JP2016065123A - トナー用ポリエステル樹脂、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フラン環を有するジカルボン酸単量体と、式(1)で表されるジアルコール単量体と、を縮重合したトナー用ポリエステル樹脂。
(R1及びR2はH又はメチル基;L1はエーテル基鎖状或いは環状アルキレン基等;L2及びL3は各々独立にカルボニル基、エステル基、エーテル基鎖状或いは環状アルキレン基、アリーレン基等;A1及びA2は各々独立に水素化ロジン由来のロジンエステル基)
【選択図】なし
Description
特許文献5には、「ポリオールおよびポリ酸性フランを含むポリエステル樹脂と、任意要素のワックスと、任意要素の着色剤とを含む、トナー」であって、「ポリオールがロジン酸を含む」ことが開示されている。
即ち、請求項1に係る発明は、
フラン環を有するジカルボン酸に由来する繰り返し単位と、下記一般式(1)で表されるジアルコールに由来する繰り返し単位と、を含有するトナー用ポリエステル樹脂である。
前記フラン環を有するジカルボン酸が、2,5−フランジカルボン酸である請求項1記載のトナー用ポリエステル樹脂である。
請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子、を含む静電荷像現像用トナーである。
請求項3に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項3に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
本実施形態のトナー用ポリエステル樹脂は、フラン環を有するジカルボン酸に由来する繰り返し単位と、下記一般式(1)で表されるジアルコールに由来する繰り返し単位と、を含有する。
トナー用ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸の一般的な単量体の一例として、テレフタル酸が用いられている。テレフタル酸を用いることの利点の一つとしては、ガラス転移温度の上昇によるトナーの熱保存性の確保が実現されることが挙げられる。しかしながら、特定ロジンジオールを単量体として用いたポリエステル樹脂の合成において、テレフタル酸は特定ロジンジオールとの相溶性が低いために、反応性が低くなりやすい。そのため、合成したポリエステル樹脂には、テレフタル酸が未反応の単量体として残存することがある。この未反応のテレフタル酸が残存したポリエステル樹脂をトナー粒子中の結着樹脂に適用すると、高温高湿条件下における帯電性の低下が発生する現象がみられることがある。これは、テレフタル酸は、カルボキシ基を有しているので、水分が取り込まれやすくなることによると考えられる。
なお、ジカルボン酸の単量体として、テレフタル酸を用いずに、フラン環を有するジカルボン酸を用いてもよいが、フラン環を有するジカルボン酸とテレフタル酸とを併用してもよい。この場合であっても、未反応で残存する単量体が少なくなり、高温高湿下におけるトナーの帯電性の低下が抑制される。
−フラン環を有するジカルボン酸−
本実施形態の特定ポリエステル樹脂は、フラン環を有するジカルボン酸に由来する繰り返し単位を有しており、フラン環を有するジカルボン酸を重合成分として含む。フラン環は剛直な分子構造を有しているため、フラン環を有するポリエステル樹脂は、テレフタル酸使用時と同等のガラス転移温度を有する。そのため、本実施形態の特定ポリエステル樹脂は、トナーの熱保存性の確保も実現される。
本実施形態において、フラン環を有するジカルボン酸以外にも、その他のジカルボン酸を用いて構成されていてもよい。ジカルボン酸としては、具体的には、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる1種、または2種以上を使用してもよい。
−特定ロジンジオール−
本実施形態の特定ポリエステル樹脂は、前記一般式(1)で表されるジアルコール(特定ロジンジオール)に由来する繰り返し単位を有しており、特定ロジンジオールを重合成分として含む。
ロジンは採取方法による分類では、原料をパルプとするトールロジン、原料を生松脂とするガムロジン、及び原料を松の切り株とするウッドロジンの3種に大別される。本実施形態で用いるロジンは入手が容易であることから、ガムロジン又はトールロジンが望ましい。
これらのロジンは精製することが望ましく、未精製のロジンに含まれる樹脂酸の過酸化物から生起したと考えられる高分子量物や、未精製のロジンに含まれていた不ケン化物を除去することにより精製ロジンを得る。精製方法は特に限定されず、公知の各種精製方法から選択してよい。
本実施形態の特定ポリエステル樹脂は、特定ロジンジオール以外のその他のジアルコールを用いて構成されてもよい。特定ロジンジオール以外のその他のジアルコールとして、不均化ロジンエステル基含有ロジンジオール、精製ロジンエステル基含有ロジンジオール、脂肪族ジオール、エーテル化ジフェノール等が挙げられる。
本実施形態の特定ポリエステル樹脂は、前述した、多価カルボン酸成分、及び多価アルコール成分を原料として、公知慣用の製造方法によって調製される。その反応方法としては、エステル交換反応又は直接エステル化反応のいずれも適用可能である。また、加圧して反応温度を高くする方法、減圧法又は常圧下で不活性ガスを流す方法によって重縮合を促進することもできる。上記反応によっては、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム及びマンガンより選ばれる少なくとも1種の金属化合物等、公知慣用の反応触媒が用いられ、反応が促進されてもよい。これら反応触媒の添加量は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分の総量100質量部に対して、0.01質量部以上1.5質量部以下が好ましく、0.05質量部以上1.0質量部以下がより好ましい。反応温度は180℃以上300℃以下の温度で行うことができる。
本実施形態の特定ポリエステル樹脂の軟化温度は、トナーの定着性、保存性、及び耐久性の観点から、80℃以上160℃以下が好ましく、90℃以上150℃以下がより好ましい。
