JP2016069427A - ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物 - Google Patents

ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】新規な縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む光透過率、屈折率等の光学特性、耐熱性に富む化合物及びその製造方法の提供。
【解決手段】式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法であって、特定のビニルエーテル化合物を含む粗生成物から特定のヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去し、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させ合成される縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造を含む化合物。
Figure 2016069427

【選択図】なし

Description

本発明は、ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物の製造方法に関する。
縮合多環式化合物は、種々の優れた機能を有し、様々な用途に用いられている。例えば、縮合多環式芳香族化合物であるフルオレン骨格(9,9−ビスフェニルフルオレン骨格等)を有する化合物は、光透過率、屈折率等の光学的特性、耐熱性等の熱的特性において優れた機能を有することが知られている。そのため、フルオレン骨格を有する化合物は、レンズ、プリズム、フィルター、画像表示材料、光ディスク用基板、光ファイバー、光導波路、ケーシング材料、フィルム、コーティング材料等の光学部材の原料として用いられている。このようなフルオレン骨格を有する化合物としては、例えば、特許文献1に開示されているものが挙げられる。
特開2011−201791号公報
本発明は、新規な縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、新規な縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明は、下記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から下記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、上記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、上記精製物に含まれる上記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることを含む、下記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法である。
Figure 2016069427
(式中、環Z及び環Zは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、X及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R1a及びR1bは独立に単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、m1及びm2は独立に0以上の整数を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、*は結合手を示す。)
Figure 2016069427
(式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
Figure 2016069427
(式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
本発明によれば、新規な縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物を製造する方法を提供することができる。
≪一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法≫
本発明に係る、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、上記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、上記精製物に含まれる上記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることを含む
<一般式(1)で表される構造単位を含む化合物>
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含むものである。
従来、脂環式骨格を有するビニルエーテル系化合物は、皮膚刺激性や臭気といった作業上、環境上の問題が生じにくく、保存安定性及び寸法安定性に優れるため、透明樹脂、接着剤、コーティング剤やフォトレジスト用樹脂としての使用が検討されている。例えば、特開2007−231227号公報には、8−ビニロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカンとn−ブチルビニルエーテルとのビニルエーテル共重合体が開示されており、電気電子材料や光学材料樹脂への使用が意図されている。しかし、本発明者らが検討したところ、脂環式骨格を有するビニルエーテル系化合物は、耐熱性が低いという問題がある。
これに対し、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、フルオレン系ビニルエーテル化合物等の縮合多環式ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含むものであり、光学的特性に優れるとともに、高い耐熱性を有するため、透明樹脂、接着剤、コーティング剤やフォトレジスト用樹脂に好適に使用することができる。これらに加えて、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、種々の用途、例えば、配向膜及び平坦化膜(例えば、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等に用いられる配向膜及び平坦化膜);反射防止膜、層間絶縁膜、カーボンハードマスク等のレジスト下層膜;液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等のスペーサ及び隔壁;液晶表示ディスプレイのカラーフィルタの画素やブラックマトリクス;液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置;レンズ(例えば、マイクロレンズ等)、光ファイバー、光導波路、プリズムシート、ホログラム、高屈折フィルム、再帰反射フィルム等の光学部材;低透湿膜(例えば、水蒸気バリア層として用いられる低透湿膜);光学材料;半導体用材料に用いることができる。
上記一般式(1)において、環Z及び環Zとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Z及び環Zは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、環Z及び環Zは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。また、X及びXの両方が直結する炭素原子にX又はXを介して結合する環Z又は環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Z又は環Zがナフタレン環の場合、上記炭素原子に結合する環Z又は環Zに対応する基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基等であってもよい。
上記一般式(1)において、環Y及び環Yとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Y及び環Yは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、環Y及び環Yは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。
上記一般式(1)において、X及びXは、独立に単結合又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。
上記一般式(1)において、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。ここで、置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、珪素原子等が挙げられる。
