JP2016059867A - 浄水場における処理方法及びその設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】排出物処理プロセスにおける小型藻類の増殖を防止する。
【解決手段】排水処理10で排泥池11の上澄水TWを抜き出して、浄水処理1における原水RWに混合する、浄水場における処理方法において、排泥池11の表層水SWを抜き出して紫外線照射した後に排泥池11に戻す紫外線照射処理を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、浄水場における処理方法及びその設備に関するものである。
浄水場で原水を浄水処理する際には、例えば凝集沈澱池底部から引き抜かれた汚泥が排泥池に排出され、またろ過池等からは洗浄水等が排水池に排水される。排泥池の排泥は濃縮槽等の濃縮手段で濃縮され、さらに脱水機で脱水された後に再利用等の処置がなされる。これら汚泥や排水の処理は、着水井から送水へ向かう浄水処理と区別して、排水処理といわれている。以下、この排水処理の処理物である汚泥や、排水、又はそれらの濃縮物を排水処理物という。
多くの浄水場における排水処理では、水資源の有効利用のために、排水池の貯留水、または、排泥池の上澄水を抜き出して、着水井等に返送し、原水に混合することが行われている。しかし、春季から秋季にかけて、排水処理(特に排泥池や濃縮槽、排水池)において、増殖した小型藻類(例えば、ピコプランクトン。細胞径0.2〜2.0μm程度のプランクトン)が、排泥池等からの上澄水の返送に伴って原水に混合され、原水濁度、ひいてはろ過池出口の濁度を上昇させることがあった。
小型藻類の増殖は、ろ過池の濁度管理に支障をきたすことが懸念される。特に、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれが高いと判断された浄水場の浄水処理ではろ過池出口の濁度を0.1度以下に維持することが求められており、水道事業体によってはより厳密な濁度管理を行っているため、その影響を低減することが望まれている。
小型藻類対策としては、次亜塩素酸ナトリウムに代表される塩素系薬剤を用いて不活化(殺藻)を行う手法の他、覆蓋により遮光する手法も知られているが、前者には薬剤の大量添加による消毒副生成物の懸念や、薬剤耐性のある小型藻類への対応ができないという問題があり、後者には、簡易的な覆蓋の場合は効果が限定的となり、完全遮光覆蓋の場合は多額の建設費用を要するという問題がある。
また、これらの問題点を解決するものとして紫外線照射も知られている(例えば特許文献1、2参照)が、排水処理で増殖する小型藻類への応用はなされていない。
特許第4690976号公報 特開2013−220395号公報
そこで、本発明の主たる課題は、排水処理における小型藻類の増殖を防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理方法であって、
前記排水処理物の表層水を抜き出して紫外線照射した後に前記排水処理物に戻す紫外線照射処理を行う、
ことを特徴とする、浄水場における処理方法。
(作用効果)
本発明者は、既存の排水処理物の流路において流通する排水処理物に紫外線照射処理を行うことでも対応できると考えたが、既存の排水処理物の流路(例えば凝集沈澱池から排泥池への流路や、ろ過池から排水池への流路)では流入が間欠的で、かつ、瞬間流量が多く、濁度も高い状態にあるため、紫外線照射の効果を十分に得ることが困難であるとの知見を得て本発明をなしたものである。すなわち、本発明では、表層水を抜き出して紫外線照射した後に排水処理物に戻す処理を行うため、紫外線照射対象の瞬間流量を少なく、かつ濁度を低く設定することが可能となる。よって、紫外線を対象に対して効率良く照射できるため、小型藻類の不活化を効率良く行うことができる。その結果、排水処理における小型藻類の増殖を、簡素、省エネルギー、低コストに実施できるようになる。さらに、小型藻類は排水処理物全体に分布していると考えられるが、増殖防止の観点からは表層水の小型藻類を不活化させることで排水処理物の小型藻類増殖を抑制可能との実験結果も得られているため、表層水のみを紫外線照射対象とすることの技術的意義は大きいものである。なお、用語「表層水」は、濁度の高低に関係なく表層から採水されるものを意味し、従って上澄水の他、例えば排泥池における流入直後の表層水のように上澄水より濁度の高いものも含む意味である。
<請求項2記載の発明>
前記紫外線照射処理に際して、前記排水処理物から抜き出した表層水を抜き出し元の排水処理物に戻す循環流路を介して連続的又は断続的な循環を継続しつつ、その循環流路を流通する前記表層水に前記紫外線照射を行う、請求項1記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
このような循環処理とすることにより、対象の排水処理物全体における小型藻類の増殖抑制を効果的に図ることができ、また、既存設備のフローを変更する必要無く適用できる。この場合、紫外線照射設備を別途設ける必要があるものの、その設備自体は簡素である。
<請求項3記載の発明>
前記紫外線照射処理を排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つで行う、請求項2記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
排泥池、濃縮槽及び排水池は、排水処理物がある程度の時間滞留し、日光も十分に供給される可能性のある工程であり、特にこのような排水処理物の滞留を伴う工程で小型藻類の増殖が発生し易いことが分かっている。よって、本発明の紫外線照射処理を排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つで行うことが好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記循環流路への流入水量及び濁度の少なくとも一方を計測し、その計測結果の増減に応じて前記紫外線照射処理における紫外線照射量を増減する、請求項3記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
排泥池、濃縮槽、及び排水池は流入が間欠的であり、また、流入量及び濁度の日内変動、日間変動が一定していない。例えば、凝集沈澱池から引き抜いた汚泥を排泥池に送る際には、流入直後に排泥池で急激に濁度が上昇し、一定時間経過して流入汚泥が沈降すると表層水の濁度が低下する。このような場合、紫外線照射にとって最も厳しい条件を想定して紫外線照射量を多めに設定しても良いが、濁度が低い時には紫外線の過剰照射により、エネルギーが無駄になってしまう。これに対して、本項記載のように、循環流路への流入水量及び濁度の少なくとも一方の計測結果の増減に応じて、紫外線照射処理における紫外線照射量を増減すると、省エネルギーで且つ効果的な紫外線照射処理を行うことができるようになる。
<請求項5記載の発明>
前記紫外線照射処理における表層水の抜き出しを、前記排水処理物の水深1mまでの表層から行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
