JP2016061652A - 自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し前記鋼材内部に侵入する水素の量を、正確かつ再現性良く計測する。【解決手段】自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し前記鋼材内部に侵入する水素の量を、基準セルを含む複数の電気化学セルと鋼板とを備えた測定用センサーを用いて電気化学的水素透過法によりモニタリングするに際し、前記測定用センサーの設置位置を、自動車の床下部、前輪よりも10cm以上後方、後輪より前とする。【選択図】図5

Description

本発明は、自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法に関するものである。特に、実際に自動車が使用される環境下において、走行中の侵入水素量を、正確、かつ再現性良く測定するための方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止の観点から、自動車の走行時に排出されるCO2の削減を狙いとした車体の軽量化が求められている。これに伴い、使用する鋼板を高強度化することによって板厚を低減する努力が進められている。
上記した鋼板の高強度化に伴い、従来の自動車用部品では問題になることのなかった遅れ破壊に対する懸念が新たに浮上してきた。
遅れ破壊とは、高強度鋼部品が静的な負荷応力を受けた状態で、ある時間が経過したとき、外見的にはほとんど塑性変形を伴うことなしに、突然脆性的に破壊する現象であり、広義には液体金属接触割れや応力腐食割れなども含まれるが(非特許文献1)、自動車で問題になるのは腐食に伴い鋼中に侵入する水素によって引き起こされる水素脆化型の遅れ破壊である。
従来から、引張り強さが1200MPa以上の高強度鋼製のボルトが大気環境中で遅れ破壊を起こすことは広く知られており(非特許文献1)、かかる遅れ破壊は鋼中に侵入した微量の水素によって引き起こされると考えられている。この観点から、鋼中への水素侵入に着目した遅れ破壊の評価方法が種々提案されている。
例えば、特許文献1では、鋼材に陰極チャージによって拡散性水素を含有させ、限界拡散性水素量を測定することによって、鋼材の遅れ破壊特性を評価する遅れ破壊特性の評価方法において、限界拡散性水素量の測定中に鋼材から水素が放出されることを防止するために、鋼材に亜鉛めっきを施すことが提案されている。
また、非特許文献2には、チオシアン酸アンモニウムを用いた水素侵入量の評価方法について報告がなされている。また、この文献では、チオシアン酸アンモニウムによって得られた水素侵入量と、陰極チャージ法によって得られた水素侵入量との比較がなされている。
さらに、非特許文献3には、大気暴露環境下で一定期間腐食させた高強度ボルトを回収して、ボルトに吸蔵された水素濃度を測定した例が報告されている。また、この非特許文献3には、鋼板の片面を外部環境に暴露する試験装置を用いた電気化学的水素透過法によって、反対面側から検出されるアノード電流値の変化から、大気暴露環境下での腐食による水素侵入挙動を調査した結果が報告されている。
さらに、特許文献2には、被覆金属を対象として、複数の測定セル容器を配し、任意の基準セルからの差分により被覆金属の耐食性を評価する方法およびその装置が提案されている。
なお、上述したように、現時点で最も遅れ破壊の問題が懸念される金属材料は、実用材料として広範に使用されている鋼材であるが、その他の金属材料においても今後は遅れ破壊の問題が生じる可能性が指摘されている(例えば非特許文献4)。
また、自動車や船舶、航空機などの移動体においては、移動にともなって腐食環境が変化することから、金属電極を用いた腐食センサーを移動体に搭載し、連続的または断続的に電流または電位差を測定する腐食環境測定方法が提案されている(特許文献3)。
このような状況を鑑み、発明者らは金属内部への侵入水素量の測定方法および移動体の金属部位内部へ侵入する水素量のモニタリング方法の特許出願を行った(特許文献4)。
特開2005−134152号公報 特開昭60−56251号公報 特開2005−134162号公報 特開2011−179893号公報
「松山晋作:遅れ破壊、日刊工業新聞社、東京、(1989)」 「大村等:腐食防食シンポジウム資料、Vol.170、p.47-54(2010)」 「大村等:鉄と鋼、Vol.91、No.5、p.42 (2005)」 「高取等:鉄と鋼、Vol.78、No.5、p.149 (1992)」 「M.A.V.Devanathan, Z.Stachurski;Proc. Roy. Soc. London, Ser. A, 270, 90 (1962)」
