JP2016059207A - 電力変換器 - Google Patents

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昌行 杉田
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Abstract

【課題】本明細書が開示する技術は、樹脂製の本体を有する冷却器と、スイッチング素子を収容したパワーカードを積層した積層ユニットを備えた電力変換器に関し、スイッチング素子が発するラジオノイズを低減する。
【解決手段】電力変換器100は、絶縁板9を挟んでパワーカード2と冷却器4を積層した積層ユニット10を備える。パワーカード2の表面には、スイッチング素子の電力と導通している放熱板が露出している。冷却器4は、樹脂製の本体と金属板を有する。本体は、隣接するパワーカードとの対向面に開口を有する。金属板は一方の面がその開口を塞いでおり、他方の面が絶縁板を挟んで放熱板と対向している。電力変換器のハウジング50は、接地ブラケット5を備える。接地ブラケット5は、導電性を有しているとともに積層ユニット10に沿って伸びている。接地ブラケット5は複数の冷却器4の各金属板32に当接する導電性の複数の枝部5bを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電力変換器に関する。特に、夫々がスイッチング素子を収容している複数のパワーカードと複数の冷却器が積層されている積層体を備えた電力変換器に関する。
電力変換器は、電力を変換するための複数のスイッチング素子を備える。電力変換用のスイッチング素子は発熱量が大きい。複数のスイッチング素子を効率よく冷却することのできる電力変換器が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の技術は、夫々がスイッチング素子を収容した複数のパワーカードと複数の冷却器を積層した積層体を備える。各冷却器はパワーカードと対向するように積層されている。各パワーカードはその両側に当接している冷却器により冷却される。
特開2013−051747号公報
パワーカードの表面には、内部のスイッチング素子の電極と導通している放熱板を露出させる場合がある。スイッチング素子の電極と導通している放熱板にはスイッチング素子の熱がよく伝わる。他方、放熱板と対向する冷却器はアルミニウムなどの導電性の金属で作られることがあり、放熱板との間に絶縁板が挿入される。その結果、絶縁板を挟んだ放熱板と冷却器がコンデンサを形成する。このコンデンサは、電力変換器の回路上で意図したものではなく、ハードウエアの構成に起因して不可避的に生じるものであり、寄生容量あるいは浮遊容量と呼ばれることがある。
一般に、電力変換器のハウジング(筐体)は導電性の金属で作られており、そのハウジングがグランド電位に保持されることが多い。積層体が金属製の冷却器を採用している場合、その冷却器はハウジングと導通する。放熱板と絶縁板と冷却器で構成されるコンデンサ(寄生容量)は、一方の電極がスイッチング素子の電極と導通しており、他方の電極がグランドに接地しているコンデンサとなる。このコンデンサ(寄生容量)は、スイッチング素子の動作に伴うノイズ(スイッチングノイズ)が電力変換器のハウジングからスイッチング素子へと還流する経路を構成する。放熱板と絶縁板と冷却器で構成されるコンデンサ(寄生容量)は、ハードウエアの構成上不可避的に生成されてしまうものではあるが、スイッチングノイズの還流経路を作る点で好都合なコンデンサである。
ところで、本願の出願人は、本体を絶縁性の樹脂で作った複数の冷却器と複数のパワーカードを積層した電力変換器を提案している(特願2014−083469、本願出願時は未公開)。その冷却器は、内部を冷媒が通る樹脂製の本体と、金属板を備えている。本体は、隣接するパワーカードとの対向面に開口が設けられている。金属板は、一方の面が本体の開口を塞いでおり、他方の面が絶縁板を挟んで放熱板と対向している。樹脂製の本体を備える複数の冷却器と複数のパワーカードの積層体を電力変換器のハウジングに収容する場合、絶縁板を挟んで放熱板と対向する金属板はハウジングと接触しない場合がある。この場合、寄生容量を有するコンデンサの一方の電極が電気的に浮動状態となってしまい、スイッチングノイズの還流経路が遮断されてしまう。そうすると、スイッチングノイズは別の経路を流れることになり、ラジオノイズの増大につながる。