上記一般式(1)において、R1a及びR1bとしては、例えば、単結合;メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基等の炭素数1〜4のアルキレン基が挙げられ、単結合;C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基等のC2−3アルキレン基)が好ましく、単結合がより好ましい。なお、R1aとR1bとが同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、R2a及びR2bとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基等)、シクロアルキル基(シクロへキシル基等のC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、より好ましくはC5−6シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のC6−14アリール基、好ましくはC6−10アリール基、より好ましくはC6−8アリール基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等のC6−10アリール−C1−4アルキル基等)等の1価炭化水素基;水酸基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1−12アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、より好ましくはC1−6アルコキシ基等)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基等のC5−10シクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等のC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)等の−OR4aで示される基[式中、R4aは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等のC1−12アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、より好ましくはC1−6アルキルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基等のC5−10シクロアルキルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等のC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)等の−SR4bで示される基[式中、R4bは1価炭化水素基(前記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アシル基(アセチル基等のC1−6アシル基等);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニル基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);ニトロ基;シアノ基;メルカプト基;カルボキシル基;アミノ基;カルバモイル基;アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等のC1−12アルキルアミノ基、好ましくはC1−8アルキルアミノ基、より好ましくはC1−6アルキルアミノ基等)、シクロアルキルアミノ基(シクロへキシルアミノ基等のC5−10シクロアルキルアミノ基等)、アリールアミノ基(フェニルアミノ基等のC6−10アリールアミノ基)、アラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルアミノ基)等の−NHR4cで示される基[式中、R4cは1価炭化水素基(前記例示の1価炭化水素基等)を示す。];ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のジ(C1−12アルキル)アミノ基、好ましくはジ(C1−8アルキル)アミノ基、より好ましくはジ(C1−6アルキル)アミノ基等)、ジシクロアルキルアミノ基(ジシクロへキシルアミノ基等のジ(C5−10シクロアルキル)アミノ基等)、ジアリールアミノ基(ジフェニルアミノ基等のジ(C6−10アリール)アミノ基)、ジアラルキルアミノ基(例えば、ジベンジルアミノ基等のジ(C6−10アリール−C1−4アルキル)アミノ基)等の−N(R4dで示される基[式中、R4dは独立に1価炭化水素基(前記例示の1価炭化水素基等)を示す。];(メタ)アクリロイルオキシ基;スルホ基;上記の1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が上記の1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基[例えば、アルコキシアリール基(例えば、メトキシフェニル基等のC1−4アルコキシC6−10アリール基)、アルコキシカルボニルアリール基(例えば、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニルC6−10アリール基等)]等が挙げられる。
これらのうち、代表的には、R2a及びR2bは、1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基等であってもよい。
好ましいR2a及びR2bとしては、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)等]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基等)等が挙げられる。特に、R2a及びR2bは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)等]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)等]等の1価炭化水素基(特に、アルキル基)であるのが好ましい。
なお、m1が2以上の整数である場合、R2aは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、m2が2以上の整数である場合、R2bは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。更に、R2aとR2bとが同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、R2aの数m1は、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であってもよい。また、上記一般式(1)において、基R2bの数m2は、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であってもよい。なお、m1及びm2は、同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、R3a及びR3bとしては、通常、非反応性置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、シアノ基又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)等が例示できる。なお、n1が2以上の整数である場合、R3aは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、n2が2以上の整数である場合、R3bは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。更に、R3aとR3bとが同一であってもよく、異なっていてもよい。また、環Y及び環Yに対するR3a及びR3bの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数n1及びn2は、0又は1、特に0である。なお、n1及びn2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、*は結合手を示す。この結合手を介して、上記一般式(1)で表される構造単位に結合する基としては、例えば、−CH−で示される基、−CH(CH)−で示される基、−O−で示される基が挙げられる。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物において、上記構造単位の個数は、1個でも2個以上でもよい。上記構造単位の個数が2個以上である場合、上記構造単位の少なくとも一部は繰り返し単位を形成していてもよい。繰り返し単位を形成する上記構造単位は、単独で繰り返し単位を形成してもよいし、他の構造単位とともに繰り返し単位を形成してもよい。即ち、上記構造単位を含む化合物において、上記構造単位そのものが複数個繰り返されていてもよいし、上記構造単位と他の構造単位との組み合わせが複数個繰り返されていてもよい。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物としては、例えば、上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体が挙げられる。この重合体は、構造単位として、上記一般式(1)で表される構造単位のみを含んでいてもよいし、更に他の構造単位を含んでいてもよい。得られる硬化膜の屈折率、光透過率、耐熱性等の観点から、上記重合体において、上記一般式(1)で表される構造単位の含有量は、上記重合体中の全構造単位に対し、30〜100モル%であることが好ましく、50〜100モル%であることがより好ましい。
上記一般式(1)で表される構造単位は、後述の一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物に由来し、このビニルエーテル化合物は、カチオン重合性モノマーとして機能する。よって、上記一般式(1)で表される構造単位と他の構造単位とを含む重合体としては、例えば、上記ビニルエーテル化合物と他のカチオン重合性モノマーとの共重合体が挙げられる。
他のカチオン重合性モノマーとしては、光酸発生剤の存在下で光照射されることで重合反応や架橋反応を起こす有機化合物であれば特に限定されず、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、オキソラン化合物、環状アセタール化合物、環状ラクトン化合物、チイラン化合物、チエタン化合物、上記ビニルエーテル化合物以外のビニルエーテル化合物、エポキシ化合物とラクトンとの反応生成物であるスピロオルソエステル化合物、エチレン性不飽和化合物、環状エーテル化合物、環状チオエーテル化合物、及びビニル化合物等が挙げられる。他のカチオン重合性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、上記一般式(1)で表される構造単位と他の構造単位とを含む重合体としては、例えば、下記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体も挙げられる。
