JP2016069287A - リバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】
リバスチグミン由来の分解生成物の生成を抑制し、経時的な品質の低下を抑制して、薬物の薬理効果を有効にかつ持続的に利用できるリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤を提供すること。
【解決手段】
支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなり、該薬物含有層中にリバスチグミン、特定のアクリル系粘着剤及び有機酸を含有する経皮吸収型貼付製剤。また、前記経皮吸収型貼付製剤を、包装材料中に低酸素状態で封入させた経皮吸収型貼付製剤の包装体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤であり、該薬物含有層中に有効成分としてリバスチグミンを含有する経皮吸収型貼付製剤に関する。
リバスチグミン(Rivastigmine)は、可逆的かつ強力なアセチルコリンエステラーゼ阻害薬であり、アルツハイマー型認知症などに対して優れた治療効果(症状の進行抑制や軽減等を含む)を有する薬物である。これまでに、リバスチグミンを有効成分として含有する製剤が開発されてきており、例えば、日本ではリバスチグミンを含有する経皮吸収型貼付製剤である「イクセロン(登録商標)パッチ」や「リバスタッチ(登録商標)パッチ」の商品名で製造販売されている。
従来のリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤において、粘着基剤としてカルボキシル基を含有するアクリル系粘着剤が使用されている(特許文献1及び2)。しかし、この製剤では保存中のリバスチグミンの分解を防止するために抗酸化剤の添加が必要となり、それに起因して薬物の結晶析出や皮膚刺激等の問題が生じるおそれがあることが指摘されている(特許文献3)。これに対し、カルボキシル基含有モノマーを含まないアクリル系粘着剤を使用することによって、抗酸化剤を配合することなく、リバスチグミンの安定性の向上を図った貼付製剤も開示されている(特許文献4)。しかし、この貼付製剤においても、なお保存中のリバスチグミン含量低下を十分に抑制することができず、さらなる薬物安定性の向上が望まれていた。
特表2002−500178号 国際公開第2013/031992号 特許第5093545号公報 特表2002−542277号
本発明は、皮膚刺激等の問題がなく、保存安定性に優れたリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、リバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤では、多くの場合、空気中の酸素の影響でリバスチグミンが酸化分解して分解生成物が生じ、経時的に増加することを確認した。これに対し、粘着基剤として特定のアクリル系粘着剤を使用するとともに、有機酸を薬物含有層に配合することによって、抗酸化剤を使用しなくても、リバスチグミンの酸化分解が抑制され、長期間にわたってその含量が安定的に維持されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤において、該薬物含有層中に有効成分としてリバスチグミンと、基剤成分としてアクリル系粘着剤及び有機酸を含有する経皮吸収型貼付製剤である。
また本発明は、上記経皮吸収型貼付製剤を、包装材料中に低酸素状態で封入させた経皮吸収型貼付製剤の包装体である。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、抗酸化剤を添加しなくても、保存中のリバスチグミンの酸化分解を抑制し、その含量を安定的に維持することができる。このため、長期間にわたって製剤の保存が可能となり、リバスチグミンの薬理効果を有効に、しかも持続的に利用可能なものである。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、支持体上に薬物含有層を設けてなる製剤である。そして、使用時まで薬物含有層を保護する目的で、該薬物含有層上に剥離ライナーを設けている。本発明において、経皮吸収型貼付製剤とは医療用粘着貼付製剤であり、皮膚上に貼付され、有効成分の治療有効量が皮膚を通して血流に到達されるものを意味する。
本発明の経皮吸収型貼付製剤の薬物含有層には、有効成分としてリバスチグミン(3−[(1S)−1−(ジメチルアミノ)エチル]フェニル N−エチル−N−メチルカルバメート)を含有する。なお、本発明におけるリバスチグミンとしては、リバスチグミン及びその製薬上許容できる塩(酸付加塩形)から選ばれた1種又は2種以上を使用することができ、中でもリバスチグミンのフリー体(遊離塩基形)を用いるのが好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、アルツハイマー型認知症などの治療に有効な量の有効成分を患者へ長時間持続的に経皮投与させるため、薬物含有層にある一定量の有効成分を含有させることが好ましい。リバスチグミンの含有量は、薬物含有層に対して0.8〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0.8〜40質量%、更に好ましくは1〜40質量%、特に1.7〜32質量%が好ましい。さらに5〜30質量%が好ましく、より好ましくは12〜30質量%、特に好ましくは12〜24質量%である。