JP2016063818A - 多能性胚様幹細胞、その組成物、方法および使用 - Google Patents
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Abstract
れた細胞もしくは組織の系統に制限されず分化できる多能性幹細胞
を提供すること。
【解決手段】 (a)生後動物供給源から細胞を入手する工程と、
(b)-80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを含有す
る培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程と、
(c)前記細胞を培養する工程と、
を含む、自己再生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能
性胚様幹細胞を非胚細胞もしくは生後動物細胞または組織から単離し、分化可能な状態に
する。
【選択図】 なし
Description
細胞または組織移植、遺伝子治療、ならびに細胞−細胞間相互作用、分化決定、発生遺伝
子および成長もしくは分化因子に関する同定、アッセイまたはスクリーニングにおける組
織工学のための幹細胞の使用に関する。
された機能を有する数十億個の細胞から成る実体の形成時に最大に達する予め決定された
分子および細胞経路に続いて起こる。細胞の発生は、細胞の増殖、分化決定、および分化
の発達(lineage−progression)によって達成され、その結果、分化
した細胞型が形成される。この過程は全能性接合体から始まり、個体の生涯を通して継続
する。発生が全能性接合体から進行しながら、細胞が増殖し、多能性初代胚葉、外胚葉、
中胚葉、および内胚葉への分化決定によって分離する。始原細胞(多能性、三能性、両能
性および終局的に単能性)系統への発達性分化決定によってこれらの胚葉がさらに分離す
ることによって、細胞の分化経路および細胞の究極的機能がさらに規定される。
に変換されるプロセスである。原腸形成は身体形状の形態形成または発生の開始であり、
原腸形成は胚盤の原外胚葉表面上の原始線条の形成から開始する。原始線条、胚葉、およ
び脊索の形成は、原腸形成中に生じる重要なプロセスである。3種の胚葉(外胚葉、内胚
葉、および中胚葉)のそれぞれは、特定の組織および器官を生じる。
体の体制に概ね対応する。内胚葉は、呼吸通路および胃腸管の上皮裏打ちの供給源であり
、咽頭、食道、胃、腸および唾液腺を含む多くの関連する腺、肝臓、膵臓ならびに肺を生
じる。中胚葉は、平滑筋層、結合組織、組織および器官に関連する管を生じ、中胚葉はま
た、循環器系のほとんどを形成し、血液細胞、骨髄、骨格、横紋筋、ならびに生殖および
排泄器官の供給源である。外胚葉は、表皮(皮膚の表層)、感覚器官、ならびに脳、脊髄
および神経系の遠位成分を含む神経系全体を形成する。
ら離れて、連続的な維持および生物の修復を提供する幹細胞を保存する。保存された幹細
胞としては、始原幹細胞および多能性幹細胞が挙げられる。始原細胞(例えば、前駆幹細
胞、即時型幹細胞、および形成または芽細胞、例えば、筋芽細胞、脂肪芽細胞、軟骨芽細
胞など)が分化決定される。単能性幹細胞は、単一の系統に制限された組織(筋原性、繊
維形成、脂肪生成、軟骨形成、骨形成系統など)を形成する。二能性幹細胞は、2つの系
統に属する組織(軟骨−骨形成、脂肪−繊維形成系統など)を形成する。三能性幹細胞は
、3つの系統に属する組織(軟骨−骨−脂肪生成系統など)を形成する。多能性幹細胞は
、系統(造血系統など)内の多数の細胞型を形成する。始原幹細胞は、培地に添加され得
る誘導剤に係わらず、それらの系統に制限された組織を形成する。それらは静止状態を保
持することができる。分化決定された始原細胞は自己複製が可能であるが、プログラムさ
れた細胞の老化が生じる前に制限された寿命(約50〜70細胞倍加)を有する。それら
はまた、増殖するためのさまざまな成長因子によって刺激され得る。分化するために活性
化された場合、これらの細胞は、表現型の発現を刺激するための発達因子(即ち、インス
リン、インスリン様成長因子−I、およびインスリン様成長因子−II)を必要とし得る。
統に決定されない。それらは静止状態を保持することができる。それらはまた、増殖する
ための成長因子によって刺激され得る。増殖のために活性化する場合、多能性細胞は、分
化未決定を維持する限り広範な自己再生が可能である。多能性細胞は、それらの寿命中の
任意の時点で単一のクローンからさまざまな分化決定された始原細胞を作製する能力を有
する。例えば、690倍加を超えた後の胎児期多能性マウスクローン(非特許文献1)お
よび300倍加を超えた後の生後多能性ラットクローン(非特許文献2)は、両方とも、
長期間のデキサメタゾン暴露後に分化決定された始原細胞を形成し、続いて、特徴的な形
態学的および表現型発現マーカーを示す骨格筋、脂肪、軟骨に分化するするように誘導さ
れた。この分化決定プロセスは、全般的(例えば、デキサメタゾン)または系統特異的(
例えば、骨形態形成タンパク質−2、筋形態形成タンパク質など)決定誘導剤のいずれか
の使用を必要とする。一旦、多能性細胞が特定の組織系統へ決定されるように誘導される
と、それらは系統特異的始原細胞の特徴を有すると想定される。それらは静止状態を保持
することができるか、またはそれらは特定の誘導剤の影響下で増殖することができる。そ
れらが複製する能力は、プログラムされた細胞老化が生じる前の約50〜70細胞倍加に
制限され、それらは表現型の発現を刺激するための発達因子の援助を必要等する。
れらはすべての体細胞系統および機能的配偶子を生じることができる。未分化状態の場合
、これらの細胞はアルカリホスファターゼ陽性であり、胚性幹細胞および肺性生殖細胞に
対する免疫学的マーカーを発現し、レロメラーゼ陽性であり、広範な自己再生能力を示す
。分化時に、これらの細胞は、外胚葉、中胚葉、および内胚葉胚性胚葉から誘導される広
範な細胞型を発現する。胚性幹(ES)細胞は、マウス、ラット、ブタ、ヒツジ、霊長類
およびヒト胚の胚盤胞、内部細胞隗または生殖隆起から単離されている(非特許文献3、
非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8および非特許
文献9)。
ES細胞は、遺伝子操作およびクローン拡張中の多系統分化能を保持する。未決定細胞は
、細胞の分化および発生を研究するためのモデルシステムを提供し、例えば、相同性組換
えによってゲノム(特にマウスのゲノム)に特定の変異を運搬するためのベクターとして
使用する場合に強力なツールを提供する(非特許文献10)。ES細胞は移植研究のため
の潜在的な供給源であるが、これらの見込みは、培養物の発達に伴う無秩序および異種の
性質によって阻止されており、このため、分化している集団から系統制限された前駆体を
選択するためのストラテジーに必要な開発が求められている(非特許文献11)。動物に
インプラントされたかまたは皮下に提示されたE細胞は、3種のすべての胚葉の誘導体を
含有する様々なタイプの組織を含有する奇形腫を形成する(非特許文献8)。
胞(非特許文献12、非特許文献13および非特許文献14);脂肪組織の単能性脂肪芽
細胞(非特許文献15);軟骨膜および骨膜のそれぞれ単能性軟骨形成細胞および骨形成
細胞(非特許文献16および非特許文献17);脂肪組織の二能性脂肪繊維芽細胞(非特
許文献18);骨髄の二能性軟骨形成/骨形成幹細胞(非特許文献19、非特許文献20
、非特許文献21および非特許文献22);骨髄の三能性軟骨形成/骨形成/脂肪生成幹
細胞(非特許文献23);骨髄の多能性幹細胞(非特許文献24、非特許文献25および
非特許文献26);骨髄の多能性心臓性/造血性/内皮形成細胞(非特許文献27);な
らびに結合組織の多能性間葉幹細胞(非特許文献28、非特許文献1および非特許文献2
9)が挙げられる。
ており、該文献はその全体が参考として本明細書に援用されている。そのような多能性間
葉幹細胞は、分化決定された細胞を実質的に含まず、軟骨、筋肉、脂肪組織、脈管構造、
腱、靭帯および造血を含むがそれらには限定されない中胚葉由来の多数の組織に分化する
ことが可能である。そのような多能性間葉幹細胞のさらなる成分および軟骨修復における
多能性間葉幹細胞の特定の使用については、特許文献2に記載されており、該文献はその
全体が参考として本明細書に援用されている。
0、非特許文献28および非特許文献17)、マウス(非特許文献29、非特許文献31
および非特許文献1)、ラット(非特許文献32、非特許文献33、非特許文献34、非
特許文献35および非特許文献36)、ウサギ(非特許文献37、非特許文献38、非特
許文献39および非特許文献40)、およびヒト(非特許文献22および非特許文献2)
の多く動物種から単離されている。胎児期ニワトリ(非特許文献28)および胎児期マウ
ス(非特許文献29および非特許文献1)から単離された中胚葉幹細胞の集団のクローン
化分析(限界系列希釈を反復することによる個々のクローンの単離)により、2つのカテ
ゴリーの細胞:分化決定された始原細胞および分化決定されていない多能性細胞が示され
た。非不死化された始原細胞は自己複製が可能であるが、プログラムされた細胞の老化が
生じる前の約50〜70細胞倍加に制限された限定された寿命を有する。それらは静止状
態を保持することができるか、または増殖、それらの系統経路に発達、および/または分
化するように誘導され得る。始原細胞の1つの独特な特徴は、インスリン、インスリン様
成長因子−I(IGFI)、またはインスリン様成長因子−II(IGF−II)などの
発達因子で処理することによってそれらの表現型発現を加速することができることである
(非特許文献28、非特許文献1、非特許文献2および非特許文献29)。
できるか、または適切な生体活性因子による処理によって増殖、それらの系統経路に発達
、および/または分化するように誘導され得る(非特許文献42)。これとは対照的に、
多能性間葉幹細胞であるPPMSCは、中胚葉について分化未決定であり、系統が制限さ
れていないことが見出された胎児期動物由来のPPMSCは、特定の系統に対して未決定
を保持する限り、広範な自己再生能を有した。一旦、PPMSCが特定の組織系統に決定
されると、それらは該系統に対する始原細胞の特徴を有するものとみなされ、それらの複
製能は、プログラムされた細胞老化が生じる前の約50〜70細胞倍加に制限される。P
PMSCは静止状態を保持し得、そうでない場合は、適切な生体活性因子は増殖、分化決
定、系統発達、および/または幹細胞の分化を含むことを必要とする(非特許文献41)。
は外傷もしくは疾患により消失したほとんどのヒト組織を再生する能力は、成体では実質
的に減少する。毎年数百万人の米国人が組織の消失または終段階の器官不全を患う。これ
らの患者のための国民医療費の合計は、1年あたり4千億ドルを超えている。現在、米国
では、これらの障害を治療するために年間8百万を超える外科手順が実施されており、4
千万〜9千万の病院日数が必要である。これらの療法は数えきれないほどの生命を救い、
改善するが、それらは完全に解決しているわけではない。組織移植および外科的介入など
の選択肢は深刻なドナー不足および可能な長期の病的状態のために厳しく制限されている
。実際、ドナー不足は毎年悪化し、必要な臓器の待機リストに掲載されながら死亡する患
者の数が増加している(非特許文献42)。
原理およびライフサイエンスを適用する学際的な分野である。これらの一般的ストラテジ
ーは、次の新たな組織の作製に適応されている:(1).単離された細胞または組織欠損
もしくは欠陥の領域に適用される細胞代用物。(2).マトリックス上または内に配置さ
れた細胞。閉鎖系では、栄養物および水の透過を可能にする一方、インプラントの破壊か
ら抗体または免疫細胞などの大きな実体を排除する膜によって身体から細胞が単離される
。開放系では、マトリックスに付着した細胞がインプラントされ、身体に組み入れられる
。(3).組織の再生を生じる増殖の決定されたパターンに特異的な細胞を調節するため
の成長因子に依存する組織誘導物質、およびこれらの物質をそれらの標的に送達するため
の方法。
は、多能性幹細胞単独かあるいは形態形成タンパク質、成長因子、遺伝子、および/また
は徐放送達システムとの組み合わせでの治療の能力を有する。好ましい治療は、組織消失
の治療であり、ここで、目的は移植に利用可能な細胞数を増加し、それによって失われた
組織(即ち、組織の消失、先天異常、胸部再構成、輸血、もしくは筋ジストロフィー)を
再生するかまたはex vivo遺伝子療法のための十分な細胞数を提供する(筋ジスト
ロフィー)ことである。多能性幹細胞を使用して期待される利益は、特定の組織系統への
(形態形成タンパク質誘導性)決定前の無制限の増殖のための能力であり、次いで、一旦
始原幹細胞として決定されるとプログラムされた細胞老化の前にさらに50〜70倍加生
存することである。移植に利用できる組織の量が制限されている場合、これらの増殖属性
は極めて重要である。組織消失は、ガン、外傷性組織損傷、先天異常、脈管性欠陥、選択
術などに関する急性損傷および外科的介入、即ち、切断、組織の挫滅組織切除、および外
科摘出術から生じ得、このため、米国では毎年350万の手術が行われている。
を考慮する場合に例示することができる。中胚葉由来の潜在的に多数の組織(即ち、骨、
軟骨、筋肉、脂肪組織、脈管構造、腱、靭帯および造血)、消失した組織を再生するため
の特定の形態形成タンパク質および成長因子により例えばex vivoで作製された前
記組織の置換のために、多能性間葉幹細胞を利用することができる。次いで、再生された
組織を移植して組織の消失部位を修復し得る。代替的ストラテジーは、細胞組成物として
多能性幹細胞を提供するか、例えば、マトリックス、必要な領域への移植物へ取り入れら
れ得るべきであり、これにより、内因性形態形成タンパク質および成長因子は多能性幹細
胞を誘導して、組織の失われた組織構造を再生することが可能である。このアプローチに
ついては特許文献3(本明細書においてその全体が援用されている)に例示されており、
該文献は、軟骨修復のための部位での軟骨および/または骨への分化を提供するための多
能性間葉幹細胞のポリマーキャリアへのインプラントについて記載している。
能を有する;(c)多数の個別の組織系統へ決定するために操作することができる;(d
)現存する組織への組み入れが可能である;および(d)続いてそれぞれ分化された組織
型を発現することができる、移植療法のためのさらなる組織供給源の同定は、消失した、
損傷を受けた、もしくは疾患のある組織の機能的能力および/または寿命を維持あるいは
増加する療法に有益性であることが明らかであり得る。
解釈されるべきではない。
己再生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な幹細胞にまで及
ぶ。
らびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性胚葉幹細胞にまで及ぶ
。
ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性胚葉幹細胞にまで及
ぶ。
もよい。
動脈、心内膜、心筋層、心外膜、大動静脈、肉芽組織、末梢神経、末梢神経節、脊髄、硬
膜、軟髄膜、気管、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、膵臓、壁側腹膜、臓側腹膜、壁
側胸膜、肺胸膜、膀胱、胆嚢、腎臓、関連結合組織、または骨髄の群より選択される非胚
組織から単離することができる。
に関する。細胞は、分化決定された細胞であり得、該細胞は内胚葉、外胚葉または中胚葉
系統に決定され得る。例えば、中胚葉系統の分化決定された細胞、例えば、脂肪生成、筋
原または軟骨形成始原細胞は、多能性胚様幹細胞から誘導され得る。
む多能性胚様幹細胞から誘導される多能性細胞に関する。いずれのそのような多能性細胞
も自己再生および分化可能である。
(a)自己再生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性
胚様幹細胞;および
(b)前記幹細胞の増殖を支持し得る培地、を含む培養物。
を含む培養物に関する。
ができる。そのような培養物の幹細胞は、非ヒト細胞から単離されてもまたはヒト細胞か
ら単離されてもよい。
様幹細胞を単離する方法であって、以下の工程を含む。
(a)非胚動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
様幹細胞を単離する方法であって、以下の工程を含む。
(a)生後動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
様幹細胞を単離する方法であって、以下の工程を含む。
(a)成体動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
様幹細胞を単離する方法であって、以下の工程を含む。
(a)非胚動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)20μmフィルターを介して前記細胞をろ過する工程;
(c)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(d)前記細胞を培養する工程。
幹細胞のクローン集団が単離される方法に関し、ここで、まず、単一の多能性肺様幹細胞
が単離され、次いで、クローン集団を作製するために培養および拡張される。単一の多能
性胚様幹細胞は、限界希釈かまたは当業者に公知である他の方法によって単離することが
できる。
株に関する。
され、それによって目的の遺伝子もしくはタンパク質を含有し発現することができるその
ような細胞の集団に関する。従って、本発明は、目的の遺伝子またはタンパク質を発現す
るように遺伝子操作された多能性胚様幹細胞を含む。次いで、そのような遺伝子操作され
た幹細胞が分化決定されるのと同様に、本発明はさらに、遺伝子操作された多能性胚様幹
細胞から誘導され、目的の遺伝子またはタンパク質を発現する分化決定された細胞を包含
する。分化決定された細胞は内胚葉、外胚葉または中胚葉分化決定された細胞であっても
よく、多能性間葉幹細胞などの多能性細胞または脂肪生成もしくは筋原細胞などの始原細
胞であってもよい。
工程を含む。
(a)少なくとも1つのマーカー遺伝子または目的の遺伝子を含むDNA構築物で多能性
胚様幹細胞をトランスフェクトする工程;
(b)前記多能性胚様幹細胞において前記マーカー遺伝子または目的の遺伝子の発現を選
択する工程;
(c)工程(b)において選択された幹細胞を培養する工程。
細胞を含む遺伝子操作された多能性胚様幹細胞を包含する。
、該方法は以下の工程を含む。
A.本発明の多能性胚様幹細胞と分化決定因子である作用物質を含有することが疑わしい
サンプルとを接触させる工程;および
B.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された
前記細胞の系統を決定する工程、
ここで、前記接触された細胞の系統は、前記サンプルにおける分化決定因子の存在または
活性を示す。
A.分化未決定されていない細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の系統を決定する工程。
的作用物質、化合物または薬物のスクリーニングのためのアッセイシステムを含む。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の系統を決定する工程。
法は以下の工程を含む。
A.本発明の多能性胚様幹細胞と増幅因子である作用物質を含有することが疑わしいサン
プルとを接触させる工程;および
B.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された
前記細胞の増殖および系統を決定する工程、
ここで、分化決定を伴わない前記接触された細胞の増殖は、前記サンプルにおける増殖因
子の存在または活性を示す。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の増殖および系統を決定する工程。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の増殖および系統を決定する工程。
たはin vivo変調することが可能な薬物もしくは他の実体を同定するために適応し
得る。そのようなアッセイは、例えば、増殖または特定の系統もしくは細胞型にを決定す
るために多能性胚様幹細胞を変調するのに特異的であり得る作用物質、因子または薬物の
開発に有用である。例えば、そのような薬物は細胞または組織の移植療法を可能にするの
に使用することができる。
細胞の分化または発生に関与するタンパク質または分子をコードする遺伝子をスクリーニ
ングするか、同定するかあるいは特徴付けするために容易に適応することができる。例え
ば、特定の系統に沿った分化に関与するかまたは分化中に発現されるタンパク質をコード
する遺伝子は、公知の方法(例えば、cDNAライブラリー、ディファレンシャルディス
プレイなど)により同定することができる。従って、本発明の多能性胚様幹細胞は、特定
の系統を生じる条件下で培養することができ、次いでここで発現された遺伝子を特徴付け
することができる。多能性胚様状態における本発明の多能性胚様幹細胞を維持するのに必
要な因子およびタンパク質はまた、それらの再生能を維持する条件下で本発明の多能性胚
様幹細胞を培養し、遺伝子およびそのようにして発現されるタンパク質または外因から提
供される場合に自己再生能を維持するタンパク質を特徴付けることによって、同様に同定
および特徴付けすることができる。
明の多能性胚様幹細胞の活性、あるいは増殖因子および分化決定因子を含む作用物質また
は任意のそのような細胞もしくは組織に作用することが決定付けられた他の薬物に基づく
特定の治療方法に関する。1つの例示的治療方法は、特定の系統の細胞の欠乏もしくは不
全に原因として関連するかまたは該欠乏もしくは不全から生じる症状の発現の予防または
変調に関連し、該方法は、それから誘導される細胞または組織を含む本発明の多能性胚様
幹細胞を、宿主のそれらの症状の発達または進行を予防するのに十分な量で、個々にある
いは増殖因子または分化決定因子との混合で投与することを含む。
障害、細胞衰弱もしくは欠損の治療または緩和における細胞の分化未決定の集団、細胞の
分化決定された集団、それから誘導される組織および器官を含む本発明の多能性胚様幹細
胞の移植を含む治療方法を含む。これらの方法は、細胞、組織もしくは器官の置換または
補充を含む。そのような置換または補充は、本発明の多能性胚洋館細胞の移植または細胞
の未分化未決定の集団、細胞の分化決定集団、それから誘導される組織もしくは器官の移
植によって達成することができる。
能性胚様幹細胞を移植する方法を含む。
、宿主に精製された多能性胚様幹細胞を提供する方法を提供する。
遺伝子を発現するDNAまたはRNAを含むベクターをトランスフェクトする工程を含む
、目的のタンパク質もしくは遺伝子をin vivo投与する方法を含む。
において組織修復または移植する方法を提供する。
の細胞衰弱、障害および/または機能不全および/または他の疾患状態を予防ならびに/
あるいは治療する方法を提供する。
中胚葉分化決定された細胞を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の細胞衰弱、障害
および/または機能不全および/または他の疾患状態を予防ならびに/あるいは治療する
方法を提供する。
含む薬学的組成物を単独かあるいは本発明の多能性胚様幹細胞、またはそれから誘導され
る細胞もしくは組織、あるいは他の同様な薬剤、薬物または例えば、本発明のさらなる態
様に従って調製および使用される薬物スクリーニングアッセイによって同定される化合物
との組み合わせで投与することによって様々な病因あるいは他の細胞機能不全および障害
を治療する方法を含む。
される組織および器官を含む本発明の多能性胚様幹細胞を含むかまたは基づく治療方法に
おける使用のための薬学的組成物を、受容可能なキャリアと共に提供することである。薬
学的に受容可能なキャリアを伴う、本発明の多能性胚様幹細胞ならびに/またはそれから
誘導される細胞、組織および器官に作用するかあるいは変調する増殖因子あるいは分化決
定因子を含む薬学的組成物も考慮される。増殖因子あるいは分化決定因子の薬学的組成物
は、本発明の多能性胚様幹細胞、またはそれから誘導される細胞、組織もしくは器官をさ
らに含み得る。薬学的組成物は、本発明の多能性胚様幹細胞、またはそれから誘導される
細胞、組織もしくは器官を、ポリマーキャリアあるいは細胞外マトリックス中に含み得る。
学的組成物を提供し、該薬学的組成物は以下のものを含む。
A.治療有効量の本発明の多能性胚葉幹細胞;および
B.薬学的に受容可能な媒体またはキャリア。
様または中胚葉分化決定された細胞を含む組成物、および薬学的に受容可能な媒体もしく
はキャリアを含む。そのような任意の薬学的組成物は、増殖因子または分化決定因子をさ
らに含むことができる。
ここで、そのような細胞は、抗原マーカーCD10、CD13、CD34、CD56、C
D90およびMHCクラスIに対して陽性であるかまたはこれらを発現する。本発明のP
PMSCは、マーカーCDla、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、C
D9、CDllb、CDllc、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19、
CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD31、CD33、CD36、
CD38、CD41、CD42b、CD44、CD45、CD49d、CD55、CD5
7、CD59、CD61、CD62E、CD65、CD66e、CD68、CD69、C
D71、CD79、CD83、CD95、CD105、CDl17、CD123、CDl
66、グリコホリンA、DRII、FLT3、FMC−7、アネキシン、およびLINに
対して陰性である。
キシンに対して陽性であるかまたはこれらを発現し、CD2、CD3、CD4、CD5、
CD7、CD8、CD9、CDllb、CDllc、CDl3、CD14、CD15、C
D16、CD18、CD19、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、C
D31、CD33、CD34、CD36、CD38、CD42b、CD44、CD45、
CD49d、CD55、CD56、CD57、CD59、CD61、CD62E、CD6
5、CD68、CD69、CD71、CD79、CD83、CD90、CD95、CD1
05、CDl17、CD123、CDl66、グリコホリンA、DRII、クラスI、F
LT3、FMC−7、およびLINに対して陰性であるかまたはこれらを発現しない多能
性幹細胞に関する。
陽性であるかまたはこれらを発現し、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8
、CD9、CDllb、CDllc、CDl3、CD14、CD15、CD16、CD1
8、CD19、CD20、CD23、CD24、CD25、CD31、CD33、CD3
4、CD36、CD38、CD41、CD42b、CD44、CD45、CD49d、C
D55、CD56、CD57、CD59、CD61、CD62E、CD65、CD66e
、CD68、CD69、CD71、CD79、CD83、CD90、CD95、CD10
5、CDl17、CD123、CDl66、グリコホリンA、DRII、クラスI、FL
T3、FMC−7、アネキシン、およびLINに対して陰性であるかまたはこれらを発現
しない多能性幹細胞を含む。
れらを発現し、CD1a、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD9、
CDllb、CDllc、CDl3、CD14、CD15、CD16、CD18、CD1
9、CD20、CD23、CD24、CD25、CD31、CD33、CD34、CD3
6、CD38、CD41、CD42b、CD44、CD45、CD49d、CD55、C
D56、CD57、CD59、CD61、CD62E、CD65、CD66e、CD68
、CD69、CD71、CD79、CD83、CD90、CD95、CD105、CDl
17、CD123、CDl66、グリコホリンA、DRII、クラスI、FLT3、FM
C−7、アネキシン、およびLINに対して陰性であるかまたはこれらを発現しない多能
性幹細胞に関する。
調製および単離のためのいくらかの手段または方法を考慮し、従って、本発明は請求の範
囲内でそのような手段または方法を含むことを意図する。
より当業者には明らかであろう。
本発明に従えば、用いられる従来の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技術は
当業者の範囲内にある。例えば、Sambrookら、”Molecular Clon
ing; A Laboratory Manual” (1989);”Curren
t Protocols in Molecular Biology”Volumes
I−III [Ausubel, R. M編(1994)];”Cell Biol
ogy; A Laboratory Handbook”Volumes 1−111
[J. E. Celis編(1994))];”Current Protocol
s in Immunology”Volumes 1−111 [Coligan,
J. E編(1994)];”Oligonucleotide Synthesis”
(M. J. Gait ed. 1984);”Nucleic Acid Hyb
ridization” [B. D. Hames & S. J. Higgins
編(1985)];”Transcription AndTranslation”
[B. D. PHames & S. J. Higgins編(1984)] ”
Animal Cell Culture” [R. I. Freshney編(19
86)];”Immobilized Cells And Enzymes” [IR
L Press,(1986)]; B. Perbal,”A Practical
Guide To Molecular Cloning” (1984)を参照された
い。
」、「原外胚葉様幹細胞」、「多能性原外胚葉様幹細胞」、「PPELSC」、「PPS
C」および「幹細胞」ならびに具体的に列挙されていない任意の変異体は、本明細書にお
いて交換可能に使用され得、本出願および請求の範囲を通して使用されるに、これらの用
語は、これらの細胞(単数および複数)ならびに/あるいは非胚もしくは生後動物細胞も
しくは組織から誘導される上記細胞の培養物、クローンもしくは集団に及び、自己再生可
能および内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能である。胚様多能性幹細胞は
、本明細書ならびに請求の範囲に記載の能力および特徴のプロフィールを有する。
例えば、内胚葉、中胚葉、外胚葉、または脊索にも決定されていない。それらは静止状態
を保持することができる。それらはまた、増殖するための特定の成長因子によって刺激さ
れ得る。増殖のために活性化される場合、胚様多能性幹細胞は、分化未決定を保持する限
り広範な自己再生が可能である。この決定過程には、一般的または特定の分化決定剤の使
用が必要である。
び特定の段階の分化を決定する。
、胚様系統または細胞型)にも決定されていない細胞の特徴を指す。
様系統または細胞型)に決定されている細胞の特徴を指す。例えば、分化決定された細胞
は、胚様内の単一の系統、例えば、肝臓、甲状腺(内胚葉)、筋肉、骨(中胚葉)、ニュ
ーロン、メラニン細胞、表皮(外胚葉)などに制限された子孫を生じ得るそれらの細胞を
含む。
能である。多能性内胚葉幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細胞から内胚葉
系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定の内胚葉分化決定
剤の使用が必要である。多能性胚様幹細胞は、上皮裏打ち誘導体、および/または気管の
実体、気管支、肺、胃腸管、肝臓、膵臓、膀胱、咽頭、甲状腺、胸腺、上皮小体、鼓室、
耳管、扁桃などを含むがこれらに限定されない内胚葉系統内の任意の細胞型を形成するこ
とができる。
能である。多能性中胚葉幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細胞から中胚葉
系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定の中胚葉分化決定
剤の使用が必要である。多能性中胚葉幹細胞は、骨格筋、平滑筋、心筋、脂肪細胞、褐色
細胞、結合組織中隔、疎性結合組織、繊維性器官被膜、腱、靭帯、真皮、骨、硝子軟骨、
弾性軟骨繊維軟骨、関節軟骨、成長板軟骨、内皮細胞、髄膜、骨膜、軟骨膜、赤血球、リ
ンパ球、単球、マクロファージ、小膠細胞、形質細胞、肥満細胞、樹状細胞、巨各球、破
骨細胞、軟骨吸収細胞、リンパ節、扁桃、脾臓、腎臓、尿管、膀胱、心臓、精巣、卵巣、
子宮などを含むがこれらに限定されない中胚葉系統内の任意の細胞型を形成することがで
きる。
能である。多能性外胚葉幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細胞から外胚葉
系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定の外胚葉分化決定
剤の使用が必要である。多能性外胚葉幹細胞は、神経外胚葉、神経堤、および/または表
面外胚葉系統内の任意の細胞型を形成することができる。
分化が可能である。多能性神経外胚葉幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細
胞から神経外胚葉系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定
の神経外胚葉分化決定剤の使用が必要である。多能性神経外胚葉幹細胞は、ニューロン、
稀突起膠細胞、星状細胞、上衣細胞、網膜、松果体、脳下垂体後葉などを含むがこれらに
限定されない神経外胚様系統内の任意の細胞型を形成することができる。
能である。多能性神経堤幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細胞から神経堤
系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定の神経堤分化決定
剤の使用が必要である。多能性神経堤幹細胞は、頭側神経節、知覚神経節、自律神経節、
末梢神経、シュワン細胞、知覚神経終末、副腎髄質、メラニン細胞、頭部間葉の寄与、頚
部間葉への寄与、胸部間葉への寄与、腰部間葉への寄与、仙骨間葉への寄与、尾骨間葉へ
の寄与、心臓弁、心流出路(大動脈および肺動脈幹)、APUD(アミン取り込みデカル
ボキシラーゼ)システム、傍濾胞「C」(カルシトニン)細胞、エンテロクロマフィン細
胞などを含むがこれらに限定されない神経堤系統内の任意の細胞型を形成することができ
る。
分化が可能である。多能性表面外胚葉幹細胞は、それらの寿命中の任意の時点で単一の細
胞から表面外胚葉系統内で決定する能力を有する。この決定過程には、一般的または特定
の表面外胚葉分化決定剤の使用が必要である。多能性表面外胚様幹細胞は、表皮、毛髪、
爪、汗腺、唾液腺、脂腺、乳腺、脳下垂体前葉、歯のエナメル質、内耳、眼のレンズなど
を含むがこれらに限定されない表面外胚葉系統内の任意の細胞型を形成することができる
。
ば、肝臓、甲状腺(内胚葉)、筋肉、骨(中胚葉)、ニューロン、メラニン細胞、表皮(
外胚葉)などに制限された子孫を生じることができる。それらはまた、増殖するための特
定の成長因子によって刺激され得る。増殖のために活性化される場合、始原細胞は、プロ
グラム化された細胞老化および死が生じる前に50〜70細胞倍加に制限された寿命を有
する。
よって誘導される細胞の集団である。「細胞株」は、多くの世代に渡るin vitro
での安定な増殖が可能である初代細胞のクローンである。
子エレメント(例えば、プラスミド、染色体、ウイルス)であり、即ち、自身の制御下で
複製することが可能である。
ントを付着することができるプラスミド、ファージまたはコスミドなどのレプリコンであ
る。
シトシン)の単一形態または二重螺旋でのポリマー形態を指す。この用語は、分子の1次
および2次構造のみを指し、該分子を任意の特定の3次形態に限定するものではない。従
って、この用語は、特に、線状 DNA分子(例えば、制限フラグメント)、ウイルス、
および染色体において見出される2本鎖DNAを含む。特に2本鎖DNA分子の構造につ
いて議論する場合、配列は、転写されない鎖のDNA(即ち、該鎖はmRNAに相同な配
列を有する)に沿った5’から3’方向への配列のみを示す通常的な慣例に従って本明細
書に記載することができる。
n vivoでポリペプチドに翻訳される2本鎖DNA配列であるコード配列の境界は、
5’(アミノ)末端の開始コドンおよび3’(カルボキシル)末端の翻訳終止コドンによ
って決定される。コード配列としては、原核生物の配列、真核生物のmRNA由来のcD
NA型、真核生物(例えば、哺乳動物)DNA由来のゲノムDNA配列、および合成DN
A配列が挙げられるが、これらに限定されない。ポリアデニル化シグナルおよび転写終了
配列は、通常、コード配列の3’側に配置される。
ンハンサー、ポリアデニル化シグナル、ターミネーターなどのDNA調節配列である。
の)コード配列の転写を開始することが可能なDNA調節領域である。本発明を規定する
目的のために、プロモーター配列は、転写開始部位によって3’末端に結合し、上流(5
’方向)に伸張し、最小数の塩基またはバックグランドよりも大きな検出可能なレベルで
転写を開始するのに必要なエレメントを含む。プロモーター配列内では、転写開始部位(
従来、ヌクレアーゼSlによるマッピングによって規定される)、およびRNAポリメラ
ーゼの結合を担うタンパク質結合ドメイン(コンセンサス配列)が認められよう。真核生
物のプロモーターは、常にではないがしばしば、「TATA」ボックスおよび「CAT」
ボックスを含有する。原核生物のプロモーターは、−10および−35コンセンサス配列
に加えてシャイン・ダルガノ配列を含有する。
DNA配列である。RNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写し、次いで、コー
ド配列によってタンパク質に翻訳される場合、コード配列は細胞中の転写および翻訳調節
配列の「制御下」にある。
ポリペプチドを細胞の表面に方向付けるかまたはポリペプチドを培地に分泌させるシグナ
ルペプチド(ポリペプチドに対してN末端側)をコードし、このシグナルペプチドは、タ
ンパク質が細胞を離れる前に宿主細胞によって切り取られる。シグナル配列は、原核生物
および真核生物に天然に存在する様々なタンパク質に関連して見出すことができる。
レオチド」は、2つ以上、好ましくは3つを超えるリボヌクレオチドから成る分子として
規定される。その正確なサイズは多くの因子に依存し、順に、最終的な機能およびオリゴ
ヌクレオチドの使用に依存する。
な天然に存在するかまたは合成により精製されるいずれのオリゴヌクレオチドをも指し、
プライマー伸長産物(核酸鎖に対して相補的である)の合成が誘導される条件(即ち、ヌ
クレオチドおよびDNAポリメラーゼなどの誘導剤の存在下ならびに適切な温度およびp
H)下に配置される場合、合成開始点として作用することが可能である。プライマーは単
一鎖かまたは2本鎖のいずれか一方であり、誘導剤の存在下で所望される伸長産物の合成
をプライムするのに十分な長さでなければ成らない。このプライマーの正確な長さは、温
度、プライマーの供給源および方法の使用を含む多くの因子に依存する。例えば、診断ア
プリケーションのために、標的配列の複雑度に依存して、オリゴヌクレオチドプライマー
は、典型的に1525以上のヌクレオチドを含有するが、該プライマーはそれより少ない
ヌクレオチドを含有してもよい。
される。このことは、プライマーがそれらのそれぞれの鎖とハイブリダイズするのに十分
に相補的でなければならないことを意味する。従って、プライマー配列は、テンプレート
の正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチドフラグメントはプラ
イマーの5’末端に付着することができ、該プライマー配列の残りの部分は鎖に相補的で
ある。
、但し、プライマー配列は、鎖の配列とハイブリダイズし、それによって伸長産物の合成
のためのテンプレートを形成するのに十分な該鎖の配列との相補性を有する。
オチド配列またはその付近で2本鎖DNAを切断する微生物の酵素を指す。
異種DNAによって「形質転換」または「トランスフェクト」されている。形質転換また
はトランスフェクトDNAは、細胞のゲノムを構成する染色体DNAに組み込まれていて
も組み込まれていなくてもよい。原核生物、例えば、酵母、および哺乳動物細胞では、形
質転換またはトランスフェクトDNAは、プラスミドなどのエピソームエレメント上に維
持され得る。親核細胞については、安定に形質転換またはトランスフェクトされた細胞は
、形質転換またはトランスフェクトDNAが、染色体の複製を介して娘細胞に遺伝するよ
うに染色体に組み込まれている細胞である。この安定性は、親核細胞が、形質転換または
トランスフェクトDNAを含有する娘細胞の集団から成る細胞株あるいはクローンを樹立
する能力によって決定される。
0または95%)のヌクレオチドが規定された長さのDNA配列に一致する場合、2つの
DNA配列は「実質的に相同」である。 実質的に相同である配列は、配列データバンク
において利用可能な鎖ソフトウェアを使用して配列を比較するか、または例えば、特定の
系について規定されるストリンジェントな条件下のサザンハイブリダイゼーション実験で
同定することができる。適切なハイブリダイゼーション条件を規定することは当業者の範
囲内である。例えば、Maniatisら、上掲;DNA Cloning, Vols
. I & II、上掲;; Nucleic Acid Hybridization
、上掲を参照されたい。
れないより大きなDNA分子内のDNAの同定可能なセグメントである。従って、異種領
域が哺乳動物遺伝子をコードする場合、該遺伝子は、通常、供給源生物のゲノムにおける
哺乳動物ゲノムDNAに隣接しないDNAに隣接される。異種コード配列のもう1つの例
は、コード配列自体が天然に認められない構築物(例えば、ゲノムコード配列がイントロ
ンか、または天然の遺伝子とは異なるコドンを有する合成配列を含有するcDNA)であ
る。対立遺伝子変異体または天然に存在する変異事象は、本明細書に規定されるDNAの
異種領域を生じない。
列は該発現調節配列に「作動可能に連結される」。用語「作動可能に連結される」は、発
現させようとするDNA配列の前に適切な開始シグナル(例えば、ATG)を有し、正確
な読み枠を維持して、発現調節配列下のDNA配列の発現およびDNA配列にコードされ
る所望の産物の産生を可能にすることを含む。組換えDNA分子への挿入を所望する遺伝
子が適切な開始シグナルを含有していない場合、そのような開始シグナルを該遺伝子の前
に挿入することができる。
の両方について5×SSCおよび65℃に実質的に等価である塩および温度条件を指す。
しかし、当業者であれば、そのような「標準的なハイブリダイゼーション条件」が、緩衝
液中のナトリウムおよびマンガンの濃度、ヌクレオチドの配列長および濃度、ミスマッチ
%、ホルムアミド%などを含む特定の条件に依存することを理解するであろう。2つの配
列のハイブリダイズがRNA−RNA、DNA−DNAまたはRNA−DNAであるかど
うかも「標準的なハイブリダイゼーション条件」の決定に重要である。そのようなハイブ
リダイゼーション条件は、周知の公式(ここで、所望であればより高いストリンジェンシ
ーの洗浄によりハイブリダイゼーションは予想されるかまたは決定されるTmよりも典型
的に10〜20℃低い)に従って、当業者によって容易に決定される。
しかし、免疫グロブリン結合の所望される機能特性がポリペプチドによって保持される限
り、D−異性体型の残基を任意のL−アミノ酸残基の代わりに置き換えることができる。
NH2は、ポリペプチドのアミノ末端に存在する遊離のアミノ酸を指す。COOHは、ポ
リペプチドのカルボキシ末端に存在する遊離のカルボキシ基を指す。標準的なポリペプチ
ド命名方法J. Biol. Chem., 243:3552−59 (1969)を
見ると、アミノ酸残基の省略記号は以下の対応表(表1)の通りである。
シンボル アミノ酸
1文字 3文字
Y Tyr チロシン
G Gly グリシン
F Phe フェニルアラニン
M Met メチオニン
A Ala アラニン
S Ser セリン
I Ile イソロイシン
L Leu ロイシン
T Thr トレオニン
V Val バリン
P Pro プロリン
K Lys リジン
H His ヒスチジン
Q Gln グルタミン
E Glu グルタミン酸
W Trp トリプトファン
R Arg アルギニン
D Asp アスパラギン酸
N Asn アスパラギン
C Cys システイン
すべてのアミノ酸残基配列は、左右の方向がアミノ末端からカルボキシ末端への従来の
方向である式で本明細書において表されることに注意すべきである。さらに、アミノ酸残
基配列の最初または最後のダッシュは、1以上のアミノ酸残基のさらなる配列に結合した
ペプチドを示すことに注意すべきである。上記の表は、3文字命名と本明細書において代
替的に出現し得る1文字命名とを相関させるために示されている。
きである。「縮重する」とは、異なる3文字のコドンが特定のアミノ酸を明確にするため
に使用されることを意味する。特定の各アミノ酸をコードするために以下のコドンを交換
可能に使用することができることは当該分野において周知である。
ロイシン(Leu または L) UUA または UUG または CUU または
CUC または CUA または CUG
イソロイシン(Ile または I) AUU または AUC または AUA
メチオニン(Met または M) AUG
バリン(Val または V) GUU または GUC of GUA または GU
G
セリン(Ser または S) UCU または UCC または UCA または U
CG または AGU または AGC
プロリン(Pro または P) CCU または CCC または CCA または
CCG
トレオニン(Thr または T) ACU または ACC または ACA または
ACG
アラニン(Ala または A) GCU または GCG または GCA または
GCG
チロシン(Tyr または Y) UAU または UAC
ヒスチジン(His または H) CAU または CAC
グルタミン(Gln または Q) CAA または CAG
アスパラギン(Asn または N) AAU または AAC
リジン(Lys または K) AAA または AAG
アスパラギン酸(Asp または D) GAU または GAC
グルタミン酸(Glu または E) GAA または GAG
システイン(Cys または C) UGU または UGC
アルギニン(Arg または R) CGU または CGC または CGA または
CGG または AGA または AGG
グリシン(Gly または G) GGU または GGC または GGA または
GGG
トリプトファン(Trp または W) UGG
終止コドンUAA (オーカー) または UAG (アンバー) または UGA (
オパール)
上に明記されたコドンはRNA配列に関するものであることを理解すべきである。DN
Aに対する対応コドンはUの代わりにTを有する。
するコドンに変化するように作製され得る。そのような変異は、一般に、可能な限り最も
少ないヌクレオチド変化を作製することによって作製され得る。この種類の置換変異を作
製して、非保存的方法(即ち、特定のサイズまたは特徴を有するアミノ酸の群に属するア
ミノ酸からもう1つの群に属するアミノ酸へコドンを変化させることによって)または保
存的方法(即ち、特定のサイズまたは特徴を有するアミノ酸の群に属するアミノ酸から同
じ群に属するアミノ酸へコドンを変化させることによって)で得られるタンパク質のアミ
ノ酸を変化することができる。そのような保存的変化は、一般に得られるタンパク質の構
造および機能においてより少ない変化を生じる。非保存的変化は、得られるタンパク質の
構造、活性または機能をより変更し易い。本発明は、得られるタンパク質の活性または結
合特性を有意に変更しない保存的変化を含有する配列を含むことを考慮すべきである。
アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトフ
ァン、メチオニン。
グリシン、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン。
アスパラギン酸、グルタミン酸。
リジン、アルギニン、ヒスチジン(pH 6.0において)。
フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン。
もう1つの群は、分子量に従い得る(即ち、R基のサイズ)。
グリシン 75
アラニン 89
セリン 105
プロリン 115
バリン 117
トレオニン 119
システイン 121
ロイシン 131
イソロイシン 131
アスパラギン 132
アスパラギン酸 133
グルタミン 146
リジン 146
グルタミン酸 147
メチオニン 149
ヒスチジン(pH 6.0で) 155
フェニルアラニン 165
アルギニン 174
チロシン 181
トリプトファン 204
陽性荷電が維持され得るようなArgの代わりにLysおよびその逆;
陰性荷電が維持され得るようなAspの代わりにGluおよびその逆;
遊離の−OHを維持することができるようなThrの代わりにSer;および
遊離のNH2を維持することができるようなAsnの代わりにGln。
例えば、Cysは、もう1つのCysとのジスルフィド架橋のための潜在的部位に導入す
ることができる。Hisは、特定の「触媒」部位(即ち、Hisは酸または塩基として作
用する、生化学触媒において最も一般的なアミノ酸である)として導入することができる
Proはタンパク質の構造にβターンを導入する特定の平面構造を有するため、Proを
導入することができる。
0または95%)のアミノ酸残基が同一であるか、または保存的置換を示す場合、2つの
アミノ酸配列は「実質的に相同」である。
疫グロブリンである。該用語は、ポリクローナル、モノクローナル、およびキメラ抗体を
包含し、最近では米国特許第4,816,397号および同第4,816,567号によ
り詳細に記載されている。
から成る抗体分子の構造タンパク質である。
な免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分の両方を考慮す
る。
ブリン分子ならびにFab、Fab’、F(ab’)2およびF(v)として当該分野に
おいて公知である部分(該部分は本明細書に記載の治療方法における使用に好適である)
を含むパラトープを含有する免疫グロブリン分子の部分である。
抗体分子に対するそれぞれパパインおよびペプシンのタンパク質分解反応によって調製さ
れる。例えば、米国特許第4,342,566号(Theofilopolousら)を
参照されたい。Fab’抗体分子部分も周知であり、F(ab’)2部分から、続いてメ
ルカプトエタノールによる2つの重鎖部分を結合するジスルフィド結合の還元、続いてヨ
ードアセタミドなどの試薬による得られたタンパク質メルカプタンのアルキル化により生
成される。インタクトな抗体分子を含有する抗体がここでは好ましい。
とが可能なただ1つの腫の抗体結合部位を有する抗体を指す。従って、モノクローナル抗
体は、典型的に、該抗体が免疫反応する抗原に対する単一の結合親和性を示す。従って、
モノクローナル抗体は、異なる抗原に対してそれぞれが免疫特異的である複数の抗体結合
部位を有する抗体分子、例えば、二特異的(キメラ)モノクローナル抗体を含有し得る。
アレルギーまたは胃の不調、めまい感などの同様の不都合な反応を生じない分子実体およ
び組成物を指す。
有意な変化または例えば、高血圧、発熱もしくはその存在および活性に伴う白血球数など
の病因の他の特徴を予防する、好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくと
も50%、最も好ましくは少なくとも90%減少するのに十分な量を意味する。
生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性胚葉幹細胞の
同定ならびに単離に関する。本発明は、生後または成体動物細胞もしくは組織から誘導さ
れる、自己再生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性
胚葉幹細胞にまで及ぶ。
もよい。特定の実施態様において、本発明は、任意のヒト多能性胚葉幹細胞およびそのよ
うな細胞のクローン集団を含む集団に関する。
動脈、心内膜、心筋層、心外膜、大動静脈、肉芽組織、末梢神経、末梢神経節、脊髄、硬
膜、軟髄膜、気管、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、脾臓、膵臓、壁側腹膜、臓側腹膜、壁
側胸膜、肺胸膜、膀胱、胆嚢、腎臓、関連結合組織、または骨髄の群より選択される非胚
生後あるいは成体組織から単離することができる。
に関する。細胞は、分化決定された細胞であり得、該細胞は内胚葉、外胚葉または中胚葉
系統に決定され得る。
(a)自己再生可能ならびに内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞に分化可能な多能性
胚様幹細胞;および
(b)前記幹細胞の増殖を支持し得る培地。
ができる。そのような培養物の幹細胞は、非ヒト細胞から単離されてもまたはヒト細胞か
ら単離されてもよい。
様幹細胞を単離する方法であって、以下の工程を含む。
(a)非胚動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
(a)生後動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
(a)成体動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記細胞を緩徐に凍結する工程;および
(c)前記細胞を培養する工程。
(a)非胚動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)前記細胞をコラゲナーゼ/ディスパーゼ溶液中でインキュベートする工程;
(c)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記インキュベートした細胞を緩徐に凍結する工程;および
(d)前記細胞を培養する工程。
(a)非胚動物供給源から細胞を入手する工程;
(b)20μmフィルターを介して前記細胞をろ過する工程;
(c)−80℃の最終温度に到達するまで、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシドを
含有する培地中で前記ろ過した細胞を緩徐に凍結する工程;および
(d)前記細胞を培養する工程。
幹細胞のクローン集団が単離される方法に関し、ここで、まず、単一の多能性肺様幹細胞
が単離され、次いで、クローン集団を作製するために培養および拡張される。単一の多能
性胚様幹細胞は、限界希釈かまたは当業者に公知である他の方法によって単離することが
できる。
株に関する。
され、それによって目的の遺伝子もしくはタンパク質を含有し発現することができるその
ような細胞の集団に関する。従って、本発明は、目的の遺伝子またはタンパク質を発現す
るように遺伝子操作された多能性胚様幹細胞を含む。次いで、そのような遺伝子操作され
た幹細胞が分化決定されるのと同様に、本発明はさらに、遺伝子操作された多能性胚様幹
細胞から誘導され、目的の遺伝子またはタンパク質を発現する分化決定された細胞を包含
する。分化決定された細胞は内胚葉、外胚葉または中胚葉分化決定された細胞であっても
よく、多能性間葉幹細胞などの多能性細胞または脂肪生成もしくは筋原細胞などの始原細
胞であってもよい。
は以下の工程を含む。
(a)少なくとも1つのマーカー遺伝子または目的の遺伝子を含むDNA構築物で多能性
胚様幹細胞をトランスフェクトする工程;
(b)前記多能性胚様幹細胞において前記マーカー遺伝子または目的の遺伝子の発現を選
択する工程;
(c)工程(b)において選択された幹細胞を培養する工程。
細胞を含む遺伝子操作された多能性胚様幹細胞を包含する。
性については、多能性胚葉幹細胞が非胚生後または成体動物細胞もしくは組織から単離す
ることができ、他方で自己再生ならびに他方で内胚葉、外胚葉および中胚葉系統の細胞へ
の分化が可能であるという事実から導かれる。従って、任意の内胚葉、外胚葉、および中
胚葉系統の細胞は、動物供給源から、成体期に入るかまたは成体期中であっても該供給源
から入手可能な細胞の単一な自己再生供給源から提供され得る。本明細書においてはじめ
に示唆され、さらに詳細に説明したように、本発明は、例えば、薬学的介入、方法および
治療、細胞に基づく治療、遺伝子療法、様々な生物学的および細胞アッセイ、増殖または
分化決定因子の単離および評価、ならびに発生および細胞分化に関する多様な研究におけ
るそれから誘導される細胞または組織を含む多能性胚葉幹細胞の使用を考慮する。
したほとんどのヒト組織を再生する能力は、成体では実質的に減少している。毎年数百万
人の米国人が組織の消失または終段階の器官不全を患う。組織消失は、ガン、外傷性組織
損傷、先天異常、脈管性欠陥、選択術などに関する急性損傷および外科的介入、即ち、切
断、組織の挫滅組織切除、および外科摘出術から生じ得る。組織移植および外科的介入な
どの選択肢は深刻なドナー不足および可能な長期の病的状態のために厳しく制限されてい
る。これらの一般的ストラテジーは、次の新たな組織の作製に適応されている:(1).
