JP2016065383A - 災害避難生活用間仕切りシート、当該シートを含む災害避難生活用間仕切りシステム及び建物内部の空間を間仕切る方法 - Google Patents

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Masashi Kobayashi
正志 小林
昌宏 根本
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Abstract

【課題】不要時にはコンパクトに収納することができて、かつ居住空間の広さを必要に応じてある程度調節することができ、しかも居住性に優れた空間を創出することができる間仕切りを提供する。
【解決手段】天面幕及び1以上の側面幕から構成される建物内間仕切りシートであって、天面幕及び/又は側面幕は建物に繋がれた懸架部材によって吊り下げ可能とするための吊り下げ部を有し、かつ天面幕の一部及び側面幕の一部が透光性を有するシート部材からなる、間仕切りシートを利用することで、天井及び採光性を有する居住空間を、その広さを適宜調節しながら提供することができ、寒冷期でも居住空間の暖房が容易となる他、居住者のプライバシーを確保しながらも圧迫感の少ない空間が提供できる。
【選択図】図5

Description

本発明は、災害発生時に避難場所として利用されることの多い体育館等の比較的大きな建物において、その屋内を適当な大きさの空間に間仕切るための災害避難生活用間仕切りシート、災害避難生活用間仕切りシステム、及び建物内部の空間を間仕切る方法に関する。
従来、各種学校又は公共スポーツ施設に建設される体育館、講堂又はホールなどの広い空間を有する建物は、災害発生時の被災者の一時避難場所として、さらには長期の避難生活場所として利用されている。このような空間における長期間の避難生活が余儀なくされたときに問題とされるのが、被災者である居住者個々に対する生活空間の提供とプライバシーの確保である。
いわゆる雑魚寝状態を解消してある程度の閉鎖的空間を居住者に提供する手段として、様々な間仕切りが考案されている。例えば、防炎加工された段ボール又はプラスチック板を連結して組み立てるローパーティション型の間仕切りセット、蚊帳型の避難所用簡易間仕切システム(非特許文献1)、さらには屋内用テント(例えば特許文献1)などが提案されている。
しかしながら従来の間仕切りには、使用時に自立性が求められるために、間仕切り全体の嵩や重量が増加するなどの問題が伴う。こうした間仕切りは災害発生時しか使用されず、平常時はどこかに保管しておく必要があるので、嵩高く重い間仕切りは保管において不利である。また建物内テントの利用には、予め製作された支柱及び天幕のサイズによって仕切られる空間の広さや形状が限定される、複数の建物内テントを並べて使用するときに隣接するテントの間にデッドスペースが発生し易い、などの問題が指摘される。
さらに、2011年3月初めに東北地方で発生した東日本大震災によって始まった避難生活で明らかになったことは、冬期に、特に東北や北海道などの寒冷地域において、体育館などの広い空間で避難生活を送る際の居住空間の暖房の難しさである。体育館全体を暖めることはもちろんのこと、建物内テントごとに暖房設備を設置することに困難がある。
本発明者らも、北海道北見市において体育館を用いて晩秋期に仮想避難生活を実験的に行ったが、体育館は天井が高いために暖まった空気は床面に溜まらず、床面からの冷気も加わって、就寝に支障を来すことが改めて確認された。この問題に対して、ローパーティション型の間仕切りセットは全くの無力である。
さらに冬期にも仮想避難生活を実験的に行い、屋外用のテントを体育館内に設置して個室的な生活空間を設けると共に、戸外で用意した焼き煉瓦をテント内の暖房源として利用したり、「インディアンテント」と称される内部でストーブの利用が可能なテントを利用したりして、暖房を中心とする居住性の向上を試みた。
