JP2016069885A - 地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構 - Google Patents

地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

【課題】
この発明は、地中熱利用機構と、気泡混入水注入機構とをドッキングさせることにより、より効率よく地中熱の利用と気泡混入水の注入による地盤の不飽和化を行えるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を提供しようとするものである。
【解決手段】
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水を気泡混入水とする手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、家庭や事業所等の冷暖房や冷凍庫、給湯機器等に地下水、すなわち地中熱を利用する地中熱利用機構に地盤不飽和化機構を兼用させて、地盤の液状化防止をも同時に図れるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構に関する。
従来、ヒートポンプに利用するための地下水を採取する場合、揚水用・還元用それぞれの井戸を掘るのが一般的であるが、大きな経済的負担を伴う。
一方、近年注目されている液状化対策として、液状化の懸念のある地層に対して空気を圧入することで、地盤を不飽和化し、土粒子の間に入った空気の圧縮性を利用して液状化の原因となる地震時の間隙水圧を逃がし、液状化を防ぐ方法が提案されている。
また、空気を圧入する代わりに、マイクロバブルの入ったマイクロバブル水を井戸から注入し、他方の井戸から揚水してマイクロバブル水の水平移動を促進させるとともに揚水した水の様子からマイクロバブルの到達状況を確認する方法も提案されている。
しかるに、この方法における課題として、空気圧入法よりも深さによっては大きな飽和度の低下が得られるものの浸透範囲が狭い、注入後の不飽和度の低下状況を把握、管理するのが難しい等の点があげられる。
特開平8−3975号公報 特開2002−256540号公報 特許第2601706号公報 特公平7−21179号公報 特許第5110730号公報
ちなみに、本発明者は特願2012−125507号(特許第5110730号公報)において、地下水を保持する地盤に所定間隔で碁盤の目のように鉛直方向に設置した液状化対策ドレーンと、該ドレーンに付設した取水および排水手段とを備え、地下水を採取するための井戸として前記複数のドレーンを利用し、かつ排水するための井戸としても前記複数のドレーンを利用してオープンループの地中熱利用システムを構築する液状化対策ドレーンを利用した取水ないし排水方法を提案している。
したがって本発明は、本発明者の前記地中熱利用機構と、前記マイクロバブル水等の気泡混入水注入機構とをドッキングさせることにより、取水(揚水)井及び排水(還元)井を含む地中熱利用システムの運用とマイクロバブル水等の気泡混入水の注入、移動、管理を同時に行えるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を提供しようとするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に気泡を混入させる手段を設けたことを特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されていることをも特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、一般に揚水よりも還元の方が効率が落ちるため、また気泡を一律に広い範囲に拡散させるため、前記還元井を揚水井よりも多くの本数を適切な位置(配置)に設置することをも特徴とするものである。
またこの発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤中に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことを特徴とするものである。
請求項1の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に気泡を混入させる手段を設けたことにより、地中への気泡注入用の井戸として前記還元井を利用でき、非常に効率よく液状化対策を行うことができる。
請求項2の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されており、強制的に揚水及び還元することができ、かつ気泡混入水の注入にも利用することができる。
請求項3の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することにより、前記従来例におけるマイクロバブル水の浸透範囲が狭いという欠点を補うことができる。
なお、エアコンとしての使用時間は通常非常に長いため、排水にマイクロバブル水等の気泡混入水を状況に応じて自在に注入させることができ、地下水の移動促進も十分期待できる。また、取水した水の空気混入量を常時観察することにより、密な管理が可能になる。
請求項4の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記還元井から地下に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤内に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことにより、高価な水に気泡を混入させる手段を用いる必要がなく、特に微生物においては培養材料が消化しつくされるまで継続的に気体を発生させ続けることができる。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構の実施の形態を示すものであり、還元水に気泡を混入させる方法の概略断面図である。 その概略平面図である。