単離された細胞または組織欠損もしくは欠陥の領域に適用される細胞代用物。(2).閉
鎖または開放系のいずれか一方でマトリックス上もしくは内に配置された細胞。(3).
組織の再生を生じる増殖の決定されたパターンに特異的な細胞を調節するための(増殖因
子または分化決定因子を含む)成長因子に依存する組織誘導物質、およびこれらの物質を
それらの標的に送達するための方法。
胞もしくは組織を含む本発明の多能性胚葉幹細胞単独あるいは増殖因子、分化決定因子、
または目的の遺伝子もしくはタンパク質との組み合わせでの治療に対して可能性を有する
。好ましい治療方法は、組織がin vivoで再生され得る場所での移植のために直接
細胞を提供するか、失われた組織をin vitroで再生して次いで組織を提供するか
、あるいはex vivoもしくはin vivo遺伝子療法のためのトランスフェクシ
ョンまたは形質転換に適切な十分な数の細胞を提供することを目的とする組織消失の治療
を含む。
、中胚葉)への決定前に自己再生に対する能力を有し、次いで、一旦決定されたらさらに
増殖することである。移植に利用できる適切な細胞および組織の量が制限されている場合
、これらの増殖ならびに分化属性は極めて重要かつ有用である。
能を有する;(c)多数の個別の組織系統へ決定するために操作することができる;(d
)現存する組織への組み入れが可能である;および(e)続いてそれぞれ分化された組織
型を発現することができる、移植療法のためのさらなる組織供給源としての多能性胚葉幹
細胞の単離は、消失した、損傷を受けた、もしくは疾患のある組織の機能的能力および/
または寿命を維持あるいは増加する療法に有益性であることが明らかであり得る。
明の多能性胚様幹細胞の活性、あるいは増殖因子および分化決定因子を含む作用物質また
は任意のそのような細胞もしくは組織に作用することが決定付けられた他の薬物に基づく
特定の治療方法に関する。1つの例示的治療方法は、特定の系統の細胞の欠乏もしくは不
全に原因として関連するかまたは該欠乏もしくは不全から生じる症状の発現の予防または
変調に関連し、該方法は、それから誘導される細胞または組織を含む本発明の多能性胚様
幹細胞を、宿主のそれらの症状の発達または進行を予防するのに十分な量で、個々にある
いは増殖因子または分化決定因子との混合で投与することを含む。
障害、細胞衰弱もしくは欠損の治療または緩和における細胞の分化未決定の集団、細胞の
分化決定された集団、それから誘導される組織および器官を含む本発明の多能性胚様幹細
胞の移植を含む治療方法を含む。これらの方法は、細胞、組織もしくは器官の置換または
補充を含む。そのような置換または補充は、本発明の多能性胚洋館細胞の移植または細胞
の未分化未決定の集団、細胞の分化決定集団、それから誘導される組織もしくは器官の移
植によって達成することができる。
能性胚様幹細胞を移植する方法を含む。
、宿主に精製された多能性胚様幹細胞を提供する方法を提供する。
遺伝子を発現するDNAまたはRNAを含むベクターをトランスフェクトする工程を含む
、目的のタンパク質もしくは遺伝子をin vivo投与する方法を含む。
の細胞衰弱、障害および/または機能不全および/または他の疾患状態を予防ならびに/
あるいは治療する方法を提供する。
中胚葉分化決定された細胞を哺乳動物に投与する工程を含む、哺乳動物の細胞衰弱、障害
および/または機能不全および/または他の疾患状態を予防ならびに/あるいは治療する
方法を提供する。
含む薬学的組成物を単独かあるいは本発明の多能性胚様幹細胞、またはそれから誘導され
る細胞もしくは組織、あるいは他の同様な薬剤、薬物または例えば、本発明のさらなる態
様に従って調製および使用される薬物スクリーニングアッセイによって同定される化合物
との組み合わせで投与することによって様々な病因あるいは他の細胞機能不全および障害
を治療する方法を含む。
認識するポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方を含む抗体、ならびに細胞およ
び/もしくはそれから誘導される組織を含む本発明の多能性胚葉幹細胞の増殖または決定
を変調する作用物質、因子あるいは薬物は、特定の診断または治療アプリケーションを有
することができ、例えば、細胞衰弱、細胞欠損などの症状を補正、緩和、検出および/ま
たは測定するの利用できる。例えば、それから誘導される細胞および/または組織を含む
本発明の多能性胚葉幹細胞を使用し、例えば、マウス脾臓リンパ球と骨髄腫との融合細胞
を利用するハイブリドーマ技術などの公知の技術により、様々な細胞培地においてそれら
に対するポリクローナルおよびモノクローナル抗体の両方を生成してもよい。同様に、例
えば、本発明の細胞の増殖または決定を変調する作用物質、因子または薬物を発見、同定
または合成することができ、診断および/治療プロトコールに使用することができる。
AによるBリンパ球の直接形質転換、またはエプスタイン・バールウイルスによるトラン
フェクションなどの融合以外の技術によっても、不死の抗体産生細胞株を作製することが
できる。例えば、M. Schreierら、”Hybridoma Techniqu
es” (1980); Hammerlingら、”Monoclonal Anti
bodies And Tcell Hybridomas” (1981); Ken
nettら、”Monoclonal Antibodies” (1980)を参照さ
れたい。また、米国特許第4,341,761号;同第4,399,121号;同第4,
427,783;同第4,444,887;同第4,451,570;同第4,466,
917;同第4,472,500;同第4,491,632;同第4,493,890を
参照されたい。
用する増殖もしくは分化決定因子に対して産生されるモノクローナル抗体のパネルを、様
々な特性、即ち、イソタイプ、エピトープ、親和性などについてスクリーニングすること
ができる。増殖または分化決定因子の活性を中和するモノクローナル抗体が特に興味深い
。そのようなモノクローナル物を、本明細書において考慮または記載した分化決定もしく
は増殖アッセイを含む活性アッセイで容易に同定することができる。それ由来の細胞また
は組織を含む多能性胚葉幹細胞、あるいは増殖または分化決定因子の免疫親和性に基づく
精製もしくは単離または同定を求める場合、高親和性抗体も有用である。
れたポリクローナル抗体である。より好ましくは、抗体はモノクローナル抗体(mAb)
である。さらに、本明細書に記載の抗体分子は、抗体分子全体のFab、Fab’、F(
ab’)2またはF(v)部分の形態であるのが好ましい。
ましくはアフィニティー精製されたポリクローナル抗体、より好ましくはmAbを含む、
それから誘導される細胞または組織を含む本発明の幹細胞を認識する有効量の抗体を含む
アッセイによって、細胞サンプルあるいは培地を検査することを含む。さらに、本明細書
に記載の抗体分子は、Fab、Fab’、F(ab’)2もしくはF(v)部分または抗
体分子全体の形態であるのが好ましい。先に考察したように、本方法により利益を得るこ
とが可能な患者には、細胞衰弱、臓器不全、組織消失、組織損傷、先天異常、ガンまたは
他の疾患衰弱を患う患者が含まれる。抗体を単離し、抗体が標的細胞もしくは因子の単離
、精製、検査または変調を援助する能力を決定あるいは最適化する方法は、当該分野にお
いて周知である。
。米国特許第4,493,795号(Nestorら)を参照されたい。Nimanら、
Proc. Natl. Acad. Sci. USA,80:4949−4953
(1983)を参照されたい。典型的に、有用な抗体分子のFabおよび/またはF(a
b’)2部分を含有するモノクローナル抗体は、Antibodies−A Labor
atory Manual, HarlowおよびLane編、Cold Spring
Harbor Laboratory, New York (1988)(該文献は
本明細書において参考として援用される)に記載のハイブリドーマ技術を使用して調製す
ることができる。
融合される。融合したハイブリッドは、HATに対するそれらの感受性によって選択され
る。本発明の1つの態様を実施するのに有用なモノクローナル抗体を産生するハイブリド
ーマは、例えば、本発明の多能性胚葉幹細胞と免疫反応するそれらの能力によって同定さ
れる。本発明のさらなる態様を実施するのに有用なモノクローナル抗体を産生するハイブ
リドーマは、例えば、それから誘導される細胞または組織を含む多能性胚葉幹細胞に対す
る因子、作用物質もしくは薬物の増殖または分化決定活性を阻害するそれらの能力によっ
て同定される。
泌するハイブリドーマを含有する栄養培地を含むモノクローナルハイブリドーマ培養物を
開始することによって、産生させることができる。該培養物は、ハイブリドーマが培地に
抗体分子を分泌するのに十分な条件下および期間の間維持される。次いで、抗体含有培地
が回収される。次いで、抗体分子は、周知の技術によってさらに単離される。
、それらには、合成培養培地、近交系マウスなどが含まれる。合成培地の例としては、4
.5gm/lグルコース、20mMグルタミン、および20%ウシ胎児血清を補充したD
ulbeccoの最小必須培地(DMEM ; Dulbeccoら、Virol. 8
:396 (1959))がある。近交系マウス株の例としては、Balb/cがある。
組成物は、混合物中に、薬学的に受容可能な賦形剤(キャリア)または媒体およびそれか
ら誘導される細胞または組織を含む1つ以上の本発明の多能性胚葉幹細胞を単独あるいは
有効成分として本明細書に記載の増殖因子または分化決定因子との組み合わせで含む
は組織を含む本発明の多能性胚葉幹細胞は、薬学的組成物中に、適切なキャリアと共に、
細胞もしくは組織の消失または欠損を経験している患者に様々な手段で投与するのに有効
な強度で調製することができる。
される組織および器官を含む本発明の多能性胚様幹細胞を含むかまたは基づく治療方法に
おける使用のための薬学的組成物を、受容可能なキャリアまたは媒体と共に提供すること
である。薬学的に受容可能なキャリアまたは媒体を伴う、本発明の多能性胚様幹細胞なら
びに/またはそれから誘導される細胞、組織および器官に作用するかあるいは変調する増
殖因子あるいは分化決定因子を含む薬学的組成物も考慮される。増殖因子あるいは分化決
定因子の薬学的組成物は、本発明の多能性胚様幹細胞、またはそれから誘導される細胞、
組織もしくは器官をさらに含み得る。
、組織もしくは器官を、単独であるいはポリマーキャリアまたは細胞外マトリックス中に
含み得る。適切なポリマーマトリックスは、合成または天然ポリマーから形成される多孔
性メッシュまたはスポンジ、およびポリマー溶液を含む。マトリックスの一方の形態はメ
ッシュまたはスポンジであり、他方の形態はポリマーヒドロゲルである。使用可能な天然
のポリマーとしては、コラーゲン、アルブミン、およびフィブリンなどのタンパク質;な
らびにアルギン酸およびヒアルロン酸のポリマーなどの多糖が挙げられる。合成ポリマー
は生物分解性および非生物分解性ポリマーの両方を含む。生物分解性ポリマーの例として
は、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、およびポリ乳酸−グリコール酸
(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリホスファゼン、ならびにそれらの
組み合わせが挙げられる。非生物分解性ポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリメタ
クリレート、エチレン、酢酸ビニル、およびポリビニルアルコールが挙げられる。
を使用して、細胞をカプセル化する。ヒドロゲルは、有機ポリマー(天然または合成)が
共有、イオン、または水素結合を介して架橋し、ゲルを形成するために水分子を補足する
3次元の開放格子構造を作製する場合に形成される物質である。ヒドロゲルを形成するた
めに使用することができる材料の例としては、アルギン酸などの多糖、ポリホスファゼン
、ポリアクリレート(これらはイオン架橋する)、またはPluronicsもしくはT
etronicsなどのブロックコポリマー、ポリエチレン、オキシド−ポリプロピレン
グリコールブロックコポリマー(これらはそれぞれ温度もしくはpHによって架橋する)
が挙げられる。他の材料は、フィブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドン、ヒア
ルロン酸およびコラーゲンなどのポリマーを含む。
価のイオン塩を有する水溶性アルコール溶液などの水溶液に部分的に可溶である。カチオ
ンと反応することができる酸性側鎖を有するポリマーの例としては、ポリ(ホスファゼン
)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、アクリル酸とメタクリル酸とのコポリ
マー、ポリ(酢酸ビニル)、およびスルホン化ポリスチレンなどのスルホン化ポリマーが
挙げられる。アクリル酸またはメタクリル酸とビニルエーテルモノマーもしくはポリマー
との反応によって形成される酸性側鎖を有するコポリマーを使用することもできる。酸性
基の例としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ハロゲン化(好ましくはフッ素化)アル
コール基、フェノール性OH基、および酸性OH基がある。アニオンと反応することがで
きる塩基性側鎖を有するポリマーの例には、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(ビニルピリジ
ン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、およびいくつかのイミノ置換ポリホスファゼンがあ
る。ポリマーのアンモニウムまたは第四塩も主鎖の窒素またはイミノ基から形成すること
ができる。塩基性側鎖の例には、アミノおよびイミノ基がある。
学的組成物を提供し、該薬学的組成物は以下のものを含む。
A.治療有効量の本発明の多能性胚葉幹細胞;および
B.薬学的に受容可能な媒体またはキャリア。
様または中胚葉分化決定された細胞を含む組成物、および薬学的に受容可能な媒体もしく
はキャリアを含む。そのような任意の薬学的組成物は、増殖因子または分化決定因子をさ
らに含むことができる。
調製および単離のためのいくらかの手段または方法を考慮し、従って、本発明は請求の範
囲内でそのような手段または方法を含むことを意図する。
ーテル法などの非経口技術も利用される。治療因子含有組成物は、従来、例えば、単位用
量の注入によって静脈投与される。幹細胞または細胞の平均量は変動し得るが、特に資格
を有する医師または獣医師の推奨および処方に基づくべきである。
て十分に理解されている。そのような組成物は、薬学的に受容可能な媒体において処方さ
れえる。細胞は、溶液中にあってもまたはマトリックス中に埋め込まれいてもよい。
など)を有する治療組成物の調製については、当該分野において十分に理解されている。
有効治療成分は、しばしば、薬学的に受容可能であり有効成分に適合性である賦形剤また
は媒体と混合される。さらに、所望であれば、組成物は、有効成分の有効性を増強する湿
潤または乳化剤、pH緩衝剤などの少量の補助物質を含有することができる。
できる。薬学的に受容可能な塩としては、酸付加塩(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離
のアミノ機によって形成される)および例えば、塩酸またはリン酸などの無機酸、または
酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸が挙げられる。遊離のカルボキシル基
から形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、また
は鉄(III)水酸化物などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン
、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基からも誘導する
ことができる。
単位の投与量として適切な物理的に区別される単位を指し、それぞれの単位は、要求され
る希釈剤、即ち、キャリア、媒体、またはビヒクルを伴って、所望の治療効果を生じるた
めに算出された予め決定された量の活性材料を含有する。
量は、例えば、治療しようとする被験体および衰弱、被験体の器官、細胞および免疫系が
有効成分を利用する能力、および細胞または組織治療の性質などに依存する。投与に必要
な有効成分の正確な量は、実施者の判断に依存し、各個体に対して特有である。しかし、
因子の適切な投与量は、1日あたり個体の体重キログラムあたり約0.1〜20、好まし
くは約0.5〜約10、より好ましくは、1〜数ミリグラムの有効成分の範囲であり、投
与経路に依存する。初回投与および2回目の投与のための適切なレジメも変動可能である
が、初回投与、それに続く1時間以上の間隔で以後注入または他の投与による反復投与を
含むことができる。あるいは、10ナノモル〜10マイクロモルの血中濃度を維持するの
に十分な連続静脈輸注が考慮される。
因子および1つ以上の次の有効成分:抗生物質、ステロイドをさらに含んでもよい。例示
的処方は以下の通りである。
静脈内処方I
成分 mg/ml
セホタキシム 250.0
因子 10.0
デキストロースUSP 45.0
重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2
エデト酸二ナトリウムUSP 0.1
注射用水 全量1.0 mlまで適宜添加する
静脈内処方II
成分 mg/ml
アンピシリン 250.0
因子 10.0
重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2
エデト酸二ナトリウムUSP 0.1
注射用水 全量1.0 mlまで適宜添加する
静脈内処方III
成分 mg/ml
ゲンタマイシン(硫酸塩としてチャージする) 40.0
因子 10.0
重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2
エデト酸二ナトリウムUSP 0.1
注射用水 全量1.0 mlまで適宜添加する
静脈内処方IV
成分 mg/ml
因子 10.0
デキストロースUSP 45.0
重亜硫酸ナトリウムUSP 3.2
エデト酸二ナトリウムUSP 0.1
注射用水 全量1.0 mlまで適宜添加する
、「ug」または「μg」はマイクログラムを意味し、「mg」はミリグラムを意味し、
「ul」または「μl」はマイクロリットルを意味し、「ml」はミリリットルを意味し
、「l」はリットルを意味する。
質のDNA配列の発現である。当該分野において周知の通り、DNA配列は、それらを、
発現ベクター内の発現調節配列に作動可能に連結し、該発現ベクターを用いて適切な単細
胞宿主に形質転換することによって発現させることができる。DNA配列の発現調節配列
へのそのような作動可能連結は、もちろん、常にDNA配列の一部とは限らない場合、D
NA配列の上流の正確な読み枠に開始コドンATGを供給することを含む。
有用な発現ベクターは、例えば、染色体のセグメント、非染色体および合成DNA配列か
ら成り得る。適切なベクターは、SV40の誘導体および既知の細菌プラスミド、例えば
、E. coliプラスミドcol El、pCRl、pBR322、pMB9およびそ
れらの誘導体、RP4などのプラスミド;ファージDNA、例えば、ラムダファージの多
くの誘導体、例えば、NM989、ならびに他のファージDNA、例えば、M13および
繊維状1本鎖ファージDNA;2μプラスミドなどの酵母プラスミドまたはその誘導体;
昆虫もしくは哺乳動物細胞に有用なベクターなどの親核細胞に有用なベクター;ファージ
DNAもしくは他の発現調節配列を使用するために修飾されているベクターなどのプラス
ミドとファージDNAとの組み合わせから誘導されるベクターを含む。
する配列)のいずれをもこれらのベクターに使用して、DNA配列を発現させることがで
きる。そのような有用な発現調節配列としては、例えば、SV40、CMV、ワクシニア
、ポリオーマまたはアデノウイルスの早期または後期プロモーター、lacシステム、t
rpシステム、TACシステム、TRCシステム、LTRシステム、ラムダファージの主
要オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3−ホスホ
グリセリン酸キナーゼまたは他の解糖系酵素のプロモーター、酸ホスファターゼのプロモ
ーター(Pho5)、酵母α−接合因子のプロモーター、および原核もしくは親核細胞ま
たはそれらの組織の遺伝子の発現を制御することが公知である他の配列、ならびにそれら
の様々な組み合わせが挙げられる。
coli、Pseudomonas、Bacillus、Streptomyces、
酵母などの菌類、ならびにCHO、Rl.l、B−WおよびL−M細胞、African
Green Monkey腎臓細胞(例えば、COS1、COS7、BSC1、BSC
40、およびBMT10)昆虫細胞(例えば、Sf9)、組織培養物中のヒト細胞および
植物細胞などの周知の真核および原核宿主を含み得る。
せるとは限らないことは理解されよう。また、すべての宿主が、同じ発現系で同等に十分
機能するとは限らない。しかし、当業者であれば、過度の実験を伴うことなく、適切なベ
クター、発現調節配列、および宿主を選択して、本発明の範囲を逸脱することなく所望さ
れる発現を達成することが可能である。例えば、ベクターを選択する際、ベクターは宿主
内で機能しなければならないため、宿主について考慮しなければならないベクターのコピ
ー数、コピー数を制御する能力、および抗生物質マーカーなどのベクターによってコード
される他の任意のタンパク質も考慮される。
システムの相対的強度、その制御能力、および特に潜在的な2次構造に関して、発現させ
ようとする特定のDNA配列または遺伝子との適合性が含まれる。例えば、選択されたベ
クターとの適合性、分泌特性、タンパク質を正確に折り畳む能力、およびそれらの発酵用
件、ならびに発現させようとするDNA配列によってコードされる産物の宿主に対する毒
性、および発現産物の精製容易性を考慮することによって、適切な単細胞宿主が選択され
る。これらおよび他の因子を考慮すれば、当業者は、発酵時または大規模な動物培養物に
おいて本発明のDNA配列を発現させる様々なベクター/発現調節配列/宿主の組み合わ
せを構築することが可能である。
列は、アミノ酸ハイブリダイゼーションへ津に対する適切なコドンによって設計すること
ができる。一般に、配列を発現のために使用する場合、意図される宿主に適切なコドンが
選択される。全配列は、標準的な方法によって重複するオリゴヌクレオチドから組み立て
られ、全コード配列に組み立てられる。例えば、Edge, Nature, 292:
756 (1981); Nambairら、Science, 223: 1299
(1984); Jayら、 J. Biol. Chem., 259 :6311
(1984)を参照されたい。
可能にする。あるいは、変異タンパク質をコードするDNAは、天然の遺伝子またはcD
NAの部位特異的変異誘発によって作製することができ、変異タンパク質は、従来のポリ
ペプチド合成を使用して直接作製することができる。
Christopher J. Noren, Spencer J. Anthony
−Cahill, Michael C. Griffith, Peter G.Sc
hultz, Science, 244: 182−188 (April1989
)に記載されている。
本方法は、非天然アミノ酸を有する類似体を作製すために使用してもよい。
たは特に分化決定因子を誘発する能力を参考にして、増殖因子または特に分化決定因子の
存在を検出するための方法を含む様々な診断アプリケーションに関する。本発明の多能性
胚葉幹細胞の診断有用性は、それから誘導される細胞もしくは組織を含む多能性胚葉幹細
胞の増殖または特に分化決定因子を誘発する能力を参考にして、増殖因子または特に分化
決定因子をスクリーニングするためのアッセイにおけるそのような細胞の使用にまで及ぶ
。そのようなアッセイは、例えば、核酸および/またはタンパク質配列の単離ならびに決
定によって、既知の因子を特徴付けるか、新規の因子を同定するか、または新規もしくは
既知の因子をクローン化する場合に使用し得る。
に対する抗体は、周知のハイブリドーマ技術を含む標準的な方法によって、産生させ、単
離することができる。簡便のために、本明細書では多能性胚葉幹細胞に対する抗体をAb
1と呼び、別の種において惹起された抗体をAb2と呼ぶことにする。
確認することができる。多くの有用な手順が公知である。特に有用であるそのような3つ
の手順は、検出可能な標識で標識された多能性胚葉幹細胞、または検出可能な標識で標識
された抗体Ab1、または検出可能な標識で標識された抗体Ab2のいずれかを利用する
。該手順は以下の式に要約され得、式中、アスタリスクは粒子が標識されることを示し、
「幹細胞」は、多能性胚葉幹細胞を表す。
A.幹細胞*+Ab1=幹細胞*Ab1
B.幹細胞+Ab1 *=幹細胞Ab1 *
C.幹細胞+Ab1+Ab2 *=幹細胞Ab1Ab2 *
明の範囲内で利用することができる。「競合手順」、手順Aについては、米国特許第3,
654,090号および同第3,850,752号に記載されている。手順C「サンドイ
ッチ」手順については、米国特許第RE 31,006号および同第4,016,043
号に記載されている。なお、「二重抗体」または「DASP」手順などの他の手順につい
ても公知である。
複合体のうちの1つのメンバーが検出可能な標識で標識される。複合体が形成され、次い
で所望であれば、単離することができ、または標識の検出に適用可能な既知の方法によっ
てその量を決定することができる事実。例えば、蛍光標示式細胞分取のための手順は、当
該分野において公知であり、本明細書の実施例において提供されている。予め抗体が結合
するかまたは付着しているカラムへの付着によって細胞を単離することもできる。
。このことは、1つの哺乳動物種において惹起されたAblが、抗体Ab2を惹起する抗
原として別の種において使用されているからである。例えば、Ab2は、抗原としてウサ
ギ小唄を使用し、ヤギにおいて惹起され得る。従って、Ab2は、ヤギにおいて惹起され
る抗ウサギ抗体であり得る。本説明および請求の範囲の目的のために、Ablを第1また
は抗幹細胞抗体と呼び、Ab2を第2または抗Abl抗体と呼ぶことにする。
た場合に蛍光発光する化学物質、および他の物質である。多くの蛍光材料が公知であり、
標識として利用することができる。これらには、例えば、フルオレセイン、ローダミン、
オーラミン、Texas Red、AMCAブルーおよびLucifer Yellow
が含まれる。特定の検出材料は、ヤギにおいて調製される抗ウサギ抗体であり、イソチオ
シアネートを介してフルオレセインと結合する。
放射性標識は、任意の現在利用可能な計数手順によって検出することができる。好適なア
イソトープは、3H、l4C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58C
o、59Fe、90Y、125I、131I、および186Reから選択することができ
る。
、電流測定または気体定量技術によって検出することができる。酵素は、カルボジイミド
、ジイソシアネート、グルタルアルデヒドなどの架橋分子と反応することによって、選択
された粒子に結合される。これらの手順において使用することができる多くの酵素は公知
であり、利用することができる。ペルオキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グ
ルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼ+ペル
オキシダーゼ、およびアルカリホスファターゼが好適である。交互標識材料および方法の
開示内容の例によって、米国特許第3,654,090号;同第3,850,752号;
および同第4,016,043号が参照される。
または分化決定を変調するのに有効な潜在的作用物質、化合物または薬物のスクリーニン
グのためのアッセイシステムを含む。これらのアッセイはまた、それから誘導される細胞
または組織を含む本発明の多能性胚葉幹細胞に関して活性もしくは能力が既知または推定
される因子によって、因子の遺伝子またはポリペプチド配列のクローン化に利用すること
ができる
たはin vivo変調することが可能な薬物もしくは他の実体を同定するために適応し
得る。そのようなアッセイは、例えば、増殖または特定の系統もしくは細胞型にを決定す
るために多能性胚様幹細胞を変調するのに特異的であり得る作用物質、因子または薬物の
開発に有用である。例えば、そのような薬物は細胞または組織の移植療法を可能にするの
に使用することができる。
慮し、該方法は以下の工程を含む。
A.本発明の多能性胚様幹細胞と分化決定因子である作用物質を含有することが疑わしい
サンプルとを接触させる工程;および
B.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された
前記細胞の系統を決定する工程、
ここで、前記接触された細胞の系統は、前記サンプルにおける分化決定因子の存在または
活性を示す。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の系統を決定する工程。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された
前記細胞の系統を決定する工程。
法は以下の工程を含む。
A.本発明の多能性胚様幹細胞と増幅因子である作用物質を含有することが疑わしいサン
プルとを接触させる工程;および
B.形態学、mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された
前記細胞の増殖および系統を決定する工程、
ここで、分化決定を伴わない前記接触された細胞の増殖は、前記サンプルにおける増殖因
子の存在または活性を示す。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の増殖および系統を決定する工程。
A.分化未決定な細胞として幹細胞を維持する増殖培地において本発明の多能性胚様幹細胞を培養する工程;
B.試験下で前記作用物質、化合物または因子を添加する工程;および
C.mRNA発現、抗原発現または他の手段によってそのようにして接触された前記細胞の増殖および系統を決定する工程。
子を単離するかもしくはその有無を決定するための医学専門家による使用に適切な市販の
試験キットを調製することができる上記の試験技術に従って、そのようなキットの1つの
クラスは、少なくとも標識された幹細胞またはその結合パートナー、例えば、該幹細胞に
特異的な抗体、および指示書(該指示書はもちろん、選択された方法、例えば、「競合」
、「サンドイッチ」、「DASP」などに依存する)を含有する。キットはまた、緩衝液
、安定剤などの周辺試薬を含有することもできる。
することができ、該試験キットは以下のものを含む。
(a)多能性胚様肝細胞もしくは該細胞への特異的結合パートナーの検出可能な標識への
直接的または間接的付着によって得られる予め決定された量の少なくとも1つの標識され
た免疫組織学的反応成分;
(b)他の試薬;および
(c)前記キットの使用のための指示書。
(a)一般に固相に結合して免疫吸着剤を形成するか、あるいはその代わりに安定なタグ
、または複数のそのような終産物など(もしくはそれらの結合パートナー)にそれぞれに
1つ結合する上記のような既知の量の多能性胚様肝細胞;
(b)必要であれば、他の試薬;および
(c)前記試験キットの使用のための指示書。
でき、該試験キットは予め決定されたプロトコール(例えば、「競合」、「サンドイッチ
」、「二重抗体」など)に従って作動し、以下のものを含む。
(a)多能性胚様肝細胞を検出可能な標識を結合することによって得られている
標識された成分;
(b)少なくとも1つの試薬がリガンドである1つ以上のさらなる免疫科学的試薬であっ
て、該リガンドは以下のものからなる群より選択される;
(i)標識された成分に結合可能なリガンド;
(ii)標識された成分の結合パートナーに結合可能なリガンド;
(iii)決定しようとする少なくとも1つの成分に結合可能なリガンド;および
(iv)決定しようとする少なくとも1つの成分の少なくとも1つの結合パートナーに結
合可能なリガンド;ならびに
(c)多能性胚葉幹細胞と該細胞に対する特異的結合パートナーとの間の免疫組織反応の
1つ以上の成分の検出および/または決定のためのプロトコールの実施のための指示書。
ってさらに理解され得る。以下の実施例は、本発明の好適な実施態様をより十分に例示す
るために提示されるものであって、決して本発明の広範な範囲を制限するものと解釈され
るべきではない。
提唱された研究は、組織構造および組織機能、例えば、幹細胞、生体活性因子、および
生体マトリックスの回復に必要な3部システムならびに組織再生および移植療法のための
使用の特定の同定を確かめるように指令された長期間の調査努力の一部である。これらの
努力の目的は、ヒト多能性幹細胞を単離し、特定の分化決定に特異的な分子機構を同定す
ることである。この目的は、細胞表面マーカーに対する抗体を使用し、次いで、抗体結合
に基づく単離プロトコールを考案することでこれらの細胞を特徴付けることによって達成
されるであろう。
は、中胚葉器官の様々な器官および組織から誘導することができる;(b)多能性間葉幹
細胞は、分化能の消失を伴わない実質的に無制限の倍加能を有する;および(c)特定の
生体活性因子は、細胞速度論、増殖および分化決定、ならびに多能性間葉幹細胞の様々な
中胚葉系統、即ち、筋肉、軟骨、骨、脂肪および繊維結合組織への決定を調節することが
できる。
現在までに、少なくとも5つの種が試験され、間葉幹細胞の系統発生的分布が決定され
ている(表7)。試験されたすべての種、例えば、胎児期トリ(Youngら、1991
、1992a,b、1993、1995、1998a;Bowermanら、1991)
、胎児期マウス(Klausmeyerら、1994;Rogers Val、1995
;Youngら、1998b)、胎児期および生後ラット(Lucasら、1994、1
995;Davisら、1995;Warejckaら、1996)、生後ウサギ(Pa
teら、1993)、ならびに胎児期および生後ヒト(Youngら、1999)は、間
葉幹細胞の常在性集団を有する。これらの幹細胞は、デキサメタゾンおよび/またはイン
スリンの存在下でインキュベートする場合、多数の中胚葉表現型を形成する能力を有する
。これまで、16種の個別かつ容易に同定可能な細胞/組織表現型が得られている。これ
らは即ち、骨格筋、平滑筋、心筋、関節軟骨、成長平板軟骨、硝子軟骨、弾性軟骨、繊維
軟骨、軟骨内骨化、膜性骨化、瘢痕組織、真皮、脂肪細胞、腱/靭帯、骨膜/軟骨膜、お
よび内皮細胞である。
移植療法の始原および多能性幹細胞を回収する至適年齢を決定するための研究が行われ
ている。これまで、種あたりに存在する(多能性)幹細胞の数、増殖能力、または分化能
については、ドナーの年齢および性別(ヒトのみ)と比較すると差異が認められていない
(表7)(Youngら、1993,1995,1998(a), 1998(b),1
999、観察結果は公開されていない;Pateら、1993;Troumら、1993
;Lucasら、1994,1995;Rogersら、1995;Warejckaら
、1996;Calcuttら、1998)。試験した5つのすべての種(ニワトリ、マ
ウス、ラット、ウサギおよびヒト)では、種あたりの多能性幹細胞数について年齢に関す
る差異は認められていない。増殖能または分化能に対する年齢の影響は認められていない
。生後では、老年(ヒト)幹細胞において差異は認められていない。
5つの動物種由来のドナー部位の分析は、うっ血もしくは修復を経験し、結合組織画分
を有する任意の組織または器官は、間葉幹細胞の常在性集団を有する。これまでにアッセ
イされた器官、組織およびそれらの関連結合組織画分は、胚全体、胎児全体、骨格筋、真
皮、脂肪、腱、靭帯、軟骨膜、骨膜、心臓、大動脈、心内膜、心筋層、心外膜、大動静脈
、肉芽組織、末梢神経、末梢神経節、脊髄、硬膜、軟髄膜、気管、食道、胃、小腸、大腸
、肝臓、脾臓、膵臓、壁側腹膜、臓側腹膜、壁側胸膜、肺胸膜、膀胱、胆嚢、腎臓、関連
結合組織および骨髄(Youngら、1993,1995;Pateら、1993;Tr
oumら、1993;Lucasら、1994,1995;Davisら、1995;R
ogersら、1995;Warejckaら、1996;Calcuttら、1998
;観察結果は公開されていない)を含む。
幹細胞、および多能性幹細胞を有する一方、該組織は他の組織系統の始原幹細胞も含有す
ることは興味深い(Youngら、1993,1995、観察結果は公開されていない)
。例えば、(硝子)軟骨周囲の軟骨膜は、幹細胞組成物に基づく3つの区域に区別される
ことが明らかにされた。内部1/3(または骨形成層)は、主に軟骨形成始原細胞および
少数の多能性細胞を含有し;中間 1/3は主に多能性細胞、しかし少数の軟骨形成始原
細胞および少数の非軟骨形成始原細胞を含有し;外部1/3は主に非軟骨形成始原細胞(
例えば、筋原性、脂肪生成、繊維形成、および骨形成始原細胞)、繊維細胞、および少数
の多能性細胞を含有した。本発明者らは、骨格筋結合組織(例えば、筋内膜、筋周膜、筋
外膜)、骨膜、心内膜、ならびに心外膜における多能性細胞、組織特異的始原細胞、およ
び非組織特異的始原細胞について、局所幹細胞分布の同様の型を見出した。
間葉幹細胞の同定された集団内の細胞の組成を決定するために、連続限界希釈によるク
ローン化可能分析を行った。トリ(Youngら、1993)およびマウス(Roger
sら、1995;Youngら、1998b)由来の間葉幹細胞のクローン化可能分析は
、一貫して幹細胞の2つのカテゴリー、例えば、分化決定された始原幹細胞および分化未
決定の多能性幹細胞を明らかにしている。5つの組織系統が、胎児期および生後多能性幹
細胞クローン(例えば、筋原性、軟骨形成、脂肪生成、繊維形成および骨形成)において
、全般および系統特異的誘導剤により誘導され、その後、分化された表現型が発現されて
いる(Grigoriadisら、1988;Youngら、1993,1998b、本
研究;Rogersら、1995)。
幹細胞、始原細胞および多能性細胞の各カテゴリーは、共通の特徴と自己特有の特徴と
を有している。始原および多能性間葉幹細胞の両方は、付着のためのI型コラーゲン下層
を選好し、凍結保存法および10%血清および7.5%DMSOを含有する培地(You
ngら、1991)での−70〜−80℃での保存を選好する。
されている。それらは、培地中に存在する他の任意の系統に対する誘導剤に係わらず、そ
れぞれの系統内の組織を形成するのみである(Youngら、1998a)。それらは静
止状態を保持することができるか、または増殖および/または分化するように活性化され
得る。それらは密集時に接触阻止を示す。増殖のために活性化される場合、始原幹細胞は
、老化前に50〜70倍加寿命を有する(Youngら、1993,1998b)。分化
のために活性化される場合、発達因子は表現型発現を刺激する必要がある(Youngら
、1998a)。
本発明者らは、これまでに、多能性細胞におけるMMP誘導性筋形成を試験するための
研究においてノーザンブロット分析を使用している。MMPは、胎児期マウス多能性幹細
胞(Rogersら、1995;Youngら、1998b)においてミオゲニンおよび
MyoD1遺伝子発現のmRNAの転写を誘導した。
。間葉幹細胞は、結合組織成分を有する任意の組織または器官において認めることができ
る。任意の年齢または性由来の間葉幹細胞において差異は認められない。間葉幹細胞は、
分化決定始原幹細胞および分化未決定多能性幹細胞の両方から成る。多能性間葉幹細胞は
、多能性を消失することなく、広範に増殖し得る。一旦、特定の組織系統に決定されると
、これらの幹細胞はより原始的な分化状態には戻らない。始原幹細胞は、プログラムされ
た細胞老化前に有限の50〜70倍加寿命を有する。特定の生体活性因子(内因性または
外来から供給される)は、増殖、分化決定、および系統発達を遺伝子的に調節することが
できる。
不足している場合に、中胚葉組織移植、再生、および遺伝子療法のために自家移植多能性
間葉幹細胞をHLA一致ドナー組織として使用することができることを提唱する。
細胞の回収および培養
ラットの細胞について、CO2吸入を使用して、1日齢Sprague−Dawley
ラット児を屠殺した。ラットを2分間、70%エタノールに浸漬し、滅菌フードに入れ、
皮を剥ぎ、大殿筋、中殿筋、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋、縫工筋、大腿四頭筋、ヒ
ラメ筋、および腓腹筋の新鮮筋腹を取り出した。注意深く腱、大きな血管、および神経を
除去した。関連する筋内膜、筋周膜、および筋外膜結合組織画分を含む筋組織を10 m
lの完全培地中に置き、注意深く細かく切り刻んだ。完全培地は、10%の予め選択され
たウマ血清(lot #’s 17F−0218 or 49F−0082, Sigm
a Chemical Co., St. Louis, MO)、1%抗生物質溶液(
10,000単位/mlペニシリンおよび10,000 mg/mlストレプトマイシン
、GIBCO)を補充したEarle塩を有する89%(v/v)Eagle最小必須培
地(EMEM)、pH 7.4 (22)(GIBCO, Grand Island,
NY)から成った。細かく切り刻んだ後、組織懸濁液を50×gで20分間、遠心分離
した。. 上清を捨て、細胞ペレットの容積を見積もった。細胞ペレットを7容積のEM
EM、pH 7.4および2容積のコラゲナーゼ/ディスパーゼ溶液に再懸濁し、酵素反
応により細胞を遊離させた(Lucasら、1995)。コラゲナーゼ/ディスパーゼ溶
液は、100 mlディスパーゼ溶液(Collaborative Research
, Bedford, MA)に添加された50 mlのEMEM中37,500単位の
コラゲナーゼ(CLS−I, Worthington Biochemical Co
rp., Freehold, NJ)から成った。最終濃度は250単位/mlコラゲ
ナーゼおよび33.3単位/mlディスパーゼであった(Youngら、1995)。得
られた懸濁液を37℃で1時間撹拌し、細胞を分散させて300×gで20分間、遠心分
離した。上清を捨て、組織ペレットを20 mlのMSC−1培地に再懸濁した。細胞を
90 mmおよび20 mm Nitexフィルター(Tetco Inc.,Elms
ford, N. Y)で篩い分けし、単一の細胞懸濁液を得た。細胞懸濁液を150×
gで10分間、遠心分離した。上清を捨て、細胞ペレットを10 mlの完全培地に再懸
濁した。Trypanブルー排除(Youngら、1991)により細胞生存度を決定し
た。1%ゼラチン化(EM Sciences, Gibbstown, NJ)100
mm培養皿(Falcon, Becton−Dickinson Labware,
Franklin Lakes, NJ)あたり105細胞で細胞を播種した。細胞培
養物を95%空気/5%CO2湿潤環境、37℃で密集状態まで増殖させた。密集時に、
細胞をトリプシンで遊離させ、凍結保存した。細胞を、7.5%(v/v)ジメチルスル
ホキシド(Sigma)を含有する完全培地中で、−80℃の温度が達成されるまで緩徐
に凍結(1分間あたり1℃の温度低下)した(Youngら、1991)。種によって起
源材料は異なるものの、ヒト、ウサギ、トリおよびマウスの単離についても同様の手順を
使用した。
凍結した細胞のアリコートを融解し、完全培地に再懸濁した。細胞懸濁液を遠心分離し
、上清を捨て、細胞ペレットを完全培地中に再懸濁した。細胞の生存度をTrypanブ
ルー排除によって決定した。次いで、細胞を、ゼラチン化100 mm皿あたり105細
胞で播種し、密集状態まで増殖させた。細胞をトリプシンで遊離させ、7.5%(v/v
)ジメチルスルホキシド(DMSO ; Morton Thiokol, Danve
rs, MA)を含有する完全倍地中で−80℃まで凍結保存した。
胎児期ニワトリ(Youngら、1993)および胎児期マウス(Rogersら、1
995;Youngら、1998b)による先のクローン化研究は、個々の細胞が、同じ
親株の高度増殖細胞による「前馴化された」培地中で増殖した場合、より高いクローン化
効率が達成されることを示した。従って、幹細胞が密集状態(対数増殖期)で回収される
ごとに、培養培地をプールし、0.2 mmフィルターで2回ろ過し、アリコートに分け
て、4℃で保存した。本研究のクローン化部分の間は、得られた「前馴化培地」を使用し
た。
胎児期マウス(Rogersら、1995;Young ら、、1998b)における
先の研究は、クローン化前に、細胞を50細胞倍加後に増殖させる場合、より高いクロー
ン化効率が達成されることを示した。そのような幹細胞をインスリンと共にインキュベー
トすると、1%未満の細胞が、様々な間葉系統の分化された細胞の表現型マーカーを示し
た。これらの観察は、クローン化前に50を超える細胞倍加で細胞を増殖させることによ
って、大部分の細胞は集団から取り出されることを示唆した。おそらく、50細胞倍加(
Hayflickの限界)後の細胞の増殖により、分化決定された細胞をプログラムされ
た細胞老化および死を経験した(Hayflick,1963,1965; Young
,1999a)。
トリプシンで細胞を遊離し、それらを凍結保存に供する標準プロトコールは、幹細胞集団
が最低でも50細胞倍加を経験するまで反復した。本研究では、40〜50細胞倍加のア
ポトーシスを経験するために(高い細胞質対核比を有する)より大きなサイズの細胞を観
察した。50細胞倍加後に保持する細胞の大部分は同様のサイズであり、細胞質対核比が
小さい。50倍加を超えて増殖させた細胞のアリコートをクローン化のために凍結保存し
た。
50倍加を超えて増殖させた細胞の凍結アリコートを融解し、密集状態まで増殖させ、
トリプシンで遊離させ、遠心分離した。上清を捨て、細胞ペレットを再懸濁し、細胞の生
存度を決定した。細胞を、クローン化培地でクローン密度(5mlあたり1ml)にまで
希釈した(Youngら、1993,1998b;Rogersら、1995)。等容量
の完全培地と前馴化培地とを混合することによってクローン化培地を調製した。5ミリリ
ットルの細胞懸濁液を、ゼラチン化した96ウェルの平板(Curtain−Mathe
son Scientific, Atlanta, GA)の各ウェルの中心に置き、
37℃でインキュベートした。6時間後、200 mlのクローン化培地を各ウェルに添
加した。最初の播種の18時間後、ウェルあたりの細胞数を決定した。単一の細胞を有す
るウェルのみをさらに増殖させた。培地を他のすべてのウェルから取り出した。これらの
ウェルを70%(v/v)エタノールと共に5分間インキュベートし、室内の空気中で乾
燥させた。0.03%(w/v)アジ化ナトリウムを含有する200 mlの滅菌Dul
beccoのリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS, GIBCO), pH 7.4を添
加して、混入菌の増殖を阻止した(Rogersら、1995;Youngら、1998
b)。
に最初のクローン化培地を新鮮クローン化培地と置き換えた。その後のクローン化培地の
置き換えは、培養物の密集度の百分率に依存し、給餌間を最大5日間経過させた。培養物
を密集状態後も増殖させた。各培養物をトリプシンで遊離させ、ゼラチン化した6ウェル
の平板(Falcon)のウェル内に置き、1日おきに完全培地を与え、密集状態後も増
殖させた。培養物をトリプシンで遊離し、最低24時間で凍結保存した。クローン化培地
の96ウェルの平板においてクローン密度での播種、密集状態を介する増殖、トリプシン
遊離、完全培地における6ウェル中の密集度を介する増殖、培養物の選択、トリプシン遊
離、および凍結保存の過程を、各単離されたクローンを単一の細胞から誘導することを確
実にするために、最初のクローン化後3回反復した。得られたクローンを増幅させ、トリ
プシンで遊離し、アリコートに分け、凍結保存した(Youngら、1993,1998
b;Rogersら、1995)。
インスリンおよびデキサメタゾンを使用して、クローンを検査し、それらの同一性、即
ち、分化決定された始原細胞かまたは分化未決定の多能性細胞であるかを決定した。イン
スリンなどの発達因子は始原細胞において表現型発現を加速するが、多能性幹細胞の表現
型発現の誘導に対しては効果を示さない。対照的に、デキサメタゾンなどの系統誘導剤は
、多能性細胞において分化決定および発現を誘導するが、始原細胞における表現型発現を
変更しない。従って、始原細胞のみが培養物中に存在する場合、インスリン中でインキュ
ベートされた培養物について発現された表現型の質または量は、デキサメタゾンと共にイ
ンキュベートした培養物と比較して差異は認められない。始原細胞および多能性細胞の療
法を含有する培養物を混合する場合、デキサメタゾンで処理した培養物において発現され
た表現型の質および/または量は、インスリンで処理した培養物と比較してより大きい。
培養物が多能性細胞のみを含有する場合、インスリンで処理した培養物において表現型の
発現は認められない。デキサメタゾンで処理した同様の培養物は、多数の発現された表現
型を示す。このように、デキサメタゾンおよびインスリンによる処理の効果を比較するこ
とにより、不明な細胞群内の始原および多能性細胞の特定の型を同定することができる(
Youngら、1992,1993,1995,1998a,b,1999a−c;Lu
casら、1993,1995;Pateら、1993;Rogersら、1995;W
arejckaら、1996)。
ェルあたり5、10、もしくは20×103細胞かまたは標準的なプロトコールに従って
96ウェルの平板のウェルあたり0.5もしくは1.0×103細胞で平板固定した。最
初の平板固定の24時間後、培地を試験培地(TM)1〜4(TM−1、TM−2、TM
−3、TM−4)または5(TM−5)に変更した。TM−1〜TM−4は、Ultra
culture (カタログ番号12−725B,lot. nos. OM0455
[TM−1], 1M1724 [TM−2], 2M0420 [TM−3]、または
2M0274 [TM−4], Bio−Whittaker, Walkersvil
le, MD)、EMEM1、ならびに1%(v/v)抗生物質溶液(10,000単位
/mlのペニシリン、および10,000 mg/mlのストレプトマイシン、GIBC
O)、pH 7.4から成った。TM−5は、98%(v/v) EMEM、1%、3%
、5%または10%(v/v) HS (HS4、HS7、またはHS9)、および1%
(v/v)抗生物質溶液、pH 7.4から成った。トリ始原細胞および多能性細胞の両
方を「定常状態」の条件で培養物中において最低30日間およ培養物中において120も
の長期間維持するUltraculture:EMEM:抗生物質の比を含有する試験培
地。それぞれ様々な濃度のUltracultureを含有する4つの試験培地(TM#
’s 1−4)を、実験手順に記載の通りに使用した。それぞれの試験培地中に存在する
Ultraculture対EMEM対抗生物質の比を、トリ始原細胞および多能性細胞
の両方におけるの定常状態の培養条件を維持する能力に基づいて、それぞれのロットのU
ltracultureについて経験的に決定した。4つのUltracultureに
基づく試験培地は:TM# 1 = 15% (v/v) Ultraculture
(ロット番号OM0455) : 84% (v/v) EMEM: 1% (v/v)
抗生物質;TM# 2 = 15% (v/v) Ultraculture (ロット
番号1M1724) : 84% (v/v) EMEM : 1% (v/v)抗生物
質;TM# 3 = 50% (v/v) Ultraculture (ロット番号2
M0420) : 49% (v/v) EMEM: 1% (v/v抗生物質;および
TM# 4 = 75% (v/v) Ultraculture (ロット番号2M0
274) : 24% (v/v) EMEM: 1% (v/v)抗生物質である。
意の潜在的な相乗的成分を洗浄した。24時間後の試験培地は、以下のうちの1つに変化
した。対照については、試験倍のみを使用した。始原細胞のクローンを同定するために、
培地を、2μg/mlインスリン(Sigma)、始原細胞において表現型発現マーカー
の出現を加速する薬剤を含有する試験培地(TM−1〜TM−5)に置き換えた(You
ngら、1998a).。始原細胞のクローンを同定するために、培地を、10−10〜
10−6Mデキサメタゾン(Sigma)、全般的非特異的系統誘導剤を含有する試験培
地(TM−1〜TM−5)に置き換えた(Youngら、1993,1998a).。対
照および処理した培養物を、1日おきに培地を交換しながらさらに30〜45日間増殖さ
せた。1つの濃度ごと、1回の実験ごとに4つの培養物を使用した。0〜45日間の期間
に、培養物を(主観的に)1日単位で調査した。表現型発現の変化(以下を参照されたい
)は、処理時間に相関し、インシュリンまたはデキサメタゾン濃度に関連した。次いで、
3つのパラメータを利用して実験を繰り返し、確立された免疫化学的および組織化学的手
順(Youngら、1992a,b,1993,1995,1998a,b,1999)
を使用して、表現型発現マーカーを(客観的に)確認した。Nikon TMS倒立位相
差/光度領域顕微鏡を使用して、細胞を写真撮影した。
アッセイ(ミオシン−ELICA)を使用して、多核系統および自発的に収縮する分岐構
造を示す培養物をさらに評価した(Youngら、1992a, b, 1999)。推
定脂肪細胞内の中性脂肪の存在を確認するためのSudanブラックB(Roboz S
urgical Co., Washington, D. C.)染色を使用して、多
数の屈折性小胞を示す培養物をさらに評価した(Youngら、1993,1995;Y
oung、1999a)。推定軟骨細胞周辺の細胞周辺および/または細胞外マトリック
スに局在するコンドロイチン硫酸/ケラタン硫酸グリコサミノグリカンの存在を確認する
ためのコンドロイチナーゼ−AC(ICN Biomedicals, Clevela
nd, OH)/ケラタナーゼ(ICN Biomedicals)消化にpH 1.0
で結合したAlcian Blue (Alcian Blau 8GS, Chrom
a−Gesellschaft, Roboz Surgical Co.)を使用して
、細胞周辺マトリックスハローを含有する丸型細胞の凝集を示す培養物をさらに評価した
(Youngら、1989a, 1993,1995;Young, 1999)。推定
鉱化骨スピクラ内のリン酸カルシウムの存在を確認するためのEGTA(エチレングリコ
ール−ビス− [b−アミノエチルエーテル] N, N, N’, N’−テトラ酢酸
、Sigma)前処理に結合したvon Kossa (Silber Protein
, Chroma−Gesellschaft)染色を使用して、3次元マトリックス内
に埋め込まれたおよび/または重層した細胞を示す培養物をさらに評価した(Young
ら、1989a, 1993,1995)。推定繊維芽細胞周囲の細胞外コンドロイチン
硫酸/デルマタン硫酸グリコサミノグリカンの存在を確認するためのコンドロイチナーゼ
−ABC(ICN Biomedicals)消化に結合したAlcian Blue
pH 1.0染色を使用して、顆粒状または繊維状のいずれかの細胞外マトリックス内に
埋め込まれた細胞の密集層を示す培養物をさらに評価した(Youngら、1989a,
1993,1995;Young、1999)。
骨髄支質は、骨芽細胞および軟骨細胞に分化し得る細胞を含有することが知られている
。骨髄支質はまた、他の表現型を形成し得る多能性細胞を含有することが仮定されている
。本発明者らは、多くの間葉表現型に分化可能である細胞(本発明者らはこれを間葉幹細
胞(MSC)と呼んでいる)がラット骨格筋細胞から単離することができることを明らか
にした。本発明者らは、こららの同じ技術を応用して、MSCが生体ラット骨髄の支質組
織に存在するかどうかを決定した。7週齢雄性ラット由来の骨髄を回収し、付着細胞を、
EMEM+10%プレ選択されたウマ血清中で密集状態まで培養し、次いで、トリプシン
処理、ろ過し、7.5%DMSO中で−80℃まで緩徐に凍結した。細胞を融解し、上記
の培地中で平板固定し、10−10〜10−6Mの範囲の濃度のデキサメタゾンで5週間
まで処理した。観察された表現型は骨格筋管(抗ミオシン)、平滑筋(抗平滑筋αアクチ
ン)、骨(Von Kossa染色)、軟骨(Alcecブルー、pH 1.0)および
脂肪(SudanブラックB)を含んだ。骨髄は骨始原細胞以外の幹細胞を含有する。
tein, 1976)最初の人物である。多くの研究室による以後の研究により、骨髄
中の決定された骨形成前駆細胞の存在(Urist, 1989;Beresford,
1989;Beresfordら、1994;Johnsonら、1998;Babら
、1984)および正常位欠損の修復におけるそれらの使用(Ohgushiら、198
9;Paleyら、1986;Grundelら、1991)が確認された。しかし、後
にFriedensteinは、骨髄支質における2つの集団の骨形成幹細胞について記
載した(Friedenstein, 1995)。1つの集団については、Fried
ensteinが決定型骨形成前駆細胞(DOPC)と呼んでおり、第2に集団は誘導型
骨形成前駆細胞(IOPC)である。DOPCは骨芽細胞になることが決定されているが
、IOPCはそのようには決定されておらず、骨芽細胞に分化するためのいくつかの外因
性シグナルによって誘導されなければならない。骨形成シグナルを供給するための鉱物質
除去された骨マトリックスを使用する実験は、骨髄中のIOPCの存在を支持した(Bl
eiberg, 1985; Burwell, 1985; Lindholdら、1
982; Lindholm, 1980; Greenら、1986; Paleyら
、1986; Grundelら、1991; stratesら、1989; Kat
aokaら、1993; Theisら、1992)。
Owenら、1987; Vitamitjanaら、1993; Gronthos
ら、1994)により、骨髄支質中に繊維芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、および骨芽細胞
に分化可能な細胞が存在することが発見された。次いで、Owenは、骨髄が多能性間葉
幹細胞を含有することを提供した(Locklinら、1995;Owenら、1988
;Owen, 1988)。
2a)、新生ラット骨格筋(Lucasら、1995)、新生ラット心臓および培養物中
でいくらかの中胚葉表現型に分化し得る生体ウサギ骨格筋から細胞の集団を単離している
:骨格筋、脂肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞、および内皮細胞。
本発明者らは、これらの細胞を多能性間葉幹細胞と呼んでいる。本研究は、類似の集団の
細胞が生体ラット骨髄に存在するかどうかを決定するために行った。
細胞培養
骨髄全体から細胞を単離するために使用した手順は、Friedensteinが最初
に記載した手順(Friedenstein, 1976)と本質的に同一である。6〜
8週齢のラットから長い骨を取り出し、末端を切断し、Earle塩を有する10%予め
選択されたウマ血清および1%抗生物質(Fungizone, GIBCO)を補充さ
れたEagle最小必須培地(EMEM)(GIBCO, Grand Island,
NY)を18ゲージ針を介してフラッシュした。骨髄細胞は、連続的に小さな針(最終
的に22ゲージ針)に通して粉砕を反復することによって解離した。解離した細胞を20
μMNitexフィルターを介してろ過し、単一細胞の調製物を得た。血球計で細胞数を
決定し、造血および支質細胞を含む細胞を、100 mm培養皿あたり107細胞で平板
固定した。皿は、予め1%ウシゼラチンで被覆しておいた(EM Sciences,
Cherry Hills NJ)。
ら先の手順は先に記載の単離およびアッセイと同一である。簡単に説明すると、付着骨髄
細胞を密集状態まで培養した。培養物注の細胞を、0.01%エチレンジアミンテトラ酢
酸(EDTA)を有するDulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)中0.
025%トリプシンで皿から遊離させ、20μmフィルターでろ過した。次いでこれらの
細胞を、EMEM+10%ウシ血清および7.5%DMSO (Sigma)中に10細
胞を含有する1mlのアリコートで凍結した。凍結チャンバ内(Fisher Scie
ntific,Norcross, GA)で凍結保存を実施し、緩徐に−80℃まで細
胞を凍結した。
よび抗生物質における24ウェルゼラチン被覆平板培養(Corning Glass
Works, Corning, NY)中の16 mmウェルあたり20,000細胞
の密度で平板固定した。これらの細胞を2次培養物とした。いくつかのウェルには同じ培
地を維持して対照群のために取っておき、実験用ウェルは、培養開始1日目から10−1
0〜10−6Mの範囲の濃度のデキサメタゾン(Sigma)で補充した培地で処理した
。培養中は1週間の間隔で培養物を固定化し、以下に記載のようにして表現型についてア
ッセイした。
1.鉱化組織。本質的にHumason(Humason, 1972)に記載の通り
、リン酸カルシウムのVon Kossa染色により石灰化組織の存在についてアッセイ
した。簡単に説明すると、培養培地を取り出し、プレートをDPBSで2回濯いだ。細胞
を0.5 mlの10%ホルマリン(Sigma)で3〜5分間固定化し、次いで、蒸留
水で4回濯いだ。次いで、0.5 mlの新たに調製した2%硝酸銀(Sigma)溶液
を添加し、細胞を暗所で10分間インキュベートした。インキュベーション後、硝酸銀溶
液を取り出し、蒸留水で細胞を5回濯いだ。約0.5 mlの蒸留水を各ウェル上に置い
た。プレートを、明るい光に15分間暴露した(光を反射させるためにプレートのすぐ下
に白色背景を置いた)。プレートを再度5回蒸留水で濯ぎ、次いで、100%エタノール
で迅速に脱水した。プレートをグリセリンゼリーで永久保存化した(Youngら、19
91)。リン酸カルシウムの存在の確認は、硝酸銀溶液中でインキュベーションする前に
、Ca2+、Mg2+を含まない緩衝液中に1%w/v [エチレンビス(オキシエチレ
ンニトリロ)]−テトラ酢酸(EGTA) (Sigma)(カルシウム特異的キレータ
ー)を有する選択された培養物を1時間前処理することによって実施した。
rument,Rockville, MD)、pH 1.0で染色した。固定化された
ウェルを0.5 ml Alcianblue、pH 1.0で30分間染色し、次いで
、ウェルから取り出した。ウェルを水道水または蒸留水で7回濯ぐことによって、非結合
染色物を取り出した。培養物は、グリセリンゼリー化で保存した。
rgical Co., Washington, DC)染色を(Humason,
1972)実施した。培養ウェルからすべての培地をアスピレーと吸引し、それぞれのウ
ェルを1mlのDPBSで2回洗浄した。次いで、0.5 mlの70%ETOHを添加
して細胞膜を破壊した。1分間後、アルコールをアスピレーと吸引し、ウェルをDPBS
で2回洗浄した。次いで、細胞を100%プロピレン中で5分間、2回インキュベートし
た。次に、細胞を、1ウェルあたり0.5 mlのSudanブラックBで10分間、2
回インキュベートした。各溶液が澄明になるまで以下の溶液を各0.5 mlで繰り返し
細胞を濯ぐことによって、染色を区別した。プロピレン:水90:10、85:15、お
よび70:30。蒸留水を用いて細胞を2回、1分間洗浄し、次いで、グリセリンゼリー
で永久保存化した。
格筋ミオシンに対するMF−20抗体(Hybridoma Bank, Ames,
IA)で細胞を染色した。断りがない限り、各工程の前にDPBSで2回濯いだ。もう1
度濯いだ後、0.5 mlの冷エタノール(−20℃)を5分間適用し、細胞を固定化し
た。この後、0.5 mlのDPBS中1%v/v TritonX100/0.05%
w/vアジ化ナトリウムと共に5分間インキュベーションし、細胞膜を溶解して、それぞ
れ内因性ペルオキシダーゼを阻害した。20%ヤギ血清の1次ブロッカーを30分間、3
7℃インキュベーター中で適用する。次いで、MF−20の1: 200希釈の1次Ig
G(0.4 ml/ウェル)を1時間インキュベートする。0.5 mlの20%ヤギ血
清の2次ブロッカーを30分間適用し、続いて、1: 7500 希釈のビオチン化ヤギ
抗マウスIgG(Leinco, St. Louis, MO)を0.4 ml加え、
また37℃で30分間インキュベートした。20%ヤギ血清から成る3次ブロッカーを3
0分間適用し、取り出し、次いで、1: 3750 希釈のストレプトアビジン−西洋ワ
サビペルオキシダーゼ(Leinco)を0.4 ml添加し、37℃で30分間インキ
ュベートした。この時点で細胞を濯ぎ、0.5 mlのABTSペルオキシダーゼ基質(
KirkegaardおよびPerry Labs, Gaithersburg, M
D)を添加して、周囲温度、暗所で30分間インキュベーションした。インキュベーショ
ン後、200μlのABTS溶液を細胞から取り出し、10μlの0.03%アジ化ナト
リウムを含有する96ウェルELISAプレート(Falcon)のウェルで平板固定し
た。405 nmフィルターを使用するTiter Tek分光光度計プレートリーダー
上で該ELISAプレートを読み取った。
、次いで0.5 mlの蒸留水で2階濯いだ。染色キットの取扱説明書に従って、以後の
写真撮影のために選択されたウェルにChromagen (Sigma)を添加した。
一旦発色したら、25μlの0.05%アジ化ナトリウムを各ウェルに添加して、反応を
停止した。次いでウェルを濯ぎ、グリセリンゼリーで永久保存化した。
およびHollisのin situジアミノ安息香酸(DABA)手順(Johnso
n−WintおよびHollis, 1982)を使用してDNA含有量を分析した。従
って、同じウェル上で、ミオシン含有量およびDNA含有量に対する吸光度を得た。
る染色によって、平滑筋をアッセイした。
ポタンパク質を取り込む能力によって内皮細胞を同定した。抗生物質を補充したDulb
eccoの最小必須培地(高グルコース)(DMEM) (GIBCO)で細胞を5回洗
浄した。細胞を、1mlあたり10μgの1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3
’−テトラメチル−インドカルボシアニン過塩素酸(DiI−Acyl−LDL) (B
iomedical Technology, Stoughton, MA)と共に3
7℃で4時間インキュベートした。次いで、ウェルをEMEM+10%ウマ血清で6回洗
浄し、蛍光付着を有するNikon Diaphot上で観察した。
骨髄全体から単離された細胞のほとんどは、培養皿に付着しない造血細胞であった。培
地を交換したときの培養1日目に、これらの細胞を取り出した。6日目までの培養物は、
星形を伴うほとんどの付着細胞から成った(図1AおよびB)。小さな丸型で極めて収縮
性の細胞が星状細胞胃付着し、この星状細胞がさらに培養皿に付着しているを思われる場
合、しばしば細胞の凝集隗が認められる。しかし、培養物の最も際立った特徴は、細胞が
直線状に配列することである。このラインの長さの測定値は60 mmを超え、100
mm培養皿にほとんどまたがっている。コラーゲンは、ブラシで円形状に適用されたため
、細胞が乾燥コラーゲンのラインの後を追っているとは考えにくい。直線ライン上にある
細胞は、それらに付着する他の細胞を有すると思われた。初代骨髄細胞の培養物の培地で
は、浮遊細胞が連続的に供給されていることが認められた。これは、最初の付着後では浮
遊細胞が認められなかった骨格筋および心臓由来の培養物とは対照的である。
ンはもはや認められなかった。平均で80%の細胞が、凍結融解で生存したが、これは、
骨格筋および心臓から単離された細胞から得られたデータ(Lucasら、1995;W
arejeckaら、1996)と一致する。デキサメタゾンを添加しなかった2次培養
物の細胞は、ほぼ均一な星形細胞である(図2A)。これらの細胞は、2次培養物中で5
週間後でも任意の表現型を示さず、
すべての表現型アッセイで陰性であった。
る。骨格筋および心臓から単離された培養物では、時期に応じて様々なデキサメタゾン濃
度で限られたオーダーの表現型の出現が認められる。培養時に自発的に収縮した多核細胞
も、10−9〜10−6Mの範囲のデキサメタゾン濃度での培養で1〜2週間で出現した
。多核細胞をミオシンに対する抗体で染色することにより、該多核細胞は筋管と同一であ
ることが確認された(図2B)。デキサメタゾン処理の4週間までに、繊維を含有するほ
ぼ平行四辺形型の細胞が認められた。これらの細胞は、10−7および10−6Mデキサ
メタゾンで最も多く認められた。繊維を平滑筋αアクチンに対する抗体で染色したところ
、平滑筋細胞と同定された(図2C)。培養3週間後、10−9〜10−6Mデキサメタ
ゾンで処理したウェルでは、収縮性細胞外マトリックスを有する、すべて類似のサイズの
極めて丸型の細胞の小集合が出現した。Alcianブルー(pH 1.0)で染色され
たこれらの凝集物は、軟骨細胞と同定された(図3A〜C)。いくつかの軟骨節は、位相
差下で観察すると極めて暗い領域を示す。これらの暗領域をVon Kossa’sで染
色したところ、好物の存在が示された。これらの節は、石灰化軟骨を示し得る。
ズを有する大きな小胞を伴う細胞を含有し、これらの細胞は、位相差顕微鏡下で収縮型の
外見が認められた。これらの細胞をSudanブラックBで染色したところ、飽和型中性
脂肪の存在が示され、従って該細胞は脂肪細胞と同定された(図4A)。これらの細胞は
、ミオシンまたは平滑筋αアクチンに対する抗体では染色されなかった。しかし、一般に
骨髄培養物の脂肪細胞の数は、骨格筋から単離された培養物よりも少なかった。多角形細
胞の細胞凝集物は、培養4週間後に出現した。それらは、10−9〜10−10Mデキサ
メタゾンで処理されたウェルで最も一般的に認められたが、すべてのデキサメタゾン濃度
では、少数しか出現しなかった。これらの細胞は、位相差顕微鏡下で相当な暗部を示した
稠密な細胞外マトリックスを有し、マトリックスはVon Kossa染色で染色された
(図4B)。染色はEGTAによる前処理で防止され得る(図4C)。これはすべて石灰
化細胞外マトリックスを示した。従って、これらの細胞は、骨芽細胞と同定された。また
、デキサメタゾンによる処理の4週間までに、10−7および10−6Mデキサメタゾン
培養物で多角形であるが細胞外マトリックスが認められない細胞が出現した。これらの細
胞は、細胞質小胞にDiI−Acyl−LDLを取り込み(図5AおよびB)、従って、
内皮細胞と同定された。DiI−Acyl−LDLとのインキュベーション期間を4時間
に制限したところ、平滑筋細胞は、染色されなかった。最後に、らせん状に増殖し、Al
cianブルー(pH 1.0)で軽度に染色された滑面マトリックスを有する星形細胞
の領域は、10−10〜10−8Mデキサメタゾン処理で出現した。(データ示さず)形
態学および染色パターンに基づいて、細胞は仮定的に繊維芽細胞と同定された。
本発明者らは、骨格筋および心臓から得られる細胞とほぼ同一の方法で、多くの表現型
に分化することによってデキサメタゾン処理に応答する骨髄から細胞集団を単離すること
ができた。しかし、初代培養物は、筋および心臓から得られる初代培養物とは同一ではな
かった。これは、驚くべきことではない。何故なら、各組織は分化された細胞およびそれ
らの即時型前駆体の独特な補体を含有するからである。骨格筋由来の初代培養物は分化さ
れた多核筋管を含有すし、心臓由来の初代培養物は心筋細胞を含有する(Lucasら、
1995;Warejeckaら、1996)。これらの表現型は両方とも初代骨髄培養
物には存在しなかった(図1)。しかし、初代骨髄培養物は、長い直線ラインで細胞が並
ぶ独特な特徴を有した。このことは以前に文献で報告されておらず、本発明者らは、これ
らの培養物の性状についてはあまり説明していない。しかし、それらは、いくらかの独立
した調製物において再現性が認められた。プレートには予めコラーゲンが被覆してあるた
め、乾燥コラーゲンのラインに沿って細胞が配列した可能性もある。しかし、コラーゲン
が、円運動で使用されるブラシで適用されたならば、この可能性は低いと思われる。コラ
ーゲンアプリケーションの変化は、細胞の直線ラインの形成に影響を及ぼさない(データ
示さず)。もう1つの可能性は、ラインが、培養物において造血環境を形成しようとする
分化された支質細胞を示すことである。培養条件および予め選択されたウマ血清の使用は
、この状況を引き起こし易い。本発明者らは既に、ほとんどのロットの血清が細胞に繊維
芽細胞への分化を引き起こさせ、デキサメタゾン処理には感応しないことを明らかにして
いる(Lucasら、1995)。おそらく、繊維芽細胞分化を防止することにより、よ
り容易に観察するために分化された支質細胞をより明白にそれらの表現型を発現させるこ
とが可能である。培地において繰り返し生じる浮遊細胞の再生もまた骨格筋および心臓由
来の初代培養物とは異なるが、分化した造血組織とは一致する。ライン内の細胞および浮
遊細胞の性質についてはさらに検討する必要がある。
組織から得られる培養物と同一であるようであり、デキサメタゾンに対して同一に挙動し
た。対照の2次培養物は、5週間の培養の間、何ら分化を示さない星状細胞から成るデキ
サメタゾンによる処理により、典型的な時間系列および典型的なデキサメタゾン濃度範囲
において十分に分化した表現型が出現する。認識された最初1の十分に分化した表現型は
、培養1〜2週間で出現する多核筋管であり、続いて、培養3週間で脂肪細胞、次いで4
週間で軟骨細胞、骨芽細胞、平滑筋細胞、および内皮細胞であった。異なる濃度のデキサ
メタゾンにより、異なる表現型の分化が生じた。平滑筋細胞および内皮細胞は10−7お
よび10−6Mデキサメタゾンで最も多く、脂肪細胞はl0−8〜10−6Mの範囲の濃
度のデキサメタゾンで存在し、軟骨細胞および骨格筋管は10−9〜10−6Mデキサメ
タゾンで存在する一方、骨芽細胞はすべての濃度のデキサメタゾンで少量存在した。この
ことから、1つの培養物にいくらかの表現型が存在することが明らかであり、実際、10
−7Mデキサメタゾンで処理された培養物ではすべての表現型が認められるのが普通であ
る。異なる表現型の出現時間および表現型を誘導するために使用されるデキサメタゾンの
濃度は両方とも、ラット骨格筋および心臓から単離される2次培養物で得られる結果に対
応する。
異なる。ほとんどの場合、骨髄支質細胞のin vitroでのデキサメタゾン処理によ
って、骨芽細胞が分化する(Vilamitjana−Amedeeら、1993;Be
resfordら、1994;Kleinら、1994;Grontosら、1994;
Owenら、1987)が、いくつかの研究でも、脂肪細胞の分化が報告されている(B
eresfordら、1994;Kleinら、1994;Grontosら、1994
;Owenら、1987)。しかし、骨格金筋管、軟骨細胞、または内皮細胞の分化につ
いては何も報告されていない。分散チャンバにおける骨髄支質細胞のいくらかのin v
ivo研究で該チャンバにおける軟骨の出現が報告されている(Babら、1984;B
abら、1988;Zipori、1989)ことをみれば、in vitroで軟骨細
胞の分化が認められないのは異例である。先の研究でも決定された先駆細胞の分化能が認
められていたかもしれないが、実際には骨形成および脂肪生成に関する研究に当てはまる
。しかし、培養条件が差異の原因であるかもしれない。第1に、ここで使用される単離手
順は、初代培養で前駆細胞を分化させることによって、該前駆細胞を排除するように設計
されている。次いで、好ましくは、分化した細胞は凍結融解中に死滅し(Youngら、
1991)、これは、対照培養物において分化した表現型がまったく認められないことか
らも実証される。第2に、先の研究では例外なく培養培地にウシ胎児血清が使用されてい
たことである。本発明者らの経験では、ウシ退治血清は、2次培養物中で未決定細胞を繊
維芽細胞に分化させ、デキサメタゾンに対する応答を排除してしまう(Lucasら、1
995)。デキサメタゾンの正確な機序については知られていないが、デキサメタゾンは
細胞のすべての可能な経路の分化を刺激することは明らかである(Lucasら、199
5)。決定された前駆細胞の場合、これは、表現型の最終分化を生じるが、多能性細胞の
場合、デキサメタゾンはそれぞれの可能な表現型の決定および分化を誘導する(Luca
sら、1995)。従って、先の研究では、決定された始原細胞(即ち、前骨芽細胞)を
排除しようとせず、培養物中の三毛って衣細胞は血清によって繊維形成系統に決定された
ため、骨芽細胞の分化が検出された
以前に、本発明者らは、新生ラット骨格筋から、デキサメタゾンなどの非特異的分化作
用物質で処理すると多くの間葉表現型に分化可能な細胞を単離した。本発明者らは、これ
らの細胞を間葉幹細胞と呼び、それらは肉芽組織に存在すると仮定している。この仮説を
試験するために、肉芽組織から細胞を単離し、それらが多数の中胚葉表現型を形成する能
力についてアッセイした。7週齢雄性ラットの皮下にステンレス製創傷チャンバをインプ
ラントした。インプラント7または14日後に該チャンバを取り出し、付着している組織
を掻き取った。コラゲナーゼ/ディスパーゼによる消化で細胞を単離し、予め選択された
ウマ血清を有する培地においてゼラチン被覆皿中で密集状態まで培養した。細胞をトリプ
シンで遊離させ、7.5%ジメチルスルホキシド(DMSO)中−80℃で凍結し、次い
で、融解し、10−6〜10−10Mデキサメタゾンを補充した同培地中で培養した。両
時点での細胞は、培養中同様に挙動した。対照培養は星状形態を有する細胞を含有し、骨
格筋から単離された細胞と外観は同様であった。しかし、デキサメタゾンによる処理では
、以下のような表現型が観察された。培養時に自発的に収縮し、ミオシンに対する抗体で
染色された長型多核細胞(骨格筋管)、細胞外マトリックスがAlcianブルー、pH
1.0で染色された丸型細胞の小節(軟骨)、細胞外マトリックスが鉱物に対するVo
n Kossa染色で染色された丸型細胞(骨)、SudanブラックBで染色された大
きな小胞を有する丸型細胞(脂肪細胞)、平滑筋αアクチンに対する抗体で染色された細
胞内繊維を有する大細胞(平滑筋)、アセチル化低(ow)密度リポタンパク質を取り入
れた丸型細胞(内皮細胞)、および顆粒化されたおよび原繊維の細胞(結合組織)。これ
らの結果は、、肉芽組織内における、単なる繊維結合組織瘢痕ではなく多数の中胚葉組織
を形成し得る間葉幹細胞の存在を示唆する。これらの細胞をin vivoで適切に操作
した場合、瘢痕組織の形成とは異なる実際の組織再生を達成することができる。
ては、Clark、1993;Bennett、1993a, 1993b;Huntお
よびLaVan、1989;Falanga、1993;OrgillおよびDemli
ng、1988;Springfield、1993)。第1に、外傷は、毛細血管床の
裂傷を生じ、血管周囲組織空間へ血液が放出され、凝固して血腫を形成する。血腫形成の
間、血小板が凝集し、脱顆粒し、血塊に多くの成長因子が放出される。血塊の成分および
放出された成長因子はマクロファージを引き寄せ、マクロファージは血塊に移動してこれ
を分解する。マクロファージも多くの成長因子を合成および放出し、これらの因子は損傷
を受けていない組織周辺の毛細血管内皮細胞および繊維芽細胞に作用する。いくつかの成
長因子、特に、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)は、内皮細胞の増殖および移動を
引き起こす(FolkmanおよびKlagsbrun、1987;Connollyら
、1987)。これらの細胞はマクロファージの直ぐ後ろで新たな毛細血管ループを形成
し、創傷への循環を回復する。その間、繊維芽細胞は増殖し、これもマクロファージに続
いて創傷に移動する。繊維芽細胞は、原則としてI型コラーゲン、プロテオグリカン、お
よびフィブロネクチンから成る細胞外マトリックスを分泌し始めるこれは結局は極めて稠
密なマトリックスとなり、コラーゲン分子が架橋を経験するようなかなり強度なマトリッ
クスとなる。このような繊維芽細胞と関連細胞外マトリックスとの組み合わせは、瘢痕組
織を構成する。
鉱物質除去された骨マトリックスおよび外マトリックスから精製されたタンパク質を使用
する研究では、皮下部位における軟骨および骨のde novo誘導が明らかにされてい
る(Urist、1989;ReddiおよびHuggins、1972;Weissお
よびReddi、1981;Reddi、1981;Lucasら、1990;Weis
sおよびReddi、1980;ReddiおよびAnderson、1976;ならび
にWangら、1990)。この誘導の細胞事象については研究されており、血腫の形成
、マクロファージ、続いて「間葉細胞」の浸潤、および新たな毛細血管を生じる組織外傷
から成る。間葉細胞は軟骨細胞へ分化し、次いで肥大を生じる。肥大性軟骨細胞は、古典
的な軟骨内骨形成によって骨に置き換わる(Reddi、1981;ReddiおよびA
nderson、1976)。この一連の早期細胞事象は、繊維芽細胞の代わりに間葉細
胞が出現することを除いて、創傷の治癒と同一である。このデータは、創傷内に、繊維形
成性瘢痕以外の組織へ分化する能力を有する細胞が存在することを意味する。
、1995)周辺の結合組織内に局在する細胞集団の存在が明らかにされており、これら
の細胞は繊維芽細胞だけではなく、骨格筋、平滑筋、内皮細胞、軟骨、骨および脂肪など
の他の中胚葉表現型に分化する。従って、これらの細胞を「間葉幹細胞」(MSC)と命
名された。さらなる研究により、MSCは様々な期間の結合組織画分内に存在することが
明らかにされた(Youngら、1995)。これらの細胞は、通常、様々な期間の結合
組織内に存在し、従って、組織外傷後の創傷治癒応答に寄与し得るため、本発明者らは、
これらの細胞も創傷治癒に関する肉芽組織中に存在するかどうかを決定するための以下の
実験を行った。
細胞培養
Schilling (Schillingら、1959,1969)により記載され
、Goodson (Goodsonら、1976)によって改変されたように、長さ3
.5 cmのシリンダーに形成されたステンレス製メッシュから創傷チャンバを構築した
。ベンゼン、次いでエタノールに浸漬することによって創傷チャンバを清浄し、石鹸水中
で洗浄し、次いで徹底的に濯いだ。それらをオートクレイブ中で滅菌した。
・ヨウ素(providone−iodine)溶液で清浄した。Huntら、(Hun
tら、1966)の方法により、創傷チャンバを腹部層に挿入し、ステンレス製創傷クリ
ップで創傷を閉じた。
単離のための先に記載された2工程手順(Lucasら、1995)を使用して、推定幹
細胞を単離した。まず、滅菌条件下で、付着しているすべての組織を創傷チャンバから取
り出した。次いで、チャンバを開放し、チャンバ内の組織の容積を目視で見積もり、電磁
撹拌棒を含有する100 ml培地ボトルにチャンバを移した。7容積の250単位/m
lコラゲナーゼ(CLS−I Worthington Biochemicals,
Freehold, NJ)、33.3単位/mlディスパーゼ(Collaborat
ive Research, Bedford, MA)を含有するEarle塩を有す
るEagle最小必須培地(EMEM)(GIBCO, Grand Island,N
Y)を添加し、創傷チャンバ中の組織が消化されるまで、混合物を37℃で1時間半撹拌
した。混合物を遠心分離管に移し、300×gで20分間、遠心分離した。上清を捨て、
10%予め選択されたウマ血清およびペニシリン−ストレプトマイシンを補充したEME
M、pH 7.4を20 ml添加し、細胞を、20μmのフィルターを介してろ過し、
単一細胞懸濁液を得た。さらに、細胞を150×gで10分間、遠心分離し、上清を捨て
、10 mlのEMEM+10%ウマ血清を添加した。血球計で細胞を計数し、1%ウシ
ゼラチンで被覆した100 mm培養皿(EM Sciences,Cherry Hi
lls, NJ)あたり100,000細胞で平板固定した。培養物を、10%予め選択
されたウマ血清および抗生物質を補充したEMEM中に維持した。
。0.05%トリプシンで細胞を遊離させ、筋管を除去し、単核細胞を残す20μmフィ
ルターを介して細胞をろ過した。次いで、細胞を、EMEM+10%ウマ血清+7.5%
DMSO中−80℃で凍結した。. 細胞のアリコートを融解し、24ウェルゼラチン被
覆培養プレート(Corning Glass Works, Corning, NY
)中16 mmウェルあたり5,000細胞の密度で平板固定した。対照では同じ培地で
培養物を維持したが、実験用皿は10−10M〜10−6Mの範囲の濃度でデキサメタゾ
ンを含有する培地で処理した。4または5週間目に、培養物を固定化し、以下に記載のよ
うにして表現型についてアッセイした。
1. 筋肉。骨格筋筋管を、培養物中で自発的に収縮した多核線状および分岐構造とし
て形態学的に観察した(Youngら、1992a)。Youngら(Young ら、
1992b)の手順を改変して使用し、支質ミオシンに対するMF−20抗体(Hybr
idoma Bank, Ames, IA)で細胞を染色することによって、組織化学
的に骨格筋表現型を確認した。断りがない限り、各工程の前にDPBSで2回濯いだ。D
PBSで細胞層を濯いだ後、0.5 mlの冷エタノール(−20℃)を5分間適用し、
細胞を固定化した。この後、0.5 mlのDPBS中1%v/v TritonX10
0/0.05%w/vアジ化ナトリウムと共に5分間インキュベーションし、細胞膜を溶
解して、それぞれ内因性ペルオキシダーゼを阻害した。20%ヤギ血清の1次ブロッカー
を30分間、37℃インキュベーター中で適用する。次いで、MF−20の1: 200
希釈の1次IgG(0.4 ml/ウェル)を1時間インキュベートす。0.5 mlの
20%ヤギ血清の2次ブロッカーを30分間適用し、続いて、1: 7500 希釈のビ
オチン化ヤギ抗マウスIgG(Leinco, St. Louis, MO)を0.4
ml加え、また37℃で30分間インキュベートした。20%ヤギ血清から成る3次ブ
ロッカーを30分間適用し、取り出し、次いで、1: 3750 希釈のストレプトアビ
ジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(Leinco)を0.4 ml添加し、37℃で3
0分間インキュベートした。この時点で、細胞を0.5 ml DPBSで2回、次いで
、0.5 mlの蒸留水で2濯いだ。染色キットの取扱説明書に従って、以後の写真撮影
のために選択されたウェルにChromagen (Sigma)を添加した。一旦発色
したら、25μlの0.05%アジ化ナトリウムを各ウェルに添加して、反応を停止した
。次いでウェルを濯ぎ、グリセリンゼリーで永久保存化した。
rument,Rockville, MD)、pH 1.0で染色した。細胞を10%
ホルマリン中で固定化し、次いで0.5 ml Alcianブルー、pH 1.0で3
0分間染色し、次いで、ウェルから取り出した。ウェルを水道水または蒸留水で7回濯ぐ
ことによって、非結合染色物を取り出した。培養物は、グリセリンゼリー化で保存した。
うる。Humason (Humason、1972)により記載のVon Kossa
手順を使用するリン酸カルシウムに対する組織化学的染色によって、細胞外マトリックス
の石灰化性質の確認を行った。簡単に説明すると、培養培地を取り出し、プレートをDP
BSで2回濯いだ。細胞を5 mlの10%ホルマリン(Sigma)で3〜5分間固定
化し、次いで、蒸留水で4回濯いだ。次いで、0.5 mlの新たに調製した2%硝酸銀
(Sigma)溶液を添加し、細胞を暗所で10分間インキュベートした。インキュベー
ション後、硝酸銀溶液を取り出し、蒸留水で細胞を5回濯いだ。約0.5 mlの蒸留水
を各ウェル上に置いた。プレートを、明るい白色白熱光に15分間暴露した(光を反射さ
せるためにプレートのすぐ下に白色背景を置いた)。プレートを再度5回蒸留水で濯ぎ、
次いで、100%エタノールで迅速に脱水した。プレートをグリセリンゼリーで永久保存
化した。リン酸カルシウムの存在の確認は、硝酸銀溶液中でインキュベーションする前に
、Ca2+、Mg2+を含まない緩衝液中に1%w/v [エチレンビス(オキシエチレ
ンニトリロ)]−テトラ酢酸(EGTA)(Sigma)(カルシウム特異的キレーター
)を有する選択された培養物を1時間前処理することによって実施した(Humason
, 1972)。
rgical Co., Washington, DC)染色を(Humason,
1972)実施した。培養ウェルからすべての培地をアスピレーと吸引し、それぞれのウ
ェルを1mlのDPBSで2回洗浄した。次いで、0.5 mlの70%エタノールを添
加して細胞膜を破壊した。1分間後、アルコールをアスピレーと吸引し、ウェルをDPB
Sで2回洗浄した。次いで、細胞を100%プロピレン中で5分間、2回インキュベート
した。次に、細胞を、1ウェルあたり0.5 mlのSudanブラックBで10分間、
2回インキュベートした。各溶液が澄明になるまで以下の溶液を各0.5 mlで繰り返
し細胞を濯ぐことによって、染色を区別した。プロピレン:水90:10、85:15、
および70:30。蒸留水を用いて細胞を2回、1分間洗浄し、次いで、グリセリンゼリ
ーで永久保存化した。
る染色によって、平滑筋をアッセイした。
タンパク質を取り込む能力によって内皮細胞を同定した。抗生物質を補充したDulbe
ccoの最小必須培地(高グルコース)(DMEM) (GIBCO)で細胞を5回洗浄
した。細胞を、1mlあたり10μgの1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’
−テトラメチル−インドカルボシアニン過塩素酸(DiI−Acyl−LDL) (Bi
omedical Technology, Stoughton, MA)と共に37
℃で4時間インキュベートした。次いで、ウェルをEMEM+10%ウマ血清で6回洗浄
し、蛍光付着を有するNikon Diaphot上で観察した。
初代培養物により、密集状態に達するまで単核星形細胞が増殖した(図6AおよびB)
。トリプシンで細胞を遊離させ、ろ過し、凍結保存した後も平板固定時には細胞は星形を
保持した。4週間目に、対照培養部は星形細胞から成った(図7A)。しかし、デキサメ
タゾンで処理した培養物は、7種の形態を示した。約1週間の培養を始めたところ、自発
的に収縮した線状および分岐した両方の多核細胞がすべてのデキサメタゾン濃度で出現し
たが、10−8および10−7Mデキサメタゾンの方がより多く出現した(図7B)。こ
れらの細胞を骨格支質ミオシンに対する抗体で染色した(図7C)ところ、骨格筋筋管と
同定された。
は収縮性細胞周辺マトリックスを有する丸型細胞の小節を含有していた。これらの小節の
2種の形態を同定した。1つの形態は、明白な境界を伴わない膨れ上がった細胞凝集物を
有し、該細胞凝集物は星形細胞層と合流していた(図8A)。第2の形態は、星形細胞層
との鮮明な境界を含有する盛り上がった細胞凝集物から成った(図8B)。両小節の形態
の細胞周辺マトリックスはAlcianブルー、pH 1.0によって染色され、硫酸化
グリコサミノグリカンの存在を示す。特定の細胞形態学および組織学的染色パターンに基
づき、これらの細胞を軟骨小節中の軟骨細胞と同定した。
Mデキサメタゾンで処理されたウェルで最も一般的に認められたが、すべてのデキサメタ
ゾン濃度では、少数しか出現しなかった。これらの細胞は、位相差顕微鏡下で相当な暗部
を示した稠密な細胞外マトリックスを有し、マトリックスはVon Kossa染色で染
色された(図8C)。染色はEGTAによる前処理で防止され得ることが見出された(デ
ータ示さず)。これはすべて石灰化細胞外マトリックスを示した。従って、これらの細胞
は、仮に骨芽細胞と同定された。
した細胞内小胞を含んだ。細胞内小胞は、SudanブラックBで染色され、中性脂肪の
存在を示した(図9A)。特定の形態学および組織化学染色パターンに基づいて、これら
の細胞は脂肪細胞と同定された。図9Aでは、軟骨小節付近に特徴的な細胞内小胞/脂質
小滴を有する脂肪細胞を認めることができる。このことは、培養系の2つの特徴を強調し
ている:1)デキサメタゾンは非特異的に多数の中胚葉表現型を誘導することができ、2
)タスの表現型は、それぞれの培養ウェルにおいてぞれぞれのデキサメタゾン濃度で出現
した。
状または四辺形の形状である細胞が出現し、区別可能な細胞内繊維を含有した。これらの
細胞は平滑筋αアクチンに対する抗体で染色された(図9B)。染色は細胞内繊維で特に
強度に認められた。従って、本発明者らは、これらの細胞を平滑筋細胞と同定した。同じ
デキサメタゾン濃度(10−7および10−6M)およびまた培養3ヵ月後に、個々の非
凝集性多角形から丸型の単核細胞が出現した。これらの細胞は、蛍光標識アシル低密度リ
ポタンパク質を細胞質内に取り入れた(図10AおよびB)。染色は核周辺に認められ、
いくらかの細胞では核で顕著であった。従って、本発明者らは、これらの細胞を内皮細胞
と同定した。
する螺旋パターンの密集な紡錘状細胞の凝集を3週間後に認識した。これらの細胞のこれ
らの細胞外マトリックスは、繊維芽細胞を示唆するパターンで、Alcianブルー、p
H 1.0で染色された。従って、本発明者らは、これらの細胞を仮定的に繊維芽細胞と
同定した。
た創傷チャンバとの間には、ごく僅かな差異しか認められなかった。両時点から得られた
培養物から、同じデキサメタゾン濃度で同じ表現型が明らかにされた。
