JP2016059839A - 膜分離活性汚泥処理における固液分離方法 - Google Patents

膜分離活性汚泥処理における固液分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安定的に膜間差圧の上昇を抑制するため、活性汚泥処理がなされた処理水への水溶性重合体および無機凝集剤の添加による膜分離活性汚泥装置における固液分離方法を提供する。【解決手段】膜分離活性汚泥処理による固液分離方法であって、活性汚泥にアミジン構造単位を有するカチオン性重合体及び多価陰イオンを含む無機凝集剤を添加する固液分離方法。【選択図】なし

Description

本発明は、膜分離活性汚泥式水処理装置においてカチオン性重合体および無機凝集剤を用いる汚泥の固液分離方法に関する。
近年、水質向上、水の再利用のし易さ、余剰汚泥発生量の低減化、水リサイクルの必要性などの観点から、都市下水や食品、化学、電気分野などの工場で発生する廃水の処理法として膜分離活性汚泥法が普及しつつある。ここで、膜分離活性汚泥法とは、活性汚泥法において最終沈殿槽を設けず精密膜あるいは限外濾過膜等の分離膜により固液分離を行う方法である。
しかしながら、膜分離活性汚泥法においては、活性汚泥処理した処理水に膜閉塞を発生させる物質が含まれていると、分離膜の細孔を閉塞させ、分離膜を目詰まりさせて、膜間差圧を上昇させることがあった。
世界的に水の需要が増しており、再生水の必要性が一層高まり、低コストで維持管理が容易で効率的な水処理方法の開発が求められている。
膜間差圧の上昇の抑制策としては、種々の方法が開示されている。
例えば、アミジン系水溶性重合体を膜分離活性汚泥装置に添加する方法(特許文献1)や、高分子凝集剤と硫酸バンドやポリ塩化アルミ等の無機系凝集剤を併用して膜分離活性汚泥装置に添加する方法(特許文献2)、フェノール系樹脂と塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などの鉄塩と組み合わせて膜間差圧の上昇を抑制する方法(特許文献3)などが知られている。
国際公開第2011/016482号パンフレット 特開平10−128393号公報 特開2008-168199号公報
しかしながら、特許文献1および2は、水溶性重合体と無機凝集剤の併用については記載されているが、水溶性重合体と無機凝集剤の添加量の比率については、具体的に記載されていない。また、特許文献3の方法は、フェノール系樹脂と鉄塩の添加量の比率は記載しているが、フェノール系樹脂との併用に限定されており、高分子凝集剤への適用の可能性は明示されていなかった。さらに、特許文献1および2の方法は、無機凝集剤の過剰添加によりスラッジ量が増加する問題があった。そこで、本発明者らは検討を重ねた結果、膜間差圧の上昇の抑制が、水溶性重合体の添加量と無機凝集剤中の多価陰イオンとの重量比に影響を受けることを見出した。
本発明の目的は、安定的に膜間差圧の上昇を抑制するため、活性汚泥処理がなされた処理水への水溶性重合体および無機凝集剤の添加による膜間差圧の上昇の抑制方法を提供することにある。
本発明は、以下の態様を有する。
本発明の一実施態様は、膜分離活性汚泥処理による固液分離方法であって、活性汚泥にアミジン構造単位を有するカチオン性重合体及び多価陰イオンを含む無機凝集剤を添加する固液分離方法である。
本発明の一実施態様はまた、カチオン性重合体として、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表されるアミジン構造単位を有するカチオン性重合体を用いる前記の固液分離方法である。
[一般式(1)、(2)中のR1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。X−、Y−は各々陰イオンであり、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
本発明の一実施態様はまた、活性汚泥に添加するカチオン性重合体の添加率をA(g/L)、活性汚泥に添加する無機凝集剤に含まれる多価陰イオンの添加率をB(モル/L)とする時、A/Bの値が30〜320(g/モル)となるように前記カチオン性重合体及び無機凝集剤を添加する前記の固液分離方法である。
