JP2016061554A - ヒートポンプ式加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の温度閾値以上の温度になっている高温熱媒体がタンク内から無くならないようにしつつ、蒸発器の着霜に対して除霜運転を早期に開始することができるヒートポンプ式加熱装置を提供する。【解決手段】ヒートポンプユニット制御部は、ステップS1にて蒸発器が着霜状態であると判定し、且つ、ステップS4にて除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上であると判定した場合に、除霜運転をヒートポンプに開始させる。従って、タンク内に貯えられている熱媒体のうち予め定められた温度閾値以上になっている高温熱媒体がタンク内から無くならないようにしつつ、蒸発器の着霜に対して除霜運転を早期に開始することができる。【選択図】図3

Description

本発明は、タンクに貯えられる熱媒体をヒートポンプで加熱するヒートポンプ式加熱装置に関するものである。
ヒートポンプ式加熱装置のヒートポンプが低外気温度かつ高湿度の条件の下で運転されていると、ヒートポンプが有する蒸発器に霜が付着していく。そうなると蒸発器の吸熱能力が低下していくため、結果としてヒートポンプの加熱能力が低下してしまう。そのため、ヒートポンプ式加熱装置では、霜が蒸発器に付着しているか否かが例えば蒸発器温度に基づいて推定され、霜が蒸発器に付着している場合にはヒートポンプの除霜運転が実施される。この除霜運転の実施により、ヒートポンプの加熱能力が極端に低下することが防止されている。
しかし、除霜運転では、ヒートポンプを循環する冷媒の熱が蒸発器に持っていかれるので、ヒートポンプは、除霜運転の背反として、熱媒体を沸き上げることができず、高温に加熱された熱媒体をタンクへ送ることができない。
このような除霜運転を行うヒートポンプ式加熱装置が、例えば特許文献1に記載されている。その特許文献1に記載されたヒートポンプ式加熱装置では、水(湯)がタンクに貯えられる熱媒体として用いられ、特許文献1のヒートポンプ式加熱装置は、給湯システムとして機能するものである。給湯システムにおいて、ヒートポンプは、一定時間内(たとえば深夜時間帯)に必要湯量をタンクに貯めるように作動する。その一方で、霜が蒸発器に付着すれば除霜運転を行う。
そのために、特許文献1のヒートポンプ式加熱装置では、蒸発器に霜が付着している場合に、除霜運転の開始タイミングが、タンクに貯えられた給湯可能な湯量を考慮して決定される。具体的には、給湯可能な湯量が所定の規定量以上であれば、除霜運転は、湯を沸き上げる貯湯運転の終了後に開始される。その一方で、給湯可能な湯量が所定の規定量未満であれば、貯湯運転が中断され、除霜運転は直ちに開始される。
特開2011−80716号公報 特開2013−142488号公報
しかしながら、除霜運転の開始タイミングを必要以上に遅らせるほど、蒸発器の着霜量が増加するので、ヒートポンプの加熱能力が低下する。更には、蒸発器が凍結する懸念も大きくなる。
また、タンク容量の小さい暖房用ガスハイブリットシステム(例えば、特許文献2の暖房装置)の場合、暖房に供することが可能な高温の湯がタンク内から無くなると、湯温上昇のためにガス加熱器でガスが燃焼させられ、暖房用ガスハイブリットシステムの運転効率が悪化する。そのため、暖房用ガスハイブリットシステムを効率良く運転するという観点から、暖房に供することが可能な高温の湯が常にタンク内に確保されている必要がある。要するに、暖房用ガスハイブリットシステムでは、特許文献1の給湯システムとは逆に、上記高温の湯の貯留量がタンク内において少ないときには、除霜運転の実施を極力避ける必要がある。
このように、特許文献1の給湯システムおよび特許文献2の暖房用ガスハイブリットシステムを考慮すると、蒸発器が着霜している場合には、所定温度以上の高温の湯(熱媒体)がタンク内から無くならない範囲内で、除霜運転を早期に開始することが望ましいと考えられる。
本発明は上記点に鑑みて、所定温度以上になっている熱媒体がタンク内から無くならないようにしつつ、蒸発器の着霜に対して除霜運転を早期に開始することができるヒートポンプ式加熱装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載のヒートポンプ式加熱装置の発明では、所定の供給対象(90)へ供給される熱媒体を貯めるタンク(30)と、
外気と冷媒とを熱交換させその冷媒を蒸発させる蒸発器(26)を有し、その冷媒の熱で熱媒体を加熱するヒートポンプ(21)と、
蒸発器がその蒸発器に霜が付着している着霜状態であるか否かを判定する着霜判定手段(S1)と、
タンク内に貯えられている熱媒体のうち予め定められた温度閾値以上になっている熱媒体の高温貯留量を検出する貯留量検出手段(541)と、
蒸発器に着いた霜を融解させる除霜運転をヒートポンプに開始させたと仮定して、その除霜運転の終了時点での熱媒体の高温貯留量である除霜終了時高温貯留量を、貯留量検出手段が検出した熱媒体の高温貯留量に基づいて推定する除霜終了時推定手段(S3)と、
蒸発器が着霜状態であると着霜判定手段によって判定され、且つ、除霜終了時推定手段が推定した除霜終了時高温貯留量が予め定められた貯留量閾値(X3)以上である場合に、除霜運転をヒートポンプに開始させる除霜運転実行手段(S5)とを備えていることを特徴とする。
