略するが、背圧室52と吸込室(図示せず),圧縮室51とを連通する背圧弁連通路(図示せず)と、背圧弁連通路(図示せず)に配置された背圧制御弁(図示せず)と、を備え、圧力差で背圧制御弁(図示せず)が開弁することにより、背圧室52の圧力(背圧)を制御するようになっている。
このように、旋回スクロール11と固定スクロール12とを噛み合わせ、旋回スクロール11とフレーム13との間にオルダムリング14を配置して、固定スクロール12をフレーム13にネジ固定することにより、スクロール圧縮機構3が形成されている。
次に、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sの冷媒圧縮動作について説明する。電動機2を駆動してクランクシャフト7を回転させると、クランクシャフト7のピン部7cが偏心回転し、旋回軸受部11cにピン部7cが挿入された旋回スクロール11はオルダムリング14に規制されながら旋回駆動する。この一連の動作により、吸込パイプ4、吸込シールパイプ5、吸込口12dから吸い込まれた冷媒ガスは、吸込室(図示せず)に流入し、旋回スクロール11の旋回運動により旋回スクロール11および固定スクロール12の外周側から中央部へ冷媒を移送しつつその容積を減少する圧縮室51で圧縮される。圧縮により高温高圧となった冷媒は吐出口12eから吐出圧力空間であるチャンバ内空間53に吐出され、チャンバ内空間53の冷媒は吐出パイプ6から密閉容器1外部へ吐出される。なお、密閉型電動圧縮機Sから吐出された冷媒は、冷凍サイクル(図示せず)内を循環して、吸込パイプ4から再び密閉型電動圧縮機Sへ吸込される。
次に、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sの給油動作について説明する。貯油部8は、密閉容器1のチャンバ内空間(吐出圧力空間)53の下部に形成されており、貯油部8に滞留する油も当然に吐出圧力となっている。一方、背圧室52の圧力は、背圧制御弁(図示せず)により、吐出圧力と吸込圧力の中間の圧力である背圧に保持されている。このため、貯油部8と背圧室52との間に差圧が発生し、この差圧で貯油部8の油が、クランクシャフト7の下端部に固定配置された給油ピースから給油縦穴7aを通り、クランクシャフト7に設けられた給油横穴7b及びスリット部(図示せず)を経て、旋回軸受部11c及び主軸受13aを潤滑しながら、背圧室52へ流入する。
背圧室52へ流入した油は、背圧室52と圧縮室51との差圧により、途中に背圧制御弁(図示せず)を設けた背圧弁連通路(図示せず)を通って、吸込室(図示せず)及び圧縮室51へ流入する。そして、圧縮室51へ流入した油は、圧縮室51のシール性を高めながら、冷媒と共に吐出口12eからチャンバ内空間53に吐出される。吐出口12eから吐出された油は、チャンバ内空間53で冷媒から分離してチャンバ内空間53の下部に形成された貯油部8に戻る。
≪吸込シールパイプ≫
図2は、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sにおける吸込シールパイプ5付近の構成を示す部分拡大断面図である。
図2に示すように、吸込シールパイプ5は、異なる金属からなる内側パイプ5aと外側パイプ5bとを圧着させて製造された二重管構造を有しており、吸込シールパイプ5の下側は、固定スクロール12の周縁側に設けられた吸込口12dに圧入されている。
ここで、内側パイプ5aの材料は、外側パイプ5bの材料よりも高い剛性を有する材料を適用する。なお、固定スクロール12の材料(例えば、鋳鉄)も、外側パイプ5bの材料よりも高い剛性を有する材料が用いられている。これにより、吸込シールパイプ5を吸込口12dに圧入する際、固定スクロール12の吸込口12dと内側パイプ5aとに挟まれた外側パイプ5bは、圧延されて吸込口12dに密着し、吸込シールパイプ5と吸込口12dとのシール性を好適に確保することができる。また、圧入によりシール性を確保するため、特許文献2のような高い加工精度を要求されず、安価に製造することができる。
また、内側パイプ5aの材料は、外側パイプ5bの材料よりも低い熱伝導率を有する材料を適用する。ここで、チャンバ内空間53(図1参照)の冷媒は、圧縮室51(図1参照)で断熱圧縮されることにより、高温高圧となっている。一方、圧縮前の冷媒が加熱されると、密閉型電動圧縮機Sの圧縮効率が低下する。このため、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、吸込シールパイプ5を二重管構造とし、その一方(内側パイプ5a)に熱伝導率の低い材料を適用することにより、吸込ガスの加熱損失を低減し、圧縮効率の低下を抑制する。
