JP2016061128A - 布製コンクリート型枠 - Google Patents

布製コンクリート型枠 Download PDF

Info

Publication number
JP2016061128A
JP2016061128A JP2014192681A JP2014192681A JP2016061128A JP 2016061128 A JP2016061128 A JP 2016061128A JP 2014192681 A JP2014192681 A JP 2014192681A JP 2014192681 A JP2014192681 A JP 2014192681A JP 2016061128 A JP2016061128 A JP 2016061128A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
cloth
concrete
fabric
lower fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014192681A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6465474B2 (ja
Inventor
松下 正樹
Masaki Matsushita
正樹 松下
石田 正利
Masatoshi Ishida
正利 石田
原 健二
Kenji Hara
健二 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kogyo Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Kogyo Co Ltd
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kogyo Co Ltd, Toyobo Co Ltd filed Critical Taiyo Kogyo Co Ltd
Priority to JP2014192681A priority Critical patent/JP6465474B2/ja
Publication of JP2016061128A publication Critical patent/JP2016061128A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6465474B2 publication Critical patent/JP6465474B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

【課題】急な勾配の法面、および布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対して、安定に布製コンクリート型枠工法を施すことができる布製コンクリート型枠を提供する。
【解決手段】布製コンクリート型枠1は、上側布帛10と下側布帛20を有し、下側布帛20は、上側布帛10に直接または間接に固定された固定部30と、上側布帛10に固定されていない非固定部40を有し、且つ、下側布帛20は、下記式(1)を満足する領域xおよび領域yを含む。Y<X・・・(1)、式中、Xは非固定部40内の直径3cmの円状の領域xにおける、外側に漏出する液状コンクリート50の漏出量を意味し、Yは固定部30を含む直径3cmの円状の領域yにおける、外側に漏出する液状コンクリート50の漏出量(0の場合を含む)を意味する。
【選択図】図2

Description

本発明は、布製コンクリート型枠に関する。
道路建設や宅地造成などに伴う切土や盛土により作られる人工的な斜面及び自然傾斜面を含む傾斜面(以下「法面(のりめん)」という)は、崩壊しないように、土質、岩質等に基づいて安定勾配を算出して、法面の勾配を安定勾配以下とすることが望ましい。法面の勾配を安定勾配以下とすることができない場合には、不足分を法面保護等により補う必要がある。
例えば、モルタルやコンクリート等のセメント系材料を用いて法面保護を行う様々な工法が実用化されている。中でも敷設現場で布製型枠にセメント系材料を注入し、法面保護用構造体を形成する布製コンクリート型枠工法は、地盤形状との適合性が高く、セメント系材料を直接法面に吹き付ける吹付工法や、敷設現場で法枠を組み立ててセメント系材料を流し込む法枠工法などに較べて施工が容易なので、安全性が高く、低コストであり、かつ短納期であるという大きな利点がある(特許文献1〜3参照)。
特開平11−166218号公報 特開2003−55979号公報 特開平10−8472号公報
布製コンクリート型枠工法は、勾配が20°程度の法面を主な施工対象としており、土質、岩質等にもよるが、勾配が30°程度の法面までは施工することが可能である。仮に従来の施工対象よりも急な、勾配が30°を超えるような法面に対して無理に布製コンクリート型枠工法を施すと、布製コンクリート型枠にセメント系材料を注入した際に、布製コンクリート型枠がセメント系材料の重さに耐えきれず、法面の表面からセメント系材料と共に滑り落ちてしまうという問題がある。また、補強土工法において、法面に補強材が露出している場合、さらに滑りやすくなる。