0.8質量%より少ないと十分に治療効果が発揮できない場合があり、また50質量%より多いと、薬物含有層を構成する粘着成分の含有量が相対的に少なくなり、十分な皮膚粘着性が得られず、さらに経済的にも不利となる場合がある。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、薬物含有層中に、基剤成分として粘着成分であるアクリル系粘着剤を含有する。ここで、アクリル系粘着剤とは、(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも一種含有する重合体又は共重合体であって、例えば、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体等が挙げられ、具体的にはアクリル酸・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、アクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチル共重合体、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体;アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸グリシジル・酢酸ビニル共重合体;アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸・酢酸ビニル共重合体;アクリル酸−2−エチルへキシル・メタクリル酸−2−エチルへキシル・メタクリル酸ドデシル共重合体;メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体等が挙げられる。具体例としては、市販のDURO−TAK(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(ヘンケルジャパン製)、GELVA(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(モンサント社製)、SKダインマトリダーム(綜研化学社製)、オイドラギット(登録商標)シリーズ(樋口商会)等が挙げられる。
上記のアクリル系粘着剤の中でもリバスチグミンの保存安定性に優れることから、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤が好適に用いられる。このカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤は、モノマー構成単位中の側鎖に遊離カルボキシル基及び/又は遊離ヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル系モノマーの少なくとも一種を構成モノマーとする重合体又は共重合体である。カルボキシル基を含有するアクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体等が例示され、具体的にはアクリル酸・アクリル酸−2−エチルヘキシル共重合体、アクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸オクチル共重合体、アクリル酸・アクリル酸−2−エチルヘキシル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸メチル・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチル共重合体、メタクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体等が例示される。これらの市販品として、DURO−TAK(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(ヘンケルジャパン製)のカルボキシル基含有タイプ(DURO−TAK(登録商標)87−2194、87−2052、87−2051、87−2054、87−2677、87−2196、87−2825、87−235A、87−2353、87−207A、87−2100、87−210A、87−2852)等があげられる。
ヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを含む共重合体等が例示される。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル及びメタクリル酸4−ヒドロキシブチルなどを挙げることができる。具体的にはアクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸グリシジル・酢酸ビニル共重合体等が例示される。これらの市販品として、DURO−TAK(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(ヘンケルジャパン製)のヒドロキシル基含有タイプ(DURO−TAK(登録商標)87−2516、87−2525、87−2979、87−4287、87−2510、87−202A、87−502A、87−503A)等が挙げられる。
またカルボキシル基及びヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤としては、例えば、アクリル酸−2−エチルヘキシル・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリドン・アクリル酸ヒドロキシルエチル・アクリル酸・酢酸ビニル共重合体等が例示され、その市販品としては、例えば、DURO−TAK(登録商標)アクリル粘着剤シリーズ(ヘンケルジャパン製)のカルボキシル基/ヒドロキシル基含有タイプ(87−2979、87−2074)等が挙げられる。