しかしながら、屋内テントの利用によって内部空間の暖房という課題については一定の成果は得られたが、既存の市販テントの狭い内部空間における仮想避難生活は、居住者に対して相当なストレスを与えるものであることが再確認された。また、前述の通りこれら屋内テントを万が一の非常時のために数多く備えておくことは、費用面及び保管スペースの観点で非実用的であることに加え、テントの寸法が固定されているために設置スペースの有効活用を図ることができず、また家族単位で居住する際の人数の大小に応じた居住空間の大きさの調節も難しいものであった。
特開2005−155062号公報
ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク、「避難所用簡易間仕切システム4」、インターネット(URL:http://www.shigerubanarchitects.com/SBA_NEWS/pps4/pps4.pdf)
本発明は、不要時にはコンパクトに収納することができて、かつ居住空間の広さを必要に応じてある程度調節することができ、しかも居住性に優れた空間を創出することができる間仕切りを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべくさまざまな実践的実証を行った結果、下記の各発明を完成させた。
(1)天面幕及び1以上の側面幕から構成される建物内間仕切りシートであって、天面幕及び/又は側面幕は建物に繋がれた懸架部材によって吊り下げ可能とするための吊り下げ部を有し、かつ天面幕の一部及び側面幕の一部が透光性を有するシート部材からなる、前記間仕切りシート。
(2)少なくとも1の側面幕又はその一部が天面幕及び/又は隣接する側面幕から着脱可能な構造となっている、(1)に記載の間仕切りシート。
(3)天面幕及び側面幕の透光性を有するシート部材が、天面幕及び側面幕を通じて連続する帯状となる位置に配置される、(1)又は(2)に記載の間仕切りシート。
(4)天面幕と少なくとも1の側面幕が一体的に成形されてなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の間仕切りシート。
(5)吊り下げ部が、懸架部材を繋ぐ連結剛性部材を挿入することのできる筒状構造又はリング状構造を有する、(1)〜(4)のいずれかに記載の間仕切りシート。
(6)いずれかの側面幕に出入口が形成されてなる、(1)〜(5)のいずれかに記載の間仕切りシート。
(7)懸架部材と、建物内部に設けられる懸架部材を繋ぐための部材と、(1)〜(6)のいずれかに記載の建物内間仕切りシートを構成物として含む、災害避難生活用間仕切りシステム。
(8)建物に及び/又は建物に備え付けられた部材に繋がれた1以上の懸架部材を用意する工程、及び前記懸架部材を(1)〜(6)のいずれかに記載の間仕切りシートの吊り下げ部を介して繋いで前記間仕切りシートを吊り下げる工程を含む、前記建物内部の空間を間仕切る方法。
本発明の間仕切りシートを利用することで、天井及び採光性を有する居住空間を、その広さを適宜調節しながら屋内にて提供することが可能となる。これにより寒冷期でも居住空間の暖房が容易となる他、居住者のプライバシーを確保しながらも圧迫感の少ない空間が提供することができ、長期間にわたる避難生活における居住者のストレス蓄積を抑制することが可能となる。また、感染症等を有する避難者に対する医療提供空間を簡便に提供することができる。
本発明の間仕切りシートの使用例を斜視的に表す図である。 本発明の間仕切りシートの使用例を斜視的に表す図である。 実施例で作製した本発明の間仕切りシートを構成する天面幕1と一組の側面幕2を有する幕の構造と寸法を表す図である。図中の符号以外の数値の単位はmm(ミリメートル)である。 実施例で作製した本発明の間仕切りシートを構成する、図2の幕と併せてともに使用される側面幕2の構造と寸法を表す図である。図中の符号以外の数値の単位はmm(ミリメートル)である。 実施例で作成し、体育館内に吊り下げた本発明の間仕切りシートの写真である。
本発明は、天面幕及び1以上の側面幕から構成される建物内間仕切りシートであって、天面幕及び/又は側面幕は建物に繋がれた懸架部材によって吊り下げ可能とするための吊り下げ部を有し、かつ天面幕の一部及び側面幕の一部が透光性を有するシート部材からなる、前記間仕切りシートに関する。以下、本発明の好適な間仕切りシートの使用例を斜視的に表す図1及び図2を引用しながら、詳細に説明する。なお、図1及び図2に示される間仕切りシート及び使用例は同じである。