本発明者らの研究室の先の研究では、いくらかの中胚葉表現型に分化可能なニワトリ、
ラットおよびウサギの骨格筋において単離された細胞集団の存在が明らかにされている(
Lucasら、19995;Youngら、1992a;Pateら、1993)。ニワ
トリ胚(Youngら、1995)および新生ラット心臓(Warejcka、1996
)のいくらかの結合組織において同様の細胞集団が見出されている。Owenの用語(O
wen、1987)に従って、本発明者らは、明らかな非制限的増殖能(Lucasら、
1995;Youngら、1993)および中胚葉(間葉)発生系統の細胞へ分化する能
力について、これらの細胞を間葉幹細胞と命名した。本研究において、本発明者らは、7
週齢ラットの皮下に7または14日間インプラントされたHunt Schilling
創傷チャンバから得られる肉芽組織に同じ単離および試験手順を適用した。
った(Lucasら、1995;Warejcka、1996)。チャンバのメッシュま
たは内部のいずれかに増殖した肉芽組織のみを使用するために、創傷チャンバから注意深
く、付着している組織を掻き取った。任意の混入始原細胞を表現型で認識可能な形態まで
分化させるために、単離した細胞を初代培養物で密集状態まで培養させた。これらの初代
培養物では、僅かな筋管のみが出現し、他の分化した表現型は認められなかった。次いで
、初代培養物をトリプシンで遊離させ、7.5%DMSO中で−80℃まで緩徐に凍結し
、融解し、2次培養物中においた。凍結融解工程は分化した表現型を排除し、間葉幹細胞
の生存を可能にするために設計される。
分化は、外因性作用物質で刺激されなければならず、デキサメタゾンを使用すればこれが
達成される。この系では、デキサメタゾンは非特異的分化剤として作用する。その正確な
作用機序については不明であるが、デキサメタゾンは幹細胞の分化を刺激するための多く
の培養系で使用されている(BallおよびSanwal、1980;OwenおよびJ
oyner、1987;Bellowsら、1990;Greenberger、197
9;Hounerら、1987;SchiwekおよびLoffler、1987;Be
rnierおよびGoltzman、1993;ZimmermanおよびCrista
e、1993;Grigoriadisら、1989;ならびにGuerrieroおよ
びFlorin、1980)。
脂肪細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、および繊維芽細胞を示すいくらかの形態へ分化した。
特に分化された細胞について特に表現型発現マーカーを同定するために設計された免疫組
織学、組織化学、または機能的LDL取り込み技術によって表現型を確認した。本研究に
おいてこれらの応答を誘発するのに使用される特定の表現型の出現のタイミングおよびデ
キサメタゾンの特定の濃度は、ニワトリ胚(Youngら、1992a)、ラット胚骨膜
(Grigoriadisら、1988)、新生期ラット骨格筋(Lucasら、199
5)、新生期ラット心臓(Warejckaら、1996)、および生体ウサギ骨格筋(
Pateら、1993)から単離される間葉幹細胞の条件に同一である。本研究において
ラット肉芽鎖組織から単離された細胞は、培養物において他の結合組織に存在するMSC
の集団と同一に挙動するようである。従って、本発明における細胞は、MSCの集団であ
るようである。
始原幹細胞および/または2)分化決定多能性幹細胞から成り得る。分化決定された始原
幹細胞集団の存在に関する先の例は、骨格筋の単能性始原筋付随体幹細胞(Mauro、
1961;Snow、1978;Grounds、1990, 1991)、それぞれ軟
骨膜および骨膜の単能性始原軟骨形成および骨形成幹細胞(BloomおよびFawce
tt、1994)、ならびに骨髄の二能性始原軟骨形成、骨形成幹細胞(Owen、19
88;Beresford、1989)を含む。分化未決定多能性MSCの存在は、クロ
ーン単離された幹細胞の結果に基づく。ラット胚骨膜(Grigoriadis, 19
88)およびニワトリ胚骨格筋、真皮、および心臓(Youngら、1993)から誘導
される個々のクローン細胞株は、デキサメタゾンで処理した場合、多数の表現型を示して
おり、このことから、これらの組織における分化未決定の多能性幹細胞の存在が示唆され
ている。さらに、新生期ラット骨格筋から単離された細胞から作製されるクローン細胞株
の予備データはまた、多数の中胚葉表現型に分化することができる個々のクローンを明ら
かにしており(Davisら、1995)、このことから、多能性幹細胞の分娩後生存へ
の存続が示唆される。
し、ここで、骨格筋筋管が認められた。しかし、同じ培地で培養された第2の細胞は、ア
ッセイされた中胚葉表現型への分化を示さなかった(図8A)。表皮は、軟骨細胞または
骨芽細胞のための分化決定された始原細胞を含有しないようである。従って、肉芽組織か
ら得られる2次培養物中の少なくともいくつかの細胞は分化未決定の多能性MSCである
か能性があるようである。
本研究について興味深い。方法のセクションに記載のように、創傷チャンバ内のみの細胞
を分析に使用した。このことは、間葉幹細胞の移動能力を示唆し、それらが創傷チャンバ
周辺の組織に由来することを示唆する。MSCは、明らかに創傷に移動し、同時に創傷治
癒に記載の他の細胞型、繊維芽細胞および脈管細胞を伴う。本研究において使用した動物
は創傷チャンバインプラント時で7週齢であった。肉芽組織におけるMSCの存在は、M
SCが成体期生存まで存続することを示す(Pateら、1993)。
デキサメタゾン処理に対して同一の応答を示した。先の研究は、肉芽組織が7日目に創傷
チャンバに存在し、14日目に最大に達することを示している(Schillingら、
1969)。14日後、肉芽組織は徐々に改造され、結合組織瘢痕を形成する。現在の結
果は、間葉幹細胞が創傷治癒の肉芽相全体に存在し、従って、創傷治癒応答に参加し得る
ことを示す。しかし、創傷チャンバに存在する間葉幹細胞の絶対数を予測することは不可
能である。初代培養物の単離手順、それに続く凍結融解および2次培養物での増殖は、本
来の組織に存在する間葉幹細胞の数を比較することはできない。さらに、幹細胞の両サブ
集団(分化決定および多能性)の増殖能は、そのような算出を困難にしている。先の研究
は、分化決定された始原細胞がプログラムされた細胞老化の前に約50細胞倍加の寿命を
有する(Hayflick, 1965)が、多能性MSCは、それらが特定の系統に未
決定であり続ける限り、本質的に不死的に増殖する(Lucasら、1995;Youn
gら、1993)ことを示している。肉芽細胞内の比較的多量のMSCを比較することは
、間葉幹細胞のマーカーが利用できるまで待たなければならない。
いる。この見方は、創傷に移動する細胞は脈幹細胞(平滑筋および内皮細胞)ならびに繊
維芽細胞であると述べている。繊維結合組織瘢痕の形成は必然であるという考えも認めら
れる。我々らの研究に基づいて、本研究者らは創傷部位に移動する細胞の少なくとも一部
は、多数の中胚葉表現型を形成する能力を有する間葉幹細胞である。示されているように
、MSCは周辺の結合組織に存在し、「肉芽組織」に寄与している他の細胞と共同して移
動することができ、繊維芽細胞、内皮細胞、および平滑筋細胞を含む多くの中胚葉表現型
に分化する能力を有する先の研究では、全層関節軟骨欠損に配置されたMSCは、局所内
因性因子の影響下で軟骨および骨に分化することが明らかにされている。従って、本発明
者らは、創傷部位に存在する1つ以上の局所因子は決定および以後のMSCの結合組織瘢
痕、即ち、繊維芽細胞、内皮細胞、および平滑筋細胞において観察された表現型への分化
に影響する能力を有する血小板、マクロファージ、リンパ球を脱顆粒することによって放
出され、創傷治癒中に全身の循環に存在する多くの成長因子は同定されており、分化決定
された始原細胞に関するそれらの機能は特徴付けされている(Clark、1993;B
ennett、1993a, 1993b;HuntおよびLaVan、1989;Fa
langa、1993;OrgillおよびDemling、1988;Springf
ield、1993;Adolphら、1993)。しかし、多くの未知因子は、同定、
特徴付け、ならびに始原幹細胞および多能性間葉幹細胞の両方に対するそれらの影響につ
いての機能分析が行われていない。この見解は、螺旋パターンを形成する紡錘形細胞(繊
維芽細胞)へのMSCのin vitro分化を引き起こす活性がほとんどのロットの血
清に存在する(Lucasら、1995)ことからも支持される。
組織瘢痕以外の組織を形成し得ると仮定している。この見解は、骨形態が骨外性皮下創傷
部位に配置される研究によって支持される。これにより、最初に軟骨が出現し、その後該
軟骨が軟骨内骨化を生じて骨を形成する(Urist、1989;Reddi およびH
uggins、1972;Reddi、1981;Wangら、1990)。別の研究で
、応答性細胞がインプラント部位に存在することが示されている(Weintroubら
、1990)。皮下部位に別の形態形成タンパク質、筋形態形成タンパク質をインプラン
トすると、皮膚組織の骨格筋管の分化が生じる(Lucasら、1996)。最終的に、
皮膚創傷を治癒するためのTGF−β1に対する抗体の添加、または外来性TGF−β3
の添加によっても、トランスフォーミング成長因子−β(TGF−β)のレベルが調製さ
れている(Ferguson、1994;Shahら、1992,1994,1995)
。これらの研究により、TGF−β1に対する抗体または外来性TGF−β3は瘢痕形成
を抑制し、それにより正常な表皮が出現することが示された。本発明者らは、創傷部位で
TGF−βイソ型のレベルが変化すると、瘢痕繊維芽細胞から正常繊維芽細胞へMSCの
分化が偏り、正常な表皮が出現すると推測している。
能性が生じる再生には、間葉幹細胞が適切かつ特異的に操作されて所望の組織に分化する
ことが必要である。本発明者らは、現在、1)繊維形成を阻害し、2)特異的表現型を刺
激する能力について生体活性因子を試験している。
創傷の治癒は損傷に対する応答であるが、非機能的瘢痕組織を生じる。より好ましい結
果は組織の再生であろう。本発明者らは、肢骨、筋肉、脂肪、表皮などに正常に認められ
る組織へ分化可能な間葉幹細胞の存在を仮定し、胎児および成体ラット骨格筋においてそ
のような細胞集団を見出した。成体ヒト組織からこれらの細胞を単離するために、これら
の実験を設計した。75歳糖尿病雌および35歳雄の切断された脚から骨格筋を回収した
。単核細胞を酵素的に単離し、10%予め選択されたウマ血清を補充したEarle塩を
有する最小必須培地(EMEM)中で培養した。この調製物は、筋管へ分化される決定さ
れた筋原細胞を含有する。次いで、培養物をトリプシン処理し、ろ過し、7.5%DMS
O中、−80℃で凍結し、融解し、平板固定し、ここで、2〜6週間の間、10−10〜
10−6Mデキサメタゾン(非特異的分化因子)を補充した上記の同じ培地でそれらを培
養した。対照培養は、間葉幹細胞に典型的な正常形態を示した。デキサメタゾンで処理さ
れた培養物は、以下の表現型を含有した:ミオシンに対する抗体で染色された長形単核細
胞(骨格筋)、SudanブラックBで染色された脂質小滴を有する丸型細胞(脂肪細胞
)、Alcianブルー、pH 1.0で染色された細胞外マトリックスを有する丸型細
胞(軟骨)、平滑筋a−アクチンに対する抗体で染色された細胞(平滑筋)、アセチル化
低密度リポタンパク質を取り入れた細胞(内皮細胞)、および鉱物に対するVon Ko
ssa染色で染色された細胞外マトリックス(骨芽細胞)。実験により、間葉表現型に分
化する能力を有するヒト間葉幹細胞の存在が確立される。これにより、細胞を操作して、
損傷を受けた患者の間葉組織の適切な再生を達成する可能性が生じる。間葉細胞は、結合
組織、筋肉、骨、脂肪、軟骨、および血液細胞を含む多くの異なる組織を生じる。間葉か
ら誘導された身体の組織に対する損傷は珍しいことではない。しばしば、組織に対する損
傷は外傷、「磨耗および断裂」と呼ばれる病因学的破損、または先天的欠損によって生じ
る。骨折、変形性関節症、または骨格筋損傷に関与する病因学的過程ではこれは特に正し
い。身体は、損傷を受けたまたは消失した間葉組織の修復の機序を有するが、正常な機能
を有する組織の再生は不十分であるかまたは不適切であるようである。その代わり、治癒
は、通常、主に非機能的繊維瘢痕組織から成る領域を残す。
応答および以後の肉芽組織の損傷による欠損への移動に関与する。創傷が治癒すると、リ
モデリングおよび繊維瘢痕が生じる。これは、通常、細胞の空隙を修復するのに適切であ
るが、成体の身体が同一に一致する機能的至適細胞を再生する能力は制限されている。タ
ンパク質および成長因子の流入は細胞が損傷の視域に移動するためのシグナルである(P
ostelthwaiteら、1976,1978, 1981;Seppaら、198
2;Grotendorstら、1982;Dueulら、1982)。このことは正し
いかもしれないが、広範囲の損傷の再生は、細胞の創傷への移動のみでは簡単に説明する
ことができない。従って、結合組織マトリックスに存在する多能性細胞の常在性集団が存
在するという仮説が提案された。成長因子は、これらの常在性間葉幹細胞による可能な再
生について、開始および複製のための重要なシグナルであるようである。これらの間葉幹
細胞の多能性特性に関する分化の方向は、特定のシグナルによって変化することができる
が、再生を開始させて、非機能的瘢痕組織を回避することができる。
損傷の視域が瘢痕を伴い得るという多くの問題がある。腱、筋肉および軟骨損傷などの間
葉組織の領域における瘢痕組織は、特に弾力性、収縮、伸張性および剪断力に関する機能
性が顕著に減少する。例えば、非機能的瘢痕形成による問題は、骨折後の骨の癒着不能ま
たは骨折変形治癒、瘢痕視域における再損傷素因を有する腱、関節軟骨表面の変化による
関節炎、および皮膚結合組織における過形成性瘢痕による問題である。間葉細胞は、治癒
過程において極めて重要であり、創傷に存在する多くの間葉組織に分化する特性について
その特徴が知られている。
されるHayflick理論には結びつかない(Hayflick、1965)。これら
の細胞は、身体において多数の組織型を構成している細胞系統へ分化することができる娘
細胞子孫を産生することができる(Hall & Watt、1989)。発生中の哺乳
動物胚には、娘細胞が生物の骨格組織を生じる多能性細胞である間葉幹細胞が存在する(
Gilbert、1997)。これらの細胞から誘導される骨格組織は、骨、筋肉、軟骨
、結合組織、および骨髄支質を含む。
骨髄の造血画分においても同定されているという証拠も存在する。多能性細胞は、成体組
織の修復および維持に重要であると思われる。造血画分から誘導される幹細胞については
ほとんど研究されている。造血幹細胞と呼ばれる細胞は、多くの様々な表現型に分化する
能力を有することに注目した(Lemischkaら、1986;Sachsなど)。も
う1つの類似ではあるがまったく異なる細胞集団が仮定され、その後、間葉幹細胞(MS
C)と呼ばれる成体骨髄において見出された。MSCについても広範に研究されたが、こ
れは、骨および軟骨(Owen、Beresford、Caplan)、腱(Capla
n)、筋肉(Wakatani, Saito)、脂肪(Dennis)ならびに造血を
支持し得る骨髄支質結合組織などの様々な組織表現型を生じることが明らかにされている
。これらの特性も、鉱物質除去された骨マトリックスインプラントに関与する研究中に観
察されている。インプラント、またはそれから誘導されるタンパク質は、異所性視域、即
ち筋肉において軟骨および骨形成のde novo誘導を示した(Urist、1965
;ReddiおよびAnderson、1976;Wangら、1990;Uristら
、1978;Lucasら、1988)。これは、骨髄マトリックス内のタンパク質シグ
ナルに応答する成体ヒトにおける結合組織マトリックス内の多能性細胞の集団が存在し得
る。
できる細胞集団が存在することが先に明らかにされている(Youngら、1992a)
。異なる濃度のデキサメタゾンでインキュベートする場合、MSCは、骨、軟骨、骨格筋
、脂肪、および内皮組織を含む様々な表現型に分化することが明らかにされている(Yo
ungら、1995)。これらの細胞の集団も、最近、成体ラットの心筋(Lucasら
、1995)、新生ラット、成体ラットの骨格筋(Warejeckaら、1996)、
および成体ウサギ(Pateら、1993)に存在することが明らかにされている。これ
らの単離された細胞は、間葉幹細胞(MSC)と呼ばれている。現在の目的は、上記の間
葉幹細胞に類似の細胞集団が存在し、ヒト成体の骨格筋から単離することができるかどう
かを決定することである。
表現型のアッセイ:
1. 鉱化組織。本質的にHumason(Humason, 1972)に記載の通
り、リン酸カルシウムのVon Kossa染色により石灰化組織の存在についてアッセ
イした。簡単に説明すると、培養培地を取り出し、プレートをDPBSで2回濯いだ。細
胞を0.5 mlの10%ホルマリン(Sigma)で3〜5分間固定化し、次いで、蒸
留水で4回濯いだ。次いで、0.5 mlの新たに調製した2%硝酸銀(Sigma)溶
液を添加し、細胞を暗所で10分間インキュベートした。インキュベーション後、硝酸銀
溶液を取り出し、蒸留水で細胞を5回濯いだ。約0.5 mlの蒸留水を各ウェル上に置
いた。プレートを、明るい光に15分間暴露した(光を反射させるためにプレートのすぐ
下に白色背景を置いた)。プレートを再度5回蒸留水で濯ぎ、次いで、100%エタノー
ルで迅速に脱水した。プレートをグリセリンゼリーで永久保存化した(Youngら、1
991)。リン酸カルシウムの存在の確認は、硝酸銀溶液中でインキュベーションする前
に、Ca2+、Mg2+を含まない緩衝液中に1%w/v [エチレンビス(オキシエチ
レンニトリロ)]−テトラ酢酸(EGTA) (Sigma)(カルシウム特異的キレー
ター)を有する選択された培養物を1時間前処理することによって実施した(Humas
on, 1972)。
rument,Rockville, MD), pH 1.0で染色した。固定化され
たウェルを0.5 ml Alcianブルー、pH 1. 0で30分間染色し、次い
で、ウェルから取り出した。ウェルを水道水または蒸留水で7回濯ぐことによって、非結
合染色物を取り出した。培養物は、グリセリンゼリー化で保存した。
rgical Co., Washington, DC)染色を(Humason,
1972)実施した。培養ウェルからすべての培地をアスピレーと吸引し、それぞれのウ
ェルを1mlのDPBSで2回洗浄した。次いで、0.5 mlの70%ETOHを添加
して細胞膜を破壊した。1分間後、アルコールをアスピレーと吸引し、ウェルをDPBS
で2回洗浄した。次いで、細胞を100%プロピレン中で5分間、2回インキュベートし
た。次に、細胞を、1ウェルあたり0.5 mlのSudanブラックBで10分間、2
回インキュベートした。各溶液が澄明になるまで以下の溶液を各0.5 mlで繰り返し
細胞を濯ぐことによって、染色を区別した。プロピレン:水90:10、85:15、お
よび70:30。蒸留水を用いて細胞を2回、1分間洗浄し、次いで、グリセリンゼリー
で永久保存化した。
質ミオシンに対するMF−20抗体(Hybridoma Bank, Ames, I
A)で細胞を染色した。断りがない限り、各工程の前にDPBSで2回濯いだ。もう1度
濯いだ後、0.5 mlの冷エタノール(−20℃)を5分間適用し、細胞を固定化した
。この後、0.5 mlのDPBS中1%v/v TritonX100/0.05%w
/vアジ化ナトリウムと共に5分間インキュベーションし、細胞膜を溶解して、それぞれ
内因性ペルオキシダーゼを阻害した。20%ヤギ血清の1次ブロッカーを30分間、37
℃インキュベーター中で適用する。次いで、MF−20の1: 200希釈の1次IgG
(0.4 ml/ウェル)を1時間インキュベートする。0.5 mlの20%ヤギ血清
の2次ブロッカーを30分間適用し、続いて、1: 7500 希釈のビオチン化ヤギ抗
マウスIgG(Leinco, St. Louis, MO)を0.4 ml加え、ま
た37℃で30分間インキュベートした。20%ヤギ血清から成る3次ブロッカーを30
分間適用し、取り出し、次いで、1: 3750 希釈のストレプトアビジン−西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ(Leinco)を0.4 ml添加し、37℃で30分間インキュ
ベートした。この時点で細胞を濯ぎ、0.5 mlのABTSペルオキシダーゼ基質(K
irkegaardおよびPerry Labs, Gaithersburg, MD
)を添加して、周囲温度、暗所で30分間インキュベーションした。インキュベーション
後、200μlのABTS溶液を細胞から取り出し、10μlの0. 03%アジ化ナト
リウムを含有する96ウェルELISAプレート(Falcon)のウェルで平板固定し
た。405 nmフィルターを使用するTiter Tek分光光度計プレートリーダー
上で該ELISAプレートを読み取った。
、次いで0.5 mlの蒸留水で2階濯いだ。染色キットの取扱説明書に従って、以後の
写真撮影のために選択されたウェルにChromagen (Sigma)を添加した。
一旦発色したら、25μlの0.05%アジ化ナトリウムを各ウェルに添加して、反応を
停止した。次いでウェルを濯ぎ、グリセリンゼリーで永久保存化した。
およびHollisのin situジアミノ安息香酸(DABA)手順(Johnso
n−Wintら、1982)を使用してDNA含有量を分析した。従って、同じウェル上
で、ミオシン含有量およびDNA含有量に対する吸光度を得た。
よる染色によって、平滑筋をアッセイした。
リポタンパク質を取り込む能力によって内皮細胞を同定した。抗生物質を補充したDul
beccoの最小必須培地(高グルコース)(DMEM) (GIBCO)で細胞を5回
洗浄した。細胞を、1mlあたり10μgの1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,
3’−テトラメチル−インドカルボシアニン過塩素酸(DiI−Acyl−LDL) (
Biomedical Technology, Stoughton, MA)と共に
37℃で4時間インキュベートした。次いで、ウェルをEMEM+10%ウマ血清で6回
洗浄し、蛍光付着を有するNikon Diaphot上で観察した。
養皿中の細胞をDPBS−Ca−Mgで2回洗浄した。次に、DPBS−Ca2+Mg2
+およびEDTA溶液を添加した。40分後、サンプルを緩徐に粉砕して細胞を取り出し
た。次いで、外れた細胞を取り出し、15 ml遠心分離管に移した。次いで、EMEM
10% HS−3 を培養さらに添加し、サンプルを再インキュベートした。細胞懸濁
物を150gで12分間、遠心分離した。上清をアスピレーターで吸引し、ペレットを1
.95 mlのDPBS−Ca2+−Mg2+培地に再懸濁した。次いで、細胞を血球計
を使用して計数した。次に、細胞をDPBS−Ca2+−Mg2+で洗浄した。次いで、
本発明者らは、5mlの1次IgGをEMEM10%HS−3中4℃でインキュベートし
た。IgGは40μl/106細胞CD−34 Aアイソトープであった。2本のマイク
ロ遠心管中、20μl/106細胞CD−34 Bアイソトープであった。次いで、サン
プルをマイクロ遠心管中、4分間、150 gで遠心分離した。上清をアスピレーターで
吸引し、ペレットを再懸濁し、DPBSで洗浄した。次いで、サンプルを再度遠心分離し
、1%BSA、0.5%TW中で20分間ブロックした。次いで、サンプルを再度遠心分
離した。次いで、2次IgGを添加し、20分間インキュベートした。次いで、サンプル
をスピード3で4分間、遠心分離した。上清をアスピレーター吸引し、ペレットを0.5
ml培地で洗浄した。溶液を再度遠心分離し、上清をアスピレーターで吸引した。10
0 mlの媒体PBSをペレットに添加し、次いで、スライドあたり10μlを利用して
サンプルを平板固定した。サンプルをアセトン、ETOH、加熱およびホルマリンで固定
化した。次いで、サンプルを、ブルーフィルターを有する蛍光顕微鏡下で観察した。
77歳雌および37歳雄の外科サンプルから得られた骨格筋から間葉幹細胞を単離した
。初代培養物は、単核星形細胞(推定多能性間葉幹細胞)および筋芽細胞を示した(図1
1A、11B)。トリプシンで細胞を遊離させ、ろ過し、凍結保存した後も平板固定時に
は2次培養物中の細胞は星形を保持した(図11C)。
態を示した(13B〜D;図14A〜C)。これらの培養物中の細胞をミオシンに対する
抗体で染色した(図12A〜B)ところ、骨格筋筋管と同定された。他の細胞は、それら
の形態学および蛍光標識アシル低密度リポタンパク質を細胞質に取り入れるそれらの能力
によって内皮細胞と同定された(図15A〜B)。平滑筋αアクチンに対する抗体による
細胞染色も同定された(図14)。2次培養物も、CD34の発現について評価し、固定
化された細胞はCD34に対する抗体で陽性染色であることが明らかにされた(図16A
〜B)。
可能である多能性間葉幹細胞を、成体、(老齢(77歳)でもよい)ヒト骨格筋から単離
することができることを示す。
結合組織は、繊維芽細胞のみから成ると考えられる。3T3細胞は、繊維芽細胞を出現
させると思われるマウス胚組織から誘導される細胞株である。本発明者らは、プロトコー
ルに従って3T3細胞を培養した。本発明者らは、ラット組織から多数の表現型に分化す
ることができる細胞を単離することを開発した。Swiss 3T3細胞(Americ
an Type Culture Collection)を、Earle塩を有する最
小必須培地(EMEM)+10%予め選択されたウマ血清中で培養した。細胞を、非特異
的分化剤、10−l0〜10−6Mの範囲の濃度のデキサメタゾンで、4〜8週間処理し
た。対照にはデキサメタゾンを添加しなかった。いくらかの間葉表現型は培養物中で発生
した:脂肪細胞(SudanブラックB染色);軟骨細胞(Alcianブルー染色、p
H 1.0)、骨芽細胞(鉱物質に対するVon Kossa染色)、平滑筋細胞(a−
平滑筋アクチンに対する抗体)、内皮細胞(アシル低密度リポタンパク質の取り込み)、
および骨格筋筋管(線状多核細胞および支質ミオシンに対する抗体)。いくつかの細胞は
また、イソプロテレノール処理で拍動数が増加し、プロプラノロール(propanol
ol)処理で減少する2核拍動細胞を示した。本発明者らは、この細胞を仮定的に心筋細
胞と同定した。3T3は、幹細胞の特徴を有するが、繊維芽細胞の特徴を有さない多数の
間葉から誘導された表現型に分化することが可能である。従って、それらは、幹細胞の細
胞生物学を診査し、成長および分化因子によって方向付けられる特定の組織型を研究する
ための簡単、簡便なアッセイを提供するのに極めて貴重な道具であり得る。特異的に細胞
分化を指令する能力は、組織の修復において非常に大きな可能性を付与する。
、Todaroら(TodaroおよびGreen、1963;Todaraら、196
4)により作製された細胞株は、培養物中明らかな不死後、密集上での細胞増殖の接触阻
害を対象に選択された。これは、約50細胞倍加後の細胞老化について、Hayflic
k数(Hayflick、1965)への一致が失われることによる。細胞株は繊維芽細
胞様細胞を出現させ、これはSwiss−3T3細胞と命名された。それらの由来3T3
細胞およびその誘導体は、13,000以上の研究において使用され、ウイルス形質転換
(Denhardtら、1991;GreenおよびOlaniyi、1974)、細胞
表面レポーター(Eldarら、1990;Friedmanら、1990;Maher
、1993;Satohら、1990)成長因子調節(campbellら、1993;
CorpsおよびBrown、1991;Powisら、1990;Satohら、19
90;Yatesら、1993)細胞生理学(CorpsおよびBrown、1992;
DominおよびRozengurt、1993;Pangら、1993)、ならびに因
子調節分化(Evansら、1993;Sparksら、1993)を含む細胞制御の態
様に関する様々な態様が検討されている。分子生物学技術の出現に伴い、Swiss−3
T3細胞は、遺伝子調節機構を研究するために利用されている(Batteyら、199
1;Linderら、1991;Miyazawaら、1993;yanおよびHung
、1993;Yangら、1993)。
ることが明らかにされている(GreenおよびMeuth、1974;Kuri−Ha
rcuch、1978;NixonおよびGreen、1984;Morikauaら、
1982;Ringoldら、1991;WierおよびScott、1986)。3T
3のクローンである3T3−10 Tl/2細胞は、5’−アザシチジンで処理すると脂
肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞、および筋管に分化することが明らかにされている(Tay
lorおよびJones、1979)。
多能性間葉幹細胞の両方は、多数の器官およびニワトリ胚における器官系に関連する結合
組織画分内に局在することが見出された。Lucasら(Lucasら、1995)は、
胎児および新生児ラット骨格筋から間葉幹細胞を単離した。これらの細胞は、骨格筋、軟
骨、骨、平滑筋、内皮細胞、および繊維芽細胞に分化することが可能であった。Ware
jckaら(Warejckaら、1996)は、3〜5日齢ラット心臓から幹細胞集団
を単離した。デキサメタゾンによる処理後、これらもまた、骨格筋、平滑筋、脂肪細胞、
骨および軟骨に発生することが認められた。
を形成する能力を評価した。
細胞培養
125継代時のSwiss−3T3細胞をアメリカンタイプカルチャーコレクション(
American Type Culture’Collection)(Bethes
da, MD)より入手した。到着時、細胞を融解し、最初に、Earl塩を有する89
%Eagle最小必須培地(EMEM GIBCO,Grand Island, NY
)、10%予め選択されたウマ血清、および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(10
,000μペニシリン/10,000マイクログラムのストレプトマイシン硫酸、GIB
CO)を含有する培地(pH 7.4)において皿あたり100, 000細胞で、予め
ウシゼラチン(EM Sciences, Cherry Hills, NJ)を被覆
した100 mm皿に播種した。培養物を、湿潤95%空気/5%C02を含有するイン
キュベーター、37℃中に、細胞が密集状態になるまで配置した。
ないリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)の溶液でプレートから遊離させ、20μmのNi
texフィルターを介して、7.5%ジメチルスルホキシド(Sigma, Salom
, MO)を含有するEMEM+10%ウマ血清中1×106細胞/mlに希釈し、凍結
チャンバ(Fisher Scientific, Norcross, GA)内で−
80℃まで緩徐に凍結した。
球計(Denhardtら、1991;DominおよびRozengurt、1993
)で細胞生存度を決定し、細胞を、1%ゼラチンで予め被覆した24ウェルプレート(C
orning Glassworks, Corning, N. Y.)中に、500
0細胞/ウェルの密度で配置した。細胞を、10%ウマ血清および様々な濃度のデキサメ
タゾン(Sigma, Salom, MO)を含有するEMEM中で培養した。4つの
ウェルを対照とし、デキサメタゾンを添加しなかった。4つのウェルは、それぞれ、10
−10M、10−9M、10−8M、10−7M、10−6Mデキサメタゾンを含有する
培地を添加した。培地を1日おきにチャージし、培養物を、異なる表現型の出現について
、位相差顕微鏡下で試験した。
骨−Humasonに記載の通り、リン酸カルシウムのVon Kossa染色により
石灰化組織の存在についてアッセイした。簡単に説明すると、培養培地を取り出し、プレ
ートをDPBSで2回濯いだ。細胞を0.5 mlの10%ホルマリンで3〜5分間固定
化し、次いで、蒸留水で4回濯いだ。次いで、1.5 mlの新たに調製した2%硝酸銀
溶液を添加し、細胞を暗所で10分間インキュベートした。インキュベーション後、硝酸
銀溶液を取り出し、蒸留水で細胞を5回濯いだ。約0.5 mlの蒸留水を各ウェル上に
置いた。 プレートを明るい光に、光を反射させるための白色背景に対して15分間暴露
した。プレートを再度5回蒸留水で濯ぎ、100%エタノールで迅速に脱水した。プレー
トをグリセリンゼリーで永久保存化した。リン酸カルシウムの存在の確認は、硝酸銀溶液
中でインキュベーションする前に、Ca、Mgを含まない緩衝液中に1%重量/容積[エ
チレンビス(オキシエチレンニトリロ)]−テトラ酢酸(カルシウム特異的キレーター)
を有する選択された培養物を1時間前処理することによって実施した。
抗体(Hybridoma Bank, Ames Iowa)で細胞を染色した。断り
がない限り、各工程の前にDPBSで2回濯いだ。もう1度濯いだ後、0.5 mlの冷
エタノール(−20℃)を5分間適用し、細胞を固定化した。この手順の後、0.5 m
lのDPBS中1%v/v TritonX100/0.05%w/vアジ化ナトリウム
(Sigma)と共に5分間インキュベーションし、細胞膜を溶解して、それぞれ内因性
ペルオキシダーゼを阻害した。20%ヤギ血清(Sigma)の1次ブロッカーを30分
間、37℃インキュベーター中で適用する。次いで、MF−20の1: 200希釈の1
次IgG(0.4 ml/ウェル)を1時間インキュベートする。0.5 mlの20%
ヤギ血清の2次ブロッカーを30分間適用し、続いて、1: 7500 希釈のビオチン
化ヤギ抗マウスIgG(Leinco, St. Louis, MO)を0.4 ml
加え、また37℃で30分間インキュベートした。これを30分間、37℃でインキュベ
ートした。20%ヤギ血清から成る3次ブロッカーを30分間適用し、取り出した。次に
、1: 3750 希釈のストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(Lein
co)を0.4 ml添加し、30℃で30分間インキュベートした。細胞を0.5 m
lの蒸留水で2階濯いだ。染色キットの取扱説明書に従って、以後の写真撮影のために選
択されたウェルにChromagen (Sigma)を添加した。一旦発色したら、2
5マイクロリットルの0.05%アジ化ナトリウムを各ウェルに添加して、反応を停止し
た。次いでウェルを濯ぎ、グリセリンゼリーで永久保存化した。
ent,Rockville, MD)、pH 1.0で染色した。固定化されたウェル
を0.5 ml Alcianブルー溶液、pH 1. 0で30分間染色し、次いで、
ウェルから取り出した。ウェルを水道水または蒸留水で7回濯ぐことによって、非結合染
色物を取り出した。培養物は、グリセリンゼリー化で保存した。
gma, St. Louis, MO)。
パク質を取り込む能力によって内皮細胞を同定した。抗生物質を補充したDulbecc
oの最小必須培地(高グルコース)(GIBCO)で細胞を5回洗浄した。細胞を、1m
lあたり10μgの1,1’−ジオクタデシル−3,3,3’,3’−テトラメチル−イ
ンドカルボシアニン過塩素酸(DiI−Acyl−LDL) (Biomedical
Technology, Stoughton, MA)と共に37℃で4時間インキュ
ベートした。次いで、ウェルをEMEM+10%ウマ血清で6回洗浄し、蛍光付着を有す
るNikon Diaphot上で観察した。
筋細胞を同定した。
3T3細胞をATCCより入手し、解凍し、培養したところ、ほとんどが正常または3
角形形態を有した。約1週間〜10日間の培養で密集状態に達した。細胞を凍結し、融解
し、記載のように反復した。デキサメタゾンを伴わない対照培養物は、培養期間中を通し
て、継続して均一な星状形態を示した(図17A)。
ついて試験するために、デキサメタゾンを非特異的誘導剤として使用した(Grig.,
aubin, Heersche)。デキサメタゾン処理の2週間後に出現した1つの
表現型は、位相差で収縮性であった丸型小滴を有する細胞を含有した(図17B)。これ
らの細胞をSudanブラックBで染色したところ(図17C)、脂肪細胞と同定された
。これらの脂肪細胞のほとんどは、10−8〜10−6デキサメタゾン濃度で出現した。
細長い細胞が出現した(図18A)。これらの細胞は培養物中で自発的に収縮し、支質ミ
オシンに対するモノクローナル抗体で染色された(図18B)。従って、これらの細胞は
、筋管と同定された。
現した。これらの細胞は、1分間に約65拍動で、培地中で規則的に拍動した(表8)。
細胞を10−6Mのイソプロテノールで処理した場合、拍動数は1分間あたり85拍動ま
で増加した。イソプロテレノールは、心筋に対する陽性の変力および変時性効果を有する
強力な選択的βアドレナリン作用アゴニストである(GoodmanおよびGilman
、1996)。対照的に、プロプラノロールは心拍数を遅くするβアドレナリン作用アン
タゴニストである。細胞を10−6Mプロプラノロールで前処理し、次いで、イソプロテ
ノールに暴露した場合、細胞は拍動数を維持する。これらの基準、イソプロテノールに対
する陽性変時性反応およびプロプラノロールに対する陰性反応に基づいて、本発明者らは
、仮定的にこれらの細胞を心筋細胞と同定した。
縮性細胞外マトリックスを有する丸型細胞が出現した(図19AおよびB)。細胞外マト
リックスをAlcianブルー(pH 1.0)で染色した。これらの小節は軟骨と同定
された。2つの異なる形態が観察された。一方では、軟骨小節は不規則な境界を有し、こ
こで、該細胞は周辺星状細胞に結合していた(図19C)。他方は、背景の星状細胞とは
極めて明確に規定される境界を有する小節から成った(図19B)。
)。これらの細胞は、Von Kossa染色で染色された稠密な細胞外マトリックスを
形成した(図19)。EGTAで培養物を前処理した場合、Von Kossa染色によ
る染色が防止された(データ示さず)。石灰化マトリックスを作製する細胞の能力に基づ
き、これらの細胞は骨芽細胞と同定された。
これらの細胞は、10−7および10−6Mデキサメタゾン濃度で最も多く認められた。
これらの繊維は平滑筋αアクチンに対する抗体で染色された。従って、細胞は平滑筋細胞
と同定された(図20)。
0−6Mデキサメタゾン濃度で出現した。細胞はDil−Acyl LDLを細胞質小胞
に取り入れ、内皮細胞と同定された(図21)。
培養物における組織の増殖は、後にin vivoでの使用のための生物学的組織の開
発に転換することができる細胞生物学を理解するための非常に重要な有望性を有している
。一般にSwiss 3T3細胞は、文献上繊維芽細胞と呼ばれている(Eldarら、
1990;Linderら、1991)。しかし、3T3を、間葉幹細胞を単離するため
に開発されたプロトコールに従って培養した場合、3T3細胞は、デキサメタゾンで処理
するといくらかの中胚葉表現型に発生する。
縮性である丸型小滴を有する細胞を示した。これらの細胞をSudanブラックBで染色
したところ、脂肪細胞と同定された。14日目に、10−9〜108Mデキサメタゾンの
濃度で、培養中に自発的に収縮した細長い多核細胞が出現した。これらは、支質ミオシン
に対するモノクローナル抗体による染色に基づき、筋管と同定された。10−7〜10−
6Mデキサメタゾン濃度で、28日目に、培養物中で規則的に拍動する2核細胞が認めら
れた。これらの細胞は、選択的βアゴニストおよびアンタゴニストに暴露される場合、心
筋細胞として挙動する。培養35日目、10−9〜10−7Mデキサメタゾン濃度で、2
つの異なる形態で軟骨細胞が出現し、一方は不規則な境界を有し、他方は背景の星状細胞
から明確に規定される境界を有した。培養28日後、すべてのデキサメタゾン濃度におい
て、多角形細胞が出現した。石灰化マトリックスを作製する細胞の能力に基づき、これら
の細胞は骨芽細胞と同定された。デキサメタゾン処理の35日目、10−6Mデキサメタ
ゾン濃度で平行四辺形型細胞が観察された。これらの細胞は、平滑筋αアクチンに対する
抗体によるそれらの染色に基づき、平滑筋細胞と同定された。35日目、10−7Mデキ
サメタゾンの濃度で、Dil−Acyl−LDLを細胞質小胞に取り入れる細胞外マトリ
ックスを伴わない多角形細胞が内皮細胞と同定された。
の研究では、該細胞が他の表現型に分化することが示されている。マウス繊維芽間葉細胞
C3H10 T1/2(3T3のクローン)は、BMP 2および4による永久トランス
フェクション後に本来の繊維芽細胞の性質を消失した(Ahernsら、1993)。こ
れらの細胞は、骨芽細胞、軟骨芽細胞、および脂肪細胞に類似の3種の異なる表現型に分
化することが明らかにされた。TaylorおよびJones(TaylorおよびJo
nes、1979)は、5’−アザシチジン(5−AZA−CR)がマウス胚細胞株にお
いて生化学的に分化された機能的横紋筋、脂肪細胞および軟骨細胞の形成を誘導すること
を示した。1982年において、同グループは、初期S期中に細胞が処理されると、筋肉
および脂肪細胞表現型は最大であることを示した(TaylorおよびJones、19
82)。
ある。本研究における3T3細胞は、125形態または625細胞倍加でATCCより入
手した。これは、決定化された細胞の50細胞倍加のHayflick限界を超えている
(Hayflick, 1965)。研究中に、本発明者らは、少なくとも5を超える細
胞倍加を観察した。対照研究では、3T3細胞が静止状態であり、刺激を受けるまで未分
化であることが明らかにされている。
TGFBの効果について検討した。彼らは、TGFBが3T3細胞の脂肪細胞への分化の
特異的阻害剤であることを認めた。しかし、増殖は影響を受けなかった。従って、分化し
た脂肪細胞表現型の発現前は、3T3幹細胞は、まず、細胞周期の異なる段階で増殖を停
止する。さらに、分化は、増殖停止を防止する高度の分裂促進剤によって非特異的に開始
することができる。幹細胞の分化に関するもう1つの研究(ScottおよびMaerc
klein 1984)では、低線量のUV照射は、成長因子の欠損または栄養欠損培養
条件における細胞増殖を調節する能力を変更することなく、前脂肪細胞の分化を安定かつ
選択的に阻害することが見出された。この効果は、発ガン阻害の初期の事象であり得る。
照射された細胞はまた、非照射細胞よりも形質転換しやすい。
しばしば、3T3細胞は、自発的に形質転換されることが主張されており、これは該細胞
の無制限増殖能の原因である。しかし、Scottらの研究では、UV照射への暴露にも
かかわらず細胞増殖が生じないことが示されている。
ンスフェクトされていない細胞は腫瘍を形成しない(Sparksら、1991)。従っ
て、3T3細胞にHayflick数を超える能力があるのは、それらが幹細胞であるの
がその理由である可能性がある。
derm))、結合組織ならびに血管および心臓の内皮(臓側板)、ならびに他の器官(
中間中胚葉)を生じる。本研究で観察される表現型は、背側中胚葉および臓側板から誘導
される。将来の研究では、中間中胚葉由来の表現型が注目されるであろう。
作用物質である。BMPは、アザシチジンの存在下で、C3HlOTl/2の脂肪細胞、
軟骨細胞および骨芽細胞への分化を誘導した(Ahernsら、1993)。関節細胞由
来の抽出物は、ラットの皮下にインプラントされる場合、軟骨および骨形成を誘導するこ
とが見出されている(Changら、1994)。これらの軟骨誘導性形態学的タンパク
質(CDMP)は、軟骨細胞の分化および長骨の成長に役割を果たしていると考えられる
。
り、3T3細胞は、分化の遺伝的段階を研究するための潜在的アッセイ系になる。
ヒト多能性幹細胞(老齢、回収後150細胞倍加でのPAL#3細胞株)を、10%H
Sおよび1%抗生物質/抗カビ剤を含有するOpti−MEM中1%ゼラチン化T−25
フラスコあたり75×103細胞で播種した。24時間後、培地を、(対照)同培地また
は(実験)造血サイトカイン:2.5 U/mlエリトロポイエチン、10 ng/ml
顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子、10 ng/ml顆粒球コロニー刺激因子、
10 ng/mlマクロファージコロニー刺激因子、50 ng/mlインターロイキン
−3、50 ng/mlインターロイキン−6、50 ng/ml幹細胞因子、および2
μg/mlインスリンを含有する同培地で置き換えた。培養物は、それぞれの培地におい
て2週間ごとに給餌した。対照と比較して、3週間の実験処理により、ノーザンRNA/
cDNA分析により示されるように、GM−CSFレポーターの発現が誘導された。
56およびMHCクラスIを提示する
毎年数百万人の人が組織の消失または終段階の器官不全を患う。同種療法は数えきれな
いほどの生命を救い、改善するが、それらは完全に解決しているわけではない。これらの
療法は、深刻なドナーの不足、長期罹患率、および死亡率によって制限される。広範な移
植、先天異常、選択術、および遺伝子異常は、HLAが一致したドナー組織の供給源とし
て、自己由来の幹細胞による治療の能力を有する。本発明者らの現在の調査は、ヒト始原
および多能性間葉幹細胞における細胞表面クラスター分化(CD)マーカーを特徴付けて
、これらの細胞の比較的精製された集団の単離に役立てることをることを目的としている
。本研究では、15 CDマーカーが存在するか能性について、胎児、成熟、および老齢
個体から単離されたヒト多能性および始原細胞を試験した。インスリンおよびデキサメタ
ゾンに対する応答は、細胞単離物が分化決定された始原細胞および分化未決定の多能性細
胞から成ることを示した。フローサイトメトリーは、CD10、CD13、CD56、お
よびMHCクラスIマーカーに対して陽性ならびにCD3、CD5、CD7、CD11b
、CD14、CD15、CD16、CD19、CD25、CD45、およびCD65マー
カーに対して陰性である細胞集団を示した。ノーザン分析は、細胞回収時のCD13およ
びCD56が有効に転写されたことを示す。本発明者らは、まず、これらのヒト間葉幹細
胞上のCD10、CD13、CD56、およびMHCクラスI表面抗原の同定について報
告する。
されている。これらの細胞は、個体の生涯を通して、組織の継続的な維持および修復を提
供している。これらの細胞の例としては、筋肉の単能性始原筋付随体幹細胞(Mauro
、1961;Campion、1984;Groundsら、1992);脂肪組織の単
能性脂肪芽細胞(Aihaudら、1992);それぞれ軟骨膜および骨膜の単能性軟骨
形成および骨形成幹細胞(Cruess、1982;Youngら、1995);脂肪組
織の二能性脂肪繊維芽細胞(Vierckら、1996);骨髄の軟骨形成/骨形成幹細
胞(Owen、1988;Beresford、1989; Caplanら、1997
);ならびに骨髄および末梢血の多能性造血幹細胞(PalisおよびSegel、19
98;McGuire、1998;Ratajczakら、1998)が挙げられる。
rsら、1995)は、間葉幹細胞が2つの特有に異なるカテゴリーの細胞:様々な系統
に決定された始原細胞(上記を参照されたい)、および何ら特定の系統に決定されていな
い多能性細胞から成ることを示している。さらなる分析(Youngら、1993,19
95)は、多能性系統特異的始原細胞および多能性細胞は、様々な組織の結合組織画分に
も存在することを示した。例えば、骨格筋の結合組織は、筋付随体細胞(骨格筋の前駆細
胞)および繊維芽細胞(結合組織の前駆細胞)だけではなく、脂肪芽細胞(脂肪の前駆細
胞)、軟骨形成始原細胞(軟骨の前駆細胞)、骨形成細胞(骨の前駆細胞)、および分化
未決定の多能性幹細胞を含有する。
に順応し、プログラム化された細胞老化および死が生じる前に50〜70細胞倍加に制限
された寿命を有する。始原細胞は、それらが決定されている系統に制限された細胞型に分
化する(上記を参照されたい)。対照的に、多能性幹細胞は、該細胞が分化未決定を保持
する限り、Hayflick限界を超えて広範な自己再生のための能力を有する多能性幹
細胞は、胚性中胚葉株内の任意の組織系統に決定することができる。
一旦、特定の系統に決定されれば、これらの細胞は始原細胞のすべての帰属物であるとみ
なされる。
/または遺伝子療法に価値があり得ることを提唱する。実際、Grandeら(1995
)は、ウサギ全層軟骨欠損モデルにおいてウサギ多能性細胞を使用した。関節軟骨の再表
面化(resurfacing)ならびに隣接する肋軟骨下骨および海面質(trabe
cular bone)の再構築において劇的な結果が報告された。
原および多能性細胞を、限界連続希釈クローン可能分析(18〜24箇月)またはHay
flick限界超増殖(5〜9箇月)によって始原細胞および多能性細胞を単離および区
別するためには、長期間が必要である。これらの細胞が臨床施設で有用であるためには、
単離の容易性および分化決定の誘導を改善しなければ成らない。しかし、本発明者らの現
在の調査は、単離および区別に必要な時間を短縮するために、ヒト始原および多能性細胞
のヒト表面抗原を特徴付けることを目的としている。
、細胞表面クラスター分化(CD)に対する抗体が使用されている。現在までに、造血細
胞系統の「特徴を識別する」ために、180を超えるCDマーカーが使用されている(K
ishimotoら、1997)。本文献において報告された実験は、胎児、成体、およ
び老齢ドナーから単離されたヒト雄性ならびに雌性始原および多能性幹細胞上の15種の
細胞表面CDマーカーを特徴付けることに関与した。本発明者らは、まず、ヒト始原およ
び多能性間葉幹細胞上のCD10、CD13、CD56、およびMHCクラスI表面抗原
の同定について報告する。CD3、CD7、CDllb、CD14、CD15、CD16
、CD19、CD25、CD45、およびCD65抗原については陰性の結果が得られた
。細胞からRNAを抽出し、電気泳動し、ノーザン分析を使用して、CD10、CD13
およびCD56に対する32P−標識cDNAをプローブとして検出した。細胞回収時の
CD13およびCD56が有効に転写されていた。
(材料および方法は、以下に記載のものは例外として、上記の実施例1に記載のとおり
である。)
成体(雌性)、胎児(雄性および雌性)、および老齢(雄性および雌性)の5種のヒト
細胞集団を、本研究に使用した。成体雌性細胞を、25歳ヒト皮膚繊維芽細胞[NHDF
, catalog # CC−0252, lot # 6F0600, Clone
tics, San Diego, CA]のサブ密集培養物として購入した。胎児雄性
細胞を、大腿筋から誘導した22歳胎児骨格筋細胞[CM−SkM, catalog
# CC−0231, lot #6F0604, Clonetics]のサブ密集培
養物として購入した。胎児雌性細胞を、三頭筋から誘導した25週齢胎児骨格筋細胞[C
F−SkM, catalog # CC−2561, lot # 14722, C
lonetics]のサブ密集培養物として購入した。到着時に、細胞を平板培地−A(
PM−A)に移した。PM−Aは、Earle塩、10%(v/v)予め選択されたウマ
血清[ロット番号 17F−0218 (HS7) or 49F−0082 (HS4
), Sigma Chemical Co., St. Louis, MO]、およ
び1%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン[10,000単位/mlペニシリン
および10,000 mg/mlストレプトマイシン、GIBCO]を有する89%(v
/v)Eagle最小必須培地[EMEM, GIBCO BRL, Grand Is
land, NY]、pH 7.4から成った。細胞を37℃で95%空気/5%CO2
湿潤環境でインキュベートした。増殖後、0.0744%(w/v)エチレンジアミンテ
トラ酢酸[EDTA、Sigma]を含有するCa+2、Mg+2を含まないDulbe
ccoのリン酸緩衝化生理食塩水[GIBCO]中0.05%(w/v)トリプシン[D
IFCO, Detroit, MI]で細胞を遊離させ、100×gで20分間、遠心
分離し、上清をアスピレーターで吸引した。細胞ペレットをPM−Aに再懸濁し、細胞懸
濁物を、7.5%(v/v)ジメチルスルホキシド[DMSO, Morton Thi
okol, Danvers, MA]を含有するPM−A中で−70〜80℃で緩徐に
凍結保存した(Youngら、1991)。
、1995)に従って、67歳雄性患者および77歳雌性患者から得た骨格筋の標本から
老齢細胞を単離した。雄性細胞を「PAL#3」と呼び、雌性細胞を「PAL#2」と呼
んだ。簡単に説明すると、コラゲナーゼ[CLS−1, Worthington Bi
ochemical Corp., Freehold, NJ]およびディスパーゼ[
catalog #40235,Collaborative Research In
c., Bedford, MA]で骨格筋の結合組織画分から細胞を遊離させた。90
mmおよび20 mm Nitex [Tetco Inc., Elmsford,
NY]を介する.連続ろ過によって、単一の細胞懸濁液を得た。細胞を105細胞/1
%(w/v)ゼラチン被覆[EM Sciences, Gibbstown, NJ]
T−75フラスコ[Falcon, Becton−Dickinson Labwa
re, Franklin Lakes, NJ]でPM−Aに播種し、凍結保存前に増
殖および分化させた。細胞を37℃で95%空気/5%CO2湿潤環境でインキュベート
した。増殖後、トリプシンで細胞を遊離させ、上記のように篩い分けして分化した表現型
(即ち、多核筋管、脂肪細胞コロニー、軟骨小節、骨小節)から単核細胞を区別し、7.
5%(v/v)DMSOを含有するPM−A中、−70〜−80℃で凍結保存した。上記
で該述した手順を使用して、それぞれの以後の工程では、幹細胞調製物から98%を超え
る混入繊維芽細胞および分化した表現型を除去する(Youngら、1991)。
よび凍結保存工程によって、始原および多能性細胞をさらに精製した。PM−Bは、0.
01 mM Wβ−メルカプトエタノール[Sigma]、10%(v/v)ウマ血清[
HS3, ロット番号3M0338, BioWhittaker, Walkersv
ille, MD]、および1%(v/v)抗生物質−抗カビ剤溶液[GIBCO]を含
有する89%(v/v) Opti−MEMに基づく培地[catalog #2260
0−050, GIBCO]から成った。次いで、細胞を30倍加まで増殖させ、トリプ
シンで遊離させ、インスリン/デキサメタゾン分析、フローサイトメトリーおよび分子分
析のためにアリコートに分けた。
CM−SkM、CF−SkM、NHDF、PAL#3、およびPAL#2細胞のアリコ
ートを融解し、PM−Bを利用する1%ゼラチン被覆24ウェルの平板[Corning
, Corning, NY]中ウェルあたり10,000細胞で個別に平板固定した。
24時間後、PM−Bを取り出し、対照培地、インシュリン試験培地、またはデキサメタ
ゾン試験培地のいずれかと置き換えた。対照培地は、0.01 mMβメルカプトエタノ
ール、1%(v/v) HS3、および1%(v/v)抗生物質−抗カビ剤溶液を含有す
る98%(v/v) Opti−MEMから成った。インスリン試験培地は、2μg/m
lインスリン[Sigma]を含有する対照培地から成った。デキサメタゾン試験培地は
、98%Opti−MEM、0.01 mMβメルカプトエタノール、1%血清[HS3
, HS9 (ウマ血清、ロット番号 90H−0701, Sigma)またはFBS
(ウシ胎児血清、ロット番号 3000L, Atlanta Biological
s, Norcross, GA)]、および1%(v/v)抗生物質−抗カビ剤溶液か
ら成った。この溶液では、デキサメタゾン[Sigma]を10−10、10−9、10
−8、10−7Mとした(Youngら、1995;Young、1999;Young
ら、1998)。6週間の間に、培地を1週間あたり3回交換した。表現型の変化につい
て1週間あたり2回培地を観察し、写真撮影した。
織細胞型は、インスリンまたはデキサメタゾンと共にインキュベートされたトリおよびマ
ウス間葉幹細胞において先に認められ、組織化学的および免疫科学的手順によって広範に
分析された(Youngら、1995;Rogersら、1995;Youngら、19
93;Young、1999;Youngら、1998)細胞型と同一であった。1週間
目に細長い多核構造が出現し、筋原構造を同定した(図22A)。2週間目には、脂肪生
成細胞を多数の細胞な収縮性小胞を含有する多核細胞と同定した(図22B)。 4週間
目には、軟骨形成細胞を丸型細胞の凝集物として(シート状または離散した小節として)
同定した(図22C)。6週目に、骨形成細胞を、細胞凝集物の重層する3次元の細胞外
マトリックスとして同定した(図22D)。
CM−SkM、CF−SkM、NHDF、PAL#3、およびPAL#2細胞のアリコ
ートを融解し、105細胞/1%ゼラチン被覆T−75フラスコでPM−Bに播種し、3
7℃で95%空気/5%CO2湿潤環境で増殖させた。増殖後、トリプシンで細胞を遊離
させ、PM−Bに再懸濁した。次いで、細胞を遠心分離し、1×106細胞/mlの濃度
で洗浄緩衝液に再懸諾した。洗浄緩衝液は、1%(w/v)FBSおよび1%(w/v)
アジ化ナトリウム、NaN3 [Sigma]を補充したリン酸緩衝液から成った。トリ
パンブルー[GIBCO]染料除外技術(Yongら、1993;Yongら、1991
)により細胞生存度は>95%であった。100マイクロリットルの細胞調製物(1×1
05細胞)を、飽和濃度のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリ
トリン(PE)、またはペルジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)結合CD3、
CD5、CD7、CD10、CD11b、CD13、CD14、CD15、CD16、C
D19、CD25、CD45、CD56、CD65、MHCクラスIまたはイソタイプ一
致対照[Becton−Dickinson, Inc., San Jose, CA
]で染色した。簡単に説明すると、細胞を暗所で30分間、4℃でインキュベートした。
インキュベーション後、細胞を洗浄緩衝液で3回洗浄し、フローサイトメトリー上での分
析のために0.5 mlの洗浄緩衝液に再懸濁した。FACScan(商標)(Bect
on−Dickinson)上でフローサイトメトリーを実施した。光散乱によって細胞
を同定した。10,000ゲート制御事象における蛍光の対数を評価した(4十進計、1
024チャンネルスケール)。LYSYS II(商標)ソフトウェア(Becton−
Dickinson)を使用して分析を実施し、適切なイソタイプ対照と比較してそれぞ
れの抗原の有無を決定した。蛍光がイソタイプ対照よりも25%を超えて大きい場合は抗
原事象をゲート制御した。5種の間葉幹細胞株から得られたプールされたフローサイトメ
トリーデータについて、統計解析を実施した。従って、それぞれのCDマーカーに対して
5種のサンプルサイズを使用した。10,000ゲート制御事象あたりの細胞の絶対数を
表10に示す。平均値が1000細胞を超えたら任意のCDマーカーについて陽性とみな
した。
CM−SkM、NHDF、およびPAL#3細胞のアリコートを融解し、105細胞/
1%ゼラチン被覆T−75フラスコでPM−Bに播種し、37℃で95%空気/5%CO
2湿潤環境で増殖させた。培養後、細胞をトリプシンで遊離させ、凍結保存した。得られ
た上清をアスピレーターで吸引し、細胞ペレットを凍結し、−80℃で保存した。細胞ペ
レットを氷上で融解し、製造者の取扱説明書に従い、Qiagen QIAシュレッダー
[catalog #79654, Qiagen, Chatsworth, CA
]およびRNeasy総RNAキット[catalog #74104, Qiagen
]を使用して、総RNAをCF−SkM、NHDF、およびPAL#3細胞から抽出した
。. CD10、CD13、CD56およびβアクチン(それぞれI. M. A. G
. E. Consortium Clone ID : 701606、713961
、468885、および586736、Research Genetics, Hun
tsville, Al)のI. M. A. G. E. Consortium (
LLNL) cDNAクローン(Lennonら、1996)を得た。制限消化によって
、プラスミドからcDNA挿入物を切り出し、標準的な手順(Sambrookら、19
89)に従ってアガロースゲル電気泳動により分離した。製造者の取扱説明書に従い、Q
iaex IIゲル抽出キット[catalog #20021, Qiagen]を使
用して、cDNAのバンドを使用した。Prime−Itランダムプライマー標識キット
Kit[catalog #300385, Stratagene, La Joll
a, CA]を使用して、3,000 Ci/mMα[32P]−dCTP[catal
og number AA0005, Amersham, Arlington He
ights, IL]の取り込みによりcDNAを標識した。
#F79−500、およびアガロース、catalog #BP164−100, Fi
sher, Norcross, GA]を介して総RNA(30μg/レーン/細胞株
)を電気泳動し、標準的な手順(Sambrookら、1989)に従ってナイロン膜[
catalog #NJ0HYB0010 Magnagraph, Fisher]に
移した。ローラーボトルにおいて、68℃で1晩、QuikHybハイブリダイゼーショ
ン溶液[catalog
#201220, Stratagene]中でハイブリダイゼーションを行った。洗浄
は製造者の取扱説明書に従って行った。増感スクリーンを使用して、−70℃〜−80℃
でオートラジオグラフィー[Fuji film, catalog #04−441−
95, Fisher]を行った。
細胞の同定
分析にインスリンおよびデキサメタゾンを使用して、ヒト胎児、成熟、および老齢細胞
集団内に存在する細胞の正体を試験した。5種すべてのヒト細胞集団において、骨格筋筋
管、脂肪細胞、軟骨小節、および骨小節に一致する形態学がインスリンまたはデキサメタ
ゾンによる処理で生成された。しかし、インスリンよりもデキサメタゾンの方が、誘導さ
れる形態の百分率が高かった(表9、図22A〜D)。データは、始原細胞(インスリン
により加速された形態)および多能性細胞(デキサメタゾンにより加速された形態)の両
方が25歳雌性表皮、22週齢胎児雄性および25週齢胎児雌性(生前)骨格筋結合組織
、ならびに67歳雄性および77歳雌性骨格筋結合組織に存在することを示唆する。
ヒト始原細胞および多能性細胞によって発現される細胞表面抗原については不明である
ため、本発明者らは、フローサイトメトリーと組み合わせた免疫化学によりCD3、CD
5、CD7、CD10、CD11b、CD13、CD14、CD15、CD16、CD1
9、CD25、CD45、CD56、CD65、およびMHCクラスIの存在について5
種の細胞集団を分析した。この強力な技術により、本発明者らは多量の細胞を比較的迅速
かつ容易に試験することができた。試験したすべてのヒト細胞集団は、CD10、CD1
3、CD56、およびMHCクラスIの細胞表面発現について陽性であり、CD3、CD
5、CD7、CD11b、CD14、CD15、CD16、CD19、CD25、CD4
5、およびCD65については陰性であった(表10、図23および24)。データは、
CD10(中性脂肪)、CD13(アミノペプチダーゼ)、CD56(神経細胞接着分子
、140kDaイソ型)、ならびに胎児(雄および雌)、成体(雌)、および老齢(雄お
よび雌)年齢におけるこれらのヒト細胞の細胞表面に位置する腫瘍組織適合性クラスI抗
原を示した。
CD10(中性脂肪)、CD13(アミノペプチダーゼ)、およびCD56(神経細胞
接着分子、140kDaイソ型)が回収時の細胞によって転写されるかどうかを決定する
ために、CF−SkM、NHDF、およびPAL#3サンプル由来の総RNAを、ヒトC
D10、CD13、およびCD5632P標識cDNAをプローブとして使用するノーザ
ンブロット技術によって分析した。細胞回収時のCDマーカーの転写において様々なパタ
ーンが観察された(表10、図28)。3種のすべての細胞株においてCD56−mRN
Aへの強力なcDNA結合が観察され、3種のすべての細胞株において神経細胞接着分子
イソ型の有効な転写が示唆された。CD13−mRNAへのcDNAは弱い(CF−Sk
M)、強い(NHDF)、または存在しない(PAL#3)かのいずれかであり、異なる
細胞株内のアミノペプチダーゼの転写にばらつきがあることが示唆された。CD 10
mRNAへのcDNA結合は、試験した3種のいずれの細胞株においても認められなかっ
た。この所見は、2つの可能性を示唆している:CD10のmRNAは、細胞回収時に転
写されなかったか、またはCD10のmRNAの量がアッセイの検出限界未満であったか
のいずれかである。
毎年数百万人の人々が組織の消失または終段階の器官不全を患う(Langerおよび
Vacanti、1993)。これらの患者のための米国の国民医療費の合計は、1年あ
たり4千億ドルを超えている。現在、米国では、これらの障害を治療するために年間8百
万を超える外科手順が実施されており、4千万〜9千万の病院日数が必要である。これら
の外科手順は数えきれないほどの生命を救い、改善するが、それらは完全に解決している
わけではない。組織移植および外科的介入などの選択肢は深刻なドナー不足および長期の
病的状態、および死亡のために厳しく制限されている。ドナー不足は毎年悪化し、必要な
臓器の待機リストに掲載されながら死亡する患者の数が増加している。広範な移植、先天
異常、選択術、疾患、および遺伝子異常は、ドナー組織の供給源として、自己由来の幹細
胞単独または他の薬剤との組み合わせでの治療の能力を有する。好ましい治療は、組織消
失の治療であり、ここで、目的は移植に利用可能な細胞数を増加し、それによって失われ
た組織を置換するかまたはex vivo遺伝子療法のための十分な細胞数を提供するこ
とである。自己由来の細胞を使用すれば、同一のHLA一致が得られ、同種異系移植およ
び免疫抑制治療に伴う病態および死亡が妨げられるはずである。
sら、1993;Lucasら、1995;Pate etら、1993;Rogers
ら、1995;Warejckaら、1996)を含む多くの動物種の結合組織マトリッ
クス内に位置する中胚葉幹細胞の存在が明らかにされている。これらの細胞には2つのカ
テゴリーが存在することが、連続制限希釈クローン可能分析によって明らかにされている
(Youngら、1993,1986;Rogersら、1995);Young、19
99)。分化決定された始原細胞は、(筋原、繊維形成、脂肪生成、軟骨形成または骨形
成系統などの単一の系統の組織を形成する)単能性、(軟骨−骨形成または脂肪繊維系統
などの2つの系統の組織を形成する)二能性、または(造血系統などの同じ系統内で多数
の組織もしくは細胞を形成する)多能性のいずれかである。分化決定された始原細胞は自
己複製が可能であるが、プログラムされた細胞の老化が生じる前に約50〜70細胞倍加
までの制限された寿命を有する。始原細胞の個々のクローンは、個別の系統の子孫(例え
ば、筋原、繊維形成、脂肪生成、軟骨形成、および骨形成)を生じることによって、系統
制限を示す。始原細胞の1つの独特な特徴は、インスリン、インスリン様成長因子−I(
IGF−I)、またはインスリン様成長因子−II(IGF−II)などの発達因子で処
理することによってそれらの表現型発現を加速することができることである(Young
、1999;Youngら、1998b)。対照的に、多能性細胞は広範な自己再生が可
能であり、単一の細胞から様々な分化決定された始原細胞を作製する能力を有する。例え
ば、生後多能性マウスクローンは、長期間のデキサメタゾン処理によって、690を超え
る細胞倍加後に骨格筋、脂肪、軟骨、および骨の特徴を有する形態学的かつ表現型発現を
示す分化決定された始原細胞を形成するように誘導される(Youngら、1998b)
。デキサメタゾン、骨形態形成タンパク質(BMP)、筋形態形成タンパク質(MMP)
などの分化誘導因子で分化決定を誘導する必要がある(Young、1999;Youn
gら、1998a)。インスリン、IGF−I、またはIGF−IIなどの発達因子は、
多能性細胞に影響を及ぼさない(Young、1999)。一旦、PPMSCが特定の組
織系統に決定される(即ち、分化決定された始原細胞になる)と、理論的に、それらの複
製能は、プログラムされた細胞老化が生じる前の約50〜70細胞倍加に制限される。こ
れらの新たに作製された始原幹細胞は、(血小板誘導性成長因子などの増幅因子の影響下
で)最大で50〜70細胞倍加で増幅することができる。それらはまた、(発達因子の影
響下で)個別の中胚葉株に沿ってさらに分化することもできる(Rogersら、199
5;Youngら、1993, 1998a, 1998b)。
ー組織の供給が不足している様々な移植および/または遺伝子療法において重要な価値が
あり得ることを提唱する。実際に、哺乳動物多能性細胞を単離するための本発明者らのプ
ロトコール(Lucasら、1995;Pateら、1993)を利用して、Grand
eら(Grandeら、(1995))は関節軟骨ならびにラットの全層関節軟骨欠損の
治療における肋軟骨下骨および海面質(trabecular bone)の再構築にお
いて劇的な結果を示している。
処理され、患者の身体に再導入される多くの臨床状況で使用されるべきこれらの細胞にし
ては相対的に短い。哺乳動物多能性細胞の単離は、代替的方法によって達成することがで
きる。多能性細胞は、先に記載(Youngら、1991;Youngら、1995;L
ucasら、1995)のように7.5%(v/V) DMSOを含有する培地における
−70〜−80℃での冷凍保存の手段によって得ることができる。あるいは、精製された
多能性細胞集団は、Hayflick限界(50〜70細胞倍加)(Hayflick、
1965)を超えた1次回収物から単離された細胞を発達させることによって、得ること
ができる。この手順は5〜9箇月を要する。さらなる手順は、連続希釈クローン可能分析
によって多能性および始原細胞の個々のクローンを単離することである。この手順は18
〜24箇月を要する。本発明者らは、これらの細胞を単離するための時間を最小限にした
いと考えている。本発明者らの現在の調査の1つの態様は、ヒト始原および多能性細胞上
の細胞表面抗原を特徴付けすることを目的とする。この知識は、より高度に精製されたこ
れらの細胞集団を単離するのに必要な時間および操作を減少することを意図する。
0)、アミノペプチダーゼ(CD13)、神経細胞接着分子、140 kDa、イソ型(
CD56)、およびMHCクラスIの細胞表面局在化を実証するための最初の研究である
。本発明者らは、これらの細胞表面CD抗体は、最初の細胞回収物からより精製されたヒ
トの細胞集団を単離するための最初の工程として、フローサイトメトリーおよび蛍光標示
式細胞分取または磁気ビーズ技術と共同で使用することができることを示唆する。これら
の自家細胞で富化された集団で開始することは、培養時間ならびに様々な移植および/ま
たは遺伝子治療のための適切な数の始原および多能性細胞を得るために必要な費用を有意
に減少する。
本研究において利用されるヒト胎児、成体、および老齢細胞によって発現される特定の
細胞表面部分CD10、CD13、CD56、およびMHCクラスIの機能的重要性につ
いては、現在のところまだ不明である。しかし、CD10、CD13、およびCD56は
、造血系内の分化された細胞および早期幹細胞の両方において発現されることは既知であ
る(Kishimotoら、1997)。細胞表面中性エンドペプチダーゼ(CD10)
は、汎急性リンパ性白血病(CALLA)細胞、早期リンパ球始原細胞、成熟顆粒球、お
よび好中球を同定する方法としてクラスター分化(CD)マーカーに対する抗体およびフ
ローサイトメトリーと共に利用されている(Kishimotoら、1997)。この膜
関連亜鉛金属ペプチダーゼは、エンケファリン、化学走性ペプチド、サブスタンスP、ニ
ューロテンシン、オキシトシン、ブラジキニン、ならびにアンジオテンシンIおよびII
を含む広範な調節ペプチドホルモンを不活化することが明らかにされている(Shipp
ら、1989;Shippら、1991a;Llorens−Cortesら、1992
;Casaleら、1994)。
期決定された始原細胞を同定するためにフローサイトメトリーと共に利用されている。こ
れらの系統のすべての細胞は成熟しているので、CD13は、それらによって発現される
(Kishimotoら、1997)。CD13はまた大きな顆粒リンパ球の小部分上で
発現されるが、他のリンパ球では発現されない(Kishimotoら、1997)。C
D13は、アミノペプチダーゼN(EC 3.4.11.2)、膜結合性亜鉛結合金属プ
ロテアーゼに構造上同一である(Lookら、1989;Larsenら、1996)。
この酵素は、多様な細胞型によって産生される調節ペプチドからのNH2末端アミノ酸の
除去を触媒する(Larsenら、1996;Weberら、1996)。
ミノペプチダーゼ(CD13)の1つの可能な機能は、それらが、好ましくはオートクリ
ン、パラクリン、および/またはエンドクリン調節ペプチド(例えば、分化決定作用物質
、発達因子、および増殖作用物質)を分解することによって、分化過程を調節する役割を
し得ることである。Youngら(Youngら、1998a)は、様々なパラクリンお
よびエンドクリン調節ペプチドが増殖、分化決定、および始原および多能性幹細胞におけ
る系統発達を変更する能力を実証した。. これらの化合物は、増殖(血小板誘導性成長
因子−AAおよび−BB)、系統誘導(デキサメタゾン、BMPおよびMMP)、ならび
に発達(インスリン、IGF−IおよびIGF−II)に影響する化合物を含んだ。それ
らの研究は、分化は、分化未決定の多能性幹細胞から分化決定された始原幹細胞へ促進す
るため、幹細胞が特定の調節ペプチドに応答する能力がより厳密に制御されることを示唆
した。
ラー(NK)細胞および(CD4+/CD8+)T細胞を同定するための始原型マーカー
としてフローサイトメトリーと共に利用されている(Kishimoto ら、., 1
997)。その機能は、造血細胞によっては納得できるほどには明らかにされていないが
、C2−set Ig領域ならびに細胞外ドメイン内のフィブロネクチン領域のために、
NKおよびT細胞へのホモフィリックな接着に関与することが示唆されている(Lani
erら、1989;Lanierら、1991)。NCAMによる非造血組織、ホモフィ
リックおよびヘテロフィリックな接着について、細胞−細胞間および細胞−マトリックス
間の相互作用の両方を調節することが提唱されている。このことは、一部、細胞外マトリ
ックス(細胞の接着および移動に重要なエレメントである)に関連するI型コラーゲンと
相互作用する能力に原因があり得る(Meyerら、1995)。NCAMは、早期胚細
胞に出現し、細胞集合体および形態形成部位の境界の形成に重要である(Rutisha
user、1992)。発生の後半では、様々な分化組織においてNCAMが認められる
。
3;Young、1999)で、間葉幹細胞が、骨格筋、心筋、平滑筋、および骨(骨芽
細胞)などの中胚葉由来の組織を形成する能力が明らかにされた。これらの特定の分化さ
れた細胞型は、分化を生じる細胞−細胞間および細胞−マトリックス間相互作用のために
NCAMを利用することを明らかにしている(Knudsenら、1990;Peckお
よびWalsh、1993;Byeonら、1994;Lyonsら、1992;Rom
anskaら、1996;LeeおよびChuong、1992)。CD56を示してい
る5種の細胞株内の間葉幹細胞の百分率が特に興味深い(表10)。CD56を示す細胞
数の差異は、暦年齢または回収時の細胞の機能能力を反映し得る。また、各細胞株におけ
るCD56を示す細胞の百分率は、それぞれの集団内の始原対多能性幹細胞の絶対数を反
映し得る。細胞表面NCAMは、正常な胚発達中に、それぞれの組織系統経路に沿った間
葉幹細胞のさらなる分化のための調製に必要な細胞−細胞間および細胞−マトリックス間
相互作用を調節するように機能する。それはまた、成体においても同様の機能を有する。
存在し、身体内のほとんどすべての有核細胞上で発現されることが示されている(Ben
jaminiら、1996)。MHCクラスI分子は、抗原のプロセシングおよび提示の
現象に中心的な役割を果たし(Benjaminiら、1996;Abbasら、199
7)、それらはまた、自己および非自己を区別する免疫応答の機序を理解するために広範
に研究されている。間葉幹細胞は、組織工学のための細胞の供給源として、移植のための
ドナーまたは遺伝子治療のための送達ビヒクルのいずれかとして提唱されている(You
ngら、1998a, b)。示されているように(表10)、胎児、成体、および老齢
個体から単離された幹細胞の集団内の80%を超える細胞は、MHCクラスI抗原を発現
する。このことは、それらの特定のクラスI抗原発現細胞が、MHCミスマッチ免疫応答
性個体において外来として認識されるため、従って、それらは自己または同系移植にのみ
使用すべきであることを示す。対照的に、約5%の胎児性および成体幹細胞ならびに15
%の老齢幹細胞がMHCクラスI抗原を発現しないことが認められている。このようにM
HCクラスI抗原発現が明らかに減少するのは、細胞表面クラスI抗原の量が、利用され
る免疫組織学的/フローサイトメトリー手順による検出限界を下回ること、または幹細胞
の特定の部分集合由来のこれらの分子がまったく存在しないことによるようである。この
所見の重要性についてはこの時点では知られていない。これらの幹細胞上の細胞表面クラ
スI分子の有無は、特定の細胞の「分化」状態、即ち、MHCクラスI抗原を示すより分
化した(始原)幹細胞およびこれらの特定の細胞表面抗原を発現しないより原始的な(多
能性)幹細胞を表し得る。あるいは、特定の幹細胞の「分化」状態は、細胞表面上のMH
CクラスI抗原の発現に関係し得ない。この例では、免疫系から本質的に隠れているMH
CクラスI抗原を有さない幹細胞の部分集合が存在し得、従って、普遍的組織移植物の候
補であり得る。そのような特定の部分集合の細胞は、同系異種移植手順に有用であり得る
。この領域は、現在研究中である。
上記の4種の陽性染色細胞表面抗原とは対照的に、以下の11種の抗原は、胎児、成体
、および老齢ヒト間葉幹細胞の細胞表面上には存在しないことが認められた。これらのマ
ーカーは、CD3、CD5、CD7、CD11b、CD14、CD15、CD 16、C
D 19、CD25、CD45、およびCD65であった。.この所見の重要性について
はこの時点では知られていない。しかし、これらの特定の細胞表面抗原は、造血系(Ki
shimotoら、1997)、即ち、T細胞(CD3、CD5、CD7、CD11b、
CD25、CD45)、B細胞(CD5、CD11b、CD19、CD25、CD45)
、胸腺細胞(CD7)、顆粒球(CD11b、CD14、CD15、CD16、CD45
、CD65)、単球(CD11b、CD14、CD16、CD25、CD45)、濾胞樹
状細胞(CD 19)、および成熟赤血球(CD45)にのみ存在するとされている。
、アミノペプチダーゼ(CD13)、神経細胞接着分子イソ型(CD56)、およびMH
CクラスIの細胞表面局在化を実証するための最初の研究である。それ自体で、本発明者
らは、これらの細胞表面CDマーカーは、最初の細胞回収物由来のヒト始原および多能性
細胞のより精製された団を単離するための最初の工程として、フローサイトメトリー、蛍
光標示式細胞分取、磁気ビーズ分離、または抗体精製カラムと共同で使用することができ
ることを示唆する。これらの中胚葉細胞で富化された集団で開始することは、培養時間お
よび供給費用の両方を有意に減少し、様々な移植および/または遺伝子治療に必要な始原
および多能性細胞の収量を改善する。
ここでは、ヒト間葉幹細胞上の13種の細胞表面クラスター分化マーカーのプロフィー
ルについて詳細に報告する。間葉幹細胞の単離、冷凍保存、および発達のための以下の標
準的なプロトコールに従い、胎児、および老齢個体から細胞を単離した。それぞれの個体
由来の間葉幹細胞集団は、始原および多能性幹細胞の両方から成った。30細胞倍加での
間葉幹細胞の結果は、CD34およびCD90については陽性染色、ならびにCD3、C
D4、CD8、CD11c、CD33、CD36、CD38、CD45、CD117、グ
リコホリンA、およびHLA−II(DR)については陰性染色を示した。各細胞株から
RNAを抽出し、電気泳動し、ノーザン分析を使用して、CD34およびCD90に対す
る32P−標識cDNAをプローブとして検出した。結果は、細胞回収時にCD90が有
効に転写されたことを示す。本発明者らは、ヒト間葉幹細胞上でのCD34およびCD9
0細胞表面抗原の最初の同定について報告する。
体に再導入する前の幹細胞の分化決定の誘導に必要な期間は、比較的短くなければならな
い。従って、本発明者らの調査は、ヒト間葉幹細胞上の細胞表面抗原を特徴付けてこれら
の細胞のより精製された集団の単離を容易にすることに焦点を置く。幹細胞に対する独特
な細胞表面抗原を同定することにより、幹細胞の単離を促進するためにこれらの抗原に対
する抗体を使用することが可能である。現在検討中の1つの技術では、蛍光標識した抗体
および蛍光標示式細胞分取と組み合わせたフローサイトメトリーを使用する。この技術は
、細胞表面抗原のプロフィールに基づく造血細胞を特徴付け、単離するために、クラスタ
ー分化(CD)マーカーと共に使用されている。実際に、様々なリンパ球産生および赤血
球生成系統内の個々の細胞型を特徴付けおよび単離するために、180を超える個々のC
Dマーカーが使用されている(Kisihmotoら、1997)。
雄性ならびに雌性幹細胞の細胞表面CDマーカーを特徴付けることに関与する。間葉幹細
胞の単離、冷凍保存、および増殖のための標準的なプロトコールに従って細胞を得た(Y
oungら、1995、Lucasら、1995、Youngら、1993、Young
ら、1991)。各個体由来の細胞集団は、始原細胞および多能性細胞の両方の混合物を
含有し、これは、デキサメタゾンおよびインスリンを使用する比較/対比分析によって決
定された(Youngら、1998a)。免疫化学的蛍光標示フローサイトメトリーを使
用して、個々の細胞集団における13腫のCDマーカーを試験した。陽性染色はCD34
およびCD90について得られた。陰性染色はCD3、CD4、CD8、CD11c、C
D33、CD36、CD38、CD45、CD117、グリコホリンA、およびHLA−
II(DR)について得られた。細胞集団からRNAを抽出し、電気泳動に供し、ノーザ
ン分析を使用して、CD34およびCD90に対する32P−標識cDNAをプローブと
して検出した。結果は、細胞回収時にCD90が有効に転写されていることを示した。本
発明者らは、ヒト始原および多能性細胞上の造血幹細胞表面マーカーCD34およびCD
90存在のの最初の同定について報告する。
ヒト間葉幹細胞
本研究では、6種の幹細胞集団を使用した。2種は胎児ドナー(1つの雌および1つの
雄)、2種は成熟ドナー(両方とも雌)、および2種は老齢ドナー(1つの雌および1つ
の雄)から採取した。細胞は、2つの異なる結合組織画分(真皮および骨格筋関連の結合
組織)から誘導した。ヒト組織を回収するためのプロトコールは、Institutio
nal Review Board at the Medical Center o
f Central Georgia, Macon, GAにより承認されたものであ
る。
F−SkMl, catalog # CC−2561, lot # 14722,
Clonetics, San Diego, CA]のサブ密集培養物として購入した
。胎児雄性細胞を、大腿筋に関連する結合組織から誘導した22歳胎児骨格筋細胞[CM
SkMl, catalog # CC−0231, lot # 6F0604,
Clonetics]のサブ密集培養物として購入した。成体雌性細胞を、25歳ヒト皮
膚細胞[NHDF 1, catalog # CC−0252, lot # 6F0
600, Clonetics]のサブ密集培養物および36歳ヒト皮膚細胞[NHDF
2, catalog # CC−0252, lot # 16280, Clone
tics]のサブ密集培養物として購入した。到着時に、細胞を平板培地−A(PM−A
)に移した。PM−Aは、Earle塩、10%の予め選択されたウマ血清([lot
no. 17F−0218 (HS7)もしくは49F−0082 (HS4), Si
gma Chemical Co., St. Louis, MO]または[lot
no. 3M0338 (HS3), BioWhittaker, Walkersv
ille, MD])、および1%(v/v)ペニシリン/ストレプトマイシン溶液[1
0,000単位/mlペニシリンおよび10,000 μg/mlストレプトマイシン、
GIBCO]を有する89%(v/v)Eagle最小必須培地(EMEM)、pH 7
.4[EMEM, GIBCO BRL, Grand Island, NY]から成
った。細胞を37℃で95%空気/5%CO2湿潤環境でインキュベートした。増殖後、
0.0744%(w/v)エチレンジアミンテトラ酢酸[EDTA、Sigma]を含有
するCa+2、Mg+2を含まないDulbeccoのリン酸緩衝化生理食塩水[GIB
CO]中0.05%(w/v)トリプシン[DIFCO, Detroit, MI]で
細胞を遊離させ、100×gで20分間、遠心分離した。上清をアスピレーターで吸引し
、細胞ペレットをPM−Aに再懸濁し、細胞懸濁物を、7.5%(v/v)ジメチルスル
ホキシド[DMSO, Morton Thiokol, Danvers, MA]を
含有する平板培地−A中で−70〜−80℃で緩徐に凍結保存した(Youngら、19
91)。
opedic Surgery, New York Medical College
, Valhalla, NY)より入手した。間葉幹細胞の単離のための標準プロトコ
ール(Lucasら、1995;Youngら、1999)に従って、77歳雌性患者お
よび67歳雄性患者から得た骨格筋の病因学的標本に関連する筋内膜、筋周膜、および筋
外膜結合組織画分から老齢細胞を単離した。これらの細胞をそれぞれ「PAL2」および
「PAL3」と命名した。簡単に説明すると、コラゲナーゼ[CLS−1, Worth
ington Biochemical Corp., Freehold, NJ]お
よびディスパーゼ[catalog #40235, Collaborative R
esearch Inc., Bedford, MA]で幹細胞を遊離させた。90
μmおよび20μm Nitex [Tetco Inc., Elmsford, N
Y]を介する.連続ろ過によって、単一の細胞懸濁液を得た。細胞を105細胞/1%(
w/v)ゼラチン化[EM Sciences, Gibbstown, NJ]100
mm皿[Falcon, Becton Dickinson Labware, Fr
anklin Lakes, NJ]でPM−Aに播種し、凍結保存前に増殖および分化
させた。細胞を37℃で95%空気/5%CO2湿潤環境でインキュベートした。増殖後
、トリプシンで細胞を遊離させ、上記のように篩い分けして繊維芽細胞および分化した表
現型(即ち、多核筋管、脂肪細胞コロニー、軟骨小節、骨小節)から単核幹細胞を区別し
、7.5%(v/v)DMSO(Sigma) (Lucasら、1995)を含有する
PM−A中、−70〜−80℃で凍結保存した。
ゼラチン化T−75フラスコ[Falcon]および平板培地−B(PM−B)を利用す
ることによって得た。PM−Bは、89%(v/v) Opti−MEMに基づく培地(
Kawamotoら、1983)[catalog #22600−050, GIBC
O]、10%(v/v)ウマ血清[HS3]、および1%(v/v)抗生物質−抗カビ剤
溶液[10,000単位/mlペニシリン、10, 000μg/mlストレプトマイシ
ン、および25μg/mlアンホテリシンB(フンジゾンとして)GIBCO]、pH
7.4から成った。次いで、細胞をインスリン/デキサメタゾンバイオアッセイおよびフ
ローサイトメトリーのためにアリコートに分けた。
始原および/または多能性幹細胞の存在を決定するために、インスリンおよびデキサメ
タゾンを使用して、発達した細胞を試験した(Youngら、1998b)。本バイオア
ッセイでは、インスリンは始原幹細胞において表現型発現を加速するが、多能性幹細胞の
表現型発現の誘導に対しては効果を示さない。対照的に、デキサメタゾンは、多能性幹細
胞において分化決定および発現を誘導するが、始原幹細胞における表現型発現を変更しな
い。従って、始原細胞のみが培養物中に存在する場合、インスリン中でインキュベートさ
れた培養物について発現された表現型は、デキサメタゾンと共にインキュベートした培養
物と比較して差異は認められない。始原細胞および多能性細胞の療法を含有する培養物を
混合する場合、デキサメタゾンで処理した培養物において発現された表現型の量は、イン
スリンで処理した培養物と比較してより大きい。さらに、発現された表現型の数の増加が
観察され得る。培養物が多能性細胞のみを含有する場合、インスリンで処理した培養物に
おいて表現型の発現は認められない。デキサメタゾンで処理した同様の培養物は、多数の
発現された表現型を示す。このように、インスリンおよびデキサメタゾンによる処理の効
果を比較することにより、不明な細胞群内の始原および多能性幹細胞の特定の型を同定す
ることができる(Youngら、1992, 1993,1995,1998a, b,
1999;Lucasら、1993,1995;Pateら、1993;Rogers
ら、1995;Warejckaら、1996)。
ートを融解し、PM−Bを利用して、1%ゼラチン被覆24ウェルの平板[Cornin
g, Corning, NY]中ウェルあたり10,000細胞かまたは1%ゼラチン
被覆96ウェルの平板[Falcon]中ウェルあたり1,000細胞で個別に平板固定
した。デキサメタゾン試験培地は、98%、94%、もしくは89%Opti−MEM;
またはそれぞれ1、5、または10%血清[HS3、HS9 (ウマ血清、ロット番号
90H−0701, Sigma)、または1%FBS(ウシ胎児血清、ロット番号 3
000L, Atlanta Biologicals, Norcross, GA)
、1%抗生物質−抗カビ剤溶液および10−10、10−9、10−8、10−7、もし
くは10−6Mデキサメタゾン[Sigma](Youngら、1995, 1998b
)から成った。8週間の間に、培地を1週間あたり3回交換した。表現型の変化について
1週間あたり2回培地を観察し、写真撮影した。
形態学的表現型は、インスリンまたはデキサメタゾンと共にインキュベートしたトリおよ
びマウス間葉幹細胞で先に認められた表現型に同一であった(Youngら、1993,
1998a)。骨格筋原構造は、それらの細長い多核性状、交差線紋、および自発的収
縮によって同定された(Youngら、1993,1995)。骨格筋筋管は、ミオゲニ
ン(F5D, Developmental Studies Hybridoma B
ank, DSHB: Wrightら、1991)、支質ミオシン(MF−20, D
SHB: Baderら、1982)、速骨格筋ミオシン(MY−32, Sigma:
NaumannおよびPette、1994)、ミオシン重鎖(ALD−58: Sh
afiqら、1984)、ならびにヒト速ミオシン繊維(A4.74: Webster
ら、1988)に対する抗体を使用して免疫化学染色によって確認した。平滑筋細胞は、
細胞内ストレス(stress)フィラメントを含有する大きな多角形細胞と同定した。
平滑筋表現型は、平滑筋αアクチンに対する抗体で免疫化学的に確認された(1A4,
Sigma Skalliら、1986)。心筋は二核細胞として確認された。心筋の表
現型は、平滑筋αアクチン(1A4)および支質ミオシン(MF−20)(Eisenb
ergおよびMarkwald、1997)に対する抗体の同時標識で免疫化学的に確認
された。脂肪生成細胞を多数の細胞な収縮性小胞を含有する多核細胞と同定した。脂肪細
胞は、SudanブラックB(Chroma−Gesellschaft, Roboz
Surgical Co., Washington, DC: Youngら、19
93)およびOil Red−O(Sigma: Humason、1972)による組
織化学染色によって、飽和中性脂肪を含有する細胞内小胞の存在で確認した。軟骨形成構
造は、収縮性細胞周辺マトリックスハローを有する丸型細胞凝集物として(シート状また
は離散した小節として)同定された。軟骨表現型は、プロII型コラーゲン(Cl IC
Im DSHB: Holmdahlら、1986;Johnstoneら、1998)
;ヒト特異的II型コラーゲン(II−4CII, ICN Biomedicals,
Aurora, OH: BurgesonおよびHollister、1979;K
umagaiら、1994);およびIX型コラーゲン(Dl−9, DSHB: Ye
ら、1991)のための免疫化学染色、ならびにコンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸
を含有するグリコサミノグリカンに対するAlcianブルー(pH 1.0)による組
織化学染色(Chroma−Gesellschaft :Youngら、1993;Y
oungら、1998a, b)、ならびに硫酸部分を含有するグリコサミノグリカンに
対するPerfix/Alcecブルー(Fisher Scientific Co.
