JP2016066084A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可撓性ベルト部材の非通紙部の昇温防止を長期間安定的に行なうことができ、高温オフセットや光沢ムラを防止する画像加熱装置の提供。【解決手段】可撓性ベルト部材、加圧ローラ32の内、少なくとも可撓性ベルト部材であるフィルム33に関し、記録材の搬送方向と交差する方向の非通紙部を冷却するために送風する送風手段である冷却ファン41と、可撓性ベルト部材の使用履歴に応じて、可撓性ベルト部材の厚みが小さくなる程、送風量を大きくするように、送風手段を制御する制御手段と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式や静電記録方式等を採用した画像形成装置に用いられる画像加熱装置に関する。この画像加熱装置としては、例えば、記録材上の未定着画像を定着する定着装置や、記録材に定着された画像を加熱することにより画像の光沢を増大させる光沢増大化装置等を挙げることができる。
電子写真方式を用いたプリンタや複写機等の画像形成装置では、未定着トナー像を記録材に定着する定着方式として、定着性の良さ等から、未定着トナー像を加熱、溶融して記録材に定着させる熱定着方式が一般に用いられている。近年では、クイックスタートや省エネルギーの観点からフィルム加熱方式の定着装置が実用化されている。
フィルム加熱方式の定着装置は、加熱体としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(以下、定着フィルムと記す)を挟ませて定着ニップ部を形成させる。そして、定着ニップ部の定着フィルムと加圧ローラとの間に未定着トナー画像を形成担持させた記録材を導入して、定着フィルムと一緒に挟持搬送させる。これにより、定着フィルムを介してセラミックヒータの熱を与えながら定着ニップ部の加圧力で、未定着トナー画像を記録材面に定着させるものである。
このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及びフィルムに低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができ、画像形成実行時のみ熱源のセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させればよい。そのため、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
このようなフィルム加熱方式の定着装置では、従来フィードバック方式の電力制御が行われている。例えばセラミックヒータの裏面に接着等されて設けられた温度検出手段で検出された温度により、ヒータに印加する電力量を比例制御等の方法により制御し、ヒータの温度を一定温度に保つような制御を行っている。
ここで、フィルム加熱方式の定着装置において、最大通紙幅の記録材(以下、最大サイズ紙と記す)よりも幅の小さい記録材(以下、小サイズ紙と記す)の連続通紙時の非通紙部昇温という問題が知られている。即ち、最大サイズ紙を通紙して定着する場合は、加熱部材表面は定着領域全長域に渡って略均一な温度分布となるが、小サイズ紙を連続通紙して定着した場合に、定着フィルムの非通紙域表面の温度が過度に上昇する。これは、小サイズ紙を連続的に通紙すると、記録材の通過しない非通紙域で記録材による奪熱が無い分だけ、部分的に蓄熱されるためである。
小サイズ紙の連続通紙による非通紙部昇温が生じると、次のジョブで最大サイズ紙を含め、より大きなサイズ紙で通紙する際、非通紙域が定着上限温度を越えている場合に、高温オフセットが生じる。また、非通紙域の長手方向に温度ムラがあると、画像に光沢ムラが生じる。そして、非通紙部昇温は、記録材による奪熱が増加する条件で大きくなり、例えば単位時間あたりの処理枚数(生産性)が大きい場合、または記録材の単位面積あたりの重量が大きい場合などが該当する。
このような非通紙部昇温を抑制するために、冷却ファンで非通紙部に対し送風することが知られる。特許文献1では、定着部材表面の非通紙部の温度に応じてファンをONOFF制御し、特許文献2では、定着部材表面の非通紙部の温度に応じてファンの送風域を制御している。
特開昭60−136779号公報 特開2002−287564号公報
従来の画像加熱装置においては、回転可能なベルト部材の使用履歴に応じて、ベルト部材の厚みが小さくなることへの配慮がなされておらず、非通紙部の昇温抑制を長期間安定的に行うことが難しかった。
本発明の目的は、回転可能なベルト部材の使用履歴に応じて、非通紙部の昇温抑制を行うことで、非通紙部の昇温抑制を長期間安定的に行なうことが可能で、高温オフセットや光沢ムラを抑制することができる画像加熱装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、加熱源によって加熱される回転可能なベルト部材と、前記ベルト部材の内周面と接触するバックアップ部材と、前記ベルト部材の外周面と接触する加圧部材と、を有し、前記ベルト部材と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持搬送して前記画像を加熱する画像加熱装置であって、前記ベルト部材、前記加圧部材の少なくとも一方に対し、前記記録材の搬送方向と交差する方向の非通紙部を冷却するために送風する送風手段と、前記ベルト部材の使用履歴に応じて、前記ベルト部材の厚みが小さくなる程、送風量を大きくするように、前記送風手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、回転可能なベルト部材の使用履歴に応じて、非通紙部の昇温抑制を行うことで、非通紙部の昇温抑制を長期間安定的に行なうことが可能で、高温オフセットや光沢ムラを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る画像加熱装置を搭載したカラー画像形成装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の定着機構部の正面模式図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の定着機構部の縦断正面模式図である。 