また法面以外の地盤等に布製コンクリート型枠工法を施工する場合でも、布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等では、布製コンクリート型枠工法を施工しにくい場合がある。
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、急な勾配の法面、および布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対して、安定に布製コンクリート型枠工法を施すことができる布製コンクリート型枠を提供することを目的とする。
本発明に係る布製コンクリート型枠は、上側布帛と下側布帛を有する布製コンクリート型枠であって、上記下側布帛は、上記上側布帛に直接または間接に固定された固定部と、上記上側布帛に固定されていない非固定部を有し、且つ、上記下側布帛は、下記式(1)を満足する領域xおよび領域yを含むことを特徴とする。
Y<X・・・(1)
式中、Xは上記非固定部内の直径3cmの円状の領域xにおける、上記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量を意味し、Yは上記固定部を含む直径3cmの円状の領域yにおける、上記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量(0の場合を含む)を意味する。
該構成により、急な勾配の法面、および布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対して、安定に布製コンクリート型枠工法を施すことができる布製コンクリート型枠を提供することができる。
上記布製コンクリート型枠において、上記領域xの上記固定部に最も近い点は、上記固定部から2cm以上離れていることが好ましい。
上記布製コンクリート型枠において、上記領域xの存在する領域は、上記下側布帛全体の面積に対して、5%以上70%以下であることが好ましい。
上記布製コンクリート型枠において、上記領域xは、網目構造を含んでいることが好ましい。
上記布製コンクリート型枠において、上記領域xの一部または全部が綾織りであることが好ましい。
上記布製コンクリート型枠において、上記網目の個々の開口面積は16mm2以上であることが好ましい。
本発明に係る布製コンクリート型枠は、下側布帛に領域xを有することにより、布製コンクリート型枠内に液状コンクリートを注入すると、適量の液状コンクリートが、下側布帛より布製コンクリート型枠外へ漏出して布製コンクリート型枠と法面または地盤との間に入り、そのまま固化する。このようなアンカー効果により、布製コンクリート型枠が法面または地盤の表面から滑りにくくなる。
更に、領域yを有することにより、液状コンクリートの過剰な漏出を抑制することができ、所望の形状の保護用構造体を得ることができる。その結果、急な勾配の法面、および布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対して、安定に布製コンクリート型枠工法を施工することができる。
図1は、法面に敷設した実施形態1に係る布製コンクリート型枠の断面図である。 図2(a)は、実施形態1における布製コンクリート型枠内に液状コンクリートを注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。図2(c)は、実施形態1における下側布帛の一部の下面図である。図2(d)は、図2(c)の一部を拡大した平面図である。 図3(a)は、図2(c)の領域yの一部を拡大した平面図である。図3(b)は、図2(c)の領域xの一部を拡大した平面図である。図3(c)は、図2(c)の領域yの一部の断面図である。図3(d)は、図2(c)の領域xの一部の断面図である。 図4(a)は、実施形態2における布製コンクリート型枠内に液状コンクリートを注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図4(c)は、実施形態2における下側布帛の一部の下面図である。 図5(a)は、実施形態3における布製コンクリート型枠内に液状コンクリートを注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図5(b)は、図5(a)のA−A断面図である。図5(c)は、実施形態3における下側布帛の一部の下面図である。
本発明に係る布製コンクリート型枠は、上側布帛と下側布帛を有する布製コンクリート型枠であって、上記下側布帛は、上記上側布帛に直接または間接に固定された固定部と、上記上側布帛に固定されていない非固定部を有し、且つ、上記下側布帛は、下記式(1)を満足する領域xおよび領域yを含んでいる。