上述の発明によれば、除霜運転実行手段は、蒸発器が着霜状態であると判定され、且つ、除霜終了時推定手段が推定した除霜終了時高温貯留量が上記貯留量閾値以上である場合に、除霜運転をヒートポンプに開始させるので、上記温度閾値以上になっている熱媒体がタンク内から無くならないようにしつつ、蒸発器の着霜に対して除霜運転を早期に開始することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のヒートポンプ式加熱装置である暖房システム10の概略構成を示した図である。 図1の暖房システム10に含まれるヒートポンプユニット20の概略構成を示した図である。 第1実施形態の暖房システム10に含まれるヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートである。 第1実施形態において、第2循環ポンプ87の回転数Nhtと熱媒体の流量Qwとの関係を示す流量マップを例示した図である。 第1実施形態において、高温貯留量の減少幅ΔVwと流出熱量Wwとの関係を示すマップを例示した図である。 第3実施形態の暖房システム10に含まれるヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートであって、図3に相当するフローチャートである。 第4実施形態の暖房システム10に含まれるヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートであって、図3に相当するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のヒートポンプ式加熱装置である暖房システム10の概略構成を示した図である。図1の矢印DR1は、暖房システム10が設置された状態でのタンク30の天地方向DR1(上下方向DR1)を示している。図1に示すように、暖房システム10は、ヒートポンプユニット20と、タンクユニット28と、暖房ユニット80と、暖房端末90とを備えている。
タンクユニット28は、暖房端末90へ供給される熱媒体を貯めるタンク30と、例えばサーミスタから成る複数の温度センサ42a、42b、42c、48、58、62と、混合弁66とを備えている。本実施形態の熱媒体は水溶液、詳細には不凍液である。
タンク30内は熱媒体で満たされている。タンク30には、上部タンク温度センサ42a、中部タンク温度センサ42b、および下部タンク温度センサ42c(特に区別しない場合には、単にタンク温度センサ42と呼ぶ)が設けられている。上部タンク温度センサ42aはタンク30の上部(例えばタンク30の頂部から僅かに下がった位置)に設けられている。下部タンク温度センサ42cはタンク30の下部(例えばタンク30の底部から僅かに上がった位置)に設けられている。また、中部タンク温度センサ42bはタンク30の中間部(例えばタンク30の上下方向DR1における中央位置)に設けられている。
上部タンク温度センサ42a、中部タンク温度センサ42b、および下部タンク温度センサ42cはそれぞれ、タンクユニット28のコントローラであるタンクユニット制御部54に接続されている。タンクユニット制御部54、後述するヒートポンプユニット制御部27および暖房ユニット制御部88は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。また、これらの制御部27、54、88は互いに電気的に接続されており、相互に通信可能となっている。
また、タンクユニット制御部54は、複数のタンク温度センサ42a、42b、42cの検出温度信号に基づいて、そのタンク温度センサ42a、42b、42cの配置に対応した各水位レベルでの熱媒体の温度および貯留量を検出することができる。すなわち、タンクユニット制御部54は、タンク30内に貯えられている熱媒体のうち予め定められた温度閾値以上になっている高温熱媒体の貯留量を検出する貯留量検出手段541としての機能を備えている。例えば、複数のタンク温度センサ42a、42b、42cのうち或るタンク温度センサ42の検出温度が暖房用熱量として使用できる上記温度閾値以上になっていた場合には、タンク30内の最上部からそのタンク温度センサ42の位置までは、暖房に使用できる熱媒体が貯まっていることになる。なお、以下の説明では、上記高温熱媒体の貯留量を熱媒体の高温貯留量とも言う。
タンクユニット制御部54は、タンク温度センサ42a、42b、42cの検出信号に基づいて取得した熱媒体の高温貯留量を、ヒートポンプユニット制御部27および暖房ユニット制御部88へ逐次出力する。また、タンクユニット制御部54は、その高温貯留量の残量が無いまたは略無いことを示す予め実験的に設定されたタンク残量下限値以下に熱媒体の高温貯留量がなった場合には、その旨の情報をヒートポンプユニット制御部27および暖房ユニット制御部88へ出力する。また、上記熱媒体の高温貯留量がタンク30容量と同じ又は略同じにまで大きくなった場合には、その旨の情報をヒートポンプユニット制御部27および暖房ユニット制御部88へ出力する。
タンク30は、蓄熱用往路34と蓄熱用復路32とをそれぞれ介して、ヒートポンプユニット20に接続されている。蓄熱用往路34は、タンク30からヒートポンプユニット20へ熱媒体を送る管路であり、タンク30の底部に接続されている。蓄熱用復路32は、ヒートポンプユニット20からタンク30へ熱媒体を戻す管路であり、タンク30の頂部に接続されている。蓄熱用往路34および蓄熱用復路32は、ヒートポンプユニット20とタンク30との間で熱媒体を循環させる循環経路を構成している。その循環経路には、ヒートポンプユニット20が有する第1循環ポンプ22が設けられている。本実施形態の第1循環ポンプ22は、ヒートポンプユニット20に内蔵されているが、第1循環ポンプ22の位置は特に限定されない。
暖房端末90は、タンク30からの熱媒体を放熱させることにより暖房を行う。暖房端末90は、例えば、パネルヒータ、パネルラジエータ、床暖房、ファンコンベクタ、または温水式ルームエアコンなどである。暖房端末90は、暖房用往路56と暖房用復路60とをそれぞれ介して、タンク30に接続されている。すなわち、暖房端末90は、タンク30に貯えられた熱媒体が供給される供給対象となっている。
暖房用往路56は、タンク30から暖房端末90へ熱媒体を送る管路であり、タンク30の頂部に接続されている。暖房用復路60は、暖房端末90からタンク30へ熱媒体を戻す管路であり、タンク30の底部に接続されている。暖房用往路56および暖房用復路60は、タンク30と暖房端末90との間で熱媒体を循環させる循環経路を構成している。
