JP2008088763A - 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法 - Google Patents

二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008088763A
JP2008088763A JP2006273383A JP2006273383A JP2008088763A JP 2008088763 A JP2008088763 A JP 2008088763A JP 2006273383 A JP2006273383 A JP 2006273383A JP 2006273383 A JP2006273383 A JP 2006273383A JP 2008088763 A JP2008088763 A JP 2008088763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
water injection
well
casing
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006273383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5079295B2 (ja
Inventor
Hiroaki Ebina
名 宏 昭 蝦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2006273383A priority Critical patent/JP5079295B2/ja
Publication of JP2008088763A publication Critical patent/JP2008088763A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5079295B2 publication Critical patent/JP5079295B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning Of Streets, Tracks, Or Beaches (AREA)
  • Road Paving Structures (AREA)

Abstract

【課題】還元井とその掘削孔との密閉を、より確実に得ることが可能であって、しかも河川水の汲み上げや不凍液の循環などを不要とし、維持管理が容易な新たな地下水熱交換技術を提供する。
【解決手段】下端がわに通水領域部31が形成された吸上げ用ケーシング3を、地下帯水層WBに達するよう打設し、水中ポンプ41、揚水パイプ4を導入して揚水専用井戸部2を形成し、下側筒部63と上側筒部61との間に遮水用段差部65を形成した注水用ケーシング6を、通水領域部64が地下帯水層WBに臨み、遮水用段差部65が粘土層などの遮水地層GSに止まるよう打設すると共に、同注水用ケーシング6中に注水パイプ7を導入した上、揚水パイプ4および注水パイプ7の地上がわ各端部間を、熱交換器8の組み込まれた連結パイプ81で外部から隔絶状に接続してなる二井戸型地下水熱交換システムである。
【選択図】図1