図1及び図2において、符号1は天面幕、符号2は側面幕、符号3は懸架部材、符号4は吊り下げ部に挿入された剛性連結部材、符号5は側面幕2に設けられた出入り口、符号6は透光性を有するシート部材を、符号7は筒状の吊り下げ部を、それぞれ示す。
図1及び図2に示される使用例において、天面幕1及び側面幕2は、図には示されない建物と吊り下げ部7に通された剛性連結部材4とを繋ぐ懸架部材3によって、建物内部に吊り下げられて使用される。このようにして吊り下げられた天面幕1及び側面幕2によって仕切られる幕の内部空間は、天面幕1及び側面幕2が天井及び側壁にそれぞれ相当する立体的な個室となる。
このように、本発明の間仕切りシートによって形成される空間は、天面幕1によって高さ方向が間仕切られることによってボックス状となり、ローパーティション型の間仕切りセットによって形成される高さ方向が開放された空間と明確に区別される。特に天面幕を有することによって暖かい空気を保持することができ、保温性に優れた空間が提供される。
図1及び図2に示される使用例の天面幕1の形状は長方形であるが、本発明の間仕切りシートにおける天面幕の形状自体には特に制限は無く、三角形、四角形、五角形、六角形などの多角形であってもよく、あるいは円又は楕円であってもよい。建物内の空間を可能な限りデッドスペースを発生させずに間仕切るためには、天面幕の形状は三角形〜六角形までの多角形、特に正方形又は長方形などの四角形であることが好ましい。多角形の天面幕を含む間仕切りシートを利用するときは、例えば同じ形状及び同じ大きさの複数の間仕切りシートを、側面幕を隣接させながら並列的に設置することで、デッドスペースの発生を抑制することができる。
本発明の間仕切りシートにおける天面幕及び側面幕は全て一体的に成形されていても、すなわち天面幕と側面幕は全体で1枚の幕であってもよく、または天面幕及び側面幕は互いに接する任意の一部の辺が着脱可能な構造を有していてもよく、あるいは全ての辺が着脱可能な構造を有し、各幕が互いに独立したものであってもよい。例えば、図1及び図2に示される使用例においては、天面幕1と全ての側面幕2とを着脱可能とすることができる。なお、側面幕のいずれかには出入口が形成されていることが好ましい。
天面幕及び側面幕を着脱可能とする手段としては、線ファスナー、面ファスナー、ボタン、フックその他の任意の手段を採用することができる。特に、着脱が容易な面ファスナーの利用が好ましい。かかる手段を用いることで幕の一辺の一部に隙間を設けることも可能となり、隙間に通気ダクトを通したり、又は隙間を荷物等の出し入れ口にしたりなどして、利便性を向上させることもできる。
また、複数の間仕切りシートを隣接させながら並列的に設置させる際に、隣接する側面幕を必要に応じて取り外すことで隣接する空間を一つの空間へ変更することができるので、間仕切りされる空間の広さ及び形状を調節することができる。これにより、例えば家族単位で居住する際に、人数に応じた居住空間を適宜提供することが可能となる。
本発明の間仕切りシートで仕切られる空間の床面積としては、居住者一人当たり概ね2m〜3m程度が確保されることが好ましい。この居住者一人当たりの床面積を基本として、仕切られる空間における収容人数を考慮しながら間仕切りシートの全体の大きさ、より大きな一つの空間へと変更するために必要となる隣接する空間の個数を適宜定めればよい。
また本発明の間仕切りシートを吊り下げたときの建物の床から天面幕までの高さは、概ね200cm〜350cmの範囲で調節することが好ましい。特に、閉鎖空間が居住者に与える圧迫感を低減するために、少なくとも240cm程度、好ましくは300cm程度の高さを確保することが好ましい。なお、かかる高さに天面幕が吊り下げられたときに床に隙間が生じないよう、側面幕の高さ方向の大きさは吊り下げられたときの建物の床から天面幕までの高さより大きくすることが好ましい。