Figure 2016069427
上記一般式(2)において、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、n2、及び*は上記の通りであり、Rは有機基を示す。
上記一般式(2)において、Rとしては、例えば、2価炭化水素基、2価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基、並びにこれらの基のいずれかとカルボニル基とが互いに結合して形成される基が挙げられ、2価炭化水素基及び2価炭化水素基とカルボニル基とが互いに結合して形成される基(例えば、カルボニル基と2価炭化水素基とカルボニル基とがこの順番で結合して形成される基)が好ましい。2価炭化水素基及び2価複素環式基は、置換基を有してもよい。Rは、環状構造を有することが好ましい。
2価炭化水素基としては、例えば、2価脂肪族炭化水素基、2価脂環式炭化水素基、2価芳香族炭化水素基、及びこれらが2個以上結合して形成される基が挙げられる。
2価脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、s−ブチレン基、t−ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、ドデシレン基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3のアルキレン基;ビニレン基、プロペニレン基、1−ブテニレン基等の炭素数2〜20、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜3のアルケニレン基;エチニレン基、プロピニレン基等の炭素数2〜20、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜3のアルキニレン基等が挙げられる。
2価脂環式炭化水素基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等の炭素数3〜20、好ましくは3〜15、更に好ましくは5〜8のシクロアルキレン基;シクロペンテニレン基、シクロへキセニレン基等の炭素数3〜20、好ましくは3〜15、更に好ましくは5〜8のシクロアルケニレン基;パーヒドロナフチレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシレン基等の炭素数4〜20、好ましくは6〜16、更に好ましくは7〜12の2価の橋かけ環式炭化水素基等が挙げられる。
2価芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニレン基等の炭素数6〜20、好ましくは6〜13のアリーレン基が挙げられる。
2価脂肪族炭化水素基と2価脂環式炭化水素基とが結合して形成される基としては、例えば、シクロペンチレンメチレン基、シクロヘキシレンメチレン基、シクロヘキシレンエチレン基等のシクロアルキレン−アルキレン基(例えば、C3−20シクロアルキレン−C1−4アルキレン基等)等が挙げられる。
2価脂肪族炭化水素基と2価芳香族炭化水素基とが結合して形成される基としては、例えば、アリーレン−アルキレン基(例えば、C6−20アリーレン−C1−4アルキレン基等)、アリーレン−アルキレン−アリーレン基(例えば、C6−20アリーレン−C1−4アルキレン基−C6−20アリーレン基等)等が挙げられる。
2個以上の2価芳香族炭化水素基同士が結合して形成される基としては、例えば、アリーレン−アリーレン基(例えば、C6−20アリーレン−C6−20アリーレン基等)、アリーレン−アリーレン−アリーレン基(例えば、C6−10アリーレン−C6−13アリーレン−C6−10アリーレン基等)等が挙げられる。
これらの2価炭化水素基の中でも、環状構造を有するものが好ましく、C6−10アリーレン−C6−13アリーレン基−C6−10アリーレン基、C6−20アリーレン−C1−4アルキレン基−C6−20アリーレン基、炭素数7〜12の2価の橋かけ環式炭化水素基が特に好ましい。
上記2価炭化水素基は、種々の置換基、例えば、ハロゲン原子、オキソ基、水酸基、置換オキシ基(例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシルオキシ基等)、カルボキシル基、置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)、置換又は無置換カルバモイル基、シアノ基、ニトロ基、置換又は無置換アミノ基、スルホ基、複素環式基等を有していてもよい。上記の水酸基及びカルボキシル基は、有機合成の分野で慣用の保護基で保護されていてもよい。また、2価脂環式炭化水素基及び2価芳香族炭化水素基の環には、芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
2価複素環式基は、複素環式化合物から水素原子を2個除いて形成される基である。複素環式化合物は、芳香族複素環式化合物であっても非芳香族複素環式化合物であってもよい。このような複素環式化合物としては、例えば、ヘテロ原子として酸素原子を含む複素環式化合物(例えば、オキシラン等の3員環の複素環式化合物、オキセタン等の4員環の複素環式化合物、フラン、テトラヒドロフラン、オキサゾール、γ−ブチロラクトン等の5員環の複素環式化合物、4−オキソ−4H−ピラン、テトラヒドロピラン、モルホリン等の6員環の複素環式化合物、ベンゾフラン、4−オキソ−4H−クロメン、クロマン等の、縮合環を有する複素環式化合物、3−オキサトリシクロ[4.3.1.14,8]ウンデカン−2−オン、3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン等の、橋かけ環を有する複素環式化合物等)、ヘテロ原子としてイオウ原子を含む複素環式化合物(例えば、チオフェン、チアゾール、チアジアゾール等の5員環の複素環式化合物、4−オキソ−4H−チオピラン等の6員環の複素環式化合物、ベンゾチオフェン等の、縮合環を有する複素環式化合物等)、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環式化合物(例えば、ピロール、ピロリジン、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール等の5員環の複素環式化合物、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン等の6員環の複素環式化合物、インドール、インドリン、キノリン、アクリジン、ナフチリジン、キナゾリン、プリン等の、縮合環を有する複素環式化合物等)等が挙げられる。上記2価複素環式基は、上記2価炭化水素基が有していてもよい置換基の他、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6−10アリール基等)等の置換基を有していてもよい。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体の質量平均分子量は、特に限定されないが、300,000以下であることが好ましく、2,000〜100,000であることがより好ましい。なお、本明細書において、質量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定された標準ポリスチレン換算のものをいう。
上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体の具体例としては、下記一般式で表される重合体が挙げられる。
Figure 2016069427
上記式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、R、m1、m2、n1、n2、及び*は上記の通りであり、i及びjは2〜600の整数を表す。
また、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物も挙げられる。
Figure 2016069427
上記一般式(3)において、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りであり、R6a及びR6bは独立に有機基を示す。
上記一般式(3)において、R6a及びR6bとしては、例えば、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基、並びにこれらの基のいずれかとカルボニル基とが互いに結合して形成される基が挙げられ、1価炭化水素基及び1価炭化水素基とカルボニル基とが互いに結合して形成される基が好ましい。1価炭化水素基及び1価複素環式基は、置換基を有してもよい。R6a及びR6bは、環状構造を有することが好ましい。
1価炭化水素基としては、例えば、1価脂肪族炭化水素基、1価脂環式炭化水素基、1価芳香族炭化水素基、及びこれらが2個以上結合して形成される基が挙げられる。
1価脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3のアルキル基;ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等の炭素数2〜20、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜3のアルケニル基;エチニル基、プロピニル基等の炭素数2〜20、好ましくは2〜10、更に好ましくは2〜3のアルキニル基等が挙げられる。
1価脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の炭素数3〜20、好ましくは3〜15、更に好ましくは5〜8のシクロアルキル基;シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等の炭素数3〜20、好ましくは3〜15、更に好ましくは5〜8のシクロアルケニル基;パーヒドロナフタレン−1−イル基、ノルボルニル、アダマンチル、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン−3−イル基等の炭素数4〜20、好ましくは6〜16、更に好ましくは7〜12の1価の橋かけ環式炭化水素基等が挙げられる。