本明細書は上記課題に鑑みて創作された。本明細書が開示する技術は、樹脂製の本体を有する複数の冷却器と複数のパワーカードの積層体を備えた電力変換器に係り、ラジオノイズを低減する。
本明細書が開示する電力変換器は、複数のパワーカードと複数の冷却器が積層されている積層体と、その積層体を収容している筐体(ハウジング)を備える。各パワーカードは、スイッチング素子を収容しており、表面にスイッチング素子の電極と導通している放熱板が露出している。複数の冷却器は、夫々が絶縁板を挟んで各パワーカードの放熱板に対向するように複数のパワーカードと積層されている。積層ユニットを収容している筐体は導電性を有する。
各冷却器は、樹脂製の本体と金属板を備えている。本体には、隣接するパワーカードとの対向面に開口が設けられている。金属板は、一方の面がその開口を塞いでおり、他方の面が絶縁板を挟んで放熱板と対向している。そして、電力変換器の筐体は、複数の冷却器の各金属板を筐体に導通させるノイズ誘導部材を備えている。ノイズ誘導部材は、導電性を有しているとともに積層体に沿ってその積層方向に伸びている。さらに、ノイズ誘導部材は、複数の枝部であって夫々が冷却器の各金属板に当接している複数の枝部を有している。
上記の電力変換器は、導電性のノイズ誘導部材によって、冷却器の各金属板と筐体との導通が確保される。金属板と絶縁板と放熱板で形成されるコンデンサの一方の電極、即ち金属板が筐体と導通することで、パワーカード内部のスイッチング素子が発したスイッチングノイズを筐体からスイッチング素子へ還流させることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
電力変換器の分解斜視図である。 電力変換器の斜視図である。 冷却器の分解斜視図である。 パワーカードの斜視図である。 図2のV−V線に沿った断面図である。 電力変換器のノイズ経路を示す回路図である(コンデンサが接地)。 電力変換器のノイズ経路を示す回路図である(コンデンサが接地せず)。 第1変形例の電力変換器の断面図である。 第2変形例の電力変換器の模式図である。
図面を参照して実施例の電力変換器を説明する。実施例の電力変換器100は、電気自動車に搭載され、走行用のモータに電力を供給する。電力変換器100を含む電気自動車の電気系のブロック図は後に示す。図1は、電力変換器100の分解斜視図である。図2は、電力変換器100の斜視図である。なお、図1、図2では、本発明の説明に不必要な部品の図示は省略している。図示を省略した部品は、例えば、制御回路を実装した基板やリアクトルなどである。
電力変換器100の主要部品はスイッチング素子を集積した積層ユニット10である。積層ユニット10は、複数の冷却器4a−4eと複数のパワーカード2a−2dを積層したユニットである。以下では、複数の冷却器4a−4eのいずれか1つを区別なく示すときには冷却器4と表記する。また、全ての冷却器を集合的に表すときには、複数の冷却器4と表記する。複数のパワーカード2a−2dのいずれか1つを区別なく示すときにはパワーカード2と表記する。全てのパワーカードを集合的に表すときには複数のパワーカード2と表記する。図中のX軸の方向が複数のパワーカード2と複数の冷却器4の積層方向に相当する。X軸が積層方向を示すことは、以降の図でも同じである。また、説明の便宜上、Z軸の正方向を「上」と表現する。
複数のパワーカード2と複数の冷却器4は、1つずつ交互に積層されている。パワーカード2と冷却器4の間には絶縁板9が挟まれている。絶縁板9は、絶縁性と伝熱性に優れた材料で作られている。例えば、絶縁板9は、高伝熱性のセラミックスで作られている。図1では一組の絶縁板だけに符号9を付しており、他の絶縁板には符号を省略している。また、図2では絶縁板の符号を省略している。