本発明の間仕切りシートの天面幕及び側面幕の素材は特に制限はなく、例えば野外用テントに用いられる耐水性シート、防風性シート、室内用カーテンに用いられるシートその他の、合成繊維若しくは天然繊維製の生地で成形されるシート、紙又はビニールシートなどを利用することができる。特に、社団法人日本インテリアファブリックス協会が定める認定基準における3級遮光に相当する遮光性を有し、外部から空間内部を視認することができないシートが好ましい。なお、色合いとしては圧迫感の少ないベージュから薄茶色などの薄めのものが好ましい。
かかる遮光性に加えて、本発明の間仕切りシートの天面幕及び側面幕の素材は、建築基準法又は消防法の規制に適合する防炎性を有するものであることがより好ましい。上記の遮光性及び防炎性を有するシートの例としては、舞台の緞帳などに利用される幕地などを挙げることができる。さらに断熱性にも優れたシートであることがより好ましい。
本発明の間仕切りシートの天面幕及び側面幕の一部には、透光性を有するシート部材(以下、透光性シート部材と表す)が組み入れられる。透光性シート部材は天面幕及び側面幕の他の部材に縫い付けてもよく、また線ファスナー、面ファスナー、ボタン、フックその他の任意の手段を採用して着脱可能としてもよい。
本発明の間仕切りシートの天面幕1枚又は側面幕1枚の表面積における透光性シート部材が占める面積の割合としては、10%〜40%の範囲内であればよく、特に20%〜30%の範囲内であることが好ましい。
本発明の間仕切りシートの天面幕及び側面幕における透光性シート部材の配置に特に制限はないが、図1及び図2の使用例に示されるように、天面幕1の透光性シート部材6と側面幕2の透光性シート部材6とが外観上連続した帯状となるように配置されることが好ましい。なお、図1及び図2には図示されないが、紙面左奥方向の側面幕2にも、天面幕1の透光性シート部材6と外観上連続する帯状となる位置に透光性シート部材6が配置される。
なお、透光性シート部材が組み入れられる側面幕は一対(2枚)であれば足り、全ての側面幕に同時に透光性シート部材が組み入れられることは必要とはされない。
透光性シート部材としては、間仕切りの外の明るさを取り込みつつ、間仕切りの内部空間のプライバシーを確保するとの観点から、空間内部が明確には視認されない程度の透光性を有する生地からなるシートであることが好ましい。例えば、一般家庭で使用されるカーテンで遮光性なしとされる程度の透光性を有する、具体的には遮光率が70%以下、好ましくは50%以下程度の合成繊維又は天然繊維製の生地からなるシート又はメッシュシートなどを透光性シート部材として利用することができる。
また透光性シート部材は、建築基準法又は消防法の規制に適合する防炎性を有することが好ましい。そのような透光性を有する防炎シートの例としては、医療用カーテンとして利用されている布地などを挙げることができる。
透光性シート部材を上記の説明のように使用することで、外部の光が内部空間に取り込まれることによって、日光が直接的に差し込むようには通常は設計されない体育館等の内部に本発明の間仕切りシートを設置した場合でも、仕切られた内部空間において一定の明るさを確保することができ、居住者に対する圧迫感を和らげることができる。
本発明の間仕切りシートの天面幕及び/又は側面幕は、建物に繋がれた懸架部材によって吊り下げ可能とするための吊り下げ部を有する。吊り下げ部は、懸架部材を直接繋いで間仕切りシートを吊り下げることができる構造であってもよく、又は連結剛性部材を介して間仕切りシートを吊り下げることができる構造であってもよい。
ここで懸架部材とは、本発明の間仕切りシートを建物内で吊り下げるために使用される紐状又は棒状の部材であり、紐、ロープ、ワイヤー、ポールなどを挙げることができる。体育館の多くは、異なるスポーツを同時に行うことができるように仕切りネットを吊り下げる設備を備えており、かかる装備を本発明の実施において利用することも可能である。また講堂又はホールなどの多くは、パネル等の展示物を掲示するための懸架ワイヤーを含む設備を備えており、かかる装備を本発明の実施において利用することも可能である。