暖房用往路56は、暖房ユニット80を経由して、暖房端末90に接続されている。暖房ユニット80は燃焼式の熱源機である。暖房ユニット80は、可燃性ガスを燃焼させるバーナー装置86と、第2循環ポンプ87と、そのバーナー装置86および第2循環ポンプ87を制御するコントローラとしての暖房ユニット制御部88とを有している。
暖房ユニット80のバーナー装置86は暖房用のものであり、必要に応じて、暖房用往路56を流れる熱媒体を加熱する。すなわち、バーナー装置86は、ヒートポンプユニット20に対して補助的に設けられて熱媒体を加熱する補助熱源装置として機能する。具体的には、暖房ユニット制御部88は、熱媒体の高温貯留量がタンク残量下限値以下になったという情報をタンクユニット制御部54から得た場合に、バーナー装置86を点火し、暖房ユニット80の加熱運転を実施する。
第2循環ポンプ87は暖房用往路56に設けられ、暖房端末90とタンクユニット28との間で熱媒体を循環させる。この構成によると、暖房用往路56を通って暖房端末90に送られる熱媒体の温度が低すぎるときは、バーナー装置86で暖房用往路56を流れる熱媒体を加熱することにより、暖房端末90に送られる熱媒体の温度を上昇させることができる。なお、第2循環ポンプ87を設ける位置は、暖房ユニット80に限られず、特に限定されない。
暖房用往路56と暖房用復路60との間にはバイパス経路64が設けられており、そのバイパス経路64は暖房用往路56と暖房用復路60とを相互に接続している。すなわち、バイパス経路64は、暖房ユニット80および暖房端末90に対して並列的に配管されている。そのため、バイパス経路64は、暖房用復路60を流れる熱媒体の一部又は全部を、タンク30を経由することなく、暖房用復路60から暖房用往路56へ送ることができる。
また、暖房用復路60からバイパス経路64へ分岐する分岐位置には混合弁66が設けられている。暖房用復路60からバイパス経路64を介して暖房用往路56へ送られる熱媒体の流量と、暖房用復路60からタンク30を介して暖房用往路56へ送られる熱媒体の流量との比率が、この混合弁66によって調整されるようになっている。
混合弁66は、タンクユニット制御部54に接続されており、その動作はタンクユニット制御部54によって制御される。この構成によると、暖房用往路56を通って暖房端末90に送られる熱媒体の温度が高すぎるときは、暖房用復路60を流れる放熱後の熱媒体を、暖房用往路56を流れる熱媒体に合流させることによって、暖房端末90に送られる熱媒体の温度を低下させることができる。
暖房用往路56には、第1暖房往路温度センサ48と第2暖房往路温度センサ58とが設けられている。第1暖房往路温度センサ48は、バイパス経路64が暖房用往路56に合流する合流点よりも上流側に設けられており、タンク30から暖房用往路56に送られる熱媒体の温度を検出する。第2暖房往路温度センサ58は、バイパス経路64が暖房用往路56に合流する合流点よりも下流側に設けられており、タンク30から暖房用往路56に送られる熱媒体とバイパス経路64から暖房用往路56に送られる熱媒体が混合した後の温度を検出する。
暖房用復路60には暖房復路温度センサ62が設けられており、暖房復路温度センサ62は混合弁66よりも上流側に配置されている。暖房復路温度センサ62は、暖房用復路60を流れる熱媒体の温度を検出する。
第1暖房往路温度センサ48、第2暖房往路温度センサ58、および暖房復路温度センサ62はそれぞれ、タンクユニット制御部54に接続されている。タンクユニット制御部54は、第1暖房往路温度センサ48、第2暖房往路温度センサ58、および暖房復路温度センサ62の検出温度に基づいて、混合弁66の動作を制御することで、暖房端末90に送られる熱媒体の温度を所望の温度に調整することができる。
図1のヒートポンプユニット20は、ヒートポンプ21の冷媒循環路211(図2参照)を循環する冷媒で、蓄熱用往路34から送られる熱媒体を加熱する。ヒートポンプユニット20は、具体的には、図2に示すように構成されている。図2は、ヒートポンプユニット20の概略構成を示した図である。
ヒートポンプユニット20は、図2に示すように、ヒートポンプ21と、第1循環ポンプ22と、例えばサーミスタから成る複数の温度センサ262、263、321、341と、ヒートポンプユニット20のコントローラであるヒートポンプユニット制御部27と、電動室外ファン261とを備えている。
ヒートポンプ21は、循環する冷媒へ外気(大気)から吸熱させると共に、蓄熱用往路34から送られる熱媒体をその冷媒の熱で加熱する。具体的に、ヒートポンプ21は、圧縮機23と、水冷媒熱交換器24と、膨張弁25と、蒸発器26と、それらを順次配管接続した閉回路である冷媒循環路211とを備えている。本実施形態では、冷媒循環路211を循環する冷媒として、高圧圧力が臨界圧力以上(超臨界状態)となるCOを使用している。
圧縮機23は、内蔵する不図示の電動モータによって駆動される電動圧縮機であり、冷媒を吸入すると共にその吸入した吸入冷媒を臨界圧力以上にまで圧縮して吐出する。水冷媒熱交換器24は、圧縮機23の吐出冷媒(高温高圧冷媒)とタンク30から蓄熱用往路34を介して流入する熱媒体とを熱交換させることによってその熱媒体を加熱する加熱用熱交換器である。
水冷媒熱交換器24は、タンク30からの熱媒体が流れる熱媒体通路24aと、圧縮機23から吐出された圧縮機吐出冷媒が流れる冷媒通路24bとを有し、熱媒体通路24aを流れる熱媒体の流れ方向と冷媒通路24bを流れる冷媒の流れ方向とが相対向するように構成されている。