しかし、特許文献1に記載された技術では、陰極チャージにより強制的に鋼中へ水素を侵入させる加速試験であるため、供試材の種類による遅れ破壊発現の優劣をつけることはできるものの、実際の使用環境での腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が起こるか否かを推定するための判断材料にはならない。
また、非特許文献2に示されたチオシアン酸アンモニウムを用いた水素侵入量の評価方法については、表面の腐食に伴う水素侵入量で遅れ破壊が起こるか否かを推定するための判断材料にならない。
さらに、非特許文献3に開示の大気暴露試験によって得られるデータは、いずれも地勢的な特定環境と結びついた環境因子の下での試験結果にすぎず、構造体の移動に伴い変化する種々の環境下における腐食を継続的に把握することについては、考慮が払われていない。
加えて、非特許文献3に示された鋼板の片面を外部環境に暴露する試験装置を用いた大気暴露における水素透過試験では、環境の温度変化に伴うアノード側の残余電流の変化が考慮されていないことから、測定値の定量性にも問題があった。
さらに、特許文献2に開示の水素測定法の場合、基準セルからの差分であることから、相対的な水素量の比較結果にすぎず、たとえ実施例に記載されているように腐食しない金めっきを施したとしても、環境中で金に吸着する水素は鋼板に侵入することから、正確な水素量を測定が出来なかった。
上記したように、自動車のような移動体では、移動することによって地勢的な環境が変化し、さらに物理的要因(例えば、振動、塵挨堆積−脱落、水・泥跳ね付着−乾燥など)が加わると、腐食環境が極端に変化する場合がある。
特許文献3に開示されている腐食環境測定方法によれば、移動体における腐食環境を直接測定することが可能であるが、ガルバニック型腐食センサーを用いて腐食電流を測定するものであり、水素侵入量を測定するものではなかった。本発明者らの検討によれば、腐食量と水素侵入量との間には一定の相関が見られるものの、ガルバニック型腐食センサーで測定される腐食量と、実際の水素侵入量の変動は完全に一致するものではなく、特許文献3の方法では水素侵入量を精度良くモニターすることはできなかった。
特許文献4に開示の測定方法によれば、移動体の金属部位内部へ侵入する水素量を連続的にモニタリング可能であり、本発明者らは、4輪自動車を用いて自動車の様々な部位での測定を実施した。その結果、水素侵入量は設置状況により、水素侵入量が大きく変化することが明らかとなり、自動車用鋼材への水素侵入量が最も大きい部位を簡便かつ性格に測定する方法が望まれた。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたもので、実際の使用に際し、時々刻々と変化する腐食環境において自動車車体を構成する鋼材へ侵入する水素の量を、正確、かつ再現性よく測定できるモニタリング方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し、前記鋼材内部に侵入する水素の量を電気化学的水素透過法を用いてモニタリングする際のセンサーの設置条件として最適なものを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し、前記鋼材内部に侵入する水素の量を電気化学的水素透過法を用いてモニタリングする方法であって、前記自動車車体の測定位置に測定用センサーを設置し、前記測定位置を、自動車の床下部で、前輪よりも10cm以上後方、かつ後輪より前とし、前記測定用センサーを、1枚の鋼板と複数の電気化学セルを備えるものとし、前記鋼板の一方の面を外部の腐食環境に暴露して、腐食反応により発生する水素が侵入する水素侵入面とし、前記鋼板の他方の面を水素検出面として、該水素検出面に前記複数の電気化学セルを設置し、前記複数の電気化学セルのそれぞれの内部に独立して対極、参照電極、およびpH9〜13の電解質水溶液を設け、前記複数の電気化学セルのうち少なくとも一つのセルを、残余電流を測定するための基準セルとし、前記鋼板の水素侵入面側の表面のうち、基準セルが設けられた水素検出面側の位置に対応する箇所に、前記箇所と腐食環境との接触を遮断し、水素の侵入を阻止する保護膜を設け、前記水素検出面の電位を−0.1〜+0.3V vs SCEに保持した状態で、前記複数の電気化学セルにおける前記対極に流れる電流を測定し、前記基準セル以外のセルで測定される電流値から、前記基準セルで測定される電流値を残余電流として差し引いた値に基づいて水素侵入面側からの侵入水素量を算出することを特徴とする自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