本発明の一実施態様はまた、多価陰イオンを含む無機凝集剤として、ポリ硫酸鉄及び/又は硫酸バンドを用いる前記の固液分離方法である。
本発明の一実施態様はまた、活性汚泥の糖濃度が10〜50mg/Lであり、かつ、活性汚泥のろ紙ろ過量が1〜20mLである前記の固液分離方法である。ここで、糖濃度とは、水に溶存、またはコロイド状で存在する多糖類濃度を意味する。ろ紙ろ過量とは、50mLの活性汚泥をろ過したときに5分間にろ紙を通過するろ過量(mL)を意味する。
本発明の方法によれば、カチオン性重合体および無機凝集剤を規定の重量比の範囲内でそれぞれ添加することで、膜分離活性汚泥処理における膜間差圧の上昇を抑制することができる。
以下に、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はそれらに限定されるものではない。
本発明は、以下に述べるカチオン性重合体、及び無機凝集剤を使用する膜分離活性汚泥処理による汚泥の固液分離方法に関する。
本発明の膜分離活性汚泥処理では、通常、膜分離活性汚泥装置が使用される。膜分離活性汚泥装置とは、活性汚泥法において最終沈殿槽を設けず精密膜等の分離膜により固液分離を行う装置である。具体的には、活性汚泥を含む曝気槽に工場廃水等の原水を供給し、曝気により原水を生物処理し、得られた処理水を、分離膜に通しながら引き抜いて固液分離する装置である。
曝気槽以外に、他の生物処理槽、例えば、別の曝気槽、嫌気槽、無酸素槽、好気処理槽などが独立に設けられても構わない。
膜分離活性汚泥装置において使用される分離膜は、精密ろ過膜、限外ろ過膜等が挙げられる。高い透過流速が得られる点で、分離膜は、精密ろ過膜であることが好ましい。
分離膜の形状は、平膜、管状膜あるいは中空糸膜などいずれの形状でも構わない。材質は、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスルフォン系、ポリフッ化ビニリデン系等の各種材料からなるものを使用することができる。処理水の引き抜きは、分離膜の二次側(下流側)をポンプで吸引することによって行うことができる。引き抜きの際、処理水は分離膜を通過するが、フロック等の粒状物は通過しにくい。そのため、処理水の引き抜きによって固液分離することができる。
膜分離活性汚泥法では、曝気槽にて原水を活性汚泥処理している最中に、処理水を分離膜に通して引き抜く。処理水の引き抜き速度は、処理水によっても異なるが、概ね0.1〜1.5m/日である。
原水または活性汚泥には、膜閉塞を発生させる物質(以下、「膜閉塞原因物質」という。)が含まれる。膜閉塞原因物質の具体例としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機塩類、シリカ、水酸化鉄等の無機性コロイドのほか、糖、蛋白質等の有機性コロイド、溶解性有機物質、付着性微生物、懸濁物質等が挙げられる。
膜閉塞原因物質による膜閉塞によって引き抜き速度を高められず、0.1〜1.0m/日となる場合には、本発明による膜閉塞の抑制効果は顕著となる。
曝気槽に添加する「カチオン性重合体」としては、アミジン構造単位を有するものであり、一般式(1)、(2)中の、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子又はメチル基であるが、それらは同一であっても異なっていてもよい。
また、X、Yはそれぞれ陰イオンであるが、それらは同一であっても異なっていてもよい。一般式(1)及び(2)において、X,Yで表される陰イオンとしては、具体的には、Cl、Br、1/2SO 2−、CH(CO)O、H(CO)Oなどが挙げられる。