Y<X・・・(1)
式中、Xは上記非固定部内の直径3cmの円状の領域xにおける、上記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量を意味し、Yは上記固定部を含む直径3cmの円状の領域yにおける、上記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量(0の場合を含む)を意味する。
本発明に係る布製コンクリート型枠は、該構成により、急な勾配の法面、および布製コンクリート型枠が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対して、安定に布製コンクリート型枠工法を施すことができる布製コンクリート型枠を提供することができる。
以下、本発明を、図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、法面200に敷設した実施形態1に係る布製コンクリート型枠1の断面図である。実施形態1に係る布製コンクリート型枠1を法面200に敷設して、液状コンクリート50を注入して固化させることにより保護用構造体100が法面に固定されている。図1に示す布製コンクリート型枠1は、法面200の反対側となる上側に面する上側布帛10、法面200側となる下側に面する下側布帛20を備え、下側布帛20は、上側布帛10に連結糸31などで固定されている固定部30を備える。また、下側布帛20は、上側布帛10に固定されていない非固定部40を備える。更に、下側布帛20は、非固定部40内のM部分に領域x(詳細は後述する)が存在する。
図1において、上側布帛10と下側布帛20との間に液状コンクリート50を注入すると、下側布帛20の主に領域xから液状コンクリート50が下側布帛20の内側から外側へ漏出して、布製コンクリート型枠1と法面200の隙間に入りこんだ状態で固化する。このような、いわゆるアンカー効果により、布製コンクリート型枠1が法面200から滑り落ちにくくなっている。
図2(a)は、実施形態1における布製コンクリート型枠1内に液状コンクリート50を注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図2(b)は、図2(a)のA−A断面図である。図2(a)、(b)において、下側布帛20は、上側布帛10に連結糸31によって間接的に固定された固定部30を有している。同図に示すように、直線状の複数の固定部30が互いに交差する場合、液状コンクリート50が布製コンクリート型枠1内で流動できる空間を確保するために、上側布帛10と下側布帛20を直接接触させずに、間接的に下側布帛20を上側布帛10に固定することが好ましい。但し、後述する実施形態3のように、上側布帛10と下側布帛20を接触させて、直接的に下側布帛20を上側布帛10に固定することも可能である。
また、連結糸31は、例えば単糸、双糸、三子糸、四子糸等が挙げられ、特に限定されない。
実施形態1に係る上側布帛10および下側布帛20は、後述する素材を用いて得られる織物である。但し、上側布帛10および下側布帛20は、織物に限られず、編物であっても良い。
図2(c)は、実施形態1における下側布帛20の一部を下側(図2(a)中の矢印Bの方向)から見た下面図である。図2(c)において、下側布帛20の非固定部40内の領域xは、直径3cmの円状の領域である。下側布帛20の固定部30を含む領域yは直径3cmの円状の領域である。
同図において、領域xにおける下側布帛20の内側から外側(図2(a)中の矢印Cの方向。以下「外側方向」と記す)に漏出する液状コンクリート50の漏出量X[g/秒・cm2]と、領域yにおける、外側方向に漏出する液状コンクリート50の漏出量Y[g/秒・cm2](0g/秒・cm2の場合を含む)は、Y<Xの関係を満たす。すなわち、領域xにおける液状コンクリート50の外側方向への漏出量X[g/秒・cm2]は、領域yにおける液状コンクリート50の外側方向への漏出量Y[g/秒・cm2](0g/秒・cm2の場合を含む)よりも多い。但し、外側方向に漏出する液状コンクリート50の漏出量Y[g/秒・cm2]の測定にあたり、上側布帛10と下側布帛20の固定方法が糸等による縫い孔がある場合、該孔より液状コンクリート50が漏出し、Y<Xの関係を満たさなくなる場合がある。そのため、上記縫い孔がある場合、該孔が領域yの端縁部となるように領域yの位置を決めるものとする。
同図において、主に、領域xより、液状コンクリート50が下側布帛20の内側から外側へ漏出して、布製コンクリート型枠1と法面200の隙間に入りこみ固化するアンカー効果により、布製コンクリート型枠1が法面200から滑り落ちにくくなっている。更に、液状コンクリート50が外側方向へ漏出し過ぎると、布製コンクリート型枠1は、図2(a)、(b)に示すような所望の形状に膨張できなくなるが、領域yが存在することにより、過剰な漏出を防ぎ易くなり、所望の形状の保護用構造体100を得ることができる。
