以下、添付図面を参照して、超音波診断装置の各実施形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、胎児の検査を行って、胎児の超音波画像や胎児を計測した計測値が表示される場合について説明するが、各実施形態はこれに限られるものではない。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成について説明する。図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の構成を説明するための図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、超音波プローブ1と、本体モニタ2aと、被検体用モニタ2bと、入力装置3と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、超音波を送信するとともに反射波を受信する超音波トランスデューサを有する。超音波トランスデューサは、複数の超音波振動子を有する。複数の超音波振動子は、後述する装置本体10が有する送受信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。そして、複数の超音波振動子は、被検体Pからの反射波を受信して、受信した反射波を電気信号に変換する。超音波トランスデューサは、超音波振動子に設けられる音響整合層と、超音波振動子から後方への超音波の伝播を抑制する背面負荷材(バッキング材)等を有する。超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
例えば、超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波として超音波プローブ1が有する複数の超音波振動子にて受信される。反射波は、当該反射波を受信した超音波振動子で電気信号である反射波信号に変換される。反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
本体モニタ2aは、超音波診断装置100の操作者(診療放射線技師や医師等)が超音波画像や複数の計測項目の計測値を確認するためのモニタである。本体モニタ2aは、操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像や複数の計測項目の計測値等を表示したりする。本体モニタ2aは、表示内容が検査中の被検体Pから見えないように配置されることが好ましい。本体モニタ2aは、第1の表示部の一例である。
被検体用モニタ2bは、検査中の被検体Pが超音波画像等を確認するためのモニタである。モニタ2bは、装置本体10において生成された超音波画像や、この超音波画像を用いた計測により得られた複数の計測項目の複数の計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値等を表示したりする。被検体用モニタ2bは、第2の表示部の一例である。
入力装置3は、トラックボール、スイッチ、ダイヤル、タッチコマンドスクリーン等を有する。入力装置3は、超音波診断装置100の操作者からの各種指示を受け付け、装置本体10に対して、受け付けた指示を転送する。例えば、入力装置3は、超音波プローブ1を制御するための各種指示を受け付けて、制御部18に転送する。また、入力装置3は、各種の計測項目の計測値を計測する指示を受け付けて、受け付けた指示を制御部18に転送する。入力装置3は、ユーザから指示を受け付ける受付部の一例である。
装置本体10は、超音波プローブ1による超音波の送受信を制御して、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送受信部11と、Bモード処理部12と、ドプラ処理部13と、画像生成部14と、計測部15と、画像メモリ16と、内部記憶部17と、制御部18とを有する。
送受信部11は、トリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な超音波振動子ごとの遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、遅延回路は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、超音波振動子面からの送信方向を任意に調整する。
また、送受信部11は、後述する制御部18の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、または、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
また、送受信部11は、アンプ回路、A/D変換器、加算器等を有し、超音波プローブ1において発生した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換し、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、A/D変換器によって処理された反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。このように、送受信部11は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。
Bモード処理部12は、送受信部11から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理部13は、送受信部11から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
画像生成部14は、Bモード処理部12及びドプラ処理部13が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部14は、Bモード処理部12が生成したBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成部14は、ドプラ処理部13が生成したドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