Description

この発明は、地下水の利用に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであり、特に汲み上げた地下水の地熱だけを利用した後、再び地下水系に戻すという地下水用の熱交換システムを施設する分野は勿論のこと、その製造および設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
地下水の汲み上げによる散水消雪は、運搬排雪を必要とせず、人手を要せずとも昼夜を問わず自動的に融雪できるという秀れた特徴をもっているが、地下水の減少による周辺地盤の沈下という潜在的リスクを有していて近年では殆ど採用されなくなってきているものの、地下水熱利用の道が全く閉ざされてしまった訳ではなく、一旦汲み上げた地下水の地熱を消雪などに有効利用した後に、そのまま元の地下水系に循環させる技術が開発されて広く実用化されるようになってきている。
(従来の技術)
そうした循環型の地熱利用システムには、例えば特開2000−265411号公報に開示されている「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明のように、薄い帯水層に沿って水平井戸とするよう揚水井および注入井を打設し、該揚水井に対して、その吐出がわに舗装体内に埋設された放熱パイプ入口を接続した揚水管の、水中ポンプを装備した吸い込みがわを接続し、当該放熱パイプの出口を、注入井に接続された注入管に接続してなり、揚水井から汲み上げた地下水が、大気に触れることなく放熱パイプ中を流動、循環するようにし、その地熱だけを消雪に利用した後、注入井を通じて元の地下水系に還元可能としたものや、特開2003−213645号公報の「ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置」発明に示されたもののように、河川より取水ポンプを用いて河川水を汲み上げてヒートポンプに送り、これとは別に地下水帯水層から鉛直型の取水井を介して地下水を汲み上げ、河川水および地下水が夫々ヒートポンプに導入され、地下水との熱交換によって加温された河川水は、配管を通して積雪箇所まで運ばれ、散水ノズルを介して路面およびグランド上の積雪に散水されて融雪に利用される一方、取水井を介して汲み上げて河川水との熱交換して放熱してしまった地下水は、還元井を介して元の地下水系に還水されるようにしたもの等が散見される。
しかし、前者の「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明は、揚水井および注入井の二ヶ所に帯水層に達する水平井戸を設けなければならず、それに伴い施工に要する敷地も広くなって消雪施設の全体が大型化してしまうだけではなく、用地の確保にも高額な費用を要するなどといった条件を勘案すると、十分な厚みをもった帯水層からの地下水熱利用に対してまで、この発明に依るものをわざわざ採用する理由はなく、垂直井戸を施工するのが望ましいものと判断され、また、後者の「ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置」発明は、鉛直型の取水井と還元井との間にヒートポンプを設け、河川から別途汲み上げた河川水と熱交換させ、加温した河川水を散水して消雪するか、または該ヒートポンプに接続され、地下に埋設した循環型の融雪パイプ中に不凍液を循環させ、路面やグランドなどを消雪可能とするものとなっているが、こうしたヒートポンプを利用した消雪には、河川水の汲み上げや不凍液の循環など、取水井および還元井を動作させるポンプの外に別のポンプ施設を設ける必要があり、しかも河川水位の変動や、あるいは不凍液の管理などにも複雑な対応を要するものとなって、維持管理に多大な経費と労力とを負担しなければならず、さらに、還元地下水に十分な圧力を与えて地下帯水層中に還元する還元井は、その外周面壁と掘削孔内壁面との間から地下水が漏出してしまう虞があり、揚水および注入による地下水熱の効率的な利用が難しいという欠点も有していた。
(1)特開2000−265411号公報 (2)特開2003−213645号公報
(問題意識)
上述したとおり、地下水熱利用に揚水および注入を繰り返すものとして従前から提案のあった「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明にしろ、「ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置」発明にしろ、採用可能な地域に制限を受けたり、余計な使節を必要としたりと、経済効果に問題がある上、それらの維持管理には多大な経費と労力とを要するだけではなく、還元井とその掘削孔との間の密閉性を確保するのがかなり困難になるという技術的な課題を未だに残しているという事情もあって、より効率的且つ経済的な地下水熱交換システムの開発、実用化が望まれている。
(発明の目的)
そこで、この発明は、限られた敷地に設置可能な垂直井戸を用いると共に、還元井とその掘削孔との密閉を、より確実に実現し得ることが可能であって、しかも河川水の汲み上げや不凍液の循環などを不要とし、維持管理が容易な新たな地下水熱交換技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の二井戸型地下水熱交換システム、および新規な二井戸型地下水熱交換システムの施工方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の二井戸型地下水熱交換システムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとした構成を要旨とする二井戸型地下水熱交換システムである。
この基本的な構成からなる二井戸型地下水熱交換システムを、表現を変えて示すと、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続するようにし、揚水専用井戸部を通じて汲み上げた地下水が熱交換器に供給されてその地下水熱の利用を果たし、放熱した後の地下水全量を、注水専用井戸部を通じて元の地下帯水層中に還元する過程にあって、当該注水専用井戸部注水用ケーシングの遮水用段差部が、上側筒部外径より僅かに大きな掘削孔上部と、同上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな掘削孔下部との連続部に形成された筒型段差部に対し、全周に亘って密接状となって掘削孔下部からの逆流を阻止するようにした構成からなる二井戸型地下水熱交換システムと言える。
(関連する発明)
上記した、二井戸型地下水熱交換システムに関連し、この発明には、その二井戸型地下水熱交換システムの施工方法も包含している。
即ち、吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにした、前記何れかに記載したこの発明の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法である。
これを、より具体的に示すと、吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、該上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に装着された遮水パッカーが、粘土層などの遮水地層の掘削孔上部内面壁および/または筒型段差部内面壁に接して密閉状となり、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにした、この発明の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法となる。
以上のとおり、この発明の二井戸型地下水熱交換システムによれば、揚水専用井戸部の吸上げ用ケーシング、および注水専用井戸部の注水用ケーシングを、夫々同一の地下帯水層中に達するよう鉛直状に打設されたものとし、夫々を水平井戸とした場合に比較して設置スペースを狭い範囲に留めることが可能となり、経済的に秀れたものとすることが可能である外、水中ポンプや揚水パイプおよび注水パイプのメンテナンス性を高めて点検、整備の作業性を向上させることができるものとなり、吸上げ用ケーシングと掘削孔との間に装着した遮水パッカーによって地下水の地上がわへの漏出を確実に防止でき、しかも注水用ケーシングを所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成されたものとしてあり、上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成し、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設することが可能となり、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状となし、注水用ケーシングの外周面壁に遮水パッカーを装着せずとも密閉状の打設を確実に行うことが可能となり、打設工事の作業効率を格段に高めることができると共に、地下水の漏出を的確に防止して信頼性に秀れた地下水の循環を実現化できるものとなる。
加えて、熱交換器を舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプとしてなるものとした場合には、地下帯水層から汲み上げられた地下水を、放熱パイプに対して直接的に供給、循環させることが可能となり、従来型の地下水熱利用の消雪に必要とされていた河川水の汲み上げ施設または不凍液の循環施設などが不要となり、施設の大型化と複雑化を阻止すると共に、それらの維持管理に要する経費および労力を、大幅に節減することができるという利点を得ることができる。
