JP2008088763A - 二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下端がわに通水領域部31が形成された吸上げ用ケーシング3を、地下帯水層WBに達するよう打設し、水中ポンプ41、揚水パイプ4を導入して揚水専用井戸部2を形成し、下側筒部63と上側筒部61との間に遮水用段差部65を形成した注水用ケーシング6を、通水領域部64が地下帯水層WBに臨み、遮水用段差部65が粘土層などの遮水地層GSに止まるよう打設すると共に、同注水用ケーシング6中に注水パイプ7を導入した上、揚水パイプ4および注水パイプ7の地上がわ各端部間を、熱交換器8の組み込まれた連結パイプ81で外部から隔絶状に接続してなる二井戸型地下水熱交換システムである。
【選択図】図1
Description
地下水の汲み上げによる散水消雪は、運搬排雪を必要とせず、人手を要せずとも昼夜を問わず自動的に融雪できるという秀れた特徴をもっているが、地下水の減少による周辺地盤の沈下という潜在的リスクを有していて近年では殆ど採用されなくなってきているものの、地下水熱利用の道が全く閉ざされてしまった訳ではなく、一旦汲み上げた地下水の地熱を消雪などに有効利用した後に、そのまま元の地下水系に循環させる技術が開発されて広く実用化されるようになってきている。
そうした循環型の地熱利用システムには、例えば特開2000−265411号公報に開示されている「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明のように、薄い帯水層に沿って水平井戸とするよう揚水井および注入井を打設し、該揚水井に対して、その吐出がわに舗装体内に埋設された放熱パイプ入口を接続した揚水管の、水中ポンプを装備した吸い込みがわを接続し、当該放熱パイプの出口を、注入井に接続された注入管に接続してなり、揚水井から汲み上げた地下水が、大気に触れることなく放熱パイプ中を流動、循環するようにし、その地熱だけを消雪に利用した後、注入井を通じて元の地下水系に還元可能としたものや、特開2003−213645号公報の「ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置」発明に示されたもののように、河川より取水ポンプを用いて河川水を汲み上げてヒートポンプに送り、これとは別に地下水帯水層から鉛直型の取水井を介して地下水を汲み上げ、河川水および地下水が夫々ヒートポンプに導入され、地下水との熱交換によって加温された河川水は、配管を通して積雪箇所まで運ばれ、散水ノズルを介して路面およびグランド上の積雪に散水されて融雪に利用される一方、取水井を介して汲み上げて河川水との熱交換して放熱してしまった地下水は、還元井を介して元の地下水系に還水されるようにしたもの等が散見される。
上述したとおり、地下水熱利用に揚水および注入を繰り返すものとして従前から提案のあった「薄い帯水層を利用した無散水消雪施設」発明にしろ、「ヒートポンプを用いた融雪方法およびその装置」発明にしろ、採用可能な地域に制限を受けたり、余計な使節を必要としたりと、経済効果に問題がある上、それらの維持管理には多大な経費と労力とを要するだけではなく、還元井とその掘削孔との間の密閉性を確保するのがかなり困難になるという技術的な課題を未だに残しているという事情もあって、より効率的且つ経済的な地下水熱交換システムの開発、実用化が望まれている。
そこで、この発明は、限られた敷地に設置可能な垂直井戸を用いると共に、還元井とその掘削孔との密閉を、より確実に実現し得ることが可能であって、しかも河川水の汲み上げや不凍液の循環などを不要とし、維持管理が容易な新たな地下水熱交換技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の二井戸型地下水熱交換システム、および新規な二井戸型地下水熱交換システムの施工方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の二井戸型地下水熱交換システムは、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとした構成を要旨とする二井戸型地下水熱交換システムである。
上記した、二井戸型地下水熱交換システムに関連し、この発明には、その二井戸型地下水熱交換システムの施工方法も包含している。
即ち、吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにした、前記何れかに記載したこの発明の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法である。
揚水専用井戸部は、揚水の対象となる地下帯水層から地下熱を蓄えた地下水を効率的に汲み上げ、外部に漏水させることなく、熱交換器に強制的に供給、循環させる機能を果たすものであり、下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入したものとしなければならない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