アミジン構造単位を有するカチオン性重合体の製造方法としては、公知の一般的な重合方法により製造することができる。具体的には、各単量体単位を、重合開始剤の存在下で公知の方法で重合することにより製造することができる。重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸2,2’−アゾビズ−2−アミジノプロパン塩酸塩等のラジカル開始剤が挙げられる。重合方法としては、特に制限されず、水溶液重合、光重合、懸濁重合、エマルション重合等の方法を適用することができる。前記カチオン性重合体は、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルカルボン酸アミドと、アクリロニトリルまたはメタアクリロニトリルのニトリル類とを塊状重合、水溶液沈殿重合、懸濁重合、乳化重合等の公知の方法で共重合した後、酸加水分解し、共重合により得られた共重合体中のシアノ基と一級アミノ基とを反応させてアミジン化する方法により製造することができる。これらの重合法により得られるカチオン性重合体の形態は、固体(粉末)や水溶液となる。
本発明で使用する無機凝集剤としては、硫酸バンド、ポリ硫酸鉄のほか、リン酸イオンなどの多価陰イオンを含む無機凝集剤である。
多価陰イオンのモル濃度は、当該無機凝集剤メーカーのカタログに記載されている含有量より算出してもよく、カタログに記載されていない場合は、次に述べる日本工業規格(JIS)に規定の方法で定量してもよい。
例えば、硫酸バンドおよび硫酸アルミニウムは、多価陰イオンとして硫酸イオンを含むので、カタログに記載されている場合は、記載の含有量からモル濃度を算出する。カタログに記載されていない場合は、 J I S K 0 1 0 2 「工場排水試験方法」4 1 .に規定されている硫酸イオンの定量方法として、クロム酸バリウム吸光光度法、重量法、あるいはイオンクロマトグラフ法を用いてもよい。リン酸イオンを含む場合も同様に、カタログに記載されていない場合は、J I S K 0 1 0 2の 4 6 .1 に規定されているリン酸イオンの定量方法としてモリブデン青吸光光度法を用いてもよい。
アミジン構造単位を有するカチオン性重合体と多価陰イオンを含む無機凝集剤との併用により、著しい膜閉塞の抑制効果を発揮する。
アミジン構造はカチオン基による荷電密度が高く疎水的であるため、膜閉塞原因物質や活性汚泥と強固なフロックを形成しやすい。これと添加した無機凝集剤中の2価以上の多価陰イオンは複合体を形成し、多糖類などの膜閉塞原因物質と反応し強固なフロックとなりやすい。それらが汚泥とともに液相部から除去されるため、膜閉塞の抑制効果が高くなると推察される。
一方、多価陰イオンの濃度が過剰になると、アミジン構造内のカチオン基が全て多価陰イオンと結合し、膜閉塞原因物質と反応できなくなる。逆に、多価陰イオンの濃度が少ないと、先述の併用の効果が発揮できなくなる。
また、ポリ塩化アルミニウム(PAC)など塩化物イオンを含む無機凝集剤を併用してもよい。塩化物イオンなどの1価の陰イオンは、カチオン性重合体のカチオン基のみと反応するだけであり、膜閉塞原因物質との反応性は乏しくなる。
膜閉塞による膜間差圧の上昇は、膜表面または膜孔内に糖、蛋白質等の有機性コロイド、溶解性有機物質などの膜閉塞原因物質が付着し始めることで、そこを起点として他の物質が次々と膜に付着し、膜閉塞が進行することに起因すると考えられる。多価陰イオンを介した水溶性重合体との複合体によって、このような膜閉塞原因物質が活性汚泥とフロックを形成し膜と接する液相から除去されるとともに、前記フロックの表面にその複合体が必要十分量吸着することで、その後の活性汚泥から分泌される膜閉塞原因物質もフロックから液相に放出されにくくなると考えられる。
カチオン性重合体の添加時の形態は、粉末でも水溶液でもよい。短時間で混合できる点では水溶液が好ましく、その水溶液の重合体濃度(質量%)は0.01%〜1%が好ましい。この範囲ならば、重合体濃度が低すぎることで、供給時間が長くならず、一方、重合体濃度が高すぎて、供給後に混合が不均一となり、膜への付着する可能性が低くなる。
本発明で使用するカチオン性重合体および無機凝集剤については、活性汚泥に添加するカチオン性重合体の添加率をA(g/L)、活性汚泥に添加する無機凝集剤に含まれる多価陰イオンのモル濃度をB(モル/L)とする時、A/Bが30〜320(g/モル)となるように前記カチオン性重合体及び無機凝集剤を添加することが好ましい。先述の両者の優れた相乗効果を発揮する点から、40〜300(g/モル)となるように添加することがより好ましい。ここで「添加率A」は、活性汚泥1Lに対するカチオン性重合体の添加量(g又はmg)で表した。また「添加率B」は、活性汚泥1Lに対する無機凝集剤に含まれる多価陰イオンの添加量(モル又はミリモル)で表した。