タンク30内の熱媒体は、図2に矢印で示すように、タンク30底部の出口30a→第1循環ポンプ22→水冷媒熱交換器24の熱媒体通路24a→タンク30頂部の入口30bへと流れる。なお、水冷媒熱交換器24を流れる冷媒(CO)は、圧縮機23で臨界圧力以上に圧縮されることにより超臨界状態のまま熱媒体通路24aの熱媒体へ放熱するので、凝縮しない。
水冷媒熱交換器24の冷媒通路24bの出口は、膨張弁25の入口側に接続されている。この膨張弁25は圧縮機23下流側の高圧冷媒を減圧する可変式減圧装置であり、本実施形態では、冷媒通路の絞り開度(弁開度)を電気的に制御可能な電動膨張弁である。具体的には、膨張弁25は絞り開度を調節する弁体(図示せず)と、この弁体の位置を可変制御するサーボモータ等の電動アクチュエータ(図示せず)とを有している。
蒸発器26は室外熱交換器である。蒸発器26は、膨張弁25で減圧された気液二相の低圧冷媒を外気(室外空気)と熱交換させ、それにより冷媒を蒸発させる。蒸発器26には電動室外ファン261により外気が送風される。
ヒートポンプユニット制御部27は、センサ群の各出力信号に基づいて、各電気機器、すなわち、第1循環ポンプ22、圧縮機23の電動モータ、膨張弁25のアクチュエータ、電動室外ファン261等の作動を制御する。なお、本実施形態のヒートポンプユニット制御部27は、商用電源から給電されている。
ヒートポンプユニット制御部27の入力側にはセンサ群からセンサ検出信号が入力され、操作パネル92に設けられた各種給湯操作スイッチから操作信号が入力される。
ヒートポンプユニット制御部27に接続されたセンサ群は具体的には、図2に示すように、蒸発器26の出口冷媒温度を蒸発器温度TEとして検出する蒸発器温度検出装置262すなわち蒸発器温度センサ262、外気温度を検出する外気温度検出装置263すなわち外気温度センサ263、水冷媒熱交換器24の熱媒体通路24a出口側の熱媒体温度を検出する出口側熱媒体温度センサ321、および、蓄熱用往路34における水冷媒熱交換器24の熱媒体通路24a入口側の熱媒体温度を検出する入口側熱媒体温度センサ341等から成る。そして、ヒートポンプユニット制御部27には、それらの温度センサ262、263、321、341の検出信号がそれぞれ入力される。なお、蓄熱用往路34には入口側熱媒体温度センサ341および第1循環ポンプ22が設けられており、入口側熱媒体温度センサ341は第1循環ポンプ22と水冷媒熱交換器24の熱媒体通路24aとの間に配置されている。
例えば、ヒートポンプユニット制御部27は、入口側熱媒体温度センサ341による検出温度から、ヒートポンプユニット20による加熱前の熱媒体の温度を把握し、出口側熱媒体温度センサ321による検出温度から、ヒートポンプユニット20による加熱後の熱媒体の温度を把握することができる。
暖房システム10の操作パネル92は、ユーザによって操作される操作装置であり、その操作パネル92からは、暖房システム10の作動、停止の操作信号、暖房システム10の暖房設定温度を示す信号等がヒートポンプユニット制御部27に入力される。また、操作パネル92からの信号、および、図1および図2に示す各センサ42a、42b、42c、48、58、62、262、263、321、341の検出信号等は、例えば各制御部27、54、88の間での相互通信により各制御部27、54、88で共有されるようになっている。
ヒートポンプユニット制御部27は、種々の制御処理を実行し、その制御処理の1つとして、ヒートポンプ21が熱媒体を加熱する加熱能力(単位は例えば「kW」)を制御する。そのヒートポンプ21の加熱能力とは、ヒートポンプ21が熱媒体へ与える単位時間当たりの熱量である。
ヒートポンプ21の加熱能力は段階的に制御され、2段階以上のレベル、具体的には4段階のレベルに設定されている。ヒートポンプ21の加熱能力は、レベル1、レベル2、レベル3、レベル4の順に段階的に大きくなる。例えば、ヒートポンプユニット制御部27は、ヒートポンプ21の加熱能力をより大きくする処理を実施するときには、加熱能力のレベルがレベル1であればそのレベルをレベル1からレベル2〜4の何れかへ引き上げる。逆に、ヒートポンプ21の加熱能力をより小さくする処理を実施するときには、加熱能力のレベルがレベル4であればそのレベルをレベル4からレベル1〜3の何れかへ引き下げる。
また、ヒートポンプユニット制御部27は、図3のフローチャートに示す制御処理も実行する。図3は、ヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートである。ヒートポンプユニット制御部27は、ヒートポンプ21の運転を開始すると、図3のフローチャートに示す制御処理を周期的に繰り返し実行する。例えばヒートポンプ21の運転は、操作パネル92に対するユーザ操作によって開始される。
先ず、図3のステップS1にて、ヒートポンプユニット制御部27は、蒸発器26(図2参照)が着霜状態になっているか否かを判定する。蒸発器26の着霜状態とは、蒸発器26に霜が付着している状態である。具体的には、蒸発器26が着霜状態になると蒸発器温度TEが低下するので、蒸発器26が着霜状態であるか否かは、その蒸発器温度TEに基づいて判定される。
すなわち、蒸発器26が着霜状態であるか否かを判定するために予め実験的に定められた着霜判定値X1がROM等の記憶装置に記憶されており、ステップS1では、蒸発器温度センサ262により検出される蒸発器温度TEが取得される。そして、蒸発器温度TEが着霜判定値X1未満に低下していれば蒸発器26は着霜状態であると判定され、逆に、蒸発器温度TEが着霜判定値X1以上であれば蒸発器26は着霜状態ではないと判定される。
ステップS1において、蒸発器26が着霜状態であると判定した場合(すなわち、TE<X1の場合)には、ステップS2へ進む。その一方で、蒸発器26が着霜状態ではないと判定した場合(すなわち、TE≧X1の場合)には、ステップS1を繰り返す。
