以下、図1〜図5を用いて本発明の実施形態を説明する。以下の説明では、複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(画像形成装置の概略)
次に、図1に基づき、実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、実施形態に係る複合機100の一例を示す図である。
図1に示すように、複合機100の前面に操作パネル1(破線で図示)が設けられる。又、上部に原稿搬送部2aと画像読取部2bが設けられる。又、複合機100の内部には、印刷を行う印刷部3(給紙部3a、搬送部3b、画像形成部3c、定着部3d)が設けられる。
操作パネル1は、複合機100の状態や各種メッセージや各種設定画面を表示する表示部11を備える。また、表示部11の上面にタッチパネル部12が設けられる。タッチパネル部12は、表示部11で押されたボタンやキー(ソフトキー)を認識するためのものである。また、操作パネル1には、スタートキーやテンキーのような複数のハードキー13も設けられる。操作パネル1は、使用者によるタッチパネル部12やハードキー13に対する入力を、設定操作として受け付ける。
原稿搬送部2aは、セットされた原稿を1枚ずつ送り読取用コンタクトガラス(読み取り位置、不図示)に向けて連続的、自動的に搬送する。画像読取部2bは、送り読取用コンタクトガラスを通過する原稿や、載置読取用コンタクトガラス(不図示)にセットされた原稿を読み取り、画像データを生成する。
給紙部3aは、複数の用紙を収容する。本実施形態の複合機100では、給紙部3aとして2つの給紙カセット31が設けられる。印刷ジョブを実行するとき、いずれかの給紙カセット31が用紙を1枚ずつ搬送部3bに送り込む。搬送部3bは、給紙部3aから供給された用紙を搬送する。画像形成部3cは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。定着部3dは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。トナー定着後の用紙は、排出トレイ3eに排出される。
(画像形成装置のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、実施形態に係る画像形成装置(複合機100)のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、複合機100の構成の一例を示すブロック図である。
複合機100内に、制御部4が設けられる。制御部4は、制御基板である。制御部4は、画像形成装置の動作制御を司る。制御部4は、SoC5(System−on−a−chip、処理部に相当)を含む。SoC5は、従来、基板内に配されていた複数の回路、チップを1チップにまとめた集積回路である。SoC5は、コントローラー50(制御回路)、演算回路の他、画像処理回路51を含み、複合機100の動作を制御する。尚、機能ごとに制御部4を分割し、制御を行う部分が複数種設けられてもよい。例えば、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、印刷部を実際に制御するエンジン制御部のように分割することができる。
画像処理回路51は、操作パネル1でなされた設定に応じ、濃度変換や拡大、縮小等、印刷を行う画像データへの画像処理や、画像読取部2bで読み取られた画像データの形式変換のような画像処理を行う。また、画像処理回路51は、コンピューター400やネットワーク200に送信する画像データを生成する。また、SoC5は、記憶部6に記憶されるプログラム、データに基づき画像形成装置の各部の制御、各種の演算処理を行う。
記憶部6は、ROM61、RAM62、HDD63を含む。記憶部6は、不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせである。記憶部6は、複合機100の制御用の各種のプログラムやデータ、設定データ、画像データのような各種データを記憶する。また、複合機100に複数種のデバイス500(周辺機器)を接続することができる(詳細は後述)。そして、記憶部6のHDD63は、複合機100に接続されたデバイス500を使用できるように、各種デバイス500のドライバーソフトウェアの束であるドライバーソフトウェア群63aを記憶する。
又、制御部4は、操作パネル1、原稿搬送部2a、画像読取部2b、印刷部3等の各部とバスや信号線等で接続される。制御部4は、各部、各装置の存在を認識する。そして、制御部4は、複合機100の動作(スキャン動作や印刷動作)を制御する。
更に、制御部4には、各種ソケット、通信制御用のチップを備えた通信部41が設けられる。制御部4の基板に通信部41が搭載される(別基板としてもよい)。通信部41はネットワーク200(例えば、LAN)、ファクシミリ装置300と通信可能に接続される。また、通信部41は、ネットワーク200を介し、コンピューター400(例えば、PCやサーバー)とデータの送受信を行える。なお、ケーブルでコンピューターと通信部41を直接接続することにより、ネットワークを介さず、通信部41とコンピューター間のデータ通信を行うこともできる。
(デバイス500の接続とデータ通信)