また連結剛性部材とは、間仕切りシートの重量に相当する荷重に耐え得る剛性を有し、前記懸架部材を繋ぐことができる部材であり、例えば木製、強化プラスチック製又は金属製のポール又は中空パイプなどを挙げることができる。好ましい連結懸架部材は、適度な肉厚を有する中空パイプである。
本発明にいう「繋ぐ」とは、結び付ける、結束する、接合する又は固定するなどとも同義であり、例えば懸架部材の一端を建物や剛性連結部材に結んだり、フック及びリングその他の部材を用いて接合したり又はボルトなどの固定具を用いて固定したりすることをいう。
懸架部材を直接繋いで間仕切りシートを吊り下げることができる吊り下げ部の構造の例は、天面幕及び/又は側面幕に直接、またはそれらの一辺の折り返し部分に設けられた複数の孔である。孔は、吊り下げられる間仕切りシートが撓まない程度の間隔を持って設けられていることが好ましい。なお、複数の穴が設けられた前記折り返し部分に相当する形状の細長いシートを天面幕又は側面幕に縫い付けるなどして付け加えたものも、吊り下げ部の一態様となる。当該孔に懸架部材を直接又はフック等を介して間接的に繋ぐことで、懸架部材によって間仕切りシートが吊り下げ可能となる。
吊り下げ部の好ましい例の一つは、図1及び図2の使用例に示される、天面幕又は側面幕の一辺に設けられた、連結剛性部材を内部に通すことができる筒部である。筒部は天面幕又は側面幕の一辺全体にわたって連続的に設けられてもよく、または吊り下げられる間仕切りシートが撓まない程度の間隔を置いて断続的に設けられてもよい。なお、前記断続的な筒部は、木製、強化プラスチック製又は金属製の環(リング)部材または紐などに置き換えることができ、このような態様も本発明に含まれる。吊り下げ部に通された連結剛性部材に懸架部材を直接又はフック等を介して間接的に繋ぐことで、懸架部材によって間仕切りシートが吊り下げ可能となる。
本発明の間仕切りシートの吊り下げ部は、天面幕及び側面幕が接する全ての辺に設けられてもよく、あるいは間仕切りシートが傾くことなくバランスがとれた状態で吊り下げられることができる限り、一部の辺のみに設けられてもよい。図1及び図2に示される使用例では、天面幕1の両方の短辺及び透光性シート部材6の両辺の計4箇所に吊り下げ部7が設けられ、4本の連結剛性部材4を介して間仕切りシートが吊り下げられる。
本発明はさらに、懸架部材と、建物内部に設けられる懸架部材を繋ぐ部材と、先に説明した建物内間仕切りシートを構成物として含む、災害避難生活用間仕切りシステムを提供する。ここで懸架部材及び間仕切りシートは先に説明した例のとおりである。
建物内部に設けられる懸架部材を繋ぐ部材としては、壁、天井、梁、渡り廊下若しくは歩廊の手すり、支柱などの既に建物の一部として設けられている部材又はこれらに新たに敷設若しくは固定可能なアンカーボルト、フック等を挙げることができる。なお懸架部材を繋ぐ部材は、建物を建設又は改築するときに建物構造の一部として設計され、設けられたものでもよい。また、先に述べた体育館における仕切りネットを吊り下げる設備、又は講堂又はホールなどにおける懸架ワイヤーを含む設備なども利用可能である。
本発明はまた、建物に及び/又は建物に備え付けられた部材に繋がれた1以上の懸架部材を用意する工程、及び前記懸架部材を先に説明した建物内間仕切りシートの吊り下げ部を介して繋いで前記間仕切りシートを吊り下げる工程を含む、前記建物内部の空間を間仕切る方法も提供する。
ここで、建物に及び/又は建物に備え付けられた部材とは先に説明した懸架部材を繋ぐ部材であり、また懸架部材及び間仕切りシートも先に説明したとおりである。また間仕切りシートの吊り下げは、手動又は電動のバトン又はウインチを介して行われることが好ましい。その他の吊り下げに必要な設備等の例は、先に説明したとおりである。
1)間仕切りシートの作製
図3に示す1枚の天面幕1及び2枚の側面幕2が一体化した幕(幕A)を1枚、図4に示す側面幕2(幕B)を2枚、図中の寸法(ミリメートル)に併せてそれぞれ用意した。天面幕1及び側面膜2の素材には東リ株式会社製のエコブラッシュTKY9327(遮光3級、防炎加工済み)を、透光性を有するシート部材6には東リ株式会社製エコシャモンTKY9247(非遮光性、防炎加工済み)をそれぞれ採用し、はと目を用いてそれらを繋ぎ合わせた。