定着フィルムの層構成模式図である。 ヒータの横断面模式図と制御系統のブロック図である。 送風冷却機構部の外観斜視模式図である。 図7の(8)−(8)線に沿う拡大断面図である。 シャッタが送風口を閉ざした全閉位置に移動した状態図である。 シャッタが送風口を非通紙部に対応する部分だけ開いた位置に移動した状態図である。 定着フィルムの厚み減少分ΔDとフィルム温度の表裏差ΔTの関係を表すグラフである。 定着ニップを通過した記録材の枚数NとΔDの関係を表すグラフである。 定着フィルム裏面温度が230℃の場合の、冷却ファンの風速Fと定着フィルム表面温度の関係を表すグラフである。 冷却ファンの風速Fと駆動モータM2の回転数Nmとの関係を表すグラフである。 NmをΔDに応じてどのように変化させるかを表すグラフである。 第1の実施形態の制御のフローチャートである。 定着装置寿命末期において、大サイズ紙を通紙する直前の非通紙域近辺における定着フィルム表面の温度を表したグラフである。 冷却ファンのシャッタ開口幅AをΔAだけ通紙域側に広げたときの定着フィルム33表面の温度を表すグラフである。 ΔAをΔDに応じてどのように変化させるかを表すグラフである。 第2の実施形態の制御のフローチャートである。 冷却ファンの駆動温度Tfan−on、停止温度Tfan−offをそれぞれ−ΔTf、+ΔTfだけ変化させたときの定着フィルム表面の温度を表すグラフである。 ΔTfをΔDに応じてどのように変化させるかを表すグラフである。 第3の実施形態の制御のフローチャートである。 第4の実施形態に係る定着装置の構成図である。
《第1の実施形態》
(画像形成装置)
図2は本発明の実施形態に係る画像加熱装置を搭載した画像形成装置の一例の全体構成模型図である。この画像形成装置は、制御回路部(制御手段)100と通信可能に接続した外部ホスト装置200からの入力画像情報に応じて作像動作して、記録材上にフルカラー画像を形成して出力することができる。外部ホスト装置200は、コンピュータ、イメージリーダー等である。制御回路部100は、外部ホスト装置200と信号の授受をする。また各種作像機器と信号の授受をし、作像シーケンス制御を司る。
8は無端状でフレキシブルな中間転写ベルト(以下、ベルトと略記する)であり、二次転写対向ローラ9とテンションロ−ラ10との間に張架されていて、二次転写対向ローラ9が駆動されることにより矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。11は二次転写ローラであり、上記の二次転写対向ローラ9に対してベルト8を介して圧接させてある。ベルト8と二次転写ローラ11との当接部が二次転写部である。
1Y・1M・1C・1Bkは第1〜第4の4つの画像形成部であり、ベルト8の下側においてベルト移動方向に沿って所定の間隔をおいて一列に配置されている。各画像形成部はレーザ露光方式の電子写真プロセス機構であり、それぞれ、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、ドラムと略記する)2を有する。
各ドラム2の周囲には、一次帯電器3、現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、ドラムクリーナ装置6が配置されている。各転写ローラ5はベルト8の内側に配置してあり、ベルト8の下行き側ベルト部分を介して対応するドラム2に対して圧接させてある。各ドラム2とベルト8との当接部が一次転写部である。7は各画像形成部のドラム2に対するレーザ露光装置であり、与えられる画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応した発光を行うレーザ発光手段、ポリゴンミラー、反射ミラー等で構成されている。
制御回路部100は、外部ホスト装置200から入力されたカラー色分解画像信号に基づいて、各画像形成部を作像動作させる。これにより、第1〜第4の画像形成部1Y・1M・1C・1Bkにおいて、それぞれ回転するドラム2の面に対して所定の制御タイミングで、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色トナー像が形成される。なお、ドラム2にトナー像を形成する電子写真作像原理・プロセスはよく知られているので説明を省略する。
各画像形成部のドラム2の面に形成される上記のトナー像はそれぞれ一次転写部にて、各ドラム2の回転方向と順方向に、かつ各ドラム2の回転速度に対応した速度で回転駆動されているベルト8の外面に対して順次に重畳転写される。これにより、ベルト8の面にこれら4つのトナー像の重ね合わせによる未定着のフルカラートナー像が合成形成される。
一方、所定の給送タイミングにて、それぞれ大小各種幅サイズの記録材Pを積載収容させた上下多段のカセット給送部13A・13B・13Cのうちの、選択された段位の給送カセットの給送ローラ14が駆動される。これにより、その段位の給送カセットに積載収納されている記録材Pが1枚分離給送され、縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。手差し給送が選択されているときには、給送ローラ18が駆動される。これにより、手差しトレイ(マルチ・パーパス・トレイ)17上に積載セットされている記録材が1枚分離給送されて、縦搬送パス15を通ってレジストローラ16に搬送される。
