JP2016062649A - 保護素子及び実装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池等の高定格化に対応して、定格を向上させることができる小型の保護素子及び回路基板に保護素子が実装された実装体を提供する。【解決手段】絶縁基板10と、絶縁基板10に配置された発熱体11と、発熱体11と電気的に接続された発熱体引出電極13と、外部回路と接続される一対の端子部20を有し、一対の端子部20間が溶断することにより外部回路の電流経路を遮断する可溶導体15とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、電流経路上に実装され、発熱体の発熱に伴い可溶導体を溶断させることにより当該電流経路を遮断する保護素子、及び回路基板に保護素子が実装された実装体に関する。
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
この種の保護回路では、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行う。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電流を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態において、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有する保護素子からなる保護素子が用いられる。
このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の保護素子として、特許文献1に記載されているように、保護素子内部に発熱体を有し、この発熱体によって電流経路上の可溶導体を溶断する構造が一般的に用いられている。
本発明の関連技術として、図26(A)(B)に保護素子100を示す。保護素子100は、絶縁基板101と、絶縁基板101に積層され、ガラス等の絶縁部材102に覆われた発熱体103と、絶縁基板101の両端に形成された一対の電極104a,104bと、絶縁部材101上に発熱体103と重畳するように積層された発熱体引出電極105と、両端が一対の電極104a,104bにそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極105に接続された可溶導体106とを備える。
発熱体引出電極105の一端は、第1の発熱体電極107に接続される。また、発熱体103の他端は、第2の発熱体電極108に接続される。なお、保護素子100は、可溶導体106の酸化防止のために、可溶導体106上のほぼ全面にフラックス111が塗布されている。また、保護素子100は、内部を保護するためにカバー部材を絶縁基板101上に載置してもよい。
このような保護素子100は、絶縁基板101の表面に形成された一対の電極104a,104bが、絶縁基板の側面に形成された導電スルーホール109を介して、絶縁基板101の裏面に形成された外部接続電極110と電気的に接続されている。そして、保護素子100は、リチウムイオン二次電池等向け保護回路の基板上に、外部接続電極110が接続されることにより、当該保護回路の電流経路の一部を構成する。
特開2010−003665号公報
ところで、近年、バッテリとモーターを使用したHEV(Hybrid Electric Vehicle)やEV(Electric Vehicle)が急速に普及している。HEVやEVの動力源としては、エネルギー密度と出力特性からリチウムイオン二次電池が使用されるようになってきている。また、リチウムイオン二次電池は、電動工具や電動アシスト自転車、航空機等においても実用が開始されている。この種の用途では、高電圧、大電流が必要とされる。このため、高電圧、大電流に耐えられる専用セルも開発されているが、製造コスト上の問題から多くの場合、複数のバッテリセルを直列、並列に接続することで、汎用セルを用いて必要な電圧、電流を確保している。
このようなリチウムイオン二次電池等の大電流用途においては、保護素子においても、電流定格のさらなる向上が求められる。すなわち、リチウムイオン二次電池等が高電圧化、大電流化する一方、保護回路に搭載される保護素子が、当該高電圧化、高電流化に対応した定格を備えていない場合、通常の使用状態において電流経路上の可溶導体が溶断する恐れや、保護素子の発熱により、接続不良や周辺の素子等に悪影響を及ぼす恐れが生じる。
そして、保護素子100においても、可溶導体によって接続された一対の電極104a,104b間の導通抵抗は電流定格向上に応えることができる程度に十分下げることができる(例えば1mΩ未満)。
しかし、絶縁基板101の裏面に外部接続電極110を設け、一対の電極104a,104bと当該外部接続電極110とを導電スルーホール109によって接続する保護素子100においては、一対の電極104a,104bのそれぞれと外部接続電極110との間の導通抵抗が高く、例えば片側のスルーホール109だけで0.5〜1.0mΩ以上となり、導電スルーホール内に導体を充填したとしても、絶縁基板側の導通抵抗を下げるには限界がある。
また、例えばUL等の安全規格において、ヒューズの定格電流を定義する指標としてデバイス表面や端子の温度上昇が規定され、通電によりスルーホールが加熱することにより端子やデバイス表面の温度も上昇することから、スルーホールの発熱量分も含めて安全規格を満たすように電流定格を設定せざるを得ず、高定格化を阻害する要因となっていた。
さらに、電子機器の小型化、高電流定格化に伴い、小型かつ高電流定格の保護素子が求められるようになった。
そこで、本発明は、リチウムイオン二次電池等の高電圧化、大電流化、及び電子機器の小型化、高定格化に対応して、電流定格を向上させることができる小型の保護素子及び回路基板に保護素子が実装された実装体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板に配置された発熱体と、上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極と、外部回路と接続される一対の端子部を有し、上記一対の端子部間が溶断することにより上記外部回路の電流経路を遮断する可溶導体とを備えるものである。
また、本発明に係る実装体は、回路基板に保護素子が実装された実装体において、上記保護素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板に配置された発熱体と、上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極と、外部回路と接続される一対の端子部を有し、上記一対の端子部間が溶断することにより上記外部回路の電流経路を遮断する可溶導体とを備えるものである。
本発明によれば、絶縁基板にスルーホールを設けて可溶導体の通電経路を外部回路に引き出すものではなく、可溶導体に外部回路との接続端子となる端子部が形成されているため、外部回路と可溶導体との間の導通抵抗が可溶導体そのものの抵抗値によって決まり、絶縁基板側の構成に左右されない。したがって、本発明によれば、素子全体の通電経路を低抵抗化し、容易に電流定格の向上を図ることができる。
図1(A)は保護素子の上面側を示す外観斜視図であり、図1(B)は保護素子の底面側を示す外観斜視図である。 図2(A)は保護素子のカバー部材を省略して示す平面図、図2(B)は図2(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図3(A)は可溶導体の溶断後の保護素子をカバー部材を省略して示す平面図、図3(B)は図3(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図4は、保護素子の製造工程を示す斜視図であり、(A)は絶縁基板、(B)は絶縁基板に可溶導体が嵌合された状態、(C)は可溶導体にフラックスが設けられた状態、(D)はカバー部材が設けられた状態を示す。 図5は、保護素子が接続されたバッテリパックの回路構成例を示す図である。 図6は、保護素子の回路構成を示す図であり、(A)は可溶導体の溶断前、(B)は可溶導体の溶断後を示す。 図7は、本発明が適用された保護素子の変形例を示す平面図である。 図8(A)は複数の溶断部が設けられた可溶導体を備える保護素子をカバー部材を省略して示す平面図であり、図8(B)は図8(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図9は、複数の溶断部を備える可溶導体の製造工程を説明するための平面図であり、(A)は溶断部の両側を端子部で一体に支持したもの、(B)は溶断部の片側を端子部で一体に支持したものを示す。 図10は、複数の溶断部が設けられた可溶導体を備える保護素子の製造工程を示す斜視図であり、(A)は絶縁基板、(B)は絶縁基板に可溶導体が嵌合された状態、(C)は可溶導体にフラックスが設けられた状態、(D)はカバー部材が設けられた状態を示す。 図11(A)は複数の可溶導体を備える保護素子をカバー部材を省略して示す平面図であり、図11(B)は図11(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図12(A)は端子部を絶縁基板の表面側に突出させた保護素子の上面側を示す外観斜視図であり、図12(B)は保護素子の底面側を示す外観斜視図である。 図13(A)は複数の溶断部が設けられた可溶導体を備え、端子部を絶縁基板の表面側に突出させた保護素子をカバー部材を省略して示す平面図であり、図13(B)は図13(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図14は、複数の溶断部が設けられた可溶導体を備え、端子部を絶縁基板の表面側に突出させた保護素子の製造工程を示す斜視図であり、(A)は絶縁基板、(B)は絶縁基板に可溶導体及び外部接続端子が接続された状態、(C)は可溶導体にフラックスが設けられた状態、(D)はカバー部材が設けられた状態を示す。 