JP2016058534A - 発電装置 - Google Patents

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純矢 小川
Junya Ogawa
純矢 小川
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Abstract

【課題】負荷が接続された状態において発電が開始される流速の低流速化を図ることが可能な発電装置を提供する。
【解決手段】発電装置1は、枠状の支持部2と、支持部2に揺動自在に支持された第1振動子3と、支持部2と第1振動子3との間に形成された第1流路4と、支持部2に揺動自在に支持された第2振動子5と、支持部2と第2振動子5との間に形成された第2流路6と、を備える。第1振動子3は、圧電変換部32を備え、自由端3aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置するように反っている。第2振動子5は、自由端5aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置するように反っている。発電装置1は、第1振動子3の共振周波数と第2振動子5の共振周波数とが等しく、第2振動子5の質量を第2振動子5の長さで除した線密度が、第1振動子3の質量を第1振動子3の長さで除した線密度よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電装置に関し、より詳細には、流体励起振動を利用して発電する発電装置に関する。
近年、振動エネルギを電気エネルギに変換する発電装置は、環境発電(エナジーハーベスティング)等の分野で注目されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1には、例えば、枠状の支持部と、支持部に揺動自在に支持されたカンチレバー部と、カンチレバー部に設けられカンチレバー部の振動に応じて交流電圧を発生する発電部と、を備える発電装置が記載されている。
特許文献1に記載された発電装置は、支持部とカンチレバー部との間に設けられ支持部の厚み方向に沿って流体が通過可能な流路を備える。また、特許文献1に記載された発電装置は、カンチレバー部の先端部を、カンチレバー部の基端部よりも支持部から離れる向きにずらしてある。
特許文献2には、ベースと、圧電素子が固着されたリードと、を有する発電装置が記載されている。
特許文献2に記載された発電装置におけるベースは、矩形の窓が形成されたプレートを有する。窓の縁部とリードとの間には、気体が通過するわずかな隙間が形成されている。
リードは、板厚方向に屈曲振動可能な可撓性を有している。例えば、リードは、FRP(Fiber Reinforced Plastics)等で形成されたフレキシブルプリント基板であり、圧電素子の出力端子を有する。リードは、一方の端部が、プレートの上面に固定され、他方の端部が、窓を自由に出入りできるように窓に面して位置付けられている。また、リードは、他方の端部が窓の外側(気体が流れ込んでくる側)に位置するように、プレートの上面に対してわずかに傾斜している(上がっている)。
国際公開WO2013/186965 特開2012−97673号公報
発電装置では、流体励起振動の発生限界流速の低流速化を図ることが求められる場合があるが、電力への変換効率が高くなると、発生限界流速が高くなる傾向にある。
本発明の目的は、負荷が接続された状態において発電が開始される流速の低流速化を図ることが可能な発電装置を提供することにある。
本発明の発電装置は、枠状の支持部と、前記支持部に揺動自在に支持された第1振動子と、前記支持部と前記第1振動子との間に形成された第1流路と、を備える。また、本発明の発電装置は、平面視において前記第1振動子に並んで配置され前記支持部に揺動自在に支持された第2振動子と、前記支持部と前記第2振動子との間に形成された第2流路と、を備える。前記第1振動子は、少なくとも一部が可撓性の第1梁部により構成された第1カンチレバー部と、前記第1梁部の表面に設けられた圧電変換部と、を備える。前記第1振動子は、前記第1振動子の自由端が前記支持部の厚さ方向において前記支持部の外に位置するように反っている。前記第2振動子は、少なくとも一部が可撓性の第2梁部により構成された第2カンチレバー部を備える。前記第2振動子は、前記第2振動子の自由端が前記支持部の厚さ方向において前記支持部の外に位置するように反っている。本発明の発電装置は、前記第1振動子の共振周波数と前記第2振動子の共振周波数とが等しい。本発明の発電装置は、前記第2振動子の質量を前記第2振動子の長さで除した線密度が、前記第1振動子の質量を前記第1振動子の長さで除した線密度よりも小さい。
本発明の発電装置においては、負荷が接続された状態において発電が開始される流速の低流速化を図ることが可能となる。
図1Aは、実施形態1の発電装置の概略平面図である。図1Bは、図1AのX1−X1概略断面図である。図1Cは、図1AのX2−X2概略断面図である。 図2は、比較例の発電装置における流速と振動の振幅との関係の模式的な説明図である。 図3は、実施形態1の発電装置における流速と振動の振幅との関係の模式的な説明図である。 図4Aは、実施形態2の発電装置の概略平面図である。図4Bは、図4AのX1−X1概略断面図である。図4Cは、図4AのX2−X2概略断面図である。