計測部15は、超音波画像に基づいて、被検体Pに含まれる胎児を複数の計測項目それぞれについて計測して計測値を得る。すなわち、計測部15は、複数の計測項目それぞれの計測値を計測する。例えば、計測部15は、計測項目「CRL(頭殿長)」の計測値、及び、計測項目「NT(胎児頚部浮腫)」の計測値等を計測する。なお、計測部15は、計測項目「NT」の計測値を計測する際に、NT計測用の計測キャリパーを表示させる指示を制御部18に送信する。
画像メモリ16は、画像生成部14が生成した超音波画像を記憶するメモリである。また、画像メモリ16は、Bモード処理部12やドプラ処理部13が生成したデータを記憶することも可能である。
内部記憶部17は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、患者情報や、診断プロトコルや各種ボディーマーク等の各種データを記憶する。ここで、患者情報には、例えば、患者ID、患者の性別、患者の年齢、過去の検査結果、医師の所見等が含まれる。また、内部記憶部17は、必要に応じて、画像メモリ16が記憶する画像の保管等にも使用される。
また、本実施形態に係る内部記憶部17は、被検体Pに関する情報の一例として計測項目情報を記憶する。計測項目情報は、被検体Pごとに、被検体Pが、計測していることが分かると不安になる可能性が高い計測項目が登録された情報である。操作者は、予め、このような計測項目情報を生成し、入力装置3を介して、計測項目情報を内部記憶部17に記憶させる。すなわち、操作者は、被検体Pごとに、計測していることが分かると不安になる可能性が高い計測項目を設定することができる。
制御部18は、情報処理装置(計算機)としての機能を実現する制御プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)であり、超音波診断装置100の処理全体を制御する。具体的には、制御部18は、入力装置3を介して操作者から入力された各種指示や、内部記憶部17から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信部11、Bモード処理部12、ドプラ処理部13、画像生成部14及び計測部15の処理を制御する。例えば、制御部18は、入力装置3から転送された、所定の計測項目(計測項目「CRL」又は計測項目「NT」)の計測値を計測する指示を受信すると、受信した指示にしたがって、所定の計測項目の計測値を計測するように、計測部15を制御する。
また、制御部18は、画像メモリ16が記憶する超音波画像や、内部記憶部17が記憶する各種画像、又は、画像生成部14による処理を行なうためのGUI、画像生成部14の処理結果等を本体モニタ2aにて表示するように制御する。これにより、例えば、超音波画像の動画像が所定のフレームレートで表示される。
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の全体構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る超音波診断装置100は、詳細を以下に説明するように、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
次に、制御部18の機能構成の一例について説明する。図2は、図1に示す制御部18の機能構成の一例を示す図である。図2の例に示すように、制御部18は、判定部18aと、表示制御部18bとを備える。
判定部18aは、被検体Pの検査において、計測部15により計測が開始されると、内部記憶部17に記憶された上述の計測項目情報を参照する。そして、判定部18aは、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれるか否かを判定する。これにより、計測が開始された計測項目を計測していることが分かると、被検体Pが不安になるか否かを判定することができる。
ここで、計測項目情報に、計測項目「NT」が登録されており、計測部15により計測が開始された計測項目が計測項目「NT」である場合について説明する。この場合には、判定部18aは、計測部15により計測が開始された計測項目「NT」が、計測項目情報に含まれると判定する。
また、判定部18aは、計測部15により計測された計測値の中に、所定の計測項目の計測値があるか否かを判定する。ここで、所定の計測項目は、予め操作者によって設定されている。例えば、所定の計測項目とは、計測値が所定の範囲外である場合には、その計測値を被検体Pが確認すると不安になる可能性が高い計測項目である。具体例を挙げて説明すると、所定の計測項目とは、例えば、計測項目「NT」を指す。計測項目「NT」の計測値が所定の範囲外、例えば3mm以上である場合には、被検体Pが、この計測値を確認すると不安になる場合がある。なお、この所定の範囲は、操作者により設定及び変更可能である。
そこで、判定部18aは、計測部15により計測された計測値の中に上述の所定の計測項目の計測値があると判定した場合には、計測部15により計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であるか否かを判定する。
表示制御部18bは、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれると判定部18aにより判定された場合には、互いに異なる表示内容を表示するように、本体モニタ2aと被検体用モニタ2bとを制御する。
また、表示制御部18bは、計測部15により計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であると判定部18aにより判定された場合にも、互いに異なる表示内容を表示するように、本体モニタ2aと被検体用モニタ2bとを制御する。