小型藻類が増殖する時には水面から水深1mまでの表層に大量に分布し、かつ、増殖活性が高いことが確認されているため、この深さ範囲から紫外線照射処理における表層水の抜き出しを行うことが好ましい。
<請求項6記載の発明>
前記紫外線照射処理で、中圧紫外線ランプを備えた紫外線処理装置を用いて前記紫外線照射を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
浄水処理における紫外線照射処理では低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプのいずれかを備えた紫外線処理装置を用いることが知られているが、同じ紫外線照射量で小型藻類の不活化処理を行った場合、波長253.7nm付近にシャープなピークを有する低圧紫外線ランプよりも、広範囲の出力波長を有する中圧紫外線ランプの方が不活化効果が高いことが判明しているため、本発明では中圧紫外線ランプを用いることが好ましい。
<請求項7記載の発明>
前記紫外線照射処理で、20〜200mJ/cm2の照射量で前記紫外線照射を行う、請求項6記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
中圧紫外線ランプを用いる場合、紫外線照射量が低すぎると小型藻類の不活化効果が不十分となるおそれがあり、高すぎると小型藻類を捕食する大型プランクトンが死滅し、小型プランクトンの増殖が促進されるおそれがあるため、本発明では上記範囲内とすることが好ましい。なお、併せてクリプトスポリジウム等の耐塩素性原虫類不活化効果を期待する場合には40mJ/cm2以上とすることが好ましい。
<請求項8記載の発明>
排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理設備であって、
前記排水処理物の表層水を抜き出して前記排水処理物に戻す紫外線照射処理流路と、この紫外線照射処理流路を流通する前記表層水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備えた、
ことを特徴とする浄水場における処理設備。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
<請求項9記載の発明>
前記紫外線照射装置は、前記紫外線照射処理流路を構成する管路と、この管路内に配置される保護管と、この保護管内に配置される紫外線ランプと、前記保護管の表面付着物を掻き取るための掻き取り手段とを備えたものである、請求項8記載の浄水場における処理設備。
(作用効果)
排水処理物は濁質を含むとともに、硬度成分(マグネシウムやカルシウム)や金属成分(鉄、アルミニウム、マンガン等)を含んでおり、これらが保護管表面に徐々に付着し、経時的に紫外線照射効果が低下するおそれがある。よって、上記のように掻き取り手段を用いて表面付着物を掻き取る構造とすることが好ましい。
<請求項10記載の発明>
前記排水処理物から前記表層水を吸い出すためのホースと、
このホースを介して前記表層水を吸い出し、前記紫外線照射処理流路に対して供給するポンプと、
前記排水処理物に浮かべられた、前記ホースの先端開口を前記排水処理物の所定水深に支持するホース支持浮体とを備えた、請求項8又は9記載の浄水場における処理設備。
(作用効果)
このようなホース支持浮体によりホースを所定水深にすることにより、簡素な方法で、排水処理物の水位変動がある場合でも表層水を安定的に抜き出すことが可能であると共に、抜き出し水深を安定化することができる。
以上のとおり、本発明によれば、排水処理における小型藻類の増殖を防止できるようになる、等の利点がもたらされる。
浄水場のフロー図である。 排泥池における紫外線照射設備のフロー図である。 (a)紫外線照射装置の横断面図、及び(a)のIII-III線断面図である。 ホース支持浮体の斜視図である。 紫外線ランプ等の波長範を示した図である。 実験結果のグラフである。 実験結果のグラフである。
以下、急速ろ過方式を採用する浄水場への適用例に基づき、本発明の実施形態について詳説するが、本発明は、排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理に返送し、原水等の処理水に混合する浄水場であれば、浄水処理の方式は特に限定されず、緩速ろ過方式、急速ろ過方式、直接ろ過方式、膜ろ過方式、あるいはこれらに高度浄水処理を組み合わせたものにおいて使用できる。
図1は、急速ろ過方式を採用する浄水場の処理フローの一例を示している。本例の浄水処理1は、取水場から導水路を経て着水井2(又は原水槽)に供給された河川水などの原水RWを、凝集剤等を添加混合するための混和池3、フロックを形成するためのフロック形成池4、フロックを沈澱させるための凝集沈澱池5、及び砂層等で水をろ過する急速ろ過池6、塩素剤を注入するための塩素混和池7を経て浄化し、浄水池8に供給するものとなっている。着水井2と塩素混和池7との間には、必要に応じてオゾン接触池や、活性炭ろ過池が介在される。
一方、本例の排水処理10は、凝集沈澱池5の底部から引き抜かれる汚泥SLの処理、及びろ過池6等の洗浄排水の処理を含むものとなっている。このうち、凝集沈澱池5の底部から引き抜かれた汚泥は排泥池11に受け入れて一定時間滞留した後、濃縮槽12に供給して沈降分離により上澄水TWと濃縮汚泥とに分離し、濃縮汚泥は脱水機13等により脱水する一方で、上澄水TWは排泥池11を経由して着水井2に戻して原水RWに混合する。排泥池11で沈降分離を行う方式や、濃縮槽12の上澄水TWを直接着水井2に戻す方式も適用可能である。また、排泥池11における上澄水TWも着水井2に戻して原水RWに混合する。これら汚泥処理系の上澄水TWは、図示例では後述の排水池を経由することなく着水井2に戻しているが、後述の排水池14に送り、洗浄排水と合流させてから着水井2に戻すこともできる。ろ過池6等の洗浄排水は、排水池14に受け入れて一時的に貯留し、着水井2に戻して原水RWに混合する。
このような排水処理10において、排泥池11、濃縮槽12及び排水池14は、排水処理物がある程度の時間滞留し、日光も十分に供給される可能性のある工程であるため、小型藻類の増殖が発生し易いことが分かっている。よって、本発明の紫外線照射処理は、このような排水処理物の滞留を伴う工程の一部又は全部で行うことが好ましい。より詳細に説明すると、排泥池11には緩衝目的と、沈降分離による濃縮目的の2パターンの運用方法があり、浄水場毎に異なっている。特に、後者の運用の場合、滞留時間が長く、小型藻類発生リスクが高い。排泥池11は、排水処理10の中では最も上流に位置することが一般的であり、そこで小型藻類の増殖抑制を図ると、排水処理10全体での小型藻類の低減効果が高いものとなる。また、濃縮槽12は沈降分離による濃縮を目的としており、最も滞留時間が長いことから、小型藻類が浄水施設内で最大になる場所である。濃縮槽12を起点に、排泥池11、排水池14で小型藻類が増殖するという流れも想定されるため、濃縮槽12で小型藻類の増殖抑制を図る意義は大きい。一方、排水池14は、濃縮槽12と比較すると滞留時間は短く、相対的に小型藻類増殖のリスクは低いが、排水処理10全体の小型藻類増殖のリスクを低減するためには、排水池14においても小型藻類の増殖抑制を図ることが好ましい。これら小型藻類増殖のリスクの観点からは、濃縮槽12及び排泥池11の少なくとも一方では小型藻類の増殖抑制を図ることが望ましく、濃縮槽12、排泥池11及び排水池14の全てで小型藻類の増殖抑制を図ると、より好ましい。