また、注水用ケーシングの上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に、掘削孔内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする遮水パッカーを装着されてなるものでは、遮水用段差部を掘削孔の筒型段差部に接合させて密閉状態を得ることの外に、上側筒部と掘削孔上部との間の隙間を充填状に閉鎖することが可能となり、さらに、遮水用段差部と筒型段差部との間の液密性を高めて、より信頼性に秀れた密閉を実現することが可能となり、地下水が地上に漏出するのを一層確実に防止することができるという利点がもたらされる。
さらに、遮水用段差部が、所定勾配をもって下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁としたものでは、注水用ケーシングの地中への打設の際の掘削孔内壁面との接触抵抗を軽減させることができる上、打設力および自重による沈降作用が働いたときに、筒型段差部との接触圧力を高め、より高い密閉力を確保できるものとすることができるという特徴が得られることになる。
そして、この発明の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法によれば、揚水専用井戸のボーリング工程と、それに続く揚水専用井戸部設置工程とによって揚水専用井戸部を設置すると共に、注水専用井戸部のボーリング工程により、揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成し、続く注水専用井戸部設置工程にあっては、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設けたものとしてあって、遮水パッカーを使用せずに、注水用ケーシングの遮水用段差部と、粘土層などの遮水地層中に形成された掘削孔の筒型段差部との隙間を閉鎖し、地下水の地上がわへの漏出を確実に阻止することができ、しかも注水専用井戸部設置工程の終了後にも、遮水用段差部が、注水専用井戸部の沈降力によって筒型段差部に密着され、長期に亘り安定した密閉を得ることができ、しかも熱交換器設置工程によって揚水専用井戸部揚水パイプ、および注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続し、地下帯水層から汲み上げてその地下水熱を利用した後、全ての地下水を漏れなく元の地下帯水層中に還元することが可能となり、地下水系の保全に秀れた施工を実現化することができる。
さらに、注水専用井戸部設置工程に伴い、注水用ケーシングの上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に装着された遮水パッカーが、粘土層などの遮水地層の掘削孔上部内面壁および/または筒型段差部内面壁に接して密閉状に設置するよう施工するようにし、遮水用段差部と筒型段差部との組み合せによる漏水防止効果に加え、遮水パッカーが上側筒部と掘削孔上部および/または遮水用段差部と筒型段差部の密閉性を一段と高めるようにしてあり、長年の利用による地形の変化や地殻変動などによる掘削孔の変形が発生した場合にも安定した液密状態を確保できるという特徴が得られるものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
揚水専用井戸部は、揚水の対象となる地下帯水層から地下熱を蓄えた地下水を効率的に汲み上げ、外部に漏水させることなく、熱交換器に強制的に供給、循環させる機能を果たすものであり、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入したものとしなければならない。
吸上げ用ケーシングは、揚水の対象となる地下帯水層に達し、通水領域部を通じて地下水を汲み上げ可能とする水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを収容する機能を果たし、先に掘削した鉛直孔に打ち込むもの、または掘削と同時に地中に打ち込んで行くものなど、何れによるものでもよく、複数本に分断された筒体を継ぎ足しながら打ち込むようにしたものや、比較的浅い地層に帯水層がある場合に、1本の筒体を継ぎ足さずに打ち込むものなどとすることが可能であり、地下帯水層に面する下端がわ所定範囲に渡る周壁に、比較的小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の外周に金属網やコイル状のワイヤーや針金などを密に捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものの何れかの通水領域部が形成されたものとしなければならず、下端を閉鎖したものとするのが望ましいが、下端面からも吸い上げ可能とするよう、通水領域部を形成したものとすることが可能であり、当該吸上げ用ケーシングを配管用炭素鋼鋼管、またはその黒管、または亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管、鉄筋を有するコンクリート製管などから形成したものとすることができる。
吸上げ用ケーシングの通水領域部は、地中の帯水層に到達させた吸上げ用ケーシングの周壁部分を通じて通水可能とすると共に、水中ポンプの動作や揚水パイプ、熱交換器、注水パイプなどへの導水および熱伝達などを正常に保つよう、土砂などの異物が吸上げ地下水中に混入するのを阻止するという機能を果たし、吸上げ用ケーシングの地下帯水層中に臨む周壁範囲に亘り、形成されたものとしなければならず、吸上げ用ケーシングの周壁に、小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の以外に金属網やコイル状のワイヤー、針金などを捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものとすることが可能である。
遮水パッカーは、掘削孔内周壁と吸上げ用ケーシングの地下帯水層より上がわとなる粘土層などの遮水地層内となる適宜深さ位置の外周壁面との間に充填状となり、地下水が地上に流出してしまうのを阻止する機能を果たすものであり、より具体的には、吸上げ用ケーシングの外周壁面に巻着される帯状、リング状、紐状などの防水性および弾性を有したものであり、さらに具体的には、吸水性ポリマーおよびSBR(スチレン・ブタジエンゴム)系合成ゴムからなる吸収膨張性材料製であって、後述する実施例に示すように、例えばOKS応用計測サービス株式会社製の「ナイスシール」(商品名)を用いることができる。
揚水パイプは、吸上げ用ケーシングの管内空間に流入する地下水を地上付近まで汲み上げ可能とする機能を果たすものであり、その吸込み下端には、管内空間に流入した地下水中に没する深さに配するようにした水中ポンプを接続し、吸上げ用ケーシング管内空間を通じて地上付近に導出される吐出端には、熱交換器の吸水端がわとなる連結パイプが接続されたものとしなければならず、効率的な熱交換に必要な量の地下水を汲み上げできる程度の流量を確保できる寸法、形状の配管としなければならず、水中ポンプによって強制的に吸い上げられる水圧にも十分に耐える強度に設定し、例えば配管用炭素鋼鋼管またはその黒管、亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管からなるものとすることができる。
水中ポンプは、吸上げ用ケーシングの管内空間に流入する地下水に、地上付近まで汲み上げ可能とする程度の圧力を発生し、揚水パイプを通じて汲み上げ可能とする機能を果たすものであり、地下水中に没して目的の熱交換に必要となる量の地下水を効率的に汲み上げ可能な揚程に設定されたものとしなければならず、メンテナンス性や耐久強度を考慮すると、ステンレス製など防錆に秀れた素材製のものであって、土砂などの異物進入によるかじりを生じ難いものを選択すべきであり、例えば渦巻きポンプ、ディフューザポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイヤフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、渦流ポンプ、気泡ポンプ、ジェットポンプなど様々なものの中から適宜選択することができる。
注水専用井戸部は、熱交換器に強制的に供給、循環され、冷却された地下水を外部に漏出させずに、注水の対象となる地下帯水層中に向けて還元する機能を果たすものであり、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とされたものとしなければならない。
注水用ケーシングは、注水の対象となる地下帯水層に達し、通水領域部を通じて地下水を外部に漏出させずに還元可能とする注水パイプを地上がわに密閉状となるよう収容、配管可能とする機能を果たし、先に掘削した鉛直孔に打ち込むもの、または掘削と同時に地中に打ち込んで行くものなど、何れによるものでもよく、複数本に分断された筒体を継ぎ足しながら打ち込むようにしたものや、比較的浅い地層に帯水層がある場合に、1本の筒体を継ぎ足さずに打ち込むものなどとすることが可能であり、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続され、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に、比較的小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の外周に金属網やコイル状のワイヤーや針金などを密に捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものの何れかの通水領域部が形成されたものとしなければならず、配管用炭素鋼鋼管、またはその黒管、または亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管、鉄筋を有するコンクリート製管などから形成したものとすることができる。