その他カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤の市販品として、コスメディ製薬製のHiPAS10、HiPAS−MS10、HiPAS−HGA及びMASCOS10等が挙げられる。
上記カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤の中でも、リバスチグミンの保存安定性に優れることから、ヒドロキシル基を含有するもの、カルボキシル基及びヒドロキシル基を含有するものが好ましく、ヒドロキシル基を含有するものがより好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、アクリル系粘着剤として、上記カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤とともに、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体を用いることが、貼付製剤の物性を向上できる点で好ましい。この市販品として、例えば、オイドラギット(登録商標)シリーズ(樋口商会)が挙げられ、具体的には、オイドラギットEPO、オイドラギットE100、オイドラギットL100、オイドラギットL30D−55、オイドラギットS100、オイドラギットRL100、オイドラギットRLPO、オイドラギットRL30D、オイドラギットRS100、オイドラギットRSPO、オイドラギットRS30D、オイドラギットNE30D、オイドラギットFS30D等が挙げられ、その中でも、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤との混和が容易であるため、オイドラギットEPO、オイドラギットE100、オイドラギットRLPO、オイドラギットRS100、オイドラギットRSPOが好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤におけるアクリル系粘着剤の含有量は、リバスチグミンの保存安定性及び粘着物性の観点から、薬物含有層に対して59〜98.2質量%であることが好ましく、64〜86質量%であることがより好ましい。アクリル系粘着剤全体に対して、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤を59〜98.2質量%配合することが好ましく、64〜86質量%配合することがより好ましい。また、メタアクリル酸メチル・メタアクリル酸ブチル・メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体を使用する場合は、アクリル系粘着剤全体に対して、5〜40質量%配合することが好ましく、8〜25質量%配合することがより好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、薬物含有層中に基剤成分としてさらに有機酸を含有する。有機酸の中でも、炭素数2〜20のカルボン酸が好ましく、例えば、酪酸、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、レブリン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも酢酸、レブリン酸、カプリン酸、イソステアリン酸等が好適に用いられる。特に比較的少量の配合でリバスチグミンの保存安定性を向上することができ、粘着物性へ影響を与えないことから、炭素数2〜10のカルボン酸が好適である。具体的には、酢酸、レブリン酸が好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤における有機酸の含有量は、薬物含有層に対して1〜10質量%が好ましく、より好ましくは2〜8質量%、さらに好ましくは2〜6質量%の範囲である。1質量%未満では、リバスチグミンに由来する分解生成物の抑制効果が認められない場合があり、一方、10質量%を超える量では、有機酸による貼付製剤の物性の悪化等が問題となる場合がある。
また本発明の経皮吸収型貼付製剤における有機酸の含有量は、リバスチグミンの配合量に対する有機酸の配合量のモル比として0.3以上であることが好ましく、より好ましくは0.4〜1.2である。0.3未満では、リバスチグミンに由来する分解生成物の抑制効果が認められない場合がある。
本発明者らの研究において、薬物含有層の粘着成分の種類や抗酸化剤、有機酸の有無及び含有量等によって、経皮吸収型貼付製剤の製造後に薬物含有層中にリバスチグミンの分解生成物が生成し得ること、また、製造直後には存在しなくても、経時的に該分解生成物が増加することが確認された。ここで、本発明でいうリバスチグミンの分解生成物とは、リバスチグミン由来の物質(リバスチグミンを含有しない粘着剤層では認められない物質)のことである。リバスチグミンの分解生成物の具体例としては、後述の実施例記載の分析条件にて本発明の貼付製剤を分析した場合に、リテンションタイム約3分に検出される物質(以下、「分解生成物A」という)、リテンションタイム約14分に検出される物質(以下、「分解生成物B」という)及びリテンションタイム約19分に検出される物質(以下、「分解生成物C」という)が挙げられる。本発明では、薬物含有層中に基剤成分としてアクリル系粘着剤と有機酸を配合することにより、分解生成物の生成を抑制することができ、さらにリバスチグミンと有機酸のモル比を一定の範囲とすることによって、その効果がより向上することを初めて確認した。