次に、図3を用いて、実施形態に係る複合機100でのデバイス500の接続について説明する。図3は、実施形態に係る複合機100のデバイス500とのデータ通信と電力供給を説明するための図である。
尚、以下の説明では、複合機100にUSB規格に準拠したデバイス500(周辺機器)を接続する例を説明する。言い換えると、複合機100は、USB規格に基づき、接続されたデバイス500を認識し、データ通信を行える。尚、他の規格に準拠したデバイス500を、複合機100に接続し、使用できるようにしてもよい。
制御部4(制御基板)には、デバイス500とデータ通信を行うための部分としてホストコントローラー7、ハブ70、背面コネクター91(コネクター9の一種)が設けられる。また、制御部4(制御基板)外に、基板4aが配され、その基板上に前面コネクター92(コネクター9の一種)が設けられる。なお、背面コネクター91と前面コネクター92は、メス型のコネクターである。
ホストコントローラー7は、USBの規格に基づき、デバイス500と制御部4(SoC5)間の通信制御を行う。ホストコントローラー7は、SoC5と通信可能に接続される。なお、ホストコントローラー7は、SoC5に内蔵されてもよい。そして、ホストコントローラー7は、デバイス500との通信の主導権を握る。ホストコントローラー7は、通信するデバイス500にデータ信号線(データバス)の使用権を与え、使用権を与えたデバイス500と通信を行う。
また、ホストコントローラー7は受信したデータをSoC5に転送する。これにより、SoC5は、デバイス500から受信したデータを認識する。また、SoC5は、通信相手(何れかのデバイス500)、動作命令、記憶させる内容を示すデータを生成し、ホストコントローラー7に送る。ホストコントローラー7は、SoC5からのデータを指定されたデバイス500に転送する。尚、ホストコントローラー7は、USB規格で定められたその他の機能を実行できるが、詳細は割愛する。
ハブ70は、USBの規格に基づき、ホストコントローラー7とデバイス500間の通信を仲介する。ハブ70は、ホストコントローラー7と通信可能に接続される。また、ハブ70は、コネクター9とも接続される。そして、ハブ70は、ホストコントローラー7と、ホストコントローラー7が通信しようとするデバイス500を接続する。言い換えると、ハブ70は、データ(信号)を分配する機能を有する。
また、ハブ70は、コネクター9へのデバイス500の接続の検出や、デバイス500の通信速度の検知を行う。ハブ70は、コネクター9へのデバイス500接続を検出すると、ホストコントローラー7に通知する。ホストコントローラー7は、ハブ70からの通知内容をSoC5に知らせる。また、ハブ70は、デバイス500の通信速度を検知したとき、ホストコントローラー7にデバイス500の通信速度を通知する。ハブ70は、USB規格で定められたその他の機能を実行できるが、詳細は割愛する。
制御部4(制御基板)は、複合機100の背面側に設けられる。そのため、制御基板上に設けられた背面コネクター91は、複合機100の背面側で露出する。従って、背面コネクター91を用いるとき、ケーブルC1やデバイス500は、複合機100の背面に差し込まれる。本説明では、コネクター9を複合機100の背面に1つ、複合機100の前面に1つ設ける例を説明する。しかし、コネクター9は、更に複数設けられてもよい。
前面コネクター92は、操作パネル1の前面側に設けられる。本実施形態の複合機10では、前面コネクター92は、操作パネル1内の基板上に設けられる。使用者は、容易にデバイス500やケーブルC1を前面コネクター92(操作パネル1)に差し込むことができる。
尚、制御部4(制御基板)は、複合機100の背面側に設けられ、前面コネクター92は、複合機100の前面に設けられる。言い換えると、前面コネクター92は、制御部4と位置的に離れている。そのため、前面コネクター92の基板4aと、制御部4は、ハーネスH1で接続される。制御部4のハブ70にハーネスH1の一端が接続され、ハーネスH1の他端が前面コネクター92に接続される。
各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)には、デバイス500が直接、又は、デバイス500に装着されたケーブルC1が接続される。例えば、USBメモリー、無線LANアダプターのようなオス型のコネクター(デバイスコネクター501)がデバイス500の基板と一体的に設けられている機器は、各コネクター9に直接差し込まれる。また、キーボード、マウス、メモリーカードリーター、外付けのハブのように、デバイス500にケーブルC1が固定的に取り付けられ、ケーブルC1の先にオス型のデバイスコネクター501が取り付けられている機器は、ケーブルC1の先のオス型のデバイスコネクター501が各コネクター9に差し込まれる。ディジタルカメラ、外付けHDDのようなメス型のデバイスコネクター501を有するデバイス500は、両端がオス型のコネクターを有するケーブルC1を介して、コネクター9にデバイス500が接続される。
図3は、背面コネクター91と、前面コネクター92の両方ともに、両端がオス型のコネクターを有するケーブルC1を介して、コネクター9にデバイス500が接続される例を示している。