注水用ケーシングの通水領域部は、地中の帯水層中に配された注水用ケーシングの下側筒部周壁部分を通じて排水、還元可能とすると共に、土砂などの異物が注水用ケーシング内に逆流入するのを阻止するという機能を果たし、注水用ケーシング下側筒部の地下帯水層中に臨む周壁範囲に亘り、形成されたものとしなければならず、注水用ケーシング下側筒部の周壁に、小さな複数の小孔やスリットを穿設したもの、またはメッシュ状の網目孔が形成されたもの、あるいは壁面開口の以外に金属網やコイル状のワイヤー、針金などを捲着してなるフィルターを装着したものなど様々な形態からなるものとすることが可能である。
上側筒部は、注水用ケーシングの遮水用段差部より上がわを、下側筒部より大きな外径と、所定の長さとに形成し、その形状を維持可能とする機能を果たし、地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まるよう設置可能なものとし、その下端に遮水用段差部の上端を一体化し、内部に注水パイプの下端がわを収容可能とするよう形状、設定しなければならず、後述する実施例に示すように、地上がわ開口端に密閉機構の一部を形成するフランジ部を一体形成したものとなし得る。
下側筒部は、注水用ケーシングの遮水用段差部より下がわを、上側筒部より小さな外径と、所定の長さとに形成し、その形状を維持すると共に、上下所定範囲に渡り、周壁肉厚方向に排水可能とする機能を果たし、地下帯水層中に臨むよう設置可能とし、上下所定範囲に亘る周壁肉厚方向に通水可能な通水領域部が形成され、上端を遮水用段差部の下端に一体化させたものとしなければならず、地下帯水層中に臨む下端面を閉鎖したものか、あるいは通水領域部を形成したものかの何れかとすることができる。
遮水用段差部は、所定外径に設定された上側筒部の下端と、同上側筒部より縮径させた所定外径に設定された下側筒部の上端とを、同心状且つ密閉状に連続させ、しかも地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に掘削、形成された筒型段差部に対し、上方から下向きに密着状に接合して掘削孔と注水用ケーシングとの間の隙間を密閉可能とする機能を果たすものであり、注水用ケーシングを地中に打設する際に加わる圧力に十分に耐える強度を有するものとしなければならず、上側筒部の下端と下側筒部の上端とを水平環状面壁によって連続させた外面壁形状のものや、後述する実施例に示すように、所定勾配をもって下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に設定されてなるもなどとするのが望ましく、筒型段差部との確実な密着、接合および沈降の阻止を考慮すれば、壁面勾配を0°ないし60°の範囲に留めるべきであり、幅広い地層の硬度に対応できるよう、45°の勾配に設定されたものとするのが良い。
注水パイプは、熱交換器から排出された熱交換済みの地下水を注水用ケーシング中に供給し、その通水領域部を通じて地下帯水層中に還元可能とするよう誘導する機能を果たすものであり、その下端がわが注水用ケーシング上がわから貫通され、内部に開口するよう装着されたものとする一方、注水用ケーシング上がわから外部に導出された導出端がわに熱交換器の吐出がわ連結パイプを接続したものとしなければならず、揚水パイプを通じて水中ポンプが汲み上げ、熱交換器に供給する地下水量と同量の熱交換済みの放熱済み地下水を、揚水源地下帯水層中に還元できる程度の流水量を確保できる口径に設定され、しかも水中ポンプによって強制的に供給される水圧にも十分に耐える強度を有するものとすべきであり、配管用炭素鋼鋼管またはその黒管、亜鉛鍍金鋼管、もしくはステンレス鋼管などの金属製管、あるいは塩化ビニル製管などの合成樹脂製管からなるものとするのが望ましいといえる。
密閉機構は、注水用ケーシングの地上がわと、それに対応する注水パイプの中途外周壁との隙間を密閉状に閉鎖し、注水パイプを通じた地下水の還元を、漏出なく行えるよう液密性を確保する機能を果たし、例えば、注水用ケーシングの地上がわ天面に注水パイプを貫通状に一体化させたものとすることができる外、後述する実施例に示すように、注水用ケーシングの地上がわ開口にフランジ部を一体化し、該フランジ部に注水パイプを貫通一体化させた蓋体を密閉、施蓋状に装着、分解可能に一体化したものとしてもよい。
熱交換器は、地下帯水層から汲み上げられた地下水に蓄積された地熱を伝熱、放熱させて所望の熱交換を行い、汲み上げ供給されたのと同量の地下水を注入パイプに向けて排出可能とする機能を果たし、例えば後述する実施例に示すように、舗装路面下に敷設された消雪用ロードヒーティングの放熱パイプとしたものの外、ヒートポンプユニットを設けたものとし、地下水熱源を消雪用ロードヒーティングや住宅用冷暖房、または発電用など様々な用途に利用可能なものとすることができる。
連結パイプは、揚水パイプの吐出端と熱交換器の給水端とを断熱状態を確保して水密状に接続し、また、熱交換器の排水端と注水パイプの地上がわ端とを水密状に接続するという機能を果たし、水中ポンプによって発生される水圧に十分に耐える配管強度と、適した水流量を確保可能な口径とに設定されたものとしなければならず、特に揚水パイプの吐出端と熱交換器の給水端とを繋ぐ範囲は、地中への埋設や、断熱材の装着などによって十分な断熱性を確保したものとすべきであり、熱交換器の排水端と注水パイプの地上がわ端とを接続する範囲も、同様に断熱性を高めたものとすれば、地下水系への熱的影響を軽減することが可能となり、それら接続端の何れか適所に開閉バルブを介在させ、制御操作性やメンテナンス性を高めたものにすることができる。
地下帯水層は、地下水系の存在箇所であり、対象となるものは地下数メートルの比較的浅い深度にあるものから数百メートルにおよぶ大深度にあるものまでを含むものであるということができ、千メートル以上の超深度にあるものを対象とする場合も想定可能であり、遮水地層は、その地下帯水層の上がわにあって当該帯水層から地上への漏水を阻止している不透水性または難透水性を有する地層であり、天然の粘性土層の外、場合によっては、他の場所から運び込んだ粘性土、コンクリート、アスファルト、もしくは不透水性を確保可能とするよう粘土や土砂類を混合した粘性土などを用いて遮水可能に造成するようにした地層であっても差し支えはない。
掘削孔は、吸上げ用ケーシングおよび注水用ケーシングの夫々を、地上付近から地下水の揚水ならびに還元の対象となる地下帯水層に到達するよう打設可能とする機能を果たし、各ケーシングに要求される内径と深さとに設定されたものとし、特に注水用ケーシング用のものは、掘削孔上部と掘削孔下部、およびその上下間に形成された筒型段差部を有するものとしなければならず、各部の内径や深さを、打設対象となる地下帯水層の深さや遮水地層の配置、注水用ケーシングの形状、寸法などに応じて適宜設定されたものとすべきである。
掘削孔上部は、注水用ケーシングの下側筒部および遮水用段差部を容易に通過可能とすると共に、同上側筒部を容易に打設可能とする機能を果たし、地下帯水層の直上となる地上がわから注水用ケーシングの上側筒部より僅かに大きな内径と、所定上下長さとに設定された鉛直孔状に穿設されたものとし、その下端に相当する筒型段差部が粘土層などの遮水地層中に配置されるようにすべきであり、そして、掘削孔下部は、注水用ケーシングの下側筒部を地下帯水層に臨む深さまで容易に打設可能とすると共に、筒型段差部に注水用ケーシングの遮水用段差部を接合させたときに、同下側筒部の下端が掘削孔底部より十分に上方に配され、下側筒部の浮いた状態を確保可能とする機能を果たすものであり、注水用ケーシングの下側筒部の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法に設定され、しかも設置された下側筒部の下端が到達する深さよりも十分に深い位置まで掘削されたものとすべきである。
筒型段差部は、注水用ケーシングの遮水用段差部を地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層中に留めるよう保持可能とすると共に、遮水用段差部の下向き外周面壁と密着し、注水用ケーシングの下側筒部周辺の地下水が、掘削孔上部、上側筒部間の隙間を通じて地上がわへ漏出してしまうのを阻止可能とする機能を果たし、地下水圧ならびに注水用ケーシング下側筒部の通水領域部を通じて送出される還元水圧に対し、十分な不透水性を確保可能な遮水地層中に形成されたものとしなければならず、しかも掘削孔上部下端と掘削孔下部上端とを同心状に連続させ、注水用ケーシングの遮水用段差部下向き外周面壁に接合可能な、上向き環状水平面壁、または0°ないし60°、望ましくは45°の傾斜角度に設定された下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に設定されたものとすることが可能である。
揚水専用井戸のボーリング工程は、吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する作業であり、注水専用井戸部のボーリング工程または注水専用井戸部設置工程の何れかの前後とするか、あるいはそれら何れかの工程と同時に行うことが可能であって、ロータリー工法やエアハンマー工法などのプレボーリング工法によって地下帯水層に達する井戸孔を鉛直状に掘削する作業であるということができる。
揚水専用井戸部設置工程は、揚水専用井戸のボーリング工程にて形成した掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプが接続された揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水の汲み上げ可能な適宜深さ位置にまで導入する作業となるが、ボーリングマシンやアースオーガなどの建設機械を用いて先に掘削した鉛直孔に打ち込むもの、または掘削と同時に地中に打ち込んで行くものなど、何れによるものでもよく、複数本に分断された吸上げ用ケーシング形成用筒体を継ぎ足しながら打ち込むようにしたものや、比較的浅い地層に帯水層がある場合に、1本の吸上げ用ケーシングを継ぎ足さずに打ち込むものなどとすることが可能である。