図2は、排泥池11の表層水SWを抜き出して紫外線照射した後に排泥池11に戻す紫外線照射処理設備の一例を示している。すなわち、排泥池11には、表層水SWを吸い出すためのホース31が設置され、このホース31を介してポンプPにより吸い出された表層水SWは、紫外線照射処理流路20を介して排泥池11の流入渠11iに供給され、凝集沈澱池5から供給される汚泥SLと同経路で排泥池11に戻されるようになっており、紫外線照射処理流路20には、流通する表層水SWに紫外線を照射する紫外線照射装置40が設置されている。よって、排泥池11から抜き出された表層水SWは、紫外線照射装置40で紫外線照射された後に排泥池11に戻される。このように、表層水SWを抜き出して紫外線照射すると、紫外線照射対象の瞬間流量が少なく、かつ濁度も低いものとなる。よって、紫外線を対象に対して効率良く照射できるため、小型藻類の不活化を効率良く行うことができる。また、図示形態のような循環処理とすることにより、滞留する汚泥や洗浄排水全体における小型藻類の増殖抑制を効果的に図ることができ、また、既存設備のフローを変更する必要無く適用できる利点もある。なお、図2に示される設備は排泥池11以外にも適用できることはいうまでもない。
表層水SWの抜き出し深さは特に限定されず、例えば既設の表層水引抜装置により表層水SWを抜き出してから紫外線照射処理流路20に供給してもよいし、またある程度深い位置から抜き出してもよいが、小型藻類が増殖する時には水面から水深1mまでの表層に大量に分布し、かつ、増殖活性が高いことが確認されているため、この深さ範囲から表層水SWの抜き出しを行うことが好ましい。また、このような理由から、排泥池11のように水位変動のある貯留池や貯留槽から表層水SWを抜き出す場合であっても、抜き出し水深を維持することが好ましい。このために、図2及び図4に示すように、ホース31の先端開口を排水処理物の所定水深に支持するホース支持浮体30を排水処理物に浮かべ、このホース31を介して表層水SWを吸い出し、紫外線照射処理流路20に対して供給する方式についても提案する。このようなホース支持浮体30によりホース31を所定水深にすることにより、簡素な方法で、水量変動がある場合でも表層水SWの抜き出し水深を安定化することができる。より詳細には、図4に示すホース支持浮体30は、矩形に形成された支持フレーム32の中央部に、断面コ字状のアングル33を架設し、ホース31の先端開口をなす吸引ノズル34をアングル33に揺動自在に取り付け、吸引ノズル34をアングル33内に開口させるとともに、支持フレーム32の四隅に支柱等の連結材35を立設し、この支柱35にフロート36を取り付けたものであり、フロート36と吸引ノズル34との高低差に応じて吸引ノズル34の水深が定まるものである。
もちろん、表層水SWの抜き出し手法は、図示形態に限定されるものではなく、(a)フロート付吸水口とスイベルジョイントを組み合わせ、常に水面から表層水を抜き出し可能な表層水引抜装置や、(b)池や槽の壁面の開口部、埋込管、堰よりオーバーフローさせて、一定の水位に達した水を池や槽外に抜き出す手法、(c)フロートで水面付近を取水可能にした水中ポンプ、又は一定水位に固定した水中ポンプを用いて抜き出す手法、(d)手動で取水口の高さを変更し、表層水を抜き出す蛇腹式集水装置、等を用いることができる。
紫外線照射装置40の構成は、特に限定されないが、例えば図3に示すような装置とするのが好ましい。すなわち、この紫外線照射装置40は、紫外線照射処理流路20を構成する表層水流通管路41と、この表層水流通管路を横断するように配置された石英製の保護管42と、この保護管内に配置される紫外線ランプ43とを備えたものである。
紫外線ランプ43としては低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプ、低圧アマルガムランプ、エキシマランプ、キセノンランプ、無電極ランプ、紫外線LEDが知られており、いずれを用いても良いが、同じ紫外線照射量で小型藻類の不活化処理を行った場合、波長253.7nm付近にシャープなピークを有する低圧紫外線ランプよりも、広範囲の出力波長を有する中圧紫外線ランプの方が不活化効果が高いことが判明しているため、本発明では中圧紫外線ランプを用いることが好ましい。図5は中圧紫外線ランプ(中圧UVランプ)及び低圧紫外線ランプ(低圧UVランプ)の波長範囲を示したものである。
紫外線照射量は適宜定めれば良く、一年を通じて一定としたり、小型藻類の活性が高い時期や、増殖傾向がみられる時期は高照射量とし、通常時は低照射量若しくは非照射とする、或いは一日の設定時間だけ高照射量とし、それ以外は低照射量若しくは非照射とする等の季節制御又はタイマー制御を行ったり、これとともに又はこれに代えて、表層水の瞬間流量や濁度を計測し、その計測結果の増減に応じて紫外線照射処理における紫外線照射量を増減する等の制御を行うこともできる。
特に排泥池11、濃縮槽12、及び排水池14は流入が間欠的であり、また流入量及び濁度の日内変動、日間変動が一定していない。例えば、凝集沈澱池5から排泥池11に引き抜いた汚泥SLを排泥池に送る際には、流入直後に排泥池11では急激に濁度が上昇し、一定時間経過して流入汚泥SLが沈降すると表層水の濁度が低下する。このような場合、紫外線照射にとって最も厳しい状態を想定して紫外線照射量を設定しても良いが、濁度が低い時には紫外線の過剰照射により、エネルギーが無駄になってしまう。これに対して、紫外線照射処理流路20への流入水量及び濁度の少なくとも一方の計測結果の増減に応じて、紫外線照射処理における紫外線照射量を増減すると、省エネルギーで且つ効果的な紫外線照射処理を行うことができるようになる。
紫外線照射量は、図3に示すように紫外線ランプ43を複数設けてその点灯数の増減により調節する他、ランプ出力の増減により調節することができる。
紫外線ランプ43として中圧紫外線ランプを用いる場合、紫外線照射量が低すぎると小型藻類の不活化効果が不十分となるおそれがあり、高すぎると小型藻類を捕食する大型プランクトンが死滅し、小型プランクトンの増殖が促進されるおそれがあるため、本発明では20〜200mJ/cm2の照射量で紫外線照射を行うことが好ましい。なお、併せてクリプトスポリジウム等の耐塩素性原虫類不活化効果を期待する場合には40mJ/cm2以上とすることが好ましい。
紫外線照射処理流路20を介した循環通水は、紫外線照射を行うか否かに関係なく連続的に行っても、また紫外線照射を行うのに合わせて通水するようにしても良い。