上記のA/B値を考慮して、カチオン性重合体及び無機凝集剤の添加量を次のように調節する。カチオン性重合体は、膜間差圧上昇の抑制効果および膜分離活性汚泥中の微生物の活性に影響を与えないように、膜分離活性汚泥に対して10〜100mg/Lの範囲で添加することが好ましい。一方、無機凝集剤は、過剰添加により発生するスラッジが増加しないように、膜分離活性汚泥に対して120mg/L〜1500mg/Lの範囲で添加することが好ましい。
カチオン性重合体及び無機凝集剤の添加順序は、同時添加でも、任意の順番に添加しても、本発明の膜閉塞抑制効果は発揮できる。順番に添加する場合は、相乗効果を発揮するため、次の添加間隔まで1日以上時間間隔を空けないことが好ましい。
膜閉塞原因物質の1つである糖の濃度が汚泥中に10から50mg/L存在すると、膜閉塞が生じやすく、水溶性重合体の添加による抑制効果を発揮しやすい。一方、汚泥中の糖の濃度が前記下限未満であれば、膜閉塞が発生しにくい。
また、膜閉塞原因物質の存在の指標としてろ紙ろ過量が知られている。ろ紙ろ過量とは、50mLの汚泥をろ過したときに5分間にろ紙を通過するろ過量(mL)であり、この値が1から20mLでは、膜閉塞原因物質による膜閉塞を生じやすく、本方法が効果的である。一方、ろ過量が前記上限以上であれば、膜閉塞は発生しにくい。
活性汚泥処理での曝気量は特に制限されず、原水の流入量、原水中の有機物質含有量、活性汚泥の活性等に応じて適宜選択される。また、曝気量は、水溶性重合体を添加しているときと、添加していないときとで同じであってもよいし、異なってもよい。従来、膜分離活性汚泥装置における曝気量は、膜ケーキ層形成や膜閉塞抑制のために標準活性汚泥法よりも多くしていたが、本発明の水処理方法を適用し、膜洗浄頻度を標準活性汚泥法と同等とするのであれば、曝気量を少なくすることもできる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例に限定されるものではない。
<カチオン当量の測定>
カチオン性重合体を脱塩水に溶解し、pH=3.0においてトルイジンブルーを指示薬として、1/400規定のPVSK(ポリビニル硫酸カリウム)水溶液により滴定した。
<0.5%塩粘度の測定>
カチオン性重合体の2.5gを4%NaCl水溶液に溶解し、0.5%ポリマー水溶液の500gを調製した。B型粘度計(東機産業社製)を用い、温度25℃、回転速度60rpmの条件で、前記0.5%ポリマー水溶液の攪拌を開始してから5分後の0.5%塩粘度を測定した。ここで「%」は、「質量%」を表す。
<カチオン性重合体>
活性汚泥に添加するアミジン構造単位を有するカチオン性重合体として、KP7000(三菱レイヨン(株)カチオン当量5.4meq/g 0.5%塩粘度 7mPa・s)を用いた。
<無機凝集剤>
活性汚泥に添加する多価陰イオンを含む無機凝集剤として、一般的に市販されている無機凝集剤を用いた。具体的には、硫酸アルミニウム(硫酸バンド:高杉製薬株式会社)およびポリ硫酸鉄(ポリ鉄:日鉄鉱業株式会社)を用いた。なお比較例では、多価陰イオンを含まない無機凝集剤として、ポリ塩化アルミニウム(PAC:東ソー株式会社)を用いた。
硫酸バンドおよびポリ鉄に含まれる多価陰イオンである硫酸イオンのモル濃度は、当該メーカーのカタログに記載されている硫酸イオンの質量パーセントよりそれぞれ算出した。
<糖濃度の測定>
糖濃度とは、水に溶存、またはコロイド状で存在する多糖類濃度を示すものであり、紫外可視分光光度計(島津サイエンス(株)製 UV−3100)により490nmの吸光度を測定し、標準液による検量線から算出した。