, Norcross, GA/Alrrich Chemical Co., Mil
waukee, WI: Lucasら、1991)により確認した。骨形成構造は、細
胞の凝集物に重層する3次元細胞外マトリックスと同定された。骨形成表現型は、骨シア
ロプロテイン(WV1D1, DSHB: Kasugaiら、1992)およびオステ
オポンチン(MPl l l, DSHB : Gorskiら、1990)に対する免
疫化学、ならびにvon Kossa(Silber Protein, Chroma
Gesellschaft: Youngら、1993,1998a, b)を使用す
るリン酸カルシウムに対する組織化学染色によって確認した。繊維芽細胞を、形態学的外
観により多角形または星形細胞と同定した。繊維形成表現型を、ヒト繊維芽細胞表面タン
パク質に対する抗体で免疫細胞化学的に確認した(1B10, Sigma: Ronn
ov−Jessenら、1992)。内皮細胞を、個々にまたはシート状で生じる丸石型
細胞と同定した。内皮表現型を、ヒト特異的内皮細胞表面マーカー(P1H12, Ac
curate, Westbury, NY: Soloveyら、1997)、末梢内
皮細胞接着分子、PECAM(P2B 1, DSHB)、脈幹細胞接着分子、VCAM
(P8B1, DSHB: Dittelら、1993)、およびEセレクチンに対する
免疫学的染色により確認した。2次抗体はビオチン化抗ヒツジIgG(Vector)、
ビオチン化抗マウスIgG(Vector)、またはVecstatin ABCキット
(Vector)に含有される抗体から成る。3次プローブは、Vecstatin A
BCキット(Vector)に含有されるアビジン−HRPから成る。以下の不溶性西洋
ワサビペルオキシダーゼ(HRP)基質を使用して、抗体の結合を可視化した:ペルオキ
シダーゼのVIP基質キット(青、Vector)、ペルオキシダーゼのDAB基質(黒
、Vector)、およびAEC染色キット(赤、Sigma)。異なる発色基質を利用
して、同じ培養ウェルの多数の連続染色を可能にした。
回収後、30細胞倍加時のCM−SkM、CF−SkM、NHDF1、NHDF2、P
AL#3および細胞PAL#2 のアリコートを融解し、105細胞/1%ゼラチン被覆
T−75フラスコでプレー化培地−B、(PM−B)に播種し、37℃で95%空気/5
%CO2湿潤環境で増殖させた。培養後、細胞をトリプシンで遊離させ、PM−Bに再懸
濁した。次いで、細胞を遠心分離し、洗浄緩衝液(1%FBS [HyClone] お
よび1%(w/v)アジ化ナトリウム、NaN3 [Sigma]を補充したCa+2,
Mg+2 [Cellgro, MediaTech] を含有しないDulbecc
oリン酸緩衝化生理食塩水)に、1×106細胞/mlで再懸濁した。Trypanブル
ー染料[GIBCO]排除技術(Youngら、1993、Youngら、1991)に
より細胞生存度は> 95%であった。100マイクロリットルの細胞調製物(1×10
5細胞)を、飽和濃度のフルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリト
リン(PE)、またはペルジニンクロロフィルタンパク質(PerCP)結合CD3、C
D4、CD8、CD11c、CD33、CD34、CD36、CD38、CD45、CD
90、CD117、グリコホリン−AおよびHLA−II(DR)、またはイソタイプ一
致対照[Becton−Dickinson, Inc., San Jose, CA
]で染色した。簡単に説明すると、細胞を暗所で30分間、4℃でインキュベートした。
インキュベーション後、細胞を洗浄緩衝液で3回洗浄し、0.5 mlの洗浄緩衝液に再
懸濁した。FACScan(商標)(Becton−Dickinson)フローサイト
メーター上でフローサイトメトリーを実施した。光散乱によって細胞を同定した(図29
)。10,000ゲート制御事象における蛍光の対数を評価した(4十進計、1024チ
ャンネルスケール)。LYSYS II(商標)ソフトウェア(Becton Dick
inson)を使用して分析を実施した。適切なイソタイプ対照と比較して染色の有無を
決定した。25%を超える染色がイソタイプ対照を超えている場合、ゲート制御事象はC
Dマーカーに対する染色の存在があると評価した。5種の間葉幹細胞株から得られたプー
ルされたフローサイトメトリーデータについて、統計解析を実施した。10,000ゲー
ト制御事象あたりの細胞の絶対数を表11に示す。平均値が1,000ゲート制御細胞を
超えたら任意の所定のCDマーカーについて陽性とみなした。
唯一生物学的に有意な結果はマーカーCD34およびCD90であった。これらを、胎
児期ヒト組織から誘導される標本および生後ヒト組織から誘導される標本の2つに分けた
。ABSTATコンピュータプログラム(Anderson−Bell Corp.,
Arvada, CO)を使用して、一方向分散分析により2つのグループを解析した。
回収後30細胞倍加のCM−SkM、NHDF、およびPAL#3細胞のアリコートを
融解し、105細胞/1%ゼラチン化T−75フラスコで平板培地−Bに播種し、37℃
で95%空気/5%CO2湿潤環境で増殖させた。増殖後、トリプシンで細胞を遊離し、
遠心分離し、上清をアスピレーターで吸引し、細胞ペレットを凍結し、−80℃で保存し
た。細胞ペレットを氷上で融解し、製造者の取扱説明書に従い、Qiagen QIAシ
ュレッダー [catalog #79654, Qiagen, Chatswort
h, CA]およびRNeasy総RNAキット[catalog #74104, Q
iagen]を使用して、総RNAをCF−SkM、NHDF、およびPAL#3細胞か
ら抽出した。. CD34、CD90およびβアクチン(それぞれI. M. A. G
. E. Consortium Clone ID : 770858、714060
、および586736、Research Genetics, Huntsville
, Al)のI. M. A. G. E. Consortium (LLNL) c
DNAクローン(Lennonら、1996)を得た。制限消化によって、それぞれのプ
ラスミドからcDNA挿入物を切り出し、標準的な手順(Sambrookら、1989
)に従ってアガロースゲル電気泳動により分離した。製造者の取扱説明書に従い、Qia
ex IIゲル抽出キット[catalog #20021, Qiagen]を使用し
て、それぞれのcDNAのバンドを使用した。Prime−Itランダムプライマー標識
キットKit [catalog #300385, Stratagene, La
Jolla, CA]を使用して、3, 000 Ci/mMα[32P]−dCTP[
catalog number AA0005, Amersham, Arlingt
on Heights, IL]の取り込みによりcDNAを標識した。
#F79−500、Fisher, Norcross, GA ; アガロース、ca
talog #BP164−100, Fisher]を介して総RNA(30μg/レ
ーン/細胞株)を電気泳動し、標準的な手順(Sambrookら、1989)に従って
キャピラリー転移によりナイロン膜[catalog #NJ0HYB0010 Mag
nagraph, Fisher]に移した。ローラーボトルにおいて、68℃で1晩、
QuikHybハイブリダイゼーション溶液[catalog #201220, St
ratagene]中でハイブリダイゼーションを行った。洗浄は製造者の取扱説明書に
従って実施した。増感スクリーンを使用して、−70℃〜−80℃でオートラジオグラフ
ィー[Fuji, catalog #04−441−95, Fisher]を行った
。
幹細胞の同定
インスリン及びデキサメタゾンを使用しする比較/対比分析によって、雄性及び雌性ヒ
ト胎児、成熟、、及び老齢細胞集団内に存在する推定細胞の正体を試験した。骨格筋筋管
、脂肪細胞、軟骨小節、及び骨小節に一致する形態学的外観における少数の表現型の変化
は、インスリンによって生じた。多量の類似の表現型変化は、デキサメタゾンによる処理
によって生じた。デキサメタゾンは、筋肉、脂肪、軟骨、骨、結合組織、及び内皮細胞に
関する表現型発現を誘導した。骨格筋、平滑筋、及び心筋表現型は、抗体染色に基づいて
認識された。これらの細胞も、骨格筋、筋幹、脂肪細胞、軟骨小節、及び骨小節に類似し
た。これらの形態学的変化は、30細胞倍加の6つのすべてのヒト幹細胞集団において生
じた。80細胞倍加では、インスリンは細胞に影響を及ぼさないが、デキサメタゾンは細
胞の表現型発現を変化した(図26A〜D)。データは、始原細胞(インスリンにより加
速された形態)及び多能性細胞(デキサメタゾンにより加速された形態)の両方が22週
齢胎児(生前)雄性及び25週齢胎児雌性(生前)骨格筋結合組織、25歳雌性表皮、6
7歳雄性及び77歳雌性骨格筋結合組織から単離される推定ヒト幹細胞の30細胞倍加後
の集団に存在したという仮説を支持する。
ヒト間葉幹細胞集団によって発現されるクラスター分化細胞表面については不明である
ため、本発明者らは、CD3、CD4、CD8、CD11c、CD33、CD34、CD
36、CD38、CD45、CD90、CD 117、グリコホリンA、及びHLA−I
I(DR)の存在について、フローサイトメトリーと組み合わせた免疫化学によって、5
種の細胞集団を分析した。この強力な技術により、本発明者らは多量の細胞を比較的迅速
かつ容易に試験することができた。すべてのヒト幹細胞は、CD90について陽性染色を
示した。CD34に対する陽性染色は、NHDF(成体ヒト雌性NHDF1及びNHDF
2)、PAL#3(老齢ヒト雄性)、及びPAL#2(老齢ヒト雌性)由来の生後幹細胞
によって示された。CD34に対する陰性染色は、CM−SkM(胎児ヒト雄)及びCF
−SkM(胎児ヒト雌)由来の胎児期幹細胞によって示された。生後成体NHDF1及び
NHDF2及び老齢(PAL#3及びPAL#2)細胞集団は、二重CD34/CD90
染色を発現したが、胎児(CM−SkM及びCF−SkM)集団はCD90のみを発現し
た。CD34及びCD90の両方に対する抗体について分析すると、NHDFl 集団は
CD34及びCD90の両方に陽性な2520細胞ならびにCD90のみに陽性な697
9細胞を発現した。NHDF2はCD34及びCD90の両方に陽性な7320細胞なら
びにCD90のみに陽性な1539細胞を発現した。同じ技術を使用したところ、PAL
#3はCD34及びCD90の両方に陽性な3430細胞ならびにCD90のみに陽性な
6069細胞を含有した。PAL#2はCD34及びCD90の両方に陽性な1880細
胞ならびにCD90のみに陽性な6360細胞を含有した。CM−SkMはCD34及び
CD90の両方に陽性な1細胞ならびにCD90のみに陽性な9549細胞を含有した。
CF−SkMはCD34及びCD90の両方に陽性な180細胞を発現したが、CD90
のみに陽性な8680細胞を発現した。CD34には陽性であるがCD9には陰性である
ような細胞は試験した集団では認められなかった。CD3、CD4、CD8、CD11c
、CD33、CD36、CD38、CD45、CD117、グリコホリンA、及びHLA
−II(DR)(表11、図27〜29)については試験したすべての集団が陰性であっ
た。
CD34及びCD90が回収時に細胞によって有効に転写されたかどうかを決定するた
めに、プローブとしてヒトCD34及びCD90 cDNAを使用するノーザンブロット
技術によって、CF−SkM、NHDF、及びPAL#3サンプル由来の総RNAを分析
した。細胞回収時のCDマーカーの転写において様々なパターンが観察された(表11、
図30)。試験した3種の細胞株のいずれにおいてもCD34−mRNAに結合するcD
NAは認められず、回収時に有効な転写が生じないか、又はCD34のmRNAの量がア
ッセイの検出限界未満であることが示唆された。CD90−mRNAに結合するcDNA
は、強力(CF−SkM及びNHDF)か又は弱い(PAL#3)のいずれかであったこ
とから、それぞれの細胞株内ではCD90に対する転写パターンが同様であることが示唆
された。
ヒト間葉幹細胞におけるCDマーカーの陽性染色
ヒト胎児、成体、及び老齢間葉幹細胞によって発現される細胞表面クラスターマーカー
CD34及びCD90の機能的重要性については、現在のところまだ不明である。
くらかの細胞を発現することが知られている(Linら、1995)。cDNAを扱った
1つの研究グループが、CD34をシアロムチンとして特徴づけた(Simmonsら、
1992)。CD34の提案された細胞機能は、血液細胞前駆体の分化の調節であると考
えられ、それは細胞接着分子であると示唆されている(Linら、1995)。臨床専門
家はCD34に対するモノクローナル抗体を広範に利用して、自家骨髄移植での使用のた
めに造血幹細胞及び始原細胞を精製している。さらに、CD34を発現する細胞の選択を
使用して、造血遺伝子療法のための臨床アプリケーションにおいて細胞を単離することが
できる(Sutherlandら、1993)。
ロン組織(Tiveronら、1992;Morris、1985)及びいくつかの結合
組織(Morris及びBeech, 1984)で発現される。Craigらは、CD
90が相当数の造血細胞上でCD34と同時発現すると決定した。CD90及びCD34
の両方に陽性であるヒト末梢血細胞は、免疫不全マウスにおいて多数の造血系統を産生す
ることが可能な造血幹細胞を含むことが見出された(Tsukamotoら、1994)
。CD90に当てはまる機能はまだ不明であるが、CD90はTリンパ球のシグナル伝達
の役割を果たし、これはチロシンのリン酸化に関与する経路に関係する(Lanckiら
、1995)該タンパク質は免疫グロブリンといくつか相同性を有するため、免疫グロブ
リンスーパーファミリーの一部であると考えられている。興味深いことに、Thy−1は
脳組織及びTリンパ球上で発現されるため、このタンパク質は失調の発達に役割を果たし
得る。この障害は、神経学的及び免疫学的機能の両方に病巣があるのが特徴である(Ga
tti、1991;Teplitz、1978)。
集団は、(フローサイトメトリーの分析により)細胞表面上にCD34及びCD90の両
方を発現したが、胎児雄性(CM−SkM)及び胎児雌性(CF−SkM)集団はCD9
0のみを発現した。これらの所見は2つの理由で重要であり得る。
胞系統に属することである。多数の中胚葉系統から表現型マーカーを発現させる能力があ
るため、本発明者らはこれらの細胞は造血系統にのみ属するとは考えていない。むしろ、
本発明者らのデータは、我々が造血幹細胞と共通の表現型特徴を有する独特な集団を見出
したことを示唆する。
老齢雌性(PAL#2)の細胞表面上で検出され得るが、胎児雄性(CM−SkM)及び
胎児雌性(CF−SkM)細胞上では検出されない。さらに、試験した細胞株でノーザン
ブロット分析によってCD34 mRNAを発現した細胞株は認められない。CD34
mRNAの発現が認められないことについて2つの説明が可能である。存在するmRNA
の量はアッセイの検出限界を下回っているかもしれないこと。あるいは、マーカーはなお
生後細胞の細胞表面上存在してもCD34の有効な転写が停止してしまっていたかもしれ
ない。この所見はなぜCD34がCD90より少数の細胞で発現されるかを説明するのに
役立ち得る。胎児(CM−SkM及びCF−SkM)細胞でCD34の発現が比較的認め
られないことは特に注目すべきである。しかし、この所見の重要性についてはこの時点で
は知られていない。
物中に生存したニューロン又は結合組織始原細胞から誘導される。フローサイトメトリー
に使用された幹細胞集団は、組織回収後30細胞倍加であった。Hayflick限界(
50〜70細胞倍加)後にプログラムされた細胞老化が達成されている(Hayflic
k、1963,1965)。本研究において使用される幹細胞集団はHayflick限
界よりも少ない回数(即ち30細胞倍加であった)だけ複製したため、それらはなお始原
及び分化した細胞を含有し得るしかし、CD34及びCD90の両方に陽性である細胞は
、ニューロン又は結合組織細胞から誘導されにくく、これらの組織由来の細胞はこれらの
2つのタンパク質を同時発現することは知られていない。CD34及びCD90の両方に
陽性である細胞の特徴についてはまだ十分に調べられていない。
CD34及びCD90に関する所見とは対照的に、11種の抗原が、胎児、成体、及び
老齢ヒト間葉幹細胞の細胞表面上には存在しないことが認められた。これらのマーカーは
CD3、CD4、CD8、CD11c、CD33、CD36、CD38、CD45、CD
117、グリコホリンA、及びHLA−II(DR)であった。この所見の重要性につい
てはこの時点では知られていない。しかし、これらの特定の細胞表面CD抗原は、CD3
、CD4、CD8、CD45、及びCD117の存在が原因であるとされている(Kis
himotoら、1997)。単球/マクロファージはCD11c、CD36、CD38
、CD45、CD117、及びHLA DR−IIを示している(Kishimotoら
、1997)。ナチュラルキラー細胞はCD11c、CD38、CD45、及びCD11
7を示している(Kishimotoら、1997)。顆粒球はCD11c、CD36、
CD38、CD45、及びCD117を示している(Kishimotoら、1997)
。骨髄性始原細胞はCD33、CD38、CD45、及びCD117を示している(Ki
shimotoら、1997)。赤血球はグリコホリンAを示している(Kishimo
toら、1997)。いくつかのニューロン細胞はCD38及びHLA DR−IIを示
している(Mizguchiら、1995;Rohnら、1996)。
性胎児、成体、及び老齢幹細胞上に認められないことについては、2つの説明が可能であ
る。試験した幹細胞は正常な環境下で造血系統に沿った分化能を持たない可能性がある。
この仮説が正しければ、これらのマーカーはこれらの細胞の分化した系統上には決して出
現し得ない。あるいは、これらの幹細胞が造血株に沿った分化能を有する場合、11種の
分化マーカーが認められないことは間接的に研究された細胞がより原始的な幹細胞である
ことを示す。
毎年数百万人の人々が組織の消失又は終段階の器官不全を患う(Langer及びVa
canti、1993)。これらの患者のための米国の国民医療費の合計は、1年あたり
4千億ドルを超えている。現在、米国では、これらの障害を治療するために年間8百万を
超える外科手順が実施されている。これらの治療には4千万〜9千万の病院日数が必要で
ある。これらの療法は数えきれないほどの生命を救い、改善するが、それらは完全に解決
しているわけではない。組織移植及び外科的介入などの選択肢は深刻なドナー不足及び可
能な長期の病的状態のために厳しく制限されている。ドナー不足は毎年悪化し、必要な臓
器の待機リストに掲載されながら死亡する患者の数が増加している。広範な外傷、先天異
常、疾患、及び遺伝子異常は、ドナー組織の供給源として、自己由来の間葉幹細胞によっ
て治療される可能性がある。組織消失を治療する場合、消失した組織を置き換えるための
移植に利用できる細胞数を増やすことが所望される。ex vivo遺伝子療法のための
細胞数を増加させるための手順も所望される。自己由来の幹細胞を使用する1つの有益性
は、それらが同一のHLA一致を提供することができ、病態及び死亡に関連する免疫抑制
療法の必要性が防止されることである。第2の有益性は、多能性細胞に関連する広範な細
胞増殖の可能性である。多能性幹細胞は、分化決定誘導前の細胞数を顕著に増加すること
ができる。分化決定誘導後、得られる始原幹細胞は、次いで、プログラムされた細胞老化
が生じる前にさらに50〜70細胞倍加増殖することができる。移植及び/又は遺伝子治
療に利用できる組織数に限りがある場合、これらの2つの幹細胞集団の増殖特性は極めて
重要である。
用され、多能性間葉幹細胞は軟骨及び骨の部位特異的修復(Grandeら、1995)
に使用されている。自己由来幹細胞療法が臨床的妥当性を有するためには、単離、発達、
及び(必要であれば)細胞の個体への再導入の前の系統誘導にかかる時間が相対的に短い
ことが必要である。本発明者らの研究室の以前の研究ではHayflick限界(50〜
70細胞倍加)を超える発達か又は始原又は多能性細胞の個々の集団を単離するための限
界連続希釈によるクローン化(Rogersら、1995;Youngら、1993;Y
oungら、1998b)を使用した。これらの技術は、単離ならびに/又は始原及び多
能性細胞集団の完全分離に9箇月〜2年を必要とする。本発明者らの現在の調査は、自己
由来の始原及び多能性細胞の精製に必要な時間を減少することを目的とする。この目的の
ために、本発明者らは、男女の胎児、成体、及び老齢ヒトドナーからこれらの細胞を単離
し、それらの細胞表面クラスター分化の特徴づけを始めた。本発明者らは今回、CD90
の発現の実証ならびにヒト始原及び多能性間葉幹細胞における多様な量のCD34につい
て初めて報告する。本発明者らは、これらの細胞表面CDマーカーは、最初の幹細胞回収
物からより精製されたこれらの細胞の精製された集団を単離するための最初の工程として
、フローサイトメトリー及び蛍光標示式細胞分取と共同で使用することができることを示
唆する。
くするための選択術又は遺伝子療法の候補者を待機している患者が診療室にやってくる。
少量の皮膚生検(約5mm3)を局所麻酔下で取り出し、輸送液中に置き、研究室に搬送
する。そこで、組織を酵素的消化して幹細胞を遊離させ、細胞懸濁液を培養する。細胞が
密集状態に達したら、それらを遊離させ、好ましい始原細胞及び多能性細胞を、それらの
独特な細胞表面抗原プロフィールに対する抗体を使用して単離する。多能性細胞を発達さ
せて細胞数を増加させ、好みの組織系統に決定するように誘導する。30日未満に、患者
の自己由来幹細胞、本来の始原細胞及び多能性細胞(所望の系統へ決定するように誘導さ
れる)が患者に移植される。遺伝子療法のためには、多能性細胞には、細胞発達の前に所
望の遺伝子がトランスフェクトされる。このプロトコールは培養時間及び費用の両方を顕
著に減少させる。また、特定の移植及び遺伝子両方に必要な幹細胞の収量が改善される。
分離した多能性幹細胞の中胚葉への分化能のキャラクタリゼーションを行う過程で、全
く異なる非中胚葉性表現型の存在さえ示唆する異種形態を観察し、それに注目した。Yo
ungら、1991,1992a; Lucasら、1995 の記載に従って、凍結保
存で単離したヒト細胞を10−7Mもしくは10−8Mのデキサメタゾン中で増殖させ、
培養18日間後に、破骨細胞様細胞(造血系列)(図31A)及び神経細胞(図31B及
びC)を観察した。同様に10−6Mのデキサメタゾン中で増殖させたマウス3T3細胞
の場合は、マクロファージに似た大型細胞を培養9日後に観察した。ラット細胞は10−
7Mのデキサメタゾン中で増殖させ、大型細胞を確認した。
DF2及びPAL3細胞)をインスリンとデキサメタゾン中で最長45日間培養し、形態
学的、免疫化学的、組織化学的解析を行った。
である。36年齢雌性真皮と67年齢雄の骨格筋結合組織由来の成体ヒト細胞を、上記に
記載の方法で分離した。前記細胞についての初期の形態学的研究から、上記細胞は小型細
胞で、細胞質に対する細胞核の比率(核/胞体比)が大きいことがわかる(図34A)。
上記の形態的な発現は、胚性幹細胞の形態と一致する。次に行われた免疫染色法から、個
々の細胞が、段階特異的胚抗原(ES抗原)−1(SSEA−1)(図34B)、SSE
A−3(図34C)、SSEA−4(図34D)、及びヒト特異的癌胎児性抗原(HCE
A及びCD66)(データ非表示)を発現することが示された。前記の結果は、2つの細
胞系には細胞表面に胚性抗原を持つ細胞が存在することを示唆している。
行い、前記細胞を同定した。前記細胞をインスリンと培養した場合には、形態学的変化も
抗原染色における変化も見られなかった。つまり、依然としてSSEA―1、SSEA−
3、SSEA−4、HCEA,CD66(データ非表示)を発現する細胞が存在した。前
記結果から、前記細胞は系統への分化決定済みの前駆細胞でないことが示唆された。
起源の細胞に対する表現型発現マーカーが出現した。このことは、前記細胞が系統非制限
的幹細胞であることを示唆する。ネスチン(図34E)ニューロン(図34F)、ニュー
ロフィラメント(図34H)、神経膠(図34I)などの神経系外胚葉発現マーカー及び
ケラチノサイトなどの外胚葉発現マーカー(図34J)の導入によって、外胚葉系列マー
カーを発現する細胞を同定した。ミオゲニン(図34K)、サルコメアミオシン、速筋型
骨格筋ミオシン、ミオチン重鎖(データ非表示)骨格筋管(図34L)、平滑筋α―アク
チン(データ非表示)などの筋、中性飽和脂質、(34M)などの脂肪、11型コラーゲ
ン(図34N)、IX型コラーゲン、コンドロイチン・スルフェート、ケラタン・サルフェ
イト・プロテオグリカン含有小節(データ非表示)などの軟骨、骨サイアロン・プロテイ
ン−11(図34O)、オステオポンチン、リン酸カルシウム含有小節(データ非表示)
などの骨、線維芽細胞(データ非表示)、PECAM(図34P)、VCA、E−セレク
チン、ヒト特異的内皮細胞表面マーカー、CD34(データ非表示)などの内皮細胞の発
現マーカーを導入することにより、中胚葉系マーカー発現細胞を同定した。α−フェトプ
ロテイン(図34Q)及び胃腸内上皮(図34R)の発現マーカーの導入により内胚葉系
列マーカー発現細胞を同定した。
定済みの前駆細胞)が、プログラム細胞老化及びプログラム細胞死を起こすまでに、約5
0回の細胞倍加を限度とする有限寿命を有すことを明らかにした。ゆえに50回の細胞倍
加は、ヘイフリック限界(Hayflick’s Limit)と呼ばれる。系統への分
化が決定されていない胚性細胞を使用している研究者らは、前記細胞が、ヘイフリック限
界をはるかに超えて細胞分裂した後も、自己再生能力を維持することを明らかにした。上
記の理由で、前記細胞系の増殖能力を調べた。上記の実験で、前記の細胞を多能性状態に
保った。細胞の増殖と放出を行い、継代17代目(NHDF2)及び39代目(PAL3
)を低温保存した。倍加時間は、平均12〜24時間で、1継代につき約4倍加とした。
ゆえに、NHDF2細胞は70回を超える細胞倍加を、PAL3細胞は200回を超える
細胞倍加を経たことになる。実験群のうち一群は、細胞をクロラムフェニコール(CM)
中のみで培養し、細胞を多能性状態に保った。上記実験において、細胞を30〜56日間
培養した。形態学的、免疫化学的、組織化学的解析により、前記の細胞が、胚性抗原に対
する抗体で染色されることがわかる。第2実験群においては、細胞をインスリン含有のC
M中で、30〜56日間培養し、増殖させ続けることが、前記細胞の分化決定を誘導する
か否かを判定した。これらの細胞が胚性抗原に対する抗体に同様の染色パターンを示すと
いうことが、形態学的、免疫化学的、及び組織化学的解析により示された。第3実験群で
は、細胞をデキサメタゾンCM中で30〜56日間培養し、前記細胞を分化させた。分化
誘導後、前記細胞は、外胚葉性細胞系、中胚葉性細胞系、及び内胚葉性細胞系の細胞特有
の抗原を発現することが形態学的、免疫化学的、組織化学的解析により解明された。ヘイ
フリックの限界(Hayflick’s Limit)を超えて増殖した後も、前記細胞
系は、胚性幹細胞と類似した特性を損失しないことがこれらの結果からはっきりとわかる
。細胞は、上記のような処理後も、多能性特性(異種胚性細胞に属する細胞に分化する能
力)を消失しなかった。
、誘導分化と同時に胚性抗原の消失、外胚葉性、中胚葉性、内胚葉性の細胞系の表現型発
現マーカーを現す分化細胞種の誘導、以上を根拠として考えると、これらの細胞系は多能
性幹細胞の基準を満たす。これらの細胞の胚性抗原発現及び分化能は、マウス、霊長類、
ヒトの内部細胞塊に由来する胚性細胞の属性と極めて類似している。上記の結果は、胚性
細胞の特性と類似した特性を有する予備多能性幹細胞が成体ヒト内に存在することを示唆
している。
するまで、酵素結合免疫培養検定法(ELICA)を用いて検定し、推定上の骨格筋細胞
内に筋原性多能性マーカー、すなわち、サルコメア・ミオシン(MF−20)(図32D
)、抗骨格速筋型ミオシン(MY−30)(図32E、32F)、ミオシン重鎖の存在を
確認した(Young et al.1992a,b; Young, 1999)。細
胞内線維を有する二核多角形細胞と単核多角形細胞が出現する培養物を、平滑筋α―アク
チン(IA4)染色法でさらに評価した。二核多角形細胞(図32K)のα―アクチン染
色法では、心起源の表現型が示唆されるが、単核多角形細胞(図32L)のα―アクチン
染色法では、平滑筋細胞が暗示される(Eisenberg and Marchlan
d,1997)。複合屈折小胞を現す培養物は、スダンブラックB(Sudan Bla
ck―B) (図32M)及びオイルレッドーO( Oil Red―O) 染色法でさ
らに評価し、推定上の肥満細胞内に中性飽和脂質の存在を確認した(Human son
,1972 Young et al, 1993,1995;Young, 1999
)。細胞周囲のマトリックス・ハロー(暈)を有する円形細胞の集合体を発現する培養物
を、免疫化学染色と組織化学染色の両方を用いてさらに調べた。推定上の軟骨形成性系統
への分化決定済み細胞を、IX型コラーゲン(D19)(図32P)、11型コラーゲン(
HCII)(図32O)に対する抗体、及びコンドロイチン・サルフェイト・プロテオグ
リカンとケラタン・サルフェイト・プロテオグリカンの組織化学的染色、すなわち、pH
1.0のアルシアンブルー(Alcian Blue Blue, pH 1.0) (
図 32Q) 及び pH1.0のサフラニンO(Safranin−O,pH 1.0
)で確認した。pH1.0のアルシアンブルー及びpH1.0のサフラニンOを、さらに
(コンドロイチナーゼ−AC、ICN Biomedicals,クリブランド, オ
ハイオ州)などのコンドロイチン・サルフェイト・プロテオグリカン特異的分解酵素とケ
ラタン・サルフェイト・プロテオグリカン(ケラタナス、ICN)特異的分解酵素を組み
合わせて、推定上の軟骨細胞小節を取り囲む細胞外マトリック内で前記の特殊なプロテオ
グリカンの存在を確認した(Young et al.1989a, 1992b, 1
993,1995; Young,1999)。3次元マトリックス内もしくは3次元マ
トリックス上面、又は3次元マトリックス内とその上面の両方に包埋された細胞について
は、免疫化学的手法と組織化学的手法の両方を用いてさらに評価した。推定上の骨形成原
細胞系統への分化決定済み細胞を、骨サイアロン・プロテイン(WV1D1)(図32S
)とオステポンチン(MP111)(図32T)に対する抗体に前処理試薬としてEGT
A(エチレングリコール・ビス・[β―アミノエチル・エーテル]N, N, N’,
N’−テトラ酢酸、 シグマ)を添加して、フォン・コッサ染色(Silber Pro
tein,Chroma−Gesellschaft)(図32U)で検定して、推定上
の石灰化したスピクラ内にリン酸カルシウムの存在を確認した(Young et al
.,1989a,1992b,1993,1995)。
SE−1)(図33C)、前記神経系前駆体幹細胞マーカーネスチン(MAB353)(
図33C)、神経フィラメント(RT−97)(図33D)、ニューロン(8A2)(図
33E)などのニューロン表現型に対する抗体を用いてさらに評価した。前記ヒト幹細胞
が(神経)外胚葉起源の細胞を形成可能であることが、これらの抗体染色結果によって示
された。α−フェトプロテイン(HAFP)(図33L、33M)に対するヒト特異的の
抗体を用いて、肝臓(内胚葉)の分化決定を示唆する細胞内非屈折性細胞質小包を有する
単核細胞及び二核細胞をさらに調べた。陽性染色は、多能性ヒト幹細胞が内胚葉起源の細
胞を形成する潜在能力を有していることを示唆した。
生能力の維持、高いテロメラーゼ活性、及び骨格筋、平滑筋、心筋、脂肪細胞、軟骨、骨
、内皮細胞、神経幹細胞、ニューロン、内胚葉に対する表現型表示マーカーを現す分化細
胞種の誘導を根拠にして考慮すると、前期細胞は、多能性幹細胞の基準を満たす。さらに
、マウス、霊長類、ヒトから採取した胎児性細胞の特性と非常に似ている。この結果から
、ヒトをはじめとする出世後の動物が多能性胎児様細胞を維持していることが明らかにな
った。
雌性真皮由来のヒト細胞CF−NHDF2を(12回から47回までの)様々な回数の細
胞倍加で増殖させ、上記記載のような、多誘導性中胚葉、外胚葉、内胚葉、胚性系統につ
いて評価した。ヒト細胞CM−SkM2及びCF−SkN2を、12回の細胞倍加まで増
殖させた後、同様に評価した。結果を表12−16にまとめた。表12に、実験に用いた
様々な免疫細胞化学及び免疫組織学のマーカーのリストを示す。表13〜15に、様々な
培養条件下で細胞倍加を行ったヒト細胞CF−NHDF2の実験結果を示す。表16に、
異なる増殖条件下で細胞倍加を行ったヒト細胞CM−SkM2及びCF−SkM2の実験
結果を示す。
17に示す。
胞の存在と分離、内胚葉性、外胚葉性、中胚葉性の系統細胞への分化能を示す。
分離及び増殖 老人男性細胞は、PAL3と命名し、間葉幹細胞16,18を分離及び
培養するための基準プロトコルに従って、67歳の被験者から採取した骨格筋標本から分
離した。
0252, lot #16280,Clonetics,サンディエゴ、カリフォルニ
ア)の亜密集的な混合培養物として購入した。到着後直ぐに、前記細胞を、10%HS9
(ウマ血清、lot #90H―0701,Sigma)及び2 U/ml ADF (
抗分化因子、MorphoGenPharmaceuticals,Inc.ニューヨー
ク、ニューヨーク州)を含有する調整培地(CM)に移した。CMは、89%の(v/v
) Opti―MEM (GIBCO―BRL)、0.01 mMのβ―メルカプトエタ
ノール (Sigma、セントルイス、ミズリー州)、1% (v/v)の抗真菌性の抗
生物質溶液(ペニシリン10,000 units/ml、ストレプトマイシン10,0
00 mg/ml、ファンギソン(Fungizone)としてアンホテリシンB 25
mg/ml、 GIBCO―BRL)の組成からなり、pH7.4とした。細胞を、空
気95%、二酸化炭素5%の給湿環境において増殖させて、トリプシン16で放出し、9
0mmと20mmのNitex フィルター19を通して篩分けした後、7.5%(V/
V)ジメチルスルホキシド(DMSO,Morton Thiokol,デンバーズ、マ
サチューセッツ州)20を含有する培地中で凍結保存した。さらに間葉幹細胞16、18
の基準プロトコルに従って、両細胞群を増殖した。
凍結保存した細胞を融解し、1ウェルにつき1×103細胞を1%ゼラチン含有96穴
ウェルの平板(Cornig、コーニング、ニューヨーク州)15,16に撒いた。前記
細胞系を非誘導CMのみか、又はインスリンとデキサメタゾンの両方もしくはそのどちら
か一方を添加したCMを使用して、比較又は対照分析システムで培養し、誘導された表現
型発現7、15を確かめた。この測定法において、インスリンは、分化決定済み前駆細胞
の表現型発現を促進するが、多能性幹細胞での分化決定やその後の表現型発現の誘導には
影響がない。対照的に、デキサメタゾンは、多能性幹細胞での分化決定や表現型発現を誘
導するが、前駆幹細胞の表現型発現を変えない。
CM+10−6Mデキサメタゾン+インスリンに、それぞれ1%、5%、10%のウマ血
清を加えた培地で30〜56日間培養した。培地交換は、1週間に3度行った。表現型発
現における変化を視覚的にとらえて1週間に2度検証した。これらの変化を、免疫化学及
び組織化学的に解析した。
製品の指示書又は記載に従って培養した。21 胚性細胞、神経組織の外胚葉マーカー
、表皮、筋肉の中胚葉マーカー、軟骨、骨、線維芽細胞、内皮性細胞、内胚葉性マーカー
に特異的な下記の一次抗体で染色した。1)胚性細胞:段階特異的胚性抗原―1[MC―
480、発生生物学研究室ハイブリドーマ・バンク(Developmental St
udies Hybridoma Bank)、アオイワシティ、アイオワ州、DSHB
]、段階特異的胚性抗原―3[MC―631,DSHB]、段階特異的胚性抗原―4[M
C―813−70, DSHB]、ヒト癌胎児性抗原[HCEA, Sigma]、癌胎
児性抗原[CD66, Vector Laboratories,Inc. バーリン
ゲーム、カリフォルニア州];2)神経組織の外胚葉マーカー:神経前駆細胞[FORS
E―1, DSHB]、ネスチン−1[HNES、Chemicon、テメキュラ、カリ
フォルニア州]、ネスチン−2[Rat―401, DSHB]、ネスチン−3[MAB
353, Chemicon]、ニューロン[8A2, DSHB]、ニューロン・マー
カー[S―100,Sigma]、神経膠[CNPase, Sigma]、 ニューロ
フィラメント[RT97, DSHB]、ニューロフィラメント−200[N―200,
Sigma]、表皮:ケラチノサイト[VM―1,DSHB];3) 筋の中胚葉マー
カー:ミオゲニン [F5D, DSHB]、サルコメアミオシン[MF―20, DS
HB]、速筋型骨格筋ミオシン [MY―32, Sigma]、ミオチン重鎖[ALD
58, DSHB]、ミオシン強鎖[A4.74, DSHB]、 平滑筋αアクチン[
1A4,Sigma]、軟骨:11型コラーゲン[CIICI,DSHB]、11型コラ
ーゲン[II―4CII, ICN BiomedicalsInc、オーロラ、オハイオ
州]、IX型コラーゲン[D1―9,DSHB]、骨: 骨サイアロン・プロテイン−1
1[WV1D1,DSHB]、オステポンチン[MP111,DSHB]、線維芽細胞:
ヒト線維芽細胞特異的タンパク質 [1B10,Sigma]、内皮細胞:内皮細胞表面
マーカー[P 1 H 12, Accurate、ウェストベリー、ニューヨーク州]
、PECAM [P2B1,DSHB]、VCAM [P8B1,DSHB]、E−セレ
クチン [P2H3,DSHB]、ヒト特異的CD34シアロムチン[HCD34];
3) 内胚葉マーカー:ヒト特異的α−フェトプロテイン[HAFP,Vector]、
ヒト特異的胃腸フェイステル上皮特異的抗原[HESA,Sigma] 。二次抗体は、
ビオチン抗羊IgG抗体 [Vector]、もしくはビオチン抗マウスIgG 抗体[
Vector]からなるか、又はVecstatin ABC Kit [Vector
]に含まれる。第三プローブは、Vecstatin ABC Kit [Vector
]に含まれるアビジン−HRPからなる。ペルオキシダーゼ(Peroxidase)
[blue,Vector]用の不溶性HRP培養基であるSubstrate Kit
、DAB Substrate、 及び AEC Staining Kit [red
,Sigma]を用いて、抗体結合を視覚化した。様々な色の培養基を使い、同じ培養ウ
ェルで多種多様な染色を連続して実施可能にした。
上記に記載のように培養を続けた。15、22 pH1.0のアルシアンブルー6,1
6,23を用い、軟骨の特性であるコンドロイチン・サルフェイト及びケラタン・サルフ
ェイト・プロテオグリカンを同定した。スダンブラックB及びオイルレッドーO染色法6
、16,22,23を用い、脂肪細胞の特性である中性飽和脂質を同定した。フォン・コ
ッサ染色法6,16,23を用い、骨の特性であるリン酸カルシウムを同定した。
細胞は、継代17代目 (NHDF2) 及び39代目 (PAL3)を各々経て、進
行性の増殖16,20をした。NHDF2は70回を超える細胞倍加、PAL3は200
回を超える細胞倍加をし、その平均倍加時間は12〜24時間で、1世代あたり4〜6倍
加をした。上記のように、細胞を調べた。結果を前記に記載したように評価した。前記細
胞系は、ヘイフリックの限界(Hayflick’s Limit)を超えて増殖後も、
胚様細胞の同一性も、また誘導能力も消失しなかったことがこれらの結果から示唆される
。
ハイブリドーマ・バンク(the Developmental Studies Hy
bridoma Bank)から入手し、アイオワ大学生物科学部(Iowa City
,IA 52242で保有している。:MC―480(D. Solterにより開発)
、MC―631(D. Solterにより開発)、 MC―813―70(D. So
lterにより開発)、FORSE―1( P. Pattersonにより開発)、
RAT−401 (S.Hockfieldにより開発)、 8A2 (V. Lemm
onにより開発)、 RT97 (J. Woodにより開発)、 VM―1 (V.