排泥池11の汚泥SL等の排水処理物は濁質を含むとともに、硬度成分(マグネシウムやカルシウム)や金属成分(鉄、アルミニウム、マンガン等)を含んでおり、これらが保護管42に徐々に付着し、経時的に紫外線照射効果が低下するおそれがある。よって、図3に示すようにステンレス製ブラシ45等の掻き取り手段を用いて表面付着物を掻き取る構造とすることが好ましい。図示形態では、保護管42の外周全体に接触するよう配置された環状のステンレス製ブラシ45と、このステンレス製ブラシ45を支持する支持体46と、この支持体46に設けられた雌ネジ部47と、この雌ネジ部47に螺合された雄ネジ軸48と、この雄ネジ軸48を回転駆動するためのモータ49とを備えており、モータ49により雄ネジ軸48を回転させると、雌ネジ部47を介して支持体46が雄ネジ軸48に沿って移動し、これに伴い支持体46のステンレス製ブラシ45が保護管42表面を擦るようになっている。モータ49を正逆駆動してステンレス製ブラシ45を移動(例えば、必要数往復)させることにより、保護管42の清掃を行うことができる。保護管42の清掃は定期的に行う他、保護管42の汚れを検出するためのセンサーを設け、その検出結果に応じて行うこともできる。本発明者らの実験によれば、排水処理に適用する場合、1時間1往復程度の洗浄頻度で保護管42の外表面を清浄に維持できることが判明している。
(その他)
(a) 本発明の紫外線照射処理は、上述したように排泥池11や、濃縮槽12、排水池14に好適であるが、排水処理10における他の緩衝槽または緩衝池に適用することもできる。
(b) 上記例は、抜き出した表層水SWを紫外線照射処理後に抜き出し元に戻す(循環照射)ものであるが、例えば排泥池11、濃縮槽12及び排水池14の少なくとも一つから着水井2への返送経路や、排泥池11の上澄水TWを排水池14に送る場合の送水経路(図示略)のように、ある工程から別の工程への移送経路で上澄水TWに一回だけ紫外線照射処理(ワンパス照射)を行うことも、本発明の「排水処理物の表層水を抜き出して紫外線照射した後に排水処理物に戻す」に含まれる。このワンパス照射と、循環照射とを組み合わせて、常に両方を用いたり、あるいは状況に応じて片方を選択して用いるといったことも可能である。
(c) 紫外線照射処理流路20は、図示例のような管路とする他、一部又は全部を上部が開放された溝としても良い。
(d) 上記例は、流通する表層水に照射する連続処理となっているが、槽等に一時的に貯留した状態で紫外線照射するバッチ処理とすることも可能である。
(e) 上記例は水中から紫外線照射を行うものであるが、水中から行うのに代えて、又はこれとともに、水上から行ってもよい。
(f) 上記例は、排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における原水に混合するものであるが、浄水処理の処理水であれば、着水井以外のポイントで混合することも可能である。
<実験1>
ダム、河川から取水した水を原水とする実際の浄水場において、図3に示すものと同様の紫外線照射装置40及び図4に示すものと同様のホース支持浮体30を図2に示すように排泥池11に設置し、フィールド実験を行った。なお、当該浄水場は、春期から秋期にかけて排泥池、濃縮槽で小型藻類が増殖した事があり、浄水処理上の課題の一つと位置付けている施設である。実験においては、紫外線照射装置40における表層水の流量を60m3/分に固定して実験期間中24時間連続通水するとともに、紫外線照射/非照射を表1に示すように任意の期間で切り替え、定期的に実排泥池中の小型藻類数、5μm以上藻類数、及びクロロフィルa濃度を測定した。紫外線照射量はランプ出力、点灯本数の変更により、20〜120mJ/cm2の範囲内で表1に示すように変化させた。
小型藻類数及び5μm以上藻類の計数は、ニコン社製の蛍光顕微鏡ECLIPSE E1000を用いた検鏡により行った。
クロロフィルa濃度の測定は笠原理化工業社製のクロロフィルセンサCHL−30(測定方式:蛍光測定方式、測定範囲:0.0〜200.0μg/L)を使用した。
測定結果を図6に示した。なお、グラフ中の網掛け部分は、紫外線照射を停止した非照射期間(UV停止)を示している。この結果、小型藻類の増殖が6月から12月にかけて確認されたが、紫外線照射を実施した期間は、非照射期間と比較して、概ね低水準で推移していた。また、実験期間中の表層水の平均濁度が6.3度、平均紫外線透過率が89%を示し、紫外線処理は概ね安定していた。加えて、定期的な分析の結果、臭素酸、塩素酸、総トリハロメタン濃度は、水道水質基準を大幅に下回っており、本処理が水質に与える影響は少ないことが確認された。
<実験2>
最大容量40Lの円筒状槽内に、1kWの中圧紫外線ランプを1本設置した実験室規模のバッチ式紫外線照射装置、及び容量1Lのビーカー上部に、20Wの低圧紫外線ランプを3本配置した実験室規模のバッチ式紫外線照射装置を用い、1月に排泥池よりサンプリングした表層水を、太陽光類似波長の光源(スドー製蛍光ランプ、オセアニアンホワイトS−3820)の下、水温25℃一定条件で7日間事前培養してから、表2に示す各種条件で紫外線処理を行ったサンプル、比較対照のブランクサンプルを、太陽光類似波長の光源(スドー製蛍光ランプ、オセアニアンホワイトS−3820)の下、水温25℃一定条件で7日間培養し、実験1で述べた方法により、小型藻類数を測定した。
測定結果を図7に示した。この結果、ブランクと比較すると、紫外線照射によりいずれのランプ種も小型藻類数は少なく、紫外線による増殖抑制効果が確認された。低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプとで比較すると、同一照射量においては、常に中圧紫外線ランプ照射後の小型藻類数の方が少なかった。 以上より、紫外線照射量が同等の条件では、低圧紫外線ランプと比較して、中圧紫外線ランプの方がより高い小型藻類増殖抑制効果を有する可能性がある。
<実験3>
実験1と同じ浄水場において、排泥池の深さ方向の藻類分布調査を実施した。この分布調査ではハイロート採水瓶を用いて、水面(水深0m)、水深1m、水深2mの3点から採水し、実験1と同様にクロロフィルa濃度を測定した。この分布調査は11月上旬に実施した。
深さ方向のクロロフィルa濃度分布は、水面で5.4μg/Lを示し、水深1mで18.8μg/Lと増大し、水深2mで3.0μg/Lと減少した。調査を実施した11月上旬の計数において、5μm以上藻類数はほとんど見られておらず、クロロフィルa濃度が概ね小型藻類の傾向を表していると考えられる。これより、小型藻類は水面〜水深1m付近に数多く分布していることが推測される。
本発明は浄水場における排水処理に適用できるものである。
RW…原水、2…着水井、3…混和池、4…フロック形成池、5…凝集沈澱池、6…ろ過池、7…塩素混和池、8…浄水池、1…浄水処理、10…排水処理、TW…上澄水、11…排泥池、11i…流入渠、12…濃縮槽、13…脱水機、14…排水池、SL…汚泥、SW…表層水、20…紫外線照射処理流路、31…ホース、P…ポンプ、40…紫外線照射装置、30…ホース支持浮体、32…支持フレーム、33…アングル、34…吸引ノズル、35…連結材、36…フロート、41…表層水流通管路、42…保護管、43…紫外線ランプ、45…ステンレス製ブラシ、46…支持体、47…雌ネジ部、48…雄ネジ軸、49…モータ。