本実施形態の特定ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、トナーの定着性、保存性、及び耐久性の観点から、35℃以上80℃以下が好ましく、40℃以上70℃以下がより好ましい。
軟化温度及びガラス転移温度は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整、又は反応条件の選択により容易に調整することができる。
本実施形態の特定ポリエステル樹脂を含有する静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」とも称する。)は、トナー粒子と、必要に応じて、外添剤と、を含んで構成される。
本実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子は、前述した特定ポリエステル樹脂を含有する結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤とを含んで構成される。
結着樹脂としては、前述した特定ポリエステル樹脂を用いる。本実施形態の効果を損なわない範囲で、公知の結着樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の他の樹脂が併用されてもよい。本実施形態の特定ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂中、60質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、実質的に100質量%であることがさらに好ましい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
混練粉砕法は、結着樹脂を含むトナー材料を混錬して混錬物を得た後、混錬物を粉砕することによりトナー粒子を作製する方法である。必要に応じて、混錬物を粉砕して得た粒子を遠心式分級機、慣性式分級機等で分級し、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)を除去しトナー粒子を得る。
トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、具体的には、例えば、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
以上により、本実施形態の特定ポリエステル樹脂を用いると、粗大粒子の多量発生や、沈殿物の発生が抑制される。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
[軟化温度の測定]
高化式フローテスターCFT−500((株)島津製作所製)を用い、ダイスの細孔の径を0.5mm、加圧荷重を0.98MPa(10Kg/cm2)、昇温速度を1℃/分とした条件下で、1cm3の試料を溶融流出させたときの流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度として求めた。
熱分析装置DSC−20(セイコー電子工業(株)製)を用い、試料10mgを一定の昇温速度(10℃/分)で加熱して測定した。
装置HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)製)と、カラムTSKgel SuperHM−H (6.0mmID×15cm×2本)(東ソー(株)製)とを用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー(株)製「Polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
酸価は、JIS K0070に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が完全に溶けるまで充分に振り混ぜた。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の薄い紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
ポリエステル樹脂中に残存するジカルボン酸の量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量した。カラムに島津製作所製Shim−pack CLC−ODSを用い、検出波長210nmで定量した。
−特定ロジンジオール(1)の合成−
2官能エポキシ化合物として、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(商品名SR−NPG、坂本薬品工業(株)製(エポキシ当量145g/eq))97部、水素化ロジン(商品名ForalAX、Pinova製(酸価3.10×10−3mol/g))215部、及び反応触媒として、テトラエチルアンモニウムブロマイド(東京化成工業(株)製)0.4部を撹拌装置、加熱装置、冷却管、温度計を備えたステンレス製反応容器に仕込み、160℃に温度を上げ、カルボキシ基とエポキシ化合物のエポキシ基との開環反応を行った。同温度で4時間継続して行い、酸価が0.5mgKOH/gになった時点で反応を停止し、表1に示す特定ロジンジオール(1)を得た。
多価アルコール成分として、特定ロジンジオール(1)312部、プロピレングリコール(和光純薬工業(株)製)133部、多価カルボン酸成分として、2,5−フランジカルボン酸(東京化成工業(株)製)260部、テレフタル酸(和光純薬工業(株)製)69部、及び反応触媒とし、チタン触媒(商品名オルガチックスTC−400、マツモトファインケミカル(株)製)1.2部を攪拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら230℃で7時間重縮合反応させた。各分子量、酸価を確認し、ポリエステル樹脂(1)を得た。各分子量、酸価、ガラス転移温度、及び軟化温度の測定結果を表2に示す。