1価芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基等の炭素数6〜20、好ましくは6〜13のアリール基が挙げられる。
1価脂肪族炭化水素基と1価脂環式炭化水素基とが結合して形成される基としては、例えば、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基等のシクロアルキル−アルキル基(例えば、C3−20シクロアルキル−C1−4アルキル基等)等が挙げられる。
1価脂肪族炭化水素基と1価芳香族炭化水素基とが結合して形成される基としては、例えば、アラルキル基(例えば、C7−18アラルキル基等)、アルキル−アリール基(例えば、C1−4アルキル−C6−20アリール基、より具体的には、1〜4個のC1−4アルキル基が置換したフェニル基又はナフチル基等)、アリール−アルキル−アリール基(例えば、C6−20アリール−C1−4アルキル基−C6−20アリール基等)等が挙げられる。
2個以上の1価芳香族炭化水素基同士が結合して形成される基としては、例えば、アリール−アリール基(例えば、C6−20アリール−C6−20アリール基等)、アリール−アリール−アリール基(例えば、C6−10アリール−C6−13アリール−C6−10アリール基等)等が挙げられる。
これらの1価炭化水素基の中でも、環状構造を有するものが好ましく、C6−10アリール−C6−13アリール−C6−10アリール基、C6−20アリール−C1−4アルキル基−C6−20アリール基、炭素数7〜12の1価の橋かけ環式炭化水素基が特に好ましい。
上記1価炭化水素基は、種々の置換基を有していてもよい。置換基の具体例としては、上記2価炭化水素基が有していてもよい置換基として例示したものが挙げられる。また、1価脂環式炭化水素基及び1価芳香族炭化水素基の環には、芳香族性又は非芳香属性の複素環が縮合していてもよい。
1価複素環式基は、複素環式化合物から水素原子を1個除いて形成される基である。複素環式化合物は、芳香族複素環式化合物であっても非芳香族複素環式化合物であってもよい。このような複素環としては、例えば、上記2価複素環式基の説明中で例示したものが挙げられる。上記1価複素環式基は、上記1価炭化水素基が有していてもよい置換基の他、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1−4アルキル基等)、シクロアルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等のC6−10アリール基等)等の置換基を有していてもよい。
<一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む精製物の調製方法>
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む精製物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することを含む調製方法により、得られる。上記粗生成物から上記ヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去する方法としては、特に限定されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物は、例えば、後述する製造方法1〜3のいずれかにより合成することができる。上記粗生成物を合成する際、上記一般式(4)で表される目的のビニルエーテル化合物以外に、不純物として、上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物が生成する。このヒドロキシエチルオキシ基含有化合物からは、更に、このヒドロキシエチルオキシ基含有化合物中のヒドロキシエチルオキシ基に含まれる水酸基の水素原子がビニル基で置換された化合物や、上記ヒドロキシエチルオキシ基含有化合物と上記ビニルエーテル化合物との反応生成物等が不純物として生成する。これらの不純物の生成により、上記粗生成物における上記ビニルエーテル化合物の純度は低下し、上記粗生成物に含まれる上記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることにより得られる化合物を用いて成膜することにより得られる被膜の耐熱性は低下しやすくなる。
上記の調製方法により、上記粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物やその他の不純物を除去することができるとともに、このヒドロキシエチルオキシ基含有化合物から新たに他の不純物が生成することを抑制することもできる。このように、上記粗生成物から上記ヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより得られた精製物においては、目的とする上記ビニルエーテル化合物の純度が向上しており、この精製物に含まれる上記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることにより得られる化合物を用いて成膜することにより得られる被膜の耐熱性は向上しやすくなる。
例えば、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物が下記の化合物1である場合、下記の不純物1が上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物に該当する。そして、不純物1から更に下記の不純物2や不純物3等が生成する。上記の調製方法により、不純物1及びその他の不純物が除去され、それに伴い、不純物2及び3等の新たな生成が抑制され、化合物1の純度が向上した精製物を得ることができる。
Figure 2016069427
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより得られた精製物において、このヒドロキシエチルオキシ基含有化合物の量は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物に対して1.5質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以下であることがより好ましく、0.7質量%以下であることが更により好ましい。
[一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物]
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、優れた光学的特性及び熱的特性を保持しつつ、ビニロキシ基を有するため、高い反応性を有する。特に、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、フルオレン骨格を有し、光学的特性及び熱的特性に更に優れる。このような上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、カチオン重合することができるため、カチオン重合性モノマーとして機能する。
上述の通り、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、上記一般式(4)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光透過率、屈折率等の光学的特性及び熱的特性に更に優れるため好ましい。また、上記一般式(4)で表される化合物において、X及びXがいずれも単結合であり、R1a及びR1bがいずれも単結合である場合には、光透過率、屈折率等の光学特性がより優れる傾向がある。特に、R1a及びR1bがいずれも単結合である場合には光学的特性及び熱的特性が格段に向上する傾向があり好ましい。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物のうち、好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられ、特に好ましい化合物は、下記式で表される化合物のうち、最初の2種の化合物である。
Figure 2016069427
Figure 2016069427
Figure 2016069427
Figure 2016069427
[一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物の製造方法]
(製造方法1)
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、特開2008−266169号公報に記載の製造方法に従い、遷移元素化合物触媒及び無機塩基の存在下、下記一般式(5)で表されるビニルエステル化合物と、下記一般式(6)で表される水酸基含有化合物とを反応させることにより、合成することが可能である。上記無機塩基は、粒子径150μm未満の粒子を10重量%以上含有する固体の無機塩基であることが好ましい。
−CO−O−CH=CH (5)
(式中、Rは、水素原子又は有機基を示す。)
Figure 2016069427
(式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