レジストローラ16は、回転するベルト8上のフルカラートナー像の先端が二次転写部に到達するタイミングに合わせて、記録材Pの先端部が二次転写部に到達するように記録材Pをタイミング搬送する。これにより、二次転写部において、ベルト8上のフルカラーのトナー像が一括して記録材Pの面に順次に二次転写されていく。二次転写部を出た記録材は、ベルト8の面から分離され、縦ガイド19に案内されて、定着装置(定着器)20に導入される。
この定着装置20により、上記の複数色のトナー像が溶融混色されて記録材表面に固着像として定着される。定着装置20を出た記録材はフルカラー画像形成物として搬送パス21を通って排出ローラ22により排出トレイ23上に送り出される。二次転写部にて記録材分離後のベルト8の面はベルトクリーニング装置12により二次転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に供される。
(画像加熱装置)
次に本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置20について説明する。なお、以下の説明において、定着装置またはこれを構成している部材について、長手方向とは記録材搬送路面内において記録材搬送方向に直交する方向に平行な方向である。定着装置に関して、正面とは記録材導入側の面、左右とは装置を正面から見て左または右である。記録材の幅とは、記録材面において記録材搬送方向に直交する方向の記録材寸法である。
図1は定着装置20の概略構成を示す横断面模式図である。この定着装置20は、大別して、フィルム(ベルト)加熱方式の定着機構部20Aと、送風冷却機構部20Bとからなる。図3は定着機構部20Aの正面模式図、図4はその縦断正面模式図である。
1)定着機構部
まず、定着機構部20Aの概略を説明する。定着機構部20Aはフィルム加熱方式・加圧回転体駆動方式(テンションレスタイプ)のオンデマンド定着装置である。31は第1の定着部材(加熱部材)としてのフィルムアセンブリ、32は第2の定着部材(加圧部材)としての弾性の加圧ローラであり、両者の圧接により定着ニップ(通紙ニップ)部を形成させている。定着ニップ部には、トナー画像を担持した記録材が挟持搬送され、トナー画像が加熱されて固着画像を得る。
フィルムアセンブリ31において、回転可能なベルト部材として、33は画像加熱部材としての円筒状で可撓性を有する定着フィルムである。34は、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するフィルムガイド部材(以下、ガイド部材と略記する)である。35は、加熱源としてのセラミックヒータ(以下、ヒータと略記する)であり、ガイド部材34の外面に、該部材の長手に沿って設けた凹溝部に嵌め入れて固定して配設してある。
フィルム33は、ヒータ35を取り付けたガイド部材34に対してルーズに外嵌させてある。36は横断面コ字型の剛性加圧ステイ(以下、ステイと略記する)であり、ガイド部材34の内側に配設してある。37はステイ36の左右両端部の外方突出腕部36aにそれぞれ嵌着した端部ホルダ、37aはこの端部ホルダ37と一体のフランジ部である。これらは、可撓性ベルト部材としてのフィルム33の内周面と接触するバックアップ部材として機能する。
可撓性ベルト部材としてのフィルム33の外周面と接触して回転する加圧ローラ32は、芯金32aに、シリコーンゴム等の弾性層32bを設けて硬度を下げたものである。表面性を向上させるために、更に外周に、以下のフッ素樹脂層32cを設けてもよい。即ち、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂)等である。加圧ローラ32は加圧回転部材として、芯金32aの両端部を装置シャーシ(不図示)の左右の側板間に軸受部材を介して回転自由に軸受保持させて配設してある。
上記の加圧ローラ32に対して、フィルムアセンブリ31を、ヒータ35側を対向させて並行に配列し、図3および図4に示すように、左右の端部ホルダ37と左右の固定のばね受け部材39との間に加圧ばね40を縮設してある。これにより、ステイ36、ガイド部材34、ヒータ35が加圧ローラ32側に押圧付勢される。その押圧付勢力を所定の値に設定し、ヒータ35をフィルム33を挟んで加圧ローラ32に対して弾性層32bの弾性に抗して圧接させ、フィルム33と加圧ローラ32との間に記録材搬送方向において所定幅の定着ニップ部Nを形成させている。
本実施形態におけるフィルム33は、図5の層構成模式図のように、内面側から外面側に順に、基層33a、弾性層33b、離型層33cの3層複合構造である。基層33aは、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは50μm以下で20μm以上の耐熱性フィルムを使用できる。例えば、ポリイミド、ポリイミドアミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PES(ポリエーテルサンホン)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PTFE、PFA、FEP等のフィルム、または、SUS、Ni等の金属製のスリーブを使用できる。
本実施形態では、直径30mmの円筒状SUSスリーブを用いた。また、弾性層33bにゴム硬度が10度(JIS−A)、熱伝導率が1.0W/m・K、厚さが300μmのシリコーンゴムを用い、離型層33cに厚さ30μmのPFAチューブ層を用いた。
本実施形態におけるヒータ35は、ヒータ基板としてチッ化アルミニウム等を用いた裏面加熱タイプのものであり、フィルム33・記録材Pの移動方向に交差する方向を長手とする低熱容量の横長の線状加熱体である。図6は、そのヒータ35の横断面模式図と制御系統図である。ヒータ35はチッ化アルミニウム等でできたヒータ基板35aを有する。ヒータ基板35aの裏面側(定着フィルム対向面側とは反対面側)には長手に沿って設けた、例えばAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気抵抗材料を約10μm、幅が1〜5mmにスクリーン印刷等により塗工して設けた発熱体H1およびH2を有する。