下記の実施形態1、2において説明する各図は、模式的な図であり、各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態1、2に記載した材料、数値等は、好ましい例を示しているだけであり、それに限定する主旨ではない。更に、本願発明は、その技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、構成に適宜変更を加えることが可能である。
(実施形態1)
以下では、本実施形態の発電装置1について図1に基づいて説明する。
発電装置1は、枠状の支持部2と、支持部2に揺動自在に支持された第1振動子3と、支持部2と第1振動子3との間に形成された第1流路4と、を備える。また、発電装置1は、平面視において第1振動子3に並んで配置され支持部2に揺動自在に支持された第2振動子5と、支持部2と第2振動子5との間に形成された第2流路6と、を備える。第1振動子3は、少なくとも一部が可撓性の第1梁部31により構成された第1カンチレバー部30と、第1梁部31の表面31aに設けられた圧電変換部32と、を備える。第1振動子3は、第1振動子3の自由端3aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置するように反っている。第2振動子5は、少なくとも一部が可撓性の第2梁部51により構成された第2カンチレバー部50を備える。第2振動子5は、第2振動子5の自由端5aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置するように反っている。発電装置1は、第1振動子3の共振周波数と第2振動子5の共振周波数とが等しい。発電装置1は、第2振動子5の質量を第2振動子5の長さで除した線密度が、第1振動子3の質量を第1振動子3の長さで除した線密度よりも小さい。よって、発電装置1は、負荷が接続された状態において発電が開始される流速の低流速化を図ることが可能となる。「第1振動子3の自由端3aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置する」とは、第1振動子3の自由端3aが、支持部2の厚さ方向において支持部2の表面21を含む平面よりも外側に位置することを意味する。また、「第2振動子5の自由端5aが支持部2の厚さ方向において支持部2の外に位置する」とは、第2振動子5の自由端5aが、支持部2の厚さ方向において支持部2の表面21を含む平面よりも外側に位置することを意味する。また、「第1振動子3の共振周波数と第2振動子5の共振周波数とが等しい」とは、厳密に同一でなくてもよく、略同一であればよいという意味である。「第1振動子3の共振周波数と第2振動子5の共振周波数とが等しい」とは、〔(第1振動子3の共振周波数−第2振動子5の共振周波数)/第1振動子3の共振周波数〕×100(%)が±5%以下であるのが好ましく、±3%以下であるのがより好ましい。第1振動子3の共振周波数は、支持部2の表面21が、流れ場に対して垂直になるように発電装置1を配置し、レーザドップラ振動計により、第1振動子3の振動の振幅を測定し、その測定結果から求めることができる。同様に、第2振動子5の共振周波数は、レーザドップラ振動計により第2振動子5の振動の振幅を測定して、その測定結果から求めることができる。
発電装置1の各構成要素については、以下に詳細に説明する。
発電装置1は、MEMS(micro electro mechanical systems)の製造技術を利用して製造されている。
発電装置1は、支持部2と第1カンチレバー部30と第2カンチレバー部50とが、基板20から形成されている。発電装置1は、基板20の厚さ方向の第1面20a側に第1カンチレバー部30及び第2カンチレバー部50が形成されている。
基板20としては、シリコン基板211上のシリコン酸化膜212上にシリコン層213が形成されたSOI基板を用いている。シリコン酸化膜212は、例えば、埋込酸化膜により構成することができる。基板20の第1面20aは、SOI基板のシリコン層213の表面を構成する(100)面としてある。SOI基板は、例えば、シリコン基板211、シリコン酸化膜212及びシリコン層213の厚さを、それぞれ、400μm、1μm及び50μmとすることができる。
支持部2は、SOI基板のうちシリコン基板211とシリコン酸化膜212とシリコン層213とから形成されている。
支持部2は、外周形状が矩形(直角四辺形)状であるのが好ましい。これにより、発電装置1の製造方法では、複数の発電装置1を形成したウェハから個々の発電装置1に分離するダイシング工程の作業性を向上させることが可能となる。基板20がSOI基板の場合、基板20の基礎となるウェハは、SOIウェハである。
支持部2は、枠状の形状として、矩形枠状の形状を採用している。支持部2の内周形状は、矩形状としてある。
発電装置1は、平面視において、支持部2の内側で、第1振動子3と第2振動子5とが並んで配置されている。第1振動子3及び第2振動子5は、平面視で見た形状が細長の矩形状であり、それぞれの長手方向の一端が支持部2に固定されている。「発電装置1は、平面視において」とは、支持部2の厚さ方向から発電装置1を見た形状において、を意味する。
第1振動子3は、一端が支持部2に固定された固定端3bであり他端が自由端3aである。
発電装置1は、基板20に、第1振動子3を囲む平面視U字状の第1スリット23が形成されている。これにより、第1振動子3は、固定端3b以外の部分が、支持部2と分離されている。要するに、第1振動子3は、支持部2に片持ち支持されている。発電装置1は、第1スリット23が、第1流路4を構成している。
第1梁部31は、可撓性を有するように、第1梁部31の厚さを支持部2の厚さよりも薄くしてある。第1梁部31は、SOI基板のうちシリコン層213から形成されている。第1梁部31は、弾性を有している。第1梁部31は、第1振動子3が振動するときに変形して歪を発生する。