各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)は、USB規格に基づいた形状であり、USB規格に基づいた端子を有する。具体的に、USB規格は、シリアル通信方式であり、差動信号を用いてデータの通信を行う。データ通信のため、各コネクター9は、D+とD−の2つの端子を少なくとも有する。デバイス500やデバイス500から伸びるケーブルC1に取り付けられたデバイスコネクター501を直接、各コネクター9に差し込んだとき、各コネクター9のD+とD−の端子と、デバイスコネクター501のD+とD−が接する。ケーブルC1を用いてデバイス500を接続するとき、ケーブルC1内のD+とD−の信号線が、各コネクター9のD+とD−の端子と、デバイスコネクター501のD+とD−の端子とをつなぐ。また、図3では簡略化して、データ信号線を1本の実線で図示している。
背面コネクター91にデバイス500が接続されたとき、ホストコントローラー7とデバイス500は、ハブ70、背面コネクター91、及び、場合によりケーブルC1を介して、データ信号線で接続される。これにより、ホストコントローラー7と、背面コネクター91に接続されたデバイス500とのデータ通信が可能となる。
また、前面コネクター92にデバイス500が接続されたとき、ハブ70、ハーネスH1、前面コネクター92、及び、場合によりケーブルC1を介して、ホストコントローラー7とデバイス500がデータ信号線で接続される。これにより、ホストコントローラー7と前面コネクター92に接続されたデバイス500とのデータ通信が可能となる。
SoC5及びホストコントローラー7は、接続されたデバイス500を認識する。USB規格の各デバイス500は、内部のデバイスメモリー502に、デバイス500に関する様々な情報が記されたディスクリプタを記憶している。言い換えると、デバイス500は、デバイス500の種類、製造者のような情報を含むデバイスコード503を記憶している。
具体的に、デバイスコード503(ディスクリプタ)には、デバイス500のクラス、サブクラス、プロトコル、ベンダーID、プロダクトID、最大消費電力、デバイス500の属性、転送で利用可能な最大パケット長、転送のインターバルなどが記載される。ホストコントローラー7は、デバイス500からディスクリプタを取得する。そして、SoC5は、ホストコントローラー7からディスクリプタを得る。SoC5は、デバイス500のクラス、サブクラスのようなディスクリプタ(デバイスコード503)に記載された情報に基づき、接続されたデバイス500がどのようなデバイス500であるかを認識する。尚、接続されたデバイス500がどのようなデバイス500であるかを、ホストコントローラー7が認識し、認識結果をSoC5に伝えるようにしてもよい。
(デバイス500への電力供給)
次に、図3を用いて、実施形態に係る複合機100でのデバイス500への電力供給を説明する。
まず、図3では、デバイス500への電力供給経路を破線で示している。そして、何れかのコネクター9に接続されたデバイス500に対しての電圧を生成し、電力供給を行う部分として、一次電源装置A1、DCDCコンバーター8(電源回路に相当)、スイッチ部80、各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)が設けられる。
一次電源装置A1は、商用電源(コンセント)と電源コード(不図示)で接続される。そして、商用電源から供給される交流電圧を整流、降圧し、複合機100内に設けられるモーターの駆動用の直流電圧(例えば、DC24V)を生成する。モーターは、給紙、用紙搬送、トナー像形成、定着、用紙排出のための回転体を回転させるモーターである。
DCDCコンバーター8は、制御部4(制御基板)内に設けられる。尚、DCDCコンバーター8は、基板外に設けられてもよい。DCDCコンバーター8は、一次電源装置A1から供給された電圧を降圧する電力変換回路である。本実施形態のDCDCコンバーター8は、逆流防止用のダイオード、コイル、電荷を充電するコンデンサー、トランジスタを含む。このトランジスタは、コンデンサーへの一次電源装置A1の出力電圧の印加のON/OFFのスイッチングを行い、コンデンサーの出力電圧(DCDCコンバーター8の出力電圧)を調整する。このように、DCDCコンバーター8は、スイッチング電源である(例えば、チョッパ型)。尚、DCDCコンバーター8には、他の方式のものが用いられてもよい。
DCDCコンバーター8の内部に、出力コントローラー8aが設けられる。出力コントローラー8aは、SoC5の指示を受け、DCDCコンバーター8の出力電圧値を制御する。出力コントローラー8aは、トランジスタのスイッチングを制御する。SoC5から出力電圧値を大きくする指示を受けたとき、出力コントローラー8aは、スイッチングのONデューティ比(パルス幅)を増やしてDCDCコンバーター8の出力電圧値を大きくする。また、SoC5から出力電圧値を小さくする指示を受けたとき、出力コントローラー8aは、ONデューティ比(パルス幅)を減らすことでDCDCコンバーター8の出力電圧値を小さくする。