以下、図面に基いてこの発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を詳細に説明する。
図1および図2の実施例において地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、例えば家屋12が建造された地下水を保持する地盤11において、前記家屋12を挟んで一方の側には、地下水を揚水する所定数の揚水井13が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この揚水井13は地中熱をヒートポンプ式エアコンやラジエータ等に利用するために地下水を採取するものである。
他方、前記家屋12を挟んで他方の側には、利用後の地下水を排水する所定数の還元井14が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この還元井14は地質状況等により変化するが、前記揚水井13よりも多くの数が設置されている。そして、前記ヒートポンプ式エアコンやラジエータ等で利用した後の水を気泡混入水として効率よく地下に戻すことにより、地盤不飽和化を一律にかつ広範囲におこなうことができる。
図において15は、前記還元井14から地下に戻す水を気泡混入水とする気泡混入水生成手段である。
前記の気泡混入水生成手段15としては、以下のような例が挙げられる。
1)高圧下で気体を大量に溶解させ、減圧により再気泡化する加圧減圧法
2)渦流(毎秒400〜600回転)を作って、この中に気体を巻き込み、ファン等により切断・粉砕させ発生させる気液せん断法
もちろん、この発明は上記した気泡混入水生成手段の例に限定されるものではない。
ちなみに、他の気泡混入水生成手段として炭酸水の混入や、注入後の生命活動により気体を発生させる手段として、イースト菌(パン酵母)が、パン生地に含まれる糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生成する機構を利用することが挙げられる。
本実施例の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井13および還元井14は、循環用ポンプ23を接続されている。
そして前記循環用ポンプ23は、例えば家屋12内のエアコンのファンコイル(室内機)21に接続したエアコンのヒートポンプ(室外機)22に接続され、揚水とその還元とを継続的に実行できるようになっている。もちろん、ヒートポンプに代えてラジエータ等を使用することができる。
その際、地盤中の本来の地下水の流れの方向と本機構による強制的な流れの方向とを一致ないし近づけておくことが望ましく、そうすることによってより効率的に気泡の移動を行うことができる。
この発明は地中熱利用機構との併用に限定されるものではなく、揚水井および還元井を備えるとともに、それらと気泡混入水注入機構とを結合できるものであれば、地中熱利用機構以外にも応用することができる。
11 地盤
12 家屋
13 揚水井
14 還元井
15 気泡混入水生成手段
21 エアコンのファンコイル(室内機)
22 エアコンのヒートポンプ(室外機)
23 循環用ポンプ
この発明は、家庭や事業所等の冷暖房や冷凍庫、給湯機器等に地下水、すなわち地中熱を利用する地中熱利用機構に地盤不飽和化機構を兼用させて、地盤の液状化防止をも同時に図れるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構に関する。
従来、ヒートポンプに利用するための地下水を採取する場合、揚水用・還元用それぞれの井戸を掘るのが一般的であるが、大きな経済的負担を伴う。
一方、近年注目されている液状化対策として、液状化の懸念のある地層に対して空気を圧入することで、地盤を不飽和化し、土粒子の間に入った空気の圧縮性を利用して液状化の原因となる地震時の間隙水圧を逃がし、液状化を防ぐ方法が提案されている。
また、空気を圧入する代わりに、マイクロバブルの入ったマイクロバブル水を井戸から注入し、他方の井戸から揚水してマイクロバブル水の水平移動を促進させるとともに揚水した水の様子からマイクロバブルの到達状況を確認する方法も提案されている。
しかるに、この方法における課題として、空気圧入法よりも深さによっては大きな飽和度の低下が得られるものの浸透範囲が狭い、注入後の不飽和度の低下状況を把握、管理するのが難しい等の点があげられる。
特開平8−3975号公報 特開2002−256540号公報 特許第2601706号公報 特公平7−21179号公報 特許第5110730号公報
ちなみに、本発明者は特願2012−125507号(特許第5110730号公報)において、地下水を保持する地盤に所定間隔で碁盤の目のように鉛直方向に設置した液状化対策ドレーンと、該ドレーンに付設した取水および排水手段とを備え、地下水を採取するための井戸として前記複数のドレーンを利用し、かつ排水するための井戸としても前記複数のドレーンを利用してオープンループの地中熱利用システムを構築する液状化対策ドレーンを利用した取水ないし排水方法を提案している。