第1振動子3は、自由端3a側に、第1梁部31よりも厚い第1錘部33を備えているのが好ましい。この場合、第1カンチレバー部30は、第1錘部33よりも固定端3b側の部位が、第1梁部31を構成している。第1錘部33は、SOI基板のうちシリコン基板211とシリコン酸化膜212とシリコン層213とから形成されている。
発電装置1は、第1カンチレバー部30が第1錘部33を備えることにより、第1錘部33を備えていない場合に比べて、第1振動子3が振動するときの慣性力を大きくすることが可能となる。これにより、発電装置1は、第1振動子3の振幅を大きくすることが可能となる。また、発電装置1は、第1カンチレバー部30が第1錘部33を備えることにより、第1カンチレバー部30が振動するとき、第1梁部31及び圧電変換部32に、集中的に歪を発生させることが可能となり、発電効率の向上を図ることが可能となる。また、発電装置1は、第1カンチレバー部30が第1錘部33を備えることにより、第1振動子3の共振周波数を小さくすることが可能となる。
圧電変換部32は、第1梁部31に設けられている。発電装置1は、基板20と圧電変換部32とが、基板20の第1面20a上に形成された第1絶縁膜91によって、電気的に絶縁されている。第1絶縁膜91は、例えば、シリコン酸化膜により構成することができる。発電装置1は、基板20の厚さ方向の第2面20b上に、シリコン酸化膜からなる第2絶縁膜(図示せず)を備えていてもよい。第1絶縁膜91及び第2絶縁膜は、例えば、熱酸化法により形成することができる。第1絶縁膜91及び第2絶縁膜の形成方法は、熱酸化法に限らず、例えば、CVD法等でもよい。第1絶縁膜91及び第2絶縁膜の厚さは、1μmに設定してある。
圧電変換部32は、第1梁部31上に設けられた第1電極(下部電極)321と、第1電極321上に設けられた圧電体層322と、圧電体層322上に設けられた第2電極(上部電極)323と、を備える。要するに、圧電変換部32は、圧電体層322と、圧電体層322を厚さ方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極321及び第2電極323と、を備えている。
圧電体層322の圧電材料としては、PZT(Pb(Zr,Ti)O3)を採用しているが、これに限らず、例えば、PZT−PMN(Pb(Mn,Nb)O3)や、不純物を添加したPZTでもよい。また、圧電材料は、AlN、ZnO、KNN(K0.5Na0.5NbO3)や、KN(KNbO3)、NN(NaNbO3)、KNNに不純物を添加した材料等でもよい。不純物としては、例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cu等が挙げられる。なお、発電装置1は、圧電体層322が、圧電薄膜により構成されている。
第1電極321の材料としては、Ptを採用しているが、これに限らず、例えば、Au、Al、Ir等でもよい。また、第2電極323の材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。
発電装置1は、第1電極321の厚さを500nm、圧電体層322の厚さを3000nm、第2電極323の厚さを500nmに設定してある。
発電装置1は、第1電極321と圧電体層322との間にバッファ層(緩衝層)を備えてもよい。バッファ層の材料は、圧電体層322の圧電材料に応じて適宜選択すればよい。バッファ層の材料は、圧電体層322の圧電材料がPZTの場合、例えば、SrRuO3、(Pb,La)TiO3、PbTiO3、MgO、LaNiO3等を採用することが好ましい。また、バッファ層は、例えば、Pt膜とSrRuO3膜との積層膜により構成してもよい。発電装置1は、バッファ層を備えることにより、圧電体層322の結晶性を向上させることが可能となる。これにより、発電装置1は、発電効率を向上させることが可能となる。
発電装置1は、第1振動子3の振動によって圧電変換部32の圧電体層322が応力を受ける。これにより、発電装置1は、第2電極323と第1電極321とに電荷の偏りが発生し、圧電変換部32において交流電圧が発生する。要するに、発電装置1は、圧電変換部32が圧電材料の圧電効果を利用して発電する振動型の発電装置である。
圧電体層322の平面形状は、矩形状に形成されている。圧電変換部32は、圧電体層322の外形サイズが、第1電極321の外形サイズよりもやや小さく、且つ、第2電極323の外形サイズよりもやや大きい、のが好ましい。以下では、第1振動子3の厚さ方向において第1電極321と圧電体層322と第2電極323とが重なっている領域を、圧電変換領域330と称する。
圧電変換部32は、第1カンチレバー部30の第1梁部31を面状に覆うように形成されている。第1梁部31を面状に覆うとは、第1梁部31の表面31aの略全面を覆うことを意味する。図1Aにおける圧電変換部32は、第1梁部31の幅方向において第1梁部31の表面31aの全面よりもやや狭い領域の全体を覆っている。より詳細には、圧電変換部32は、第1カンチレバー部30の側縁付近で、第1カンチレバー部30の側縁から規定距離だけ離れて位置するように配置されている。規定距離は、例えば、発電装置1の製造時に第1スリット23を形成する際に、圧電変換部32がエッチングされないように設定するのが好ましい。