図15は発熱体を絶縁基板の裏面側に設けた保護素子を示す断面図であり、(A)は端子部を絶縁基板の裏面側に突出させた保護素子を示し、(B)は端子部を絶縁基板の表面側に突出させた保護素子を示す。 図16は発熱体を絶縁基板の内部に設けた保護素子を示す断面図であり、(A)は端子部を絶縁基板の裏面側に突出させた保護素子を示し、(B)は端子部を絶縁基板の表面側に突出させた保護素子を示す。 図17は絶縁基板の表面において発熱体と可溶導体とを隣接させた保護素子を示す図であり、(A)はカバー部材を省略して示す平面図、(B)は(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図18は、高融点金属層と低融点金属層を有し、被覆構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は低融点金属層を内層とし高融点金属層で被覆した構造を示し、(B)は高融点金属層を内層とし低融点金属層で被覆した構造を示す。 図19は、高融点金属層と低融点金属層の積層構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は上下2層構造、(B)は内層及び外層の3層構造を示す。 図20は、高融点金属層と低融点金属層の多層構造を備える可溶導体を示す断面図である。 図21は、高融点金属層に線状の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図であり、(A)は長手方向に沿って開口部が形成されたもの、(B)は幅方向に沿って開口部が形成されたものである。 図22は、高融点金属層に円形の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図である。 図23は、高融点金属層に円形の開口部が形成され、内部に低融点金属が充填された可溶導体を示す平面図である。 図24は、高融点金属によって囲まれた低融点金属が露出された可溶導体を示す斜視図である。 図25は図24に示す可溶導体が接続された保護素子を示す図であり、(A)はカバー部材を省略して示す平面図、(B)は(A)に示す保護素子のA−A’断面図である。 図26は、従来の保護素子をカバー部材を省略して示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A’断面図である。
以下、本発明が適用された保護素子、及び実装体について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[保護素子の構成]
図1、図2に本発明が適用された保護素子1を示す。図1(A)は保護素子1の上面側を示す外観斜視図であり、図1(B)は保護素子1の底面側を示す外観斜視図である。図2(A)は保護素子1のカバー部材を省略して示す平面図であり、図2(B)は図2(A)に示すA−A’断面図である。また、図3は可溶導体の溶断後における保護素子1のカバー部材を省略して示す平面図であり、図3(B)は図3(A)に示すA−A’断面図である。保護素子1は、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに積層され、絶縁部材12に覆われた発熱体11と、絶縁部材12上に発熱体11と重畳するように積層された発熱体引出電極13と、絶縁基板10の相対向する一対の側縁に嵌合され、中央部が発熱体引出電極13に接続された可溶導体15と、可溶導体15が設けられた絶縁基板10の表面10aを覆うカバー部材19とを備える。
保護素子1は、小型且つ高電流定格の保護素子を実現するものであり、例えば、絶縁基板10の寸法として1辺の長さが3〜6mm程度と小型でありながら、素子全体の抵抗値が0.5〜1mΩ、30〜60A定格と高定格化が図られている。なお、本発明は、あらゆるサイズ、抵抗値及び電流定格を備える保護素子に適用することができるのはもちろんである。
絶縁基板10は、たとえば方形状に形成され、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、可溶導体15の溶断時の温度に留意する必要がある。
発熱体11は、通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばニクロム、W、Mo、Ru等又はこれらを含む材料からなる。発熱体11は、これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板10に積層された絶縁部材12上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成することができる。
また、発熱体11は絶縁部材12によって被覆され、絶縁部材12を介して発熱体引出電極13及び発熱体引出電極13と接続された可溶導体15と対向される。絶縁部材12は、発熱体11の保護及び絶縁を図るとともに、発熱体11の熱を効率よく可溶導体15へ伝えるために設けられ、例えばガラス層からなる。保護素子1は、発熱体11が絶縁基板10の表面10aに積層された絶縁部材12上に形成されるとともに、絶縁部材12に被覆されることにより、発熱体11の熱を効率良く可溶導体15に伝えることができる。なお、保護素子1は、絶縁基板10の表面10aに発熱体11を積層し、発熱体11の表面を絶縁部材12によって被覆してもよい。
また、発熱体11は、一端が発熱体引出電極13と接続され、他端が発熱体電極16と接続されている。発熱体引出電極13は、絶縁基板10の表面10a上に形成されるとともに発熱体11と接続された下層部13aと、発熱体11と対向して絶縁部材12上に積層されるとともに可溶導体15と接続される上層部13bとを有する。これにより、発熱体11は、発熱体引出電極13を介して可溶導体15と電気的に接続されている。なお、発熱体引出電極13は、絶縁部材12を介して発熱体11に対向配置されることにより、可溶導体15を溶融させるとともに、溶融導体を凝集しやすくすることができる。
また、発熱体電極16は、絶縁基板10の表面10a上に形成され、導電層が形成されたスルーホール17を介して絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子18と連続されている。
これら発熱体引出電極13及び発熱体電極16は、例えばAgやCu等の導電パターンによって形成され、酸化防止対策として適宜、表面にNi/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキ等の保護膜が形成されている。
そして、保護素子1は、発熱体電極16、発熱体11、発熱体引出電極13及び可溶導体15に至る発熱体11への通電経路が形成される。また、保護素子1は、発熱体電極16が外部接続端子18を介して発熱体11に通電させる外部回路と接続され、当該外部回路によって発熱体電極16と可溶導体15とにわたる通電が制御される。
また、保護素子1は、可溶導体15が発熱体引出電極13と接続されることにより、発熱体11への通電経路の一部を構成する。したがって、保護素子1は、可溶導体15が溶融し、外部回路との接続が遮断されると、発熱体11への通電経路も遮断されるため、発熱を停止させることができる。
[可溶導体]
絶縁基板10の相対向する一対の側縁に嵌合されるとともに、中央部が発熱体引出電極13に接続された可溶導体15は、外部回路と接続される一対の端子部20を有し、図3に示すように、発熱体引出電極13と接続された中央部が溶解し、発熱体引出電極13と端子部20との間が溶断することにより外部回路の電流経路を遮断するものである。
可溶導体15は、板状に形成され、両端部に外部回路と接続される端子部20が設けられている。可溶導体15は、端子部20が、保護素子1が実装される回路基板のランド部と接続されることにより、当該回路基板の電流経路の一部を構成し、溶断することにより電流経路を遮断する。
可溶導体15は、中央部が接続用ハンダ等の接合材により発熱体引出電極13と電気的、機械的に接続されている。また、可溶導体15は、両端部が絶縁基板10の側面に沿って曲がることにより、絶縁基板10に嵌合するとともに、端子部20が絶縁基板10の裏面10b側に向けられている。これにより、保護素子1は、絶縁基板10の裏面10bを外部の回路基板への実装面とされ、可溶導体15の一対の端子部20及びスルーホール17を介して発熱体電極16と接続された上記外部接続端子18が、回路基板のランド部と接続されることにより、外部回路に組み込まれる。
保護素子1は、可溶導体15に外部回路との接続端子となる端子部20を設けているため、電流定格の向上を図ることができる。すなわち、上述したように、絶縁基板に可溶導体の通電経路を外部回路へ引き出す表面電極、裏面電極、及び表裏面電極を繋ぐスルーホールを設ける構成においては、スルーホールやキャスタレーションの孔径や孔数の制限や、導電ペーストの抵抗率や膜厚の制限により、可溶導体の抵抗値以下の実現が難しく、電流の高定格化が困難となる。また、絶縁基板に設けた可溶導体の通電経路の抵抗を下げるために大面積化を図ると、保護素子全体が大型化してしまう。
一方、保護素子1は、絶縁基板10にスルーホール等を設けて可溶導体15の通電経路を外部回路に引き出すものではなく、可溶導体15に外部回路との接続端子となる端子部20が形成されているため、外部回路と可溶導体15との間の導通抵抗が可溶導体15そのものの抵抗値によって決まり、絶縁基板10側の構成に左右されない。したがって、保護素子1によれば、素子全体の通電経路を低抵抗化し、容易に電流定格の向上を図ることができる。また、保護素子1によれば、絶縁基板10に可溶導体15の通電経路を設ける必要が無く、素子全体の小型化を図ることができる。
端子部20が設けられた可溶導体15は、例えば、板状の可溶導体15の両端部を折り曲げることにより製造することができる。なお、保護素子1は、端子部20を介して可溶導体15と外部回路とが接続されるため、絶縁基板10に別途外部回路との接続用電極を設けなくともよい。
[嵌合凹部]