したがって本発明は、本発明者の前記地中熱利用機構と、前記マイクロバブル水等の気泡混入水注入機構とをドッキングさせることにより、取水(揚水)井及び排水(還元)井を含む地中熱利用システムの運用とマイクロバブル水等の気泡混入水の注入、移動、管理を同時に行えるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を提供しようとするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する複数の揚水井と、前記地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した利用後の水を地下に戻す複数の還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水を気泡混入水とする手段を設けたことを特徴とする地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されていることをも特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することをも特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する複数の揚水井と、前記地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した利用後の水を地下に戻す複数の還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤中に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことをも特徴とするものである。
請求項1の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に気泡を混入させる手段を設けたことにより、地中への気泡注入用の井戸として前記還元井を利用でき、非常に効率よく液状化対策を行うことができる。
請求項2の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されており、強制的に揚水及び還元することができ、かつ気泡混入水の注入にも利用することができる。
請求項3の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することにより、前記従来例におけるマイクロバブル水の浸透範囲が狭いという欠点を補うことができる。
なお、エアコンとしての使用時間は通常非常に長いため、排水にマイクロバブル水等の気泡混入水を状況に応じて自在に注入させることができ、地下水の移動促進も十分期待できる。また、取水した水の空気混入量を常時観察することにより、密な管理が可能になる。
請求項4の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記還元井から地下に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤内に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことにより、高価な水に気泡を混入させる手段を用いる必要がなく、特に微生物においては培養材料が消化しつくされるまで継続的に気体を発生させ続けることができる。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構の実施の形態を示すものであり、還元水に気泡を混入させる方法の概略断面図である。 その概略平面図である。
以下、図面に基いてこの発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を詳細に説明する。
図1および図2の実施例において地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、例えば家屋12が建造された地下水を保持する地盤11において、前記家屋12を挟んで一方の側には、地下水を揚水する所定数の揚水井13が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この揚水井13は地中熱をヒートポンプ式エアコンやラジエータ等に利用するために地下水を採取するものである。
他方、前記家屋12を挟んで他方の側には、利用後の地下水を排水する所定数の還元井14が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この還元井14は地質状況等により変化するが、前記揚水井13よりも多くの数が設置されている。そして、前記ヒートポンプ式エアコンやラジエータ等で利用した後の水を気泡混入水として効率よく地下に戻すことにより、地盤不飽和化を一律にかつ広範囲におこなうことができる。
図において15は、前記還元井14から地下に戻す水を気泡混入水とする気泡混入水生成手段である。
前記の気泡混入水生成手段15としては、以下のような例が挙げられる。
1)高圧下で気体を大量に溶解させ、減圧により再気泡化する加圧減圧法
2)渦流(毎秒400〜600回転)を作って、この中に気体を巻き込み、ファン等により切断・粉砕させ発生させる気液せん断法
もちろん、この発明は上記した気泡混入水生成手段の例に限定されるものではない。
ちなみに、他の気泡混入水生成手段として炭酸水の混入や、注入後の生命活動により気体を発生させる手段として、イースト菌(パン酵母)が、パン生地に含まれる糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生成する機構を利用することが挙げられる。
本実施例の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井13および還元井14は、循環用ポンプ23を接続されている。
そして前記循環用ポンプ23は、例えば家屋12内のエアコンのファンコイル(室内機)21に接続したエアコンのヒートポンプ(室外機)22に接続され、揚水とその還元とを継続的に実行できるようになっている。もちろん、ヒートポンプに代えてラジエータ等を使用することができる。