ステップS2では、蒸発器温度センサ262により検出される蒸発器温度TEが通常除霜の開始判定条件を満たしているか否かを判定する。通常除霜とは、タンク30における熱媒体の高温貯留量に関わらず実施される除霜運転である。また、通常除霜の開始判定条件は、蒸発器温度TEが除霜開始判定値X2未満になっていることである。その除霜開始判定値X2は、蒸発器26に着いた霜を融解させる除霜運転を直ちに開始する必要があるか否かを判定するための閾値である。例えば、蒸発器温度TEが除霜開始判定値X2未満になっていれば、除霜運転を直ちに開始する必要があるということになる。そして、除霜開始判定値X2は、着霜判定値X1よりも低い温度に予め実験的に設定され、記憶装置に記憶されている。
ステップS2において、蒸発器温度TEが通常除霜の開始判定条件を満たしていると判定した場合(すなわち、TE<X2の場合)には、ステップS5へ進む。その一方で、蒸発器温度TEが通常除霜の開始判定条件を満たしていないと判定した場合(すなわち、TE≧X2の場合)には、ステップS3へ進む。
ステップS3では、除霜運転を現時点でヒートポンプ21に開始させたと仮定して、その除霜運転の終了時点での熱媒体の高温貯留量である除霜終了時高温貯留量を、現時点でタンク30内に貯えられている熱媒体の高温貯留量に基づいて推定する。その現時点でタンク30内に貯えられている熱媒体の高温貯留量は、上述したように複数のタンク温度センサ42a、42b、42cの検出温度信号に基づいて求められ、タンクユニット制御部54からヒートポンプユニット制御部27へ逐次伝達されている。
上記除霜終了時高温貯留量を推定するためには、先ず、暖房端末90に流入する熱媒体の流量Qwを算出する。その熱媒体の流量は流量計によって検出されてもよいが、第2循環ポンプ87(図1参照)の回転数Nhtに対応して変化するので、本実施形態では、図4に示す予め実験的に設定された流量マップから、第2循環ポンプ87の回転数Nhtに基づいて算出される。図4は、第2循環ポンプ87の回転数Nhtと熱媒体の流量Qwとの関係を示す流量マップの一例であり、当然、熱媒体の流量Qwは第2循環ポンプ87の回転数Nhtが高いほど大きくなる。その第2循環ポンプ87の回転数Nhtは暖房ユニット制御部88から取得される。
暖房端末90に流入する熱媒体の流量Qwを算出すると、次に、タンク30から流出する単位時間当たりの流出熱量Ww(単位は例えば「kW」)を算出する。そのタンク30からの流出熱量Wwは、例えばバーナー装置86が点火されておらず停止していれば、暖房端末90で熱媒体から放散される消費熱量と同じになり、バーナー装置86が点火され熱媒体を加熱していれば、暖房端末90での消費熱量から暖房ユニット80での加熱熱量を差し引いた熱量になる。
タンク30からの流出熱量Wwは、具体的には、第2暖房往路温度センサ58によって検出される熱媒体流出温度TMP1と、暖房復路温度センサ62によって検出される熱媒体戻り温度TMP2と、上記熱媒体の流量Qwとに基づいて、下記式F1から算出される。
Ww=Ax×Qw×(TMP1−TMP2) ・・・(F1)
なお、上記式F1におけるAxは比例定数である。
タンク30からの流出熱量Wwを算出すると、次に、タンク30内における熱媒体の高温貯留量の減少幅ΔVw(単位は例えば「m」または「kg」)を、その流出熱量Wwに基づいて、図5に示す予め実験的に設定されたマップから算出する。図5は、高温貯留量の減少幅ΔVwと流出熱量Wwとの関係を示すマップの一例であり、当然、高温貯留量の減少幅ΔVwは流出熱量Wwが大きいほど大きくなる。なお、除霜運転の開始時点から終了時点までの運転継続時間は通常、殆ど変わらないので、図5のマップは除霜運転の運転継続時間を予め定められた一定時間とみなして作成されている。また、図5のマップは、暖房端末90が熱媒体から放散させる熱量、暖房ユニット80の運転状態、および混合弁66の作動状態が除霜運転中には変化しないものとみなして作成されている。
高温貯留量の減少幅ΔVwを算出すると、最後に、現時点でタンク30内に貯えられている熱媒体の高温貯留量Vnowから上記減少幅ΔVwを差し引いて得た値を除霜終了時高温貯留量(=Vnow−ΔVw)として算出する。以上のようにして除霜終了時高温貯留量を算出し推定すると、図3のフローチャートでは、ステップS3からステップS4へ進む。
ステップS4では、ステップS3で推定した除霜終了時高温貯留量が所定の貯留量閾値X3以上であるか否か、要するに、その除霜終了時高温貯留量が一定量X3以上あるか否かを判定する。その貯留量閾値X3は、タンク30内の高温貯留量がこの貯留量閾値X3になってもバーナー装置86で熱媒体を加熱する必要が生じず且つ出来るだけ小さい値に予め実験的に設定されている。例えば貯留量閾値X3は、上記のタンク残量下限値よりも僅かに大きい値に設定されている。
ステップS4において、除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上であると判定した場合には、除霜運転を直ちに開始させるため、ステップS5へ進む。その一方で、除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であると判定した場合には、ステップS2へ進む。
ステップS5では、除霜運転をヒートポンプ21に開始させる。除霜運転では、膨張弁25の絞り開度が拡大され、蒸発器26に流入する冷媒の温度が、蒸発器26に着いた霜を融解させるのに十分な温度にまで高められる。また、第1循環ポンプ22(図2参照)は必要に応じて停止される。なお、除霜運転は、例えば、蒸発器温度TEが所定の除霜終了判定値以上になれば終了させられる。その除霜終了判定値は、着霜判定値X1よりも高い温度に予め設定された実験値である。
なお、上述した図3の各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する手段を構成している。後述する図6および図7のフローチャートでも同様である。また、図3のステップS1は本発明の着霜判定手段に対応し、ステップS3は本発明の除霜終了時推定手段に対応し、ステップS5は本発明の除霜運転実行手段に対応する。