ここで、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれると判定部18aにより判定された場合に、表示制御部18bが実行する処理の一例について説明する。例えば、表示制御部18bは、超音波画像、計測部15により計測が開始された計測項目の計測キャリパー、及び、計測部15により計測された全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18bは、計測部15により計測された全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値、及び、超音波画像を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。これにより、被検体用モニタ2bには、計測キャリパーが表示されない。この計測キャリパーは、表示されると、この計測キャリパーが用いられた計測が行われていることが被検体Pに分かってしまうような表示オブジェクトである。したがって、被検体Pは、計測キャリパーが表示されないので、この計測キャリパーが用いられた計測が行われていることを把握せずにすむ。したがって、この場合、被検体Pは、不安になる可能性が低い。
図3は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bそれぞれの表示内容の一例を示す図である。なお、ここでは、計測項目情報に計測項目「NT」が含まれており、計測部15により計測が開始された計測項目「NT」が計測項目情報に含まれると判定部18aにより判定された場合について説明する。この場合、表示制御部18bは、超音波画像20、NT計測用の計測キャリパー20a、及び、計測部15により計測された計測項目「CRL」、「NT」の計測値「54.0mm」、「1.46mm」を表示するように本体モニタ2aを制御する。これにより、本体モニタ2aには、図3の(a)に示す表示内容が表示される。
また、表示制御部18bは、超音波画像20、及び、計測部15により計測された計測項目「CRL」の計測値「54.0mm」を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。すなわち、このとき、表示制御部18bは、計測キャリパー20a、及び、計測項目情報に含まれる計測項目「NT」の計測値「1.46mm」を表示しないように被検体モニタ2bを制御する。これにより、被検体用モニタ2bには、図3の(b)に示す表示内容が表示される。このように、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、計測項目情報に含まれない計測項目「CRL」の計測値「54.0mm」が被検体用モニタ2aに表示される。ここで、計測項目情報に含まれない計測項目「CRL」の計測値は、被検体Pが不安にならず、かつ、被検体Pが確認したいような計測項目の計測値である場合がある。
また、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、計測キャリパー20a、及び、計測項目情報に含まれる計測項目「NT」の計測値「1.46mm」が被検体用モニタ2aに表示されない。ここで、計測キャリパー20aは、表示されると、計測項目「NT」について計測していることが被検体Pに分かってしまう表示オブジェクトである。よって、被検体Pは、被検体用モニタ2bの表示内容を確認しても、不安になる可能性が低い。以上のことから、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
なお、図3の例では、領域21は、複数の計測項目の計測値が表示される領域である。図3の例では、複数の計測項目の計測値に加え、妊娠週数(GA)や、検査日(EDD)等も領域21に表示されている。表示制御部18bは、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれると判定部18aにより判定された場合に、領域21の表示内容を表示しないように被検体用モニタ2bを制御することもできる。
次に、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれないと判定部18aにより判定された場合に、表示制御部18bが実行する処理の一例について説明する。例えば、表示制御部18bは、超音波画像、計測部15により計測が開始された計測項目の計測キャリパー、及び、計測部15により計測された全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18bは、計測部15により計測された全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値、超音波画像、及び、計測キャリパーを表示するように被検体用モニタ2bを制御する。このとき、計測キャリパーが被検体用モニタ2bに表示されていても、被検体Pが不安になる可能性が低いと考えられる。そこで、表示制御部18bは、上述したように、計測キャリパーを表示するように被検体モニタ2bを制御する。
図4は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bそれぞれの表示内容の一例を示す図である。なお、ここでは、計測項目情報に計測項目「NT」が含まれておらず、計測部15により計測が開始された計測項目「NT」が計測項目情報に含まれないと判定部18aにより判定された場合について説明する。この場合、表示制御部18bは、超音波画像20、計測キャリパー20a、及び、計測部15により計測された計測項目「CRL」の計測値「54.0mm」を表示するように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。これにより、本体モニタ2aには、図4の(a)に示す表示内容が表示され、被検体用モニタ2bには、図4の(b)に示す表示内容が表示される。なお、この段階では、計測キャリパー20aが設定されただけで、まだ、計測部15によって計測項目「NT」の計測値が計測されていないため、計測項目「NT」の計測値は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bには表示されない。