なお、上記一般式(6)で表される化合物の製造方法は、以下の通りである。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X及びXが単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−1)で表される化合物と、下記一般式(8−1)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、Xが単結合であり、Xが−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−1)で表される化合物と、下記一般式(8−2)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、Xが−S−で示される基であり、Xが単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−2)で表される化合物と、下記一般式(8−1)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(6)で表される化合物のうち、X及びXが−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(7−2)で表される化合物と、下記一般式(8−2)で表される化合物と、下記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とする水酸基含有化合物を分離してもよい。
Figure 2016069427
(上記一般式(7−1)、(7−2)、(8−1)、(8−2)、及び(9)中、環Z、環Z、環Y、環Y、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
上記一般式(6)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、特許文献1又は特開2002−255929号公報において、特許請求の範囲に記載されたフルオレン系化合物の製造方法に用いることができると記載されているものが挙げられる。
(製造方法2)
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物は、例えば、上記一般式(6)で表される水酸基含有化合物から、下記一般式(11)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
Figure 2016069427
(式中、Eは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、又はベンゼンスルホニルオキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキルオキシ基を示し、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物は、例えば、上記一般式(6)で表される水酸基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物としては、例えば、塩化チオニル、下記式で表される化合物等が挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜140℃、より好ましくは30〜130℃が挙げられる。
Figure 2016069427
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、好ましくはジアザビシクロウンデセン、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、より好ましくはカリウム−t−ブトキシドが挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜60℃が挙げられる。
(製造方法3)
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、下記一般式(12)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物から、上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
Figure 2016069427
(式中、l1及びl2は独立に1〜4の整数を示し、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りである。)
上記一般式(12)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物の製造方法は、以下の通りである。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X及びXが単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−1)で表される化合物と、下記一般式(14−1)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、Xが単結合であり、Xが−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−1)で表される化合物と、下記一般式(14−2)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、Xが−S−で示される基であり、Xが単結合であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−2)で表される化合物と、下記一般式(14−1)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
上記一般式(12)で表される化合物のうち、X及びXが−S−で示される基であるものは、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(13−2)で表される化合物と、下記一般式(14−2)で表される化合物と、上記一般式(9)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。
反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とするヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を分離してもよい。上記一般式(12)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、上記一般式(6)で表される化合物の合成方法の説明中で例示したものが挙げられる。
Figure 2016069427
(上記一般式(13−1)、(13−2)、(14−1)、及び(14−2)中、環Z、環Z、R1a、R1b、R2a、R2b、l1、l2、m1、及びm2は上記の通りである。)
上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物は、例えば、上記一般式(12)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物は、例えば、上記一般式(11)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
<一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物との反応>
上記の調製方法により得られた精製物に含まれる、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が得られる。ビニロキシ基と反応する基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、ビニロキシ基等が挙げられる。ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物としては、例えば、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、ビニロキシ基含有化合物等が挙げられる。
[一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物との反応]
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることにより、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を得ることができる。上記ビニルエーテル化合物、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、及びカルボキシル基含有化合物の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記反応は溶液の状態で実施することが好ましい。上記反応に使用される溶剤としては、公知の溶剤が挙げられる。上記ビニルエーテル化合物等の反応物や後述する触媒等との副反応を抑制するという観点からは、これらの物質に対して反応性を有しない溶剤を用いることが好ましい。具体的には、テトラヒドロフラン、シクロシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭化水素系溶剤(例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤)等が挙げられる。溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記反応において、反応速度を速くするために触媒を用いることが好ましい。触媒としては、通常、酸触媒が使用される。酸触媒としては、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジウム、三フッ化ホウ素等を挙げることができる。これらの中でも、特に、塩酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジウム等が好ましく用いられる。触媒の使用量は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物に対して、好ましくは0.01〜10モル%であり、より好ましくは0.05〜5モル%である。前処理工程で酸触媒を使用し、前処理後の液をそのまま上記反応に付する場合等には、改めて酸触媒を添加する必要はない。