表2に示す多価カルボン酸成分及び多価アルコール成分を用いたこと以外は、特定ポリエステル樹脂の合成と同様の方法で、ポリエステル樹脂(2)〜(8)、及び(C1)、(C3)を合成した。各分子量、酸価、ガラス転移温度、及び軟化温度の測定結果を表2に示す。
なお、表2に示すロジンジオールの番号は、表1に示す特定ロジンジオールの番号に対応する。
−比較ロジンジオール(1)の合成−
エポキシ化合物として、グリシドール(和光純薬工業(株)製)49部 、水素化ロジン(商品名ForalAX、Pinova製(酸価3.10×10−3mol/g)215部、及び反応触媒としてテトラエチルアンモニウムブロマイド(東京化成工業(株)製)0.4部を撹拌装置、加熱装置、冷却管、温度計を備えたステンレス製反応容器に仕込み、160℃に温度を上げ、カルボキシ基とエポキシ化合物のエポキシ基との開環反応を行った。同温度で4時間継続して行い、酸価が0.5mgKOH/gになった時点で反応を停止し、下記に示す比較ロジンジオール(1)を得た。
なお、表2中において「比較(1)」は、比較ロジンジオール(1)を示す。
表2に示す多価カルボン酸成分、多価アルコール成分を用いたこと以外は、特定ポリエステル樹脂の合成と同様の合成で比較ポリエステル樹脂(C2)を合成した。
−比較ロジンジカルボン酸(2)の合成−
撹拌装置、加熱装置、冷却管、温度計を備えた反応装置に蒸留による精製処理(蒸留条件:6.6kPa、220℃)を行ったガムロジン400g、アクリル酸(和光純薬工業(株)製)105g、t−ブチルカテコール0.2gを加え、220℃で12時間反応させ、下記に示す比較ロジンカルボン酸(2)を得た。その後、6.6kPaの減圧条件下、220℃で蒸留を行い、未反応のアクリル酸を留去した。
なお、表2中において「比較(2)」は、比較ロジンカルボン酸(2)を示す。
表2に示す多価カルボン酸成分、多価アルコール成分を用いたこと以外は、特定ポリエステル樹脂の合成と同様の合成で比較ポリエステル樹脂(C4)を合成した。
[トナー粒子の作製]
・ポリエステル樹脂(1) 100部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57) 3部
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) 10部
上記の材料をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した。その後、風力式分級機(日清エンジニアリング製ターボクラシファイアーTC−15N)で細粒と粗粒を分級し、その中間サイズの粒子を得る過程を3回繰り返し、体積平均粒径8μmのマゼンタ色のトナー粒子を得た。
トナー粒子100部とシリカ(日本アエロジル製R812)0.5部を高速混合機によって混合しトナー(1)を得た。
トナー(1)7部とキャリア(粒径50μmのフェライトを、メチルメタクリレート−スチレン共重合体で被覆した物)100部をタンブラーシェーカーミキサーで混合して現像剤を得た。
ポリエステル樹脂(1)を表2に示すポリエステル樹脂(2)〜(4)、(C1)〜(C4)のいずれかに変えたこと以外は、実施例1と同様の方法で各例のトナー粒子、トナー、及び現像剤を得た。
なお、実施例2〜4、比較例1〜4で作製したトナーをそれぞれ、トナー(2)〜(4)、(C1)〜(C4)とした。
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製]
高温・高圧乳化装置(ユーロテック製キャビトロンCD1010)にポリエステル樹脂(1)を200部入れ、120℃の温度で加熱溶融させた。別途、アンモニア水をイオン交換水で希釈した濃度0.37質量%希アンモニア水を用意し、熱交換器で120℃に加熱しながら、毎分0.1リットルの速度で高温・高圧乳化装置に移送した。回転子の回転速度60Hz、圧力5kg/cm2の条件で高温・高圧乳化装置を運転し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液(固形分量30質量%、体積平均粒径160nm)を得た。
ドデカン二酸(東京化成工業(株)製)115部とドデカンジオール(宇部興産製)101部をフラスコに仕込み、1時間かけて温度を160℃まで上げ、反応系内が攪拌されていることを確認したのち、ジブチル錫オキサイドを0.02部投入した。生成する水を留去しながら6時間かけて200℃まで上げ、200℃で4時間脱水縮合反応を継続し、反応を終了させた。反応液を冷却後、固液分離を行い、固形物を40℃/真空状態で乾燥させ、結晶性ポリエステル樹脂を得た。
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製ネオゲンSC) 2部
・イオン交換水 200部
上記の材料を混合し120℃に加熱してホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理した。体積平均粒径が180nmになったところで回収し、固形分量20質量%の結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
・シアン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3) 20部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製ネオゲンSC) 2部
・イオン交換水 80部
上記の材料を混合し、高圧衝撃式分散機(スギノマシン製アルティマイザーHJP30006)を用いて1時間分散して、着色剤粒子分散液(固形分量20質量%、体積平均粒径180nm)を得た。
・脂肪酸エステル(日油製WEP−5) 50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製ネオゲンRK) 5部
・イオン交換水 200部
上記の材料を混合し加熱して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、離型剤粒子分散液(固形分量20質量%、体積平均粒径180nm)を得た。
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 150部