また、絶縁基板10は、可溶導体15の端子部20が嵌合される一対の側縁部に嵌合凹部21が形成されている。保護素子1は、絶縁基板10に嵌合凹部21を設けることにより、回路基板への実装面積が広がることもなく、また、可溶導体15の嵌合位置を固定することができる。更に、嵌合凹部21を設けることで、保護素子1の製造プロセスにおいて絶縁基板10を多面付け基板対応とすることができ、生産性向上及び加工コストの低減にも寄与することができる。
[可溶導体の層構成]
ここで、保護素子1は、外部回路の電流経路上に組み込まれるものであり、電流定格の向上を図るとともに、緊急時等には発熱体11の発熱により速やかに可溶導体15が溶断し、外部回路の電流経路を遮断する必要がある。そこで、可溶導体15は、低抵抗化による電流定格の向上、及び発熱体11の発熱による溶断時間の短縮の両立を図るために、低融点金属層と高融点金属層とを含有することが好ましい。
高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などであり、リフロー炉によって基板実装を行う場合においても溶融しない高い融点を有することが好ましい。低融点金属としては、ハンダや、Snを主成分とするPbフリーハンダなどを用いることが好ましい。低融点金属の融点は、必ずしもリフロー炉の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。
高融点金属と低融点金属とを含有することによって、保護素子1をリフロー実装等により回路基板に実装する場合に、実装温度が低融点金属の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融しても、高融点金属が低融点金属の外部への流出を抑制し、可溶導体15の形状を維持し電流定格や溶断時間の変動を防止することができる。また、溶融時には、低融点金属が溶融することにより、高融点金属を溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属の融点以下の温度で速やかに溶融することができる。なお、可溶導体15は、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
また、可溶導体15は、内層となる低融点金属層に高融点金属層が積層されて構成することにより、従来の鉛系高融点ハンダを用いた可溶導体に比べ、電気抵抗率が半分以下に低くなり、結果、電流定格を大きくすることができる。
また、可溶導体15は、低融点金属を高融点金属によって被覆する構成とすることにより、端子部20を設け実装用ハンダを介して回路基板に接続した場合にも、当該実装用ハンダによる溶融を抑制することができる。例えば、鉛等の可溶導体を鉛フリーハンダを介して実装した場合、可溶導体は、鉛フリーハンダを構成する錫によりリフロー温度の250℃程度で容易に溶融し、可溶導体が溶断してしまう。この点、可溶導体15は、低融点金属が高融点金属によって被覆されているため、リフロー温度に曝された場合にも、実装用ハンダによる溶融が抑制され、溶断や変形を防止することができる。
さらに、可溶導体15は、保護素子1が組み込まれた電気系統に異常に高い電圧が瞬間的に印加されるサージへの耐性(耐パルス性)を向上することができる。すなわち、可溶導体15は、例えば100Aの電流が数msec流れたような場合にまで溶断してはならない。この点、極短時間に流れる大電流は導体の表層を流れることから(表皮効果)、可溶導体15は、外層として抵抗値の低いAgメッキ等の高融点金属層を設けることにより、サージによって印加された電流を流しやすく、自己発熱による溶断を防止することができる。したがって、可溶導体15は、従来のハンダ合金からなるヒューズに比して、大幅にサージに対する耐性を向上させることができる。
[放熱電極]
また、保護素子1は、絶縁基板10の表面10aに第1の放熱電極23が形成されている。第1の放熱電極23は、可溶導体15が嵌合される絶縁基板10の一対の側縁近傍に形成され、可溶導体15と接続されることにより端子部20の近傍における可溶導体15の熱を効率よく吸収するものである。第1の放熱電極23は、例えばAgやCu等の電極材料を用いて形成することができ、接続用ハンダ等の接続材料を介して可溶導体15と接続されている。
第1の放熱電極23を設けることにより、保護素子1は、可溶導体15の端子部20の近傍における熱を絶縁基板10側に放熱させ、可溶導体15の発熱領域を発熱体引出電極13と接続された中央部に集中させる。これにより、可溶導体15は、溶断部位が中央部に限定され、速やかに電流経路を遮断することができる。また、可溶導体15は、過電流に伴う自己発熱遮断の際にアーク放電を伴う場合にも、発熱部位が限定されることで、爆発的な溶断及び溶融導体の飛散を防止することができ、絶縁特性を損なうこともない。
この場合、絶縁基板10は、可溶導体15の熱を放熱するために用いられ、熱伝導性の良いセラミック基板が好適に用いられる。また、可溶導体15を第1の放熱電極23に接続する接着剤としては、導電性の有無は問わず、熱伝導性に優れるものが好ましい。
第1の放熱電極23は、スルーホール24を介して絶縁基板10の裏面10bに設けられた第2の放熱電極25と接続されている。スルーホール24は、熱伝導性に優れる導電材料等によって熱伝導層が形成されている。また、第2の放熱電極25は、第1の放熱電極23と同様の材料によって形成することができる。第1の放熱電極23と連続するスルーホール24及び第2の放熱電極25を設けることにより、保護素子1は、さらに効率よく可溶導体15の熱を放熱することができる。なお、第2の放熱電極25は、外部回路の電流経路を構成するものではなく、外部回路と接続されている必要はないが、効率よく放熱するうえで可溶導体15の端子部20とともに外部回路と接続してもよい。
[フラックス]
また、可溶導体15は、外層の高融点金属層又は低融点金属層の酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図2に示すように、可溶導体15の表裏面全面にフラックス27を塗布してもよい。フラックス27を塗布することにより、低融点金属(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えば銀)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックス27を塗布することにより、最外層の高融点金属層の表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜を形成した場合にも、当該酸化防止膜の酸化物を除去することができ、高融点金属層の酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。
[カバー部材]
また、保護素子1は、可溶導体15が設けられた絶縁基板10の表面10a上に、内部を保護するとともに溶融した可溶導体15の飛散を防止するカバー部材19が取り付けられている。カバー部材19は、各種エンジニアリングプラスチック、セラミックス等の絶縁性を有する部材により形成することができる。カバー部材19は、対向する一対の側壁19aが形成され、この側壁19aが絶縁基板10の表面10a上に設置されるとともに、開放された2側面から可溶導体15の端子部20が絶縁基板10の裏面10b側に突出されている。
この保護素子1は、絶縁基板10の裏面10b側を回路基板に向けて実装される。これにより、保護素子1は、可溶導体15がカバー部材19によって覆われるため、発熱体11の発熱による溶断時や、過電流によるアーク放電の発生を伴う自己発熱遮断時においても、溶融金属がカバー部材19によって捕捉され、周囲への飛散を防止できる。
[保護素子の製造工程]
保護素子1は、以下の工程により製造される。可溶導体15が搭載される絶縁基板10は、図4(A)に示すように、表面10aに発熱体11、絶縁部材12、発熱体引出電極13、発熱体電極16及び一対の第1の放熱電極23が形成されている。また、絶縁基板10は、裏面10bにスルーホール17を介して発熱体電極16と連続されている外部接続端子18が形成されている。図4(B)に示すように、この絶縁基板10の一対の側縁に形成された嵌合凹部21に、可溶導体15の端子部20を嵌合するとともに、発熱体引出電極13及び第1の放熱電極23に接続用ハンダ等の接合材を介して可溶導体15を接続する。これにより、可溶導体15は、端子部20の先端部が絶縁基板10の裏面10b側に突出される。
次いで、図4(C)に示すように、可溶導体15上にはフラックス27が設けられる。フラックス27が設けられることにより、可溶導体15の酸化防止、濡れ性の向上を図り、速やかに溶断させることができる。また、フラックス27を設けることにより、溶融金属の絶縁基板10への付着を抑制し、溶断後における絶縁性を向上させることができる。
そして、図4(D)に示すように、絶縁基板10の表面10a上を保護するとともに、可溶導体15の溶融導体の飛散を防止するカバー部材19が搭載されることにより保護素子1が完成する。カバー部材19は、対向する一対の側壁19aが形成され、この側壁19aが表面10a上に設置されるとともに、開放された2側面から可溶導体15の端子部20が裏面10b側に導出されている。
この保護素子1は、絶縁基板10の裏面10b側を回路基板に向けて実装される。これにより、保護素子1は、可溶導体15の両端子部20及び外部接続端子18が回路基板に形成されたランド部と接続される。
[保護素子の使用方法]
保護素子1は、図5に示すように、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパック30内の回路に組み込まれて用いられる。バッテリパック30は、例えば、合計4個のリチウムイオン二次電池のバッテリセル31〜34からなるバッテリスタック35を有する。
バッテリパック30は、バッテリスタック35と、バッテリスタック35の充放電を制御する充放電制御回路40と、バッテリスタック35の異常時に充電を遮断する本発明が適用された保護素子1と、各バッテリセル31〜34の電圧を検出する検出回路36と、検出回路36の検出結果に応じて保護素子1の動作を制御する電流制御素子37とを備える。