更に、その上に設けたガラスやフッ素樹脂等の保護層35cを有する。本実施形態においては、ヒータ基板35aの表面側(フィルム対向面側)に、摺動部材(潤滑部材)35dを設けている。ヒータ35は、ガイド部材34の外面の略中央部にガイド長手に沿って形成具備させた溝部に、摺動部材35dを設けたヒータ基板表面側を露呈させて嵌入して固定支持させてある。定着ニップ部では、このヒータ35の摺動部材35dの面とフィルム33の内面が相互接触摺動する。そして、回転する画像加熱部材であるフィルム33が、ヒータ35により加熱される。
ヒータ35の発熱体H1およびH2の長手両端間に通電されることで、発熱体H1およびH2が発熱してヒータ35がヒータ長手方向の有効発熱領域幅Sの全域において急速に昇温する。そのヒータ温度が保護層35cの外面に接触させて配設した、サーミスタ等の第1の温度センサ(第1の温度検知手段、中央部温度センサ)TH1により検出され、その出力(温度に関する信号値)がA/Dコンバータを介して制御回路部100に入力する。
制御回路部100は、その入力する検出温度情報に基づいて、ヒータ温度を所定の温度に維持するように電源(電力供給部、ヒータ駆動回路部)101から発熱体H1およびH2に対する通電を発熱体ごとに独立して制御する。即ち、ヒータ35で加熱される画像加熱部材であるフィルム33の温度が、第1の温度センサTH1の出力に応じて所定の定着温度に温調制御される。
加圧ローラ32は、モータ(駆動手段)M1により矢示の時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ32の回転駆動による加圧ローラ32とフィルム33の外面との定着ニップ部における摩擦力で、フィルム33に回転力が作用する。これにより、フィルム33が、その内面が定着ニップ部においてヒータ35に密着して摺動しながら、矢示の反時計方向にガイド部材34の外回りを回転する(加圧ローラ駆動方式)。
フィルム33は、加圧ローラ32の回転周速度にほぼ対応した周速度をもって回転する。左右のフランジ部37aは、回転するフィルム33がガイド部材34の長手に沿って左方または右方に寄り移動したとき、寄り移動側のベルト端部を受け止めて、寄り移動を規制する役目をする。定着ニップ部におけるヒータ35とフィルム33の内面との相互摺動摩擦力を低減させるために、定着ニップ部のヒータ面に摺動部材35dを配設し、フィルム33の内面との間に耐熱性グリスなどの潤滑剤を介在させる。
そして、プリントスタート信号に基づいて、加圧ローラ32の回転が開始され、またヒータ35のヒートアップが開始される。ヒータ35の温度が所定に立ち上がった状態において、定着ニップ部にトナー画像tを担持させた記録材Pが、トナー画像担持面側をフィルム33側にして導入される。記録材Pは、定着ニップ部においてフィルム33を介してヒータ35に密着して、定着ニップ部をフィルム33と一緒に移動通過していく。
その移動通過過程において、ヒータ35で加熱されるフィルム33により、記録材Pに熱が付与されてトナー画像tが記録材P面に加熱定着される。定着ニップ部を通過した記録材Pは、フィルム33の面から分離されて排出搬送される。
本実施形態では、記録材Pの搬送は、記録材中心のいわゆる中央基準搬送で行なわれる。即ち、装置に通紙使用可能な大小いかなる幅の記録材も、記録材の幅方向中央部がフィルム33の長手方向中央部を通過することになる。Sはその記録材中央通紙基準線(仮想線)である。
W1は、装置に通紙可能な最大幅記録材の通紙幅(最大通紙幅)である。本実施形態において、この最大通紙幅W1はA4サイズ幅297mmである。ヒータ長手方向の有効発熱領域幅Aはこの最大通紙幅W1よりも少し大きくしてある。W3は装置に通紙可能な最小幅記録材の通紙幅(最小通紙幅)である。本実施形態において、この最小通紙幅W3はA4縦サイズ幅210mm(A4縦送り)である。W2は上記の最大幅記録材と最小幅記録材の間の幅の記録材の通紙幅である。本実施形態において、通紙幅W2はB4サイズ幅257mm(B4縦送り)を示した。
以下、最大通紙幅W1に対応する幅の記録材を最大サイズ記録材、この記録材よりも幅の小さい記録材を小サイズ記録材と記す。aは最大通紙幅W1と通紙幅W2との差幅部((W1−W2)/2)、bは最大通紙幅W1と最小通紙幅W3との差幅部((W1−W3)/2)であり、それぞれ小サイズ記録材であるB4またはA4縦送りの記録材を通紙したときに生じる非通紙部である。本実施形態においては、記録材通紙が中央基準であるから、非通紙部aとbはそれぞれ通紙幅W2の左右両側部、最小通紙幅W3の左右両側部に生じる。この非通紙部の幅は、通紙使用される小サイズ記録材の幅の大小により種々異なる。
第1の温度センサTH1は、最小通紙幅W3に対応する領域のヒータ温度(通紙部温度)を検出するように配設してある。TH2はサーミスタ等の第2の温度センサ(第2の温度検出手段、端部温度センサ)であり、非通紙部の温度を検出する。その出力(温度に関する信号値)が、A/Dコンバータを介して制御回路部100に入力する。本実施形態においては、この温度センサTH2は非通紙部aに対応するフィルム部分の基層内面に弾性的に接触させて配設してある。
具体的には、この温度センサTH2は、ガイド部材34に基部が固定される板ばね形状の弾性支持部材38の自由端に配置されている。そして、この温度センサTH2を、弾性支持部材38の弾性によりフィルム33の基層33aの内面に弾性的に当接させて、非通紙部aに対応するフィルム部分の温度を検出させている。
なお、第1の温度センサTH1は、最小通紙幅W3に対応するフィルム部分の基層内面に弾性的に接触させて配設してもよい。逆に、第2の温度センサTH2は、非通紙部aに対応するヒータ温度を検出するように配設してもよい。以降、本実施形態では、第1の温度センサTH1は、最小通紙幅W3に対応する領域のヒータ温度を検出するように配設し、第2の温度センサTH2は非通紙部のフィルム部分の基層内面に弾性的に接触させて配設するものとする。