外側パイプ5bの材料としては、例えば、リン脱酸銅(熱伝導率320〜400W/(m・K))を採用することができ、内側パイプ5aの材料としては、例えば、リン脱酸銅よりも剛性が高く熱伝導率の低いSUS304(熱伝導率約16W/(m・K))を採用することができる。
なお、内側パイプ5aと外側パイプ5bとを圧着させた二重管構造を有する吸込シールパイプ5は、スリーロール冷間圧延機による伸管(冷間圧延伸管)などにより容易に製作することが可能である。また、吸込シールパイプ5の内側パイプ5aと外側パイプ5bとは、二重管構造を有するように締結されていればよく、内側パイプ5aと外側パイプ5bとの締結は圧着に限られるものではない。例えば、内側パイプ5aの外径より僅かに大きい内径を有する外側パイプ5bに内側パイプ5aを挿入し、内側パイプ5aと外側パイプ5bとで二重管構造となった箇所(第1の重なり部)でカシメ部を設けることにより締結してもよい。即ち、内側パイプ5aの材料と外側パイプ5bの材料とで溶接やロウ付けが困難な材料同士を用いることができる。
なお、図2においては、内側パイプ5aの厚みと、外側パイプ5bの厚みとは、ほぼ同一になるように構成するものとして図示しているが、これに限られるものではなく、吸込シールパイプ5の断熱性、吸込シールパイプ5の強度、吸込シールパイプ5の吸込口12dへの圧入作業性、後述する吸込継ぎパイプ1eとのロウ付け性、吸込シールパイプ5における流路抵抗などを考慮して、適宜厚みを選択してもよい。
また、図2に示すように、吸込シールパイプ5の上端では、外側パイプ5bを内側パイプ5aよりも冷媒の流れ方向にみて上流側に突き出す構造となっている。即ち、外側パイプ5bの上端5b2は、内側パイプ5aの上端5a2よりも高い位置(吸込口12dから離れた位置)となっている。
ここで、銅管からなる吸込継ぎパイプ1eは、予め炉中ロウ付けなどの手段により鋼材からなる円錐台状部材1dと一体構造にされ、円錐台状部材1dを密閉容器1の蓋チャンバ1bに貫通するように溶接されている。そして、吸込継ぎパイプ1eに挿入された吸込シールパイプ5が固定スクロール12の吸込口12dに圧入され、さらに、吸込シールパイプ5に銅管からなる吸込パイプ4が挿入されている。
ここで、吸込シールパイプ5の上端では、リン脱酸銅からなる外側パイプ5bが突き出す構造となっており、吸込継ぎパイプ1e、吸込シールパイプ5(外側パイプ5b)、吸込パイプ4を、リン銅ロウBにより一度に纏めて溶接することができる。即ち、吸込継ぎパイプ1e、吸込シールパイプ5の外側パイプ5b、吸込パイプ4が重なった多重管構造となった箇所(第2の重なり部)で溶接されるようになっている。
また、内側パイプ5aの内径W5を、吸込パイプ4の外径W4より小さくすることで、吸込パイプ4の延長上に内側パイプ5aの少なくとも一部(全部であってもよい)が配置される構造となっている。即ち、内側パイプ5aの上端5a2は、吸込パイプ4の下端41よりも低い位置(吸込口12dに近い位置、リン銅ロウBによる溶接部よりも離れた位置)となっている。なお、吸込パイプ4の下端41と内側パイプ5aの上端5a2とは、接触または近接する構造となっている。
このような構成とすることにより、外側パイプ5bの内径側と吸込パイプ4との隙間にリン銅ロウBを回す際、リン銅ロウBを弾いてしまう内側パイプ5aが溶接部にくることはないので、リン銅ロウBによる接合幅を十分に確保することができ、堅固な溶接が可能となる。
また、吸込パイプ4から吸込シールパイプ5(内側パイプ5a)における冷媒ガスの流路断面積の変化が小さいため、流路損失を低減する効果も奏する。
また、図2に示すように、吸込シールパイプ5の下端では、内側パイプ5aを外側パイプ5bよりも冷媒の流れ方向にみて下流側に突き出す構造となっている。即ち、内側パイプ5aの下端5a1は、外側パイプ5bの下端5b1よりも低い位置(逆止弁10と近い位置)となっている。
前述のように、固定スクロール12の吸込口12dには、電動機2が停止した際、差圧による冷媒の逆流を防止する機構として、逆止弁10が設けられている。