スイッチ部80は、ハブ70、背面コネクター91、前面コネクター92、デバイス500への電力供給を一括してON/OFFするための回路である。例えば、スイッチ部80は、スイッチングを行うチップである。また、スイッチ部80は、規格に定められた大きさ以上の電流がコネクター9やデバイス500に流れないように、電流制限回路を含むものでもよい。
所定の移行条件が満たされたことにより省電力モードに移行するとき、SoC5は、スイッチ部80をOFFする。これにより、ハブ70、背面コネクター91、前面コネクター92、デバイス500への電力供給を全て停止することができる。一方、所定の復帰条件が満たされたことにより、省電力モードを解除し、通常モード(複合機100で印刷や送信のジョブを実行できる状態)に移行するとき、SoC5は、スイッチ部80をONする。これにより、ハブ70、背面コネクター91、前面コネクター92、デバイス500への電力供給への電力供給を一括して再開することができる。
スイッチ部80を介して、DCDCコンバーター8が生成した電圧(電力)は、ハブ70と各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)に供給(入力)される。なお、前面コネクター92には、ハーネスH1を介してDCDCコンバーター8が生成した電圧が入力される。なお、ハブ70がDCDCコンバーター8の出力電圧(電力)を分岐してもよい。この場合、DCDCコンバーター8が生成した電圧は、ハブ70を介して背面コネクター91に入力される。また、DCDCコンバーター8が生成した電圧は、ハブ70とハーネスH1を介して、前面コネクター92に入力される。
USB規格では、電源に関するラインとしてVbusとGND(グランド)がある。このため、各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)は、電源用の端子としてVbusとGNDの2つの端子を有する。各コネクター9のVbusとGNDの端子は、デバイスコネクター501のVbusとGNDに接続される。
具体的に、各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)には、デバイス500が直接、又は、デバイス500に装着されたケーブルC1が接続される。例えば、オス型のデバイスコネクター501がデバイス500の基板と一体的に設けられている機器を各コネクター9に直接差し込んだとき、及び、ケーブルC1の先にオス型のデバイスコネクター501が取り付けられている機器を各コネクター9に差し込んだとき、コネクター9のVbusとGNDの端子と、デバイスコネクター501のVbusとGNDが接する。また、メス型のデバイスコネクター501を有するデバイス500と各コネクター9を、両端がオス型のコネクターを有するケーブルC1を介して接続したとき、ケーブルC1内のVbusとGNDの2つの電源用のラインが、各コネクター9のVbusとGNDの端子と、デバイスコネクター501のVbusとGNDの端子とを繋ぐ。尚、図3では簡略化して、電源ラインを1本で図示している。
(デバイス500の接続に伴う電源回路の出力の変更)
次に、図4、図5を用いて、デバイス500の接続に伴う電源回路(DCDCコンバーター8)の出力の変更を説明する。図4は、デバイス500の接続に伴う電源回路(DCDCコンバーター8)の出力の変更処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5は、デバイス登録画面S1の一例を示す図である。
本実施形態の複合機100では、ハブ70、各コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)、デバイス500への電力供給をDCDCコンバーター8が行う。そして、DCDCコンバーター8は、スイッチ部80を介して、ハブ70、各コネクター9、デバイス500に電圧を印加する。
そして、DCDCコンバーター8は、デバイス500が接続されていないとき、第1電圧を出力する。第1電圧は、本実施形態の複合機100では、5Vとされる。USB規格では、電源に関し、デバイス500に入力する電圧の規定範囲は、DC4.75〜5.25V程度とされる。そこで、SoC5は、規定電圧範囲内の電圧である第1電圧をDCDCコンバーター8に出力させる。具体的に、SoC5は、規定電圧範囲の中央値であるDC5.0Vを出力する指示をDCDCコンバーター8に与える。デバイス500が接続されていないとき、デバイス500への電流が流れないので、スイッチ部80、ハブ70、各コネクター9に印加される電圧は、ほぼ5Vとなる。
尚、DCDCコンバーター8の出力は、SoC5内の回路、ホストコントローラー7、記憶部6にも入力することができる(図3参照)。言い換えると、DCDCコンバーター8は、SoC5、ホストコントローラー7、記憶部6のうち、DC5Vの電圧が必要な部分に、電圧を入力する。
ここで、何れかのコネクター9にデバイス500が接続されると、デバイス500に向けて電流が流れる。スイッチ部80、ハブ70、コネクター9、ケーブルC1、ハーネスH1は、それぞれインピーダンス(抵抗)を有する。そのため、デバイス500に入力される電圧は、第1電圧よりも小さくなる。また、前面コネクター92にデバイス500が接続されたとき、ハーネスH1を介してデバイス500に電力が供給される。そのため、背面コネクター91と前面コネクター92に同じデバイス500を接続したとき、ハーネスH1での電圧降下のため、理論的には、前面コネクター92に接続した場合の方が、デバイス500に入力される電圧は小さくなる。