2)送風冷却機構部
図1で、送風冷却機構部20Bは、小サイズ記録材を連続通紙(小サイズジョブ)した際に生じるフィルム33の非通紙部の昇温を、送風により冷却する冷却手段である。図7は、この送風冷却機構部20Bの外観斜視模式図である。図8は図7の(8)−(8)線に沿う拡大断面図である。図1、図7、図8を参照して、本実施形態における送風冷却機構部20Bを説明する。送風冷却機構部20Bは、送風手段である冷却ファン(以下、ファンと略記する)41を有する。
また、このファン41で生じる風を導く送風ダクト(送風遮蔽体)42と、この送風ダクト42の定着機構部20Aに対向する部分に配置された送風口(開口部)43を有する。また、この送風口43を開閉し、通紙される記録材の幅に適した開口幅(送風領域幅)に調整するシャッタ44と、このシャッタを駆動するシャッタ駆動装置(開口幅調節手段)45を有する。
中央基準搬送の場合、ファン41、送風ダクト42、送風口43、シャッタ44は、フィルム33の長手方向左右部に対称に配置されている。49は、ファン41の吸気側に配設した吸気チャンネル部である。ファン41には、シロッコファン等の遠心ファンを使用することが可能である。即ち、ファン41は、フィルム33のうち、記録材の搬送方向と直交する長手方向の一部分を送風により冷却する。ファン41は、モータM3(不図示)によって回転駆動し、ファン41の風量はその回転数及び回転時間とシャッタ開口幅によって決まる。
左右のシャッタ44は、送風口43を形成した、左右方向に延びている支持板46の板面に沿って、左右方向にスライド移動可能に支持させてある。この左右のシャッタ44をラック歯47とピニオンギア48により連絡させ、ピニオンギア48をモータ(パルスモータ)M2で正転または逆転駆動する。これにより、左右のシャッタ44を連動してそれぞれに対応する送風口43に対して、左右対称の関係で開閉動するようにしてある。上記の支持板46、ラック歯47、ピニオンギア48、モータM2によりシャッタ駆動装置45が構成されている。
左右の送風口43は、最小幅記録材を通紙したときに生じる非通紙部bよりも僅かに中央寄りの位置から最大通紙幅W1にかけて設けられている。左右のシャッタ44は支持板46の長手中央から外に向けて送風口43を所定量だけ閉める向きに配置されている。
制御回路部100には、ユーザによる使用記録材サイズの入力や、給送カセット13や手差しトレイ17の記録材幅自動検出機構(不図示)といった情報に基づき通紙される記録材幅W(図6に示す)がインプットされる。そして、制御回路部100は、その情報に基づき、シャッタ駆動装置45を制御する。すなわち、モータM2を駆動してピニオンギア48を回転させ、ラック歯47によりシャッタ44を移動することで送風口43を所定量A(不図示)だけ開くことができる。
制御回路部100は、記録材の幅情報がA4サイズ幅の大サイズ記録材であるときは、シャッタ駆動装置45を制御して、図9のように、シャッタ44を送風口43を閉ざした全閉位置に移動する。また、A4縦送りサイズ幅の小サイズ記録材であるときは、図10
のように、シャッタ44を送風口43を非通紙部bに対応する部分まで開いた移動する。また、B4サイズ幅の小サイズ記録材であるときは、シャッタ44を、非通紙部aに対応する部分だけ送風口43を開いた位置に移動する。
なお、通紙される小サイズ記録材がLTR縦送り、EXE、K8、LTR等である場合には、制御回路部100は、それらの場合に生じる非通紙部に対応する分だけ送風口を開いた位置にシャッタ44を移動する。即ち、シャッタ44は送風口43の開口幅(送風幅)を記録材の幅に応じて調整可能である。ここで、本実施形態における最小、最大および全シートサイズとは,画像形成装置本体が保証する定型紙のことであり、ユーザが独自に使用する不定形サイズ紙ではない。
シャッタ44の位置情報は、シャッタ44の所定位置に配置されたフラグ50を支持板46上に配置されたセンサ51により検出する。具体的には、図9のように、送風口43を全閉したシャッタ位置でホームポジションを定め、開口量はモータM2の回転量から検出している。
(送風制御)
本実施形態においては、小サイズ紙の非通紙部のフィルム膜厚に基づいて、ファンの送風量の制御を行う。図11に本実施形態における、フィルム33の長手方向領域のある領域において摩耗して薄くなった厚み減少分ΔDとフィルム33のその領域における温度の表裏差ΔTの関係を示す。フィルム33の厚み減少分ΔDが大きくなれば、フィルム温度の表裏差ΔTは小さくなる。例えば、フィルム表面が5μm薄くなると、フィルム温度の表裏差は5℃低下する。このように、フィルムが摩耗すると、ヒータ裏の温度センサTH1に基づいて同じ制御温度で制御していても、フィルム33表面の温度は高くなることが分かる。
図12は、定着ニップを通過した記録材の枚数Nと厚み減少分ΔDの関係を表したグラフである。100k枚の通紙を行うと、厚み減少分ΔDは8μmとなることが分かる。よって定着ニップを通過した記録材の積算枚数Nを計測すれば、フィルムの摩耗度合を予測することができる。本実施形態では、定着ニップを通過した最大サイズ記録材の枚数Nから、摩耗して薄くなったフィルム33の小サイズ非通紙域の膜厚減少分ΔDを算出して、フィルム33の表面温度を予測する。
例えば、本実施形態における定着装置の寿命を記録材100k枚分と仮定すると、最大通紙幅の記録材ばかり100k枚通紙した後の定着装置においては、耐久初期に比べて小サイズ通紙時のフィルム表面の非通紙部温度が5℃上昇することになる。よって、ファンの制御が耐久を通して変化しなければ、小サイズ紙の非通紙部昇温を冷却ファンが抑えきれず、次のジョブで大サイズ紙を通紙する時に高温オフセットが発生してしまう可能性がある。