積層ユニット10は、ハウジング50に収容される。電力変換器100のハウジング50の中間底50dに2枚の接地ブラケット5がボルト6で固定され、その接地ブラケット5の上に積層ユニット10が設置される。接地ブラケット5は、導電性の金属で作られている。接地ブラケット5は、ハウジング50の部品である。図1には、接地ブラケット5の一部拡大図も描かれている。図に示すように、接地ブラケット5には、複数の枝部5bが設けられている。各枝部5bは、上方に伸びており、途中でベース板5aに平行に屈曲しており、L字型をなしている。この複数の枝部5bは、一枚板のベース板5aにコの字形の切り込みを入れ、コの字の内側を2回折り曲げたものである。接地ブラケット5の機能については後述する。
中間底50dは、ハウジング50の高さ方向(Z軸方向)の中間に設けられており、中間底50dの下側には不図示の別のユニットが収容される。中間底50dの中央には開口50cが設けられており、この開口50cを通じて積層ユニット10と中間底50dの下側のユニットが接続される。
図示を省略しているが、ハウジング内には積層ユニット10をその積層方向に加圧する板バネが備えられている。即ち、ハウジング50は、積層ユニット10に積層方向の圧力を加えつつ積層ユニット10を収容する。図2の矢印Pが積層ユニット10に加えられる圧力を模式的に表している。積層ユニットの積層方向の他端(矢印Pと反対側の端)は、ハウジング50の壁に押し当てられる。
冷却器4の構造を概説する。冷却器4は、図中のY軸方向の両側に貫通孔43を備えている。冷却器4のパワーカード2と対向する箇所は内部が空洞であり、その空洞は両側の貫通孔43と連通している。積層ユニット10の一方の端には貫通孔43を塞ぐカバー49が取り付けられている。積層ユニット10の他方の端は、ハウジング50の壁に当接する。ハウジング50の壁には供給口50aと排出口50bが設けられている。供給口50aに冷却器4の一方の貫通孔43が連通し、排出口50bに他方の貫通孔43が連通するように積層ユニット10がハウジング50に収容される。供給口50aには冷媒の供給パイプが接続され、排出口50bには冷媒の排出パイプが接続される。
ハウジング50に設けられた供給口50aを通じて一方の貫通孔43へ冷媒が供給される。その冷媒は各冷却器4の貫通孔43を通じて全ての冷却器4に分配される。冷媒は液体であり、典型的には水である。冷媒は各冷却器4を通過する間に隣接するパワーカード2から熱を吸収する。熱を吸収した冷媒は、各冷却器4の他方の貫通孔43を通り、排出口50bから排出される。
図3を参照して冷却器4の構造を説明する。冷却器4は、樹脂製の本体40、2枚の金属板32a、32b、ガスケット31、34a、34bを備える。先に述べたように、図中のX軸が積層方向に相当する。積層方向からみると本体40は横長である。説明の便宜上、図中のY軸方向を本体の長手方向と称し、Z軸方向を本体の短手方向と称する。
本体40は、絶縁性の樹脂で作られている。本体40は、樹脂の射出成形で作られる。本体40の長手方向の両側には、積層方向に伸びる筒部42が設けられている。筒部42の内側が先に述べた貫通孔43である。筒部42の先端は、隣接する冷却器4とガスケット31を挟んで連結する。複数の冷却器4がパワーカードとともに連結されると、積層方向に並ぶ一方の貫通孔群が連通して流路P1を形成し、積層方向に並ぶ他方の貫通孔群が連通して流路P3を形成する。
図3ではパワーカードは不図示であるが、2個の筒部42の間にパワーカード2が位置する。本体40の長手方向の中央には、パワーカードとの対向面44aに開口41aが設けられており、対向面44aとは反対側のパワーカードとの対向面44bに開口41bが設けられている。開口41a、41bと貫通孔43は本体40の内部で連通している。一方の開口41aはガスケット34aを挟んで金属板32aによって封止される。金属板32aは、長手方向両側の筒部42の間で位置決めされる。他方の開口41bはガスケット34bを挟んで別の金属板32bで封止される。金属板32bが当接する側では本体40に窪み46が設けられている。対向面44bは、窪み46の底面に相当する。金属板32bは、窪み46に嵌り込み、位置決めされる。
先に述べたように、積層ユニット10はその積層方向に圧力を受ける。その圧力により、金属板32a(32b)が開口41a(41b)の周囲に強く押し当てられ、開口41a(41b)の封止が確立される。金属板32a、32bが開口41a、41bを封止することによって、本体40の内部に水密の流路P2が形成される。流路P1、P2、P3は連通し、冷媒の通り路となる。夫々の金属板32a、32bの本体内側を向く面には複数のフィン33が設けられている。金属板32a、32bの本体内側を向く面とフィン33は冷媒に直接触れる。一方、金属板32a、32bは、本体外側を向く面が絶縁板9を挟んでパワーカード2と対向する。金属板32a、32bとフィン33が冷媒に直接触れるので、冷却器4はパワーカード2の熱をよく吸収する。