そして、スイッチ部80、ハブ70、コネクター9、ケーブルC1、ハーネスH1で降下する電圧の大きさは、理論的に、抵抗成分×電流となる。そのため、デバイス500に流れる電流が大きいほど、デバイス500に入力される電圧は小さくなる。尚、USBの規格では、デバイス500に供給する電流の大きさは、最大500mA(USB2.0)又は900mA(USB3.0)とされる。
デバイス500に500mA又は900mAの電流を流しても、デバイス500に入力される電圧の大きさは、規定電圧範囲内の値とする必要がある。デバイス500に入力される電圧が規定電圧範囲を下回ると、デバイス500の動作異常が生じたり、デバイス500の動作が不安定となったり、デバイス500が動作しない場合が出てくる。
そこで、背面コネクター91と前面コネクター92の何れか一方、又は、両方に、予め登録されたデバイス500(登録デバイス)が接続されたとき、SoC5は、第1電圧よりも大きい第2電圧をDCDCコンバーター8に出力させる。
そして、記憶部6は、登録デバイスを定めたデータである登録デバイスデータD1を記憶する。デフォルト(初期設定)の登録デバイスデータD1では、ハードディスクドライブ(USBの外付けハードディスク)と無線LANアダプター(USBの無線LAN用機器)が、登録デバイスとして登録される。ハードディスクドライブと無線LANアダプターは、一般に負荷電流が大きいためである。このように、デバイス500の種類(クラス、用途)に基づき、デバイス500を登録することができる。デバイス500の種類を登録したとき、登録された種類に属する全てのデバイス500が、登録デバイスとして扱われる。例えば、ハードディスクドライブを登録したとき、機種やベンダーを問わず、ハードディスクドライブと認識されたデバイス500は、登録デバイスと扱われる。
一方、デフォルト(初期設定)の登録デバイスデータD1では、半導体メモリー(フラッシュROM型のUSBメモリー)、キーボードのようなデバイス500は、登録デバイスとして含められていない。このように、本実施形態の複合機100では、デフォルトの登録デバイスデータD1は、動作に要する電流が大きいとみなすデバイス500の種類(クラス、用途)を定義したデータである。なお、どの種類のデバイス500を登録し、どの種類のデバイス500を登録しないかは、適宜定めることができる。
また、登録デバイスの種類や機種を追加、変更することができる。ここで、図5を用いて、デバイス500の機種、種類の追加登録を説明する。
図5に示す、デバイス登録画面S1は、操作パネル1のタッチパネル部12やハードキー13に対し、所定の操作を行うことにより表示させることができる。
そして、現在、前面コネクター92又は背面コネクター91に接続されているデバイス500を登録することができる。SoC5は、デバイス登録画面S1内に各コネクター9に接続されているデバイス500を示す情報を表示部11に表示させる。デバイス500を示す情報は、SoC5(ホストコントローラー7)がデバイス500から取得したデバイスコード503(ディスクリプタ)に基づく。図5では、xxxxがベンダーのUSBメモリーが前面コネクター92に接続されている状態であることを示している。このように、表示部11は、ベンダー名や、デバイス500の種類を接続されているデバイス500の情報として表示する。
接続中のデバイス500を登録するため、特定デバイス登録キーK1が設けられる(図5参照)。操作パネル1が特定デバイス登録キーK1への操作を受け付けると、SoC5は、記憶部6に登録デバイスデータD1を更新させる。このとき、SoC5は、登録デバイスデータD1に、接続中のデバイス500を示すデータ(例えば、機種名、ベンダー、クラス)を追加させる。
また、登録デバイスと扱うデバイス500の種類(クラス、用途)を追加、変更するためのチェックボックスCBがデバイス登録画面S1に配される。使用者は、チェックボックスCBのチェックのON/OFFによって、登録デバイスとして扱うデバイス500の種類を設定できる。図5は、外付けHDDと無線LANアダプターを登録デバイスと扱う設定がなされた状態を示している(デフォルトの設定と同じ)。
デバイス登録画面S1の右下に登録キーK2が設けられる。使用者は、所望のチェックボックスCBにチェックを入れた後、登録キーK2の表示位置をタッチする(登録キーK2を操作する)。操作パネル1は、登録キーK2の表示位置へのタッチを受け付ける。登録キーK2が操作されると、SoC5は、記憶部6に登録デバイスデータD1を更新させる。このとき、SoC5は、チェックが入れられたデバイス500の種類を示すデータを、登録デバイスデータD1として記憶部6に記憶させる。これにより、登録デバイスと扱うデバイス500の種類を追加することや、ある種類のデバイス500を登録デバイスと扱わないようにする変更を行うことができる。
このように、操作パネル1は、あるデバイス500を登録デバイスとして追加する設定を受け付ける。そして、記憶部6は、操作パネル1でなされた設定にあわせて、登録デバイスデータD1を更新する。