圧電変換部32は、圧電変換領域330が、交流電圧の発生に寄与する。発電装置1は、第1カンチレバー部30の長さ方向において、圧電変換領域330の、固定端3b側の端331を、第1カンチレバー部30と支持部2との境界に揃えてある。よって、発電装置1は、圧電変換領域330の、固定端3b側の端331が上記境界よりも第1カンチレバー部30側にある場合に比べて、第1カンチレバー部30上に存在する圧電変換領域330の面積を大きくできる。これにより、発電装置1は、発電効率を向上させることが可能となる。第1カンチレバー部30の長さ方向は、第1梁部31の軸線に沿った方向である。
また、発電装置1は、圧電変換領域330の、固定端3b側の端331が上記境界よりも支持部2側にある場合に比べて、圧電変換領域330のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
圧電変換部32で発生する交流電圧は、圧電体層322の振動に応じた正弦波状の交流電圧となる。発電装置1の圧電変換部32は、主として、第1流路4を流体が流れることによって発生する自励振動を利用して発電することを想定している。第1振動子3の共振周波数は、第1カンチレバー部30及び圧電変換部32それぞれの構造パラメータと材料とにより決まる。
支持部2の表面21は、第1振動子3の固定端3b付近において、第1カンチレバー部30の表面30aと滑らかに連続している。発電装置1は、第2絶縁膜を備えていない場合、支持部2の表面21とは反対の裏面22と、基板20の第2面20bとが同じである。発電装置1は、基板20の第2面20b上に第2絶縁膜を備えている場合、第2絶縁膜の表面が支持部2の裏面22となる。
発電装置1は、支持部2の表面21側に、第1パッド電極(図示せず)と、第2パッド電極(図示せず)と、が設けられている。
第1パッド電極は、第1配線(図示せず)を介して第1電極321と電気的に接続されている。第2パッド電極は、第2配線(図示せず)を介して第2電極323と電気的に接続されている。第1配線、第2配線、第1パッド電極及び第2パッド電極の材料としては、Auを採用しているが、これに限らず、例えば、Mo、Al、Pt、Ir等でもよい。また、第1配線、第2配線、第1パッド電極及び第2パッド電極の材料は、同じ材料に限らず、別々の材料を採用してもよい。また、第1配線、第2配線、第1パッド電極及び第2パッド電極は、単層構造に限らず、2層以上の多層構造でもよい。
また、発電装置1は、第2配線と第1電極321の周部との間に、第2配線と第1電極321との短絡を防止する電気絶縁層(図示せず)を設けてある。電気絶縁層は、シリコン酸化膜により構成してあるが、シリコン酸化膜に限らず、例えば、シリコン窒化膜により構成してもよい。
第2振動子5は、一端が支持部2に固定された固定端5bであり他端が自由端5aである。
発電装置1は、基板20に、第2振動子5を囲む平面視U字状の第2スリット25が形成されている。これにより、第2振動子5は、固定端5b以外の部分が、支持部2と分離されている。要するに、第2振動子5は、支持部2に片持ち支持されている。発電装置1は、第2スリット25が、第2流路6を構成している。
第2梁部51は、可撓性を有するように、第2梁部51の厚さを支持部2の厚さよりも薄くしてある。第2梁部51は、SOI基板のうちシリコン層213から形成されている。第2梁部51は、弾性を有している。第2梁部51は、第2振動子5が振動するときに変形して歪を発生する。
第2振動子5は、自由端5a側に、第2梁部51よりも厚い第2錘部53を備えているのが好ましい。この場合、第2カンチレバー部50は、第2錘部53よりも固定端5b側の部位が、第2梁部51を構成している。第2錘部53は、SOI基板のうちシリコン基板211とシリコン酸化膜212とシリコン層213とから形成されている。
発電装置1は、第2カンチレバー部50が第2錘部53を備えることにより、第2錘部53を備えていない場合に比べて、第2振動子5が振動するときの慣性力を大きくすることが可能となる。これにより、発電装置1は、第2振動子5の振幅を大きくすることが可能となる。また、発電装置1は、第2カンチレバー部50が第2錘部53を備えることにより、第2振動子5の共振周波数を小さくすることが可能となる。
第2振動子5の共振周波数は、第2カンチレバー部50の構造パラメータと材料とにより決まる。
支持部2の表面21は、第2振動子5の固定端5b付近において、第2カンチレバー部50の表面50aと滑らかに連続している。
発電装置1は、第1スリット23と第2スリット25との間に、支持部2に一体に形成された隔壁8を備えている。隔壁8は、支持部2の内側面により囲まれた空間29を2つに分けるように形成されている。第1振動子3は、自由端3aが空間29の外に位置するように反っている。また、第2振動子5は、自由端5aが空間29の外に位置するように反っている。第1振動子3と第2振動子5とは、支持部2により連結されている。
発電装置1は、流体励起振動を利用して発電することができる。流体励起振動は、発電装置1を流れ場に配置した状態等において、流れ場を流れる流体が第1流路4及び第2流路6を通過することによって発生する第1振動子3及び第2振動子5の振動である。この流体励起振動は、自励振動である。流体としては、例えば、空気、ガス、空気とガスとの混合気体、液体等が挙げられる。流体が気体の場合、流れ場としては、例えば、空調機の給気ダクトの内部や、空調機の排気ダクトの内部等が挙げられるが、これら以外でもよい。
発電装置1に製造方法については、その一例について以下に簡単に説明する。
発電装置1の製造にあたっては、まず、SOI基板からなる基板20を準備し、その後、絶縁膜形成工程を行う。絶縁膜形成工程では、熱酸化法等を利用して、基板20の第1面20aにシリコン酸化膜からなる第1絶縁膜91を形成する。また、絶縁膜形成工程では、基板20の第2面20b側に第2絶縁膜を形成する。絶縁膜形成工程では、第1絶縁膜91及び第2絶縁膜を形成する方法として熱酸化法を採用しているが、これに限らず、CVD法等を採用してもよい。