なお、当該二井戸型地下水熱交換システム1は、図示していないが、注水用ケーシング6の上側筒部61および/または遮水用段差部65の外周面壁に、掘削孔9の掘削孔上部91および/または筒型段差部93の内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする遮水パッカー32を装着されてなるものとすることが可能である。
以上のとおりの構成からなるこの発明の二井戸型地下水熱交換システム11は、吸上げ用ケーシング3の通水領域部31より上がわとなる外周面壁に装着された遮水パッカー32が、粘土層などの遮水地層GS中に位置する掘削孔9内壁面との隙間を密閉状に封鎖するものとなり、地下水Wが地上がわに漏れ出すのを阻止するものとなり、また、吸上げ用ケーシング3の地上がわ開口33から導出された揚水パイプ4の上がわ端と、放熱パイプ(熱交換器)8の給水がわとなる連結パイプ81との間に、開閉バルブ82を介在させたことにより、各部のメンテナンスを行うときに開閉バルブ82を閉鎖し、不要な地下水Wの漏出を阻止する。
以上のような構成からなる実施例の二井戸型地下水熱交換システム1は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、図1中に示した、揚水専用井戸部2吸上げ用ケーシング3から地上がわへ導出された揚水パイプ4と、放熱パイプ8(熱交換器)の連結パイプ81との間に、開閉バルブ82を介在させたことにより、吸上げ用ケーシング3内の洗浄、揚水パイプ4および水中ポンプ41のメンテナンスなどの場合に、該開閉バルブ82を閉鎖して汲み上げられた地下水Wを漏出させることなく、各種作業を行うことが可能となり、より確実に汲上げ地下水Wの全量を、元の地下帯水層WBに還元し、地下水Wの汲み上げに起因する地盤沈下や、地下水Wの枯渇および汚染などといった従前からの様々な問題の発生を確実に防止することができるという大きな効果が得られる。
叙述の如く、この発明の二井戸型地下水熱交換システム、および二井戸型地下水熱交換システムの施工方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの地下水熱利用の消雪装置に比較して地熱の熱交換効率を格段に向上させることができると共に、簡素且つ低廉化して遥かに経済的なものとすることができる上、特に注水専用井戸部の打設、作業性を大幅に改善し得るものとなり、その施工に際しても従来型のプレボーリング工法をそのまま利用でき、長年に亘って積み上げられてきたボーリング技術とその経験とを十分に活かすことができることから、掘削業界や地下水業界をはじめ、消雪設備業界や地下水熱利用を目指すエネルギー業界はもとよりのこと、降雪地帯の一般市民においても高い評価がなされ、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
2 揚水専用井戸部
3 吸上げ用ケーシング
31 同 通水領域部
32 同 遮水パッカー
33 同 吸上げ用ケーシングの地上がわ開口
D1 同 吸上げ用ケーシングの外径
4 揚水パイプ
41 同 水中ポンプ
5 注水専用井戸部
6 注水用ケーシング
61 同 上側筒部
62 同 注水用ケーシングの地上がわ開口
63 同 下側筒部
D2 同 下側筒部の外径
64 同 通水領域部
65 同 遮水用段差部
7 注水パイプ
71 同 密閉機構
72 同 フランジ部
73 同 蓋体
8 放熱パイプ(熱交換器)
81 同 連結パイプ
82 同 開閉バルブ
9 掘削孔
91 同 掘削孔上部
92 同 掘削孔下部
93 同 筒型段差部
HD 同 掘削孔直径
SD 同 掘削孔下部直径
DE 同 沈降余裕深さ、
GL 地上面
WB 地下帯水層
W 同 地下水
GS 粘土層などの遮水地層
Claims (7)
- 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続してなるものとしたことを特徴とする二井戸型地下水熱交換システム。
- 下端がわ所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成され、該通水領域部より上方適所の外周面と掘削孔との間には遮水パッカーが組み込まれるようにした吸上げ用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨む深さまで略鉛直状に打設すると共に、当該通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能とする適宜深さ位置まで、水中ポンプを組み込んだ揚水パイプを同吸上げ用ケーシング地上がわ開口から導入して揚水専用井戸部を形成する一方、所定外径と長さとに設定した上側筒部と、その下端に同心状で縮径させた所定外径で連続させ、所定長さに設定した下側筒部とからなり、それら上側筒部と下側筒部との間を遮水用段差部にすると共に、当該下側筒部所定範囲に渡る周壁肉厚方向に通水領域部が形成された注水用ケーシングを、その通水領域部が地下帯水層中に臨み、且つ遮水用段差部が同地下帯水層よりも上層で粘土層などの遮水地層に止まる深さまで略鉛直状に打設すると共に、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入した上、当該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構が組み込まれて閉塞状とした注水専用井戸部を形成し、それら揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわ各端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続するようにし、揚水専用井戸部を通じて汲み上げた地下水が熱交換器に供給されてその地下水熱の利用を果たし、放熱した後の地下水全量を、注水専用井戸部を通じて元の地下帯水層中に還元する過程にあって、当該注水専用井戸部注水用ケーシングの遮水用段差部が、上側筒部外径より僅かに大きな掘削孔上部と、同上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな掘削孔下部との連続部に形成された筒型段差部に対し、全周に亘って密接状となって掘削孔下部からの逆流を阻止するようにしたことを特徴とする二井戸型地下水熱交換システム。
- 熱交換器は、舗装路面下に敷設されたロードヒーティング用の放熱パイプとした、請求項1または2何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
- 注水用ケーシングの上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁には、掘削孔内周壁との隙間を密閉状に閉鎖可能とする遮水パッカーが装着された、請求項1ないし3何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
- 遮水用段差部が、所定勾配をもって下向き縮径状となる概略漏斗型の外周面壁に形成された、請求項1ないし4何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システム。
- 吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法。
- 吸上げ用ケーシングの外径寸法より僅かに大きな直径の掘削孔を、対象となる地下帯水層中に到達する深さまで略鉛直状に掘削する揚水専用井戸のボーリング工程を行い、該掘削孔に対し、外周面壁適所に装着された遮水パッカーが、掘削孔粘土層などの遮水地層の内面壁に接して密閉状となり、下端側所定範囲に形成された通水領域部が、地下帯水層中に望むよう吸上げ用ケーシングを打設し、地上がわ開口から、下端に水中ポンプを接続した揚水パイプを、通水領域部を通じて流入する地下水を汲み上げ可能な適宜深さ位置まで導入する揚水専用井戸部設置工程を行うと共に、該揚水専用井戸部から適宜間隔を隔てた箇所であって同一の地下帯水層直上の粘土層などの遮水地層まで注水用ケーシングの上側筒部外径より僅かに大きな内径に設定した掘削孔上部を略鉛直状に掘削し、且つ同掘削孔上部底部中央に、注水用ケーシングの上側筒部より小さく、下側筒部より僅かに大きな内径であって、しかも下側筒部下端が達する位置よりも十分に深く設定された掘削孔下部を同心鉛直状に穿孔し、それら掘削孔上部と掘削孔下部との遮水地層中となる境部分に、遮水用段差部用の筒型段差部を形成する注水専用井戸部のボーリング工程を行い、該掘削孔上部に上側筒部を同心状に配し、筒型段差部に遮水用段差部を密閉状に接合させ、該上側筒部および/または遮水用段差部の外周面壁に装着された遮水パッカーが、粘土層などの遮水地層の掘削孔上部内面壁および/または筒型段差部内面壁に接して密閉状となり、掘削孔下部中に下側筒部を同心状に配し、同下側筒部下端を該掘削孔下部底面上に浮かせ、該筒型段差部と遮水用段差部との間に、打設力およびその後の自重による沈降方向の密閉力を発生可能とするよう注水用ケーシングを打設し、同注水用ケーシングの地上がわ開口から注水パイプを導入すると共に、該注水用ケーシングの地上がわ開口付近と、それに対応する注水パイプ中途適所との間に密閉機構を設ける注水専用井戸部設置工程を行った後、揚水専用井戸部揚水パイプおよび注水専用井戸部注水パイプの地上がわに導出された端部間を、熱交換器の組み込まれた連結パイプで外部から隔絶状に接続する熱交換器設置工程を行うようにしたことを特徴とする、請求項1ないし5何れか一項記載の二井戸型地下水熱交換システムの施工方法。
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