・結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液 50部
・着色剤粒子分散液 25部
・離型剤粒子分散液の調製 40部
・ポリ塩化アルミニウム 0.4部
・イオン交換水 100部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコ中に収容して、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液70部を追加した。その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて反応系内のpHを8.0に調製した後、ステンレス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを磁力シールして攪拌を継続しながら90℃まで加熱して3時間保持した。その後、降温速度2℃/分で室温まで冷却し、濾過し、イオン交換水で十分洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。固形分を30℃のイオン交換水3Lを用いて再分散し、15分間300rpmで攪拌し洗浄した。この洗浄操作を6回繰り返し、濾液のpH7.54、電気伝導度6.5μS/cmとなったところでヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー粒子を得た。トナー粒子の体積平均粒径は5.9μmであった。
トナー粒子に、ヘキサメチルジシラザンで表面疎水化処理したシリカ粒子(一次粒子平均粒径40nm)及び、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物であるメタチタン酸化合物粒子(一次粒子平均粒径20nm)を、トナー粒子表面に対する被覆率がそれぞれ40%になるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー(5)を作製した。
トナーとキャリア(体積平均粒径50μmのフェライトを、1質量%のポリメタクリレートで被覆した物)をトナー濃度が5質量%になるよう混合し、ボールミルで5分間攪拌混合して現像剤を調製した。
ポリエステル樹脂(1)を表2に示すポリエステル樹脂(4)〜(8)、(C1)〜(C4)のいずれかに変えて非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製したこと以外は、実施例5と同様の方法でトナー粒子、トナー、及び現像剤を得た。
なお、実施例6〜10、比較例5〜8で作製したトナーをそれぞれ、トナー(6)〜(10)、(C5)〜(C8)とした。
実施例1〜10、比較例1〜8の各例で得られたトナー、及び現像剤について、以下の評価を行った。結果を表3、及び表4に示す。
各現像剤を30℃、相対湿度85%の環境下において各現像剤を15時間(15h)、30時間(30h)静置した後、東芝製ブローオフ帯電量測定機を用いて帯電量の測定を行った。
各トナー10gをプロピレン性カップの上に秤量し、50℃、50%RHの環境に17時間放置し、ブロッキング(凝集)状態を、以下の基準で評価した。
A(◎):カップを傾けるとトナーがさらさら流れる
B(○):カップを動かしているとトナーが徐々に崩れ、流れ出す
C(△):ブロック体が発生しており、先の尖ったもので突付くと崩れる
D(×):ブロック体が発生しており、先の尖ったもので突付いても崩れにくい。
実施例1〜10、比較例1〜8において、トナー粒子を作製するにあたり、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を作製する工程で、分散液の粒径をベックマンコールターにより測定した。
A(◎):中位径が0.120μm〜0.190μmであり、
粒径1μm以上の粒子が存在しない。
B(○):中位径が0.090μm〜0.240μmであり(◎の範囲を除く)、
粒径1μm以上の粒子が存在しない。
C(△):中位径が0.009μm〜0.240μmであり、
粒径1μm以上の粒子、及び沈殿物が存在する。
D(×):中位径が1μmあり、沈殿物が存在する。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (8)
- フラン環を有するジカルボン酸に由来する繰り返し単位と、下記一般式(1)で表されるジアルコールに由来する繰り返し単位と、を含有するトナー用ポリエステル樹脂。
(一般式(1)中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。L1は、エーテル基、鎖状アルキレン基、環状アルキレン基、及びそれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、L2及びL3はそれぞれ独立に、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルホニル基、鎖状アルキレン基、環状アルキレン基、アリーレン基、及びそれらの組合せからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、L1とL2又はL1とL3で環を形成してもよい。A1及びA2はそれぞれ独立に、水素化ロジン由来のロジンエステル基を表す。) - 前記フラン環を有するジカルボン酸が、2,5−フランジカルボン酸である請求項1記載のトナー用ポリエステル樹脂。
- 請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のトナー用ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子、を含む静電荷像現像用トナー。
- 請求項3に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項3に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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