このように、下側布帛20は、領域xおよび領域yを含むことにより、液状コンクリート50の外側方向への漏出量が制御され、上記アンカー効果を発揮でき、且つ、所望の形状の保護用構造体100を得ることができるようになっている。その結果、安定に、急な勾配の法面200、および布製コンクリート型枠1が滑りやすい土質、岩質等の地盤に対しても、保護用構造体100を設置すること、すなわち、布製コンクリート型枠工法を施工することができる。
また、本発明に係る布製コンクリート型枠1は、下側布帛20に、上記式(1)を満足する領域xおよび領域yをそれぞれ少なくとも1つ含んでいれば良い。例えば、図2(c)において、非固定部40内のM部分は、約10cm×10cmの領域であり、領域xが存在する部分である。また、同図において、固定部30を含む位置に領域yが存在している。すなわち、図2(c)において、領域xが存在するM部分の方が、領域yが存在する非固定部40(M部分を除く)よりも液状コンクリート50が外側方向へ漏出しやすくなっている。
図2(d)は、図2(c)の一部を拡大した平面図であり、領域yの存在する部分をわかり易くするため、固定部30の一部を省略している。同図において、M1部分は、7cm×7cmの正方形の領域であり、後述する綾織りにより形成されている。M1を除く他の部分(S1、S2、N、M2)は、平織りにより形成されている。
同図において、M1部分は、上記綾織りのため、液状コンクリート50が外側方向へ漏出しやすくなっている。一方、M2部分、S1部分、S2部分、およびN部分は、上記平織りのため、液状コンクリート50が外側方向へ漏出しにくくなっている。
同図において、領域xは、例えば、M1部分のx1に存在している。更に、領域xは、M1部分およびM2部分を含むx2にも存在している。一方、領域yは、y1およびy2示すとおり、S1部分およびS2部分に存在している。このように領域xの一部または全部が綾織り(M1部分)であることにより、平織り(S1部分およびS2部分)の領域yより、液状コンクリート50が外側方向へ漏出し易くなっている。
同図において、M1部分は正方形であるが、矩形、円形等であってもよく、特に限定されない。また、M1部分は、下側布帛20の固定部30により区画されるブロック内において、複数存在していても良い。
領域xの位置は、液状コンクリート50を法面や地盤等に効率的に供給し、アンカー効果を有効に発揮させる観点からは、法面や地盤等に接し易い位置であることが好ましい。法面や地盤等に接し易い位置とは、下側布帛20の固定部30により区画されるブロックの中央付近、例えば図2(b)、(c)のM部分である。
同図において、N部分には、領域xおよび領域yが存在していないが、領域xを含んでいても良い。また、N部分には、液状コンクリート50の外側方向への漏出量が領域yと同等以下の領域を含んでいても良い。更に、N部分は、平織りにより形成されているが、平織りに限らず、朱子織りや綾織りであってもよい。
図2(d)において、L1は、x1の固定部30に最も近い点と固定部30との距離を示す。L2は、x2の固定部30に最も近い点と固定部30との距離を示す。同図において、x1およびx2に示すとおり、領域xが、固定部30から離れるに従い、法面や地盤等に接し易い位置である上記ブロックの中央付近に近づく。そのため、領域xの固定部30に最も近い点を、固定部30から、好ましくは2cm以上、より好ましくは3cm以上、更に好ましくは4cm以上離すことにより、アンカー効果を発揮し易くなる。一方、領域xが、固定部30から離れすぎると、液状コンクリート50が漏出しないか又は漏出しにくい領域が大きくなる。そのため、領域xの固定部30に最も近い点を、固定部30から、好ましくは10cm以下、より好ましくは7cm以下、更に好ましくは5cm以下離すことにより、液状コンクリート50が外側方向へ漏出し易くなる。
また、下側布帛20の全体面積に対して、領域xの存在する領域を大きくすると、液状コンクリート50が漏出しやすくなる。そのため、領域xの存在する領域は、下側布帛20の全体面積に対して、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、更に好ましくは20%以上とする。一方、領域xの存在する領域が大きすぎると、液状コンクリート50が漏出し過ぎるおそれがある。そのため、領域xの存在する領域は、下側布帛20の全体面積に対して、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは30%以下とすることにより、過剰な漏出を防ぎやすくなる。
次に、領域yは同図において、S1部分およびS2部分に存在している。同図において、固定部30には連結糸31による縫い孔(図示せず)が存在しているため、y1およびy2に示すとおり、領域yは、端縁部に固定部30を含む位置に存在する。但し、固定部30に縫い孔等の孔が存在しない場合は、端縁部に限らず、y3に示すように、領域y内に固定部30を含んでいてもよい。