注水専用井戸部のボーリング工程は、揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であり、同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する作業ということができ、ボーリングマシンやアースオーガなどの建設機械を用い、先に掘削孔下部を所定の深さまで掘削した後に、掘削孔上部を同心状且つ所定の深さとするよう掘削し、掘削孔上部と掘削孔下部との間に筒型段差部を形成するよう掘削作業を進めることが可能な外、先ず掘削孔上部を所定の深さまで掘削し、その下端に筒型段差部を形成した後、掘削孔下部を同心状且つ所定の深さまで掘削するように施工することが可能であり、または、先端がわに掘削孔下部、中途適所に筒型段差部、基端がわに掘削孔上部を、夫々掘削可能とする形状に設定されたアースドリルまたはアースオーガなどを用い、一気に掘削孔下部、筒型段差部および掘削孔上部の全てを掘削してしまうよう作業を進めることが可能である。
注水専用井戸部設置工程は、掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設けるよう施工するものであり、先に掘削した掘削孔に打ち込むもの、または掘削と同時に地中に打ち込んで行くものなど、何れによるものでもよく、複数本に分断された注水用ケーシング形成用筒体を継ぎ足しながら打ち込むようにしたものや、比較的浅い地層に帯水層がある場合に、1本の注水用ケーシングを継ぎ足さずに打ち込むものなどとすることが可能であって、打設の前段階までに上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に遮水パッカーを装着し、粘土層などの遮水地層の掘削孔上部内面壁および/または筒型段差部内面壁に接して密閉状となるよう打設することができる。
熱交換器設置工程は、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出させた端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する作業にあり、揚水パイプおよび/または注水パイプの連結パイプとの接続部分や、熱交換器と各連結パイプとの接続部分などの適所に、開閉バルブを介在させて配管路を開閉操作可能とするよう施工することが可能であり、後述する実施例に示すように、熱交換器を、舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプとし、連結パイプを介して接続するよう設定することが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図1の縦断面化された二井戸型地下水熱交換システムの正面図に示される事例は、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部31が形成され、該通水領域部31より上方適所の外周面と掘削孔9との間には遮水パッカー32が組み込まれるようにした吸上げ用ケーシング3を、その通水領域部31が地下帯水層WB中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部31を通じて流入する地下水Wを汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプ41を組み込んだ揚水パイプ4を同吸上げ用ケーシング3地上がわ開口33から導入して揚水専用井戸部2を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部61と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部63とからなり、それら上側筒部61と下側筒部63との間を遮水用段差部65にすると共に、当該下側筒部63所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部64が形成された注水用ケーシング6を、その通水領域部64が地下帯水層WB中に臨み、且つ遮水用段差部65が同地下帯水層WBよりも上層で粘土層などの遮水地層GSに止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシング6の地上がわ開口62から注水パイプ7を導入した上、当該注水用ケーシング6の地上がわ開口62付近と、それに対応する注水パイプ7中途適所との間に密閉機構71が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部5を形成し、それら揚水専用井戸部2揚水パイプ4および注水専用井戸部5注水パイプ7の地上がわ各端部間を、熱交換器8の組み込まれた連結パイプ81,81で外部から隔絶状に接続してなる、この発明の二井戸型地下水熱交換システムにおける代表的な一実施例を示すものである。
当該二井戸型地下水熱交換システム1は、図1中に示すように、互いに適宜間隔を隔てて配置され、同一の地下帯水層WBに達するよう設置した揚水専用井戸部2および注水専用井戸部5を有し、揚水専用井戸部2よって汲み上げられた地下水Wを熱交換器8に供給し、注水専用井戸部5を通じて地下帯水層WB中に還元可能とするものとなっており、以下には、本発明の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法に基づく施工手順に従い、その構造について説示することにする。
揚水専用井戸のボーリング工程は、消雪対象となる舗装路面下に敷設された熱交換器であるロードヒーティング用の放熱パイプ8に近接した適所地上面GLより、地下帯水層WBに達する直径HDが149.2mmの掘削孔9を、地下水系の深さに応じて地下数メートルないし数十メートル程度、鉛直孔状に掘削し、揚水専用井戸部設置工程により、該掘削孔9に対し、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部31が形成され、該通水領域部31より上方の適宜深さ位置に配される外周面壁回りに、OKS応用計測サービス株式会社製の「ナイスシール」(商品名)を用いた吸水膨張性を有する遮水パッカー32が組み込まれた外径D1が114.3mm、内径が105.3mmに設定された吸上げ用ケーシング3を、その通水領域部31が地下帯水層WB中に臨む深さまで同心状の配置とするよう打設し、必要な場合には、深度に応じて複数本の吸上げ用ケーシング3を継ぎ足して連続する同心鉛直円筒状のものとすると共に、該遮水パッカー32が、地下帯水層WBより上がわの粘土層などの遮水地層GS中に配置されるよう設定することにより、掘削孔9内周面壁と吸上げ用ケーシング3外周面壁との隙間を密閉状に閉鎖されたものとした上、地中に打ち込まれた吸上げ用ケーシング3の地上がわ開口33から、下端に水中ポンプ41を組み込んだ揚水パイプ4を、当該通水領域部31を通じて流入する地下水Wを汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで導入し、該水中ポンプ41が地下水W中に没する深さまで到達させて適宜吊り下げ状に固定し、揚水専用井戸部2を形成したものとする。
揚水専用井戸のボーリング工程および揚水専用井戸部設置工程の前後か、または略同時にかの何れかの段階にあって注水専用井戸部のボーリング工程を行うことが可能であり、該注水専用井戸部のボーリング工程は、該揚水専用井戸部2の設置箇所から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層WB上となる地上面GLから、地下帯水層WB直上の粘土層などの遮水地層GSまで直径HDが149.2mmの掘削孔上部91を略鉛直状に掘削し、さらに、同掘削孔上部91底部中央から、同心状となる直径SDが95.3・の掘削孔下部92を注水用ケーシング6の下側筒部63の下端到達位置よりも十分に(数m程度)深く掘削し、掘削孔上部91の下端と掘削孔下部92の上端との間の、遮水地層GS中となる境部分に、上向き環状平面壁からなる筒型段差部93が形成されたものとする。
続く注水専用井戸部設置工程では、外径D1が114.3mm、内径が105.3mmに設定された所定長の上側筒部61を有し、その下端に同心状に連続され、外径D2が89.1mm、内径が80.7mmに設定された所定長さの下側筒部63から形成され、それら上側筒部61と下側筒部63との間を、45°の傾斜をもって下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に設定されてなる遮水用段差部65にすると共に、当該下側筒部63の上下所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部64が形成された注水用ケーシング6を、掘削孔上部91の上方から打設することとなり、該掘削孔上部91に上側筒部61を同心状に配し、筒型段差部93に遮水用段差部65を密閉状に接合させ、掘削孔下部92中に下側筒部63を同心状に配した上、同下側筒部63下端を該掘削孔下部92底面上に、数m程度の沈降余裕深さDE分浮かせた状態に装着し、上側筒部61の地上がわ開口62から注水パイプ7を導入すると共に、該注水用ケーシング6上側筒部61の地上がわ開口62にはフランジ部72が形成され、注水パイプ7の中途対応箇所を上がわから下側に密閉状に貫通させた蓋体73を、複数のボルト・ナットで結合して密閉機構71を設ける。
熱交換器設置工程は、揚水専用井戸部2から、地上がわへ導出された揚水パイプ4を、開閉バルブ82を介在させて消雪対象となる舗装路面(図示せず)下に敷設された熱交換器である放熱パイプ8の組み込まれた給水がわの連結パイプ81に接続し、また、放熱パイプ8の排水がわの連結パイプ81を、注水専用井戸部5から、地上がわへ導出された注水パイプ7の供給端に接続し、揚水専用井戸部2揚水パイプ4と注水専用井戸部5注水パイプ7とを外部から隔絶状に接続した上、特に、揚水専用井戸部2から地上がわに導出された揚水パイプ4、およびそれに接続される開閉バルブ82や連結パイプ81を地中に埋設するか、または断熱材によって外装するかなどして、汲み上げられた地下水が保温されたまま放熱パイプ8に供給されるように設定されたものとする。