B.Morhennにより開発)、F5D (W.E.Wrightにより開発)、MF
―20( D.A.Fischmanにより開発)、ALD58(D.A.Fischm
anにより開発)、A4.74(H. Blauにより開発)、 CIIC1 (R.
HolmdahlとK. Rubinにより開発)、 D1―9(X.―J.YeとK.
Teratoにより開発)、 WV1D1 (M.SolurshとA.Frazenに
より開発)、 MP 111 (M. SolurshとA. Frazenにより開発
)、 P2B 1 (E.A. WaynerとG.Vercellottiにより開発
)、 P8B1 (E.A. WaynerとT.LeBienにより開発)、P2H3
(E. A. WaynerとG.Vercellottiにより開発)
36年齢ヒト真皮線維芽細胞(CF―NHDF2, catalog #CC―251
1,lot #16280,Clonetics,サンディエゴ、カリフォルニア)を亜
密集的な培養物として女性成体真皮細胞を獲得した。到着後直ぐに、前記細胞を、平板培
養C(PM―C)に移した。PM―Cは、89% (v/v) のOpti―MEM 基
底培養(catalog #22600―050, GIBCO)からなり、その成分は
0.01 mMの β―メルカプトエタノール(Sigma) 、10% (v/v)ウ
マ血清(HS9,lot number 90H―0701,Sigma)、 1%の抗
真菌性抗生物質溶液(GIBCO)、2U/ml ADF (抗分化因子、 Morph
oGen Pharmaceuticals,Inc.ニューヨーク、ニューヨーク州)
で、pH 7.4とした。細胞を、空気95%/二酸化炭素5%、37℃の給湿性の部屋
におき、1週間に3回培地を交換して、増殖させて融合状態にした。細胞をトリプシンで
放出し、基準プロトコルに従って凍結保存した。凍結した細胞を融解し、PM−C培地内
に播き、融合状態まで増殖させ、トリプシンで放出し、再び培地に置き、融合段階まで増
殖させた。細胞を採取した。インスリンーデキサメタゾン分析及びフローサイトメトリ(
流動細胞光度測定法)用に、細胞に継代番号を付けて収集した。
以下の形態について、細胞を分析したのち培養物をスクリーニングした。:細胞質に対
する細胞核の比率が大きい小星状細胞(潜在的幹細胞)、双極細胞(潜在的筋芽細胞)、
紡錘細胞(潜在的線維芽細胞)、多核性直線細胞及び多核性分岐細胞(潜在的骨格筋管)
、細胞内フィラメントを有する単核多角形細胞(潜在的平滑筋細胞)、細胞内フィラメン
トを有する二核多角形細胞 (潜在心筋細胞)、屈折細胞内小疱を有する単核細胞(潜在
的脂肪細胞)、細胞内小疱を持たない単核細胞(潜在的内肺葉細胞)、丸石型様表現型の
単核シート状細胞(潜在的内肺葉細胞)、細胞周囲のマトリックス・ハロー(暈)を有す
る円形細胞(潜在軟骨細胞、細胞周囲のマトリックス・ハロー(暈)を有する円形細胞の
集合体(潜在的軟骨小節)、3次元マトリックス・ハロー(暈)を胞埋する円形集合細胞
(潜在骨小節)、網目状の細胞過程を有する単核細胞(潜在的ニューロン細胞)
各製品の指示書もしくは(Young et al.1998b)の記載に従って培養
を行った。培養物は、胚マーカー(アルカリ性ホスファターゼ)で以下のように染色した
。軟骨(コンドロイチン・サルフェイト・プリテオグリカン及びケラタン・サルフェイト
・プリテオグリカン)には、コンドロイチナーゼAC(ICN Biomedicals
,クリブランド、オハイオ州)又はケラタナーゼ(ICN Biomedicals)の
分解と共にアルシアンブルー(Alcian Blau 8GS,Chroma―Ges
ellschaft, Roboz Surgical Co.)とサフラニンO(Ch
roma Gesellschaft)をpH1.0として用い、細胞周囲と細胞外の両
方又はそのどちらか一方のマトリックスにあるコンドロイチン・サルフェイト・グリコサ
ミノグリカン又はケラタン・サルフェイト・グリコサミノグリカンの産生を検証した。脂
肪細胞(中性飽和脂質)には、スダンブラックB(Roboz Surgical Co
.ワシントン市.)及びオイル・レッドO(Sigma) を用い、骨(リン酸カルシウ
ム)に対しては、前処理としてのEGTA(エチレングリコール・ビス・ [β―アミノ
エチルエーテル] N,N,N’,N’−テトラ酢酸、Sigma)と混合して、フォン
・コッサ染色(Silber Protein, Chroma―Gesellscha
ft) を用い、推定上の石灰化した骨のスピクラ内にリン酸カルシウムの産生を検証し
た。純アルシアンブルー(Perf―AB)は Fisher―Aldrichから購入
した。pH1.0の アルシアンブルー(AB 1. 0)と サフラニンO(SO 1
. 0)とスダンブラックB(SBB)と フォン・コッサ(vK) は、Chroma
―Gesellschaft (Roboz)から購入した。
(Young et al. 1992b)の記載もしくは各製品の指示書に従って培
養を行った。筋、軟骨、骨、内皮細胞の指標となる中胚葉マーカー、外胚葉マーカー、及
び内胚葉マーカーのそれぞれに特異的抗体で培養物を以下のように染色した。中胚葉マー
カー:筋(ミオゲニン [F5D,発生生物学研究室ハイブリドーマバンク,DSHB]
、サルコメアミオシン[MF―20,DSHB]、速筋型骨格筋ミオシン[MY―32,
Sigma]、ミオチン重鎖[ALD―58, DSHB]、ミオシン強鎖[A4.7
4,DSHB]、平滑筋 (平滑筋αアクチン[1A4, Sigma])、軟骨(11
型コラーゲン[CIIC1, DSHB] とIX [D1―9, DSHB])、骨(
骨サイアロン・プロテイン [WV1D1, DSHB]、オステオポンチン[MP11
1,DSHB])、内皮細胞(内皮細胞表面マーカー[H Endo,Accurate
]);外胚葉マーカー: (内皮細胞[151―Ig, DSHB]、神経前駆細胞[F
ORSE―1, DSHB]、ネスチン[RAT―401,DSHB]、ニューロフィラ
メント[RT97, DSHB]、ニューロン[8A二,DSHB]);内胚葉マーカー
:(α−フェトプロテイン [HAFP,Chemicon]、上皮細胞[HA4cl9
, DSHB])
抗体 GAL―13、1A4、MY32、DE―U―10、HCEA、HESA、HF
SP、CNPase、S―100、N―200、OROは、Sigmaから購入した。H
―Endoは、AccurateScientificから購入した。HNESとMAB
353はChemiconから購入した。HC―IIはICNから購入した。H―AFP
、H―CD34、H―CD66、ALK―PHOSは、Vector Laborato
riesから購入した。MF―20はD.A.Fischmanによって、F5DはW.
E.Wrightによって、 WV1D1はM. SolurshとA.Frazenに
よって、MP111はM.SolurshとA.Frazenによって、CIIC1はR
.HolmdahlとK.Rubinによって、D1―9はX.―J.YeとK.Ter
atoによって、FORSE―1はP.Pattersonによって、RT97はJ.W
oodによって、8A2はV.Lemmonによって、RAT―401は、S.Hock
fieldによってそれぞれ開発され、(米国)分子遺伝学研究室(NICHD)の支援
で開発された発生生物学研究室ハイブリドーマ・バンクからすべて入手し、アイオワ市の
アイオワ大学生物科学部(The University of Iowa Depar
tmentofBiological Sciences,Iowa City,IA
52242)で保有し、MC―480、MC―631、MC―813−70はすべて認識
胚性抗原であり、またすべて発生生物学研究室ハイブリドーマ・バンクから入手した。A
LD―58、A4.74、P2B1、P8B1、P2H3、 VM―1もまた発生生物学
研究室ハイブリドーマ・バンクから入手した。
拡大自己更新及び多系列分化の能力をもつ多能性幹細胞は、細胞分化、増殖及び分化に
対する細胞の応答、又は細胞分化決定因子の研究のため及び、因子、作用物質又は化合物
を同定し特徴づけする検定システム又は方法において及びいずれかのかかる因子、作用物
質、化合物などをコードする遺伝子又は細胞の増殖、分化及び分化決定に関与する遺伝子
を同定する上で、独特かつ有用な細胞供給源である。
始原幹細胞、始原幹細胞クローン及び多能性幹細胞クローンの混合個体群にアクセスで
きれば、これらの幹細胞の成長特性及び表現型発現に対するさまざまな生物活性因子(例
えば組換え型成長因子、精製化合物及び新規誘発因子)の影響に取組むことが可能である
。初期の研究では、我々は、これらの細胞を用いて14の生物活性因子を単独で及び組合
わせた形でテストした(表18)。3つの一般的な活性カテゴリ(増殖、分化決定及び分
化発達)が示された。BFは、刺激物質又は阻害物質効果のいずれかを生み出すことがで
きた。効果は、全ての系列全体にわたり一般的であるか又は単数又は複数の特異的組織系
列に制限されているかのいずれかであり得るものであった。
対し測定可能な効果を全く示さなかった。血小板由来の成長因子−AA(PDGF−AA
)及び血小板由来の成長因子−BB(PDGF−BB)は、多能性幹細胞において及び多
能性幹細胞の全ての系列において増殖を刺激した。血小板由来の内皮細胞成長因子(PD
ECGF)は、使用された検定条件下で、始原細胞又は多能性幹細胞のいずれに対しても
測定可能な効果を全く示さなかった。塩基性線維芽細胞成長因子(b−FCF)及び形質
転換成長因子−β−(TGF−β)は、線維形成性始原細胞内で分化発達を刺激し、その
他の全ての始原細胞内で分化発達を阻害し、多能性細胞内では全く効果がなかった。デキ
サメタゾン(Dex)は、多能性幹細胞内で増殖を抑制し、多能性細胞内で一般的分化決
定を刺激し、全ての始原細胞内で分化発達の弱い刺激物質として作用した。筋形態形成タ
ンパク質(MMP)は、多能性細胞内では特異的筋原性分化決定作用物質として、筋原性
始原細胞内では分化発達の弱い刺激物質として作用し、その他の系列に決定された始原細
胞に対しては全く効果をもたなかった。骨形態形成タンパク質−2(BMP−2)は、多
能性細胞内では特異的軟骨形成分化決定作用物質として、又軟骨形成始原細胞内では分化
発達の弱い刺激物質として作用し、その他の系列に決定された始原細胞に対しては全く効
果をもたなかった。(ウシ胎児血清(FCS)(Atlantic Biologica
ls、 ロット3000L)内に存在し我々が同定した)線維芽細胞形態形成タンパク質
(FMP)は、多能性細胞内では特異的線維形成分化決定作用物質として、線維形成始原
細胞内では分化発達の刺激物質として作用し、その他の系列に決定された始原細胞に対し
ては全く効果をもたなかった。瘢痕阻害因子(SIF)は、多能性細胞に対するFMPの
分化決定活性の特異的阻害物質として、又線維形成始原細胞内では進行に対するFMPの
分化発達活性の特異的阻害物質として作用し、その他の系列についての系列誘発又は分化
発達に対しては全く効果をもたなかった。抗分化因子(ADF)は、多能性細胞に対する
分化決定活性の一般的阻害物質及びPCに対する分化発達活性の一般的阻害物質として作
用した。インシュリン、インシュリン様成長因子−I(IGF−I)及びインシュリン様
成長因子−II(IGF−II)は、全ての始原細胞内で分化発達を刺激したが、多能性
細胞に対する測定可能な効果は全くなかった。成長因子−β及び塩基性線維芽成長因子は
、線維形成始原細胞内で分化発達を刺激し、その他の全ての始原細胞内で分化発達を阻害
し、多能性細胞に対しては全く効果をもたない。
我々は、マウス多能性幹細胞クローン内でのMMPによる筋形成の誘発を検査するため
にノーザンブロット分析を使用した。我々は同様に、ヒト間葉幹細胞内でのCDマーカー
転写を検査するためにもこの技術を使用した。MMPは、出生前マウス多能性幹細胞クロ
ーンであるSwiss−XYP−7内でのマイオジェニン及びMyoD1遺伝子の発現の
ためmRNAの転写を誘発した(Rogers ら、 1995;Young ら、 1
998a)。ノーザンブロット分析は同様に、アミノペプチダーゼ(CD13)、神経細
胞付着分子(CD56)、及びThy−1(CD90)が、出生前及び出生後の両方のヒ
ト間葉幹細胞内で細胞収獲時点で活発に転写されていることを示した(先行例を参照のこ
と)。
性幹細胞、それに由来する細胞又は既知の又は未知の生物活性因子に対する露呈後のいず
れかのかかる細胞の中で発現された遺伝子のcDNAライブラリ又は示差的表示を生成す
るために、類似のかかる研究を利用することも可能である。
特定の細胞型を特徴づけし同定する上で、組織学的、機能的、免疫学的及び発現(例え
ばmRNA発現など)分析の組合せを利用することができる。例えば、特定の増殖、分化
決定又は分化発達能力に関する既知の又は未知の生物活性因子を特徴づけするにあたって
は、多能性胚種様幹細胞の固有の能力を特徴づけする上での先行例に示された特徴づけと
同様に、これらの分析を利用することができる。表19は、細胞型を特徴づけする上で利
用可能と思われる組織学的、免疫学的及びcDNAプローブのマーカーの一覧表を提供し
ている。
(材料及び方法は、以下に記す場合を除き、上述の通りである)。
始原細胞及び多能性幹細胞を分離するため、結合組織を含む標本を無菌状態で収獲し、
付加的な2倍の抗生物質−抗真菌性溶液を含む間葉幹細胞−1内で無菌フードまで輸送し
た(Lucas ら、 1995)。間葉幹細胞培地は、89%(v/v)の培地〔Ea
rle の塩を伴うイーグル最小必須培養液、EMEM(GIBCO,Grand Is
land, NY)(Young ら、 1991)又は、0.01mMのβ−メルカプ
トエタノールを含むOpti−MEM(GIBCO)(Sigma Chemical
Co., St., Louis, MO)(Young ら、 1998c,e)〕と
それに追加された10%の血清〔HS7(ロット番号17F−0218、Sigma)、
HS4(ロット番号 49F−0082、Sigma)、HS3(ロット#3M0338
、Bio−Whittaker, Walkersville, MD)(Young
ら、 1998e)といったような予備選択されたウマ血清、又は2U/mlの抗分化因
子を含む任意の非選択血清(ADF,Morphogen Pharmaceutica
ls, Inc., New York, NY)(Young ら、 1998c,e
)〕、1%の抗生物質−抗真菌性溶液〔10,000単位/mlのペニシリン、10,0
00μg/mlのストレプトマイシン及びFungizon、 GIBCOといったよう
な25μg/mlのアンフォテリシンB〕(Lucas ら、 1995)、pH7.4
から成る。組織標本を10mlの間葉幹細胞−1中に置き、入念に細かく切り刻む。切り
刻んだ後、組織懸濁液を20分間50×gで遠心分離に付す。上清を廃棄し、細胞ペレッ
トの体積について見積りを行なう。細胞ペレットを、7ペレット体積のEMEM(又はO
pti−MEM+0.01mMのβ−メルカプトエタノール)及び2ペレット体積のコラ
ゲナーゼ/ディスパーゼ溶液の中で再懸濁させて、酵素作用により細胞を放出させる(L
ucas ら、 1995)。コラゲナーゼ/ディスパーゼ溶液は、100mlのディス
パーゼ溶液(Collaborative Research, Bedford, M
A)に添加した50mlのEMEM(又はOpti−MEM+0.01mMのβメルカプ
トエタノール)中の37,500単位のコラゼナーゼ(CLS−1、Worthingt
on Biochemical Corp., Freehold, NJ)から成る。
最終的に得られた濃度は、250単位/mlのコラゲナーゼと、33.3単位/mlのデ
ィスパーゼであった(Young ら、 1992)。結果として得られた懸濁液を37
℃で1時間撹拌して細胞を分散させ、300×gで20分間遠心分離させる。上清を廃棄
し、組織ペレットを20mlの間葉幹細胞−1内で再懸濁させる(Lucasら、199
5)。細胞を90μm及び20μmのNitex を通してふるいがけし、単一の細胞懸
濁液を得る(Youngら、1991)。細胞懸濁液を10分間150×gで遠心分離し
、上清を廃棄し、細胞ペレットを10mlの間葉幹細胞−1内で再懸濁させる(Luca
sら、1995)。細胞生存度をトリパンブルー排除検定により決定する(Youngら
、1991)。細胞を、1%のゼラチンで被覆された(EM Sciences, Gi
bbstown, NJ)100mm培養皿(Falcon, Becton−Dick
inson Labware, Franklin Lakes, NJ)又はT−75
培養フラスコ(Falcon)あたり細胞105個の割合で播種する。95%空気/5%
CO2の加湿された環境の中で37℃で密集性に至るまで、細胞培養を増殖させる。密集
状態になった時点で、細胞をトリプシンで放出させ、凍結保存する。−70℃〜−80℃
の最終温度が達成されるまで7.5%(v/v)のジメチルスルフォキシド(DMSO,
Morton Thiokol, Danvers, MA)を含有する間葉幹細胞−1
中で細胞低速凍結させる(毎分1度の温度降下)(Young ら、 1991)。
凍結保存した細胞を融解し、標準的プロトコルに従ってゼラチンで被覆された24ウェ
ルの平板のウェル1個あたり5、10又は20×103個の細胞の割合で、間葉幹細胞−
1内で平板固定する。初期平板固定から24時間後に、培地をテスト用培地(TM)1〜
6(TM−1、TM−2、TM−3、TM−4、TM−5又はTM−6)へと変更する。
TM−1〜TM−4は、Ultraculture(カタログ番号12〜725B、ロッ
ト番号、OMO 455〔TM−1〕、1M1724〔TM−2〕、2M0420〔TM
−3〕又は2M0274〔TM−4〕、Bio−Whittaker, Walkers
ville, MD)、培地(EMEM又はOpti−MEM+0.01mMβ−メルカ
プトエタノール)及び1%の(v/v)抗生物質−抗真菌物質、pH7.4から成る。T
M−5は、98%(v/v)の培地、1%(v/v)HS及び1%(v/v)抗生物質−
抗真菌物質、pH7.4から成る。TM−6は、98.5%(v/v)の培地、0.5%
(v/v)のHS及び1%(v/v)の抗生物質−抗真菌物質、pH7.4から成る。U
ltraculture: 培地(EMEM又はOpti−MEM+0.01mMのβ−
メルカプトエタノール):抗生物質(+抗真菌物質)を複数の比率で含むテスト用培地は
、最低30日最高120日の培養期間について「定常状態」条件下で始原細胞及び多能性
細胞の両方を維持した。さまざまな濃度のUltracultureを各々含む4つのテ
スト用培地(TM#’s1〜4)を使用した。各テスト用培地中に存在するUltrac
ulture対培地対抗生物質の比率は、鳥の始原細胞及び多能性細胞の両方の個体群の
中で定常状態条件を維持するその能力に基づいて、各々のUltracultureロッ
トについて経験的に決定された。4つのUltracultureベースのテスト用培地
は、以下の通りであった:TM−1=15%(v/v)Ultraculture(ロッ
ト番号OMO455);84%(v/v)培地;1%(v/v)抗生物質;TM−2=1
5%(v/v)Ultraculture(ロット番号1M1724);84%(v/v
)培地;1%(v/v)抗生物質;TM−3=50%(v/v)Ultracultur
e(ロット番号.2M0420);49%(v/v)培地;1%(v/v)抗生物質;及
びTM−4=75%(v/v)Ultraculture(ロット番号2M0274);
24%(v/v)培地;1%(v/v)抗生物質。間葉幹細胞−1培地中のあらゆる潜在
的共力成分を洗い出すために、テスト用培地単独の中での24時間の予備インキュベーシ
ョンを使用する。24時間後に、テスト用培地を次のもののうちの1つに変更する。対照
として、TM−1〜TM−6が単独で用いられる。始原細胞のクローンを同定するために
は、始原細胞内の表現型発現マーカーの出現を加速する作用物質である2μg/mlのイ
ンシュリン(Sigma)を含むTM−1〜TM−6で培地を置換する(表18)。多能
性細胞のクローンを同定するためには、一般的な非特異的系列誘発作用物質である10−
10〜10−6Mのテキサメタゾン(Sigma)を含むTM−1〜TM−6で培地を置
換する(表19)。対照及び処理対象培地は、一日置きに培地を変更して、さらに30〜
45日間増殖させる。実験一回、濃度1つあたり4つの培養ウェルを使用する。0〜45
日の期間中、培養を毎日のベースで形態的特徴の変化について主観的に検査する。表現型
発現の改変は処理日数及び付随するインシュリン又はデキサメタゾン濃度と相関される。
その後、立証された組織学的、機能的/組織化学的、ELICA/フローサイトメトリ、
及び分子検定を用いて表現型発現マーカーを客観的に確認するためこれらのパラメータを
利用して、実験を反復する(表19)。
順のリストである。リストアップされた参考文献ならびにその他の出版物の開示、本書で
挙げた特許開示又は文書は全て、本書中にその全体が参考として内含されている。
階段希釈クローン原生分析を用いた以前の研究が、出生後のラット骨格筋に付随する結
合組織から分離された予備多能性間葉幹細胞(PPMSC)のクローン個体群の存在を報
告した。同様に階段希釈クローン原生分析を用いる現行の研究は、多能性幹細胞のもう1
つのクローン個体群の存在を報告している。これら2つのクローン細胞系統間の比較分析
は、類似性と差異を実証している。インシュリン/デキサメタゾン生物検定によって見極
められるように、両方のクローン細胞系統共、系列が決定されていない。両方のクローン
細胞系統共、外因性作用物質によって活性化されないかぎり血清を含まない培地内で静止
状態にとどまる。そして両方のクローン細胞系統共、Hayflickの限界を超えて拡
大自己更新能力をもつ。PPMSCクローンは、密集状態で接触阻害される。これとは対
照的に、本書に報告されているクローンは接触制限されておらず、密集状態を超えて増殖
し続けることになる。両方のクローン細胞系統は共に中胚葉由来の細胞(すなわち骨格筋
、平滑筋、脂肪、軟骨、骨)を形成することになるが、一方本書で報告されるクローンは
同様に、外胚葉由来(すなわち神経幹細胞、神経細胞)及び内胚葉由来(すなわち肝細胞
)の細胞をも形成する。3つの一次胚葉から細胞を形成するその潜在能のため、我々はこ
の出生後ラットクローンを多能性原外胚葉様予備幹細胞と呼称した。この研究は、出生後
の哺乳動物の体内の胚様予備幹細胞の保持及び、身体組織の正常な維持、修復及び再生に
おけるそれらの潜在的関与を示唆している。
胚幹細胞は、ヒトを含む霊長類とげっ歯類の尾胞、内部細胞塊及び生殖腺隆線内で同定
された(Evans ら、1981;Martin, 1981;Thomson ら、
1995,1998;Shamblott ら、1998;Gearhart ら、19
99)。分離の後、これらの未分化細胞は、胚幹細胞抗原、陽性アルカリホスファターゼ
染色、拡大自己更新能力及びテロメラーゼ活性についての免疫学的マーカーを発現する。
in vitroでの発現が許された時点で、これらの細胞は、外胚葉、中胚葉及び内胚
葉由来の組織についての免疫学的マーカーを発現する(Thomson ら、1995,
1998;Shamblott ら、1998;Gearhart ら、, 1999)
。しかしながら、in vivoで移植された時点で、胚幹細胞は、自然発生的奇形腫を
形成する(Thomson ら、1998;Grearhart ら、1999)。これ
らの独特の性質のため、胚幹細胞は、組織移植のためのドナー細胞の供給源として提案さ
れてきた(Thomson ら、1995,1998;Shamblott ら、199
8;Gearhart ら、1999)。
出生後ラット結合組織由来の幹細胞
出生後Spragne−Dawleyラットからの骨格筋を、単核細胞の分離、平板固
定、密集状態までの増殖、トリプシン放出及び凍結保存のために処理した(Young
ら、.2000a)。細胞を反復的に融解し、50の細胞倍加に達するまで膨張させた(
Young ら、1991,1993,1998b;Young 2000)。個々のク
ローンは、階段希釈クローン原生分析によって生成された(Young ら、2000a
)。各回のクローニングは、約20の細胞倍加という結果をもたらした。かくして、4回
のクローニングは、結果として得られたクローンの中で約80の細胞倍加をもたらした。
結果としてのクローンを増殖させ、トリプシンで放出させ、アリコートにし、凍結保存し
た(Young ら、1993,1998a,2000a;Rogers ら、1995
)。本書で報告したクローンをラット−A2B2と呼称し、130の細胞倍加の後、多能
性について徹底的に検査した。
分化決定された始原幹細胞又は分化未決定な多能性幹細胞のいずれかとしてのその同一性を見極めるために、無血清培地及びインシュリン及びデキサメタゾンを含有する無血清培地を用いて、ラット−A2B2を検査した。インシュリン、インシュリン様成長因子−I及びインシュリン様成長因子−IIといったような進行因子は、始原細胞内で表現型発現を加速するが、多能性幹細胞内の表現型発現の誘発に対しいかなる効果をもたない。(Young ら、1993,1998b;Young,2000)。これとは対照的に、デキサメタゾン、骨形態形成タンパク質−2及び筋形態形成タンパク質といったような系列誘発作用物質は、分化決定及び多能性細胞内での発現を誘発するが、始原細胞内での表現型発現は改変させない(Young ら、1993,1998a,b,1999,2000a;Young 2000)。従って、培養中に始原細胞が単独で存在する場合、デキサメタゾンでインキュベートされたものに比べて、インシュリン内でインキュベートされた培養について、発現された表現型の差異は全く存在しないことになる。培養が始原細胞及び多能性細胞の両方を含んで混合された場合には、インシュリンで処理されたものに比べデキサメタゾンで処理された培養中には、発現された表現型により大きな変動が存在することになる。培養が多能性細胞を単独で含有する場合、インシュリン処理された培養中には、発現された表現型が全く存在しなくなる。デキサメタゾンで処理された類似の培養は、多数の表現型の発現を示すことになる。かくして、デキサメタゾンとインシュリンの処理の効果を比較することによって、未知の細胞個体群の中の特定のタイプの始原細胞及び多能性細胞同定することができる(Young ら、1992,1995;Lucas ら、1993,1995;Pate ら、1993;Rogers ら、1995;Warejcka ら、1996)。
000a),24時間付着させ、24時間無血清テスト用培地に移して完全培地内の何ら
かの潜在的共力成分を洗い出し、その後、テスト用培地を単独で使用した。始原幹細胞を
同定するため、テトス用培地に2mg/mlのインシュリン(Sigma, St. L
ouis, MO)を添加した。多能性幹細胞を同定するため、テスト用培地に対し10
−10から10−6Mのデキサメタゾン(Sigma)を添加した。多能性幹細胞をさら
に同定するため、2mg/mlのインシュリン及び10−6Mのデキサメタゾンを含むテ
スト用培地に対し、多数の誘発作用物質を含有するものとして知られている選択された血
清(Young ら、1998a,b)を添加した。使用した選択された血清はHS9(
90H−0701,Sigma)及びHS10(MorphoGen Pharmace
uticals, Inc., San Diego, CA)であった。対照及び処理
済み培養を、一日おきに培地を変更して、さらに30〜45日間増殖させた。1回の実験
、濃度1つにつき3〜6個の培養ウェルを使用した。30〜45日の期間中、細胞の形態
の主観的分析を用いて、培養を毎日検査した。この研究で指摘された形態的変化は、以前
の研究からの徹底的な検査に基づくものであった(Young ら、1991,1992
a,b,1993,1995,1998a,b,1999,2000a,b;Young
, 2000)。表現型発現の改変(以下参照)を、処理日数及び利用された外因性作用
物質の濃度と相関させた。
さまざまな立証済みマーカーの存在を客観的に確認するため、これらのパラメータを用い
て実験をくり返した(精査、Young ら、1992b,1998a,b,1999,
2000a,Young, 2000)。培養をメーカーの指示に従ってか又は記述通り
に処理した(Young ら、1992b,2000a)。細胞は、Nikon TMS
、倒立位相差/明視野顕微鏡を用いて撮影した。
中胚葉表現型についての我々の標準的な形態学的生物検定(Youngら、1998a
,b,1999,2000a;Young, 2000)は、外胚葉及び内胚葉系列に属
する潜在的な分化した細胞型を内含するように増強された。検定全体を通して以下の形態
について、培養をスクリーニングした。
試験的に同定した。アルカリホスファターゼ(Vector Laboratory)組
織化学を用いて、確認を達成した。
験的に同定した。神経外胚葉系列の表現型マーカーに特定的な抗体を用いて、免疫化学的
染色により、神経細胞関連細胞型を確認した。これらの抗体は、神経細胞前駆体細胞[F
ORSE−1、DSHB(Tole ら、1995a,b)]ネスチン[RAT−401
、DSHB(Hockfield 及び Mckay,1985)]、神経フィラメント
[RT97,DSHB(Wood及びAnderton, 1981)]、神経細胞[8
A2,DSHB(Drazba ら、1991)]、及び乏突起膠細胞(Rip, DS
HB( )]に特徴的なエピトープを染色した。上皮関連細胞型を、上皮成長因子レセプ
タ〔151−Ig,DSHB〕について免疫化学的に染色することによって確認した。
マイオジェニンについての抗体を用いて確認した〔F5D、DSHB(Wrightら、
, 1991)〕。
は、筋節ミオシン[MF−20、DSHB(Bader ら、1982)]、速−骨格筋
ミオシン[MY−32,Sigma (Naumann and Pette, 199
4)]、ミオシン重鎖[ALD−58、DSHB(Shafiq ら、1984)]、及
びミオシン高速鎖[A4、74、DSHB(Webster ら、1988)]について
の抗体染色により確認した。
した。平滑筋アルファアクチンについての抗体染色により、平滑筋表現型を確認した[1
A4、Sigma (Skalli ら、1986)]. 推定上の脂肪細胞を、細胞内
屈折小胞を伴う単核細胞として、試験的に同定した。脂肪細胞は、スーダンブラック−B
(Chroma−Gesellschaft, Roboz Surgical Co,
Washington, DC)及びオイルレッド−O(Sigma)(Young
ら、1998a,b,1999,2000a;Young 2000)での組織化学的染
色を介して飽和した中性脂質含有細胞内小胞の存在によって確認された。
を試験的に同定した。軟骨小結節は、組織化学染色及び免疫化学染色の両方によって確認
された。組織化学的には、細胞周囲及び/又は細胞外マトリクス内のコンドロイチン硫酸
及びケラチン硫酸を伴うグリコサミノグリカン側を含むプロテオグリカンを染色すること
によって、軟骨小結節を視覚化した。これは、pH1.0でアルシアンブルー (Alc
ian Blau 8GS,Chroma−Gesellschaft, Roboz
Surgical Co.) 又はサフラニン−O (Chroma −Gesells
chaft)を用いて達成された。細胞外マトリクス内にある軟骨に特異的なグリコサミ
ノグリカンの検証は、コンドロイチナーゼ−AC(ICN Biomedicals,
Cleveland, OH)及びケラチナーゼ(ICN Biomedicals)
での材料の消化の後の染色の喪失によって確かめられた(Young ら、1989a,
b,1993,1998a,b,1999,2000a;Young 2000)。免疫
化学的には、軟骨形成表現型は、II型コラーゲン[CIIC1,DSHB(Holmd
ahl ら、(1986)]及びIX型コラーゲン[D1−9,DSHB(Ye ら、1
991)]に対する抗体についての、まずは細胞内そしてそれに続いて細胞外の染色によ
って確認された。
節を試験的に同定した。骨小結節は、組織化学的及び免疫化学的染色の両方により確認さ
れた。組織化学的には、von Kossa (Silber Protein, Ch
roma−Gesellschaft)手順を用いてリン酸カルシウムについての細胞外
マトリクスの陽性染色により、骨形成原表現型を検証した。細胞外マトリクス内のリン酸
カルシウムの存在の検証は、EGTA(エチレングリコール−ビス−[b−アミノエチル
エーテル〕N,N,N′,N′−四酢酸、Sigma)、特異的カルシウムキレート化剤
(Young ら、1998a,b,1999,2000a;Young, 2000)
での予備処理後のvon Kossa 手順による陽性染色の消滅により確認された。免
疫細胞化学的には、骨形成原表現型は、骨シャロタンパク[WV1D1,DSHB(Ka
sugai ら、1992)]及びオステオポンテン[MP111,DSHB(Gors
ki ら、1990)]に対する抗体にについての、まずは細胞内そしてその後細胞外の
染色により確認された。
た。アルファフェトプロテイン[RAFP,Chemicon (Mujoo ら、19
83)]についての抗体染色により、肝細胞表現型を確認した。
RMHC−I,Chemicon (Rubin ら、1984;Prabhala a
nd Wira,1995)]についても、培養を染色した。
オチニル化抗ヒツジIgG(Vector)、 ビオチニル化抗マウスIgG(Vect
or Laboratory, City, State)で構成されていた。三次プロ
ーブは、Vecstatin ABCキット(Vector) 内に収納されたアビジン
−HRPで構成されていた。抗体結合を視覚化するために、ペルオキシダーゼのための不
溶性HRP基質VIP基質キット(青、Vector)、ペルオキシダーゼのためのDA
B基質(黒、Vector)及びAEC染色キット(赤、Sigma)を使用した。同じ
培養ウェルの多数の逐次的染色を可能にするため、異なる色のついた基質を利用した。
P.Pattersonにより開発されたFORSE−1,S.Hockfield
により開発されたRAT−401,J.Wood により開発されたRT−97,V.
Lemmon により開発された8A2,S.Hockfield により開発された
Rip, A.Hubbardにより開発された151−Ig,W.E.Wrightに
より開発されたF5D,D.A.Fischmanにより開発されたMF−20,D.A
.Fishman により開発されたALD−58,H.M.Blauにより開発された
A.4.74,R.Holmdahl及びK.Rubin により開発されたCIIC1
,X.−J. Ye及びK.Teratoにより開発されたD1−9,M.Solurs
h 及びA.Frazenにより開発されたWVID1及びM.Sooursh及びA.
Frazenにより開発されたMP111といった抗体を、NICHDの賛助の下で開発
されたDevelopmental Studies Hybridoma Bankか
ら入手し、アイオワ大学生物学部、Iowa City, IA52242により維持し
た。
130の細胞倍加から出発して、ラット−A2B2クローンを融解し、ゼラチンで被覆
されたT−25フラスコ1本あたり100×103細胞の割合で平板固定した。細胞を、
密集後状態(7〜8日)まで増殖させ、トリプシンで放出させた(Young ら、.