そして、計測キャリパーが本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bに表示されると、判定部18aにより、上述したように、計測部15により新たに計測された計測値の中に上述の所定の計測項目の計測値があるか否かが判定される。そして、計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値があると判定された場合には、判定部18aにより、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であるか否かが判定される。
ここで、計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値がないと判定部18aにより判定された場合に、表示制御部18bが実行する処理の一例について説明する。例えば、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された計測値を更に表示するように、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。
図5は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bそれぞれの表示内容の一例を示す図である。なお、ここでは、所定の計測項目が計測項目「NT」ではなく、計測部15により新たに計測された計測項目「NT」の計測値の中に、所定の計測項目の計測値がないと判定部18aにより判定された場合について説明する。表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された計測値「1.46mm」を更に表示するように、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。これにより、本体モニタ2aには、図5の(a)に示す表示内容が表示され、被検体用モニタ2bには、図5の(b)に示す表示内容が表示される。
次に、判定部18により、計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値があると判定され、かつ、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外でないと判定された場合に、表示制御部18bが実行する処理の一例について説明する。例えば、この場合に、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値を更に表示するように、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。ここで、所定の計測項目が計測項目「NT」であり、その計測値が「1.46mm」である場合を例に挙げて説明する。この場合には、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された計測項目「NT」の計測値「1.46mm」を更に表示するように、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。これにより、例えば、本体モニタ2aには、先の図5の(a)に示す表示内容が表示され、被検体用モニタ2bには、先の図5の(b)に示す表示内容が表示される。ここで、計測項目「NT」の計測値「1.46mm」が所定の範囲外でないため、この計測値が被検体用モニタ2bに表示されて、被検体Pがこの計測値を確認しても不安になる可能性は低い。したがって、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
次に、判定部18により、計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値があると判定され、かつ、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であると判定された場合に、表示制御部18bが実行する処理の一例について説明する。例えば、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値を更に表示するように、本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の設計項目の計測値を表示しないように、被検体用モニタ2bを制御する。
図6は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bそれぞれの表示内容の一例を示す図である。なお、ここでは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目「NT」の計測値「3.50mm」が、所定の範囲外、すなわち、3mm以上であると判定部18aにより判定された場合について説明する。この場合、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された計測値「3.50mm」を更に表示するように、本体モニタ2aを制御する。これにより、本体モニタ2aには、図6の(a)に示す表示内容が表示される。一方、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された計測値「3.50mm」を表示しないように、被検体用モニタ2bを制御する。これにより、被検体用モニタ2bには、図6の(b)に示す表示内容が表示される。このように、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、計測項目「NT」の計測値「3.50mm」が被検体用モニタ2aに表示されない。ここで、計測項目「NT」の計測値「3.50mm」は、表示されると、被検体Pが不安になる可能性が高い計測値である。よって、被検体Pは、被検体用モニタ2bの表示内容を確認しても、不安になる可能性が低い。したがって、本実施形態に係る超音波診断装置100によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
次に、表示制御部18bが、本体モニタ2aと被検体用モニタ2bとで表示内容を異ならせた場合に実行する処理の一例について説明する。例えば、表示制御部18bは、被検体用モニタ2bの表示内容と異なる本体モニタ2aの表示内容を所定の表示態様で表示するように、本体モニタ2aを制御する。例えば、表示制御部18bは、被検体用モニタ2bの表示内容と異なる本体モニタ2aの表示内容を所定の色で表示するように、本体モニタ2aを制御する。これにより、本体モニタ2aに表示されている表示内容であって、被検体モニタ2bに表示されていない表示内容を操作者に対して容易に把握させることができる。