なお、当該二井戸型地下水熱交換システム1は、図示していないが、注水用ケーシング6の上側筒部61および/または遮水用段差部65の外周面壁に、掘削孔9の掘削孔上部91および/または筒型段差部93の内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする遮水パッカー32を装着されてなるものとすることが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなるこの発明の二井戸型地下水熱交換システム11は、吸上げ用ケーシング3の通水領域部31より上がわとなる外周面壁に装着された遮水パッカー32が、粘土層などの遮水地層GS中に位置する掘削孔9内壁面との隙間を密閉状に封鎖するものとなり、地下水Wが地上がわに漏れ出すのを阻止するものとなり、また、吸上げ用ケーシング3の地上がわ開口33から導出された揚水パイプ4の上がわ端と、放熱パイプ(熱交換器)8の給水がわとなる連結パイプ81との間に、開閉バルブ82を介在させたことにより、各部のメンテナンスを行うときに開閉バルブ82を閉鎖し、不要な地下水Wの漏出を阻止する。
注水用ケーシング6は、上側筒部61の上端に、複数のボルト・ナットによって連結されたフランジ部72と、注水パイプ7を貫通状に設けた蓋体73とからなる密閉機構71を設けたことにより、注水用ケーシング6を地中に打設した後に、注水パイプ7を設置することが可能となり、蓋体73を装着して注水用ケーシング6内の密閉状態を確保することができ、しかも各ボルト・ナットを外して蓋体73を開放すれば、注水用ケーシング6や注水パイプ7などの清掃やメンテナンスを容易に行うことができる。
加えて、注水用ケーシング6は、その漏斗型45°の傾斜面壁状に形成された遮水用段差部65が、上がわから下向きの姿勢となり、掘削孔9の筒型段差部93上面に接合状となるよう打設されると共に、掘削孔下部92底面と下側筒部63下端との間に形成された沈降余裕深さ(数m程度)DEの空隙に向けて、その自重によって沈降力を発揮するものとなり、遮水用段差部65は、より一層筒型段差部93上面に圧着状となって筒型段差部93より下方の掘削孔下部92を、地上がわから隔絶するよう密閉してしまい、吸上げ用ケーシング3に装着した遮水パッカー32を、該注水用ケーシング6では装着せずに地上がわへの地下水Wの漏水を確実に阻止するものとなる。
このように設定された二井戸型地下水熱交換システム1は、積雪や路面凍結などが発生する気象条件のときに、開閉バルブ82を開放し、水中ポンプ41を起動させて揚水専用井戸部2の地下帯水層WBに臨む通水領域部31を通じて吸上げ用ケーシング3内に流入した地下水Wを汲み上げ、揚水パイプ4を経由して放熱パイプ(熱交換器)8に供給し、地下水熱を放出させて消雪、消氷に役立てた後、舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプ8から排出された冷却地下水Wを注水専用井戸部5注水パイプ7に向けて供給し、水中ポンプ41の送出圧力によって注水用ケーシング6中に強制的に注入された冷却地下水Wは、その全量が通水領域部64を通じて元の地下帯水層WBに還元されることとなり、外部に漏出されることがなく、地下水Wの汲み上げを原因とする地盤沈下や周辺水源の枯渇、地下水Wの汚染などという環境破壊を未然に防ぎ、地下熱だけを効率的に取り出して経済的な消雪および消氷を実現可能とすることが可能となり、さらに図示しないヒートポンプを設置した場合には、ロードヒーティングに留まらず、建築物の給湯システムや発電システム用の熱源として有効利用可能となる。
さらに、注水用ケーシング6の上側筒部61および/または遮水用段差部65の外周面壁に、遮水パッカー(図示せず)を装着するようにした場合には、掘削孔上部91および/または筒型段差部93の内周面壁との密閉性を格段に向上させ、地下帯水層WBから地上がわへの地下水Wの漏水を一段と確実に阻止できる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例の二井戸型地下水熱交換システム1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示した、揚水専用井戸部2吸上げ用ケーシング3から地上がわへ導出された揚水パイプ4と、放熱パイプ8(熱交換器)の連結パイプ81との間に、開閉バルブ82を介在させたことにより、吸上げ用ケーシング3内の洗浄、揚水パイプ4および水中ポンプ41のメンテナンスなどの場合に、該開閉バルブ82を閉鎖して汲み上げられた地下水Wを漏出させることなく、各種作業を行うことが可能となり、より確実に汲上げ地下水Wの全量を、元の地下帯水層WBに還元し、地下水Wの汲み上げに起因する地盤沈下や、地下水Wの枯渇および汚染などといった従前からの様々な問題の発生を確実に防止することができるという大きな効果が得られる。
また、揚水専用井戸部2によって汲み上げられた地下水Wの全量を、消雪対象となる舗装路面下に敷設された熱交換器である放熱パイプ8に供給し、地下水熱だけを舗装路面に伝達させて消雪や消氷に供するようにして放熱した後の地下水Wの全てを、注水専用井戸部5に供給して元の地下帯水層WBに還元するものであり、散水消雪の場合に必要となる河川水や海水などの汲み上げは一切不要となる上、地下水Wと熱交換するための不凍液およびその循環施設なども不要となるなど、施設の簡素化を実現して一段と経済的な利用を可能とすることができるという特徴がある。
注水用ケーシング6は、その地上がわ端にフランジ部72を一体形成し、注水パイプ7が貫通された蓋体73を、複数のボルト・ナットで密閉状に装着した密閉機構71が形成されたものとしてあって、注水専用井戸部のボーリング工程および注水専用井戸部設置工程における注水用ケーシング6の打設作業には、従来型の井戸と略同様のプレボーリング工法を用いることが可能となり、しかも施工後における注水用ケーシング6内および注水パイプ7の洗浄やメンテナンスとった維持管理を大幅に簡便化できるという利点が得られることになる。
さらにまた、注水用ケーシング6の遮水用段差部65を、傾斜角度45°とした下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に設定されてなるものとし、上側筒部61外径より僅かに大きな掘削孔上部91と、同上側筒部61より小さく、下側筒部63より僅かに大きな掘削孔下部92との連続部に、上向き環状水平面壁に形成された筒型段差部93に対し、その全周に亘って密接状として密閉状に保持可能とするようにしてなるものとしてあり、当該筒型段差部93内径周縁と掘削孔下部92上端周縁とによって形成された環状角縁部分に対して遮水用段差部65が、45°の斜め方向から接合し、注水用ケーシング6の打設力およびそれ自体の自重による沈降、移動に伴い、同筒型段差部93内径がわの環状角縁部分(粘土層などの遮水地層GS)を圧潰し、その環状接合面積を拡大させるように作用し、遮水パッカー32などを用いずとも秀れた密閉性を得ることができるという特徴を発揮する。
注水用ケーシング6の遮水用段差部65は、下向き環状水平面壁に形成された場合であっても、上向き環状水平面壁に形成された筒型段差部93に対し、注水用ケーシング6の打設力や自重による沈降力により、秀れた密閉性を確保して遮水パッカー32を不要とすることができ、施工作業の効率化と確実な漏水防止とを実現化し、しかも、注水用ケーシング6の下側筒部63下端と掘削孔下部92の底面との間に数m程度のDE沈降余裕深さを設定してあり、注水用ケーシング6の打設力や自重による沈降力をより有効に得られるものとし、遮水用段差部65と筒型段差部93との密着を一段と確実なものにして施工の信頼性を大いに高めるという実益を得ることができる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの地下水熱利用の消雪装置に比較して地熱の熱交換効率を格段に向上させることができると共に、簡素且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、特に注水専用井戸部の打設、作業性を大幅に改善し得るものとなり、その施工に際しても従来型のプレボーリング工法をそのまま利用でき、長年に亘って積み上げられてきたボーリング技術とその経験とを十分に活かすことができることから、掘削業界や地下水業界をはじめ、消雪設備業界や地下水熱利用を目指すエネルギー業界はもとよりのこと、降雪地帯の一般市民においても高い評価がなされ、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
図面は、この発明の二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法の技術的思想を具現化した代表的な一実施例を示すものである。
縦断面化した二井戸型地下水熱交換システムを示す正面図である。
符号の説明
1 二井戸型地下水熱交換システム
2 揚水専用井戸部
3 吸上げ用ケーシング
31 同 通水領域部
32 同 遮水パッカー
33 同 吸上げ用ケーシングの地上がわ開口
D1 同 吸上げ用ケーシングの外径
4 揚水パイプ
41 同 水中ポンプ
5 注水専用井戸部
6 注水用ケーシング
61 同 上側筒部
62 同 注水用ケーシングの地上がわ開口
63 同 下側筒部
D2 同 下側筒部の外径
64 同 通水領域部
65 同 遮水用段差部
7 注水パイプ
71 同 密閉機構
72 同 フランジ部
73 同 蓋体
8 放熱パイプ(熱交換器)
81 同 連結パイプ
82 同 開閉バルブ
9 掘削孔
91 同 掘削孔上部
92 同 掘削孔下部
93 同 筒型段差部
HD 同 掘削孔直径
SD 同 掘削孔下部直径
DE 同 沈降余裕深さ、
GL 地上面
WB 地下帯水層
W 同 地下水
GS 粘土層などの遮水地層