絶縁膜形成工程の後には、基板20の第1面20a側の全面に、第1電極321と第1配線との基礎になる第1導電層を形成する第1導電層形成工程を行い、続いて、圧電体層322の基礎になる圧電材料層を形成する圧電材料層形成工程を行う。第1導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。圧電材料層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法やゾルゲル法等を採用してもよい。
圧電材料層形成工程の後には、圧電材料層を圧電体層322の所定の形状にパターニングする第1パターニング工程を行い、続いて、第1導電層を第1電極321及び第1配線の所定の形状にパターニングする第2パターニング工程を行う。第1パターニング工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して圧電材料層をパターニングする。また、第2パターニング工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第1導電層をパターニングする。
第2パターニング工程の後には、基板20の第1面20a側に電気絶縁層を形成する絶縁層形成工程を行う。絶縁層形成工程の後には、第2電極323と第2配線との基礎になる第2導電層を基板20の第1面20a側の全面に形成する第2導電層形成工程を行い、第2導電層を第2電極323及び第2配線の所定の形状にパターニングする第3パターニング工程を行う。第2導電層を形成する方法としては、スパッタ法を採用しているが、これに限らず、例えば、CVD法や蒸着法等を採用してもよい。また、第3パターニング工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して第2導電層をパターニングする。
第3パターニング工程の後には、第1パッド電極と第2パッド電極との基礎になる第3導電層を、基板20の第1面20a側の全面に形成する第3導電層形成工程を行う。第3導電層形成工程の後には、第3導電層を、第1パッド電極及び第2パッド電極の所定の形状にパターニングする第4パターニング工程を行う。第4パターニング工程の後には、基板20の第1面20a側から、支持部2、第1カンチレバー部30、第2カンチレバー部50及び隔壁8以外の部位を第1所定深さまでエッチングすることで第1溝を形成する第1溝形成工程を行う。第1所定深さは、第1梁部31及び第2梁部51の厚さに対応する深さである。第1溝形成工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して第1溝を形成する。第1溝形成工程では、シリコン酸化膜212をエッチングストッパ層として利用する。第1溝形成工程の後には、基板20の第2面20b側から支持部2及び隔壁8以外の部位を第2所定深さまでエッチングすることで第2溝を形成する第2溝形成工程を行う。第2溝形成工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して第2溝を形成する。第2溝形成工程では、シリコン酸化膜212をエッチングストッパ層として利用する。第2溝形成工程の後には、シリコン酸化膜212のうち支持部2及び隔壁8以外に対応する部分をエッチングすることで支持部2と併せて第1カンチレバー部30及び第2カンチレバー部50を形成するカンチレバー部形成工程を行うことにより、発電装置1を得る。また、上述のカンチレバー部形成工程では、リソグラフィ技術及びエッチング技術等を利用して、支持部2と併せて第1カンチレバー部30及び第2カンチレバー部50を形成する。第1溝形成工程、第2溝形成工程及びカンチレバー部形成工程での各エッチングは、垂直深堀が可能な誘導結合プラズマ型のドライエッチング装置を用いたドライエッチングである。なお、カンチレバー形成工程において、第1流路4及び第2流路6が形成される。発電装置1の製造方法では、第1振動子3及び第2振動子5を形成したときに、第1振動子3、第2振動子5を、それぞれの内部応力である圧縮応力によって反らせることができる。
発電装置1の製造にあたっては、カンチレバー部形成工程が終了するまでをウェハレベルで行ってから、ダイシング工程を行うことで個々の発電装置1に分割するようにしている。
発電装置1の製造方法では、第3導電層形成工程と第4パターニング工程とを順次行う代わりに、リフトオフ法を利用して第1パッド電極及び第2パッド電極を形成してもよい。また、発電装置1の製造方法では、第3導電層形成工程と第4パターニング工程とを順次行う代わりに、メタルマスク等を利用して蒸着法等により第1パッド電極及び第2パッド電極を形成してもよい。
第1振動子3は、外部振動や流体等が作用していない初期状態において、図1Bのように、自由端3aが支持部2の表面21側において空間29の外に位置するように反っている。ここで、第1梁部31は、表面31aが凹曲面となり且つ裏面31bが凸曲面となるように、湾曲している。第1振動子3は、圧電体層322の内部応力、第1絶縁膜91の内部応力等によって反っており、自由端3aが空間29の外に位置している。圧電体層322の内部応力及び第1絶縁膜91の内部応力は、圧縮応力である。圧電体層322の内部応力は、例えば、圧電薄膜をスパッタ法やCVD法により成膜する場合、ガス圧、温度等のプロセス条件を適宜設定することによって調整することができる。第2振動子5は、第1絶縁膜91の内部応力等によって反っており、自由端5aが空間29の外に位置している。第1絶縁膜91の内部応力は、例えば、シリコン酸化膜を熱酸化法等により成膜する場合、酸化温度等のプロセス条件を適宜設定することによって調整することができる。
