JP2016069427A - ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明に係る、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、上記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、上記精製物に含まれる上記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることを含む
<一般式(1)で表される構造単位を含む化合物>
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含むものである。
従来、脂環式骨格を有するビニルエーテル系化合物は、皮膚刺激性や臭気といった作業上、環境上の問題が生じにくく、保存安定性及び寸法安定性に優れるため、透明樹脂、接着剤、コーティング剤やフォトレジスト用樹脂としての使用が検討されている。例えば、特開2007−231227号公報には、8−ビニロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンとn−ブチルビニルエーテルとのビニルエーテル共重合体が開示されており、電気電子材料や光学材料樹脂への使用が意図されている。しかし、本発明者らが検討したところ、脂環式骨格を有するビニルエーテル系化合物は、耐熱性が低いという問題がある。
これに対し、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、フルオレン系ビニルエーテル化合物等の縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含むものであり、光学的特性に優れるとともに、高い耐熱性を有するため、透明樹脂、接着剤、コーティング剤やフォトレジスト用樹脂に好適に使用することができる。これらに加えて、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、種々の用途、例えば、配向膜及び平坦化膜(例えば、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等に用いられる配向膜及び平坦化膜);反射防止膜、層間絶縁膜、カーボンハードマスク等のレジスト下層膜;液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等のスペーサ及び隔壁;液晶表示ディスプレイのカラーフィルタの画素やブラックマトリクス;液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置;レンズ(例えば、マイクロレンズ等)、光ファイバー、光導波路、プリズムシート、ホログラム、高屈折フィルム、再帰反射フィルム等の光学部材;低透湿膜(例えば、水蒸気バリア層として用いられる低透湿膜);光学材料;半導体用材料に用いることができる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む精製物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することを含む調製方法により、得られる。上記粗生成物から上記ヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去する方法としては、特に限定されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法が挙げられる。
(製造方法1)
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、特開2008−266169号公報に記載の製造方法に従い、遷移元素化合物触媒及び無機塩基の存在下、下記一般式(5)で表されるビニルエステル化合物と、下記一般式(6)で表される水酸基含有化合物とを反応させることにより、合成することが可能である。上記無機塩基は、粒子径150μm未満の粒子を10重量%以上含有する固体の無機塩基であることが好ましい。
(式中、R7は、水素原子又は有機基を示す。)
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X1及びX2が単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−1)で表される化合物と、下記一般式(8−1)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X1が単結合であり、X2が−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−1)で表される化合物と、下記一般式(8−2)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X1が−S−で示される基であり、X2が単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−2)で表される化合物と、下記一般式(8−1)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X1及びX2が−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−2)で表される化合物と、下記一般式(8−2)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とする水酸基含有化合物を分離してもよい。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物は、例えば、上記一般式(6)で表される水酸基含有化合物から、下記一般式(11)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、下記一般式(12)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物から、上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X1及びX2が単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−1)で表される化合物と、下記一般式(14−1)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X1が単結合であり、X2が−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−1)で表される化合物と、下記一般式(14−2)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X1が−S−で示される基であり、X2が単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−2)で表される化合物と、下記一般式(14−1)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X1及びX2が−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−2)で表される化合物と、下記一般式(14−2)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とするヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を分離してもよい。上記一般式(12)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、上記一般式(6)で表される化合物の合成方法の説明中で例示したものが挙げられる。