図3(a)は、図2(c)の領域yの一部を拡大した平面図である。図3(c)は、図2(c)の領域yの一部の断面図である。図3(a)、(c)に示すとおり、領域yは、固定部30を除いて縦糸32Aと緯糸32Bが領域yの厚さ方向(図3(c)中の矢印Dの方向)に交差する平織りにより形成される網目構造32であり、0.2×0.2mm角程度の網目34が万遍なく存在している。網目構造32により、液状コンクリート50が漏出しにくくなっている。
網目34の形状は、正方形に限られず、矩形、多角形等であっても構わない。
網目34の開口面積を0.03mm2未満にすると、布製コンクリート型枠1内の液状コンクリート50が脱水しにくくなる。そのため、個々の網目34の開口面積を、好ましくは0.03mm2以上、より好ましくは0.1mm2以上とすることにより、布製コンクリート型枠1内の液状コンクリート50を脱水し易くすることができる。一方、個々の網目34の開口面積が36mm2を超えると、液状コンクリート50が漏出し易くなるおそれがある。そのため、個々の網目34の開口面積を、好ましくは36mm2以下、より好ましくは16mm2以下とすることにより、漏出を防ぎやすくなる。
領域yは、図3(a)、(c)に示すような網目構造32に限られず、必要とする強度があり、且つ液状コンクリート50が領域xよりも漏出しにくいかまたは漏出しない構造であればよいが、強度確保の観点からは、領域yは網目構造であることが好ましい。
領域yは、後述するポリエステル等を素材として形成されるが、上記素材の直径が、小さすぎると強度を確保できなくなる。更に、上記素材の直径が小さすぎると、領域yより液状コンクリート50が漏出し易くなるおそれがある。そのため、上記素材の直径を、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上とすることにより、領域yの強度を確保でき、更に、液状コンクリート50の漏出を防ぎやすくなる。一方、上記素材の直径が大きくなりすぎると、布製コンクリート型枠1が重たくなり、持ち運びに不便である。そのため、上記繊維の直径を、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下とすることにより、布製コンクリート型枠1を軽量化することができる。
次に、図3(b)は、図2(c)の領域xの一部を拡大した平面図である。図3(d)は、図2(c)の領域xの一部の断面図である。図3(b)、(d)に示す領域xは、縦糸42Aと緯糸42Bにより形成される網目構造42を含んでいる。
また、同図において、領域xの一部は、縦糸42Aと緯糸42Bが厚さ方向(図3(d)中の矢印Dの方向。以下「厚さ方向」と記す)に交差する交差部、および縦糸42Aと緯糸42Bが厚さ方向に交差しない非交差部43を含むいわゆる綾織りにより形成されている。
同図に示すとおり、領域xは5×5mm角程度の網目44が万遍なく存在している。非交差部43は、液状コンクリート50が外側方向へ漏出し易いため、該構成を含むことにより領域xは、領域yよりも液状コンクリート50が漏出し易くなっている。
また、図3(b)、(d)において、領域xの一部は、縦糸42Aと緯糸42Bを1本飛ばしにより形成しているが、2本以上飛ばして形成してもよい。また、領域xは、必ずしも一部または全部が綾織りである必要はなく、例えば、領域xの一部または全部が朱子織りや網目の大きい平織り(詳細は後述する)であってもよい。更には、領域xの一部または全部が、複数の縦糸42Aと複数の緯糸42Bを重ねあわせるのみで、厚さ方向に交差する交差部をまったく含まない網目構造であってもよい。
網目44の形状は、正方形に限られず、矩形、多角形等であっても構わない。
領域xが、綾織りなどの非交差部43を有する織りを一部又は全部に含む場合、個々の網目44の開口面積が16mm2未満であると、液状コンクリート50の漏出量が少なくなる場合がある。そのために、個々の網目44の開口面積を、好ましくは16mm2以上、より好ましくは25mm2以上とすることにより、液状コンクリート50が漏出し易くなる。一方、個々の網目44の開口面積が大き過ぎると、領域xの強度が保てなくなるおそれがある。そのために、個々の網目44の開口面積を、好ましくは100mm2以下、より好ましくは50mm2以下とすることにより、領域xの強度を確保することができる。
また、領域xが一部又は全部に平織りを含む場合、個々の網目44の開口面積を36mm2超とすることにより、液状コンクリート50の漏出量が多くすることができる。そのため、平織りを含む場合、個々の網目44の開口面積を、好ましくは36mm2超、より好ましくは49mm2以上とする。一方、個々の網目44の開口面積が大き過ぎると、領域xの強度が保てなくなるおそれがある。そのために、領域xの個々の網目44の開口面積を、好ましくは100mm2以下、より好ましくは64mm2以下とすることにより、領域xの強度を確保することができる。