上記反応の具体的な操作は、例えば、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物を含む溶液に、所定の反応温度において、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物及び必要に応じて触媒を添加することにより行うことができる。添加方法は、一括添加でもよいし、分割添加、更には連続滴下による添加でもよい。反応温度は、例えば、0〜150℃、好ましくは10〜100℃である。反応時間は、例えば、20分〜10時間、好ましくは30分〜4時間である。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物の使用量は、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物に対して、好ましくは0.01〜1000質量%であり、より好ましくは200〜800質量%である。上記使用量が0.01質量%以上であると、上記反応が進行しやすく、反応生成物が重合体である場合には、高分子膜が得られやすい。また、上記使用量が200質量%以上であると、水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、及びカルボキシル基含有化合物の種類によらず、得られる化合物から高屈折率の硬化膜が得られやすい。一方、上記使用量が1000質量%以下であると、分子量分散度が狭く面内均一な高屈折率硬化膜が得られやすいという点で好ましい。
[一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物とビニロキシ基含有化合物との反応]
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物とビニロキシ基含有化合物とを反応させることにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物を得ることができる。特に、上記ビニロキシ基含有化合物が上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物である場合には、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物同士を反応させることとなり、これにより、上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体を得ることができる。上記ビニルエーテル化合物及びビニロキシ基含有化合物の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記反応は、公知のカチオン重合により行われる。カチオン重合に用いられるカチオン重合開始剤としては、一般的に使用されるものでよく、例えば、四臭化スズ(SnBr)、三フッ化ホウ素(BF)等のルイス酸、硫酸等のプロトン酸が挙げられる。カチオン重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。カチオン重合開始剤の使用量は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物に対して、好ましくは0.01〜10モル%、より好ましくは0.05〜5モル%である。
上記反応は、通常、溶剤中で行われる。溶剤としては、例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、塩化メチレン等が用いられるが、特に限定されるものではない。溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
反応温度は、例えば、−100〜30℃、好ましくは−30〜10℃である。反応時間は、例えば、20分〜10時間、好ましくは30分〜6時間である。
[水酸基含有化合物]
水酸基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体を製造する場合、水酸基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
HO−R−OH
(式中、Rは有機基を示す。)
としては、例えば、Rとして例示したもののうち、2価炭化水素基、2価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物を製造する場合、水酸基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
−OH
(式中、Rは有機基を示す。)
としては、例えば、R6a又はR6bとして例示したもののうち、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
水酸基含有化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016069427
[エポキシ基含有化合物]
エポキシ基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、上記ビニルエーテル化合物との反応に関与するオキシラン環以外に環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体を製造する場合、エポキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2016069427
(式中、R10は有機基を示し、R11a及びR11bは独立に水素原子又は有機基を示す。)
10としては、例えば、Rとして例示したもののうち、2価炭化水素基、2価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。また、有機基を示すR11a及びR11bとしては、例えば、R6a又はR6bとして例示したもののうち、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。ただし、R10、R11a、及びR11bの少なくとも2個が互いに結合して環が形成されていてもよい。このようにして形成される環としては、脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環、複素環、並びにこれらが2個以上結合及び/又は縮合して形成される環が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物を製造する場合、エポキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2016069427
(式中、R12は有機基を示し、R13は水素原子又は有機基を示す。)
12及び有機基を示すR13としては、例えば、R6a又はR6bとして例示したもののうち、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。ただし、R12とR13とが互いに結合して環が形成されていてもよい。このようにして形成される環としては、脂環式炭化水素環、芳香族炭化水素環、複素環、並びにこれらが2個以上結合及び/又は縮合して形成される環が挙げられる。
エポキシ基含有化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016069427
[カルボキシル基含有化合物]
カルボキシル基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応して、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体又は上記一般式(3)で表される化合物を形成することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。
上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体を製造する場合、カルボキシル基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
HO−CO−R14−CO−OH
(式中、R14は有機基を示す。)
14としては、例えば、Rとして例示したもののうち、2価炭化水素基、2価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
上記一般式(3)で表される化合物を製造する場合、カルボキシル基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
15−CO−OH
(式中、R15は有機基を示す。)
15としては、例えば、R6a又はR6bとして例示したもののうち、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
カルボキシル基含有化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016069427
[ビニロキシ基含有化合物]
ビニロキシ基含有化合物は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と反応することができるものである限り、特に限定されないが、環状構造を有する有機基を含有するものであることが好ましい。ビニロキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 2016069427
(式中、R16は有機基を示す。)
16としては、例えば、Rとして例示したもののうち、2価炭化水素基、2価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物が上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物である場合、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物との反応は、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物同士の反応に該当し、この反応により、上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体を得ることができる。