本発明の経皮吸収型貼付製剤の薬物含有層には、基剤成分として、上記アクリル系粘着剤及び有機酸の他に、必要に応じて、可塑剤、架橋剤、抗酸化剤、吸収促進剤などの追加の成分を配合してもよい。
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族プロセスオイルなどの石油系オイル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、リノール酸イソプロピルなどの液状脂肪酸エステル類、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油などの植物系オイル、液状ポリイソブチレン、液状ポリブテン、液状ポリイソプレンなどの液状ゴム、グリセリン、クロロブタノール、酢酸ビニル樹脂、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、D−ソルビトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トリアセチン、ピロリドン類、フィトステロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリソルベート80(登録商標)、モノステアリン酸グリセリン等が挙げられる。
架橋剤としては、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステルなどの熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属又は金属化合物などの無機系架橋剤等が挙げられる。
抗酸化剤としては、トコフェロール、トコフェロールのエステル、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピル、α−トコフェロール、パルミチン酸アスコルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤の含有量としては、リバスチグミンの保存安定性向上の観点から、薬物含有層に対して0.05〜2.0質量%が好ましく、0.25〜1.5質量%がより好ましい。一方、皮膚刺激性等の観点からは、抗酸化剤の含有量は薬物含有層に対して1.0質量%以下が好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。
吸収促進剤としては、従来経皮投与での吸収促進作用が認められている化合物のいずれでも良いが、例えばジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアンカノールアミン、ラウリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、グリセリンオレイン酸モノエステル、イソステアリン酸ヘキシルデシルなどの脂肪酸及びそのエステル類、オレイルアルコール、プロピレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのアルコール及びそのエステル類もしくはエーテル類、セスキオレイン酸ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタンなどのソルビタンエステル類又はエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのフェノールエーテル類、ヒマシ油又は硬化ヒマシ油、オレオイルサルコシン、ラウリンジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ジメチルラウリルアミンオキサイドなどの非イオン性界面活性剤、ジメチルスルホキサイド、デシルメチルスルホキサイドなどのアルキルメチルスルホキサイド、2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、1−ゲラニルアザシクロヘプタン−2−オンなどのアザシクロアルカン類、メントール、カンフル、リモネンなどのテルペン類、クロタミトン等が挙げられる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤に経皮吸収促進剤を配合する場合の配合量は、薬物含有層に対して0.1〜45質量%、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは1〜15質量%の範囲である。0.1質量%未満では、皮膚透過促進効果が認められない場合がある。45質量%を超える量では、経皮吸収促進剤に由来する皮膚刺激が発症し易くなると共に、製剤の物性が低下し、べたつき感が発生する場合がある。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなるマトリックス型の貼付製剤である。該マトリックスタイプの貼付製剤は、製剤設計が容易であり、また薬物含有層以外の感圧接着剤層等を有するリザーバー型の貼付製剤のような複雑な構成ではないため、貼付製剤製造時のコストを低減することができる。なお、必要に応じ、有効成分の経皮吸収をコントロールするために、薬物含有層の皮膚貼付側に放出制御膜等を追加することもできる。
上記支持体には、薬物不透過性で伸縮性又は非伸縮性の支持体を使用することができる。支持体の素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ナイロン、ポリウレタンなどの合成樹脂フィルム又はシートあるいはこれらの積層体、多孔質体、発泡体、紙、織布及び不織布等が挙げられる。