領域xは、図3(b)、(d)に示すような網目構造42に限られず、必要とする強度があり、且つ、領域yより液状コンクリート50が漏出し易い構造であればよい。例えば、領域xは、突起物等を用いて、下側布帛20に孔を1以上空けて液状コンクリート50を漏出し易くした構造であっても良い。生産性の観点からは、領域xは網目構造であることが好ましい。
領域xは、後述するポリエステル等を素材として形成されるが、素材の直径は、小さすぎると強度を確保できなくなるおそれがある。そのため、上記素材の直径を、好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上とすることにより、領域xの強度を確保することができる。一方、上記素材の直径が大きくなりすぎると、布製コンクリート型枠1が重たくなり、持ち運びに不便である。また、領域xでは、上記素材の直径が大きくなりすぎると、液状コンクリート50が漏出しにくくなるおそれがある。そのため、上記素材の直径は、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下とすることにより、領域xの強度を確保でき、且つ、液状コンクリート50が漏出し易くなる。
布製コンクリート型枠1の上側布帛10、下側布帛20(領域xおよび領域y等を含む)の各構成の素材には、ポリエステル、ナイロン、アラミド、全芳香族ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニールなどの合成繊維、アセテートなどの半合成繊維、レーヨンなどの再生繊維、ガラス繊維などの無機繊維、綿や麻などの天然繊維を用いることができる。このうち、特に強度、経済性の観点からポリエステルを用いることが望ましい。
液状コンクリート50は、上側布帛10と下側布帛20との間に注入することができる程度の適度な流動性があり、時間の経過とともに固化するものであれば限定されない。例えば、モルタルやコンクリート等のセメント系材料である。実施形態1では、マンションや橋脚などに用いるものよりも水分を多くして粘度を下げ、適度な流動性が得られるように調整したセメント系材料(例えば、水セメント比60%、Pロート(フローコーン)によるフロー値20±3秒のモルタル)を用いている。
本発明において、液状コンクリート50の漏出量[g/秒・cm2]とは、液状コンクリート50の全成分の漏出量に限られない。例えば、領域xにおいて、液状コンクリート50の全成分が漏出し、領域yにおいて、液状コンクリート50の一部の成分だけが漏出する場合、それぞれ漏出した液状物質の量を液状コンクリート50の漏出量とする。
布製コンクリート型枠1の寸法は、特に限定されない。布製コンクリート型枠工法を施工する法面等の面積、形状等に適した寸法の布製コンクリート型枠1を作製すればよい。
(実施形態2)
実施形態2に係る布製コンクリート型枠を用いて作製された法面保護用構造体は、実施形態1に係る布製コンクリート型枠1を用いて作製された法面保護用構造体100と、固定部30を除いて同様の構造となる。
図4(a)は、実施形態2における布製コンクリート型枠2内に液状コンクリート50を注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図4(b)は、図4(a)のA−A断面図である。図4(c)は、実施形態2における下側布帛20の一部を下側(図4(a)中の矢印Bの方向)から見た下面図である。ここで布製コンクリート型枠1と同様の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。
図4(a)〜(c)に示すように、実施形態2に係る布製コンクリート型枠2は、実施形態1の下側布帛20の直線状の固定部30を増やし、固定部30により区画される下側布帛20のブロックの数を増やしたものである。図4(a)、(b)に示すとおり、実施形態1のように必ずしも、下側布帛20の固定部30により区画されるブロックの全てに、図4(c)の領域xが存在する必要はない。
(実施形態3)
実施形態3に係る布製コンクリート型枠を用いて作製された法面保護用構造体は、実施形態1に係る布製コンクリート型枠1を用いて作製された法面保護用構造体100と、固定部30を除いて同様の構造となる。
図5(a)は、実施形態3における布製コンクリート型枠3内に液状コンクリート50を注入したときの、斜視図(一部に断面図を含む)である。図5(b)は、図5(a)のA−A断面図である。図5(c)は、実施形態3における下側布帛20の一部を下側(図5(a)中の矢印Bの方向)から見た下面図である。ここで布製コンクリート型枠1と同様の構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。
図5(a)〜(c)に示すように、実施形態3に係る布製コンクリート型枠3は、固定部30が円状に形成されている。更に、上側布帛10と下側布帛20を接触させて、直接的に連結糸31を用いて下側布帛20を上側布帛10に固定されている。また、円状の固定部30には、水抜き用フィルタ材36が設置されている。このように固定部30には、水抜き用フィルタ材36材等が存在していても良い。