(2)前記鋼板の水素侵入面が車体の前方向を向いている状態を0°、真下を向いている状態を90°としたときの、前記測定用センサーの設置角度が0〜90°であることを特徴とする前記(1)に記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
(3)前記自動車の少なくとも一つの前輪の中心と前記測定位置とを結ぶ線分を地面に平行な面に投影した線分と、前輪の中心と該前輪と車体の同じ側にある後輪の中心とを結ぶ線分を地面に平行な面に投影した線分とがなす角が0°以上、45°以下であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
(4)前記自動車の平均走行速度をv(km/h)と仮定し、下記式(1)を用いて、前記測定位置の高さH(m)、および水平面内における前記測定位置の前輪からの前後方向の距離L(m)を、両者が該式(1)の条件を満たすように決定することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
Figure 2016061652
本発明の方法によれば、時々刻々と変化する腐食環境において自動車車体を構成する鋼材へ侵入する水素の量を、正確、かつ再現性よくモニタリングすることが可能となる。これにより、現実の使用環境における自動車車体の遅れ破壊の生じやすさを定量的に評価することができる。
電気化学的水素透過法の説明図である。 本発明の実施に用いて好適なセル構造を模式的に示した図である。 保護膜の無いセルの腐食面(水素侵入面)側および水素検出面側での反応を模式的に示した図である。 Ir線を0.2MのNaOH水溶液中に浸漬したときの電位の経時変化を示した図である。 車体前後方向の位置による被水量の違いを示した図である。 測定面の角度による被水量の違いを示した図である。 水素侵入面の設置角度を模式的に示したである。 測定用センサーの車体幅方向設置位置を模式的に示した図である。
本発明では、自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し前記金属内部に侵入する水素の量を電気化学的水素透過法を用いてモニタリングする。
電気化学的水素透過法は、1962年にDevanathanとStachurskiによって開発された手法(非特許文献5)である。図1に模式的に示すように、2つの電解槽1a,1bが1枚の試料2を挟んで向かい合わせに配置された装置を用いて測定を行う。同図の場合、左側の電解槽1aの試料面を定電位または定電流でカソード分極して、水素発生・水素チャージを行い、右側の電解槽1bでは試料2を定電位アノード分極することによって試料2を透過してきた水素を水素イオンに酸化し、その電流値から透過した水素の量を求める。
図中、符号3a、3bは参照電極、4a、4bは電極であり、特に4bは対電極または係数電極という。そして、電極4aは、定電位を付与するポテンショスタットまたは定電流を付与するガルバノスタットと接続されている。一方、電極4bは、定電位を付与するポテンショスタットと接続されている。なお、5a,5bは、対電極4a、4bで発生するガス等の影響を除去するための焼結ガラスフリットである。
上記した電気化学的水素透過法は、試料中の水素拡散係数の測定手法として知られている手法であり、図1に示したように、試料の両面を電解液に接触させ、一方の面を陰極にして鋼板へ水素を電解チャージし、反対面側を陽極にして水素を引き抜く手法である。
この電気化学的水素透過法を、腐食により金属内部へ侵入する水素の測定に応用したのが、先述した非特許文献2に記載されている測定方法である。その測定方法では、試料の水素チャージ面側に相当する面を電解液ではなく腐食環境にさらして測定を行っている。
しかしながら、非特許文献2に開示された前記測定方法では、温度の変化による測定電流値の変化が考慮されていないという問題があったことは、前述したとおりである。また、電気化学的水素透過法によって水素検出面側で測定されるアノード電流には、水素の酸化電流の他に、試料の不働態保持電流が重畳されている。この不働態保持電流は、残余電流の主体をなすもので、様々な因子に影響されるが、特に温度による変化が大きい。
電気化学的水素透過法によって水素検出面側で測定されるアノード電流は微弱な電流であることから、残余電流の温度依存性を補正しないと正確なアノード電流を測定することはできない。
上記の問題を解決するために、本発明者等は、種々検討を重ねた結果、試料である1枚の鋼板の一方の面を腐食環境に暴露して、腐食反応により発生する水素が侵入する水素侵入面とし、他方の面を水素検出面として、該水素検出面に複数の電気化学セルを設置した測定用センサーを制作した。
前記複数の電気化学セルのうち少なくとも一つのセルを、残余電流を測定するための基準セルとする。前記鋼板の水素侵入面側の表面のうち、基準セルが設けられた水素検出面側の位置に対応する箇所に、該箇所と腐食環境との接触を防止する保護膜を設ける。これにより、前記基準セルでは水素の侵入が生じず、その結果、残余電流のみが測定される。後述するように、この基準セルにおける測定値を用いて補正を行うことにより、残余電流の温度依存性の影響を受けずに水素侵入量をモニタリングすることが可能となる。
図2に、本発明の測定用センサーを模式的に示す。図中6は、被検体としての鋼板であり、その一方(図中上側)の面が腐食環境に暴露されて水素が侵入する水素侵入面、他方(図中下側)の面が水素検出面である。自動車車体を構成する鋼材における水素侵入量に代えて、前記鋼板への水素侵入量を測定する。そのため、前記鋼板としては自動車車体と同じ成分組成、組織を有する鋼板を用いることが好ましい。
前記鋼板6の水素検出面側には4つの電気化学セル7a、7b、7c、7dが設けられている。そのうち一番左側のセル7aが残余電流を補正するための基準セルである。各電気化学セルの内部にはpH9〜13の電解質水溶液が満たされているとともに、対極(Pt線)8、参照電極(Ir線)9が配置されている。対極8および参照電極9のそれぞれと、鋼板6とは多チャンネルポテンショスタットに接続されており、各電気化学セルにおける電流を個別に測定することができる。
同図において、各セルにおける鋼板の表面温度、セル内の電解質溶液の温度等はすべて同じ温度とする。また、基準セル7aの水素侵入面側には保護膜10が設けられている。保護膜10で被覆された部分は腐食環境に暴露されないため腐食せず、従って水素侵入も起こらない。これにより、基準セルの水素検出面側で測定される電流は残余電流そのものと見なすことができる。
図3に、基準セル以外のセル(チャンネルともいう)の腐食面(水素侵入面)側および水素検出面側での反応を模式的に示す。
鋼板の一方(図中上側)の面(水素侵入面)では、腐食環境に暴露されることによって発生した水素が鋼板内部へ侵入し、鋼板内を拡散して他方(図中下側)の面(水素検出面)に到達する。水素検出面側の表面電位を水素のイオン化(酸化)反応に十分な電位に保持することで、拡散によって検出面側に到達した水素はすべて水素イオンとして取り出される。なお、本発明の方法においては、測定用センサーの鋼板は適切な環境(電位、電解質水溶液)に保たれているため、前記鋼板の水素検出面側表面は不働態化されている。これにより、Feのイオン化など、鋼材構成成分の反応の電流への寄与は無視することができる。
各電気化学セルにおいて測定される電流値は、そこから基準セルで測定される電流値を引くことにより補正される。これにより、残余電流の影響をなくして、正確な水素侵入量を評価することができる。本発明の測定用センサーでは、基準セルを含めたすべてのセルが同じ環境下に置かれ、常時、基準セルの測定値に基づいて残余電流の補正が行われるため、環境温度が変動したとしても、残余電流の温度依存性の影響を受けずに水素侵入量をモニタリングすることができる。
残余電流を補正した後の電流値は、水素の酸化反応のみに起因すると見なすことができる。このため、ファラデー定数(F)を用いて侵入した水素の原子数(n)に換算することができる。例えば、残余電流を補正した後の電流値を時間で積分して電気量(Q)を求め、前記Qの値をFで割ることによりnを算出することができる。また、このnを電気化学セルの水素侵入面の面積で割ることによって、単位面積あたりの水素侵入量を求めることができる。
・ 電気化学セル
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において、測定用センサーを構成する鋼板の水素検出面側を不働態の状態に保持するためには、各電気化学セル内に保持される電解質水溶液のpHを9〜13とすることが必要である。pHが9未満では所定の電位において鋼板の表面の不働態を保持することが困難であり、一方、pHが13を超えると、不慮の事故により漏洩した場合に、環境へのダメージが大きいからである。
電解質水溶液の組成は特に限定されるものではなく、水素検出面の鋼板表面を水素のイオン化反応に十分な電位に保持する際に、鋼板の表面の不働態化状態を確保できる電解質溶液であればいずれでも良い。例えば、0.1〜0.5M(モル/リットル)程度のNaOH水溶液が好適に用いられる。さらに、電解質溶液に代えて、ゲル状の電解質を用いることは、液漏れの防止だけでなく、取り扱いの容易さからも有利である。電解質をゲル化するためのゲル化剤としては、電解質水溶液のゲル化に使用されている、各種公知のゲル化剤を使用することができる。
また、本発明において、水素検出面の電位は、常時、-0.1〜+0.3V vs SCEに保持しておく必要がある。水素検出面の電位がこの範囲を外れると、安定した水素のイオン化電流を得ることができなくなるからである。ここで、SCEは、飽和カロメル電極のことであり、このSCEの標準水素電極(SHE)に対する電位は+0.244 V(vs SHE,25℃)で示される。
電位を制御するための参照電極としては、現在実用化されている各種電極が使用可能である。ただし、Ag/AgCl電極のような塩化物を含む電極を用いる場合、電解質水溶液中への塩化物イオンのコンタミにより、鋼板表面の不働態皮膜が破壊されて残余電流が大きくなり、測定値が不正確になるおそれがある。
そこで、上記のような問題を回避できる参照電極について種々検討した結果、アノード極室溶液中にIr線を浸漬することでIr/Ir酸化物電極となり、長期間安定な電位が得られることが分かった。すなわち、参照電極として最も好適な電極はIr/Ir酸化物電極である。
図4に、Ir線を0.2MのNaOH水溶液中に浸漬したときの電位の経時変化について調べた結果を示す。浸漬初期に電位が変化しているのは、Ir線の表面にIr酸化物(IrO)が安定に形成されるまでの時間と考えられる。しかしながら、所定時間経過後は、-0.04 vs SSE程度の電位が安定して得られることが分かる。ここで、SSEは、銀−塩化銀電極のことであり、このSSEの標準水素電極(SHE)に対する電位は+0.199 V(vs SHE,25℃)である。
また、本発明において、水素検出面の表面は、水素拡散定数が大きく、かつ水素の酸化反応を促進させるような金属で被覆することが好ましい。かような金属としては、PdやPd合金、Niなどが挙げられる。これらの金属または合金を被覆することによって、水素検出面の残余電流を低い値に保持することが可能となるだけでなく、水素検出面側での侵入水素の酸化反応が促進される。このため、水素のイオン化によるアノード電流の感度を高めることができる。なお、Pdは、Niに比べると、水素拡散定数が大きく、また残余電流の温度依存性を低減できるという利点があるため、より好ましい。
水素検出面のPdやPd合金による被覆は、[Pd(NH3)4]Cl2・H2O等のパラジウムイオンを含有する水溶液中で陰極電解するめっき法により形成することができる。前記Pd合金としては、Pd−NiやPd−Co合金などが使用可能である。PdめっきまたはPd合金めっきの膜厚は10〜100nmとすることが好ましい。
また、Niによる被覆は、ワット浴等の既知のめっき浴中で陰極電解するNiめっき法により形成すればよい。Niめっきの膜厚も10〜100nmにすることが好ましい。Niめっきの上に、さらにPdやPd合金をめっきすることもできる。
基準セルの水素侵入面に設ける保護膜は、腐食環境を遮断し、水素の侵入を阻止できるものであればいずれでもよい。具体的には、有機物系接着剤を介した金属箔の貼着が挙げられる。さらに、金属箔上に有機物系接着剤やシーラントを塗布することが好ましい。なお、単なるめっき皮膜では水素の侵入を完全に阻止することはできない。
上記有機物系接着剤は、エポキシ系、アクリル系などいずれの接着剤でもよく、シーラントとしてはオキシムタイプや脱オキシムタイプのシーラントなどが挙げられる。また、金属箔としては、ステンレス箔、アルミニウム箔などが挙げられる。金属箔と鋼板とは有機物系接着剤を介することで直接接触しないようにすることが好ましい。
・ 測定用センサーの設置位置(測定位置)
本発明は、実際の使用に際し、時々刻々と変化する腐食環境において自動車車体を構成する金属材料へ侵入する水素の量を、正確、かつ再現性のある方法で測定できるモニタリングすることを目的としている。使用環境における侵入水素量を正確に把握することができれば、実際の使用環境における鋼材の遅れ破壊発生のリスクを定量的に評価することが可能となる。
ここで、水素量と遅れ破壊の関係について、簡単に説明する。遅れ破壊の起こりやすさは(1)鋼材の種類、(2)加工による歪と応力、(3)水素量の3つの因子により決まることが知られている。遅れ破壊の発生を抑制するためには、鋼材の種類や加工条件を緩和することが有効であるが、同一の鋼材、同一の加工条件下では、水素量が多いほど発生しやすくなる。このことから、遅れ破壊が発生するか否かは、環境から侵入する水素量に依存するといえる。よって、自動車車体を構成する鋼材における遅れ破壊発生のリスクを評価するためには、侵入水素量を精度よく測定することが必要である。また、実際の水素侵入量は車体の部位によって異なるため、遅れ破壊発生のリスクを適切に判断するためには、侵入水素量が最も高い部位で測定を行うことが重要となる。
このような観点から、測定用センサーの設置位置について検討を行った。
自動車車体を構成する鋼材に侵入する水素は、鋼材の腐食によって発生する。そして、鋼材の腐食は主に水分の存在下で発生する。したがって、水分が多く存在する箇所ほど腐食が起こりやすい。その結果、侵入水素の量も多くなる傾向がある。
特に、融雪塩散布地域では、路面の融雪塩が水分とともに走行により巻き上げられ、塩分を含む水が車体に付着する。これによって車体の腐食が促進される。また、融雪塩が存在しない条件においても、路面の水が巻き上げられて付着する部位では、他の部位に比べて腐食が起こりやすくなる。したがって、濡れた路面を走行した際に、路面の水が車輪により巻き上げられ、車体に付着しやすい位置が腐食しやすく、水素侵入量が多い部位であると考えることができる。そこで、本発明では、車輪によって巻き上げられた水分が付着しやすい自動車の床下部に測定用センサーを取り付けることとする。
しかし、同じ自動車の床下部であっても、さらにその位置によって被水状況は異なると予想される。そこで、本発明者らはACM(Atmospheric Corrosion Monitor)型腐食センサーを用い、濡れた路面を走行した際の、車体への水分の付着状況を検証した。
幅2100mmの車両の床下部、幅方向中央に、前後方向の位置を変えてACM型腐食センサーを設置し、位置ごとの出力値を比較した。結果を図5に示す。図中の破線はセンサーに水分が付着したことを示す出力の目安であり、出力値が高いほど水分が多く付着したことを意味する。
この結果は、前輪より10cm以上後方において被水量が多いことを示している。これは、濡れた路面を走行した場合、路面水が車輪により巻き上げられ、車輪よりも後方の車体に水分が付着するためと考えられる。被水量が多い前輪より10cm以上後方においては侵入水素量が高く、他の位置に比べて遅れ破壊発生のリスクが高いと予想される。しかし、後輪よりも後方になると、前輪から離れすぎであることに加えて、後輪によって巻き上げられる水分の影響を受けるため、再現性良く水素侵入量を測定することが難しくなる。
以上の理由より、本発明における測定用センサーの設置位置は、自動車の床下部、前輪よりも10cm以上後方、かつ後輪より前とする。前輪より10cm後方の位置よりも前方に測定用センサーを設置した場合、測定される侵入水素量は少なくなり、遅れ破壊発生のリスクを実際よりも低く見積もってしまうこととなる。なお、本発明における車輪の基準位置は、車輪の中心とする。
・ 設置角度(上下角度)について
さらに、測定用センサーの適正な設置角度を検討するために、前述と同様の方法でACM型腐食センサーを用いて、センサーの設置角度と被水状況との関係についても調査した。センサーの設置位置は、車両の床面中央、路面からの高さを20cmとした。
その結果、図6に示すように、センサーの設置角度を、0°以上、90°以下とした場合に、被水量が多くなることが分かった。これは、上記範囲外の角度でセンサーを設置した場合、路面から巻き上げられた水分が、センサーの測定面に適切に付着しないためだと考えられる。なお、ここでセンサーの設置角度は、センサーの測定面が車体の前方向を向いている状態を0°、前記測定面が真下を向いている状態を90°としたときの角度である。
この結果より、本発明における測定用センサーの設置角度は、鋼板の水素侵入面が車体の前方向を向いている状態を0°、前記水素侵入面が真下を向いている状態を90°としたときの角度を0°以上、90°以下とすることが好ましい(図7)。より好ましくは、
60°以上、90°以下である。
・ 取り付け位置(左右方向)について
同様に、測定用センサーの左右方向の取り付け位置によっても、被水量は変動する。車体に付着する水分は、主に車輪の回転によって路面から巻き上げられるものであることを考慮すると、車輪の真後ろ付近で被水量が多く、左右方向に離れるにしたがって被水量が減少すると考えられる。よって、図8に示すように、本発明においては前記自動車の少なくとも一つの前輪の中心と前記測定位置とを結ぶ線分を地面に平行な面に投影した線分と、前輪の回転軸に垂直な面とがなす角が0°以上、45°以下となるように測定用センサーを設置することが好ましい。より好ましくは、0°以上、25°以下である。
・ 設置高さについて
本発明における測定用センサーの設置位置は、前述のように自動車の床下部とする。特に、路面からの高さを15cm以上、100cm以下とすることが好ましい。100cmより高い位置に設置した場合、検出される水素量が少なくなる場合が認められた。これは、車輪により巻き上げられる路面水の被水量が減少したためと考えられる。一方、15cm未満の場合、計測上の問題は無いが、路面の凹凸によって、セルが破損する可能性があるため、好ましくない。
次に、自動車の走行速度と測定用センサーの設置高さとの関係について説明する。
本発明の測定用センサーは、水素侵入量の多い位置、すなわち被水量の多い位置に設置することが重要である。そして、その位置は、上述したように、車輪からの距離等によって特定することができる。しかし、実際の走行時における路面からの水分の巻き上げられ方は、走行速度の影響を受ける。そこで、走行速度を考慮した、好適な取り付け位置を以下のようにして求めた。
路面水は路面からの高さに到達する放物線を描いて付着すると考えられる。このとき、自動車の走行速度によって、タイヤから離れる位置が異なると考えられる。すなわち、車体に対する液滴の角度が速度によって変化すると考えられる。そこで、測定する自動車の速度、測定位置の高さ、前輪からの距離を種々変更した場合の路面水の付着量を実測した。この結果を基に、測定位置の前輪からの前後方向の距離Lの好適範囲を算出した。
その結果、測定対象とする自動車の平均走行速度をv(km/h)、測定位置の高さをH(m)、水平面内における前記測定位置の前輪からの前後方向の距離をL(m)としたとき、v、H、Lの各値が、次の式(1)の関係を満たすように測定用センサーを取り付けることが好ましいことが分かった。
Figure 2016061652
ここで、平均走行速度vとしては、測定対象である自動車の実際の平均走行速度を用いることが好ましい。しかしながら、測定開始前の、測定用センサーの取り付けを行う時点で正確な平均走行速度の値を知ることはできない。そこで、実際に本発明のモニタリング方法を実施する際には、まず、平均走行速度vの値を仮定し、その値と上記式(1)とを用いて、LとHとが、式(1)の関係を満たすように決定する。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
・ 鋼板の加工
測定用センサーにおいて水素侵入量を測定するための鋼板としては、商用の軟鋼(厚さ:0.8mm)を用いた。前記鋼板を50×50mmにせん断加工した後、水素検出面となる面を#2000まで研磨した。次いで、研磨時に形成される加工層を除去するために研磨面を弗酸と過酸化水素水を混合した水溶液により約50μm化学研磨を行った後、水素検出面側にワット浴を用いて膜厚約100nmのNiめっきを行った。
・ 水素侵入量の測定
以上の加工を行った鋼板に、2つの電気化学セルを取り付けて測定用センサーを作成した。前記電気化学セルの一方を基準セルとし、その水素侵入面に保護膜を形成した。前記保護膜は、鋼板上にエポキシ樹脂を塗布後、ステンレス箔を貼り付け、さらにその上にエポキシ樹脂を塗布することにより形成した。セル内には0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液(pH13)を満たし、参照電極としてIr/Ir酸化物電極、対極としてPt線を、それぞれ設置した。
上記測定用センサーを自動車車体に取り付けて走行を行い、水素侵入面の電位が0V vs SCEとなるよう電位を印可した状態で電流を測定した。異なる3台の車両に、それぞれ複数個のセンサーを設置し、同じ期間、平日の9:00〜17:00の時間帯で、断続的に14日間走行させて侵入水素量のモニタリングを実施した。なお、電流の測定は走行の有無に関わらず、期間中連続して行った。また、式(1)の平均走行速度vの値は
35(km/h)と仮定した。
・ 水素侵入量の評価方法
保護膜の無い通常の電気化学セルにおいて測定された電流値と、保護膜のある基準セルで測定された電流値との差を、時間で積分して得た値を測定期間中における合計水素侵入量とした。測定用センサーの設置条件と測定結果を表1に示す。水素侵入量の測定値は、条件の異なる17の測定用センサーのうち水素侵入量が最大であったもの(表1中No.1)の値に対する比(水素侵入量の比)として記載した。
得られた水素侵入量の比に基づいて、測定用センサーの設置条件を評価した。評価基準は次の通りである。
◎:0.9以上(好適)
○:0.8以上、0.9未満(好適)
△:0.5以上、0.8未満(不適)
×:0.5未満(不適)
Figure 2016061652
車両前面やボンネット、天井など、床下部以外の部位に設置された測定用センサーにおける水素侵入量の測定値は、床下部に設置されたセンサーでの測定値に比べ低い結果となった(比較例3〜6)。また、床下部に設置されたセンサーであっても、前輪からの距離が10cmより小さいものでは水素侵入量の測定値が低かった(比較例1、2)。さらに、設置角度が0〜90°の範囲内であるセンサーでは、設置角度が0°未満または90°超であるセンサーに比べて水素侵入量の測定値がやや高い結果となった。
No.1とNo.10における結果を比較すると、車両が異なるにも関わらず、ほぼ同程度の水素侵入量の値が得られていることがわかる。このことから、本発明のモニタリング方法によれば、異なる車両であっても、同一の走行環境であれば再現性良く腐食環境からの水素侵入量を測定できることが分かる。この再現性は、実際の走行環境下における様々な車種での遅れ破壊発生のリスクを定量的に評価する上で重要である。
本発明により、実際の使用に際し、時々刻々と変化する腐食環境において自動車車体を構成する鋼材へ侵入する水素の量を、正確、かつ再現性のある方法で測定できるモニタリングすることができる。本発明の方法で得られる水素侵入量を用いることにより、実際の走行環境下における様々な車種での遅れ破壊発生のリスクを定量的に評価することが可能となる。
1a、1b 電解槽
2 試料
3a、3b 参照電極
4a、4b 電極
4b 対電極
5a、5b 焼結ガラスフリット
6 鋼板
7a〜7d 電気化学セル
7a 基準セル
8 対極
9 参照電極
10 保護膜

Claims (4)

  1. 自動車車体を構成する鋼材の腐食に伴って発生し、前記鋼材内部に侵入する水素の量を電気化学的水素透過法を用いてモニタリングする方法であって、
    前記自動車車体の測定位置に測定用センサーを設置し、
    前記測定位置を、自動車の床下部で、前輪よりも10cm以上後方、かつ後輪より前とし、
    前記測定用センサーを、1枚の鋼板と複数の電気化学セルを備えるものとし、
    前記鋼板の一方の面を外部の腐食環境に暴露して、腐食反応により発生する水素が侵入する水素侵入面とし、
    前記鋼板の他方の面を水素検出面として、該水素検出面に前記複数の電気化学セルを設置し、
    前記複数の電気化学セルのそれぞれの内部に独立して対極、参照電極、およびpH9〜13の電解質水溶液を設け、
    前記複数の電気化学セルのうち少なくとも一つのセルを、残余電流を測定するための基準セルとし、
    前記鋼板の水素侵入面側の表面のうち、基準セルが設けられた水素検出面側の位置に対応する箇所に、前記箇所と腐食環境との接触を遮断し、水素の侵入を阻止する保護膜を設け、
    前記水素検出面の電位を−0.1〜+0.3V vs SCEに保持した状態で、前記複数の電気化学セルにおける前記対極に流れる電流を測定し、
    前記基準セル以外のセルで測定される電流値から、前記基準セルで測定される電流値を残余電流として差し引いた値に基づいて水素侵入面側からの侵入水素量を算出することを特徴とする自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
  2. 前記鋼板の水素侵入面が車体の前方向を向いている状態を0°、真下を向いている状態を90°としたときの、前記測定用センサーの設置角度が0〜90°であることを特徴とする請求項1に記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
  3. 前記自動車の少なくとも一つの前輪の中心と前記測定位置とを結ぶ線分を地面に平行な面に投影した線分と、前輪の中心と該前輪と車体の同じ側にある後輪の中心とを結ぶ線分を地面に平行な面に投影した線分とがなす角が0°以上、45°以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
  4. 前記自動車の平均走行速度をv(km/h)と仮定し、
    下記式(1)を用いて、前記測定位置の高さH(m)、および水平面内における前記測定位置の前輪からの前後方向の距離L(m)を、両者が該式(1)の条件を満たすように決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車車体を構成する鋼材への侵入水素量のモニタリング方法。
    Figure 2016061652
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