本発明は、浄水場における処理方法及びその設備に関するものである。
浄水場で原水を浄水処理する際には、例えば凝集沈澱池底部から引き抜かれた汚泥が排泥池に排出され、またろ過池等からは洗浄水等が排水池に排水される。排泥池の排泥は濃縮槽等の濃縮手段で濃縮され、さらに脱水機で脱水された後に再利用等の処置がなされる。これら汚泥や排水の処理は、着水井から送水へ向かう浄水処理と区別して、排水処理といわれている。以下、この排水処理の処理物である汚泥や、排水、又はそれらの濃縮物を排水処理物という。
多くの浄水場における排水処理では、水資源の有効利用のために、排水池の貯留水、または、排泥池の上澄水を抜き出して、着水井等に返送し、原水に混合することが行われている。しかし、春季から秋季にかけて、排水処理(特に排泥池や濃縮槽、排水池)において、増殖した小型藻類(例えば、ピコプランクトン。細胞径0.2〜2.0μm程度のプランクトン)が、排泥池等からの上澄水の返送に伴って原水に混合され、原水濁度、ひいてはろ過池出口の濁度を上昇させることがあった。
小型藻類の増殖は、ろ過池の濁度管理に支障をきたすことが懸念される。特に、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれが高いと判断された浄水場の浄水処理ではろ過池出口の濁度を0.1度以下に維持することが求められており、水道事業体によってはより厳密な濁度管理を行っているため、その影響を低減することが望まれている。
小型藻類対策としては、次亜塩素酸ナトリウムに代表される塩素系薬剤を用いて不活化(殺藻)を行う手法の他、覆蓋により遮光する手法も知られているが、前者には薬剤の大量添加による消毒副生成物の懸念や、薬剤耐性のある小型藻類への対応ができないという問題があり、後者には、簡易的な覆蓋の場合は効果が限定的となり、完全遮光覆蓋の場合は多額の建設費用を要するという問題がある。
また、これらの問題点を解決するものとして紫外線照射も知られている(例えば特許文献1、2参照)が、排水処理で増殖する小型藻類への応用はなされていない。
特許第4690976号公報 特開2013−220395号公報
そこで、本発明の主たる課題は、排水処理における小型藻類の増殖を防止することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
浄水場における排水処理で、排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つにおける排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理方法であって、
前記排水処理物の表層水を抜き出して抜き出し元の排水処理物に戻す紫外線照射処理流路を介して連続的又は断続的な循環を継続しつつ、その紫外線照射処理流路を流通する前記表層水に紫外線照射し、前記排水処理物中の小型藻類の増殖を防止する、紫外線照射処理を行う、
ことを特徴とする浄水場における処理方法。
(作用効果)
本発明者は、既存の排水処理物の流路において流通する排水処理物に紫外線照射処理を行うことでも対応できると考えたが、既存の排水処理物の流路(例えば凝集沈澱池から排泥池への流路や、ろ過池から排水池への流路)では流入が間欠的で、かつ、瞬間流量が多く、濁度も高い状態にあるため、紫外線照射の効果を十分に得ることが困難であるとの知見を得て本発明をなしたものである。すなわち、本発明では、表層水を抜き出して紫外線照射した後に排水処理物に戻す処理を行うため、紫外線照射対象の瞬間流量を少なく、かつ濁度を低く設定することが可能となる。よって、紫外線を対象に対して効率良く照射できるため、小型藻類の不活化を効率良く行うことができる。その結果、排水処理における小型藻類の増殖を、簡素、省エネルギー、低コストに防止できるようになる。さらに、小型藻類は排水処理物全体に分布していると考えられるが、増殖防止の観点からは表層水の小型藻類を不活化させることで排水処理物の小型藻類増殖を抑制可能との実験結果も得られているため、表層水のみを紫外線照射対象とすることの技術的意義は大きいものである。なお、用語「表層水」は、濁度の高低に関係なく表層から採水されるものを意味し、従って上澄水の他、例えば排泥池における流入直後の表層水のように上澄水より濁度の高いものも含む意味である。
特に、本発明では循環処理とすることにより、対象の排水処理物全体における小型藻類の増殖抑制を効果的に図ることができ、また、既存設備のフローを変更する必要無く適用できる。この場合、紫外線照射設備を別途設ける必要があるものの、その設備自体は簡素である。
排泥池、濃縮槽及び排水池は、排水処理物がある程度の時間滞留し、日光も十分に供給される可能性のある工程であり、特にこのような排水処理物の滞留を伴う工程で小型藻類の増殖が発生し易いことが分かっている。よって、本発明の紫外線照射処理排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つで行うのである
<請求項記載の発明>
前記紫外線照射処理流路への流入水量及び濁度の少なくとも一方を計測し、その計測結果の増減に応じて前記紫外線照射処理における紫外線照射量を増減する、請求項記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
排泥池、濃縮槽、及び排水池は流入が間欠的であり、また、流入量及び濁度の日内変動、日間変動が一定していない。例えば、凝集沈澱池から引き抜いた汚泥を排泥池に送る際には、流入直後に排泥池で急激に濁度が上昇し、一定時間経過して流入汚泥が沈降すると表層水の濁度が低下する。このような場合、紫外線照射にとって最も厳しい条件を想定して紫外線照射量を多めに設定しても良いが、濁度が低い時には紫外線の過剰照射により、エネルギーが無駄になってしまう。これに対して、本項記載のように、紫外線照射処理流路への流入水量及び濁度の少なくとも一方の計測結果の増減に応じて、紫外線照射処理における紫外線照射量を増減すると、省エネルギーで且つ効果的な紫外線照射処理を行うことができるようになる。
<請求項記載の発明>
前記紫外線照射処理における表層水の抜き出しを、前記排水処理物の水深1mまでの表層から行う、請求項1又は2記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
小型藻類が増殖する時には水面から水深1mまでの表層に大量に分布し、かつ、増殖活性が高いことが確認されているため、この深さ範囲から紫外線照射処理における表層水の抜き出しを行うことが好ましい。
<請求項記載の発明>
前記紫外線照射処理で、中圧紫外線ランプを備えた紫外線処理装置を用いて前記紫外線照射を行う、請求項1〜のいずれか1項に記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
浄水処理における紫外線照射処理では低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプのいずれかを備えた紫外線処理装置を用いることが知られているが、同じ紫外線照射量で小型藻類の不活化処理を行った場合、波長253.7nm付近にシャープなピークを有する低圧紫外線ランプよりも、広範囲の出力波長を有する中圧紫外線ランプの方が不活化効果が高いことが判明しているため、本発明では中圧紫外線ランプを用いることが好ましい。