上記剥離ライナーには、薬物不透過性の剥離ライナーを使用することができる。剥離ライナーの素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の高分子材料で作られたフィルムや、フィルムにアルミニウムを蒸着させたもの、紙の上にシリコーンオイル等を塗布したものなどが挙げられる。なかでも、有効成分の透過がなく、加工性や低コストなどの点でポリエステルフィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが特に好ましい。さらに、該剥離ライナーは、複数の材料を貼り合せたラミネートフィルム等を使用しても良い。
本発明の経皮吸収型貼付製剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法に従って製造することができる。好ましい公知の製造方法としては、例えば、有効成分、アクリル系粘着剤、有機酸、さらに必要に応じて抗酸化剤、経皮吸収促進剤等をトルエン、メタノール、ヘキサン、酢酸エチル又はその混合溶媒の有機溶媒に溶解させ、この溶解物を剥離ライナー又は支持体上に展延し、該溶解物中の溶媒を蒸発させ薬物含有層を形成した後、支持体又は剥離ライナーを貼り合わせることによって経皮吸収型貼付製剤を得る方法や、有効成分、アクリル系粘着剤、有機酸、さらに必要に応じて抗酸化剤、経皮吸収促進剤等を加熱溶解させ、この溶融物を剥離ライナー又は支持体上に展延し、薬物含有層を形成した後、支持体又は剥離ライナーを貼り合わせることによって経皮吸収型貼付製剤を得る方法などが挙げられる。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、使用するまで包装材料中に保存される包装体の形態とすることが好ましい。該包装材料は、リバスチグミン由来の分解生成物の生成を抑制することを考慮して、水蒸気や酸素、紫外線などの侵入を遮断できるものが好ましい。このような材料としては、アルミニウム箔等の金属箔;エチレンビニルアルコール共重合体フィルム、金属(アルミニウム等)積層プラスチックフィルム、金属蒸着プラスチックフィルム、セラミックス(酸化ケイ素等)蒸着プラスチックフィルム等の酸素透過性の低いフィルム;ステンレス等の金属;ガラスが挙げられる。中でも、酸素等の透過度が低いことや製造コスト等を考慮して、金属箔、金属積層プラスチックフィルム、金属蒸着プラスチックフィルム等を使用することが好ましい。
本発明の経皮吸収型貼付製剤は、包装材料中に密封状態で保存されることが好ましい。該密封状態では、リバスチグミン由来の分解生成物の生成を抑制することを考慮して、低酸素状態とすることが好ましい。具体的には、包装材料内の空気を除去して密封する方法(真空パックのような状態)、包装材料内の空気を不活性ガス、例えば窒素ガスやアルゴンガス等に置換して密封する方法が挙げられる。
さらに、上記低酸素状態とする方法として、酸素吸着能力を有する物質を本発明の経皮吸収型貼付製剤と同封する方法又は酸素吸着能力を有する物質を含む包装材料を使用する方法等が挙げられ、該方法を単独で、又は上記方法と組み合わせて使用しても良い。このような酸素吸着能力を有する物質としては、鉄粉、亜鉛粉、ハイドロサルファイト等を主剤とする無機系の脱酸素剤や、アスコルビン酸系、多価アルコール系、活性炭系等の有機系の脱酸素剤が挙げられ、例えば、ファーマキープ(三菱ガス化学(株)製)、エージレス(三菱ガス化学(株)製)、StabilOx(Multisorb社製)、ウェルパック((株)タイセイ製)、エバーフレッシュ((株)鳥繁産業製)、オキシーター(上野製薬(株)製)、キービット(ドレンシー(株)製)、ケプロン((株)ケプロン製)、サンソカット(アイリス・ファインプロダクツ(株)製)、サンソレス((株)博洋製)、セキュール(ニッソー樹脂(株))、タモツ(大江化学工業(株))、バイタロン((株)常盤産業製)、モデュラン(日本化薬フードテクノ(株)製)、ワンダーキープ(パウダーテック(株))、鮮度保持剤C(凸版印刷(株)製)などの市販のものを使用しても良い。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
実施例1
表1に記載の配合比に従って、リバスチグミン、酢酸を撹拌混合した後、ヒドロキシル基含有アクリル系粘着剤(DURO-TAK 87-2516)、酢酸エチルを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが100μmになるように剥離フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム、藤森工業製)に展延し、溶媒留去して薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせた。その後、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。得られた経皮吸収型貼付製剤を包装材料(アルミ包材、中本パックス製)に充てんした。
実施例2
表1に記載の配合比に従って酢酸の代わりに、レブリン酸を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例3
表1に記載の配合比に従って酢酸の代わりに、カプリン酸を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例4
表1に記載の配合比に従って酢酸の代わりに、イソステアリン酸を用いたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例5
表1に記載の配合比に従って得られた経皮吸収型貼付製剤を包装材料(アルミ包材、中本パックス製)に充てんし、包装材料内の空気を除去して密封したことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例6