次に、図4を用いて、コネクター9にデバイス500が接続されたときの処理の流れの一例を説明する。図4のスタートは、主電源投入や、省電力モードからの復帰により、複合機100が起動した時点(通常モードとなった時点)である。なお、図4のフローチャートは、複合機100の起動後、省電力モードになるまで、あるいは、主電源が切られるまで続けられる。言い換えると、複合機100が省電力モードになった時点、あるいは、主電源が切られた時点でフローは終了する。
まず、SoC5は、第1電圧(DC5V)をDCDCコンバーター8に生成させ、出力させる(ステップ♯1)。また、SoC5は、スイッチ部80をON状態とする(ステップ♯2)。これにより、ハブ70、背面コネクター91、前面コネクター92に電圧が印加される。
そして、SoC5は、ホストコントローラー7やハブ70と通信を行い、背面コネクター91又は前面コネクター92への新たなデバイス500の接続を検出したか否かを確認する(ステップ♯3)。言い換えると、SoC5は、ホストコントローラー7とハブ70を介し、コネクター9にデバイス500が新たに接続されたことを検出する。
新たなデバイス500の接続を検出できるまで、SoC5は確認を続ける(ステップ♯3のNo→ステップ♯3)。SoC5は、各コネクター9にデバイス500が接続されていないとき、第1電圧を電源回路に出力させ続ける。
新たなデバイス500の接続を検出できたとき(ステップ♯3のYes)、SoC5は、ホストコントローラー7とハブ70を介し、コネクター9に接続されたデバイス500との通信を開始する(ステップ♯4)。そして、SoC5は、コネクター9に新たに接続されたデバイス500から、デバイス500の種類を示すデバイスコード503(ディスクリプタ)を取得する(ステップ♯5)。
そして、SoC5は、取得したデバイスコード503(ディスクリプタ)に含まれるデバイス500の種類、クラス、用途、ベンダー、機種名のような情報に基づき、どのようなデバイス500が新たに接続されたかを認識する(ステップ♯6)。このように、SoC5は、コネクター9に接続されたデバイス500から、デバイス500の種類を示すデバイスコード503を取得し、デバイスコード503に基づきコネクター9に接続されたデバイス500(デバイス500の種類)を認識する。
続いて、SoC5は、記憶部6の登録デバイスデータD1を参照し、新たに接続されたデバイス500が登録デバイスであるか否かを確認する(ステップ♯7)。新たに接続されたデバイス500が登録デバイスであるとき(ステップ♯7のYes)、SoC5は、DCDCコンバーター8(電源回路)に第2電圧を出力させる(ステップ♯8)。
ここで、第2電圧は、電圧降下を考慮した電圧である。そして、第2電圧は、第1電圧よりも大きい。また、第2電圧の大きさは、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)に接続されたデバイス500に入力する(印加する)電圧が予め定められた規定電圧範囲内の電圧となるように設定される。このように、電圧降下があっても、デバイス500に入力される電圧が規定電圧範囲内となるように、SoC5は、DCDCコンバーター8の出力電圧値を高めに設定する(第2電圧に設定する)。
第2電圧をどの程度、第1電圧よりも大きくするかは、適宜定めることができる。例えば、実験を行い、様々なデバイス500を接続し、デバイス500に入力される電圧、及び、電圧降下を実測する。そして、実験結果に基づき、第2電圧の大きさを定めるようにしてもよい。
また、第1電圧に所定の比率を乗じた値を第2電圧の電圧値とするように、演算によって第2電圧の大きさを定めてもよい。例えば、第1電圧の電圧値を3%大きくするとき、所定の比率は、103%である。
DCDCコンバーター8が第2電圧を出力しても、ほとんど電圧降下が生じない場合があり得る。このような場合、デバイス500に規定電圧範囲を超えた電圧が入力されないようにする必要がある。そこで、第2電圧は規定電圧範囲の最大値も小さくしてもよい。本実施形態では、規定電圧範囲の最大値は5.25Vなので、第2電圧は、5.25Vよりも小さい値とする。
具体的に、本実施形態では、第2電圧は、5.15V程度とされる。このように、第2電圧も、第1電圧よりは大きいが、規定電圧範囲内の値とされる。規格上の最大電流を流したとき、DCDCコンバーター8からデバイス500の電源入力端子までに降下する電圧の大きさは様々であるが、例えば、DCDCコンバーター8からデバイス500までの経路での電圧降下を0.3Vとする場合、5.15−0.3=4.85Vとなる。4.85Vは、規定電圧範囲内の電圧である。
DCDCコンバーター8に第2電圧を生成、出力させた後、SoC5は、全ての登録デバイスが取り外されたか否かを確認する(ステップ♯9)。全ての登録デバイスが取り外されるまで、SoC5は、DCDCコンバーター8に第2電圧を出力させ続ける(ステップ♯9のNo→ステップ♯8)。一方、登録デバイスが全て取り外されたとき(ステップ♯9のYes)、フローは、ステップ♯1に戻る。