Claims (7)

  1. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとしたことを特徴とする二井戸型地下水熱交換システム。
  2. 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続するようにし、揚水専用井戸部を通じて汲み上げた地下水が熱交換器に供給されてその地下水熱の利用を果たし、放熱した後の地下水全量を、注水専用井戸部を通じて元の地下帯水層中に還元する過程にあって、当該注水専用井戸部注水用ケーシングの遮水用段差部が、上側筒部外径より僅かに大きな掘削孔上部と、同上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな掘削孔下部との連続部に形成された筒型段差部に対し、全周に亘って密接状となって掘削孔下部からの逆流を阻止するようにしたことを特徴とする二井戸型地下水熱交換システム。
  3. 熱交換器は、舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプとした、請求項1または2何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
  4. 注水用ケーシングの上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁には、掘削孔内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする遮水パッカーが装着された、請求項1ないし3何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
  5. 遮水用段差部が、所定勾配をもって下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に形成された、請求項1ないし4何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
  6. 吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法。
  7. 吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、該上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に装着された遮水パッカーが、粘土層などの遮水地層の掘削孔上部内面壁および/または筒型段差部内面壁に接して密閉状となり、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法。
JP2006273383A 2006-10-04 2006-10-04 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法 Expired - Fee Related JP5079295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006273383A JP5079295B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006273383A JP5079295B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008088763A true JP2008088763A (ja) 2008-04-17
JP5079295B2 JP5079295B2 (ja) 2012-11-21