表1に記載の配合比に従って酢酸の代わりに、レブリン酸を用いたことを除き、実施例5と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例7
表1に記載の配合比に従って得られた経皮吸収型貼付製剤を脱酸素包材[エージレス(三菱ガス化学(株)製)]に充てんしたことを除き、実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例8
表1に記載の配合比に従って酢酸の代わりに、レブリン酸を用いたことを除き、実施例7と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例9
表1に記載の配合比に従って、リバスチグミン、レブリン酸を撹拌混合した後、ヒドロキシル基含有アクリル系粘着剤(DURO-TAK 87-2516)、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE(メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体;オイドラギットEPO)、酢酸エチルを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが100μmになるように剥離フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム、藤森工業製)に展延し、溶媒留去して薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせた。その後、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。得られた経皮吸収型貼付製剤を包装材料(アルミ包材、中本パックス製)に充てんし、包装材料内の空気を除去して密封した。
実施例10
表2に記載の配合比に従って実施例9と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例11
表2に記載の配合比に従って実施例9と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例12
表2に記載の配合比に従って実施例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例13
表2に記載の配合比に従って実施例4と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例14
表2に記載の配合比に従って、実施例9と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
実施例15
表2に記載の配合比に従って、実施例9と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
比較例1
表2に記載の配合比に従って、リバスチグミン、ヒドロキシル基含有アクリル系粘着剤(DURO-TAK 87-2516)、酢酸エチルを加え攪拌混合し、均一な溶解物を得た。次にこの溶解物を、ドクターナイフ塗工機を用いて、溶媒留去後の厚さが100μmになるように剥離フィルム(シリコーン処理を施したPETフィルム、藤森工業製)に展延し、溶媒留去して薬物含有層を形成した後、支持体を貼り合わせた。その後、所望の大きさに裁断して経皮吸収型貼付製剤を得た。得られた経皮吸収型貼付製剤を包装材料(アルミ包材、中本パックス製)に充てんした。
比較例2
表2に記載の配合比に従ってアクリル酸・酢酸ビニル共重合体の代わりに、カルボキシル基及びヒドロキシル基をいずれも含有しないアクリル系粘着剤(DURO-TAK 87-9301)を用いたことを除き、比較例1と同様として経皮吸収型貼付製剤を得た。
Figure 2016069287
Figure 2016069287
試験例1
実施例1〜8、11、12、13及び比較例1、2の各試験物質について、分解生成物A、分解生成物B及び分解生成物Cその他のリバスチグミン分解生成物の生成量を測定した。なお、分解生成物Aは、以下の分析条件にて測定した場合に、リテンションタイム約3分に検出される分解生成物を示す。分解生成物Bは、以下の分析条件にて測定した場合に、リテンションタイム約14分に検出される分解生成物を示す。分解生成物Cは、以下の分析条件にて測定した場合に、リテンションタイム約19分に検出される分解生成物を示す。5 cm2に裁断した各試験物質を1枚ずつアルミ包材にて包装し、60℃の恒温機で2週間保存した。
保存後、各試験物質の剥離シートを剥がし、50 mLの遠心沈殿管に取り、テトラヒドロフラン10 mLを加え、20分間振とうし、膏体を完全に溶解させた。この液に水/メタノール(2:1、v/v)10 mLを加え、20分間振とうし、完全に粘着基剤成分を凝集、沈殿させた。この上澄液を、高速液体クロマトグラフィーで定量した。
高速液体クロマトグラフィーの操作は、カラムがXbridge shield C18 RP(3.5 μm 、3.0 mm×10 cm;日本ウォ―ターズ株式会社製)、検出波長が215 nm、移動相が水/りん酸(10000:1、v/v)(移動相A)及び液体クロマトグラフィー用アセトニトリル(移動相B)、移動相の送液は移動相A及び移動相Bを任意の条件で混合させ濃度勾配制御させて行った。
該方法により、各試験物質の分解生成物Aの生成量、分解生成物Bの生成量、分解生成物Cの生成量及び分解生成物の総量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2016069287