上述したように、本実施形態によれば、ヒートポンプユニット制御部27は、図3のステップS1にて蒸発器26が着霜状態であると判定し、且つ、ステップS4にて除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上であると判定した場合に、除霜運転をヒートポンプ21に開始させる。従って、タンク30内に貯えられている熱媒体のうち予め定められた温度閾値以上になっている高温熱媒体がタンク30内から無くならないようにしつつ、蒸発器26の着霜に対して除霜運転を早期に開始することができる。例えば、除霜運転中にタンク30内において高温熱媒体が無くなることに起因してバーナー装置86が点火され作動すると暖房システム10のシステム効率が低下するところ、そのようなシステム効率の低下が生じる機会を減らすことができる。
また、本実施形態によれば、ヒートポンプユニット制御部27は、図3のステップS1では、蒸発器温度センサ262により検出された蒸発器温度TEが着霜判定値X1未満になった場合に、蒸発器26が着霜状態であると判定する。従って、蒸発器26が着霜状態であるか否かを、ヒートポンプ21に一般的に設けられている蒸発器温度センサ262を用いて判定することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明し、第1実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。後述の第3実施形態以降でも同様である。
本実施形態では、蒸発器26が着霜状態であるか否かを図3のステップS1にて判定する判定方法が、前述の第1実施形態とは異なる。具体的には、本実施形態におけるステップS1の判定は、外気温度と蒸発器温度TEとの温度差ΔTaeが蒸発器26に霜が着くと拡大することを利用して行われる。すなわち、ステップS1において、蒸発器26が着霜状態であるか否かは、その温度差ΔTaeに基づいて判定される。その温度差ΔTaeは絶対値であり、外気温度をTamと表すと下記式F2から算出される。
ΔTae=|Tam−TE| ・・・(F2)
そして、その温度差ΔTaeが予め実験的に設定された温度差判定値X4以上であれば蒸発器26は着霜状態であると判定され、逆に、その温度差ΔTaeが温度差判定値X4未満であれば蒸発器26は着霜状態ではないと判定される。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図6は、本実施形態のヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートである。図6は、前述の図3に相当するフローチャートであり、ステップS401が追加されている点において図3に対し異なっている。図6において、図3と同じ内容のステップについては同一の符号を付しその説明を省略する。
図6のフローチャートでは、ステップS4において除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であると判定した場合には、ステップS401へ進む。ステップS401では、ヒートポンプ21が熱媒体を加熱する加熱能力を、蒸発器26が着霜状態であるとステップS1で判定される前に比して増加させる。詳細には、蒸発器26が着霜状態であると判定される直前に比してヒートポンプ21の加熱能力を増加させる。そのヒートポンプ21の加熱能力を増加させる増加幅は、予め実験的に設定されている。例えば、ヒートポンプ21の加熱能力は、圧縮機23の回転数を引き上げて圧縮機23の冷媒吐出量を増加させることで増加させられる。ステップS401の次はステップS2へ進む。
このステップS401の実行により熱媒体の高温貯留量は徐々に増加し、ステップS401の実行は、図6から判るように、ステップS4の判定が、除霜終了時高温貯留量が所定の貯留量閾値X3以上であるという判定に切り替わるまで継続する。従って、蒸発器26が着霜状態である場合において、ステップS3で推定される除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であれば、ヒートポンプユニット制御部27は、ステップS5で除霜運転を開始させる前に、除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上になるまでの間、ヒートポンプ21の加熱能力を、蒸発器26が着霜状態であると判定する前に比して増加させる。
なお、ステップS401にてヒートポンプ21の加熱能力が増加されていれば、その加熱能力の増加は、ステップS5での除霜運転の開始と共に解除される。すなわち、ステップS401で実行されるヒートポンプ21の加熱能力増加は、除霜運転の開始前における一時的なものである。本実施形態では、図6のステップS5に加えてステップS401も本発明の除霜運転実行手段に対応する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。更に、本実施形態によれば、蒸発器26が着霜状態である場合において、図6のステップS3で推定される除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であれば、ステップS5で除霜運転が開始される前に、ヒートポンプ21の加熱能力は、その除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上になるまでの間、蒸発器26が着霜状態であると判定される前に比して増加させられる。従って、ヒートポンプ21からタンク30に供給する熱量を増やし、タンク30内の高温熱媒体が無くなるまでの余裕度を、除霜運転前に大きくすることが可能である。その結果、蒸発器26への着霜があまり進行していないうちに除霜運転を開始する機会を、増やすことができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態と組み合わせることも可能である。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図7は、本実施形態のヒートポンプユニット制御部27の制御処理を示すフローチャートである。図7は、前述の図3に相当するフローチャートであり、ステップS402が追加されている点において図3に対し異なっている。図7において、図3と同じ内容のステップについては同一の符号を付しその説明を省略する。