このような耐久末期におけるフィルム表面の非通紙部温度の上昇を抑制するには、非通紙部を冷却する際の冷却ファンの風速Fをそれぞれ膜厚減少分ΔDに応じて大きくさせればよい。図13は、フィルム裏面温度が230℃の場合の冷却ファンの風速Fとフィルム表面温度の関係を表したグラフである。ファンの風速Fを2m/s大きくすると、フィルム表面温度は5℃下がることが分かる。風速Fを変化させるために、冷却ファンは駆動モータM3の回転数Nmを変える機能を有する。
図14は、冷却ファンの風速Fと駆動モータM3の回転数Nmとの関係を表したグラフである。モータ回転数Nmとファンの風量Fは、比例関係にある。ファンの風力を2m/s増加させるためには、モータ回転数Nmを1000rpm増加させる必要がある。
図15は、モータ回転数Nmを膜厚減少分ΔDに応じてどのように変化させるかを表したものである。膜厚減少分ΔDが1μm増えるごとに、モータ回転数Nmを200rpmだけ増加させる。これにより、画像加熱装置の耐久末期(100k枚)に、フィルム33の離形層33Cが5μm薄くなった状態では冷却ファンのモータ回転数Nmが耐久初期に比べて1000回転分上昇し、冷却ファンの風速Fが2m/s上昇する。結果として、耐久末期のフィルム33表面の小サイズ非通紙部の温度上昇5℃分が打ち消されて、フィルム表面の非通紙部昇温が耐久初期並に回復する。
耐久初期と耐久末期の中間においては、冷却ファンのモータ回転数Nmは、そのときに算出された膜厚減少分ΔDから決定する。このように、可撓性ベルト部材の使用履歴に応じて、可撓性ベルト部材の厚みが小さくなる程、送風量を大きくするように、送風手段としての冷却ファンが制御回路部100で制御される。本実施形態で、使用履歴は記録材の積算通紙枚数とされる。最大サイズ紙の積算通紙枚数が50k枚のときは、膜厚減少分ΔDが2.5μmとなり、小サイズ非通紙部の温度はΔT=2.5℃分上昇するため、モータ回転数Nmを耐久初期に比べて500rpm上昇させれば、2.5℃の上昇分を打ち消すことができる。
なお、積算通紙枚数は、記録材の搬送方向と交差する方向の領域を複数分割した時の、複数分割された領域のうち少なくとも1つの領域での記録材の積算通紙枚数とすることもできる。
(フローチャート)
図16は本実施形態における制御を示すフローチャートである。S101では、外部ホスト200からプリントスタート信号を受信し、プリント動作を開始する。S102では、ヒータ35への通電を行い、定着装置の温度立ち上げを開始する。S103では、定着装置が所定の温度に到達すると第一の温度センサTH1の温度が所定の定着温度となるように温度制御及びプリント動作を開始する。S104では、記録材幅Wに基づいてシャッタ44の開口幅Aを決定する。
S105では、最大サイズ記録材の積算通紙枚数Nからフィルム膜厚減少分ΔDを算出し、その値に応じてファンのモータ回転数Nmを求める。これらの計算は、図12、図15のグラフに基づいて行う。S106では、その後プリントを継続しない場合には、S113に進む。一方、プリントを継続する場合には、S107に進む。
S107では、プリント中に第2の温度センサTH2の検出温度Tsubが所定温度(ファン駆動温度Tfan−on)を超える場合は、制御回路部100が送風手段を作動させるようにS108に進む。一方、Tsubが所定温度(ファン駆動温度Tfan−on)を超えない場合は、S106に進み、送風手段を作動させない(ファンを駆動しない)でプリントを継続する。S108では、S104で決定した開口幅Aでシャッタ44を開口する。S109では、モータ回転数Nmでファンを駆動する。S110では、その後プリントを継続しない場合には、S112に進む。一方、プリントを継続する場合には、S113に進む。
S111では、第2の温度センサTH2の検出温度Tsubがファン停止温度Tfan−off以下になると、S112へ進む。一方、Tsubがファン駆動温度Tfan−off以下にならない場合は、S110に進み、ファンを駆動しながらプリントを継続する。S112ではファンの駆動を停止する。S113ではプリント動作を終了する。
(本実施形態における効果)
図17は最大サイズ記録材の通紙枚数100kの定着装置寿命末期において、定着フィルム33表面の温度をグラフ化したものである。即ち、ファンによる冷却風を非通紙部に吹かせながらA4、B4、A4縦送りを通紙してから所定の時間が経過した後、次に大サイズ紙を通紙する直前の非通紙域近辺における定着フィルム33表面の温度をグラフ化したものである。
図17(a)は、冷却ファンのモータの回転数をフィルム33の膜厚が薄くなるにつれて増加させた場合である。非通紙部フィルム表面の温度が高温オフセット発生温度を超えておらず、非通紙部昇温はファンの冷却効果によって十分抑えられていることが分かる。図17(b)は、冷却ファンのモータの回転数をフィルム33の膜厚に応じて変えなかった場合である。非通紙部フィルム表面の温度が高温オフセット発生温度をわずかに超えており、次に大サイズ紙を通紙したときに高温オフセットを生じてしまう。
以上のように本実施形態によれば、非通紙部の冷却動作を行う画像加熱装置において、加熱部材の高温オフセット発生温度以下に非通紙域の温度を冷却することができ、高温オフセットや光沢ムラを防止することができる。
(比較例)
端部冷却ファンの送風量をコントロールする方法として、特許文献1にあるように、定着部材表面の非通紙部の温度に応じてファンをONOFF制御する方法がある。また特許文献2にあるように、定着部材表面の非通紙部の温度に応じてファンの送風域を制御する方法もある。これらの方法を用いれば、耐久を通じて定着部材の非通紙部昇温を抑えることは可能である。ただし、これらのように定着部材表面の温度を赤外センサ等を用いてモニタするような構成を採る場合、このようなセンサは取り付けにスペースを要し、それ自体高価であるため、装置の大型化とコストの上昇を伴ってしまう。