図4と図5を参照してパワーカード2を説明する。図4は、パワーカード2の斜視図であり、図5は、図2のV−V線に沿った電力変換器100の断面図である。なお、図5では、積層ユニット10の一部を省略している。また、図5では、各パワーカードから延設されている端子(図4の電極端子25a−25c、制御端子24)の図示を省略している。さらにまた、図5では、パワーカード2aのみに内部の部品に符号を付してある。図4のパワーカード2が図5のパワーカード2aに対応すると理解されたい。ただし、他のパワーカード2b−2dもパワーカード2aと同じ構造を有している。
パワーカード2は、樹脂パッケージ21の内部に2個のスイッチング素子23a、23bをモールドしたデバイスである。樹脂パッケージ21の一方の側面21aには、2個の放熱板22a、22bが露出している。図では見えないが、反対側の側面21bには別の放熱板22cが露出している。放熱板22a、22b、22cは、導電性の金属で作られている。
各スイッチング素子23a、23bは、その内部でIGBTとダイオードが逆並列に接続されている。各スイッチング素子23a、23bは、その表面に電極が露出している。図5は、スイッチング素子23aを通る断面を示している。放熱板22aの裏面(樹脂パッケージ21に埋もれている面)は、スイッチング素子23aの一方の表面の電極と接合している。即ち、放熱板22aはスイッチング素子23aの電極と導通している。放熱板22cの裏面(樹脂パッケージ21に埋もれている面)は、導電性のスペーサ26を介してスイッチング素子23aの他方の表面の電極と導通している。放熱板22cは、もうひとつのスイッチング素子23bの一方の電極とも導通している。そして、スイッチング素子23bの他方の電極は、別の放熱板22b(図4参照)と導通している。結局、2個のスイッチング素子23a、23bは、放熱板22cを介して直列に接続されている。放熱板22aはその直列回路の高電位側の電極に相当し、放熱板22bは直列回路の低電位側の電極に相当する。放熱板22cは、直列回路の中点に接続されていることになる。図4と図5では図示を省略しているが、放熱板22aは樹脂パッケージ21の上方へ伸びている電極端子25aと繋がっており、放熱板22bは電極端子25bと繋がっており、放熱板22cは電極端子25cと繋がっている。電極端子25a−25cは図4に図示されているので参照されたい。放熱板22a−22cは、スイッチング素子23aと23bの電極と外のデバイスを接続する電極端子25a−25cの一部に相当する。放熱板22a、22b、22cは、スイッチング素子の電極と導通していることで、電気信号だけでなく熱もよく伝える。
パワーカード2の側面21a、21bは、冷却器4と対向する面に相当する。即ち、側面21aは、冷却器4の本体40の対向面44bと対向し、側面21bは、対向面44aと対向する。対向面44aには金属板32aが当接しており、対向面44bには金属板32bが当接している。また、側面21aに放熱板22a、22bが露出しており、側面21bに放熱板22cが露出している。結局、金属板32aが、絶縁板9を挟んで放熱板22cと対向し、金属板32aは、絶縁板9を挟んで放熱板22a、22bと対向する。スイッチング素子23a、23bの熱は、放熱板22a、22b、22cと絶縁板9と金属板32a、32bとその裏面のフィン33を介して冷媒によく吸収される。
図4に描かれている制御端子24は、樹脂パッケージ21の内部でスイッチング素子23a、23bのゲート電極と導通しているが、その図示は省略している。
図5を参照して電力変換器100の全体の説明に戻る。図5には、積層ユニット10をその積層方向に加圧する板バネ51も描かれている、板バネ51は、ハウジング50の中間底50dに設けられた支柱52と積層ユニット10の端面との間に挿入されており、積層ユニット10に圧力を加えている。積層方向に圧力を加えることで、対向する冷却器4とパワーカード2の密着度を高め、パワーカード2のスイッチング素子23a、23bから冷却器4への伝熱効率を高めている。