バッテリスタック35は、過充電及び過放電状態から保護するための制御を要するバッテリセル31〜34が直列接続されたものであり、バッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bを介して、着脱可能に充電装置45に接続され、充電装置45からの充電電圧が印加される。充電装置45により充電されたバッテリパック30の正極端子30a、負極端子30bをバッテリで動作する電子機器に接続することによって、この電子機器を動作させることができる。
充放電制御回路40は、バッテリスタック35から充電装置45に流れる電流経路に直列接続された2つの電流制御素子41、42と、これらの電流制御素子41、42の動作を制御する制御部43とを備える。電流制御素子41、42は、たとえば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、制御部43によりゲート電圧を制御することによって、バッテリスタック35の電流経路の導通と遮断とを制御する。制御部43は、充電装置45から電力供給を受けて動作し、検出回路36による検出結果に応じて、バッテリスタック35が過放電又は過充電であるとき、電流経路を遮断するように、電流制御素子41、42の動作を制御する。
保護素子1は、たとえば、バッテリスタック35と充放電制御回路40との間の充放電電流経路上に接続され、その動作が電流制御素子37によって制御される。
検出回路36は、各バッテリセル31〜34と接続され、各バッテリセル31〜34の電圧値を検出して、各電圧値を充放電制御回路40の制御部43に供給する。また、検出回路36は、いずれか1つのバッテリセル31〜34が過充電電圧又は過放電電圧になったときに電流制御素子37を制御する制御信号を出力する。
電流制御素子37は、たとえばFETにより構成され、検出回路36から出力される検出信号によって、バッテリセル31〜34の電圧値が所定の過放電又は過充電状態を超える電圧になったとき、保護素子1を動作させて、バッテリスタック35の充放電電流経路を電流制御素子41、42のスイッチ動作によらず遮断するように制御する。
以上のような構成からなるバッテリパック30において、本発明が適用された保護素子1は、図6(A)に示すような回路構成を有する。すなわち、保護素子1は、発熱体引出電極13を介して直列接続された可溶導体15と、可溶導体15の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体15を溶融する発熱体11とからなる回路構成である。また、保護素子1では、たとえば、可溶導体15が端子部20を介してバッテリパック30の充放電電流経路上に直列接続され、発熱体11が電流制御素子37と接続される。可溶導体15の一対の端子部20のうち、一方はバッテリスタック35の開放端と接続され、他方はバッテリパックの正極端子30a側の開放端と接続される。また、発熱体11は、発熱体引出電極13を介して可溶導体15と接続されることによりバッテリパック30の充放電電流経路と接続され、また発熱体電極16及び外部接続端子18を介して電流制御素子37と接続される。
このような保護素子1が実装された実装体であるバッテリパック30の回路構成において、保護素子1は、絶縁基板10にスルーホールを設けて可溶導体15の通電経路を外部回路に引き出すものではなく、可溶導体15に外部回路との接続端子となる端子部20が形成されているため、外部回路と可溶導体15との間の導通抵抗が可溶導体15そのものの抵抗値によって決まり、絶縁基板10側の構成に左右されない。したがって、保護素子1によれば、素子全体の通電経路を低抵抗化し、容易に電流定格の向上を図ることができる。これにより、バッテリパック30は、保護素子1が素子全体として電流定格が向上され、大電流に対応することができる。
また、バッテリパック30は、保護素子1の発熱体11が発熱されると、図3に示すように、可溶導体15が溶融し、その濡れ性によって、発熱体引出電極13上に引き寄せられる。その結果、図6(B)に示すように、保護素子1は、可溶導体15が溶断することにより、確実に電流経路を遮断することができる。また、可溶導体15が溶断することにより発熱体11への給電経路も遮断されるため、発熱体11の発熱も停止する。
なお、本発明が適用された保護素子1は、リチウムイオン二次電池のバッテリパックに用いる場合に限らず、電気信号による電流経路の遮断を必要とする様々な用途にももちろん適用可能である。
また、保護素子1は、図7に示すように、絶縁基板10に嵌合凹部21を設けることなく、相対向する一対の側縁に可溶導体15を嵌合させてもよい。
[並列タイプ/絶縁壁]
また、本発明が適用された保護素子は、図8に示すように、一対の端子部52間に複数の溶断部53が並列された可溶導体51を用いてもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図8に示す保護素子50は、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに積層され、絶縁部材12に覆われた発熱体11と、絶縁部材12上に発熱体11と重畳するように積層された発熱体引出電極13と、絶縁基板10の相対向する一対の側縁に嵌合され、中央部が発熱体引出電極13に接続された可溶導体51と、可溶導体51が設けられた絶縁基板10の表面10aを覆うカバー部材19とを備える。
可溶導体51は、板状に形成され、両端部に外部回路と接続される端子部52が設けられている。可溶導体51は、端子部52が、保護素子50が実装される回路基板のランド部と接続されることにより、当該回路基板の電流経路の一部を構成し、溶断することにより電流経路を遮断する。端子部52は、絶縁基板10の側縁に設けられた嵌合凹部21に嵌合することにより、絶縁基板10の裏面10b側に向けられている。
また、可溶導体51は、一対の端子部52間にわたって複数の溶断部53が形成されている。各溶断部53は、接続用ハンダ等の接合部材を介して発熱体引出電極13上に接続されている。なお、可溶導体51は、上述した可溶導体15と同様に低融点金属層と高融点金属層とを含有することが好ましく、また後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
以下では、3つの溶断部53A〜53Cが並列された可溶導体51を用いた場合を例に説明する。図8(A)に示すように、各溶断部53A〜53Cは、端子部52間にわたって搭載されることにより、可溶導体51の複数の通電経路を構成する。そして、複数の溶断部53A〜53Cは、発熱体11の熱により溶断し、すべての溶断部53A〜53Cが溶断することにより、端子部52間にわたる電流経路を遮断する。
なお、可溶導体51は、定格を超える電流が通電することによる溶断する際にも、各溶断部53A〜53Cが順次溶断することから、最後に残った溶断部53の溶断時に発生するアーク放電も小規模なものとなり、溶融したヒューズエレメントが広範囲にわたって飛散し、飛散した金属によって新たに電流経路が形成され、あるいは飛散した金属が端子や周囲の電子部品等に付着することを防止することができる。また、可溶導体51は、複数の溶断部53A〜53C毎に溶断されることから、各溶断部53A〜53Cの溶断に要する熱エネルギーは少なくて済み、短時間で遮断することができる。
可溶導体51は、複数の溶断部53のうち、一つの溶断部53の一部又は全部の断面積を他の溶断部の断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化してもよい。一つの溶断部53を相対的に高抵抗化させることにより、可溶導体51は、定格を超える電流が通電されると、比較的低抵抗の溶断部53から多くの電流が通電し溶断していく。その後、残った当該高抵抗化された溶断部53に電流が集中し、最後にアーク放電を伴って溶断する。したがって、可溶導体51は、溶断部53を順次溶断させることができる。また、断面積の小さい溶断部53の溶断時にアーク放電が発生するため、溶断部53の体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散を防止することができる。
また、可溶導体51は、3つ以上の溶断部を設けるとともに、内側の溶断部を最後に溶断させることが好ましい。例えば、図8に示すように、可溶導体51は、3つの溶断部53A、53B、53Cを設けるとともに、真ん中の溶断部53Bを最後に溶断させることが好ましい。
この可溶導体51は、定格を超える電流が通電されると、先ず2つの溶断部53A、53Cに多くの電流が流れて自己発熱により溶断する。溶断部53A、53Cの溶断は自己発熱によるアーク放電を伴うものではないため、溶融金属の爆発的な飛散もない。
次いで、真ん中の溶断部53Bに電流が集中し、アーク放電を伴いながら溶断する。このとき、可溶導体51は、真ん中の溶断部53Bを最後に溶断させることにより、アーク放電が発生しても、溶断部53Bの溶融金属を、先に溶断している外側の溶断部53A,53Cによって捕捉することができる。したがって、溶断部53Bの溶融金属の飛散を抑制し、溶融金属によるショート等を防止することができる。
このとき、可溶導体51は、3つの溶断部53A〜53Cのうち、内側に位置する真ん中の溶断部53Bの一部又は全部の断面積を外側に位置する他の溶断部53A,53Cの断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化し、これにより真ん中の溶断部53Bを最後に溶断させてもよい。この場合も、断面積を相対的に小さくすることにより最後に溶断させているため、アーク放電も溶断部53Bの体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散をより抑制することができる。
[可溶導体の製法]
このような複数の溶断部53が形成された可溶導体51は、例えば図9(A)に示すように、板状の低融点金属と高融点金属とを含む板状体54の中央部2か所を矩形状に打ち抜いた後、両端部を折り曲げることにより製造することができる。可溶導体51は、並列する3つの溶断部53A〜53Cの両側が端子部52によって一体に支持されている。また、設けられた可溶導体51は、端子部52を構成する板状体と溶断部53を構成する複数の板状体とを接続することにより製造してもよい。なお、図9(B)に示すように、可溶導体51は、並列する3つの溶断部53A〜53Cの一端が端子部52によって一体に支持され、他端にはそれぞれ端子部52が形成されたものでもよい。