Family

ID=39373188

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006273383A Expired - Fee Related JP5079295B2 (ja) 2006-10-04 2006-10-04 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5079295B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101020070B1 (ko) * 2010-07-06 2011-03-09 주식회사 지지케이 위치특성을 고려한 강변여과수 이용 지열 냉난방장치
CN102864793A (zh) * 2012-06-15 2013-01-09 中国科学院寒区旱区环境与工程研究所 一种模拟多年冻土区水井保温或加热的试验装置
JP2016069885A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 中込 雄大 地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構
CN107642914A (zh) * 2017-11-02 2018-01-30 北京泰利新能源科技发展有限公司 地热循环利用系统

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611715A (ja) * 1984-06-13 1986-01-07 Takenaka Komuten Co Ltd 還元井工法
JPS611716A (ja) * 1984-06-12 1986-01-07 Takenaka Komuten Co Ltd 深井戸による地下水の排水方法
JPS61211414A (ja) * 1985-03-18 1986-09-19 Takenaka Komuten Co Ltd 還元井戸工法
JPH06146257A (ja) * 1992-11-14 1994-05-27 Sanwa Doshitsu Kiso Kk 地下水の揚水及び還元排水装置
JPH11269861A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 East Japan Railway Co 復水工法における注水方法
JP2000265411A (ja) * 1999-03-19 2000-09-26 Nippon Chikasui Kaihatsu Corp Ltd 薄い帯水層を利用した無散水消雪施設
JP2003213645A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Jmc Geothermal Engineering Co Ltd ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS611716A (ja) * 1984-06-12 1986-01-07 Takenaka Komuten Co Ltd 深井戸による地下水の排水方法
JPS611715A (ja) * 1984-06-13 1986-01-07 Takenaka Komuten Co Ltd 還元井工法
JPS61211414A (ja) * 1985-03-18 1986-09-19 Takenaka Komuten Co Ltd 還元井戸工法
JPH06146257A (ja) * 1992-11-14 1994-05-27 Sanwa Doshitsu Kiso Kk 地下水の揚水及び還元排水装置
JPH11269861A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 East Japan Railway Co 復水工法における注水方法
JP2000265411A (ja) * 1999-03-19 2000-09-26 Nippon Chikasui Kaihatsu Corp Ltd 薄い帯水層を利用した無散水消雪施設
JP2003213645A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Jmc Geothermal Engineering Co Ltd ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101020070B1 (ko) * 2010-07-06 2011-03-09 주식회사 지지케이 위치특성을 고려한 강변여과수 이용 지열 냉난방장치
CN102864793A (zh) * 2012-06-15 2013-01-09 中国科学院寒区旱区环境与工程研究所 一种模拟多年冻土区水井保温或加热的试验装置
JP2016069885A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 中込 雄大 地中熱利用機構兼用地盤不飽和化機構
CN107642914A (zh) * 2017-11-02 2018-01-30 北京泰利新能源科技发展有限公司 地热循环利用系统
CN107642914B (zh) * 2017-11-02 2023-11-21 北京泰利新能源科技发展有限公司 地热循环利用系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP5079295B2 (ja) 2012-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100480475C (zh) 可控式一井分层降水施工方法
KR101992308B1 (ko) 스마트팜과 건축물 냉난방을 위한 단일 급수방식을 이용한 지열시스템 및 이의 시공 방법
KR100880675B1 (ko) 이중 삽입 지열관을 이용한 폐쇄형 지중열교환기 장치 및구성 방법
KR100966167B1 (ko) 점감결합부를 구성한 지열 열교환기장치 및 구성방법
KR101238454B1 (ko) 개방형 지중 열교환기용 밀폐식 상부보호공 환수햇더장치
JP5731127B2 (ja) 地中熱利用システム
KR101403041B1 (ko) 개방형 지열 지중 열교환기 장치
CN107237650A (zh) 一种用于处理隧道洞壁渗水的钻孔虹吸负压排水系统及方法
KR100290288B1 (ko) 잠수역류조를 이용한 침출수차단 시스템 및 방법
KR20140135598A (ko) 게오힐 개방형 지열 지중열교환 장치 및 이 시공 방법
LU500273B1 (en) New comprehensive dewatering and drainage method and drainage device for mudstone subway station
CN211228566U (zh) 一种可回收真空轻型井点降水系统
JP5079295B2 (ja) 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法
CN106837389A (zh) 一种地铁暗挖车站竖井和横通道的冻结止水方法
CN104878771B (zh) 真空管井降水系统的施工方法
KR101058138B1 (ko) 설치시공 및 오염방지와 사후관리가 용이한 개방형지중열교환기
Preene Techniques and developments in quarry and surface mine dewatering
CN102278116B (zh) 冬季寒冷地区制作地下冷冻墙装置及制作冷冻墙的方法
CN114855846A (zh) 一种地下防渗减压抗浮盲管结构及其施工方法
KR20080014916A (ko) 지하수 심정 하부까지 설치된 무공관과 연결하여 지중열교환 효율을 향상하도록 한 지열용 환수햇더 장치
JP2012087976A (ja) 地下水利用熱交換システムおよび地下水利用熱交換設備
JP2008069576A (ja) 地下水熱交換システム、および地下水熱交換システムの施工方法ならびに地下水熱交換方法
KR20170057548A (ko) 자분형 개방형 지열공 지하수 순환시스템
RU2465405C2 (ru) Способ осушения бортов карьеров с помощью систем комбинированных дренажных устройств
JP5196354B2 (ja) 熱交換式井戸装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091005

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101001

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120829

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150907

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees