JP2016061913A - 電気光学装置、電気光学装置の制御方法、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気光学装置1は、走査線に選択電位が印加された状態で、データ線に対して、プリチャージ電位を印加し、プリチャージ電位を印加した後に、当該画素で表示すべき階調に応じたデータ電位を印加するデータ線駆動回路24と、共通電極信号Vcomを生成して共通電極に供給する電源供給回路26とを備え、正極性のデータ電位を画素に書き込む場合、共通電極信号Vcomの極性をプリチャージ期間と走査線に非選択電位を印加する期間で反転させる。
【選択図】図1
Description
この結果、1フレーム期間毎にデータ信号の極性を反転させる駆動方式では、縦クロストーク及び極性反転に伴うオフリーク電流に起因して、画面上下で輝度むらが発生するといった問題がある。
しかしながら、上述した負極性の第1プリチャージ電位を採用する場合、データ信号の振幅が大きくなってしまい、データ線駆動部の出力段に用いるトランジスターとして耐圧の低いものを使用することができないといった問題がある。
図1は、本発明の実施形態に係る電気光学装置1のブロック図である。電気光学装置1は、電気光学パネル10と表示制御回路50とを具備する。電気光学パネル10は、複数の画素回路PXが配列された表示部30と、各画素回路PXを駆動する駆動回路20と、を含む。
表示部30には、x方向に延在する第1行〜第M行のM本の走査線32と、x方向に交差するy方向に延在する第1列〜第N列のN本のデータ線34とが形成される(M及びNは自然数)。複数の画素回路PXは、表示部30において、走査線32とデータ線34との各交差に対応して縦M行×横N列の行列状に配列される。なお、本実施形態において、画素回路PXは、M本の走査線32及びN本のデータ線34によるM×N個の交差の全てに配置されるが、これらM×N個の交差のうち一部に配置されるものであってもよい。
走査線駆動回路22は、各走査線32に走査信号G[m](mは、1≦m≦Mを満たす自然数)を供給することで、第1行〜第M行の走査線32を1水平走査期間H毎に1本ずつ順番に選択する。より具体的には、走査線駆動回路22は、走査信号G[m]を所定の選択電位に設定することで、第m行の走査線32を選択する。
データ線駆動回路24は、走査線駆動回路22による走査線32の選択に同期して、N本のデータ線34の各々にデータ信号Vd[n](nは、1≦n≦Nを満たす自然数)を供給する。データ信号Vd[n]は、プリチャージ電位Vprとデータ電位Vdataとからなる。データ電位Vdataは、後述する入力画像データDinが各画素回路PXに対応する画素に対して指定する表示階調に応じて可変に設定される。プリチャージ電位Vprについては後述する。
電源供給回路26は、各画素回路PXに共通電極信号Vcom(「電極信号」の一例)を供給する。
液晶素子CLは、共通電極41(「第2電極」の一例)と、画素電極42(「第1電極」の一例)と、共通電極41及び画素電極42の間に設けられた液晶43とを含む。この液晶素子CLの液晶43は、液晶素子CLに印加される電圧、より正確には、共通電極41と画素電極42との間に印加される電圧に応じて、その透過率を変化させる。なお、液晶素子CLに並列に補助容量を接続した構成も採用され得る。
本実施形態において、書込トランジスターTrは、走査線32にゲートが接続されたNチャネル型のトランジスターであり、液晶素子CLとデータ線34との間に設けられ、両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。走査信号G[m]が選択電位に設定されると、第m行の各画素回路PXにおける書込トランジスターTrが同時にオン状態に遷移する。
以下では、説明の便宜上、書込トランジスターTrと画素電極42とを電気的に接続する接続配線をノードQと称し、データ線34と書込トランジスターTrとを電気的に接続する接続配線をノードRと称する。また、以下では、ノードQの電位を電位Vqと称する。
以下では、液晶素子CLに印加される電圧を、電位Vqから共通電極信号Vcomの電位を減算した電位差VCLとして表現することがある。