<請求項記載の発明>
前記紫外線照射処理で、20〜200mJ/cm2の照射量で前記紫外線照射を行う、請求項記載の浄水場における処理方法。
(作用効果)
中圧紫外線ランプを用いる場合、紫外線照射量が低すぎると小型藻類の不活化効果が不十分となるおそれがあり、高すぎると小型藻類を捕食する大型プランクトンが死滅し、小型プランクトンの増殖が促進されるおそれがあるため、本発明では上記範囲内とすることが好ましい。なお、併せてクリプトスポリジウム等の耐塩素性原虫類不活化効果を期待する場合には40mJ/cm2以上とすることが好ましい。
<請求項記載の発明>
浄水場における排水処理で、排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つにおける排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理設備であって、
前記排水処理物の表層水を抜き出して抜き出し元の排水処理物に戻す循環を連続的又は断続的に行う紫外線照射処理流路と、この紫外線照射処理流路を流通する前記表層水に紫外線を照射し、前記排水処理物中の小型藻類の増殖を防止する紫外線照射装置と、を備えた、
ことを特徴とする浄水場における処理設備。
(作用効果)
請求項1記載の発明と同様の作用効果を奏する。
以上のとおり、本発明によれば、排水処理における小型藻類の増殖を防止できるようになる、等の利点がもたらされる。
浄水場のフロー図である。 排泥池における紫外線照射設備のフロー図である。 (a)紫外線照射装置の横断面図、及び(a)のIII-III線断面図である。 ホース支持浮体の斜視図である。 紫外線ランプ等の波長範を示した図である。 実験結果のグラフである。 実験結果のグラフである。
以下、急速ろ過方式を採用する浄水場への適用例に基づき、本発明の実施形態について詳説するが、本発明は、排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理に返送し、原水等の処理水に混合する浄水場であれば、浄水処理の方式は特に限定されず、緩速ろ過方式、急速ろ過方式、直接ろ過方式、膜ろ過方式、あるいはこれらに高度浄水処理を組み合わせたものにおいて使用できる。
図1は、急速ろ過方式を採用する浄水場の処理フローの一例を示している。本例の浄水処理1は、取水場から導水路を経て着水井2(又は原水槽)に供給された河川水などの原水RWを、凝集剤等を添加混合するための混和池3、フロックを形成するためのフロック形成池4、フロックを沈澱させるための凝集沈澱池5、及び砂層等で水をろ過する急速ろ過池6、塩素剤を注入するための塩素混和池7を経て浄化し、浄水池8に供給するものとなっている。着水井2と塩素混和池7との間には、必要に応じてオゾン接触池や、活性炭ろ過池が介在される。
一方、本例の排水処理10は、凝集沈澱池5の底部から引き抜かれる汚泥SLの処理、及びろ過池6等の洗浄排水の処理を含むものとなっている。このうち、凝集沈澱池5の底部から引き抜かれた汚泥は排泥池11に受け入れて一定時間滞留した後、濃縮槽12に供給して沈降分離により上澄水TWと濃縮汚泥とに分離し、濃縮汚泥は脱水機13等により脱水する一方で、上澄水TWは排泥池11を経由して着水井2に戻して原水RWに混合する。排泥池11で沈降分離を行う方式や、濃縮槽12の上澄水TWを直接着水井2に戻す方式も適用可能である。また、排泥池11における上澄水TWも着水井2に戻して原水RWに混合する。これら汚泥処理系の上澄水TWは、図示例では後述の排水池を経由することなく着水井2に戻しているが、後述の排水池14に送り、洗浄排水と合流させてから着水井2に戻すこともできる。ろ過池6等の洗浄排水は、排水池14に受け入れて一時的に貯留し、着水井2に戻して原水RWに混合する。
このような排水処理10において、排泥池11、濃縮槽12及び排水池14は、排水処理物がある程度の時間滞留し、日光も十分に供給される可能性のある工程であるため、小型藻類の増殖が発生し易いことが分かっている。よって、本発明の紫外線照射処理は、このような排水処理物の滞留を伴う工程の一部又は全部で行うことが好ましい。より詳細に説明すると、排泥池11には緩衝目的と、沈降分離による濃縮目的の2パターンの運用方法があり、浄水場毎に異なっている。特に、後者の運用の場合、滞留時間が長く、小型藻類発生リスクが高い。排泥池11は、排水処理10の中では最も上流に位置することが一般的であり、そこで小型藻類の増殖抑制を図ると、排水処理10全体での小型藻類の低減効果が高いものとなる。また、濃縮槽12は沈降分離による濃縮を目的としており、最も滞留時間が長いことから、小型藻類が浄水施設内で最大になる場所である。濃縮槽12を起点に、排泥池11、排水池14で小型藻類が増殖するという流れも想定されるため、濃縮槽12で小型藻類の増殖抑制を図る意義は大きい。一方、排水池14は、濃縮槽12と比較すると滞留時間は短く、相対的に小型藻類増殖のリスクは低いが、排水処理10全体の小型藻類増殖のリスクを低減するためには、排水池14においても小型藻類の増殖抑制を図ることが好ましい。これら小型藻類増殖のリスクの観点からは、濃縮槽12及び排泥池11の少なくとも一方では小型藻類の増殖抑制を図ることが望ましく、濃縮槽12、排泥池11及び排水池14の全てで小型藻類の増殖抑制を図ると、より好ましい。
図2は、排泥池11の表層水SWを抜き出して紫外線照射した後に排泥池11に戻す紫外線照射処理設備の一例を示している。すなわち、排泥池11には、表層水SWを吸い出すためのホース31が設置され、このホース31を介してポンプPにより吸い出された表層水SWは、紫外線照射処理流路20を介して排泥池11の流入渠11iに供給され、凝集沈澱池5から供給される汚泥SLと同経路で排泥池11に戻されるようになっており、紫外線照射処理流路20には、流通する表層水SWに紫外線を照射する紫外線照射装置40が設置されている。よって、排泥池11から抜き出された表層水SWは、紫外線照射装置40で紫外線照射された後に排泥池11に戻される。このように、表層水SWを抜き出して紫外線照射すると、紫外線照射対象の瞬間流量が少なく、かつ濁度も低いものとなる。よって、紫外線を対象に対して効率良く照射できるため、小型藻類の不活化を効率良く行うことができる。また、図示形態のような循環処理とすることにより、滞留する汚泥や洗浄排水全体における小型藻類の増殖抑制を効果的に図ることができ、また、既存設備のフローを変更する必要無く適用できる利点もある。なお、図2に示される設備は排泥池11以外にも適用できることはいうまでもない。