上記の調製方法により得られた精製物に含まれる、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が得られる。ビニロキシ基と反応する基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニロキシ基等が挙げられる。ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物としては、例えば、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、ビニロキシ基含有化合物等が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることにより、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を得ることができる。上記ビニルエーテル化合物、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、及びカルボキシル基含有化合物の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物とビニロキシ基含有化合物とを反応させることにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物を得ることができる。特に、上記ビニロキシ基含有化合物が上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物である場合には、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物同士を反応させることとなり、これにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体を得ることができる。上記ビニルエーテル化合物及びビニロキシ基含有化合物の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
水酸基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
HO−R8−OH
(式中、R8は有機基を示す。)
R9−OH
(式中、R9は有機基を示す。)
エポキシ基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、上記ビニルエーテル化合物との反応に関与するオキシラン環以外に環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
カルボキシル基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
HO−CO−R14−CO−OH
(式中、R14は有機基を示す。)
R15−CO−OH
(式中、R15は有機基を示す。)
ビニロキシ基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。ビニロキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
一方、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物が上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物以外のビニロキシ基含有化合物である場合(即ち、上記一般式において、R16が後述のR17である場合)、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物との反応により、下記一般式で表される構造単位を含む重合体を得ることができる。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、組成物中の基材成分として有用である。このような組成物としては、上記化合物と、溶剤とを少なくとも含有するものが例示される。
<一般式(1)で表される構造単位を含む化合物>
上記組成物において、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記化合物の含有量は、上記組成物の固形分に対して、1〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましい。
溶剤としては、例えば、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物を製造するのに用いられる溶剤が挙げられ、具体例としては、炭化水素系溶剤(例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤)、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。溶剤の含有量は、上記組成物の固形分濃度が1〜100質量%となる量が好ましく、5〜50質量%となる量がより好ましい。
上記組成物は、光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有していてもよい。上記組成物が光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有すると、上記組成物から得られる硬化膜は、屈折率がより高くなりやすい。光酸発生剤及び光塩基発生剤の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記組成物は、所望により、光重合開始剤、光重合性モノマー、酸架橋性物質、着色剤、分散剤、増感剤、その他の各種の添加剤等を含有していてもよい。
上記組成物は、光学素子封止剤として有用である。この光学素子封止剤によって封止される光学素子としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学素子は、上記光学素子封止剤を上記光学素子に塗布し、例えば、120〜300℃、好ましくは150〜250℃で加熱して成膜することにより、封止することができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止等において精度が要求される場合には、加熱時間を長めにすることが好ましい。上記の通りに成膜されることにより、上記組成物は、通常、無色透明かつ高屈折率(屈折率1.54以上、特に1.60〜1.80)の膜を与える。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体からは、この重合体を成形してなる成形体が得られる。上記重合体としては、例えば、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体が挙げられる。これらの重合体は、熱可塑性であり、加熱することで容易に溶融する。よって、上記成形体の成形方法としては、例えば、射出成形等が挙げられる。
25mL反応器にエチレングリコール(1.00g、0.0161mol)、トリエチルアミン(3.42g0.0338mol)、テトラヒドロフラン(3.38mL)を加え、窒素置換した後に、0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロライド(3.88g,0.0338mol)を2時間かけて滴下し、1時間熟成後、水を加えて反応を停止した。ここに酢酸エチルを添加し、有機層を分離し、エバポレーターで溶媒を留去することによって、収率80%で、エチレングリコールにメタンスルホニル基が付加した化合物(下記式で表される化合物。以下、「EG−DMs」ともいう。)を得た。
(EG−DMs)1H−NMR(CDCl3):3.10(s、6H)、4.47(s、4H)
25mL反応器に6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトール(下記左側の式で表される化合物。1.00g、0.0022mol。以下、化合物2ともいう。)、炭酸カリウム(0.64g,0.0047mol)、テトラヒドロフラン(3.38mL)を加え、窒素置換した。ここに、合成例1で合成したEG−DMs(1.02g,0.0047mol)のテトラヒドロフラン(1.12mL)溶液を室温で添加後、60℃まで昇温し、15時間熟成した。反応液をHPLCで分析した結果、化合物2の転化率99%、選択率65%で化合物3(下記右側の式で表される化合物)が合成されたことを確認した。
(化合物3)1H−NMR(CDCl3):3.08(s、6H)、4.32(t、4H、J=4.4Hz)、4.60(t、4H、J=4.4Hz)、7.05−7.83(m、20H)