幕Aの側面幕2には両開き型の出入り口5を左右に1箇所ずつ用意した。また、図3及び図4において破線で示される各幕の縁には面ファスナーを縫い付け、幕Aと幕Bを着脱可能とした。さらに、幕Aにおいて二重線で示される部分に内径25mmの筒が形成されるように天面幕1を縫製して、吊り下げ部7とした。
幕Aの重量は約19kgで、ほぼ300mm×200mm×600mmに折りたたむことができる。また幕Bの重量は約15kgで、300mm×150mm×600mmに折りたたむことができる。
2)間仕切りシートの設置
4箇所の吊り下げ部7に剛性連結部材として23.5mm系のスチール製パイプ4本をそれぞれ通し、また1枚の幕Aに2枚の幕Bをそれぞれ面ファスナーで繋ぎ合わせた。
体育館(長辺30m、短辺20m、床面から天井までの高さ14m)の対面する壁に設けられている歩廊(高さ5m)の手すり(高さ0.9m)の間に、手動バトンで巻き上げ可能にした渡しロープを200cm間隔で3本並行に用意した。別に連結用の短いロープ12本を用意し、前記パイプ1本当たり3本の連結ロープの一端をパイプの両端及び中央に等間隔で繋ぎ、さらに他端を3本の渡しロープに繋いだ。手動バトンで渡しロープを巻き上げて、天面幕の高さが床から290cmとなるように幕全体を吊り挙げて、間仕切りを完成させた。吊り下げられた間仕切りシートの写真を図5に示す。
本発明の間仕切りシートは、主に災害発生時に体育館等の建物内部で避難生活を送る際に、天井及び採光性を有する居住空間を、その広さを適宜調節しながら提供するために利用される。特に本発明は、寒冷期でも居住空間の暖房が容易となる他、居住者のプライバシーを確保しながらも圧迫感の少ない空間が提供することができ、長期間にわたる避難生活における居住者のストレス蓄積を抑制することができる災害避難生活用間仕切りとして利用することができる。さらに、感染症の拡大を防止するための医療提供空間としても利用可能である。
1 天面幕
2 側面幕
3 懸架部材
4 剛性連結部材
5 出入り口
6 透光性シート部材
7 吊り下げ部

Claims (8)

  1. 天面幕及び1以上の側面幕から構成される建物内間仕切りシートであって、天面幕及び/又は側面幕は建物に繋がれた懸架部材によって吊り下げ可能とするための吊り下げ部を有し、かつ天面幕の一部及び側面幕の一部が透光性を有するシート部材からなる、前記間仕切りシート。
  2. 少なくとも1の側面幕又はその一部が天面幕及び/又は隣接する側面幕から着脱可能な構造となっている、請求項1に記載の間仕切りシート。
  3. 天面幕及び側面幕の透光性を有するシート部材が、天面幕及び側面幕を通じて連続する帯状となる位置に配置される、請求項1又は2に記載の間仕切りシート。
  4. 天面幕と少なくとも1の側面幕が一体的に成形されてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の間仕切りシート。
  5. 吊り下げ部が、懸架部材を繋ぐ連結剛性部材を挿入することのできる筒状構造又はリング状構造を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の間仕切りシート。
  6. いずれかの側面幕に出入口が形成されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の間仕切りシート。
  7. 懸架部材と、建物内部に設けられる懸架部材を繋ぐ部材と、請求項1〜6のいずれかに記載の建物内間仕切りシートを構成物として含む、災害避難生活用間仕切りシステム。
  8. 建物に及び/又は建物に備え付けられた部材に繋がれた1以上の懸架部材を用意する工程、及び前記懸架部材を請求項1〜6のいずれかに記載の間仕切りシートの吊り下げ部を介して繋いで前記間仕切りシートを吊り下げる工程を含む、前記建物内部の空間を間仕切る方法。

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