1999,2000a)。細胞数は、フラスコ1本につき5〜6.5×106細胞又は一
継代あたり5〜6細胞倍加の範囲内にあった。倍加時間は平均18〜24時間であった。
細胞を約1〜11×106細胞/mlでアリコートにし、凍結保存した。密集を超えた増
殖、トリプシンでの放出及び凍結保存の手順をさらに12継代、つまりクローニング後6
8の細胞倍加全体を通して反復した。こうして130の細胞倍加開始数と合わさって、1
98の細胞倍加を受けた細胞クローンが結果としてもたらされた。130〜198細胞倍
加の各継代間隔で、細胞アリコートを、インシュリン及びデキサメタゾンと共に30〜4
5日間インキュベートし、形態学的、組織化学的及び免疫化学的に検査した。
検定した。細胞を融解し、ゼラチンで被覆されたT−75フラスコ1本あたり100〜1
03細胞の割合で平板固定し、密集状態を超えて成長させた。トリプシリ放出により細胞
を収獲し(Young ら、, 1999),Telomerase検出キット(Qia
gen kit)内にメーカーが記述したとおりに、テロメラーゼ活性のため細胞を処理
した。
分化能力
当初の(130細胞倍加)及び膨張した(130〜198の細胞倍加)比較/対比分析
システムの両方において、インシュリン、テキサメタゾン及び/又は選択された血清での
インキュベーションの前後に、ラット−A2B2クローン細胞系統を分析した。平板固定
から24時間後の培養の観察は、クローンA2A2(PPMSC)細胞系統の細胞サイズ
の約1/4〜1/2の非常に小さな細胞を明らかにした。これらのさらに小さな細胞は、
大きい核対細胞質比を表わした。6週間の無血清テスト用培地内でのラット−A2B2ク
ローンのインキュベーションは、細胞数の顕著な増大を結果としてもたらさず、平板固定
から24時間後の細胞と同等の形態をもたらした。ラット−A2B2クローンを6週間イ
ンシュリンを伴うテスト用培地内でインキュベートした結果、接触阻害の喪失を実証する
特徴の無い細胞の多重層がもたらされた。この多重細胞層は、アルカリホスファターゼ活
性についての陽性の染色を実証した(表20)。これとは対照的に、デキサメタゾンを伴
うテスト用培地、デキサメタゾン+インシュリンを伴うテスト用培地又はデキサメタゾン
+インシュリン+選択された血清を伴うテスト用培地内でのラット−A2B2のインキュ
ベーションは、アルカリホスファターゼ染色の喪失、ただし分化した表現型の発現、を結
果としてもたらした。外胚葉、中胚葉及び内胚葉系列のためのマーカーを示す細胞が観察
された。例えば、外胚葉系列マーカーを表示する細胞は、神経前駆体細胞、ネスチン、神
経フィラメント、神経細胞、乏突起膠細胞及び上皮成長因子レセプタについての抗体を用
いて同定された。中胚葉系列マーカーを表示する細胞は、筋原性系列についてはマイオジ
ェニン、筋節ミオシン、速骨格筋ミオシン、ミオシン重鎖、ミオシン高速鎖及び平滑筋ア
クチン;脂肪細胞については飽和中性脂質;軟骨形成系列については硫酸化プロテオグリ
カンを含むII型コラーゲン、IX型コラーゲン及び軟質小結節;及び骨形性原系列につ
いては骨シャロタンパク、オステオポンチン及びリン酸カルシウムを含有する骨小結節に
ついての抗体又は組織化学染色を用いて、同定された。内胚葉系列マーカーを表示する細
胞は、肝細胞についての抗体を用いて同定された。外胚葉、中胚葉及び内胚葉系列細胞型
を惹起する全ての処理は、分化された細胞としてそれらを識別するラット特異的主要組織
適合性複合体−I(RMHC−I)エピトープを誘発した(表7)。
その多能性状態を維持しながらの拡大自己更新のための能力を決定するべく、130の
細胞倍加後の12の継代の各々において、ラット−A2B2を検定した。各継代の後、ラ
ット−A2B2クローンを、インシュリン/デキサメタゾン生物検定において、上述のと
おり処理した。結果は、検定した全ての継代レベルにおいて同等で識別不能であった。
テロメラーゼ活性
テロメラーゼ活性の有無について198の細胞倍加でラット−A2B2を検定した。図
2に示されているように、テロメラーゼ活性は、この198の細胞倍加数で、幹細胞内に
比較的高レベルで存在していた。
出生後の多能性幹細胞
出生後のラットの骨格筋に付随する結合組織から分離された細胞の段階希釈クローン原生分析は、多数のクローンを生成した。この研究では、ラット−A2B2と呼称された1つのクローンが検査された。ラット−A2B2は、インシュリンを伴う又は伴わない長期インキュベーションに続く星状形態の改変を示さなかった(表20)。無血清培地又はインシュリンのいずれに対しても応答が欠如していたことは、このクローンが分化決定された始原幹細胞でないことを示唆していた(Young ら、1998a,b,1999,2000a;Young,2000)。これとは対照的に、これらの細胞によるアルカリホスファターゼ活性の発現は、これらの細胞が、胚幹細胞と一部の属性を共有していることを示唆していた(Thomas ら、1998;Gearhart ら、1999)。実際、インシュリン及び選択された血清を伴う又は伴わない状態でのデキサメタゾンとのインキュベーションは、表現型発現の改変を惹起した(表20)。これらの結果は、このクローンが、或る形の分化未決定な多能性幹細胞であることを示唆していた。中胚葉分化細胞型のみを実証したPPMSCクローン−A2A2(Young ら、2000a)とは対照的に、ラット−A2B2で指摘された表現型改変は3つの一次胚葉全て、すなわち外胚葉、中胚葉及び内胚葉について示された(表20)。指摘された表現型改変には、神経前駆体細胞、ネスチン、神経フィラメント、神経細胞、乏突起膠細胞、上皮成長因子レセプタ、筋芽細胞、骨格筋、平滑筋、脂肪細胞、軟骨、骨及び肝細胞の出現が含まれていた。外胚葉、中胚葉、及び内胚葉系列細胞型を惹起する全ての処理は、同様に、分化された細胞を同定するラット特異的主要組織適合性複合体−I(RMHC−I)エピトープをも誘発した(表20)。拡大自己更新についてクローンテストした時点で、我々は、その分化潜在能力の偏差を全く認識しなかった。最後に、198の細胞倍加で、ラット−A2B2はテロメラーゼ活性を実証した。
発現及び3つの一次胚葉全てから分化された細胞を形成する潜在能力のため、この出生後
ラットクローンラット−A2B2を多能性原外胚葉様幹細胞(PPELSC)と呼称した
。
ーゼ活性、自然発生的分化及び外胚葉、中胚葉及び内胚葉由来の細胞に分化する能力を実
証している(Thomson ら、1995,1998;Gearhart ら、199
9)。胚幹細胞のその他の側面については、この研究では直接取組まれなかった。これら
の側面としては、in vivoで移植された場合の自然発生的奇形腫の形成又は胚幹細
胞抗原についての免疫学的マーカーが含まれていた(Thomas ら、1995,19
98;Gearhart ら、1999)。しかしながら、この研究からのデータ(アル
カリホスファターゼ活性、自己更新のための拡大された能力、テロメラーゼ活性及び三つ
の一次胚葉全てから細胞を形成する能力)は、「胚」様予備幹細胞すなわち多能性原外胚
葉様幹細胞が出生後の哺乳動物の結合組織区画内に保持される可能性を示唆している。
以前のクローン原性分析(Young ら、1993,1998a,2000a)と本研究を合わせると、予備幹細胞、分化決定された始原細胞及び分化未決定な多能性細胞の少なくとも2つの一般的カテゴリが示唆されている。予備幹細胞の各々の一般的カテゴリの中には、幹細胞のサブカテゴリもあるように思われる。我々も、そして他の人々も、多くのタイプの分化決定された始原幹細胞すなわち単能性幹細胞(Young ら、1993;Grounds,1999;Yotsuyanagi ら、1999;Gordon ら、2000)、二能性幹細胞(Young ら、1993;Bonner−Wier ら、2000;Ramiya ら、2000)、三能性幹細胞(Prokop, 1997;Yoo ら、1998; Pirtenger ら、1999)、及び多能性幹細胞(Palis and Segel,1998;McGuire,1998;Ratajczak ら、1998)の存在を指摘してきた。これらの例では、始原幹細胞は、特定の系列に特異的な細胞型を形成し、Hayflickの限界に適合し(Hayflick, 1965)、その後、プログラミングされた細胞の老化及び死枯を受ける。我々は同様に、分化未決定な多能性間葉幹細胞(Young ら、1993,1998a,2000a,Young,2000;Rogers ら、1995)及び分化決定を受けていない多能性原外胚葉幹細胞(本研究)をも分離しクローニングした。これらの多能性幹細胞は、分化未決定である。これらの細胞は、それが分化決定を受けない状態にとどまるかぎり、自己更新のための拡大された能力をもつ。多能性幹細胞は、外因性作用物質による作用を受けないかぎり、静止状態にとどまる。これらの幹細胞は、それらをいずれかの特定の組織系列に決定するために誘発性作用物質を必要とする。多能性幹細胞がひとたび特定の組織系列に決定されたならば、これらは、分化決定された始原幹細胞の特性の全てを呈する、すなわち系列制約のある表現型を形成しHalfbackの限界に適合することになる。この研究は、出生後の哺乳動物の体内の胚様予備幹細胞の保持、及び身体組織の正常な維持、修復及び再生におけるそれらの潜在的関与を示唆している。
995,1998a,b,1999,2000a,b,Young,2000;Grig
oriadis ら、1988;Caplan ら、1993; Pate ら、199
3;Lucas ら、1995,1996;Rogers ら、1995;Saito
ら、,1995;Dixon ら、1996;Warejcka ら、1996;Cla
rk ら、2000)に基づき、我々は、ヒトを含めた出生後の動物の体内には少なくと
も10のカテゴリーの予備幹細胞が存在することを提案することになる。提案されるカテ
ゴリは、多能性原外胚葉様幹細胞、多能性外胚葉幹細胞、多能性間葉(中胚葉)幹細胞、
多能性内胚葉幹細胞、多能性神経幹細胞、多能性表皮幹細胞、多能性始原幹細胞、三能性
始原幹細胞、二能性始原幹細胞及び単能性始原幹細胞である。我々は同様に、これらの予
備幹細胞カテゴリのうちの単数又は複数のものを移植療法のために使用でき、使用すべき
であるということをも提案することになる。実際、移植療法のための予備出生後幹細胞の
使用に関する報告は、数多く存在してきた。例えば、Grande ら、(1995)は
、全層関節軟骨欠損モデルにおける軟骨及び骨の修復のための成人多能性間葉幹細胞の移
植について報告している。Eglitis 及び Mezeyは、造血細胞が、成体マウ
スの脳内で神経支持細胞へと分化することを報告した。Caplan ら、.(1997
;Wakitani ら、1994)は、軟骨再生のための骨髄間質由来の間葉幹細胞の
使用について報告している。Young ら、.(RG Young ら、1998)は
、アキレス腱の修復のためのコラーゲンマトリクス内に埋込まれた骨髄間質由来の出生後
間葉幹細胞の使用について報告している。Asahara ら、.(1999;Kalk
a ら、2000)は、新血管新生のための内皮始原細胞の使用について報告している。
Bjorson ら、.(1999)は、血球を形成するために成人の神経幹細胞を用い
ることを報告した。Bonner−Weir ら、.(2000)及びRamiya ら
、.(2000)は、膵臓インシュリン分泌ベータ細胞を形成するために管前性幹細胞を
使用することを報告している。Grounds(1999)は、筋肉修復のための幹細胞
の使用を再考した。Gussoni ら、.(1999)は、幹細胞移植によるmdxマ
ウス内のジストロフィ発現の回復について報告している。Jackson 及びGood
ell(1999)は、骨格筋から分離した幹細胞の造血潜在能力について報告した。N
iklason(1999;ら、1999)は、始原幹細胞を用いたex vivoの血
管の生成について報告した。Peterson ら、(1999)は、肝卵形細胞の供給
源としての骨髄幹細胞の使用について報告している。Yotsuyanagi ら、.(
1999)は、軟骨膜からの幹細胞を用いた軟骨の再構築について報告した。Gordo
n ら、,(2000)は、未変性非活性化幹細胞を用いた肝の再生について報告した。
ル+抗生物質/抗真菌剤、pH7.4で構成されていた。
** テスト用培地+インシュリンであるTM+Ins は、2mg/mlのイ
ンシュリンを含有するテスト用培地で構成されていた。
*** テスト用培地+誘発性作用物質であるTM+Inductine Ag
entsは、以下の組合せのうちの1つを含有するテスト用培地で構成されてい
た;
2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+0.5%のHS9;2m
g/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+1%のHS9;2mg/mlの
インシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+5%のHS9;2mg/mlのインシュリ
ン+10−6Mのデキサメタゾン+10%のHS9;2mg/mlのインシュリン+10
−6Mのデキサメタゾン+1%のHS10;2mg/mlのインシュリン+10−6Mの
デキサメタゾン+5%のHS10;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメ
タゾン+10%のHS10;2mg/ml インシュリン+10−6Mのデキサメタゾン
+1%のMFCS1;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+5%
のMFCS1;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+10%のM
FCS1;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+15%のMFC
S1;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+1%のHS9+3%
のHS7;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+5%のHS9+
3%のHS7;2mg/mlのインシュリン+10−6Mのデキサメタゾン+10%のH
S9+3%のHS7;1%のHS7、3%のHS7、及び3%のHS7.
0の移植は、対宿主移植片病を誘発しない
同種異系ドナーを用いたこれまでの移植研究は、宿主組織内の炎症反応の誘発を実証し
ている。対宿主移植片病と呼ばれるこの反応は、ドナーと宿主組織の間のHLA不整合に
起因して発生する。本研究の目的は、出生後の非近交系SDラット由来のラット多能性原
外胚葉様幹細胞クローンが、成体の非近交系SDラット内の対宿主移植片反応を誘発する
ことになるか否かを見極めることにあった。
と同時にin vitroでの同時培養実験で幹細胞を追跡するべく、ベータガラクトシ
ダーゼ発現のためのLac−Z遺伝子である安定したゲノミックマーカーで予め形質移入
した。A2B2=scl−40幹細胞を密集状態まで成長させ、収穫し、移植のため処理
した。幹細胞をダルベッコリン酸緩衝生理食塩水で徹底的に洗浄し、1×106の幹細胞
を含む100mlの緩衝液(実験)又は100mlの緩衝液のみ(対照)を、95%の空
気/5%のCO2の加湿された環境内で37℃で24時間無菌ゲルフォームの5mm3片
と共にインキュベートした。
(緩衝液のみ)を、成体雄非近交系SDラットの首(耳下腺と胸鎖乳突筋の間)の左右領
域内に無作為に移植した。大きな炎症反応について確かめるため動物を剖検し、付着組織
と共にゲルフォーム移植片を除去し、3分の1ずつにカットし組織学(3分の2)及び細
胞培養(3分の1)のために処理した。剖検結果は、検査対象のいずれの動物にも大きな
炎症反応を指摘しなかった。組織学結果は、対照又は実験用のゲルフォーム片のいずれの
中にも炎症細胞の大きな浸潤を指摘しなかった。組織培養結果は、対照ゲルフォーム内へ
の多能性幹細胞の内殖及び実験用ゲルフォーム内の移植されたLac−Z標識付け済み幹
細胞による多能性の該研究全体を通しての保持を指摘した。
PPMSCの分離のために用いられたものと同じプロトコルに従ってROSA26La
cZ標識付け済みマウス(ROSA26 PPSCと記されている)及びラット骨格筋(
RmSC−1と記されている)からPPSCを分離し、同じ選択されたウマ血清を含むP
PMSCのために用いられたのと同じ培地内でこれを培養した(Lucas ら、 Wo
und Rep. Reg. 3;457−468)。ROSA26マウスは、B−ガラ
クトシダーゼを発現する遺伝子導入マウスであり、Jackson Laborator
iesから得られた。RmSC−1細胞を、Lucas ら、 (Lucas ら、 W
ound Rep. Reg.3;457−468)に記述されているように、雄及び雌
のラット新生児の骨格筋から分離した。デキサメタゾンで処理されたROSA26PPS
C及びRmSC−1PPSCの培養中で、神経細胞−脂肪細胞、骨格筋管、軟骨細胞、骨
芽細胞などと並んで培養内で中胚葉表現型が分化した。PPMSCのために使用された分
離手順は同様に、神経ならびに中胚葉表現型へと分化できる細胞を分離する能力をもって
いる。
養させ、星状膠細胞と同時培養させ、星状膠細胞からの調整培地で培養させ、結果として
得られた細胞を、抗体染色により神経細胞表現型について評価した。細胞を24ウェルの
培養皿内で平板固定し、上述の方法及び材料を用いて抗体染色により評価した。ROSA
β−ガラクトシダーゼ発現細胞を染色するためには、X−gal を利用した。神経細
胞抗体マーカーは、DHSBから得られたGFAP(星状膠細胞)、CNPase(神経
用の神経細胞マーカー)、IA4及びRT−97(神経フィラメント)であり、上述の実
施例(実施例9及び10)でさらに特徴づけされていた。神経細胞抗体は一次抗体として
使用され、HRPで標識付けされたヤギ抗マウス抗体は二次抗体として使用された。免疫
染色のためのカラー試薬は、HRPのためのクロマジェンであるTrueblue(KP
L,Inc)であった。
FAP及び(LacZ遺伝子の産物を認識し、従ってROSA細胞を認識する)X−ga
lに対する抗体で染色した。図35は、X−gal及びGFAPで染色した21日間のラ
ット星状膠細胞とROSA26PPSの同時培養を示す。X−galでのみ染色し、Xg
al及びGFAPの両方について2重染色した細胞が発見された。黒色矢印は、2重染色
された細胞を指し、白色矢印はGFAPについて染色されなかったROSA PPSCを
指している。図36は、X−gal及びGFAPで染色された21日間のラット星状膠細
胞とROSA26PPSCの同時培養を示す。GFAPでのみ染色された星状膠細胞が記
され(白色矢印)、同様にX−gal及びGFAPについて2重染色されたROSA由来
の細胞(黒色矢印)も記されている。図37には、X−gal及びGFAPで染色された
21日間のROSA26PPSCとラット星状膠細胞の同時培養も示されている。白色矢
印はX−galについて染色されたROSA26PPSC(未分化)を指し、一方黒色矢
印は、X−gal及びGFAPについて2重染色されたROSA細胞(分化)を指す。
タゾンで処理して分化を誘発し、次にさまざまな神経細胞特異的抗体で染色した。図38
は、21日間10〜7Mのデキサメタゾンで処理され、その後抗−CNPaseで染色さ
れたラット骨格筋(RmSC−1)から分離されたPPSCを、CNPase、抗CNP
aseについて陽性の細胞が黒色矢印で示された状態で描かれている。IA4に対する抗
体で染色されたデキサメタゾン処理済みRmSC−1細胞が、図39に示されている。
染色されたRmSC−1を示す。陽性染色細胞が矢印で記されている。CNPase及び
GFAPについて陽性の細胞は同様に、21日間のラット星状膠細胞からの調整培地内で
のRmSC−1細胞の成長後に染色時点でも観察された。
上述のプロトコルを用いて、C3TF細胞と呼称された17才の女性の真皮から、幹細
胞が分離され、Young ら、 により提供された(Young, H.E. ら、(
1991)Journal of Tissue Culture Methods 1
3:275−284;Young, H.E. ら、 (1992a)Journal
of Tissue Culture Methods 14:85−92)。C3TF
細胞は、核型分析され、46,XXの正常な雌であることが証明された(図41)。この
核型は、C3tF細胞が37の細胞倍加にあるときに実施された。37の細胞倍加後、C
T3F細胞は半分に分割され、10%の選択された血清HS10の存在下及び15%の選
択された血清MFCS1の存在下という2つの異なる培養条件下に置かれた。幹細胞、多
能性間葉幹細胞及び多能性胚様幹細胞のPPMSC及びPPELSCと呼ばれる2つの個
体群が、それぞれこれらの血清条件下で分離された。PPMSC細胞は、いずれか及び全
ての間葉細胞型を形成する能力を有する。PPELSC細胞は、中胚葉、外胚葉及び内胚
葉系列内の細胞型を形成する能力をもつ。CDマーカーフロー分析がこれら2つの細胞個
体群について実施された。PPMSCと呼ばれる個体群は、72の細胞倍加にあり、一方
PPELSCと呼ばれる個体群は、CDマーカー分析が実施されたとき70の細胞倍加
があった。分析においては、58のCDマーカーが利用された。
、CDla、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD9、CD10、C
D11b、CD11c、CD13、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19
、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD31、CD33、CD34
、CD36、CD38、CD41、CD42b、CD44、CD45、CD49d、CD
55、CD56、CD57、CD59、CD61、CD62E、CD65、CD66e、
CD68、CD69、CD71、CD79、CD83、CD90、CD95、CD105
、CD117、CD123、CD166、グリコホリン−A、DRΠ、クラス−I、FL
T3、FMC−7、アネキシン、 及びLINについて陰性であった。PPELSCは、
テストされたいずれのCDマーカーについても陽性染色を全く示さなかった。
MHCクラス−Iについて陽性染色を実証した。この結果は、実施例7及び8において以
上でPPMSCについて紹介したCDマーカー研究と相関している。PPMSCは、52
の抗体すなわち、CDla、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD9
、CD11b、CD11c、CD14、CD15、CD16、CD18、CD19、CD
20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD31、CD33、CD36、CD
38、CD41、CD42b、CD44、CD45、CD49d、CD55、CD57、
CD59、CD61、CD62E、CD65、CD66e、CD68、CD69、CD7
1、CD79、CD83、CD95、CD105、CD117、CD123、CD166
、グリコホリン−A、DRΠ、FLT3、FMC−7、アネキシン 及びLINについて
陰性であった。
細胞から分離した。これらの個体群は、CD1a、CD10、CD41、CD66e及び
アネキシン について陽性であり、その他全てのマーカーについて陰性である。CD66
eは胚抗原マーカーである。第2の個体群は、CD1a、CD10、CD22及びアネキ
シン について陽性であり、その他全てについて陰性である。第3の個体群はCD10及
びCD22について陽性であり、その他全てのマーカーについて陰性である。これらの結
果は、場合によって全く異なる増殖及び分化能力をもつ付加的な幹細胞個体群の存在を表
わしている。
本研究の目的は、ヒトの幹細胞療法のために生来の出生後多能性幹細胞又は出生後多能
性幹細胞で誘発された造血幹細胞を使用することの実行可能性を見極めることにある。6
7才の男性及び17才の女性に由来する出生後ヒト多能性幹細胞を、生来の及び造血誘発
された幹細胞として個別に、亜致死の照射を受けた免疫不全NOD/SCIDの中に、マ
ウス造血幹細胞と同時移植される。マウス内へのヒトの細胞の取込みを同定するためには
、マウスの血液及び骨髄中の細胞上のヒト特異的CD45抗原発現が使用されることにな
る。ヒト幹細胞の造血再増殖活性に同定するためには、B細胞、顆粒球、巨核球及び赤血
球についてのCDマーカープロフィールが使用される。マウス細胞と混合されたヒト特異
的CD45抗原を発現するヒト細胞の同定は、陽性のエンドポイントとして役立ち、ヒト
の幹細胞がマウス内に取込まれたことを表わす。骨髄球及びリンパ球の両方の系列のヒト
造血CDマーカーが発現するヒト細胞の同定は、陽性のエンドポイントとして役立ち、ヒ
ト幹細胞が造血系を再生しつつあることを表わす。
使用された動物は全て、T細胞の漏出性の徴候について予備テストされた免疫不全NO
D/SCIDである(n=各グループにつき6)。動物は、表21内で以下で示されてい
るとおりにグループ分けされ処理される。
移植されたマウス及び対照のマウスからの血液(1)及び骨髄(2a、b、c)を、輸
注から8週(マウス3匹)及び12週(マウス3匹)後に分析する。FACScanを用
いたマルチパラメータフローサイトメトリ分析でヒト造血CDマーカーについて細胞(1
、2a)を染色する。B細胞、顆粒球及び赤血球についてのCDマーカープロフィールを
用いて、マウス組織内のヒト細胞の取込みを同定する。各実験において、移植を受けてい
ないマウスからの細胞を負の対照として同じ抗体で染色する。マウスの細胞と混合された
造血マーカーを発現するヒト細胞の同定は、陽性のエンドポイントとして役立ち、ヒト幹
細胞が骨髄様及びリンパ様の両方の区画内で造血系を再生しつつあることを表わす。
LA−DR−II抗原について染色する。マウスの細胞と混合されたヒト細胞の同定は、
陽性のエンドポイントとして役立ち、ヒト幹細胞がマウス内に取込まれ造血系を再生しつ
つあることを表わしている。
形成を刺激するものとして知られているヒト成長因子で分離された骨髄細胞を刺激するこ
とが関与している。かくして、移植されたマウス(2C)からの骨髄細胞は、メチルセル
ロース培養及びヒト血漿及びhu−IL−3(10U/ml)、hu−GM−CSF(1
U/ml)、hu−SCF(50ng/ml)及びhu−EPO(2U/ml)で刺激さ
れた培養内で平板固定される。顆粒球−マクロファージコロニー形成細胞(CFU−GM
)、赤芽球バースト形成細胞(BFU−E)及び顆粒球−赤血球−巨核球−マクロファー
ジコロニー形成細胞(CFU−GEMM)の始原細胞に由来するヒトコロニーを同定する
ために、形態学的基準及び組織学的染色が使用される。検定の特異性は、個々のコロニー
内でヒトジストロフィンRNAを増幅するためPCRを使用することによって確認される
。
NOD/SCIDマウスは、亜致死の照射(300cGy)を受け、尾静脈を経由して
、マウス一匹あたり4.8×10(Mo#1−3)又は1.2×106(Mo#4−6)
の割合で、CT3F PPELSC細胞の注射を受けた。さらに高い細胞濃度では、マウ
スは生き延びなかった。最近の実験では、注射溶液(0.2%のBSA及び20U/ml
のヘパリンを伴うIMDM)の中に20U/mlのヘパリンを内含し、マウス1匹あたり
3×106(n=1)を注入することができた。
38、CD19、CD3、CD117といったマーカーでヒト細胞について骨髄、脾臓及
び末梢血を分析した。骨髄中のクラスIを除き、すべてのマーカーは陰性であった。骨髄
の約0.5%が、ヒトクラスI陽性細胞を含有していた。脾臓及び末梢血中、以上に列挙
したマーカーを用いていかなるヒト細胞も検出されなかった。
出生後のラット骨格筋を収獲し、間葉幹細胞を分離した。クローン原生分析は、多能性
幹細胞がまさに実際出生後の哺乳動物の体内に存在していること、そしてそれらがクロー
ニング後少なくとも4つの間葉系列組織(例えば骨格筋、脂肪、軟骨及び骨)を形成する
その能力を保持することを明らかにした。その後クローンを、ゲノム標識付け後の多能性
保持及び拡大自己更新について検査した。この能力は、β−ガラクトシダーゼでのゲノム
標識付けの後及び拡大自己更新すなわち、クローニング後の200+の細胞倍加の後も保
持された。結合組織基質内の多能性幹細胞の存在及び、クローニング、遺伝子トランスフ
ェクション及び拡大自己更新後のその多能性保持は、これらの幹細胞が遺伝子療法及び/
又は出生後の動物内の組織の修復及び再生にとって重要な貢献を果たす可能性があるとい
うことを示唆している。
ゲノム標識付け
10%のウマ血清(GIBCO−BRL)、5mMのHepes(GIBCO−BRL
)、50U/mlのペニシリン−50mg/mlのストレプトマイシン(GIBCO−B
RL)及び50U/mlの組換え型ヒト抗分化因子(ADF、Morphogen Ph
armaceuticals, Inc., NY)を伴う、修正イーグル培地(MEM
)(GIBCO−BRL,Life Technologies, Cergy Pon
toise, France)の中で、クローン(ラット−A2B2)(以上の実施例1
1で記述)を成長させた。核ターゲティングされたLacZ遺伝子を発現する安定したラ
ット−A2B2細胞系統(nls−LacZ)を、プラスミドpUT651(選択可能な
報告された遺伝子Sh ble::lacZ)を用いて構築した。血清を含有する培地内
で6ウェルのプラスチック皿(Falcon)(Becton Dickinson,
Le pont−de claix, France) 上で5×103細胞/cm2の
割合で細胞を平板固定し、一晩付着させた。次に、無血清培地(Opti−mem, G
IBCO−BRL)内で16時間リポフェクチン試薬(Gibco−BRL)を用いて2
mgのPUT651と共に細胞を一晩インキュベートした、トランスフェクションを受け
た細胞を、250mgのゼオシン(Invitrogen, Netherlands)
が追加された選択培地内へ1:10に分割した。最高レベルのβ−Galを発現する12
の耐性クローンのうちの1つのクローンをサブクローニングし使用した。組織化学的及び
免疫化学的技術により、β−Gal発現を評価した。室温で10分間2%のパラホルムア
ルデヒド内で固定するか又は氷冷メタノール内で5分間固定した後、PBS内で洗い流し
、色素産生基板X−Galでの組織化学染色及びポリクローナル(Chemicon,
Temecula, CA)抗β−Gal抗体(Couffinhal ら、1997)
での免疫染色により、細胞内でLacZ発現を評価した。ラット免疫グロブリン(Vec
tor)に予め吸着されたビオチン化抗マウスIgGと共にVector−HRP−DA
B発現系(Vector−Labs)を用いて抗体結合を視覚化した。
凍結保存したクローンを融解し、標準的プロトコルに従いゼラチンで被覆された24ウ
ェルの平板の1ウェルにつき5、10又は20×103細胞の割合で間葉幹細胞−1培地
中で平板固定した。最初の平板固定から24時間後に、培地をテスト用培地(TM)1〜
4(TM−1、TM−2、TM−3、TM−4)又は5(TM−5)に変更した。テスト
用培地(TM)は、最低培養中で30日、最長培養中で120日間鳥類の始原細胞及び多
能性細胞の両方を「定常状態」条件下で維持するUltraculture:EMEM:
抗生物質を複数の比率で含んでいた。各々さまざまな濃度のUltracultureを
含む4つのテスト用培地(TM#s1〜4)を使用した。各テスト用培地内に存在するU
ltraculture対EMEM対抗生物質の比率は、鳥類の始原細胞及び多能性細胞
の両方の個体群において定常状態の培養条件を維持するその能力に基づき、各々のUlt
racultureロットについて経験的に決定された。4つのUltracultur
eベースのテスト用培地は以下のとおりであった: TM#1=15%(v/v)のUl
traculture(ロット番号OMO455);84%の(v/v)EMEM:1%
(v/v)の抗生物質;TM#2=15%(v/v)のUltraculture(ロッ
ト番号1M1724):84%(v/v)のEMEM:1%(v/v)の抗生物質;TM
#3=50%(v/v)のUltraculture(ロット番号2M0420);49
%(v/v)のEMEM:1%(v/v)抗生物質;及びTM#4=75%(v/v)の
Ultraculture(ロット番号2M0274);24%(v/v)EMEM:1
%(v/v)の抗生物質;TM−1〜TM−4は、Ultraculture(カタログ
番号12−725B、ロット番号OMO455[TM−1]、1M1724[TM−2]
、2M0420[TM−3]、又は2M0274[TM−4]、Bio−Whittak
er, Walkersville ;MD)、EMEM1、及び1%(v/v)Pen
/Strep、pH7.4 で構成されていた。TM−5は、98%(v/v)のEME
M、1%(v/v)HS、及び1%(v/v)のPen/Strep,pH7.4で構成
されていた。
地内のあらゆる潜在的共力成分を洗い出した。24時間後、テスト用培地を、テスト培地
のみ(対照)、又は始原細胞のクローンを同定するため始原細胞内の表現型発現マーカー
の出現を加速する作用物質である2μg/mlのインシュリン(Sigma)(Youn
g ら、1998a)又は多能性細胞のクローンを同定するための一般的非特異的系列誘
発作用物質である10−10〜10−6Mのデキサメタゾン(Sigma)(Grigo
riadis ら、1988;Young ら、1993,1998a)のいずれかを含
むテスト用培地(TM−1〜TM−5)に変更した。一日おきに培地を変更しながら、さ
らに30〜45日間、対照及び処理済み培養を増殖させた。実験一回一濃度あたり4つの
培養ウェルを用いた。30〜45日の期間中、培養を毎日のベースで、表現型発現の改変
(以下参照)、処理日数及び付随するインシュリン又はデキサメタゾン濃度について、(
主観的に)検査した。その後、実証済みの免疫化学及び組織化学手順(Young ら、
1992b,1993,1995,1998a,b;Rogers ら、1995)を用
いて表現型発現マーカーを(客観的に)確認するべくこれらのパラメータを利用して実験
を反復し、Nikon TMS倒立位相差顕微鏡を用いて結果を写真撮影した。
−培養検定(myosin−ELICA)を用いて、自然発生的に収縮した多核性線状及
び有枝構造を示した培養を、さらに評価した(Bader ら、1982;Young
ら、1992a,b,1993,1995)。推定上の脂肪細胞内の飽和中性脂質の存在
を確認するため、多重屈折小胞を示す培養を、Sudan black−B(Roboz
Surgical Co., Washington, D.C.)を用いてさらに評
価した(Young ら、1992a,1993,1995)。推定上の軟骨細胞をとり
囲む細胞周囲の及び/又は細胞外の基質にあるコンドロイチン硫酸/ケラチン硫酸グリコ
サミノグリカンの存在を確認するため、コンドロイチナーゼ−AC(ICN Biome
dicals, Cleveland, OH)/ケラタナーゼ(ICN Biomed
icals)消化と結合させたpH1.0のアルシアンブルー (Alcian Bla
u 8GS.Chroma−Gesellschaft, Roboz Surgica
l Co.)を用いて、細胞周囲マトリクスのカサ含む丸くなった細胞の凝塊を表示した
培養を、さらに評価した(Young ら、1989,1992a,1993,1995
)。推定上の無機化された骨片内のリン酸カルシウムの存在を確認するため、EGTA(
エチレングリコール−ビス−(β−アミノエチルエーテル)N,N,N′,N′−テトラ
酢酸、Sigma)と結合させたvon kossa(Silber Protein,
Chroma−Gesellschaft)染色を用いて、3次元マトリクス内に埋込
まれかつ/又はそれと重ね合された細胞を示した培養をさらに評価した(Young ら
、1992a,1993,1995)。推定上の線維芽細胞をとり囲む細胞外コンドロイ
チン硫酸/デルマタン硫酸グリコサミノグリカンの存在を確認するため、コンドロイチナ
ーゼ−ABC(ICN Biomedicals)と結合させたアルシアンブルーpH1
.0染色を用いて、粒状の又は線維性の細胞外マトリクス内に埋込まれた細胞の密集層(
単複)を示す培養を、さらに評価した(Young ら、1989,1992a、199
3、1995)。
「RAT−A2B2」と呼ばれるクローン(実施例11に記述)を、β−ガラクトシダ
ーゼレトロウイルストランスフェクションによりゲノム標識付けの後に評価した。全ての
評価を通して、A2B2細胞は、インシュリンでのインキュベーションの間、表現型発現
内のいかなる変化も示さなかった。しかしながら、A2B2細胞は、ゲノム標識付けの後
一定の濃度範囲のデキサメタゾンでインキュベートした時点で多数の形態を示した。認め
られた表現型発現の変化は、筋原性、脂肪形成、軟骨形成及び骨形成形態学的なものであ
った。A2B2細胞は、星状形態の保持及び接触阻害の喪失についてのクローン原性分析
中に特定的に選択された。しかし、ひとたび特定の系列に決定するすなわち系列特異的始
原細胞となるように誘発された時点で、RAT−A2B2は、密集状態で接触阻害を呈す
る。
毎年何百人ものアメリカ人が組織喪失又は末期器官不全に悩まされている。これらの患
者に対する国レベルの合計健康管理費は年間4000億ドルを超えている。現在、これら
の障害を治療するため米国では年間800万件以下の外科手術が実施され、4000〜9
000万日の入院日数が必要とされている。同種異系間療法は無数の生命を救い改善した
が、それでも不完全な解決法であるにとどまっている。同種異系間組織移植及び外科的介
入は、決定的なドナー不足、長期罹病率及び死亡率によって著しく制限されている(La
nger and Vacanti,1993)。この調査の長期的目的は、再生及び修
復のためのHLA整合ドナー組織として及び遺伝子療法のための潜在的送達ビヒクルとし
て使用するための自己由来の多能性幹細胞の有用性を見極めることにある。自己由来のド
ナー組織として多能性幹細胞が利用されるためには、生体内部にそれらが存在しているこ
と、分離が容易であること、その表現型発現を操作できること、適応力があること、既存
の組織内に取込まれること、生存能力があることそして機能性があることが必要である。
細に記述されている)が、トランスフェクションを受けた遺伝子の活性を保持しながら多
能性を喪失することなくレトロウイルストランスフェクションを受けることができるとい
うことを示した。これらの研究から、我々は、特に数多くの細胞が必要とされ移植組織の
供給が不足している場合において、組織の移植、再生及び遺伝子療法のためのHLA整合
されたドナー組織として自己由来の多能性幹細胞を使用できるという仮説を提案すること
になる。
1)レトロウイルスベクターを用いてPPSCに遺伝子を送達し、感染したPPSCが
その多能性を維持する能力をテストすること。 2)萎縮した筋肉に移植した時点で分散
し筋線維と融合する能力をPPSCに発現するmyoDと対照間で比較すること。
1つの長期的最終目的は、出生後骨格筋の成長を増強させるため細胞による方法及び/
又は薬理学的方法を使用することにある。PPSCは、神経筋疾患、不使用、宇宙飛行、
長期ベッド療養及び老化において発生する萎縮した骨格筋の治療のための1つの潜在的戦
略を表わしている。出生後骨格筋の成長という最終目的を達成しようとして、次の4つの
異なるやり方で細胞に遺伝子を送達するためにレトロウイルスが利用されてきた:すなわ
ち 1)移植後に筋原性細胞を追跡するべくb−ガラクトシダーゼといったようなマーカ
ーを送達するため;2)細胞生理学における特定的なシグナリング経路の関与を研究する
べくリポータ構成体を送達するため;3)転写因子を過剰発現するため;4)特定のシグ
ナリング経路の遺伝子阻害物質を送達するため。場合によっては、筋肉消耗のための細胞
療法としてPPSCを使用する目的で、まず最初にPPSC内にマーカー遺伝子を安定し
た形で導入し、細胞の多能性が維持されることを見極めることが必要である。さらに、正
常な及び萎縮した骨格筋の中での移植されたPPSCの挙動を見極めることが必要である
。MyoDは、非筋細胞が筋原性となるように誘発すると同時に幹細胞内での筋形成を誘
発することのできる筋肉特異的転写因子である。我々は、次にPPSCの動員及び萎縮し
た筋線維内への取込みの効果を増大させるmyoDの強制発現の能力をテストすることに
なる。
免疫不全 scid/bgマウスがPPSC移植の受容体として使用されることになる
。Scid/bgマウスは、機能的T及びB細胞が欠損しており、低い天然キラー活性し
かもたない。scid/bgマウスは、より安定したSCID表現型を示し、一般に異系
移植片移植のためのより優れた受容体である。
I.PPMSC(多能性間葉幹細胞)及びPPELSC(多能性胚様幹細胞)に対する
lacZ遺伝子のレトロウイルスを媒体とした遺伝子移入の効率を見極める。
a)確立された技術を用いて2種類の幹細胞をレトロウイルスにより感染させる。
b)感染から48時間後に、単一の細胞内のb−ガラクトシダーゼ発現について酵素検定
を実施する。感染を受けた細胞は青色となる。
c)青色細胞の%を評定する。
d)青色細胞の百分率が低い場合、レトロウイルス感染プロトコルを反復するが、6〜8
時間離して2回の感染を使用する。
e)b〜cまでを反復する。
f)方法の再現性を決定するため最高の百分率の青色細胞を与えるプロトコルを用いて実
験を2回反復する。
トする。
a)最高の百分率の青色細胞を与えるプロトコルで細胞を感染させる。
b)感染から24時間後に、細胞をトリプシン処理し、ELICA検定で使用するため9
6ウェル平板内に細胞を平板固定する。対照として、96ウェルの平板内に未感染細胞も
据え付ける。同じく、細胞の形態を観察するべく12ウェルの平板内に細胞を据え付ける
。
c)感染から48時間後に、培地を誘発性培地に変更する。
d)感染から2〜6週間後に、前述したデキサメタゾン方法を用いて96ウェルの平板内
で特定的細胞表現型(±レトロウイルス感染)の誘発をテストする。
e)12ウェルの平板上でb−ガラクトシダーゼ酵素検定を実施し、表現型誘発の形態学
的徴候が青色細胞内で発生するか否かを観察する。
f)対照とレトロウイルス感染を受けた細胞の間で特定の表現型の誘発を比較する。
するmyoDと対照の挙動を比較する。
a)移植の2週間前に、脛側前筋の脱神経萎縮を誘発するため scid/bgマウス内
の坐骨神経の一側性横断切開を実施する。
b)レトロウイルスを発現するmyoD又は対照のいずれかでPPSCを感染させる。感
染から48時間後、平行な平板内で免疫組織化学を用いてmyoD発現についてテストす
る。
c)下表22に記すとおり、各々の脛側前筋内に細胞を移植する:
シダーゼについての酵素検定を実施する。
1) 筋線維の内側の青色核の数を評定する。これらは、筋原性系列に転換し宿主の内因
性筋線維と融合したPPSCを表わしている。
2) 注入部位との関係において青色核の分布を比較する。
3) 筋原性系列に転換し筋線維と融合する、PPMSCを発現するmyoD及び対照と
PPELSCを発現するmyoD及び対照の能力を比較する。
4) 萎縮した筋肉対正常な筋肉の一関数として上述の3)で得られたデータを分析する
。
エンドポイントというのは、マーカー遺伝子でレトロウイルス感染させられた多能性幹
細胞がその多能性を維持し移植時点で筋肉の広い部域全体にわたり分散し、宿主の内因性
筋線維と高効率で融合する能力である。成功は、PPMSC及びPPELSCをLacZ
遺伝子で高効率まで感染させそれらにその多能性を維持させる能力により決定されること
になる。移植実験は、移植細胞が筋肉の幅及び長さ全体にわたり分散し萎縮した筋線維に
高効率で融合した場合に、成功したものとみなされる。
その造血内皮細胞能力及び共通の造血内皮前駆体細胞からの内皮細胞分化に関与するシ
グナルプロセスを査定するために、(以上の実施例16で記述された)B−galでのト
ランスフェクションを受けたラットA2B2細胞及びROSA26PPSC細胞を利用し
た。
HS10血清内で成長させ、内皮細胞系列に対するそのin vitro決定誘発を査定
した。細胞を、2日間、1%のHS10単独、1%のHS10とそれに加えた成長因子V
EGF,bFGF,EGF及びIGF−1のカクテル;1%のHS10とそれに加えたb
FGF(50ng/ml),1%のHS10とそれに加えたVEGF(50ng/ml)
,1%のHS10とそれに加えたT細胞刺激性調整培地及び1%のHS10とそれに加え
たbFGF内で成長させ、その後VEGFを添加した。培養皿を、ゼラチン、コラーゲン
IV型、ラットビトロネクチン及びラットビトロネクチンと組合わされたゼラチンでコー
ティングした。最大の分化は、ラットビトロネクチンでコーティングされた皿上で観察さ
れた。かくして成長させられた細胞を、形態学的査定;MTS検定内の生物活性;Mat
rigel上に細胞を再播種した後管形成(毛細管形成)を検出するMatrigel検
定(R&D Systemsから入手可能なMatrigelは、基底膜成分IV型コラ
ーゲン、ラミニン、エンタクチン、ニドゲン及びヘパリン硫酸プロテオグリカンを含む培
養/成長皿をコーティングするための基底膜製品である);及びさまざまな内皮細胞抗原
マーカー(CD31(pecam),BS−B(BS−B4イソ型レクチン染色),SM
a−アクチン(平滑筋周細胞マーカー))での免疫染色によって評価した。
及びbFGF又はVEGFの存在下で、内皮細胞マーカーCD31,BS−B abdS
Mアクチンについて増強された染色を示した。
毛細管様の構造(図42)、を特に成長因子の存在下で(図43)発達させた。
与しin vivoでテストした。虚血性モデルを生成するため大腿動脈を縛って血行を
止めた。後脚虚血が生成される前又は後で後脚に対し局所的に筋内注射(IM)によって
か又はラットの尾静脈内に静脈内注射(IV)によってPPSC細胞を投与した。B−g
al標識付け細胞の存在及び性質を査定するためPPSCの注射から1週間後に組織学検
査を行なった。PPSC(B−gal陽性細胞)は、IM又はIVで投与された場合、虚
血部位で後脚内に取込まれた。肉眼解剖学的精査時点で、これらの細胞は、後脚内の脈管
構造を追跡し、B−gal発現の平行線パターンを示しているように思われた。さらに、
虚血動物の体内へのIV注射時点で、骨髄内には著しいB−gal陽性細胞の取込みが観
察された(図44)。
要領で実施することができる。当該開示は、従って、あらゆる面で添付のクレームに示さ
れている本発明の範囲を例示するものであって、制限的意味をもたないとみなされるべき
であり、等価の意味及び範囲に入る全ての変更をその中に包含させることが意図されてい
る。
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- 明細書に記載された発明。
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