そのため、定着フィルム33の表面の温度をモニタできる温度検知手段の替わりに、フィルム33内面(裏面)もしくはヒータ裏面に当接された温度検知手段を持つ構成が考えられる。そして、本実施形態と異なり、フィルム33内面もしくはヒータ裏面の温度に応じてファンの送風量を変化させる場合、フィルム33表面の非通紙部昇温は十分に抑制されない可能性がある。フィルム加熱方式においては、画像加熱装置の耐久によりフィルム33が摺擦することによって、フィルム33の温度の表裏差が変化する可能性があるからである。
《第2の実施形態》
本実施形態は第1の実施形態とは、定着装置の耐久が進むに連れてファンの回転数を増加させるのではなく、ファンの開口幅(送風領域幅)を広げるように変化させるという点で異なる。本実施形態では、実施形態1の画像形成装置と同じ部材・部分に同一の符号を付して再度の説明を省略する。図18は、定着装置寿命末期において、冷却ファンのシャッタ開口幅AをΔAだけ通紙域側に広げて、B4サイズ紙を通紙したときの非通紙域近辺における定着フィルム33表面の温度をグラフ化したものである。実線はΔA=0の温度曲線、点線はΔA>0(後述するΔDによって決まる所定の値)の温度曲線を示している。
ΔA=0のときは、非通紙部の温度が高温オフセット発生温度をわずかに超えており、冷却ファンの効果が十分ではないことが分かる。ΔA>0のときは、開口幅をΔAだけずらした瞬間に、通紙域の最低温度Tminが下がるため、非通紙域のピーク温度TmaxとTminとの温度勾配が大きくなる。この温度勾配を緩やかにしようとして、次にTmaxが低下する。こうして、開口幅AをΔAだけずらすことによって、非通紙域の温度を下げることができる。
図19は、フィルム表面の非通紙域のピーク温度Tmaxを耐久とともに上昇させないようにしたときの、ΔAとフィルム膜厚減少分ΔDの関係を表したグラフである。このグラフに従って、ΔDが変化したときにファンの開口幅AをΔAだけずらせば、耐久末期において小サイズ紙の非通紙域の温度を高温オフセット発生温度以下に抑えることができる。
(フローチャート)
図20は、本実施形態における制御の一例を表したフローチャートである。S201〜S204、S206、207、S209〜S213は、第1の実施形態におけるS101〜S104、S106、S107、S109〜S113と同様の制御を行う。S205においては、最大サイズ記録材の積算通紙枚数Nからフィルム膜厚減少分ΔDを算出し、その値に応じてファンのシャッタ開口幅増分ΔAを求める。これらの計算は図12、図19のグラフに基づいて行う。S208では、シャッタ開口幅A+ΔAでファンを駆動する。
以上のように本実施形態によれば、非通紙部の冷却動作を行う画像加熱装置において、加熱部材の高温オフセット発生温度以下に非通紙域の温度を冷却することができ、高温オフセットや光沢ムラを防止することができる。
《第3の実施形態》
本実施形態は第1の実施形態とは、定着装置の耐久が進むに連れてファンの回転数を増加させるのではなく、ファンの稼働時間(送風時間)を長くするように変化させるという点で異なる。本実施形態では、第1の実施形態と同じ部材・部分に同一の符号を付して再度の説明を省略する。図21はファン駆動温度Tfan−on、停止温度Tfan−offをそれぞれ所定の温度−ΔTf、+ΔTfだけ変化させたときの、定着装置寿命末期において定着フィルム33表面の温度をグラフ化したものである。
即ち、冷却ファンを非通紙部に吹かせながらA4、B4、A4縦送りを通紙して所定時間が経過した後に、次に大サイズ紙を通紙する直前の定着フィルム33表面の温度をグラフ化したものである。実線はΔTf=0の温度曲線、点線はΔTf>0(後述するΔDによって決まる所定の値)の温度曲線を示している。
ΔTf=0のときは、非通紙部の温度が高温オフセット発生温度をわずかに超えており、冷却ファンの効果が十分ではないことが分かる。ΔTf>0のときは、ファンの非通紙域の温度が2ΔTf変化する分の時間が余計にかかるため、冷却風の吹きつけ時間が長くなり、冷却風による非通紙域からの熱の収奪量が大きくなる。ΔTfフィルム33表面の非通紙域の温度を高温オフセット発生温度以下に抑えることができる。
図22はフィルム表面の非通紙域のピーク温度Tmaxを耐久とともに上昇させないようにしたときの、ΔTfとフィルム膜厚減少分ΔDの関係を表したグラフである。このグラフに従ってΔDが変化したときにファンの駆動/停止温度をΔTfだけずらせば、定着装置耐久後の小サイズ紙の非通紙部昇温を所定の温度以下に抑えることができる。
(フローチャート)
図23は本実施形態における制御の一例を表したフローチャートである。S301〜S304、S306、S308〜S310、S312、S313は、実施形態1におけるS101〜S104、S106、S108〜S110、S112、S113と同様の制御を行う。S305においては、最大サイズ記録材の積算通紙枚数Nからフィルム膜厚減少分ΔDを算出し、その値に応じてファン駆動/停止温度変化分ΔTfを求める。これらの計算は図12、図22のグラフに基づいて行う。
S307では、プリント中に第2の温度センサTH2の検出温度Tsubがファン駆動温度Tfan−on−ΔTf以上になると、ファンを駆動する。S311では、プリント中に第2の温度センサTH2の検出温度Tsubがファン駆動温度Tfan−off+ΔTf以下になると、S314に進む。以上のように本実施形態によれば、非通紙部の冷却動作を行う画像加熱装置において、加熱部材の高温オフセット発生温度以下に非通紙域の温度を冷却することができ、高温オフセットや光沢ムラを防止することができる。
《第4の実施形態》
図24は本実施形態に係る画像加熱装置としての定着装置の概略構成図である。この定着装置は、ベルト63を複数の張架部材としてのバックアップ部材60(ヒータを含む)、駆動ローラ61、テンションローラ62に対して懸回張設して配設してある。加圧ローラ32は、ベルト63を挟んでバックアップ部材60に対して圧接してベルト63との間に定着ニップ部Nを形成する。本実施形態では、ベルト63が駆動ローラ61が駆動されることで回転駆動され、加圧ローラ32はベルト63の回転に従動して回転する。