図7のフローチャートでは、ステップS4において除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であると判定した場合には、ステップS402へ進む。ステップS402では、操作パネル92でユーザにより設定された暖房の設定温度、すなわち暖房端末90が設置された室内の目標温度である目標暖房温度を僅かに低下させる。その目標暖房温度の低下幅は、目標暖房温度の低下をユーザが認識できない程度に予め実験的に設定されている。また、操作パネル92に暖房の設定温度が表示されている場合には、その暖房の設定温度の表示はユーザが設定したままの温度とされる。
このような目標暖房温度の引下げにより、ヒートポンプユニット制御部27は、暖房端末90で熱媒体から放出される放出熱量を、蒸発器26が着霜状態であるとステップS1で判定される前に比して減少させる。詳細には、蒸発器26が着霜状態であると判定される直前に比して上記放出熱量を減少させる。目標暖房温度が引き下げられると、それに応じて、例えば第2循環ポンプ87の吐出流量が減少させられ、或いは、暖房端末90へ流入する熱媒体の温度が混合弁66の動作によって低下させられたりする。ステップS402の次はステップS2へ進む。
このステップS402の実行により熱媒体の高温貯留量は徐々に増加し、ステップS402の実行は、図7から判るように、ステップS4の判定が、除霜終了時高温貯留量が所定の貯留量閾値X3以上であるという判定に切り替わるまで継続する。従って、蒸発器26が着霜状態である場合において、ステップS3で推定される除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であれば、ヒートポンプユニット制御部27は、ステップS5で除霜運転を開始させる前に、除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上になるまでの間、暖房端末90の放出熱量を、蒸発器26が着霜状態であるとステップS1で判定される前に比して減少させる。
なお、ステップS402にて暖房端末90の放出熱量が減少されていれば、その放出熱量の減少は、ステップS5での除霜運転の開始と共に解除される。すなわち、ステップS402で実行されるユーザ設定に対する目標暖房温度の引下げは、除霜運転の開始前における一時的なものである。本実施形態では、図7のステップS5に加えてステップS402も本発明の除霜運転実行手段に対応する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。更に、本実施形態によれば、蒸発器26が着霜状態である場合において、図7のステップS3で推定される除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3未満であれば、ステップS5で除霜運転が開始される前に、暖房端末90の放出熱量は、その除霜終了時高温貯留量が貯留量閾値X3以上になるまでの間、蒸発器26が着霜状態であると判定される前に比して減少させられる。従って、暖房のためにタンク30から持ち出される熱量を減らし、タンク30内の高温熱媒体が無くなるまでの余裕度を、除霜運転前に大きくすることが可能である。その結果、蒸発器26への着霜があまり進行していないうちに除霜運転を開始する機会を、増やすことができる。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた変形例であるが、本実施形態を前述の第2実施形態または第3実施形態と組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態において、タンク30内の熱媒体の温度を検出するタンク温度センサ42は、上下方向DR1に並んで3つ設けられているが、2つ設けられていてもよいし、4つ以上設けられていても差し支えない。なお、タンク温度センサ42の数は、熱媒体の高温貯留量を精度良く求める観点からすれば多い方がよい。
(2)上述の各実施形態において、ヒートポンプ21の加熱能力は段階的に増減されるが、連続的に増減されても差し支えない。また、ヒートポンプ21の加熱能力は4段階のレベルに設定されているが、3段階以下または5段階以上であってもよい。また、ヒートポンプ21の加熱能力は可変でなくても差し支えない。
(3)上述の各実施形態において、除霜運転の終了時点は、蒸発器温度TEに対して設定された所定の除霜終了判定値に基づいて決まるが、それに限定されるものではなく、例えば、除霜運転は、タイマーによって一定時間経過後に自動的に終了しても差し支えない。
(4)上述の各実施形態において、除霜終了時高温貯留量を算出するために、高温貯留量の減少幅ΔVwは、図5のマップを用いる等して算出されるが、その減少幅ΔVwの算出方法はこれに限定されるものではない。例えば、外気温度や日付および時間帯などをパラメータとして高温貯留量の減少幅ΔVwを算出できるマップを統計的に予め作成しておき、高温貯留量の減少幅ΔVwは、その統計的に作成されたマップから算出されてもよい。
(5)上述の各実施形態において、暖房システム10に設けられたバーナー装置86は、補助的に熱媒体を加熱する補助加熱装置として機能するが、そのような補助加熱装置は設けられていなくても差し支えない。