試験例2
実施例1、2、11、12、13及び比較例1、2の各試験物質について、リバスチグミンの含量を測定した。なお、リバスチグミンは、以下の分析条件にて測定した場合に、リテンションタイム約4分に検出される。5 cm2に裁断した各試験物質を1枚ずつアルミ包材にて包装し、60℃の恒温機で2週間保存した。
保存後、各試験物質の剥離シートを剥がし、50 mLの遠心沈殿管に取り、テトラヒドロフラン8 mL及びツロブテロールのテトラヒドロフラン溶液(3.6 mg/mL)2 mLを加え、20分間振とうし、膏体を完全に溶解させた。この液に水/メタノール(2:1、v/v)10 mLを加え、20分間振とうし、完全に粘着基剤成分を凝集、沈殿させた。この上澄液を、高速液体クロマトグラフィーで定量した。
高速液体クロマトグラフィーの操作は、カラムがXbridge shield C18 RP(3.5 μm 、3.0mm×10 cm;日本ウォ―ターズ株式会社製)、検出波長が215 nm、移動相が水/りん酸(10000:1、v/v)(移動相A)及び液体クロマトグラフィー用アセトニトリル(移動相B)、移動相の送液は移動相A及び移動相Bを任意の条件で混合させ濃度勾配制御させて行った。
該方法により、リバスチグミンの含量を測定した。なお、60℃保存2週後の含量と保存開始時の含量の商を対開始時含量とした。その結果を表4に示す。
Figure 2016069287
試験例3
実施例1、5、11、14、15及び比較例1、2の各製剤について、以下の測定方法で粘着物性について試験を行った。
経皮吸収型貼付製剤を製造直後に各製剤の剥離ライナーを剥離し、粘着剤層を指で触った際の粘着剤層の糊残りを評価した。指への糊残りがなかった製剤を○、指への糊残りがあった製剤を×とした結果を表5に示す。
Figure 2016069287
各試験物質について分解生成物を測定した結果において、一定量の有機酸を配合した実施例1〜8、11、12、13の分解生成物総量の最大値は0.37%であった。一方、有機酸を配合していない比較例1、2の分解生成物総量はそれぞれ0.38%、0.76%であり、前記各実施例の分解生成物総量の最大値よりも多かった。また、アルミ包材に充てんし、包材内の空気を除去して密封した実施例5、6の分解生成物総量はそれぞれ0.18%、0.24%、オイドラギットEPOを配合した実施例11の分解生成物総量は0.24%であり、脱酸素包材に充てんした実施例7、8の分解生成物総量はいずれも0.00%であった。
また、各試験物質について含量を測定し、対開始時含量を算出した結果において、一定量の有機酸を配合した実施例1、2、11、12、13の対開始時含量は95.2%〜98.4%であり、リバスチグミンの明らかな含量低下は認められなかった。一方、有機酸を配合していない比較例1、2の対開始時含量はそれぞれ94.4%、83.0%であり、前記各実施例の対開始時含量よりも低値を示した。
さらにまた、各試験物質の粘着物性を指への糊残りの有無で評価した結果において、いずれも指への糊残りがなく、良好な粘着物性を示した。
上記各結果から、本発明のリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤は、リバスチグミンの分解生成物が抑制され、リバスチグミンの含量は安定的に維持されるとともに、貼付製剤の物性を損なうことなく、粘着物性が良好な製剤が得られることが明らかとなった。また、リバスチグミンに対する有機酸のモル比を一定量以上とすることや、包材内の空気を除去して密封したり、脱酸素包材を用いることにより、リバスチグミンの分解生成物の増加をさらに抑制した製剤が得られることが明らかとなった。
上述したように、本発明の経皮吸収型貼付製剤は、特定のアクリル系粘着剤を配合した薬物含有層中にリバスチグミンとともに有機酸を含有する貼付製剤であって、薬物含有層中でのリバスチグミン由来の分解生成物の生成を抑制し、該貼付製剤の経時的な品質の低下等が抑制された新規な貼付製剤である。本発明の経皮吸収型貼付製剤は、長時間にわたって製剤の保存が可能であり、リバスチグミンの薬理効果を有効に利用することができる。よって、本発明の経皮吸収型貼付製剤は、アルツハイマー型認知症などの治療に有用な製剤である。

Claims (25)

  1. 支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなる経皮吸収型貼付製剤において、該薬物含有層中に有効成分としてリバスチグミンと、基剤成分としてアクリル系粘着剤及び有機酸を含有する経皮吸収型貼付製剤。
  2. 前記アクリル系粘着剤が、カルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤である請求項1記載の経皮吸収型貼付製剤。
  3. 前記アクリル系粘着剤が、ヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤である請求項1又は2記載の経皮吸収型貼付製剤。