一方、接続されたデバイス500が登録デバイスでないとき(ステップ♯7のNo)、SoC5は検知回路81により検出される電圧測定位置P1、P2の電圧値を確認する(ステップ♯10)。本実施形態の複合機100には、DCDCコンバーター8(電源回路)からデバイス500までの電源ライン上に電圧測定位置P1、P2が設けられる(図3参照)。尚、図3では、電圧測定位置P1、P2の電圧の検知と、SoC5の電圧値の通知に関する信号の流れを2点鎖線で示している。
具体的に、電圧測定位置P1は、DCDCコンバーター8(電源回路)から背面コネクター91を経由したデバイス500までの電源ラインの途中に設けられる。また、電圧測定位置P2は、DCDCコンバーター8(電源回路)から前面コネクター92を経由したデバイス500までの電源ラインの途中に設けられる。
そして、電圧測定位置P1、P2の電圧値を検知するための検知回路81が設けられる(図3参照)。検知回路81は、A/D変換し、電圧測定位置P1、P2の電圧値を認識し、電圧値をSoC5に通知するチップとしてもよい。また、検知回路81をSoC5に内蔵し、SoC5が直接、電圧測定位置P1、P2の電圧値を検知してもよい。
各コネクター9に接続されたデバイス500が登録デバイスでなくても、流れる電流が大きく、デバイス500に入力される電圧が規定電圧範囲を下回る場合はあり得る。そこで、SoC5は、電圧測定位置P1、P2の電圧値に基づき、DCDCコンバーター8の出力を第2電圧にすべきか否かを確認する(ステップ♯11)。
SoC5は、コネクター9(前面コネクター92、背面コネクター91)にデバイス500が接続されている状態で、何れかの電圧測定位置P1、P2の電圧が許容値以下のとき(ステップ♯11のYes)、DCDCコンバーター8に第2電圧を生成、出力させる(ステップ♯12)。ここで、許容値は適宜定めることができる。例えば、電圧測定位置P1については、許容値は、背面コネクター91を経由してデバイスに入力される電圧が規定電圧範囲の最小値のときの電圧測定位置P1の電圧としてもよい。電圧測定位置P2については、許容値は、ハーネスH1、前面コネクター92を経由してデバイスに入力される電圧が規定電圧範囲の最小値のときの電圧測定位置P2の電圧としてもよい。このように、電圧測定位置ごとに許容値を異ならせてもよい。また、許容値は、全ての電圧測定位置で同じ値としてもよい。
また、第1電圧と第2電圧の差の絶対値を電圧測定位置P1又はP2の電圧に加算した値が規定電圧範囲の最大値よりも小さいとき、SoC5は、DCDCコンバーター8の出力を第2電圧にすべきと判断してもよい。
そして、SoC5は、登録デバイスではなく、また、何れかの電圧測定位置P1、P2の電圧が許容値以下となるデバイス500が全て取り外されたか否かを確認する(ステップ♯13)。当該デバイス500の全てが取り外されるまで、SoC5は、DCDCコンバーター8に第2電圧を出力させ続ける(ステップ♯13のNo→ステップ♯12)。一方、当該デバイス500の全てが取り外されたとき(ステップ♯13のYes)、フローは、ステップ♯1に戻る。
一方、SoC5は、コネクター9(前面コネクター92、背面コネクター91)にデバイス500が接続されている状態でも、全ての電圧測定位置P1、P2の電圧が許容値を超えているとき(ステップ♯11のNo)、SoC5は、DCDCコンバーター8に第1電圧を生成、出力を継続させる(ステップ♯14)。このように、接続されたデバイス500が登録デバイスでないとき(コネクター9にデバイス500が接続されていても)、SoC5は、DCDCコンバーター8に第1電圧を出力させる。そして、フローは、ステップ♯3に戻る。
このようにして、実施形態にかかる画像形成装置(複合機100)は、直接、又は、ケーブルC1を介してデバイス500を接続するためのコネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)と、
コネクター9に接続されたデバイス500に電力を供給する電源回路(DCDCコンバーター8)と、コネクター9に接続されたデバイス500と通信を行い、コネクター9に接続されたデバイス500を認識し、コネクター9にデバイス500が接続されていないとき、第1電圧を電源回路に出力させ、コネクター9にデバイス500が接続されている間、第1電圧よりも大きく、かつ、コネクター9に接続されたデバイス500に入力される電圧が予め定められた電圧範囲である規定電圧範囲内の電圧となる第2電圧を電源回路に出力させる処理部(SoC5)と、を含む。
これにより、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)にデバイス500が接続されたときのみ、電源回路(DCDCコンバーター8)の出力電圧は、通常の電圧(第1電圧)よりも大きくされる。そのため、流れる電流(負荷電流)が大きいデバイス500が接続されても、デバイス500には、規定電圧範囲内の電圧が入力される。従って、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)に接続するデバイス500の種類を問わず、デバイス500に対し、規定範囲内の電圧を印加することができる。従って、接続したデバイス500は、動作不安定とならない。また、接続したデバイス500の誤動作は生じない。また、接続したデバイス500を確実に動作させることができる。