図5(a)〜(c)に示すように、布製コンクリート型枠3は、実施形態1または実施形態2のように、必ずしも、下側布帛20の固定部30により区画されるブロックを有する必要はない。また、実施形態3において、実施形態1および2と同様に領域xの位置は、法面や地盤に接し易い位置であることが好ましい。法面や地盤に接し易い位置とは、実施形態3において、例えば、固定部30より距離をおいて存在するM部分である。
1、2、3 布製コンクリート型枠
10 上側布帛
20 下側布帛
30 固定部
31 連結糸
32、42 網目構造
34、44 網目
36 水抜き用フィルタ材
40 非固定部
43 非交差部
50 液状コンクリート
100 保護用構造体
200 法面

Claims (6)

  1. 上側布帛と下側布帛を有する布製コンクリート型枠であって、
    前記下側布帛は、前記上側布帛に直接または間接に固定された固定部と、
    前記上側布帛に固定されていない非固定部を有し、且つ、
    前記下側布帛は、下記式(1)を満足する領域xおよび領域yを含むことを特徴とする布製コンクリート型枠。
    Y<X・・・(1)
    式中、Xは前記非固定部内の直径3cmの円状の領域xにおける、前記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量を意味し、
    Yは前記固定部を含む直径3cmの円状の領域yにおける、前記下側布帛の内側から外側に漏出する液状コンクリートの漏出量(0の場合を含む)を意味する。
  2. 前記領域xの前記固定部に最も近い点は、前記固定部から2cm以上離れている請求項1に記載の布製コンクリート型枠。
  3. 前記領域xの存在する領域は、前記下側布帛全体の面積に対して、5%以上70%以下である請求項1または2に記載の布製コンクリート型枠。
  4. 前記領域xは、網目構造を含んでいる請求項1〜3のいずれかに記載の布製コンクリート型枠。
  5. 前記領域xの一部または全部が綾織りである請求項1〜4のいずれかに記載の布製コンクリート型枠。
  6. 前記網目の個々の開口面積は16mm2以上である請求項4または5に記載の布製コンクリート型枠。
JP2014192681A 2014-09-22 2014-09-22 布製コンクリート型枠 Active JP6465474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014192681A JP6465474B2 (ja) 2014-09-22 2014-09-22 布製コンクリート型枠

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014192681A JP6465474B2 (ja) 2014-09-22 2014-09-22 布製コンクリート型枠

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016061128A true JP2016061128A (ja) 2016-04-25
JP6465474B2 JP6465474B2 (ja) 2019-02-06

Family

ID=55795763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014192681A Active JP6465474B2 (ja) 2014-09-22 2014-09-22 布製コンクリート型枠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6465474B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6454833B1 (ja) * 2018-03-19 2019-01-16 那須 正和 多用途収納ユニットとその製造方法
JP2019190093A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 旭化成アドバンス株式会社 布製型枠、法面保護構造体および法面保護工法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4154061A (en) * 1977-07-21 1979-05-15 Construction Techniques, Inc. Fabric forms for concrete
JPS61206724U (ja) * 1985-06-17 1986-12-27
JPS63189527A (ja) * 1987-02-02 1988-08-05 Oyo Kikaku:Kk 筒状型枠
JPH0660484B2 (ja) * 1985-11-20 1994-08-10 旭化成工業株式会社 布製型枠による成形物構造体