例えば、図1の例に示す場合では、表示制御部18bは、計測キャリパー20a及び計測項目「NT」の計測値「1.46mm」を赤色で表示するように本体モニタ20aを制御する。また、図6の例に示す場合では、表示制御部18bは、計測項目「NT」の計測値「3.50mm」を赤色で表示するように本体モニタ20aを制御する。
なお、表示制御部18bは、被検体用モニタ2bの表示内容と異なる本体モニタ2aの表示内容を破線で表示することもできる。
図7は、第1の実施形態に係る計測部15、判定部18a及び表示制御部18bが実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。かかる処理は、1枚の超音波画像を本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bに表示させるたびに実行される。
図7に例示するように、超音波プローブ1が操作者により操作されて被検体Pの検査が開始されると、計測部15は、計測を開始する(ステップS101)。そして、判定部18aは、内部記憶部17に記憶された上述の計測項目情報を参照し、参照した内容を基に、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれるか否かを判定する(ステップS102)。
計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれると判定部18aにより判定された場合(ステップS102;Yes)には、次の処理を行う。すなわち、表示制御部18bは、超音波画像、計測部15により計測が開始された計測項目の計測キャリパー、及び、計測部15により計測された全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18bは、計測部15により計測された全ての計測値のうち、所定の範囲外の所定の計測項目の計測値を除いた計測値、及び、超音波画像を表示するように被検体用モニタ2bを制御する(ステップS103)。そして、表示制御部18bは、後述のステップS108に進む。
一方、計測部15により計測が開始された計測項目が、計測項目情報に含まれないと判定部18aにより判定された場合(ステップS102;No)には、次の処理を行う。すなわち、表示制御部18bは、超音波画像、計測部15により計測が開始された計測項目の計測キャリパー、及び、計測部15により計測された全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18bは、計測部15により計測された全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値、超音波画像、及び、計測キャリパーを表示するように被検体用モニタ2bを制御する(ステップS104)。
そして、判定部18aは、計測部15により新たに計測された計測値の中に、ユーザにより設定された上述の所定の計測項目の計測値があるか否かを判定する(ステップS105)。
計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値があると判定した場合(ステップS105;Yes)には、判定部18aは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であるか否かを判定する(ステップS106)。
計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外であると判定部18aにより判定された場合(ステップS106;Yes)には、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値を更に表示するように、本体モニタ2aを制御する。また、この場合には、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値を表示しないように、被検体用モニタ2bを制御する(ステップS107)。
そして、表示制御部18bは、被検体用モニタ2bの表示内容と異なる本体モニタ2aの表示内容を所定の表示態様で表示するように本体モニタ2aを制御し(ステップS108)、処理を終了する。
また、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値が所定の範囲外でないと判定部18aにより判定された場合(ステップS106;No)には、表示制御部18bは、計測部15により新たに計測された所定の計測項目の計測値を更に表示するように、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御し(ステップS109)、処理を終了する。
また、計測部15により新たに計測された計測値の中に所定の計測項目の計測値がないと判定部18aにより判定された場合(ステップS105;No)には、表示制御部18bは、上述のステップS109に進む。
以上、第1の実施形態について説明した。第1の実施形態に係る超音波診断装置100によれば、判定部18aが、被検体Pの超音波画像に基づいて所定の計測項目について計測された計測値が所定の範囲外であるか否か、又は、被検体Pに関する情報が所定の内容であるか否かを判定する。そして、表示制御部18bは、判定部18aにより、計測値が所定の範囲外であると判定された場合、又は、被検体Pに関する情報が所定の内容であると判定された場合に、互いに表示する表示内容が異なるように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2aを制御する。第1の実施形態に係る超音波診断装置100によれば、上述したように、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