その際、地盤中の本来の地下水の流れの方向と本機構による強制的な流れの方向とを一致ないし近づけておくことが望ましく、そうすることによってより効率的に気泡の移動を行うことができる。
この発明は地中熱利用機構との併用に限定されるものではなく、揚水井および還元井を備えるとともに、それらと気泡混入水注入機構とを結合できるものであれば、地中熱利用機構以外にも応用することができる。
11 地盤
12 家屋
13 揚水井
14 還元井
15 気泡混入水生成手段
21 エアコンのファンコイル(室内機)
22 エアコンのヒートポンプ(室外機)
23 循環用ポンプ
この発明は、家庭や事業所等の冷暖房や冷凍庫、給湯機器等に地下水、すなわち地中熱を利用する地中熱利用機構に地盤不飽和化機構を兼用させて、地盤の液状化防止をも同時に図れるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構に関する。
従来、ヒートポンプに利用するための地下水を採取する場合、揚水用・還元用それぞれの井戸を掘るのが一般的であるが、大きな経済的負担を伴う。
一方、近年注目されている液状化対策として、液状化の懸念のある地層に対して空気を圧入することで、地盤を不飽和化し、土粒子の間に入った空気の圧縮性を利用して液状化の原因となる地震時の間隙水圧を逃がし、液状化を防ぐ方法が提案されている。
また、空気を圧入する代わりに、マイクロバブルの入ったマイクロバブル水を井戸から注入し、他方の井戸から揚水してマイクロバブル水の水平移動を促進させるとともに揚水した水の様子からマイクロバブルの到達状況を確認する方法も提案されている。
しかるに、この方法における課題として、空気圧入法よりも深さによっては大きな飽和度の低下が得られるものの浸透範囲が狭い、注入後の不飽和度の低下状況を把握、管理するのが難しい等の点があげられる。
特開平8−3975号公報 特開2002−256540号公報 特許第2601706号公報 特公平7−21179号公報 特許第5110730号公報
ちなみに、本発明者は特願2012−125507号(特許第5110730号公報)において、地下水を保持する地盤に所定間隔で碁盤の目のように鉛直方向に設置した液状化対策ドレーンと、該ドレーンに付設した取水および排水手段とを備え、地下水を採取するための井戸として前記複数のドレーンを利用し、かつ排水するための井戸としても前記複数のドレーンを利用してオープンループの地中熱利用システムを構築する液状化対策ドレーンを利用した取水ないし排水方法を提案している。
したがって本発明は、本発明者の前記地中熱利用機構と、前記マイクロバブル水等の気泡混入水注入機構とをドッキングさせることにより、取水(揚水)井及び排水(還元)井を含む地中熱利用システムの運用とマイクロバブル水等の気泡混入水の注入、移動、管理を同時に行えるようにした地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を提供しようとするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、家屋や事業所の冷暖房用として地中熱を利用するために地下水を採取する複数の揚水井と、前記地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した利用後の水を前記地盤に戻す複数の還元井とを備え、前記還元井から前記地盤に戻す水を気泡混入水とする手段を設けたことを特徴とする地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されていることをも特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することをも特徴とするものである。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構において、地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、家屋や事業所の冷暖房用として地中熱を利用するために地下水を採取する複数の揚水井と、前記地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した利用後の水を前記地盤に戻す複数の還元井とを備え、前記還元井から前記地盤に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤中に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことをも特徴とするものである。
請求項1の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、家屋や事業所の冷暖房用として地中熱を利用するために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を前記地盤に戻す還元井とを備え、前記還元井から前記地盤に戻す水に気泡を混入させる手段を設けたことにより、地中への気泡注入用の井戸として前記還元井を利用でき、非常に効率よく液状化対策を行うことができる。
請求項2の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されており、強制的に揚水及び還元することができ、かつ気泡混入水の注入にも利用することができる。
請求項3の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することにより、前記従来例におけるマイクロバブル水の浸透範囲が狭いという欠点を補うことができる。