JP2011106096A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Maeda Kosen Co Ltd 繊維製型枠
JP2015025344A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 太陽工業株式会社 布製型枠、法面保護用構造体、及び法面保護方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4154061A (en) * 1977-07-21 1979-05-15 Construction Techniques, Inc. Fabric forms for concrete
JPS61206724U (ja) * 1985-06-17 1986-12-27
JPH0660484B2 (ja) * 1985-11-20 1994-08-10 旭化成工業株式会社 布製型枠による成形物構造体
JPS63189527A (ja) * 1987-02-02 1988-08-05 Oyo Kikaku:Kk 筒状型枠
JP2011106096A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Maeda Kosen Co Ltd 繊維製型枠
JP2015025344A (ja) * 2013-07-29 2015-02-05 太陽工業株式会社 布製型枠、法面保護用構造体、及び法面保護方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6454833B1 (ja) * 2018-03-19 2019-01-16 那須 正和 多用途収納ユニットとその製造方法
JP2019162064A (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 那須 正和 多用途収納ユニットとその製造方法
JP2019190093A (ja) * 2018-04-24 2019-10-31 旭化成アドバンス株式会社 布製型枠、法面保護構造体および法面保護工法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6465474B2 (ja) 2019-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6465474B2 (ja) 布製コンクリート型枠
KR102003415B1 (ko) 현장 수화 콘크리트용 집합체 및 그 집합체를 이용한 콘크리트 매트
CN110158546A (zh) 用于土石坝、土石堤背水坡的应急防护结构及防护措施
CN103114559A (zh) 一种防滑的生态砌块及其应用
KR100709692B1 (ko) 지오 그리드
JP6422635B2 (ja) 布製型枠、法面保護用構造体、及び法面保護方法
KR20200017997A (ko) 다기능 섬유 돌망태
JP2011106096A (ja) 繊維製型枠
KR102088779B1 (ko) 잡초생육방지 및 지반 침하방지 보도블럭용 합포 직물시트
JP5678384B2 (ja) 土木用シート
CN207933833U (zh) 一种道路防渗水结构
KR100772050B1 (ko) 토목 섬유 및 그 직조방법
WO2015045024A1 (ja) 軟弱地盤および液状化懸念地盤における工事方法ならびに埋立方法、ならびに構造体袋
KR101233123B1 (ko) 사면 공사용 섬유대
CN204491520U (zh) 一种耐冲击防撕裂且具备反滤功能的土工材料
EP2573272A2 (en) Abrasion-resistible geotextile container
CN218667513U (zh) 一种路基边坡防护装置
KR102605325B1 (ko) 필터 매트 부착형 섬유 돌망태
CN211113776U (zh) 一种连续墙环向施工缝防水结构
KR20050034925A (ko) 옹벽축조 부재 및 그 축조방법
KR20120000664U (ko) 보강된 부직포 부착식 일체형 배수판
KR101875005B1 (ko) 섬유그리드를 이용한 터널의 보강구조물
KR200401469Y1 (ko) 지수재
CN207062878U (zh) 一种l形梅花加糙软体排结构
JP6220534B2 (ja) 布製型枠、及び法面保護方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181211

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6465474

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250