更に、デバイス500には規定範囲の電圧を確実に入力するので、規格の規定を遵守することができる。そのため、規格の試験を容易に通過することができる。また、必要が無いときには、電源回路(DCDCコンバーター8)の出力は、第1電圧に落とした状態とされるので、無駄な電力の消費を抑えることもできる。
また、画像形成装置(複合機100)は、予め登録されたデバイス500を示す登録デバイスデータD1を記憶する記憶部6を含む。処理部(SoC5)は、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)に接続されたデバイス500から、デバイス500の種類を示すデバイスコード503を取得し、デバイスコード503に基づきコネクター9に接続されたデバイス500を認識し、接続されたデバイス500が登録デバイスであるとき、電源回路(DCDCコンバーター8)に第2電圧を出力させ、接続されたデバイス500が登録デバイスでないとき(コネクター9にデバイス500が接続されていても)、電源回路に第1電圧を出力させる。
接続されたデバイス500が、消費電流の多いデバイス500であり、大きな電流が流れたとき、電源回路(DCDCコンバーター8)から接続されたデバイス500までの電源ラインでの電圧降下は大きくなる(コネクター9、ケーブルC1、ハーネスH1のような各部分での電圧降下が大きくなる)。そこで、デバイス500に入力される電圧の値が、規定電圧範囲を下回るようなデバイス500を予め登録しておく。そして、登録デバイスが接続されたときのみ、処理部(SoC5)は、電源回路の出力電圧値を大きくし、第2電圧値とする。言い換えると、登録デバイスが接続されたときに、電源回路の出力電圧値が第1電圧→第2電圧に変更される。これにより、デバイス500に入力される電圧の大きさが規定電圧範囲を下回る可能性が高いとき、自動的に電源回路の出力電圧値は高めに設定される。また、接続されたデバイス500が登録デバイスでなく、第2電圧にしなくても、デバイス500に規定電圧範囲の電圧を入力できるとき、電源回路の出力電圧値は、第1電圧で維持される。このように、状況に応じ、電源回路の出力電圧の大きさを調整することができる。従って、マージンを設け、電源回路の出力電圧値を最初から高めに設定しておく場合に比べ、画像形成装置の消費電力を減らすことができる。
また、画像形成装置(複合機100)は、使用者による設定、操作を受け付ける操作パネル1を含む。操作パネル1は、あるデバイス500を登録デバイスとして追加する設定を受け付ける。記憶部6は、操作パネル1でなされた設定にあわせて、登録デバイスデータD1を更新する。
これにより、どのようなデバイス500を登録デバイスと扱うか、使用者自身が定めることができる。そのため、使用者は、自由に設定を行える。また、接続したときに動作不安定のような不具合が生じ、流れる電流が大きい可能性があるデバイス500を、登録デバイスとして登録できる。これにより、デバイス500を安定動作させることができる。
また、画像形成装置(複合機100)は、電源回路(DCDCコンバーター8)からデバイス500までの電源ライン上に設けられた電圧測定位置P1、P2の電圧値を検知する検知回路81を含む。処理部(SoC5)は、検知回路81の出力に基づき、電圧測定位置P1、P2の電圧値を検知し、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)へのデバイス500が接続されている状態で、電圧測定位置P1、P2の電圧が許容値以下のとき、電源回路に第2電圧を出力させ、コネクター9にデバイス500が接続されている状態で、電圧測定位置P1、P2の電圧が許容値を超えているとき、電源回路に第1電圧を出力させる。
これにより、電圧測定位置P1、P2の電圧値が小さくなり、デバイス500に入力される電圧が規定電圧範囲を下回る可能性があるとき、電源回路(DCDCコンバーター8)の出力電圧値を自動的に大きくすることができる。従って、コネクター9(背面コネクター91、前面コネクター92)に接続されたデバイス500を安定動作させることができる。
また、処理部(SoC5)と電源回路(DCDCコンバーター8)は、同じ基板に設けられる。電源回路からの電源ラインと処理部からのデータ信号線は、ハーネスH1によりコネクター9(前面コネクター92)に接続される。これにより、ハーネスH1が用いられ、ハーネスH1での電圧降下の影響で、デバイス500に入力される電圧が規定電圧範囲を下回りやすいときでも、確実に規定電圧範囲の電圧をデバイス500に入力することができる。
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態の説明では、登録デバイスであるか否か、及び、検知回路81により検知された電圧に基づき、DCDCコンバーター8(電源回路)の出力を定める例を説明した。しかし、登録デバイスか否かの確認や、検知回路81による検知電圧の大きさの確認を行わず、SoC5は、1つでもデバイス500が接続されているとき、DCDCコンバーター8の出力電圧値を第2電圧とし、1つもデバイス500が接続されていないときDCDCコンバーター8の出力電圧値を第1電圧とするようにしてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。