また、第1の実施形態に係る表示制御部18bは、計測部15により計測された複数の計測値及び超音波画像を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、複数の計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測項目の計測値を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。このように、第1の実施形態に係る表示制御部18bは、全ての計測値を表示しないように被検体用モニタ2bを制御するのではなく、一部の計測値を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。したがって、被検体Pが確認したい計測項目の計測値が被検体用モニタ2bに表示される場合がある。したがって、第1の実施形態に係る超音波診断装置100によれば、この点においても、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
また、第1の実施形態に係る表示制御部18bは、被検体Pに関する情報の一例である計測項目情報に所定の内容(計測部15により計測が開始された計測項目)が含まれていると判定部18aにより判定された場合には、この所定の内容として設定された計測項目の計測に用いられる計測キャリパーを表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、この計測キャリパーを表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。
なお、ステップS107において、表示制御部18bは、図8の(b)に示すように、領域21の表示内容を全て表示しないように被検体用モニタ2bを制御することもできる。なお、図8の(a)に示す内容は、図6の(a)に示す内容と同一である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る超音波診断装置について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。図9は、第2の実施形態に係る制御部18の機能構成の一例を示す図である。第2の実施形態に係る超音波診断装置は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100と比して、図9の例に示すように、制御部18が、判定部18cと表示制御部18dとを有する点が異なる。
本実施形態では、被検体Pの検査を開始する際に、操作者が、本体モニタ2aに表示された患者登録画面(図示せず)に、入力装置3を介して、被検体Pの各種の情報を入力することにより、被検体Pの患者情報に、各種の情報を登録する。ここで、操作者は、例えば、被検体Pの性別や年齢、過去の検査結果などを入力して、性別や年齢、過去の検査結果などを被検体Pの患者情報に登録する。また、操作者は、過去の検査結果が良好でない場合、例えば、計測項目「FEW(推定体重)」の過去の計測値が非常に小さい場合や計測項目「NT」の過去の計測値が所定の範囲外である場合などには、患者登録画面に入力装置3を介して、「被検体用モニタ2bの表示を遅らせる」旨の内容を入力することにより、被検体Pの患者情報に、「被検体用モニタ2bの表示を遅らせる」旨の内容を登録する。なお、被検体Pの患者情報は、被検体Pに関する情報の一例である。
被検体Pの検査を開始する際に上述したような操作が操作者により行われた後に、判定部18cは、患者情報を参照して、被検体Pが35歳以上の女性であるか否かを判定する。これに加えて、判定部18cは、患者情報を参照して、「被検体用モニタ2bの表示を遅らせる」旨の内容が登録されているか否かを判定する。すなわち、判定部18cは、患者情報に所定の内容(被検体Pが35歳以上の女性、「被検体用モニタ2bの表示を遅らせる」旨の内容)が登録されているか否かを判定する。
表示制御部18dは、超音波画像の動画を表示するように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。これにより、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bは、所定のフレームレートで、超音波画像の動画を表示する。
被検体Pの患者情報に所定の内容が登録されていると判定部18cにより判定された場合に、表示制御部18dが実行する処理の一例について説明する。表示制御部18dは、互いに表示する表示内容が異なるように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御する。例えば、表示制御部18dは、超音波画像を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、本体モニタ2aに超音波画像が表示されてから所定時間、例えば、5秒が経過するまで、この超音波画像を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。なお、計測部15により既に1つ又は複数の計数項目について計測されて計測値が得られている場合には、表示制御部18dは、第1の実施形態と同様に、全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。
表示制御部18dは、動画を構成する複数の超音波画像のうち、ある超音波画像を本体モニタ2aに表示させてから、所定時間が経過するまで、この超音波画像を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。すなわち、表示制御部18dは、ある超音波画像を本体モニタ2aに表示させてから、所定時間が経過すると、この超音波画像を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。このように、表示制御部18dは、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bにおいて超音波画像の動画を表示させるが、本体モニタ2aと被検体用モニタ2bとで所定時間分だけ表示タイミングをずらして、超音波画像の動画を表示させる。