以下では、放熱板22a、22b、22cのいずれか一つを区別なく示す場合には放熱板22と表記する。また、冷却器4の金属板32aと32bのいずれか一つを区別なく示す場合には金属板32と表記する。
対向するパワーカード2と冷却器4の間には絶縁板9が挟まれている。より詳細には、放熱板22と金属板32が絶縁板9を挟んで対向している。放熱板22と金属板32は導電性であり、それらの間に絶縁板9が挟まれている。絶縁板9は所定の誘電率を有する。よって、放熱板22と絶縁板9と金属板32の積層体はコンデンサを構成する。そして、先に述べたように、放熱板22は、スイッチング素子23a又は23bの電極と導通している。
以下、放熱板22と絶縁板9と金属板32が形成するコンデンサを符号Cpで表す。コンデンサCpは、電気部品として用意されたものではなく、電力変換器の構造に起因して生成されるコンデンサである。コンデンサCpの要領は寄生容量と呼ばれることがある。
一方、電力変換器100の金属製(導電性)のハウジング50は、車両のボディと導通している。車両のボディは、導電性を有しており、車載機器の共通のグランド(ボディグランド)として使われる。
スイッチング素子23a、23bはそのスイッチング動作に伴ってスイッチングノイズを発生する。コモンモードとしてのスイッチングノイズは、スイッチング素子23a、23bの出力に重畳して伝わり、次いでスイッチング素子23a、23bの出力先のデバイス、あるいはそのデバイスのハウジング(即ちグランド)へと伝搬する。さらにスイッチングノイズは電力変換器100のハウジングからパワーカード2へと伝搬し、スイッチング素子23a、23bへと戻る。
コンデンサCpの一方の電極に相当する金属板32がハウジング50と導通していれば、スイッチング素子23a、23bの出力先のデバイスへ伝搬したスイッチングノイズはコンデンサCpを通じてハウジング50からスイッチング素子23a、23bへと還流することができる。スイッチングノイズの伝搬経路(ノイズ経路)については後述する。
図5に示されているように、接地ブラケット5が、複数の冷却器4の各金属板32とハウジング50を導通させる。接地ブラケット5は、それぞれの金属板32の位置に合わせて複数の枝部5bを備えている。各枝部5bは、一枚の金属板であるベース板5aの一部を折り曲げたものである。各枝部5bはベース板5aから上方に折れ曲がっており、夫々の枝部5bの上面が各金属板32に当接している。一方、ベース板5aの一端がボルト6でハウジング50の中間底50dに連結されており、ベース板5aは中間底50dに密着し、導通している。この接地ブラケット5により、各金属板32とハウジング50の導通が確保される。
図6と図7を参照してコンデンサCpの効果を説明する。図6と図7は、電力変換器100を含む電気自動車200のブロック図である。図6は、コンデンサCpがハウジング50に接地しているときのノイズ経路を示す。図7は、コンデンサCpが接地しておらず、寄生容量が形成されない場合のノイズ経路を示す。
電気自動車200の電気系を概説する。電力変換器100は、昇降圧コンバータ101とインバータ102を備える。図において、還流ダイオード付きの2個のトランジスタの直列接続を囲んでいる破線がパワーカードを表している。詳しい説明は割愛するが、パワーカード2aに封止されている2個のスイッチング素子が昇降圧コンバータ101の一部を構成する。パワーカード2b−2dに封止されているスイッチング素子がインバータ102を構成する。
電力変換器100は、高圧バッテリ71の出力電圧を昇圧し、その後交流に変換してモータ63に出力する。符号70は高圧バッテリ71を収容しているハウジング(バッテリハウジング70)を表しており、符号64は、モータ63を収容しているハウジング(モータハウジング64)を示している。バッテリハウジング70とモータハウジング64はいずれも導電性の金属で作られている。また、バッテリハウジング70、モータハウジング64、電力変換器100のハウジング50は、車両のボディに取り付けられており、導通している。図6の符号BGが車両のボディ(ボディBG)を表している。符号65が示す線が、モータハウジング64とボディBGが導通していることを表している。符号66が示す線が、電力変換器100のハウジング50とボディBGが導通していることを表している。符号72が示す線が、バッテリハウジング70とボディBGが導通していることを表している。