一方、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物が上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物以外のビニロキシ基含有化合物である場合(即ち、上記一般式において、R16が後述のR17である場合)、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物との反応により、下記一般式で表される構造単位を含む重合体を得ることができる。
Figure 2016069427
(式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、n2、及び*は上記の通りであり、R17は有機基(但し、上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物から2個のビニロキシ基を除いた残りの2価の有機基を除く。)を示す。)
また、ビニロキシ基含有化合物としては、例えば、下記一般式で表されるものも挙げられる。
Figure 2016069427
(式中、R18は有機基を示す。)
18としては、例えば、R6a又はR6bとして例示したもののうち、1価炭化水素基、1価複素環式基、及びこれらが互いに結合して形成される基が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物と、上記一般式で表されるビニロキシ基含有化合物との反応により、下記一般式で表される化合物を得ることができる。
Figure 2016069427
(式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は上記の通りであり、R18a及びR18bは独立に有機基を示す。R18a及びR18bとしては、例えば、R18として例示したものが挙げられる。)
ビニロキシ基含有化合物の具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2016069427
≪組成物≫
上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、組成物中の基材成分として有用である。このような組成物としては、上記化合物と、溶剤とを少なくとも含有するものが例示される。
<一般式(1)で表される構造単位を含む化合物>
上記組成物において、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。上記化合物の含有量は、上記組成物の固形分に対して、1〜100質量%が好ましく、10〜100質量%がより好ましい。
<溶剤>
溶剤としては、例えば、上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物を製造するのに用いられる溶剤が挙げられ、具体例としては、炭化水素系溶剤(例えば、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤)、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、シクロシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。溶剤の含有量は、上記組成物の固形分濃度が1〜100質量%となる量が好ましく、5〜50質量%となる量がより好ましい。
<光酸発生剤又は光塩基発生剤>
上記組成物は、光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有していてもよい。上記組成物が光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有すると、上記組成物から得られる硬化膜は、屈折率がより高くなりやすい。光酸発生剤及び光塩基発生剤の各々は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
光酸発生剤は、光の作用により酸を発生する化合物であれば特に限定されず、従来から種々の用途で使用されている光酸発生剤から適宜選択し得る。光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、ビススルホン誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体等の、公知の酸発生剤が挙げられる。光酸発生剤の市販品としては、例えば、CPI−100P、CPI−110P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−210S(以上、商品名、サンアプロ(株)製)等が挙げられる。
光塩基発生剤は、光の作用により塩基を発生する化合物であれば特に限定されず、従来から種々の用途で使用されている光塩基発生剤から適宜選択し得る。光塩基発生剤としては、例えば、トリフェニルメタノール、ベンジルカルバメート、ベンゾインカルバメート等の光活性なカルバメート;O−カルバモイルヒドロキシルアミド、O−カルバモイルオキシム、アロマティックスルホンアミド、アルファーラクタム、N−(2−アリルエチニル)アミド等のアミド及びその他のアミド;オキシムエステル;α−アミノアセトフェノン;コバルト錯体;1−(アントラキノン−2−イル)エチルイミダゾールカルボキシレートが挙げられる。光塩基発生剤の市販品としては、例えば、WPBG−018、WPBG−027、WPBG−082、WPBG−140、WPBG−165、WPBG−166、WPBG−167、WPBG−168、WPBG−172(以上、商品名、和光純薬社製)等が挙げられる。
光酸発生剤及び光塩基発生剤の使用量は、所望の屈折率向上効果が得られる量であることが好ましく、得られる硬化膜の屈折率等に応じて適宜調整される。
<その他の成分>
上記組成物は、所望により、光重合開始剤、光重合性モノマー、酸架橋性物質、着色剤、分散剤、増感剤、その他の各種の添加剤等を含有していてもよい。
≪光学素子封止剤及び光学素子≫
上記組成物は、光学素子封止剤として有用である。この光学素子封止剤によって封止される光学素子としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学素子は、上記光学素子封止剤を上記光学素子に塗布し、例えば、120〜300℃、好ましくは150〜250℃で加熱して成膜することにより、封止することができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止等において精度が要求される場合には、加熱時間を長めにすることが好ましい。上記の通りに成膜されることにより、上記組成物は、通常、無色透明かつ高屈折率(屈折率1.54以上、特に1.60〜1.80)の膜を与える。
≪成形体≫
上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体からは、この重合体を成形してなる成形体が得られる。上記重合体としては、例えば、上記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体が挙げられる。これらの重合体は、熱可塑性であり、加熱することで容易に溶融する。よって、上記成形体の成形方法としては、例えば、射出成形等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
[合成例1]
25mL反応器にエチレングリコール(1.00g、0.0161mol)、トリエチルアミン(3.42g0.0338mol)、テトラヒドロフラン(3.38mL)を加え、窒素置換した後に、0℃まで冷却した。メタンスルホニルクロライド(3.88g,0.0338mol)を2時間かけて滴下し、1時間熟成後、水を加えて反応を停止した。ここに酢酸エチルを添加し、有機層を分離し、エバポレーターで溶媒を留去することによって、収率80%で、エチレングリコールにメタンスルホニル基が付加した化合物(下記式で表される化合物。以下、「EG−DMs」ともいう。)を得た。
(EG−DMs)H−NMR(CDCl):3.10(s、6H)、4.47(s、4H)
Figure 2016069427
[合成例2]
25mL反応器に6,6−(9−フルオレニリデン)−2,2−ジナフトール(下記左側の式で表される化合物。1.00g、0.0022mol。以下、化合物2ともいう。)、炭酸カリウム(0.64g,0.0047mol)、テトラヒドロフラン(3.38mL)を加え、窒素置換した。ここに、合成例1で合成したEG−DMs(1.02g,0.0047mol)のテトラヒドロフラン(1.12mL)溶液を室温で添加後、60℃まで昇温し、15時間熟成した。反応液をHPLCで分析した結果、化合物2の転化率99%、選択率65%で化合物3(下記右側の式で表される化合物)が合成されたことを確認した。
(化合物3)H−NMR(CDCl):3.08(s、6H)、4.32(t、4H、J=4.4Hz)、4.60(t、4H、J=4.4Hz)、7.05−7.83(m、20H)
Figure 2016069427
[合成例3]
化合物3(2.00g、0.00288mol),ジプロピレングリコールジメチルエーテル(2.25mL)を仕込んだ25mL反応器に、カリウム−t−ブトキシド(1.45g,0.0130mol)のテトラヒドロフラン(2.25mL)溶液を20℃〜40℃の範囲で滴下し、100℃で2時間熟成した。反応液をHPLCで分析した結果、化合物3の転化率99%にて、選択率58%で9,9’−ビス(6−ビニルオキシ−2−ナフチル)フルオレン(下記左側の式で表される化合物。以下、化合物1ともいう。)が合成され、選択率32%でモノビニルモノメシル体(下記右側の式で表される化合物。以下、化合物4ともいう。)が合成されたことを確認した。
(化合物1)H−NMR(CDCl):4.48(dd、2H、J=1.5Hz、6.5Hz)、4.81(dd、2H、J=1.5Hz、13.5Hz)、6.73(dd、2H、J=6.5Hz、13.5Hz)、7.13−7.83(m、20H)