[放熱電極]
なお、保護素子50は、溶断部53に応じて絶縁基板10の表面10aに複数の第3の放熱電極56を設けてもよい。第3の放熱電極56は、上述した第1の放熱電極23同様に、可溶導体51が嵌合される絶縁基板10の一対の側縁近傍に、各溶断部53に対応し形成され、各溶断部53と接続されることにより端子部52の近傍における可溶導体51の熱を効率よく吸収する。第3の放熱電極56は、例えばAgやCu等の電極材料を用いて形成することができ、接続用ハンダ等の接続材料を介して溶断部53と接続されている。
第3の放熱電極56を設けることにより、保護素子50は、可溶導体51の端子部52の近傍における熱を絶縁基板10側に放熱させ、各溶断部53の発熱領域を発熱体引出電極13と接続された中央部に集中させる。これにより、可溶導体51は、溶断部位が各溶断部53の中央部に限定され、速やかに電流経路を遮断することができる。また、可溶導体51は、過電流に伴う自己発熱遮断の際にアーク放電を伴う場合にも、発熱部位が限定されることで、爆発的な溶断及び溶融導体の飛散を防止することができ、絶縁特性を損なうこともない。
なお、図8(B)に示すように、保護素子50においても、第3の放熱電極56と連続するスルーホール57、及び絶縁基板10の裏面10bに設けられ、当該スルーホール57と連続された第4の放熱電極58が設けられている。これにより、保護素子50は、さらに効率よく可溶導体51の熱を放熱することができる。
[絶縁壁]
また、図8に示すように、保護素子50は、複数の溶断部53の間に、並列する溶断部53同士の接続を防止する絶縁壁55を設けてもよい。絶縁壁55を設けることにより、可溶導体51は、溶断部53が溶断していく際に、発熱体11又は自身の発熱により溶融、膨張して隣接する溶断部53に接触し凝集することを防止する。これにより、可溶導体51は、隣接する溶断部53同士が溶融、凝集することで大型化し、溶断に必要な電力が増加することによる溶断時間の増加や溶断後における絶縁性の低下、あるいは過電流に伴う自己発熱による溶断時に生じるアーク放電の大規模化による溶融金属の爆発的飛散を防止することができる。
絶縁壁55は、例えば発熱体11の表面を被覆する絶縁部材12上に、発熱体引出電極13を跨ぐように形成されている。また、絶縁壁55は、ソルダーレジストやガラス等の絶縁材料を印刷すること等により立設されている。なお、絶縁壁55は、絶縁性を有することから、溶融導体に対する濡れ性を有しないため、必ずしも隣接する溶断部53同士を完全に隔絶する必要はない。すなわち、カバー部材19の天面19bとの間に隙間を有していても濡れ性による引き込み作用は働かず、溶融導体が当該隙間から並列する溶断部53側へ流入することはない。また、溶断部53は、溶融すると、端子部52間の領域において断面ドーム状に膨れる。そのため、溶断部53の間隔を可溶導体51の厚みの2倍よりも狭く配置する場合、絶縁壁55は、発熱体引出電極13からカバー部材19の天面19bまでに至る高さの半分以上の高さがあれば、溶融導体が並列する溶断部53と接触することを防止できる。もちろん、絶縁壁55は、カバー部材19の天面19bまでに至る高さで形成し、溶断部53同士を隔絶してもよい。
また、絶縁壁55は、カバー部材19の天面19bに形成してもよい。絶縁壁55は、カバー部材19の天面19bに一体形成してもよく、又は天面19bにソルダーレジストやガラス等の絶縁材料を印刷すること等により立設してもよい。この場合、絶縁壁55は、カバー部材19の天面19bから発熱体引出電極13までに至る高さとすることで、溶融導体が発熱体引出電極13を伝って並列する溶断部53と接触することを確実に防止できる。
また、絶縁壁55は、絶縁基板10やカバー部材19に設ける他、並列する複数の溶断部53の間に絶縁壁55を構成する液状あるいはペースト状の絶縁材料を塗布し、硬化させることにより形成してもよい。絶縁壁55を構成する絶縁性の材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性の絶縁性接着剤やソルダーレジスト、ガラスペーストを用いることができる。この場合、絶縁壁55を構成する絶縁材料は、可溶導体51が絶縁基板10に接続された後に塗布、硬化させてもよく、可溶導体51を絶縁基板10に接続する前に塗布、硬化させてもよい。
液状あるいはペースト状の絶縁材料は、並列する複数の溶断部53の間に毛管作用によって充填され、硬化することにより溶断部53が溶融した場合に、並列する溶断部53同士の接続を防止することができる。このため、絶縁壁55を構成する絶縁材料は、硬化することにより溶断部53の発熱温度に対する耐熱性を備えることが求められる。
[絶縁部の設置位置]
なお、保護素子50は、絶縁壁55を可溶導体51の溶断部位に応じて設ければよい。図8に示すように、可溶導体51は、各溶断部53が発熱体引出電極13に接続されることにより発熱体11と重畳され、発熱体引出電極13を介して発熱体11の熱が各溶断部53に伝達される。また、可溶導体51は、各溶断部53が可溶導体51の両端部に設けられた端子部52間に形成され、両端部52では電流が集中せず、両端部52間に設けられた各溶断部53の端子部52と発熱体引出電極13間において電流が集中し、高温に発熱することにより溶融する。
したがって、溶断部53の間隔を可溶導体51の厚みの2倍よりも狭く配置する場合、保護素子50は、絶縁壁55を各溶断部53の全域に隣接して設けることで、溶融導体が隣接する溶断部53に接触することを防止することができる。
また、溶断部53の間隔が可溶導体51の厚みの2倍以上広く配置する場合、絶縁壁55を発熱体引出電極13上の各溶断部53の間に設け、少なくとも溶融物を発熱体引出電極13上で連続させないようにすればよく、絶縁壁55の高さは、発熱体引出電極13からカバー部材19の天面19bまでに至る高さの半分以下であってもよい。
[溶断順序の制御]
保護素子50は、可溶導体51の各溶断部53の間に絶縁壁55を設けることが好ましい。これにより、複数の溶断部53同士が溶融、凝集することを防止し、溶断に必要な電力が増加することによる溶断時間の増加や溶断後において溶融導体の凝集体が端子部52間にわたって連続し絶縁性が低下することを防止することができる。
また、保護素子50は、複数の溶断部53を順次溶断させるとともに、少なくとも最初に溶断する溶断部53とこの最初に溶断する溶断部53に隣接する溶断部53との間に絶縁壁55を設けることが好ましい。上述したように、可溶導体51は、複数の溶断部53のうち、一つの溶断部53の一部又は全部の断面積を他の溶断部の断面積よりも小さくし、相対的に高抵抗化することにより、定格を超える電流が通電されると、先ず比較的低抵抗の溶断部53から多くの電流が通電し溶断していく。
このとき、保護素子50は、最初に溶断する比較的低抵抗の溶断部53と、この溶断部53に隣接する溶断部との間に絶縁壁55を設けることにより、自身の発熱により膨張して隣接する溶断部53に接触し凝集することを防止することができる。これにより、保護素子50は、溶断部53を所定の溶断順序で溶断させるとともに、隣接する溶断部53同士が一体化することによる溶断時間の増加やアーク放電の大規模化による絶縁性の低下を防止することができる。
具体的に、図8に示す3つの溶断部53A、53B、53Cからなる可溶導体51が搭載された保護素子50において、相対的に真ん中の溶断部53Bの断面積を小さくし高抵抗化することにより、外側の溶断部53A、53Cから優先的に多くの電流を流し、溶断させた後、最後に真ん中の溶断部53Bを溶断する。このとき、保護素子50は、溶断部53A、53Bとの間、及び溶断部53B、53Cにそれぞれ絶縁壁55を設けることにより、溶断部53A、53Cが自己発熱により溶融した際にも、隣接する溶断部53Bと接触することなく短時間で溶断するとともに、最後に溶断部53Bを溶断させることができる。また、断面積の小さい溶断部53Bは、隣接する溶断部53A、53Cとの接触もなく、溶断時におけるアーク放電も小規模なものに止まる。
なお、可溶導体51は、3つ以上の溶断部を設けた場合、外側の溶断部を最初に溶断させ、内側の溶断部を最後に溶断させることが好ましい。例えば、図8に示すように、可溶導体51は、3つの溶断部53A、53B、53Cを設けるとともに、真ん中の溶断部53Bを最後に溶断させることが好ましい。
上述したように、可溶導体51に定格を超える電流が通電されると、先ず外側に設けられた2つの溶断部53A、53Cに多くの電流が流れて自己発熱により溶断する。これら溶断部53A、53Cの溶断は自己発熱によるアーク放電を伴うものではないため、溶融金属の爆発的な飛散もない。また、上述したように、溶断部53A、53Cは、絶縁壁55により隣接する溶断部53Bとの接触もなく、最初に溶断される。
次いで、内側に設けられた溶断部53Bに電流が集中し、アーク放電を伴いながら溶断する。このとき、可溶導体51は、内側に設けられた溶断部53Bを最後に溶断させることにより、アーク放電が発生しても、溶断部53Bの溶融金属を、先に溶断している外側の溶断部53A,53Cや溶断部53A,53Cとの間に設けられた絶縁壁55によって捕捉することができる。したがって、溶断部53Bの溶融金属の飛散を抑制し、溶融金属によるショート等を防止することができる。
このときも、可溶導体51は、3つの溶断部53A〜53Cのうち、内側に位置する真ん中の溶断部53Bの一部又は全部の断面積を外側に位置する他の溶断部53A,53Cの断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化し、これにより真ん中の溶断部53Bを最後に溶断させてもよい。この場合も、断面積を相対的に小さくすることにより最後に溶断させているため、アーク放電も溶断部53Bの体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散をより抑制することができる。