化合物3(2.00g、0.00288mol),ジプロピレングリコールジメチルエーテル(2.25mL)を仕込んだ25mL反応器に、カリウム−t−ブトキシド(1.45g,0.0130mol)のテトラヒドロフラン(2.25mL)溶液を20℃〜40℃の範囲で滴下し、100℃で2時間熟成した。反応液をHPLCで分析した結果、化合物3の転化率99%にて、選択率58%で9,9’−ビス(6−ビニルオキシ−2−ナフチル)フルオレン(下記左側の式で表される化合物。以下、化合物1ともいう。)が合成され、選択率32%でモノビニルモノメシル体(下記右側の式で表される化合物。以下、化合物4ともいう。)が合成されたことを確認した。
(化合物1)1H−NMR(CDCl3):4.48(dd、2H、J=1.5Hz、6.5Hz)、4.81(dd、2H、J=1.5Hz、13.5Hz)、6.73(dd、2H、J=6.5Hz、13.5Hz)、7.13−7.83(m、20H)
(化合物4)1H−NMR(CDCl3):3.10(s、3H)、4.34(t、2H、J=3.6Hz)、4.49(dd、1H、J=1.2Hz、5.2Hz)、4.62(t、2H、J=3.6Hz)、4.81(dd、1H、J=1.2Hz、11.2Hz)、6.73(dd、1H、J=5.2Hz、11.2Hz)、7.06−7.83(m、20H)
合成例3で得られた反応液を、水で洗浄した後に、加熱減圧下で乾燥し、残留物をトルエンに溶解し、メタノールへ滴下して再沈殿を行い、化合物1の粗生成物を得た。HPLCによる分析の結果、この粗生成物において、化合物1の含有量が90.9質量%、下記の不純物1の含有量が3.52質量%、下記の不純物2の含有量が2.47質量%、下記の不純物3の含有量が0.73質量%、その他の不純物の含有量が2.38質量%であることを確認した。
合成例4で得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して分離精製を実施し、化合物1の精製物を得た。HPLCによる分析の結果、この精製物において、化合物1の含有量が98.7質量%、不純物1の含有量が0.09質量%、不純物2の含有量が0.54質量%、不純物3の含有量が0質量%、その他の不純物の含有量が0.67質量%であることを確認した。
<ビニルエーテル化合物同士の反応>
[実施例1]
窒素置換後、十分に水分を除去したガラス製フラスコ内で、合成例5で得た化合物1の精製物30mmolをトルエンに溶解した。ついで、イソブチルビニルエーテルの酢酸付加物(IBEA)のトルエン溶液と2,4−ジ−tert−ブチルピリジンのトルエン溶液を加え、0℃まで冷却し、四臭化すず(SnBr4)のトルエン溶液を加えて重合を開始した。なお、化合物1、IBEA、2,4−ジ−tert−ブチルピリジン、及びSnBr4の最終濃度は、それぞれ0.3M、5mM、0.2mM、及び0.5mMであった。5時間後、反応溶液を水洗し、トルエンを濃縮した後、メタノールで重合体を析出させた。得られた重合体は、化合物1同士が反応してビニロキシ基のα位の炭素原子間で新たに結合を生成することにより得られた直鎖状の重合体(p1)と、化合物1同士が反応してビニロキシ基のα位とβ位との間で新たに結合を生成することにより得られた櫛状の重合体(p2)との混合物であった。得られた重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
得られた重合体をトルエンに溶解して固形分濃度20質量%の溶液を調製した。
・屈折率
上記溶液をコーターにて、Siウエハー上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で230℃にて20分間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚0.25μm)を形成した。屈折率計を用いて、この硬化膜の波長248及び193nmでの屈折率(n値)と光学吸光係数(k値)を測定した。このうち、波長633nmでの屈折率の測定結果を表1に示す。
上記溶液をコーターにて、ガラス基板上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で180℃にて20分間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚2.0μm)を形成した。透過率計を用いて、この硬化膜の波長450nmでの光透過率を測定した。結果を表1に示す。
硬化膜の耐熱性を評価するため、以下の測定を行った。上記溶液をコーターにて、ガラス基板上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で180℃にて100時間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚2.0μm)を形成した。透過率計を用いて、この硬化膜の波長450nmでの光透過率を測定した。結果を表1に示す。
硬化膜の耐熱性を更に評価するため、以下の測定を行った。「光透過率(初期)」と同様にして硬化膜を形成した。この硬化膜を室温(約20℃)から1分間に10℃ずつの割合で昇温加熱して大気中で熱重量分析を行い、分析開始時の質量を基準として、質量が5%減少する温度Td5%を測定した。結果を表1に示す。
合成例5で得た化合物1の精製物の代わりに、合成例4で得た化合物1の粗生成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
合成例4で得た化合物1の粗生成物及び合成例5で得た化合物1の精製物の各々をテトラヒドロフランに溶解して10質量%溶液を調製し、−30℃に冷却した後、この溶液に触媒量の三フッ化ホウ素を添加して反応液を調製した。−30℃から2℃/分の割合で、この反応液を昇温し、赤外分光法によりビニル基の減少開始温度をモニタリングすることで、化合物1同士の反応開始温度を測定し、下記の基準で評価した。また、目視にて反応系の着色の有無を確認した。結果を表2に示す。
反応開始温度の評価基準
S:反応開始温度が0℃以下であった。
A:0℃超20℃以下であった。
B:20℃超であった。
Claims (6)
- 下記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から下記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることを含む、下記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法。
- 前記ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物が水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、又はビニロキシ基含有化合物である請求項1記載の製造方法。
- 上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体である請求項1又は2記載の製造方法。
- 上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることを含み、
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が下記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体である請求項1から3のいずれか1項記載の製造方法。
- 上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることを含み、
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が下記一般式(3)で表される化合物である請求項1又は2記載の製造方法。
- 前記R6a及びR6bが環状構造を有する請求項5記載の製造方法。
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HIRABAYASHI, TOMOTAKA ET AL.: "Iridium-catalyzed synthesis of vinyl ethers from alcohols and vinyl acetate", ORGANIC SYNTHESES, vol. 82, JPN6018025919, 2005, pages 55 - 58, ISSN: 0003832970 * |
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