ところで、特許文献1に記載された発電装置では、流速とカンチレバー部の振動の振幅との関係が図2の模式図のようになる。図2では、A1が、発電装置に負荷が接続されていないときの流速と振動の振幅との関係を示し、A2が、発電装置に負荷が接続されているときの流速と振動の振幅との関係を示している。発電装置に負荷が接続されているとは、圧電変換部に負荷が電気的に接続されており、圧電変換部から負荷へ電力を取り出せる状態となっていることを意味する。図2から分かるように、発電装置は、負荷が接続されている場合、圧電変換部での圧電変換により振動エネルギの一部が電力に変換され負荷に供給されるので、負荷が接続されていない場合に比べて、流体励起振動が開始される流速が高くなる。
特許文献1に記載された発電装置では、流体励起振動の発生限界流速の低流速化を図るために、共振周波数をより低く設計することが考えられる。
特許文献1に記載された発電装置において共振周波数を低くするには、例えば、カンチレバー部の厚さを小さくすることにより、カンチレバー部の剛性を低下させることが考えられる。しかしながら、発電装置は、カンチレバー部の剛性を低下させた場合、初期状態において、圧電変換部の内部応力によるカンチレバー部の変形が顕在化する場合がある。より詳細には、発電装置においてカンチレバー部の剛性を低下させた場合には、カンチレバー部がカンチレバー部の長さ方向で変形するだけでなく、カンチレバー部の幅方向でも変形しやすくなる。発電装置は、カンチレバー部の幅方向の変形が生じると、カンチレバー部の剛性を低下させるためにカンチレバー部の厚さを小さくしたにも関わらず、カンチレバー部の剛性を設計通りに低下させることができない懸念があり、発電効率が低下してしまう懸念がある。発電装置は、初期状態においてカンチレバー部が、カンチレバー部の幅方向で変形していると、カンチレバー部の幅方向で変形していない場合に比べて、カンチレバー部の剛性が大きくなり、カンチレバー部の振動方向の変形を阻害する要因となる。このため、発電装置では、発電効率の低下、想定していない箇所への振動時の応力集中による信頼性の低下、等の懸念がある。
これに対して、本実施形態の発電装置1は、第1振動子3と第2振動子5とが支持部2を介して並設されており、第2振動子5の質量を第2振動子5の長さで除した線密度が、第1振動子3の質量を第1振動子3の長さで除した線密度よりも小さい。これにより、発電装置1は、第2振動子5の流体励起振動の発生限界流速を、第1振動子3の流体励起振動の発生限界流速よりも低流速化することが可能となる。言い換えれば、発電装置1は、第2振動子5の線密度を第1振動子3の線密度よりも小さくすることにより、第2振動子5の流体励起振動の発生限界流速を、第1振動子3の流体励起振動の発生限界流速よりも低く設定してある。そして、発電装置1は、第2振動子5の振動に第1振動子3が共振することにより、第2振動子5を備えていない場合に比べて、流体励起振動の発生限界流速を低流速化することが可能となる。
本実施形態の発電装置1では、流速と第1振動子3及び第2振動子5の振動の振幅との関係が図3の模式図のようになる。図3では、第2振動子5を備えていない比較例において負荷が接続されていないときの流速と振動の振幅との関係をA11で示し、比較例において負荷が接続されているときの流速と振動の振幅との関係をA12で示してある。比較例の発電装置では、負荷が接続されている場合、圧電変換部32での圧電変換により振動エネルギの一部が電力に変換され負荷に供給されるので、負荷が接続されていない場合に比べて、流体励起振動が開始される流速が高くなる。また、図3では、B1が、第2振動子5の流速と振動の振幅との関係を示し、B2が、圧電変換部32に負荷が接続されているときの第1振動子3の流速と振動の振幅との関係を示している。図3から分かるように、本実施形態の発電装置1では、第2振動子5を備えていない比較例の発電装置に比べて、圧電変換部32に負荷が接続されている状態において、流体励起振動が開始される流速が低くなることが分かる。要するに、本実施形態1の発電装置1では、第2振動子5を備えていない場合に比べて、発電が開始される流速をより低くすることが可能となる。なお、特許文献2には、プレートに一対の窓が並列して形成され、リードが一対のリード部を備えている、発電装置が記載されているが、一対のリードの構造が同じであり、発電を開始する流速を低減させる効果はない。
本実施形態の発電装置1の動作については、以下の推定メカニズムにより説明する。なお、本実施形態の発電装置1は、仮に推定メカニズムが別であっても、本発明の範囲内である。
発電装置1は、流体の流れる方向と支持部2の厚さ方向とが一致し、支持部2の表面21側が流体の上流側、支持部2の裏面22側が流体の下流側となるように配置して使用するのが好ましい。
発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体が第1流路4を通る際に流速が速くなるので、第1振動子3と支持部2と隔壁8とで囲まれた空間の圧力が下がり、第1振動子3の自由端3aが空間29に近づく向きへ変位する。そして、発電装置1では、第1カンチレバー部30の表面30aと支持部2の表面21とが面一になったところで、第1カンチレバー部30の表面30a側と裏面30b側との圧力差がなくなる。そして、発電装置1は、第1梁部31の弾性力によって第1振動子3の自由端3aが元の位置に戻る向きへ変位するものと推考される。発電装置1は、このような動作が繰り返されることで第1振動子3が自励振動する。