[保護素子の製造工程]
保護素子50は、以下の工程により製造される。可溶導体51が搭載される絶縁基板10は、図10(A)に示すように、表面10aに発熱体11、絶縁部材12、発熱体引出電極13、発熱体電極16及び可溶導体51の溶断部53と同数の第3の放熱電極56が形成されている。また、絶縁基板10は、裏面10bにスルーホール17を介して発熱体電極16と連続されている外部接続端子18が形成されている。図10(B)に示すように、この絶縁基板10の一対の側縁に形成された嵌合凹部21に、可溶導体51の端子部52を嵌合するとともに、発熱体引出電極13及び第3の放熱電極56に接続用ハンダ等の接合材を介して各溶断部53を接続する。これにより、可溶導体51は、端子部52の先端部が絶縁基板10の裏面10b側に突出される。
次いで、図10(C)に示すように、可溶導体51上にはフラックス27が設けられる。フラックス27が設けられることにより、可溶導体51の酸化防止、濡れ性の向上を図り、速やかに溶断させることができる。また、フラックス27を設けることにより、溶融金属の絶縁基板10への付着を抑制し、溶断後における絶縁性を向上させることができる。
そして、図10(D)に示すように、絶縁基板10の表面10a上を保護するとともに、可溶導体51の溶融導体の飛散を防止するカバー部材19が搭載されることにより保護素子50が完成する。カバー部材19は、対向する一対の側壁19aが形成され、この側壁19aが表面10a上に設置されるとともに、開放された2側面から可溶導体15の端子部52が裏面10b側に導出されている。
この保護素子50は、絶縁基板10の裏面10b側を回路基板に向けて実装される。これにより、保護素子1は、可溶導体15の両端子部52及び外部接続端子18が回路基板に形成されたランド部と接続される。
[複数の可溶導体]
また、本発明が適用された保護素子は、図11に示すように、可溶導体として、溶断部53に相当する複数の可溶導体を絶縁基板10の相対向する一対の側縁間に嵌合させ、並列させてもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1,50と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
図11に示す保護素子60は、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに積層され、絶縁部材12に覆われた発熱体11と、絶縁部材12上に発熱体11と重畳するように積層された発熱体引出電極13と、絶縁基板10の相対向する一対の側縁に嵌合され、中央部が発熱体引出電極13に接続された複数の可溶導体61と、複数の可溶導体61が設けられた絶縁基板10の表面10aを覆うカバー部材19とを備える。
可溶導体61は、上述した可溶導体15と同一の材料及び構成を有し、絶縁基板10の表面10aに複数、例えば61A,61B,61Cの3枚が並列されている。各可溶導体61A〜61Cは、矩形板状に形成されるとともに、両端に端子部62が折り曲げ形成されている。可溶導体61A〜61Cに設けられた各端子部62は、外部回路の回路基板に設けられたランド部とそれぞれ接続されることにより、当該回路基板の電流経路の一部を構成し、溶断することにより電流経路を遮断する。端子部62は、絶縁基板10の側縁に設けられた嵌合凹部21に嵌合することにより、絶縁基板10の裏面10b側に向けられている。
また、各可溶導体61は、絶縁基板10の表面10a上に載置される中央部が、接続用ハンダ等の接合部材を介して発熱体引出電極13上に接続されている。なお、可溶導体61は、上述した可溶導体15と同様に低融点金属層と高融点金属層とを含有することが好ましく、また後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
なお、保護素子60は、内側に設けられている真ん中の可溶導体61Bの断面積を外側に設けられている他の可溶導体61A,61Cの断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化し、過電流に伴う自己発熱遮断時において、最後に溶断せるようにしてもよい。
また、保護素子60は、上述した保護素子50と同様に、各可溶導体61A〜61C間に絶縁壁55を形成してもよい。絶縁壁55を設けることにより、保護素子60は、各可溶導体61が溶断していく際に、発熱体11又は自身の発熱により溶融、膨張して隣接する可溶導体61に接触し凝集することを防止する。これにより、保護素子60は、隣接する可溶導体61同士が溶融、凝集することで大型化し、溶断に必要な電力が増加することによる溶断時間の増加や溶断後における絶縁性の低下、あるいは過電流に伴う自己発熱による溶断時に生じるアーク放電の大規模化による溶融金属の爆発的飛散を防止することができる。
なお、図11(B)に示すように、保護素子60においても、各可溶導体61に対応して、絶縁基板10の側縁近傍に複数の第5の放熱電極63と、第5の放熱部材63と連続するスルーホール64、及び絶縁基板10の裏面10bに設けられ、当該スルーホール64と連続された第6の放熱電極65が設けられている。これにより、保護素子60は、さらに効率よく各可溶導体61の熱を放熱することができる。
[フリップタイプ]
また、本発明が適用された保護素子は、図12及び図13に示すように、可溶導体の端子部を絶縁基板10の表面10a側に突出させてもよい。なお、以下の説明において、上述した保護素子1,50,60と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。図12(A)は保護素子70の底面側を示す外観斜視図であり、図1(B)は保護素子70の上面側を示す外観斜視図である。図13(A)は保護素子70のカバー部材を省略して示す平面図であり、図13(B)は図13(A)に示す保護素子70のA−A’断面図である。
保護素子70は、絶縁基板10と、絶縁基板10の表面10aに積層され、絶縁部材12に覆われた発熱体11と、絶縁部材12上に発熱体11と重畳するように積層された発熱体引出電極13と、絶縁基板10の表面10a上に配置され、中央部が発熱体引出電極13に接続された可溶導体71と、可溶導体71が設けられた絶縁基板10の表面10aを覆うカバー部材19とを備える。
可溶導体71は、上述した可溶導体51と同様に、板状に形成され、両端部に外部回路と接続される端子部72が設けられている。可溶導体71は、端子部72が、保護素子70が実装される回路基板のランド部と接続されることにより、当該回路基板の電流経路の一部を構成し、溶断することにより電流経路を遮断する。端子部72は、可溶導体71が絶縁基板10の表面10a上に搭載されることにより、絶縁基板10の表面10a側に向けられている。
また、可溶導体71は、一対の端子部72間にわたって複数の溶断部73が形成されている。各溶断部73は、接続用ハンダ等の接合部材を介して発熱体引出電極13上に接続されている。なお、可溶導体71は、上述した可溶導体15と同様に低融点金属層と高融点金属層とを含有することが好ましく、また後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
なお、保護素子70は、可溶導体71として、可溶導体15と同様に、複数の溶断部73を有していない平板状の可溶導体を用いてもよい。
また、保護素子70は、発熱体電極16上に外部接続端子74が設けられる。外部接続端子74は、発熱体電極16を絶縁基板10の表面10a上に引き出すことにより外部回路と接続する端子であり、例えば柱状又は球状の金属バンプ等を用いることができる。
このような保護素子70は、可溶導体71の端子部72及び発熱体電極16と接続された外部接続端子74が絶縁基板10の表面10a上に突出されることにより、絶縁基板の表面10a側を外部回路の回路基板への実装面とし、フェースダウンにより接続される。
なお、図13に示すように、保護素子70においても、可溶導体71の各溶断部73に対応して、絶縁基板10の側縁近傍に複数の第7の放熱電極75が設けられている。これにより、保護素子70は、さらに効率よく各溶断部73の両端側の熱を放熱し、中央部を集中的に加熱、溶断することができる。
保護素子70は、以下の工程により製造される。可溶導体71が搭載される絶縁基板10は、図14(A)に示すように、表面10aに発熱体11、絶縁部材12、発熱体引出電極13、発熱体電極16及び可溶導体71の溶断部73に対応して複数の第7の放熱電極75が形成されている。図14(B)に示すように、この絶縁基板10の表面10a上に形成された発熱体引出電極13に接続用ハンダ等の接合材を介して可溶導体71の各溶断部72の中央部を接続する。これにより、可溶導体71は、端子部72の先端部が絶縁基板10の表面10a側に突出される。また、発熱体電極16上に接続用ハンダ等の接合材を介して外部接続端子74を接続する。
次いで、図14(C)に示すように、可溶導体71上にはフラックス27が設けられる。フラックス27が設けられることにより、可溶導体71の酸化防止、濡れ性の向上を図り、速やかに溶断させることができる。また、フラックス27を設けることにより、アーク放電による溶融金属の絶縁基板10への付着を抑制し、溶断後における絶縁性を向上させることができる。
そして、図14(D)に示すように、絶縁基板10の表面10a上を保護するとともに、可溶導体71の溶融導体の飛散を防止するカバー部材19が搭載されることにより保護素子70が完成する。カバー部材19は、対向する一対の側壁19aが形成され、この側壁19aが表面10a上に設置されるとともに、開放された2側面から可溶導体71の端子部72が表面10a側に導出されている。
この保護素子70は、絶縁基板10の表面10ab側を回路基板に向けて実装される。これにより、保護素子70は、可溶導体71の両端子部72及び外部接続端子74が回路基板に形成されたランド部と接続される。
[発熱体位置]
上述した保護素子1,50,60,70は、発熱体11を絶縁基板10の表面10aに積層する他にも、絶縁基板10の裏面10bに設けてもよい。図15(A)に保護素子1,50,60において発熱体11を絶縁基板10の裏面10bに設けた構成を示し、図15(B)に保護素子70において発熱体11を絶縁基板10の裏面10bに設けた構成を示す。