しかし、実際には、オフ状態の書込トランジスターTrにおいてリーク電流Idsが発生することがある。この場合、電位Vqが変動する。このような電位Vqの変動が生じると、電位差VCLも変動するため、画素は、データ信号Vd[n]に応じた階調を正確に表示できなくなる。
また、表示制御回路50は、入力画像データDinに基づいて、画像データ信号Dxを生成し、これをデータ線駆動回路24に対して供給する。本実施形態では、画像データ信号Dxは、デジタルの信号であるが、アナログの信号であってもよい。
また、プリチャージ期間Tpのうち、時刻t3から時刻t4までの第1プリチャージ期間Tp1では、プリチャージ電位Vprは、共通電極信号Vcomの電位VcomHよりも低電位となる。従って、第1プリチャージ期間Tp1においては、共通電極41の電位よりデータ線34の電位が低電位となるため(この例では、電位差VCLは−4Vとなる。)、図2に示すノードQからノードRに向けてリーク電流Idsが流れる。これにより、縦クロストークと輝度むらとを抑圧することができる。
一方、データ信号V[n]は、プリチャージ期間Tpにおいてプリチャージ電位Vprとなり、書込期間Twにおいてデータ電位Vdataとなる。この例では、電位VcomHは+4V、プリチャージ電位Vprは0V、データ電位Vdataは−1Vである。このため、プリチャージ期間における電位差VCLは−4Vとなり負極性のプリチャージが行われる。また、書込期間Twにおける電位差VCLは−1Vとなり負極性のデータ電位Vdataが書き込まれる。
さらに、書込トランジスターTrをオフ状態とする期間中に、共通電極信号Vcomを
反転させるため、共通電極信号Vcomの電位が電位VcomHになるまでの時間を十分確保することができる。
くわえて、プリチャージ期間Tpにおいて、共通電極信号Vcomを再度反転するため、共通電極信号Vcomの電位が電位VcomLになるまでの時間を十分確保することができ、また、
第2プリチャージ期間Tp2において、正極性のプリチャージを実行できるので、データ電位Vdataの書き込み不足による表示品質の低下を改善することができる。
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。
上述した実施形態では、負極性のデータ電位Vdataを書き込むフレーム期間Fにおいて、
共通電極信号Vcomの電位を電位VcomHに固定したが、本発明はこれに限定されるものでなく、共通電極信号Vcomを1周期の時間長が水平走査期間Hと同じ時間長となる交流信号としてもよい。
図5は変形例1に係る電気光学装置1の動作を示すタイミングチャートである。図5に示すように、極性信号Polが負極性を示し、負極性のデータ電位Vdataを書き込むフレーム期間Fにおいて、共通電極信号Vcomは交流信号となっている。また、データ信号Vd[n]は、プリチャージ期間Tpにおいて、プリチャージ電位Vpr(この例では、0V)となり、書込期間Twではデータ電位Vdata(この例では、3V)となる。
また、書込期間Twでは、データ電位Vdataが3Vであり共通電極信号Vcomの電位VcomHが4Vであるので電位差VCLは−1Vとなる。これにより、負極性のデータ電位Vdataが画素に書き込まれる。
上述した実施形態及び変形例において、第1プリチャージ期間Tp1の時間長と、第2プリチャージ期間Tp2の時間長とは、固定であったが、本発明はこれに限定されるものではく、任意に設定可能としてもよい。より具体的には、電源供給回路26に、共通電極信号Vcomの電位を電位VcomHから電位VcomLに遷移させるタイミングを設定可能な設定部を設けてもよい。さらに、設定部において、共通電極信号Vcomの電位を電位VcomLから電位VcomHに遷移させるタイミングを設定可能としてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、書込トランジスターTrは、Nチャネル型のトランジスターであるが、Pチャネル型のトランジスターであってもよい。
以上の各形態に例示した電気光学装置1は、各種の電子機器に利用され得る。
図6から図8には、電気光学装置1を採用した電子機器の具体的な形態が例示されている。
Claims (9)