高圧バッテリ71と電力変換器100は、シールド付きバッテリケーブル73で接続されている。バッテリケーブル73の中の送電用のパワーケーブル73aは高圧バッテリ71と昇降圧コンバータ101を接続している。バッテリケーブル73のシールド線73bは、バッテリハウジング70と電力変換器100のハウジング50を接続している。電力変換器100とモータ63は、モータケーブル61で接続されている。モータケーブル61の中の送電用のパワーケーブル61aはインバータ102とモータ63を接続している。モータケーブル61のシールド線61bは、電力変換器100のハウジング50とモータハウジング64を接続している。
先に述べたように、各パワーカード2の放熱板22と絶縁板9と金属板32の積層体はコンデンサCpを構成しており、コンデンサCpの一方の電極に相当する放熱板22はスイッチング素子の電極と導通しており、他方の電極に相当する金属板32はハウジング50と導通している。なお、図6、図7では、パワーカード2にコンデンサCpが接続されているように描かれているが、電気的にはコンデンサCpは各スイッチング素子23a、23bの電極と接続されていることに留意されたい。
図中の太線矢印N1は、パワーカード2cに封止されたスイッチング素子23a、23bが発したスイッチングノイズの経路(ノイズ経路)を示している。図示されているノイズ経路は、ハウジング(グランド)を通るコモンモードノイズの経路を表している。
スイッチング素子23a、23bが発したスイッチングノイズは、モータケーブル61のパワーケーブル61aを伝搬してモータ63に至る。スイッチングノイズは、モータ63からモータハウジング64に伝わる。スイッチングノイズはモータハウジング64からモータケーブル61のシールド線61bを通り、電力変換器100のハウジング50に至る。そしてスイッチングノイズは、ハウジング50とパワーカード2cの間のコンデンサCpを通り、ノイズ発信源であるスイッチング素子23a、23bへと戻る。スイッチングノイズはボディBGを経由せずにノイズ発生源であるスイッチング素子23a、23bへと戻る。
図7は、冷却器4の金属板32がハウジング50が導通していない場合、即ち、コンデンサCpが機能しない場合のノイズ経路を示している。太線矢印N2、N3、及びN4が、パワーカード2cに封止されたスイッチング素子23a、23bが発したスイッチングノイズのノイズ経路を示している。
スイッチング素子23a、23bが発したスイッチングノイズは、モータケーブル61のパワーケーブル61aを伝搬してモータ63に至る。スイッチングノイズは、モータ63からモータハウジング64に伝わる。ここから先、スイッチングノイズは、仮にモータケーブル61のシールド線61bを通ってもパワーカード内のスイッチング素子へ戻る経路が無い。より正確には、スイッチング素子へ戻る経路のインピーダンスが高い。それゆえ、スイッチングノイズは、電流が流れ易い(即ちインピーダンスの低い)ボディBGへと流れる。スイッチングノイズは、ボディBGを経由してハウジング50に戻る(符号N2とN3が示すノイズ経路)。ボディBGを伝わるスイッチングノイズはボディBGの全体に拡がり、その一部はバッテリハウジング70とバッテリケーブル73のシールド線73bを経由してハウジング50に戻る分流も表れる(符号N4が示すノイズ経路)。
図7の状況では、スイッチングノイズは、ボディBG、バッテリハウジング70など、車両の広い範囲に拡がる。車両の広い範囲に拡がったスイッチングノイズは、ラジオの音声にノイズ(ラジオノイズ)として表れる。一方、図6の状況では、スイッチングノイズはモータハウジング64からモータケーブル61のシールド線61bを通ってハウジング50に戻り、さらにコンデンサCpを経由してスイッチング素子23a、23bに戻る。コンデンサCp(寄生容量)によって、ノイズの伝搬する経路(ノイズループ)が小さくなる。ノイズループが小さいほど、ラジオノイズが抑えられる。このようにスイッチング素子23a、23bの直近にコンデンサCp(寄生容量)を設けることでラジオノイズを低減することができる。他のパワーカード2a、2c、2dに収容されているスイッチング素子が発するノイズについても同様である。