逆止弁10は、弁体10aと、ばね10bと、により構成されている。密閉型電動圧縮機Sの通常運転中は、冷媒ガスの流れにより弁体10aが押し下げられている。密閉型電動圧縮機Sが運転停止して、冷媒が逆流しそうになると、弁体10aがばね10bに押し上げられ、吸込シールパイプ5の下端面に当たり、吸込シールパイプ5を塞ぐ。これにより、冷媒ガスの逆流を防止するようになっている。
ここで、逆止弁10が作動すると、弁体10aが吸込シールパイプ5の下端面に衝突することにより、吸込シールパイプ5の圧入部が抜ける方向に力が働く。弁体10aには、ばね10bの力だけでなく、逆流しようとする冷媒ガスの流れの力を受けて加速するため、吸込シールパイプ5への衝突力はばね10bの選定だけでは調整することができない。また、この時の衝突力は、圧縮機の出力が大きいほど強くなる。このため、特許文献1のような構成の場合、逆止弁10が作動して弁体10aが吸込シールパイプ5の下端面に衝突した際、圧入部品が抜けてしまうおそれがある。
これに対し、第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sの吸込シールパイプ5の下端では、内側パイプ5aを外側パイプ5bよりも冷媒の流れ方向にみて下流側に突き出す構造となっており、逆止弁10が作動する際、弁体10aは内側パイプ5aの下端5a1と衝突する。この衝突は運転停止の度に繰り返されるが、仮に内側パイプ5aにかかる衝撃力が圧入部保持力を上回ったとしても、内側パイプ5aの上端5a2は吸込パイプ4の下端41と衝突するため、圧入部が完全に抜けることを防止することができる。
また、弁体10aは、外側パイプ5bよりも剛性の高い内側パイプ5aと衝突し、剛性の低い内側パイプ5aとは衝突しないようになっている。これにより、弁体10aと外側パイプ5b下端との衝突による、外側パイプ5bのはみ出しや挟み込みによる銅屑生成を防止することができる。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sについて説明する。第2実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、図1に示す第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sと比較して、吸込シールパイプ5の構成が異なり、その他の構成は同様であり、説明を省略する。
図3は、第2実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sにおける吸込シールパイプ5付近の構成を示す部分拡大断面図である。
第1実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sにおける吸込シールパイプ5では、図2に示すように、吸込シールパイプ5の内側パイプ5aの移動を防止するものは、外側パイプ5bとの圧着による摩擦抵抗と、吸込口12dとの圧入による摩擦抵抗と、吸込パイプ4との端面当接によるものである。
これに対し第2実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sにおける吸込シールパイプ5では、組立前の内側パイプ5aのズレを抑制するために、図3に示すように、内側パイプ5aが配置される位置よりも上側の位置で外側パイプ5bをカシメて歪ませ、カシメ係止部5b3を形成し、内側パイプ5aをカシメ係止部5b3より下方に配置させる。なお、カシメ係止部5b3は、外側パイプ5bの全周であってもよく、数か所であってもよい。
このような構成とすることにより、吸込シールパイプ5を密閉型電動圧縮機Sに組み込む際の作業性が向上する。
≪変形例≫
なお、本実施形態(第1,2実施形態)に係る密閉型電動圧縮機Sは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
本実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、スクロール圧縮機であるものとして説明したが、これに限られるものではない。密閉型電動圧縮機Sは、ロータリ圧縮機であってもよく、圧縮機構の吸込口と吸込パイプとを接続する吸込シールパイプに広く適用することができる。
また、本実施形態に係る密閉型電動圧縮機Sは、円錐台状部材1dを介して吸込継ぎパイプ1eを密閉容器1の蓋チャンバ1bに固定するものとして説明したが、これに限られるものではなく、吸込継ぎパイプ1eを銀ロウ付けなどの手段により密閉容器1の蓋チャンバ1bに直接溶接してもよい。