いずれの場合も、発熱体11は、絶縁基板10の裏面10bにおいて絶縁部材12に被覆されている。また、発熱体11への給電経路を構成する発熱体電極13は、発熱体11と接続される下層部13aが絶縁基板10の裏面10bに形成され、可溶導体15と接続される上層部13bが絶縁基板10の表面10aに形成され、下層部13aと上層部13bとが、導電スルーホールを介して連続される。また、発熱体11は、絶縁基板10の裏面10bにおいて、発熱体引出電極13と重畳する位置に形成されることが好ましい。
また、保護素子1,50,60,70は、発熱体11を絶縁基板10の内部に形成してもよい。図16(A)に保護素子1,50,60において発熱体11を絶縁基板10の内部に設けた構成を示し、図16(B)に保護素子70において発熱体11を絶縁基板10の内部に設けた構成を示す。
いずれの場合も、発熱体11を被覆する絶縁部材12は設ける必要がない。また、発熱体11は、絶縁基板10の内部において、発熱体引出電極13の上層部13bと重畳する位置に形成されることが好ましい。
また、保護素子1,50,60では、発熱体電極16は、絶縁基板10の内部に形成されることにより発熱体11の一端と接続され、導電スルーホールを介して絶縁基板10の裏面10bに設けられた外部接続端子18と接続される。発熱体引出電極13は、発熱体11と接続される下層部13aが絶縁基板10の内部まで形成され、可溶導体15が搭載される上層部13bが絶縁基板10の表面10aに形成され、下層部13aと上層部13bとが、導電スルーホールを介して連続される。
保護素子70では、発熱体電極16は、絶縁基板10の内部に形成されることにより発熱体11の一端と接続される図示しない下層部と、絶縁基板10の表面10aに設けられるとともに外部接続端子74が接続される図示しない上層部とを有し、下層部と上層部とが導電スルーホールを介して連続される。同様に、発熱体引出電極13は、発熱体11と接続される下層部13aが絶縁基板10の内部まで形成され、可溶導体15が搭載される上層部13bが絶縁基板10の表面10aに形成され、下層部13aと上層部13bとが、導電スルーホールを介して連続される。
さらに、保護素子1,50,60,70は、発熱体11を絶縁基板10の表面10aに形成するとともに、発熱体11と可溶導体15,51,61,71とを隣接して配置してもよい。図17に保護素子1において、発熱体11と可溶導体15とを絶縁基板10の表面10a上に隣接して配置した構成を示す。保護素子1,50,60,70の発熱体11は、絶縁部材12に被覆されるとともに絶縁基板10の表面10aに設けられた発熱体引出電極13の一端と接続されている。
保護素子1,50,60,70は、発熱体11が絶縁基板10の裏面10bや内部に形成され、あるいは発熱体11と可溶導体15,51,61,71とが絶縁基板10の表面上に隣接して配置されることにより、絶縁基板10の表面10aが平坦化され、これにより、発熱体引出電極13を表面10a上に形成することができる。したがって、保護素子1,50,60,70は、発熱体引出電極13の製造工程を簡略化することができるとともに、低背化を図ることができる。
また、保護素子1は、発熱体11を絶縁基板10の裏面10bや絶縁基板10の内部に形成した場合にも、絶縁基板10の材料としてファインセラミック等の熱伝導性に優れた材料を用いることにより、発熱体11によって、絶縁基板10の表面10a上に積層した場合と同等に可溶導体15,51,61,71を加熱、溶断することができる。
[可溶導体の構成]
上述したように、可溶導体15,51,61,71は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。以下では、可溶導体15の構成について説明するが、可溶導体51,61,71も同様の構成とすることができる。可溶導体15は、図18(A)に示すように、内層として低融点金属層91が設けられ、外層として高融点金属層90が設けられた構成としてもよい。この場合、可溶導体15は、低融点金属層91の全面が高融点金属層90によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。高融点金属層90による低融点金属層91の被覆構造は、メッキ等の公知の成膜技術を用いて形成することができる。
また、図18(B)に示すように、可溶導体15は、内層として高融点金属層90が設けられ、外層として低融点金属層91が設けられた構成としてもよい。この場合も、可溶導体15は、高融点金属層90の全面が低融点金属層91によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
また、可溶導体15は、図19に示すように、高融点金属層90と低融点金属層91とが積層された積層構造としてもよい。
この場合、可溶導体15は、図19(A)に示すように、発熱体引出電極13と接続される下層と、下層の上に積層される上層からなる2層構造として形成され、下層となる低融点金属層91の上面に上層となる高融点金属層90を積層してもよく、反対に下層となる高融点金属層90の上面に上層となる低融点金属層91を積層してもよい。あるいは、可溶導体15は、図19(B)に示すように、内層と内層の上下面に積層される外層とからなる3層構造として形成してもよく、内層となる低融点金属層91の上下面に外層となる高融点金属層90を積層してもよく、反対に内層となる高融点金属層90の上下面に外層となる低融点金属層91を積層してもよい。
また、可溶導体15は、図20に示すように、高融点金属層90と低融点金属層91とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。この場合、可溶導体15は、最外層を構成する金属層によって、全面又は相対向する一対の側面を除き被覆された構造としてもよい。
また、可溶導体15は、内層を構成する低融点金属層91の表面に高融点金属層90をストライプ状に部分的に積層させてもよい。図21は、可溶導体15の平面図である。
図21(A)に示す可溶導体15は、低融点金属層91の表面に、幅方向に所定間隔で、線状の高融点金属層90が長手方向に複数形成されることにより、長手方向に沿って線状の開口部92が形成され、この開口部92から低融点金属層91が露出されている。可溶導体15は、低融点金属層91が開口部92より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属層90の溶食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。開口部92は、例えば、低融点金属層91に高融点金属層90を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
また、可溶導体15は、図21(B)に示すように、低融点金属層91の表面に、長手方向に所定間隔で、線状の高融点金属層90を幅方向に複数形成することにより、幅方向に沿って線状の開口部92を形成してもよい。
また、可溶導体15は、図22に示すように、低融点金属層91の表面に高融点金属層90を形成するとともに、高融点金属層90の全面に亘って円形状又は矩形状の開口部93が形成され、この開口部93から低融点金属層91を露出させてもよい。開口部93は、例えば、低融点金属層91に高融点金属層90を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
可溶導体15は、低融点金属層91が開口部93より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属の溶食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。
また、可溶導体15は、図23に示すように、内層となる高融点金属層90に多数の開口部94を形成し、この高融点金属層90に、メッキ技術等を用いて低融点金属層91を成膜し、開口部94内に充填してもよい。これにより、可溶導体15は、溶融する低融点金属が高融点金属に接する面積が増大するので、より短時間で低融点金属が高融点金属を溶食することができるようになる。
また、可溶導体15は、低融点金属層91の体積を、高融点金属層90の体積よりも多く形成することが好ましい。可溶導体15は、発熱体11によって加熱されることにより、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、可溶導体15は、低融点金属層91の体積を、高融点金属層90の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに外部回路の電流経路を遮断することができる。
また、可溶導体15は、図24に示すように、略矩形板状に形成され、外層を構成する高融点金属によって被覆され主面部15aよりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部15bと、内層を構成する低融点金属が露出され第1の側縁部15bよりも薄い厚さに形成された相対向する一対の第2の側縁部15cとを有してもよい。
第1の側縁部15bは、側面が高融点金属層90によって被覆されるとともに、これにより可溶導体15の主面部15aよりも肉厚に形成されている。第2の側縁部15cは、側面に、外周を高融点金属層90によって囲繞された低融点金属層91が露出されている。第2の側縁部15cは、第1の側縁部15bと隣接する両端部を除き主面部15aと同じ厚さに形成されている。
以上のように構成された可溶導体15は、図25に示すように、第1の側縁部15bが設けられた両端部を端子部20とし、第2の側縁部15cが絶縁基板10の一対の側縁間にわたされる。
これにより、保護素子1は、リフロー実装時や定格電流の通電時等における可溶導体15の変形による定格や遮断時間の変動を防止することができる。また、保護素子1は、発熱体11の発熱後、可溶導体15を速やかに溶融させ、外部回路の電流経路を遮断することができる。