また、発電装置1では、上流側から発電装置1に向って流れる流体が第2流路6を通る際に流速が速くなるので、第2振動子5と支持部2と隔壁8とで囲まれた空間の圧力が下がり、第2振動子5の自由端5aが空間29に近づく向きへ変位する。そして、発電装置1では、第2カンチレバー部50の表面50aと支持部2の表面21とが面一になったところで、第2カンチレバー部50の表面50a側と裏面50b側との圧力差がなくなる。そして、発電装置1は、第2梁部51の弾性力によって第2振動子5の自由端5aが元の位置に戻る向きへ変位するものと推考される。発電装置1は、このような動作が繰り返されることで第2振動子5が自励振動する。
発電装置1では、比較例の発電装置で自励振動が起こらないような低い流速であっても、流速が、第2振動子5の流体励起振動が開始される流速以上であれば、第2振動子5が自励振動する。そして、発電装置1では、第2振動子5が自励振動すると、第1振動子3が共振して自励振動し、圧電変換部32が発電する、と推考される。
発電装置1は、第2振動子5を備えることにより、第1梁部31の剛性の低下を図ることなく、負荷が接続されている状態における第1振動子3の流体励起振動の発生限界流速の低流速化を図ることが可能となる。
発電装置1は、第2振動子5の長さが、第1振動子3の長さと等しく、第2振動子5の幅が、第1振動子3の幅よりも小さいのが好ましい。これにより、発電装置1は、第2振動子5の長さを第1振動子3の長さよりも長くすることで第2振動子5の線密度を第1振動子3の線密度よりも小さくする場合に比べて、平面サイズの小型化を図ることが可能となり、低コスト化を図ることが可能となる。第1振動子3の長さは、第1梁部31の軸線に沿った方向における第1カンチレバー部30の長さである。第2振動子5の長さは、第2梁部51の軸線に沿った方向における第2カンチレバー部50の長さである。「第2振動子5の長さは、第1振動子3の長さと等しく」とは、厳密に同一でなくてもよく、略同一であればよいという意味である。「第2振動子5の長さは、第1振動子3の長さと等しく」とは、例えば、〔(第1振動子3の長さ−第2振動子5の長さ)/第1振動子3の長さ〕×100(%)が±5%以下であるのが好ましく、±3%以下であるのがより好ましい。発電装置1の平面サイズは、例えば、発電装置1がMEMSの製造技術を利用して製造されている場合、発電装置1のチップサイズを意味する。
(実施形態2)
以下では、本実施形態の発電装置10について図4に基づいて説明する。
本実施形態の発電装置10は、第2振動子5が第2梁部51の表面51a上に設けられた圧電変換部52を備えている点が実施形態1の発電装置1と相違する。なお、実施形態1の発電装置1と同様の構成要素については、同様の符号を付して説明を省略する。また、以下では、説明の便宜上、第1振動子3の圧電変換部32を第1圧電変換部32と称し、第2振動子5の圧電変換部52を第2圧電変換部52と称することもある。
発電装置10は、基板20と第2圧電変換部52とが、基板20の第1面20a上に形成された第1絶縁膜91によって、電気的に絶縁されている。
圧電変換部52は、第2梁部51上に設けられた第1電極(下部電極)521と、第1電極521上に設けられた圧電体層522と、圧電体層522上に設けられた第2電極(上部電極)523と、を備える。要するに、圧電変換部52は、圧電体層522と、圧電体層522を厚さ方向の両側から挟んで互いに対向する第1電極521及び第2電極523と、を備えている。
第2圧電変換部52は、第1圧電変換部32と同じ厚さで同じ材料により形成されているのが好ましい。
発電装置10は、第2振動子5の振動によって第2圧電変換部52の圧電体層522が応力を受ける。これにより、発電装置10は、第2電極523と第1電極521とに電荷の偏りが発生し、圧電変換部52において交流電圧が発生する。
圧電体層522の平面形状は、矩形状に形成されている。圧電変換部52は、圧電体層522の外形サイズが、第1電極521の外形サイズよりもやや小さく、且つ、第2電極523の外形サイズよりもやや大きい、のが好ましい。以下では、第2振動子5の厚さ方向において第1電極521と圧電体層522と第2電極523とが重なっている領域を、圧電変換領域530と称する。
第2圧電変換部52は、第2カンチレバー部50の第2梁部51を面状に覆うように形成されている。第2梁部51を面状に覆うとは、第2梁部51の表面51aの略全面を覆うことを意味する。図4Aにおける第2圧電変換部52は、第2梁部51の幅方向において第2梁部51の表面51aの全面よりもやや狭い領域の全体を覆っている。より詳細には、第2圧電変換部52は、第2カンチレバー部50の側縁付近で、第2カンチレバー部50の側縁から規定距離だけ離れて位置するように配置されている。規定距離は、例えば、発電装置10の製造時に第2スリット25を形成する際に、第2圧電変換部52がエッチングされないように設定するのが好ましい。
第2圧電変換部52は、圧電変換領域530が、交流電圧の発生に寄与する。発電装置10は、第2カンチレバー部50の長さ方向において、圧電変換領域530の、固定端5b側の端531を、第2カンチレバー部50と支持部2との境界に揃えてある。よって、発電装置10は、圧電変換領域530の、固定端5b側の端531が上記境界よりも第2カンチレバー部50側にある場合に比べて、第2カンチレバー部50上に存在する圧電変換領域530の面積を大きくできる。これにより、発電装置10は、発電効率を向上させることが可能となる。第2カンチレバー部50の長さ方向は、第2梁部51の軸線に沿った方向である。