図8と図9を参照して電力変換器の変形例を説明する。図8の電力変換器100aは、接地ブラケット5が、ハウジング150とは別部材である補助部材151を介してハウジング150と導通している例である。導電性を有する補助部材151は、ボルト152によってハウジング150に連結されている。その補助部材151にボルト6によって接地ブラケット5が固定されている。接地ブラケット5は、実施例の電力変換器100の場合と同様に、ベース板5aと複数の枝部5bで構成されており、各枝部5bが各冷却器の金属板32に接している。この変形例における積層ユニット10は、実施例の積層ユニット10と同じである。積層ユニットの各金属板32と接地ブラケット5との接続構造も実施例のものと同じである。接地ブラケット5を固定する補助部材151は、積層ユニット10の側方や上方に配置されてもよい。
図9は、積層方向から見たときの電力変換器100bを模式的に表している。冷却器4と絶縁板9は破線で描いてある。冷却器4の金属板32は実線で描いてある。金属板32は、パワーカード2の表面の放熱板(図9では不図示)と絶縁板9を挟んで対向している。電力変換器100bでは、接地ブラケット205の枝部205bの向きが、実施例の接地ブラケット5の枝部5bをZ軸回りに90度回転させたものに相当する。接地ブラケット205の枝部205bの上面が金属板32と接しており、ベース板205aが電力変換器100bのハウジング250に接しており、金属板32とハウジング250の導通が確保されている。電力変換器100bでは、枝部205bの長さを長くすることによって、金属板32との接触面積を大きくすることができる。枝部205bと金属板32との接触面積が大きい方が、インピーダンスが小さくなり、ノイズが流れ易くなる。
実施例の技術に関する留意点を述べる。実施例の接地ブラケット5、205がノイズ誘導部材の一例に相当する。実施例の積層ユニット10が積層体の一例に相当する。実施例のハウジング50、150、250が筐体の一例に相当する。本明細書が開示する技術は、走行用のモータを備える電気自動車、走行用にモータとエンジンを備えるハイブリッド車、燃料電池車に適用することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a−2d:パワーカード
4、4a−4e:冷却器
5、205:接地ブラケット(ノイズ誘導部材)
5a、205a:ベース板
5b、205b:枝部
9:絶縁板
10:積層ユニット(積層体)
21:樹脂パッケージ
22、22a、22b、22c:放熱板
23a、23b:スイッチング素子
31、34a、34b:ガスケット
32、32a、32b:金属板
33:フィン
40:本体
41a、41b:開口
42:筒部
43:貫通孔
44a、44b:対向面
50、150、250:ハウジング(筐体)
100、100b、100c:電力変換器
200:電気自動車
205 接地ブラケット

Claims (1)

  1. 夫々がスイッチング素子を収容している複数のパワーカードであって表面に前記スイッチング素子の電極と導通している放熱板が露出している複数のパワーカードと、
    複数の冷却器であって夫々が絶縁板を挟んで各パワーカードの前記放熱板と対向するように前記複数のパワーカードと積層されている複数の冷却器と、
    前記複数のパワーカードと前記複数の冷却器の積層体を収容している導電性の筐体と、
    を備えており、
    各冷却器は、
    内部を冷媒が通る樹脂製の本体であって隣接するパワーカードとの対向面に開口が設けられている本体と、
    一方の面が前記開口を塞いでいるともに、他方の面が前記絶縁板を挟んで前記放熱板と対向している金属板と、
    を備えており、
    前記筐体が、導電性を有しているとともに前記積層体に沿ってその積層方向に伸びており、複数の枝部であって夫々が複数の前記冷却器の各金属板に当接している複数の枝部を有するノイズ誘導部材を備えている、
    ことを特徴とする電力変換器。
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