ただし、表示制御部18dは、操作者からの被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示を入力装置3が受け付けて、受け付けた指示が制御部18に転送された場合には、指示を受け付けた際に表示していた表示内容の表示を維持するように被検体用モニタ2bを制御する。この場合の具体例について図10を参照して説明する。
図10は、操作者からの被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示を入力装置3が受け付けた場合に、表示制御部18dが実行する処理の一例を説明するための図である。図10の(a)に示す超音波画像30が本体モニタ2aに表示されると、操作者は、超音波画像30を確認する。そして、操作者は、超音波画像30に含まれる胎児の奇形部分30aを発見すると、このままでは、所定時間後に胎児の奇形部分30aが被検体用モニタ2bに表示されてしまうので、被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示を入力装置3を介して入力する。入力装置3は、被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示を受け付けると、受け付けた指示を制御部18に転送する。
被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示が制御部18に転送されると、表示制御部18dは、この指示を受け付けた際に表示していた超音波画像31の表示を維持するように被検体用モニタ2bを制御する。これにより、図10の(b)に示すように、被検体用モニタ2bには、超音波画像31が表示されたままとなり、奇形部分30aを含む超音波画像30が表示されなくなる。よって、本実施形態に係る超音波診断装置によれば、過去の検査結果が良好でない被検体Pや高齢出産を控えている妊婦である被検体Pが、確認すると不安になるような奇形部分30aを含む超音波画像30を確認しなくてすむ。したがって、本実施形態に係る超音波診断装置によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
なお、表示制御部18dは、超音波画像31の表示を維持するように被検体用モニタ2bを制御するのではなく、被検体用モニタ2bの全表示領域が非表示となるように被検体用モニタ2bを制御したり、被検体Pがリラックスできるような所定の風景画像を表示するように被検体用モニタ2bを制御したりすることもできる。
また、被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示が制御部18に転送されると、表示制御部18dは、本体モニタ2aに対しては次のような制御を行う。すなわち、表示制御部18dは、本体モニタ2aに対しては、表示を停止させることなく、超音波画像の動画を表示させ続ける。
図11は、本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bそれぞれの表示内容の一例を示す図である。そして、図11の例に示すように、表示制御部18dは、本体モニタ2aの全表示領域のうちの所定の表示領域30bに、被検体用モニタ2bの表示内容、例えば、超音波画像31等を表示するように、本体モニタ2aを制御する。これにより、本体モニタ2aの表示内容を操作者に確認させるだけで、被検体用モニタ2bの表示内容を操作者に把握させることが可能になる。
ここで、操作者が、入力装置3を介して、被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示を入力した場合について説明する。この場合、入力装置3は、被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示を受け付けると、受け付けた指示を制御部18に転送する。被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示が制御部18に転送されると、表示制御部18dは、本体モニタ2aに表示されてから所定時間分だけ遅れて超音波画像の動画を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。すなわち、表示制御部18dは、本体モニタ2aから所定時間分だけ遅れて超音波画像の動画を再開するように、被検体用モニタ2bを制御する。
図12は、第2の実施形態に係る判定部18c及び表示制御部18dが実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。かかる処理は、操作者によって、1人の被検体Pの患者情報に各種の情報が登録されるたびに実行される。
図12に例示するように、被検体Pの患者情報への登録が操作者により行われた後に、判定部18cは、患者情報に所定の内容(被検体Pが35歳以上の女性、「被検体用モニタ2bの表示を遅らせる」旨の内容)が登録されているか否かを判定する(ステップS201)。
被検体Pの患者情報に所定の内容が登録されていないと判定部18cにより判定された場合(ステップS201;No)には、表示制御部18dは、超音波画像の動画を表示するように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2bを制御し(ステップS202)、後述のステップS207へ進む。これにより、胎児に奇形が発生する可能性が低い過去の検査結果が良好である被検体P等に対しては、本体モニタ2aと同一の表示タイミングで超音波画像の動画が被検体用モニタ2bで表示される。なお、ステップS202において、計測部15により1つ又は複数の計測値が計測されている場合には、表示制御部18dは、第1の実施形態と同様に、全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。