なお、エアコンとしての使用時間は通常非常に長いため、排水にマイクロバブル水等の気泡混入水を状況に応じて自在に注入させることができ、地下水の移動促進も十分期待できる。また、取水した水の空気混入量を常時観察することにより、密な管理が可能になる。
請求項4の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記還元井から前記地盤に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤内に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことにより、高価な水に気泡を混入させる手段を用いる必要がなく、特に微生物においては培養材料が消化しつくされるまで継続的に気体を発生させ続けることができる。
この発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構の実施の形態を示すものであり、還元水に気泡を混入させる方法の概略断面図である。 その概略平面図である。
以下、図面に基いてこの発明の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構を詳細に説明する。
図1および図2の実施例において地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構は、例えば家屋12が建造された地下水を保持する地盤11において、前記家屋12を挟んで一方の側には、地下水を揚水する所定数の揚水井13が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この揚水井13は地中熱をヒートポンプ式エアコンやラジエータ等に利用するために地下水を採取するものである。
他方、前記家屋12を挟んで他方の側には、利用後の地下水を排水する所定数の還元井14が所定間隔で鉛直方向に設置されている。この還元井14は地質状況等により変化するが、前記揚水井13よりも多くの数が設置されている。そして、前記ヒートポンプ式エアコンやラジエータ等で利用した後の水を気泡混入水として効率よく前記地盤11に戻すことにより、地盤不飽和化を一律にかつ広範囲におこなうことができる。
図において15は、前記還元井14から前記地盤11に戻す水を気泡混入水とする気泡混入水生成手段である。
前記の気泡混入水生成手段15としては、以下のような例が挙げられる。
1)高圧下で気体を大量に溶解させ、減圧により再気泡化する加圧減圧法
2)渦流(毎秒400〜600回転)を作って、この中に気体を巻き込み、ファン等により切断・粉砕させ発生させる気液せん断法
もちろん、この発明は上記した気泡混入水生成手段の例に限定されるものではない。
ちなみに、他の気泡混入水生成手段として炭酸水の混入や、注入後の生命活動により気体を発生させる手段として、イースト菌(パン酵母)が、パン生地に含まれる糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生成する機構を利用することが挙げられる。
本実施例の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構においては、前記揚水井13および還元井14は、循環用ポンプ23を接続されている。
そして前記循環用ポンプ23は、例えば家屋12内のエアコンのファンコイル(室内機)21に接続したエアコンのヒートポンプ(室外機)22に接続され、揚水とその還元とを継続的に実行できるようになっている。もちろん、ヒートポンプに代えてラジエータ等を使用することができる。
その際、地盤中の本来の地下水の流れの方向と本機構による強制的な流れの方向とを一致ないし近づけておくことが望ましく、そうすることによってより効率的に気泡の移動を行うことができる。
この発明は地中熱利用機構との併用に限定されるものではなく、揚水井および還元井を備えるとともに、それらと気泡混入水注入機構とを結合できるものであれば、地中熱利用機構以外にも応用することができる。
11 地盤
12 家屋
13 揚水井
14 還元井
15 気泡混入水生成手段
21 エアコンのファンコイル(室内機)
22 エアコンのヒートポンプ(室外機)
23 循環用ポンプ

Claims (4)

  1. 地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水を気泡混入水とする手段を設けたことを特徴とする地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
  2. 前記揚水井および還元井は、循環用ポンプを含む地中熱利用機構を接続されていることを特徴とする請求項1に記載の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
  3. 前記揚水井および還元井は、前記還元井を揚水井よりも多くの本数設置することを特徴とする請求項1または2に記載の地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
  4. 地下水を保持する地盤に所定間隔で鉛直方向に設置した、地中熱利用のために地下水を採取する揚水井と、利用後の水を地下に戻す還元井とを備え、前記還元井から地下に戻す水に化学反応もしくは生命活動により地盤中に気体を発生させる薬品ないし微生物とその培養材料を混入させる手段を設けたことを特徴とする地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構。
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