表層水SWの抜き出し深さは特に限定されず、例えば既設の表層水引抜装置により表層水SWを抜き出してから紫外線照射処理流路20に供給してもよいし、またある程度深い位置から抜き出してもよいが、小型藻類が増殖する時には水面から水深1mまでの表層に大量に分布し、かつ、増殖活性が高いことが確認されているため、この深さ範囲から表層水SWの抜き出しを行うことが好ましい。また、このような理由から、排泥池11のように水位変動のある貯留池や貯留槽から表層水SWを抜き出す場合であっても、抜き出し水深を維持することが好ましい。このために、図2及び図4に示すように、ホース31の先端開口を排水処理物の所定水深に支持するホース支持浮体30を排水処理物に浮かべ、このホース31を介して表層水SWを吸い出し、紫外線照射処理流路20に対して供給する方式についても提案する。このようなホース支持浮体30によりホース31を所定水深にすることにより、簡素な方法で、水量変動がある場合でも表層水SWの抜き出し水深を安定化することができる。より詳細には、図4に示すホース支持浮体30は、矩形に形成された支持フレーム32の中央部に、断面コ字状のアングル33を架設し、ホース31の先端開口をなす吸引ノズル34をアングル33に揺動自在に取り付け、吸引ノズル34をアングル33内に開口させるとともに、支持フレーム32の四隅に支柱等の連結材35を立設し、この支柱35にフロート36を取り付けたものであり、フロート36と吸引ノズル34との高低差に応じて吸引ノズル34の水深が定まるものである。
もちろん、表層水SWの抜き出し手法は、図示形態に限定されるものではなく、(a)フロート付吸水口とスイベルジョイントを組み合わせ、常に水面から表層水を抜き出し可能な表層水引抜装置や、(b)池や槽の壁面の開口部、埋込管、堰よりオーバーフローさせて、一定の水位に達した水を池や槽外に抜き出す手法、(c)フロートで水面付近を取水可能にした水中ポンプ、又は一定水位に固定した水中ポンプを用いて抜き出す手法、(d)手動で取水口の高さを変更し、表層水を抜き出す蛇腹式集水装置、等を用いることができる。
紫外線照射装置40の構成は、特に限定されないが、例えば図3に示すような装置とするのが好ましい。すなわち、この紫外線照射装置40は、紫外線照射処理流路20を構成する表層水流通管路41と、この表層水流通管路を横断するように配置された石英製の保護管42と、この保護管内に配置される紫外線ランプ43とを備えたものである。
紫外線ランプ43としては低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプ、低圧アマルガムランプ、エキシマランプ、キセノンランプ、無電極ランプ、紫外線LEDが知られており、いずれを用いても良いが、同じ紫外線照射量で小型藻類の不活化処理を行った場合、波長253.7nm付近にシャープなピークを有する低圧紫外線ランプよりも、広範囲の出力波長を有する中圧紫外線ランプの方が不活化効果が高いことが判明しているため、本発明では中圧紫外線ランプを用いることが好ましい。図5は中圧紫外線ランプ(中圧UVランプ)及び低圧紫外線ランプ(低圧UVランプ)の波長範囲を示したものである。
紫外線照射量は適宜定めれば良く、一年を通じて一定としたり、小型藻類の活性が高い時期や、増殖傾向がみられる時期は高照射量とし、通常時は低照射量若しくは非照射とする、或いは一日の設定時間だけ高照射量とし、それ以外は低照射量若しくは非照射とする等の季節制御又はタイマー制御を行ったり、これとともに又はこれに代えて、表層水の瞬間流量や濁度を計測し、その計測結果の増減に応じて紫外線照射処理における紫外線照射量を増減する等の制御を行うこともできる。
特に排泥池11、濃縮槽12、及び排水池14は流入が間欠的であり、また流入量及び濁度の日内変動、日間変動が一定していない。例えば、凝集沈澱池5から排泥池11に引き抜いた汚泥SLを排泥池に送る際には、流入直後に排泥池11では急激に濁度が上昇し、一定時間経過して流入汚泥SLが沈降すると表層水の濁度が低下する。このような場合、紫外線照射にとって最も厳しい状態を想定して紫外線照射量を設定しても良いが、濁度が低い時には紫外線の過剰照射により、エネルギーが無駄になってしまう。これに対して、紫外線照射処理流路20への流入水量及び濁度の少なくとも一方の計測結果の増減に応じて、紫外線照射処理における紫外線照射量を増減すると、省エネルギーで且つ効果的な紫外線照射処理を行うことができるようになる。
紫外線照射量は、図3に示すように紫外線ランプ43を複数設けてその点灯数の増減により調節する他、ランプ出力の増減により調節することができる。
紫外線ランプ43として中圧紫外線ランプを用いる場合、紫外線照射量が低すぎると小型藻類の不活化効果が不十分となるおそれがあり、高すぎると小型藻類を捕食する大型プランクトンが死滅し、小型プランクトンの増殖が促進されるおそれがあるため、本発明では20〜200mJ/cm2の照射量で紫外線照射を行うことが好ましい。なお、併せてクリプトスポリジウム等の耐塩素性原虫類不活化効果を期待する場合には40mJ/cm2以上とすることが好ましい。
紫外線照射処理流路20を介した循環通水は、紫外線照射を行うか否かに関係なく連続的に行っても、また紫外線照射を行うのに合わせて通水するようにしても良い。
排泥池11の汚泥SL等の排水処理物は濁質を含むとともに、硬度成分(マグネシウムやカルシウム)や金属成分(鉄、アルミニウム、マンガン等)を含んでおり、これらが保護管42に徐々に付着し、経時的に紫外線照射効果が低下するおそれがある。よって、図3に示すようにステンレス製ブラシ45等の掻き取り手段を用いて表面付着物を掻き取る構造とすることが好ましい。図示形態では、保護管42の外周全体に接触するよう配置された環状のステンレス製ブラシ45と、このステンレス製ブラシ45を支持する支持体46と、この支持体46に設けられた雌ネジ部47と、この雌ネジ部47に螺合された雄ネジ軸48と、この雄ネジ軸48を回転駆動するためのモータ49とを備えており、モータ49により雄ネジ軸48を回転させると、雌ネジ部47を介して支持体46が雄ネジ軸48に沿って移動し、これに伴い支持体46のステンレス製ブラシ45が保護管42表面を擦るようになっている。モータ49を正逆駆動してステンレス製ブラシ45を移動(例えば、必要数往復)させることにより、保護管42の清掃を行うことができる。保護管42の清掃は定期的に行う他、保護管42の汚れを検出するためのセンサーを設け、その検出結果に応じて行うこともできる。本発明者らの実験によれば、排水処理に適用する場合、1時間1往復程度の洗浄頻度で保護管42の外表面を清浄に維持できることが判明している。
(その他)
(a) 本発明の紫外線照射処理は、上述したように排泥池11や、濃縮槽12、排水池14に適用するものである。
(b) 本発明は、抜き出した表層水SWを紫外線照射処理後に抜き出し元に戻す(循環照射)ものである。
(c) 紫外線照射処理流路20は、図示例のような管路とする他、一部又は全部を上部が開放された溝としても良い。
(d) 上記例は、流通する表層水に照射する連続処理となっているが、槽等に一時的に貯留した状態で紫外線照射するバッチ処理とすることも可能である。
(e) 上記例は水中から紫外線照射を行うものであるが、水中から行うのに代えて、又はこれとともに、水上から行ってもよい。
(f) 上記例は、排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における原水に混合するものであるが、浄水処理の処理水であれば、着水井以外のポイントで混合することも可能である。