すなわち、第1の側縁部15bは、高融点金属によって被覆され、低融点金属層91も露出されていないために溶食作用が働きにくく、溶融するまでに多くの熱エネルギーを要する。したがって、第1の側縁部15bを端子部20とすることにより、可溶導体15は、リフロー実装時等の加熱や、定格電流の通電による自己発熱によって外部回路のランド部に設けられた接続用ハンダが溶融した場合にも、高融点金属被覆された第1の側縁部15bが溶融し内層を構成する低融点金属が接続用ハンダに引っ張られて濡れ性に勝るランド部へ流出することが防止されている。したがって、可溶導体15は、低融点金属の流出による変形が防止され、所定の定格を維持するとともに、低融点金属の流出によって溶食作用が阻害されることによる溶断時間の延長も防止することができる。
また、第2の側縁部15cは、第1の側縁部15bよりも相対的に薄肉に形成されている。また、第2の側縁部15cの側面は、内層を構成する低融点金属層91が露出されている。これにより、第2の側縁部15cは、低融点金属層91による高融点金属層90の溶食作用が働き、かつ、溶食される高融点金属層90の厚さも第1の側縁部15bに比して薄く形成されていることにより、高融点金属層90によって肉厚に形成されている第1の側縁部15bに比して、少ない熱エネルギーで速やかに溶融させることができる。
したがって、保護素子1は、発熱体11が発熱することにより、速やかに第2の側縁部15cが溶融し、溶融導体が発熱体引出電極13上に凝集するとともに、一対の端子部20間を溶断し、外部回路の電流経路を遮断することができる。
このような構成を有する可溶導体15は、低融点金属層91を構成するハンダ箔等の低融点金属箔を、高融点金属層90を構成するAg等の金属で被覆することにより製造される。低融点金属層箔を高融点金属被覆する工法としては、長尺状の低融点金属箔に連続して高融点金属メッキを施すことができる電解メッキ法が、作業効率上、製造コスト上、有利となる。
電解メッキによって高融点金属メッキを施すと、長尺状の低融点金属箔のエッジ部分、すなわち、側縁部において電流密度が相対的に強まり、高融点金属層90が厚くメッキされる(図24参照)。これにより、側縁部が高融点金属層によって肉厚に形成された長尺状の導体リボン96が形成される。次いで、この導体リボン96を長手方向と直交する幅方向(図24中C−C’方向)に、所定長さに切断することにより、可溶導体15が製造される。これにより、可溶導体15は、導体リボン96の側縁部が第1の側縁部15bとなり、導体リボン96の切断面が第2の側縁部15cとなる。また、第1の側縁部15bは、高融点金属によって被覆され、第2の側縁部15cは、端面(導体リボン96の切断面)に外周を取り巻く高融点金属層90と高融点金属層90によって挟持された低融点金属層91が外方に露出されている。
1 保護素子、10 絶縁基板、10a 表面、10b 裏面、11 発熱体、12 絶縁部材、13 発熱体引出電極、15 可溶導体、15a 主面部、15b 第1の側縁部、15c 第2の側縁部、16 発熱体電極、17 スルーホール、18 外部接続端子、19 カバー部材、20 端子部、21 嵌合凹部、23 第1の放熱電極、24 スルーホール、25 第2の放熱電極、27 フラックス、30 バッテリパック、30a 正極端子、30b 負極端子、31〜34 バッテリセル、35 バッテリスタック、36 検出回路、37 電流制御素子、40 充放電制御回路、41 電流制御素子、42 電流制御素子、43 制御部、45 充電装置、50 保護素子、51 可溶導体、52 端子部、53 溶断部、54 板状体、55 絶縁壁、56 第3の放熱電極、60 保護素子、61 可溶導体、62 端子部、70 保護素子、71 可溶導体、72 端子部、73 溶断部、74 外部接続端子、90 高融点金属層、91 低融点金属層、92〜94 開口部、96 導体リボン

Claims (27)

  1. 絶縁基板と、
    上記絶縁基板に配置された発熱体と、
    上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極と、
    外部回路と接続される一対の端子部を有し、上記一対の端子部間が溶断することにより上記外部回路の電流経路を遮断する可溶導体とを備える保護素子。
  2. 上記可溶導体と上記発熱体引出電極とが接続されている請求項1記載の保護素子。
  3. 上記可溶導体は、上記絶縁基板の表面に配置され、熱により溶融する溶断部と、上記溶断部の両端に設けられた上記一対の端子部とを有し、
    上記絶縁基板に嵌合することにより、上記端子部が上記絶縁基板の裏面側に向けられている請求項1又は2に記載の保護素子。
  4. 上記絶縁基板は、上記可溶導体が嵌合する嵌合凹部が形成されている請求項3記載の保護素子。
  5. 上記可溶導体は、上記絶縁基板の表面に配置され、熱により溶融する溶断部と、上記溶断部の両端に設けられ、上記溶断部より上記絶縁基板の表面側に突出された上記一対の端子部とを有し、
    上記絶縁基板の表面に形成され、上記発熱体の開放端と接続された発熱体電極と、
    上記発熱体電極に接続されることにより上記絶縁基板の表面側に突出された外部接続端子とを有する請求項1又は2に記載の保護素子。
  6. 上記絶縁基板の表面には、上記可溶導体と接続され、上記可溶導体の熱を吸収する放熱電極が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護素子。
  7. 上記放熱電極は、スルーホールを介して上記絶縁基板の裏面に設けられた端子部と連続されている請求項6記載の保護素子。
  8. 上記可溶導体は、上記一対の端子部間に複数の溶断部が並列されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護素子。
  9. 複数の上記溶断部の間には絶縁壁、又は上記発熱体引出電極上に設けられた絶縁層が設けられている請求項8記載の保護素子。
  10. 複数の上記可溶導体が並列され、上記可溶導体の間には絶縁壁、又は上記発熱体引出電極上に設けられた絶縁層が設けられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護素子。
  11. 上記発熱体は、上記絶縁基板の表面に形成されるとともに絶縁部材に被覆され、又は上記絶縁基板の表面に形成された絶縁部材の内部に形成され、
    上記発熱体引出電極は、上記絶縁部材上に形成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の保護素子。
  12. 上記発熱体は、上記絶縁基板の裏面に形成され、絶縁部材に被覆されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の保護素子。
  13. 上記発熱体は、上記絶縁基板の内部に形成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の保護素子。
  14. 上記発熱体は、上記絶縁基板の表面に形成され、
    上記可溶導体は、上記絶縁基板の表面に、上記発熱体と隣接して配置される請求項1〜10のいずれか1項に記載の保護素子。
  15. 上記可溶導体は、低融点金属層と高融点金属層とを有し、
    上記低融点金属層が、上記高融点金属層を浸食し溶断する請求項1〜14のいずれか1項に記載の保護素子。
  16. 上記低融点金属は、Sn又はSnを40%以上含む合金であり、上記高融点金属は、Ag、Cu、又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項15記載の保護素子。
  17. 上記可溶導体は、内層が高融点金属であり、外層が低融点金属の被覆構造である請求項15又は16に記載の保護素子。
  18. 上記可溶導体は、内層が低融点金属であり、外層が高融点金属の被覆構造である請求項15又は16に記載の保護素子。
  19. 上記可溶導体は、低融点金属と、高融点金属とが積層された積層構造である請求項15又は16に記載の保護素子。
  20. 上記可溶導体は、低融点金属と、高融点金属とが交互に積層された4層以上の多層構造である請求項15又は16に記載の保護素子。
  21. 上記可溶導体は、内層を構成する低融点金属の表面に形成された高融点金属に、開口部が設けられている請求項15又は16に記載の保護素子。
  22. 上記可溶導体は、多数の開口部を有する高融点金属層と、上記高融点金属層上に形成された低融点金属層とを有し、上記開口部に低融点金属が充填されている請求項15又は16に記載の保護素子。
  23. 上記可溶導体は、上記高融点金属により被覆されることにより主面部よりも肉厚に形成された相対向する一対の第1の側縁部と、
    上記第1の側面部よりも薄い厚さに形成され、内層を構成する上記低融点金属層が外層を構成する上記高融点金属層から露出された相対向する一対の第2の側縁部とを有し、
    一対の上記第1の側縁部を上記端子部とする請求項15又は16に記載の保護素子。
  24. 上記可溶導体は、低融点金属の体積が、高融点金属の体積よりも多い請求項15〜23のいずれか1項に記載の保護素子。
  25. 上記発熱体引出電極の表面に、Ni/Auメッキ、Ni/Pdメッキ、Ni/Pd/Auメッキのいずれかが被覆されている請求項1〜24のいずれか1項に記載の保護素子。
  26. 上記可溶導体の表面上の一部又は全部にフラックスがコーティングされ、上記可溶導体の溶断部及び上記フラックスが上記絶縁基板上に設けられたカバー部材により被覆されている請求項1〜25のいずれか1項に記載の保護素子。
  27. 回路基板に保護素子が実装された実装体において、
    上記保護素子は、
    絶縁基板と、
    上記絶縁基板に配置された発熱体と、
    上記発熱体と電気的に接続された発熱体引出電極と、
    外部回路と接続される一対の端子部を有し、上記一対の端子部間が溶断することにより上記外部回路の電流経路を遮断する可溶導体とを備える実装体。
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