(6)上述の各実施形態において、ヒートポンプ21の冷媒は、その冷媒の高圧圧力が臨界圧力以上となるCOであるが、冷媒の種類には特に限定はない。例えば、ヒートポンプ21は、冷媒の高圧圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成していても差し支えない。
(7)上述の第1実施形態において、図3のステップS1では、蒸発器26が着霜状態であるか否かは、蒸発器温度TEを着霜判定値X1と比較することで判定されているが、他の方法によって判定されても差し支えない。例えば、蒸発器温度TEは、蒸発器26が着霜状態でなければ略一定の値で安定的に推移するが、着霜状態になると、或る程度の温度勾配で低下し始める。このことから、蒸発器26が着霜状態であるか否かは、この蒸発器温度TEの勾配を検出することで判定されてもよい。
(8)上述の第4実施形態において、ヒートポンプユニット制御部27は、図7のステップS5で除霜運転を開始させるに先だって、暖房端末90の放出熱量を、蒸発器26が着霜状態であるとステップS1で判定される前に比して減少させるが、例えばそのことに加えて又はそのことに替えて、除霜運転の実施中に、そのように暖房端末90の放出熱量を減少させることも考え得る。すなわち、除霜運転実行手段としてのヒートポンプユニット制御部27は、ステップS5で除霜運転を実施させている間、暖房端末90の放出熱量を、蒸発器26が着霜状態であるとステップS1で判定される前に比して減少させてもよい。このことは、例えば前述の第1、第2、または第3実施形態にて為されてもよい。
(9)上述の各実施形態において、ヒートポンプユニット制御部27とタンクユニット制御部54と暖房ユニット制御部88とは各々別個の制御装置として構成されているが、それらの制御部27、54、88が一体として1つの制御装置を構成していても差し支えない。
(10)上述の各実施形態において、図3、図6、及び図7のフローチャートに示す各ステップの処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードロジックで構成されるものであっても差し支えない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 暖房システム(ヒートポンプ式加熱装置)
21 ヒートポンプ
26 蒸発器
30 タンク
90 暖房端末(供給対象)
541 貯留量検出手段

Claims (6)

  1. 所定の供給対象(90)へ供給される熱媒体を貯めるタンク(30)と、
    外気と冷媒とを熱交換させ該冷媒を蒸発させる蒸発器(26)を有し、該冷媒の熱で前記熱媒体を加熱するヒートポンプ(21)と、
    前記蒸発器が該蒸発器に霜が付着している着霜状態であるか否かを判定する着霜判定手段(S1)と、
    前記タンク内に貯えられている前記熱媒体のうち予め定められた温度閾値以上になっている該熱媒体の高温貯留量を検出する貯留量検出手段(541)と、
    前記蒸発器に着いた霜を融解させる除霜運転を前記ヒートポンプに開始させたと仮定して、該除霜運転の終了時点での前記熱媒体の高温貯留量である除霜終了時高温貯留量を、前記貯留量検出手段が検出した熱媒体の高温貯留量に基づいて推定する除霜終了時推定手段(S3)と、
    前記蒸発器が前記着霜状態であると前記着霜判定手段によって判定され、且つ、前記除霜終了時推定手段が推定した前記除霜終了時高温貯留量が予め定められた貯留量閾値(X3)以上である場合に、前記除霜運転を前記ヒートポンプに開始させる除霜運転実行手段(S5)とを備えていることを特徴とするヒートポンプ式加熱装置。
  2. 前記蒸発器の温度(TE)を検出する蒸発器温度検出装置(262)を備え、
    前記着霜判定手段は、前記蒸発器温度検出装置により検出された前記蒸発器の温度が予め定められた判定値(X1)未満になった場合に、前記蒸発器が前記着霜状態であると判定することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式加熱装置。
  3. 前記蒸発器の温度(TE)を検出する蒸発器温度検出装置(262)と、
    外気温度を検出する外気温度検出装置(263)とを備え、
    前記着霜判定手段は、前記蒸発器温度検出装置により検出された前記蒸発器の温度と、前記外気温度検出装置により検出された前記外気温度との差(ΔTae)に基づいて、前記蒸発器が前記着霜状態であるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ式加熱装置。
  4. 前記蒸発器が前記着霜状態であると前記着霜判定手段によって判定された場合において、前記除霜終了時推定手段が推定した前記除霜終了時高温貯留量が前記貯留量閾値未満であれば、前記除霜運転実行手段は、前記除霜運転を開始させる前に、前記ヒートポンプが前記熱媒体を加熱する加熱能力を、前記蒸発器が前記着霜状態であると判定される前に比して増加させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のヒートポンプ式加熱装置。
  5. 前記供給対象は、前記熱媒体を放熱させることにより暖房を行う暖房端末(90)であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のヒートポンプ式加熱装置。
  6. 前記蒸発器が前記着霜状態であると前記着霜判定手段によって判定された場合において、前記除霜終了時推定手段が推定した前記除霜終了時高温貯留量が前記貯留量閾値未満であれば、前記除霜運転実行手段は、前記除霜運転を開始させる前に、前記暖房端末で前記熱媒体から放出される熱量を、前記蒸発器が前記着霜状態であると判定される前に比して減少させることを特徴とする請求項5に記載のヒートポンプ式加熱装置。
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