  4. 前記有機酸の配合量が、薬物含有層に対して1〜10質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  5. 前記有機酸の配合量が、薬物含有層に対して2〜8質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  6. 前記有機酸の配合量が、薬物含有層に対して2〜6質量%である請求項1〜3のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  7. 前記有機酸の配合量が、リバスチグミンの配合量に対するモル比(有機酸/リバスチグミン)として0.3以上である請求項1〜6のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  8. 前記有機酸の配合量が、リバスチグミンの配合量に対するモル比(有機酸/リバスチグミン)として0.4〜1.2である請求項1〜6のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  9. 前記有機酸が酢酸、レブリン酸、カプリン酸及びイソステアリン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  10. 前記有機酸が酢酸及びレブリン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤を、包装材料中に低酸素状態で封入させた経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  12. 前記包装材料内の空気を除去して前記経皮吸収型貼付製剤を密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項11記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  13. 前記包装材料内の空気を不活性ガスに置換して前記経皮吸収型貼付製剤を密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項11記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  14. 前記不活性ガスが窒素ガス及びアルゴンガスよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項13記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  15. 酸素吸着能力を有する物質を前記経皮吸収型貼付製剤と同封するか、又は酸素吸着能力を有する物質を含む包装材料中に密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項11記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  16. 支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなり、該薬物含有層中に有効成分としてリバスチグミンと、基剤成分としてカルボキシル基及び/又はヒドロキシル基を含有するアクリル系粘着剤並びに酢酸、レブリン酸、カプリン酸及びイソステアリン酸よりなる群から選ばれた少なくとも1種の有機酸とを含有する経皮吸収型貼付製剤であって、該薬物含有層に対するリバスチグミンの配合量が0.8〜40質量%、有機酸の配合量が1〜10質量%であり、リバスチグミンの配合量に対する有機酸の配合量のモル比(有機酸/リバスチグミン)が0.4〜1.2である経皮吸収型貼付製剤。
  17. 前記薬物含有層に対するリバスチグミンの配合量が1.7〜32質量%、有機酸の配合量が2〜8質量%である請求項11記載の経皮吸収型貼付製剤。
  18. 前記薬物含有層に対するリバスチグミンの配合量が1.7〜24質量%、有機酸の配合量が2〜6質量%である請求項11記載の経皮吸収型貼付製剤。
  19. 請求項16〜18のいずれかに記載の経皮吸収型貼付製剤を、包装材料中に低酸素状態で封入させた経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  20. 前記包装材料内の空気を除去して前記経皮吸収型貼付製剤を密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項19記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  21. 前記包装材料内の空気を不活性ガスに置換して前記経皮吸収型貼付製剤を密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項19記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  22. 前記不活性ガスが窒素ガス及びアルゴンガスよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項21記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  23. 酸素吸着能力を有する物質を前記経皮吸収型貼付製剤と同封するか、又は酸素吸着能力を有する物質を含む包装材料中に密封することにより、前記包装材料中に低酸素状態で前記経皮吸収型貼付製剤を封入させたものである請求項19記載の経皮吸収型貼付製剤の包装体。
  24. 支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなるリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤において、該薬物含有層中にアクリル系粘着剤及び有機酸を配合することを特徴とするリバスチグミンの保存安定性向上方法。
  25. 支持体、薬物含有層及び剥離ライナーからなるリバスチグミン含有経皮吸収型貼付製剤において、該薬物含有層中にアクリル系粘着剤及び有機酸を配合することを特徴とするリバスチグミンの酸化分解抑制方法。

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