- 走査線とデータ線との交差に対応して設けられ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた液晶とを含む液晶素子及び前記データ線と前記第1電極との間に設けられ前記走査線に選択電位が印加されたときにオン状態となるスイッチング素子を有する画素と、
前記走査線に前記選択電位を印加する走査線駆動部と、
前記走査線に前記選択電位が印加された状態で、前記データ線に対して、プリチャージ電位を印加し、前記プリチャージ電位を印加した後に、当該画素で表示すべき階調に応じたデータ電位を印加するデータ線駆動部と、
電極信号を生成して前記第2電極に供給する電極信号供給部とを備え、
前記第1電極の電位が前記第2電極の電位より高電位となるデータ電位を正極性、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位より低電位となるデータ電位を負極性としたとき、
前記走査線に前記選択電位を印加する期間中に、正極性のデータ電位を前記画素に書き込む場合、前記プリチャージ電位を印加する期間の少なくとも一部において、前記プリチャージ電位は、前記電極信号の電位よりも低電位となる、電気光学装置。 - 前記電極信号供給部は、正極性のデータ電位を画素に書き込む場合、前記走査線に前記選択電位を印加しない期間において、前記電極信号の電位を第1電位から第2電位に遷移させる、請求項1に記載の電気光学装置。
- 前記電極信号供給部は、正極性のデータ電位を画素に書き込む場合、前記走査線に前記選択電位を印加する期間において、前記第2電極の電位を基準とする前記第1電極の電位の極性が反転するように、前記電極信号の電位を前記第2電位から前記第1電位に遷移させる、請求項2に記載の電気光学装置。
- 前記電極信号供給部は、正極性のデータ電位を画素に書き込む場合、前記走査線に前記選択電位を印加する期間中の前記プリチャージ電位を印加する期間において、前記第2電極の電位を基準とする前記第1電極の電位の極性が反転するように、前記電極信号の電位を前記第2電位から前記第1電位に遷移させる、請求項3に記載の電気光学装置。
- 前記電極信号供給部は、前記電極信号の電位を前記第2電位から前記第1電位に遷移させるタイミングを設定可能な設定部を備える請求項3又は4に記載の電気光学装置。
- 前記電極信号供給部は、前記走査線に前記選択電位を印加する期間中に、前記負極性のデータ電位を前記画素に書き込む場合、前記プリチャージ電位を印加する期間において前記電極信号の極性を非反転とする、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 前記電極信号供給部は、前記走査線に前記選択電位を印加する期間中に、前記負極性のデータ電位を前記画素に書き込む場合、前記プリチャージ電位を印加する期間において前記電極信号の極性を反転する、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電気光学装置。
- 請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
- 走査線とデータ線との交差に対応して設けられ、第1電極と、第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極の間に設けられた液晶とを含む液晶素子及び前記データ線と前記第1電極との間に設けられ前記走査線に選択電位が印加されたときにオン状態となるスイッチング素子を有する画素を備えた電気光学装置の制御方法であって、
前記走査線に前記選択電位を印加し、
前記走査線に前記選択電位が印加された状態で、前記データ線に対して、プリチャージ電位を印加し、前記プリチャージ電位を印加した後に、当該画素で表示すべき階調に応じたデータ電位を印加し、
電極信号を生成して前記第2電極に供給し、
前記第1電極の電位が前記第2電極の電位より高電位となるデータ電位を正極性、前記第1電極の電位が前記第2電極の電位より低電位となるデータ電位を負極性としたとき、
前記走査線に前記選択電位を印加する期間中に、正極性のデータ電位を前記画素に書き込む場合、前記プリチャージ電位を印加する期間の少なくとも一部において、前記プリチャージ電位は、前記電極信号の電位よりも低電位とする、
電気光学装置の制御方法。
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