表示制御部18dは、被検体Pの患者情報に所定の内容が登録されていると判定部18cにより判定された場合(ステップS201;Yes)には、表示制御部18dは、超音波画像の動画を表示するように本体モニタ2aを制御する。これに加えて、表示制御部18dは、本体モニタ2aに超音波画像が表示されてから所定時間、例えば、5秒が経過するまで、この超音波画像を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する(ステップS203)。なお、ステップS203において、計測部15により1つ又は複数の計測値が計測されている場合には、表示制御部18dは、第1の実施形態と同様に、全ての計測値を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、全ての計測値のうち、所定の範囲外である所定の計測項目の計測値を除いた計測値を表示するように被検体用モニタ2bを制御する。
そして、表示制御部18dは、本体モニタ2aの全表示領域のうちの所定の表示領域30bに、被検体用モニタ2bの表示内容、すなわち、超音波画像31等を表示するように、本体モニタ2aを制御する(ステップS204)。
そして、表示制御部18dは、操作者からの被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示が入力装置3から制御部18に転送されたか否かを判定する(ステップS205)。被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示が入力装置3から制御部18に転送されていないと判定した場合(ステップS205;No)には、表示制御部18dは、ステップS203に戻る。
一方、被検体用モニタ2bの動画を停止させる指示が入力装置3から制御部18に転送されたと判定した場合(ステップS205;Yes)には、表示制御部18dは、この指示を受け付けた際に表示していた表示内容の表示を維持するように被検体用モニタ2bを制御する。これに加えて、表示制御部18dは、本体モニタ2aに対しては、表示を停止させることなく、超音波画像の動画を表示させ続ける(ステップS206)。
そして、表示制御部18dは、検査を継続するか否かを判定する(ステップS207)。検査を継続しないと判定した場合(ステップS207;No)には、表示制御部18dは、処理を終了する。一方、検査を継続すると判定した場合(ステップS207;Yes)には、表示制御部18dは、操作者からの被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示が入力装置3から制御部18に転送されたか否かを判定する(ステップS208)。
操作者からの被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示が入力装置3から制御部18に転送されていないと判定した場合(ステップS208;No)には、表示制御部18dは、ステップS206に戻る。一方、操作者からの被検体用モニタ2bの動画を再開させる指示が入力装置3から制御部18に転送されたと判定した場合(ステップS208;Yes)には、表示制御部18dは、ステップS203に戻る。
以上、第2の実施形態に係る超音波診断装置について説明した。第2の実施形態に係る超音波診断装置によれば、判定部18cが、被検体Pに関する情報が所定の内容であるか否かを判定する。そして、表示制御部18dは、判定部18cにより被検体Pに関する情報が所定の内容であると判定された場合に、互いに表示する表示内容が異なるように本体モニタ2a及び被検体用モニタ2aを制御する。第2の実施形態に係る超音波診断装置によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
また、第2の実施形態に係る表示制御部18dは、被検体Pに関する情報が所定の内容であると判定部18cにより判定された場合には、超音波画像を表示するように本体モニタ2aを制御するとともに、本体モニタ2aに超音波画像が表示されてから所定時間が経過するまで、この超音波画像を表示しないように被検体用モニタ2bを制御する。
また、第2の実施形態に係る表示制御部18dは、本体モニタ2aに超音波画像が表示されてから所定時間が経過するまでの間に、入力装置3により指示が受け付けられた場合には、入力装置3により指示が受け付けられた際に表示していた表示内容の表示を維持するように被検体用モニタ2aを制御するか、又は、所定の表示内容、例えば、所定の風景画像を表示するように被検体用モニタ2aを制御する。
なお、第2の実施形態に係る表示制御部18dは、第1の実施形態と同様に、被検体用モニタ2aに表示されている表示内容と異なる表示内容を所定の表示態様で表示するように本体モニタ2aを制御することもできる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態の超音波診断装置によれば、被検体Pが確認する被検体用モニタ2bに適切な表示内容を表示しつつ、検査をスムーズに行うことができる。
なお、第1の実施形態において、第2の実施形態と同様に、表示制御部18bは、本体モニタ2aの全表示領域のうちの所定の表示領域に、被検体用モニタ2bの表示内容を表示するように、本体モニタ2aを制御することもできる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、表示制御部18b,18dは、検査中に操作者によって、被検体Pの過去の検査結果が記載されたワークシートが起動された場合には、被検体Pの過去の検査結果を表示するように本体モニタ2aを制御するが、被検体Pの過去の検査結果を表示しないように被検体用モニタ2bを制御することもできる。これにより、過去の検査結果に含まれる被検体Pを不安にさせる可能性が高い計測項目の計測値を、被検体Pに把握させなくてすむ。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、表示制御部18b,18dは、検査中に操作者によって、他の被検体の類似の検査結果を表示する指示が入力装置3を介して入力された場合には、他の被検体の類似の検査結果を表示するように本体モニタ2aを制御するが、他の被検体の類似の検査結果を表示しないように被検体用モニタ2bを制御することもできる。これにより、他の被検体の検査結果を被検体Pに把握させなくてすむ。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。