<実験1>
ダム、河川から取水した水を原水とする実際の浄水場において、図3に示すものと同様の紫外線照射装置40及び図4に示すものと同様のホース支持浮体30を図2に示すように排泥池11に設置し、フィールド実験を行った。なお、当該浄水場は、春期から秋期にかけて排泥池、濃縮槽で小型藻類が増殖した事があり、浄水処理上の課題の一つと位置付けている施設である。実験においては、紫外線照射装置40における表層水の流量を60m3/分に固定して実験期間中24時間連続通水するとともに、紫外線照射/非照射を表1に示すように任意の期間で切り替え、定期的に実排泥池中の小型藻類数、5μm以上藻類数、及びクロロフィルa濃度を測定した。紫外線照射量はランプ出力、点灯本数の変更により、20〜120mJ/cm2の範囲内で表1に示すように変化させた。
小型藻類数及び5μm以上藻類の計数は、ニコン社製の蛍光顕微鏡ECLIPSE E1000を用いた検鏡により行った。
クロロフィルa濃度の測定は笠原理化工業社製のクロロフィルセンサCHL−30(測定方式:蛍光測定方式、測定範囲:0.0〜200.0μg/L)を使用した。
測定結果を図6に示した。なお、グラフ中の網掛け部分は、紫外線照射を停止した非照射期間(UV停止)を示している。この結果、小型藻類の増殖が6月から12月にかけて確認されたが、紫外線照射を実施した期間は、非照射期間と比較して、概ね低水準で推移していた。また、実験期間中の表層水の平均濁度が6.3度、平均紫外線透過率が89%を示し、紫外線処理は概ね安定していた。加えて、定期的な分析の結果、臭素酸、塩素酸、総トリハロメタン濃度は、水道水質基準を大幅に下回っており、本処理が水質に与える影響は少ないことが確認された。
<実験2>
最大容量40Lの円筒状槽内に、1kWの中圧紫外線ランプを1本設置した実験室規模のバッチ式紫外線照射装置、及び容量1Lのビーカー上部に、20Wの低圧紫外線ランプを3本配置した実験室規模のバッチ式紫外線照射装置を用い、1月に排泥池よりサンプリングした表層水を、太陽光類似波長の光源(スドー製蛍光ランプ、オセアニアンホワイトS−3820)の下、水温25℃一定条件で7日間事前培養してから、表2に示す各種条件で紫外線処理を行ったサンプル、比較対照のブランクサンプルを、太陽光類似波長の光源(スドー製蛍光ランプ、オセアニアンホワイトS−3820)の下、水温25℃一定条件で7日間培養し、実験1で述べた方法により、小型藻類数を測定した。
測定結果を図7に示した。この結果、ブランクと比較すると、紫外線照射によりいずれのランプ種も小型藻類数は少なく、紫外線による増殖抑制効果が確認された。低圧紫外線ランプ、中圧紫外線ランプとで比較すると、同一照射量においては、常に中圧紫外線ランプ照射後の小型藻類数の方が少なかった。 以上より、紫外線照射量が同等の条件では、低圧紫外線ランプと比較して、中圧紫外線ランプの方がより高い小型藻類増殖抑制効果を有する可能性がある。
<実験3>
実験1と同じ浄水場において、排泥池の深さ方向の藻類分布調査を実施した。この分布調査ではハイロート採水瓶を用いて、水面(水深0m)、水深1m、水深2mの3点から採水し、実験1と同様にクロロフィルa濃度を測定した。この分布調査は11月上旬に実施した。
深さ方向のクロロフィルa濃度分布は、水面で5.4μg/Lを示し、水深1mで18.8μg/Lと増大し、水深2mで3.0μg/Lと減少した。調査を実施した11月上旬の計数において、5μm以上藻類数はほとんど見られておらず、クロロフィルa濃度が概ね小型藻類の傾向を表していると考えられる。これより、小型藻類は水面〜水深1m付近に数多く分布していることが推測される。
本発明は浄水場における排水処理に適用できるものである。
RW…原水、2…着水井、3…混和池、4…フロック形成池、5…凝集沈澱池、6…ろ過池、7…塩素混和池、8…浄水池、1…浄水処理、10…排水処理、TW…上澄水、11…排泥池、11i…流入渠、12…濃縮槽、13…脱水機、14…排水池、SL…汚泥、SW…表層水、20…紫外線照射処理流路、31…ホース、P…ポンプ、40…紫外線照射装置、30…ホース支持浮体、32…支持フレーム、33…アングル、34…吸引ノズル、35…連結材、36…フロート、41…表層水流通管路、42…保護管、43…紫外線ランプ、45…ステンレス製ブラシ、46…支持体、47…雌ネジ部、48…雄ネジ軸、49…モータ。

Claims (10)

  1. 排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理方法であって、
    前記排水処理物の表層水を抜き出して紫外線照射した後に前記排水処理物に戻す紫外線照射処理を行う、
    ことを特徴とする浄水場における処理方法。
  2. 前記紫外線照射処理に際して、前記排水処理物から抜き出した表層水を抜き出し元の排水処理物に戻す循環流路を介して連続的又は断続的な循環を継続しつつ、その循環流路を流通する前記表層水に前記紫外線照射を行う、請求項1記載の浄水場における処理方法。
  3. 前記紫外線照射処理を排泥池、濃縮槽、及び排水池の少なくとも一つで行う、請求項2記載の浄水場における処理方法。
  4. 前記循環流路への流入水量及び濁度の少なくとも一方を計測し、その計測結果の増減に応じて前記紫外線照射処理における紫外線照射量を増減する、請求項3記載の浄水場における処理方法。
  5. 前記紫外線照射処理における表層水の抜き出しを、前記排水処理物の水深1mまでの表層から行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄水場における処理方法。
  6. 前記紫外線照射処理で、中圧紫外線ランプを備えた紫外線処理装置を用いて前記紫外線照射を行う、請求項1〜5のいずれか1項に記載の浄水場における処理方法。
  7. 前記紫外線照射処理で、20〜200mJ/cm2の照射量で前記紫外線照射を行う、請求項6記載の浄水場における処理方法。
  8. 排水処理で排水処理物及びその上澄水の少なくとも一方を抜き出して、浄水処理における処理水に混合する、浄水場における処理設備であって、
    前記排水処理物の表層水を抜き出して前記排水処理物に戻す紫外線照射処理流路と、この紫外線照射処理流路を流通する前記表層水に紫外線を照射する紫外線照射装置と、を備えた、
    ことを特徴とする浄水場における処理設備。
  9. 前記紫外線照射装置は、前記紫外線照射処理流路を構成する管路と、この管路内に配置される保護管と、この保護管内に配置される紫外線ランプと、前記保護管の表面付着物を掻き取るための掻き取り手段とを備えたものである、請求項8記載の浄水場における処理設備。
  10. 前記排水処理物から前記表層水を吸い出すためのホースと、
    このホースを介して前記表層水を吸い出し、前記紫外線照射処理流路に対して供給するポンプと、
    前記排水処理物に浮かべられた、前記ホースの先端開口を前記排水処理物の所定水深に支持するホース支持浮体とを備えた、請求項8又は9記載の浄水場における処理設備。
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