活性汚泥中の糖濃度の測定は、次のように実施した。すなわち、採取した汚泥を孔径0.45μmのシリンジフィルター(Whatman(社)製 25mm GD/X Sterile Syringe Filters)によりフィルターろ過して得られた処理液について、全糖濃度の測定を常法;フェノール硫酸法[Hodge,J.E. and Hofreiter, B.T., Method in Cabohydrate Chemistry, 1, 338 (1962)]に準じて実施した。
<ろ紙ろ過量の測定>
ろ紙ろ過量とは、径185mmの5Cろ紙(ADVANTEC社製)を16ひだ折りとし、漏斗に入れて50mlメスシリンダーに装着した後、活性汚泥50mlを流し入れ、5分後のろ過量(mL)を測定した。
<膜間差圧の測定及び膜間差圧上昇速度の算出>
水溶性重合体の添加による膜間差圧上昇抑制効果の評価法として、膜分離活性汚泥装置において一定の通水量で膜濾過した際の前記カチオン性重合体及び無機凝集剤の添加時、添加後1日目及び14日目の膜間差圧を測定した。それぞれの時点での膜間差圧の測定は、圧力センサ((株)キーエンス製、AP−10S(達成圧型))を用いて計測した。膜間差圧上昇速度は、添加時から添加後1日目までの膜間差圧の上昇分の値を24時間で除した値を、また添加後13日目から14日目までの膜間差圧の上昇分の値を24時間で除した値を算出し、それぞれ1時間当たりの上昇差圧(kPa/h)として表示した。
<実施例1>
中空糸精密ろ過膜(三菱レイヨン(株)製、ポリフッ化ビニリデン製「SADF膜」)を幅0.088mに19本均等の間隔で配置し、該中空糸精密ろ過膜の両端を環状支持体に接続した未閉塞の膜モジュール(有効膜長さ0.077m、膜面積0.0012m)を用意した。その膜モジュールを、前記膜の長さ方向が鉛直方向に沿うように、曝気槽(横幅0.2m、奥行き0.1m、高さ0.35m)の内部の、散気管の上方に設置して、膜分離活性汚泥装置とした。MLSS(活性汚泥浮遊物質)が5000mg/L、糖濃度25mg/L、ろ紙ろ過量が10mL/5分のA社の化学工場からの排水(以下、「化学排水」という。)の排水処理設備の活性汚泥(pH6.7)を採取した。このときの膜間差圧は2.2kPaであった。この活性汚泥を膜分離活性汚泥装置に4000mL充填し、曝気量9L/分として、KP7000の0.3質量%の水溶液およびポリ鉄をKP7000の添加率をA(mg/L)、ポリ鉄中の多価陰イオン(硫酸イオン)の添加率をB(mmol/L)として、A/Bの値が37g/molとなるように、即ち活性汚泥全量当たりそれぞれ100mg/Lおよび1100mg/L添加して、化学排水を流速0.42m/日となるよう供給を開始した。
添加後1日目及び14日目の膜間差圧を測定した。またこれらからの値から膜間差圧上昇速度を算出した。結果を表1に示す。
<実施例2>
前記A/Bの値が73g/molとなるようにポリ鉄を活性汚泥全量当たり500mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例3>
前記A/Bの値が293g/molとなるようにポリ鉄を活性汚泥全量当たり120mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例4>
前記A/Bの値が41g/molとなるように硫酸バンドを活性汚泥全量当たり1500mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例5>
前記A/Bの値が73g/molとなるように硫酸バンドを活性汚泥全量当たり850mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例6>
前記A/Bの値が311g/molとなるように硫酸バンドを活性汚泥全量当たり185mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例7>
前記A/Bの値が20g/molとなるようにポリ鉄を活性汚泥全量当たり2000mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。結果を表1に示す。
<実施例8>
前記A/Bの値が400g/molとなるようにポリ鉄を活性汚泥全量当たり100mg/L添加した以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.2kPaであった。結果を表1に示す。