(化合物4)H−NMR(CDCl):3.10(s、3H)、4.34(t、2H、J=3.6Hz)、4.49(dd、1H、J=1.2Hz、5.2Hz)、4.62(t、2H、J=3.6Hz)、4.81(dd、1H、J=1.2Hz、11.2Hz)、6.73(dd、1H、J=5.2Hz、11.2Hz)、7.06−7.83(m、20H)
Figure 2016069427
[合成例4]
合成例3で得られた反応液を、水で洗浄した後に、加熱減圧下で乾燥し、残留物をトルエンに溶解し、メタノールへ滴下して再沈殿を行い、化合物1の粗生成物を得た。HPLCによる分析の結果、この粗生成物において、化合物1の含有量が90.9質量%、下記の不純物1の含有量が3.52質量%、下記の不純物2の含有量が2.47質量%、下記の不純物3の含有量が0.73質量%、その他の不純物の含有量が2.38質量%であることを確認した。
Figure 2016069427
[合成例5]
合成例4で得た粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して分離精製を実施し、化合物1の精製物を得た。HPLCによる分析の結果、この精製物において、化合物1の含有量が98.7質量%、不純物1の含有量が0.09質量%、不純物2の含有量が0.54質量%、不純物3の含有量が0質量%、その他の不純物の含有量が0.67質量%であることを確認した。
≪ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物の調製≫
<ビニルエーテル化合物同士の反応>
[実施例1]
窒素置換後、十分に水分を除去したガラス製フラスコ内で、合成例5で得た化合物1の精製物30mmolをトルエンに溶解した。ついで、イソブチルビニルエーテルの酢酸付加物(IBEA)のトルエン溶液と2,4−ジ−tert−ブチルピリジンのトルエン溶液を加え、0℃まで冷却し、四臭化すず(SnBr)のトルエン溶液を加えて重合を開始した。なお、化合物1、IBEA、2,4−ジ−tert−ブチルピリジン、及びSnBrの最終濃度は、それぞれ0.3M、5mM、0.2mM、及び0.5mMであった。5時間後、反応溶液を水洗し、トルエンを濃縮した後、メタノールで重合体を析出させた。得られた重合体は、化合物1同士が反応してビニロキシ基のα位の炭素原子間で新たに結合を生成することにより得られた直鎖状の重合体(p1)と、化合物1同士が反応してビニロキシ基のα位とβ位との間で新たに結合を生成することにより得られた櫛状の重合体(p2)との混合物であった。得られた重合体について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により標準ポリスチレン換算の質量平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2016069427
(上記式(p1)及び(p2)中、*は結合手を示し、i1及びj1は、実施例1において混合物として得られた重合体の質量平均分子量が20,000となる数である。)
(評価)
得られた重合体をトルエンに溶解して固形分濃度20質量%の溶液を調製した。
・屈折率
上記溶液をコーターにて、Siウエハー上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で230℃にて20分間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚0.25μm)を形成した。屈折率計を用いて、この硬化膜の波長248及び193nmでの屈折率(n値)と光学吸光係数(k値)を測定した。このうち、波長633nmでの屈折率の測定結果を表1に示す。
・光透過率(初期)
上記溶液をコーターにて、ガラス基板上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で180℃にて20分間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚2.0μm)を形成した。透過率計を用いて、この硬化膜の波長450nmでの光透過率を測定した。結果を表1に示す。
・光透過率(高温放置後)
硬化膜の耐熱性を評価するため、以下の測定を行った。上記溶液をコーターにて、ガラス基板上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて120秒間加熱(プリベーク)を行った。その後、オーブン中で180℃にて100時間加熱(ポストベーク)を行い、硬化膜(膜厚2.0μm)を形成した。透過率計を用いて、この硬化膜の波長450nmでの光透過率を測定した。結果を表1に示す。
・Td5%
硬化膜の耐熱性を更に評価するため、以下の測定を行った。「光透過率(初期)」と同様にして硬化膜を形成した。この硬化膜を室温(約20℃)から1分間に10℃ずつの割合で昇温加熱して大気中で熱重量分析を行い、分析開始時の質量を基準として、質量が5%減少する温度Td5%を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
合成例5で得た化合物1の精製物の代わりに、合成例4で得た化合物1の粗生成物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合体を得、各種評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2016069427
[反応性評価]
合成例4で得た化合物1の粗生成物及び合成例5で得た化合物1の精製物の各々をテトラヒドロフランに溶解して10質量%溶液を調製し、−30℃に冷却した後、この溶液に触媒量の三フッ化ホウ素を添加して反応液を調製した。−30℃から2℃/分の割合で、この反応液を昇温し、赤外分光法によりビニル基の減少開始温度をモニタリングすることで、化合物1同士の反応開始温度を測定し、下記の基準で評価した。また、目視にて反応系の着色の有無を確認した。結果を表2に示す。
反応開始温度の評価基準
S:反応開始温度が0℃以下であった。
A:0℃超20℃以下であった。
B:20℃超であった。
Figure 2016069427

Claims (6)

  1. 下記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から下記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と、ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物とを反応させることを含む、下記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物の製造方法。
    Figure 2016069427
    (式中、環Z及び環Zは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、X及びXは独立に単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R1a及びR1bは独立に単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R2a及びR2bは独立に1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、m1及びm2は独立に0以上の整数を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示し、*は結合手を示す。)
    Figure 2016069427
    (式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は前記の通りである。)
    Figure 2016069427
    (式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は前記の通りである。)
  2. 前記ビニロキシ基と反応する基を含有する化合物が水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、又はビニロキシ基含有化合物である請求項1記載の製造方法。
  3. 上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が上記一般式(1)で表される構造単位を含む重合体である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることを含み、
    上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が下記一般式(2)で表される構造単位を含む重合体である請求項1から3のいずれか1項記載の製造方法。
    Figure 2016069427
    (式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、n2、及び*は前記の通りであり、Rは有機基を示す。)
  5. 上記一般式(4)で表されるビニルエーテル化合物を含む粗生成物から上記一般式(10)で表されるヒドロキシエチルオキシ基含有化合物を除去することにより、前記ビニルエーテル化合物を含む精製物を得、前記精製物に含まれる前記ビニルエーテル化合物と水酸基含有化合物、エポキシ基含有化合物、又はカルボキシル基含有化合物とを反応させることを含み、
    上記一般式(1)で表される構造単位を含む化合物が下記一般式(3)で表される化合物である請求項1又は2記載の製造方法。
    Figure 2016069427
    (式中、環Z、環Z、環Y、環Y、X、X、R、R1a、R1b、R2a、R2b、R3a、R3b、m1、m2、n1、及びn2は前記の通りであり、R6a及びR6bは独立に有機基を示す。)
  6. 前記R6a及びR6bが環状構造を有する請求項5記載の製造方法。
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