ベルト63とニップ部Nを形成する加圧部材としては、加圧ローラ32の替わりに、回転可能なエンドレスベルト体、あるいは表面(ベルト63や記録材Pとの当接面)の摩擦係数が小さい非回転部材(加圧パッドなど)を用いることもできる。加圧パッドを用いる場合、ベルト63の表面、記録材Pのトナーtが付与されている面と反対側の面(裏面)に対し、加圧パッドの表面が摺擦される関係となる。
(変形例1)
上述した実施形態においては、ファン41は定着部材の非通紙部へ冷却のための送風を行う構成としたが、加圧部材の非通紙部へ冷却のための送風を行う構成としても良い。更には、定着部材と加圧部材の双方に対し、非通紙部へ冷却のための送風を行うようにしても良い。
(変形例2)
上述した実施形態においては、定着機構部20Aは記録材の通紙を中央基準搬送で行う構成としたが、記録材の通紙を片側基準搬送で行なう構成のものであっても同様に非通紙部に対する冷却のための送風を行うことができる。
(変形例3)
また、上述した実施形態においては、冷却ファンの風量・シャッタ開口幅・送風時間の制御を、使用履歴として最大サイズ記録材の積算通紙枚数を用い、この使用履歴に応じて行った。しかしながら、本発明はこれに限らず、フィルム33の膜厚減少が主に加圧ローラ32との摺擦による場合等は、フィルム33もしくは加圧ローラ32の積算回転数に応じて行っても良い。
(変形例4)
上記実施形態においては、画像加熱装置としての定着装置における回転可能なベルト部材として、定着フィルム33、ベルト63を説明したが、回転可能なベルト部材としては、これに限られない。回転可能なベルト部材として薄肉ローラを用いることもでき、この場合は薄肉部がベルトに相当する機能を有し、厚肉部(中心部)がバックアップ部材に相当する機能を有する。
(変形例5)
上述した実施形態においては、加熱源としてフィルム33の内周面と接触するヒータを用いた方式を説明したが、本発明はこれに限らず、励磁コイルによる誘導加熱で加熱する方式や、発熱層を備えたフィルム自体に通電する方式などを用いることができる。
20・・定着装置、32・・加圧ローラ、33・・フィルム、35・・セラミックヒータ、41・・ファン、42・・送風ダクト、43・・送風口、100・・制御回路部、P・・記録材
上記目的を達成するため、本発明に係る画像加熱装置は、筒状のベルト前記ベルト外面と接触してニップ部を形成する加圧部材と、前記ベルトもしくは前記加圧部材の小サイズ記録材が通過しない領域に送風する送風部と、前記送風部を制御する制御部と、を有し、前記ニップ部画像を担持した記録材を搬送しながら前記画像を加熱する画像加熱装置において、前記ベルトの使用履歴に応じて、前記送風部の風量を変更することを特徴とする。

Claims (10)

  1. 加熱源によって加熱される回転可能なベルト部材と、
    前記ベルト部材の内周面と接触するバックアップ部材と、
    前記ベルト部材の外周面と接触する加圧部材と、
    を有し、
    前記ベルト部材と前記加圧部材の間に形成されるニップ部に画像を担持した記録材を挟持搬送して前記画像を加熱する画像加熱装置であって、
    前記ベルト部材、前記加圧部材の少なくとも一方に対し、前記記録材の搬送方向と交差する方向の非通紙部を冷却するために送風する送風手段と、
    前記ベルト部材の使用履歴に応じて、前記ベルト部材の厚みが小さくなる程、送風量を大きくするように、前記送風手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記使用履歴は、前記記録材の積算通紙枚数とすることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  3. 前記積算通紙枚数は、前記記録材の搬送方向と交差する方向の領域を複数分割した時の、前記複数分割された領域のうち少なくとも1つの領域での前記記録材の積算通紙枚数とすることを特徴とする請求項2に記載の画像加熱装置。
  4. 前記加圧部材は加圧ローラであり、前記使用履歴は前記加圧ローラまたは前記ベルト部材の積算回転数とすることを特徴とする請求項1に記載の画像加熱装置。
  5. 前記送風手段は冷却ファンを備え、
    前記制御手段は、前記使用履歴に応じて前記冷却ファンの回転数を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  6. 前記制御手段は、前記使用履歴に応じて前記送風手段の送風領域幅を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  7. 前記制御手段は、前記使用履歴に応じて前記送風手段の送風時間を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  8. 前記非通紙部の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検出手段で検出される温度が、所定温度を超えない場合には前記送風手段を作動させず、前記所定温度を超える場合には前記送風手段を作動させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  9. 記録材の通紙を中央基準搬送で行うことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
  10. 前記ベルト部材は、フィルム、ベルト、薄肉ローラの薄肉部のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像加熱装置。
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