<比較例1>
ポリ鉄の替わりにPACを添加したこと以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。結果を表1に示す。
<比較例2>
無機凝集剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。結果を表1に示す。
<比較例3>
KP7000を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.0kPaであった。
しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。結果を表1に示す。
<比較例4>
KP7000および無機凝集剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行った。化学排水の供給を開始した時の膜間差圧は2.1kPaであった。 しかしながら、14日目よりも前に膜間差圧が50kPa以上となり、一定量の処理水の引抜きが不可能となったため実験を中止した。結果を表1に示す。
<参考例>
実施例1と同様の膜分離活性汚泥装置に、MLSSが5000mg/L、糖濃度9mg/L、ろ紙ろ過量が21mL/5分のB社の化学工場排水設備の活性汚泥(pH6.7)を充填した。このときの膜間差圧は2.0kPaであった。前記化学工場からの排水の供給を開始し14日間運転したが、膜間差圧は2.1kPaを維持し、膜間差圧の上昇は確認できなかった。
実施例1〜6では、カチオン性重合体としてKP7000、及び無機凝集剤としてポリ鉄および硫酸バンドを併用した場合、カチオン性重合体の添加率A重量および無機凝集剤中の多価陰イオンとの添加率Bとする時のA/Bの値が30〜320(g/モル)の範囲内で、膜間差圧上昇速度が低く抑えられていた。
一方、多価陰イオンを含まない無機凝集剤を用いた比較例1では、膜間差圧上昇は抑制できなかった。
また、カチオン性重合体、無機凝集剤をどちらか一方を添加した比較例2と3、及びどちらも添加しなかった比較例4では、いずれも膜間差圧上昇速度が速かった。
本発明によれば、膜分離活性汚泥処理方法として、広く適用できる。

Claims (5)

  1. 膜分離活性汚泥処理による固液分離方法であって、活性汚泥にアミジン構造単位を有するカチオン性重合体及び多価陰イオンを含む無機凝集剤を添加する固液分離方法。
  2. カチオン性重合体として、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表されるアミジン構造単位を有するカチオン性重合体を用いる請求項1に記載の固液分離方法。

    [一般式(1)、(2)中のR1〜R4はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基である。X−、Y−は各々陰イオンであり、それらは同一であっても異なっていてもよい。]
  3. 活性汚泥に添加するカチオン性重合体の添加率をA(g/L)、活性汚泥に添加する無機凝集剤に含まれる多価陰イオンの添加率をB(モル/L)とする時、A/Bの値が30〜320(g/モル)となるように前記カチオン性重合体及び無機凝集剤を添加する請求項1または請求項2に記載の固液分離方法。
  4. 多価陰イオンを含む無機凝集剤として、ポリ硫酸鉄及び/又は硫酸バンドを用いる請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の固液分離方法。
  5. 活性汚泥の糖濃度が10〜50mg/Lであり、かつ、活性汚泥のろ紙ろ過量が1〜20mLである請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の固液分離方法。ここで、糖濃度とは、水に溶存、またはコロイド状で存在する多糖類濃度を意味する。ろ紙ろ過量とは、50mLの活性汚泥をろ過したときに5分間にろ紙を通過するろ過量(mL)を意味する。
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