S 密閉型電動圧縮機
1 密閉容器
1a 筒チャンバ
1b 蓋チャンバ
1c 底チャンバ
1d 円錐台状部材
1e 吸込継ぎパイプ
2 電動機
3 スクロール圧縮機構(圧縮機構)
4 吸込パイプ
41 (吸込パイプの)下端
5 吸込シールパイプ
5a 内側パイプ
5a1 (内側パイプの)下端
5a2 (内側パイプの)上端
5b 外側パイプ
5b1 (外側パイプの)下端
5b2 (外側パイプの)上端
5b3 カシメ係止部
6 吐出パイプ
7 クランクシャフト
7a 給油縦穴
7b 給油横穴
7c ピン部
8 貯油部
9 下軸受
10 逆止弁
10a 弁体
10b ばね
11 旋回スクロール
11a 旋回スクロールラップ
11b 鏡板
11c 旋回軸受部
12 固定スクロール
12a 固定スクロールラップ
12b 台板
12c 鏡板面
12d 吸込口
12e 吐出口
13 フレーム
13a 主軸受
14 オルダムリング
51 圧縮室
52 背圧室
53 チャンバ内空間(吐出圧力空間)
B リン銅ロウ

Claims (9)

  1. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に設けられた圧縮機構と、
    前記圧縮機構の吸込口と接続され、前記密閉容器を貫通した吸込シールパイプと、
    前記密閉容器の外側で前記吸込シールパイプに接合した吸込パイプと、を備え、
    前記吸込シールパイプは、
    内側パイプと、該内側パイプの外側に設けられた外側パイプと、による二重管構造で構成され、
    前記外側パイプは、前記内側パイプよりも上流側に突き出ており、
    前記外側パイプは、上流側で前記吸込パイプに溶接され、
    前記内側パイプの少なくとも一部は前記吸込パイプの延長上に位置する
    ことを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  2. 前記外側パイプ及び前記吸込パイプは銅管で構成され、
    前記内側パイプは前記外側パイプよりも剛性が高くかつ熱伝導率が低い材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  3. 前記内側パイプと前記吸込パイプの端部は、接触若しくは近接している
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. 前記内側パイプは、下流側で前記外側パイプよりも下流側に突き出ている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 弁体が吸込シールパイプの下端と当接することにより冷媒逆流を防止する逆止弁を更に備える
    ことを特徴とする請求項4に記載の密閉型電動圧縮機。
  6. 前記外側パイプはカシメ係止部を有し、該カシメ係止部よりも下流側に前記内側パイプが配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  7. 前記外側パイプは前記内側パイプと重なる第1の重なり部を有し、
    前記外側パイプは前記第1の重なり部で前記内側パイプに圧着されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  8. 前記外側パイプは前記内側パイプと重なる第1の重なり部を有し、
    前記第1の重なり部にカシメ部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  9. 前記外側パイプは前記吸込パイプと重なる第2の重なり部を有し、
    前記外側パイプは前記第2の重なり部で前記吸込パイプに溶接されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
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JP2023532601A (ja) * 2020-07-31 2023-07-28 サイアム コンプレッサー インダストリー カンパニー リミテッド 圧縮機

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