また、発電装置10は、圧電変換領域530の、固定端5b側の端531が上記境界よりも支持部2側にある場合に比べて、圧電変換領域530のうち発電に寄与せず寄生容量となってしまう部分を低減でき、発電効率を向上させることが可能となる。
第2圧電変換部52で発生する交流電圧は、圧電体層522の振動に応じた正弦波状の交流電圧となる。発電装置10の第2圧電変換部52は、第2流路6を流体が流れることによって発生する自励振動を利用して発電することができる。第2振動子5の共振周波数は、第2カンチレバー部50及び第2圧電変換部52それぞれの構造パラメータと材料とにより決まる。
発電装置10は、第2振動子5が第2梁部51の表面51a上に設けられた圧電変換部52を備えているので、流体の流速によっては第1圧電変換部32だけでなく第2圧電変換部52からも負荷へ電力を供給することが可能となる。発電装置10は、第2圧電変換部52の第1電極521に電気的に接続された第3パッド電極と、第2電極523に電気的に接続された第4パッド電極と、を支持部2の表面21側に備えているのが好ましい一形態である。これにより、発電装置10は、第2圧電変換部52からも負荷へ電力を供給する形態と電力を供給しない形態とのいずれの形態でも使用することが可能となる。発電装置10は、第2圧電変換部52からも負荷へ電力を供給する形態の場合、負荷へ供給する電力を大きくすることが可能となる。また、発電装置100は、第2圧電変換部52から負荷へ電力を供給しない形態の場合、第2圧電変換部52から負荷へ電力を供給する形態に比べて、第2振動子5の流体励起振動の発生限界流速の低速化を図れる。これにより、発電装置100は、第2圧電変換部52から負荷へ電力を供給しない形態の場合、第2圧電変換部52から負荷へ電力を供給する形態に比べて、第1振動子3の流体励起振動の発生限界流速の低流速化を図ることが可能となる。発電装置10は、第2圧電変換部52から負荷へ電力を供給しない場合、第1電極521が圧電体層522の下地層としての機能を有する。また、この場合、発電装置10は、圧電体層522が、第2振動子5を反った状態とするための応力を付加する応力付加層としての機能を有する。また、この場合、発電装置10は、第2電極523が圧電体層522を保護する保護層としての機能を有する。発電装置10は、第1圧電変換部32と第2圧電変換部52とが支持部2の表面21側で適宜に電気的に接続された構成としてもよい。
基板20は、SOI基板に限らず、単結晶のシリコン基板、多結晶のシリコン基板、金属基板、酸化マグネシウム基板、ガラス基板、ポリマー基板等を用いることも可能である。金属基板としては、例えば、ステンレス鋼基板、アルミニウム基板、銅基板、真鍮基板等を採用することができる。ステンレス鋼基板としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼基板を採用することが好ましい。オーステナイト系ステンレス鋼基板としては、例えば、SUS304基板を採用することができる。発電装置10は、基板20として、酸化マグネシウム基板、ガラス基板、ポリマー基板等の絶縁性基板を用いる場合、第1絶縁膜91及び第2絶縁膜を必ずしも設ける必要はない。
また、SOI基板は、例えば、シリコン基板211、シリコン酸化膜212及びシリコン層213の厚さを、それぞれ、200μm〜1mm、0.5μm〜2μm及び20〜80μmの範囲で適宜設定することが好ましい。
1、10 発電装置
2 支持部
3 第1振動子
3a 自由端
4 第1流路
5 第2振動子
5a 自由端
6 第2流路
30 第1カンチレバー部
31 第1梁部
31a 表面
32 圧電変換部
50 第2カンチレバー部
51 第2梁部
51a 表面
52 圧電変換部

Claims (3)

  1. 枠状の支持部と、前記支持部に揺動自在に支持された第1振動子と、前記支持部と前記第1振動子との間に形成された第1流路と、平面視において前記第1振動子に並んで配置され前記支持部に揺動自在に支持された第2振動子と、前記支持部と前記第2振動子との間に形成された第2流路と、を備え、
    前記第1振動子は、少なくとも一部が可撓性の第1梁部により構成された第1カンチレバー部と、前記第1梁部の表面に設けられた圧電変換部と、を備え、前記第1振動子の自由端が前記支持部の厚さ方向において前記支持部の外に位置するように反っており、
    前記第2振動子は、少なくとも一部が可撓性の第2梁部により構成された第2カンチレバー部を備え、前記第2振動子の自由端が前記支持部の厚さ方向において前記支持部の外に位置するように反っており、
    前記第1振動子の共振周波数と前記第2振動子の共振周波数とが等しく、
    前記第2振動子の質量を前記第2振動子の長さで除した線密度が、前記第1振動子の質量を前記第1振動子の長さで除した線密度よりも小さい、
    ことを特徴とする発電装置。
  2. 前記第2振動子の長さは、前記第1振動子の長さと等しく、
    前記第2振動子の幅は、前記第1振動子の幅よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1記載の発電装置。
  3. 前記第2振動子は、前記第2梁部の表面に設けられた圧電変換部を備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の発電装置。
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