以下では、本発明の実施の形態に係る照明制御システムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態1)
本実施の形態において、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御する照明制御システムについて説明する。
図1は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成図である。
図1に示されるように、照明制御システム1は、照明装置L1と、送信装置20とを備える。
照明装置L1は、電力供給を受け、点灯することで周囲を照明する照明装置である。照明装置L1は、送信装置20からの指示を受けて、点灯又は消灯等の動作を行う。また、照明装置L1は、送信装置20からの指示を受けない場合には、予め定められた設定に基づいて点灯する。
照明装置L1は、光源101と、光源制御部102と、無線通信部103とを有する。
光源101は、点灯又は消灯の動作を行う光源である。光源101は、光源制御部102により電力を供給され、点灯又は消灯の動作を行う。なお、光源101の動作には、光源101が出射する光の強度を変更する調光、及び、光源101の発光色を変更する調色が含まれてもよい。
光源制御部102は、光源101が動作するための電力を供給する制御回路である。光源制御部102は、送信装置20からの指示に基づいて、光源101の点灯又は消灯の動作、及び、そのタイミングを決定する。光源制御部102は、決定したタイミングに、光源101への電力供給を制御することで、光源101の動作を制御する。また、光源制御部102は、さらに、光源101の調光又は調色の制御を行ってもよい。
具体的には、光源制御部102は、(i)無線通信部103が制御信号を受信してから、受信した制御信号に含まれる待機時間が経過するまでの期間内に、制御信号を受信した時の光源101の動作を維持し、かつ、(ii)期間の後に、制御信号に含まれる動作情報に従って光源101の動作を制御する。
無線通信部103は、光源101の動作の指示(以下、「コマンド」ともいう)を含む無線通信メッセージを送信装置20から受信する無線通信インタフェースである。無線通信部103は、送信装置20からコマンドを受信した場合、受信したコマンドをそのまま光源制御部102に送信してもよいし、受信したコマンドをPWM(Pulse Width Modulation)信号に変換して光源制御部102に送信してもよい。無線通信部103の無線通信規格はなんでもよく、例えば、ZigBee、又は、IEEE802.11規格の無線LAN(Local Area Network)などが用いられる。なお、無線通信部103は、第二通信部に相当する。
送信装置20は、照明装置L1などにコマンドを送信する送信装置である。
送信装置20は、制御部201と、無線通信部202とを有する。
制御部201は、照明装置L1の動作の指示を決定する制御回路である。具体的には、制御部201は、照明装置L1の消灯又は点灯の動作を決定するとともに、光源101が当該動作を開始するまでの時間(以降、「待機時間」ともいう)を決定する。
また、制御部201は、決定した動作及び待機時間を含む無線通信メッセージを生成する。具体的には、無線通信メッセージには、動作の指示を行う対象となる照明装置L1を示す情報と、照明装置L1に行わせる動作を示す動作情報と、上記動作を開始するまでの待機時間を示す待機時間情報が含まれる。
無線通信部202は、照明装置L1の動作の指示を含む無線通信メッセージを照明装置L1に送信する無線通信インタフェースである。無線通信部202の通信規格は、無線通信部103と同じものであればよい。なお、無線通信部202は、第一通信部に相当する。
図2Aは、本実施の形態1に係る照明制御システムにおける無線通信メッセージ210の説明図である。
図2Aに示されるように、送信装置20が送信する無線通信メッセージ210は、宛先ID211と、動作情報212と、待機時間情報213とを含む。
宛先ID211は、当該無線通信メッセージ210の宛先(送信先)の照明装置を一意に識別可能なIDである。
動作情報212は、宛先ID211により識別される照明装置、つまり、当該無線通信メッセージ210により制御される照明装置の動作を示す情報である。
待機時間情報213は、宛先ID211で示される照明装置に、動作情報212で示される動作を開始させるまでの待機時間を示す情報である。
図2Bは、本実施の形態に係る照明制御システム1における照明装置の動作タイミングを示すタイミング図である。
図2Bに示されるように、送信装置20の無線通信部202が、コマンドとして点灯制御のコマンドを送信する。照明装置L1の無線通信部103がそのコマンドを受信した場合、無線通信部103は、受信したコマンドを光源制御部102に送る。光源制御部102は、コマンドを受信してから電源回路の動作を開始する。そして、光源制御部102は、コマンドを受信してから待機時間が経過するまでの期間に、コマンドを受信した時の光源101の動作を維持させ、待機時間が経過した後に、光源101を点灯させる。
以上のように、本実施の形態に係る照明制御システム1は、送信装置20と照明装置L1とを備える照明制御システム1であって、送信装置20は、照明装置L1による点灯又は消灯の動作を示す動作情報と、動作を開始するまでの待機時間とを決定し、動作情報と待機時間とを含む制御信号を生成する制御部201と、制御信号を照明装置L1に無線送信する無線通信部202とを有し、照明装置L1は、光源101と、無線通信部202が送信した制御信号を受信する無線通信部103と、光源101の点灯及び消灯を制御する光源制御部102とを有し、光源制御部102は、(i)無線通信部103が制御信号を受信してから、受信した制御信号に含まれる待機時間が経過するまでの期間内に、制御信号を受信した時の光源101の動作を維持し、かつ、(ii)期間の後に、制御信号に含まれる動作情報に従って光源101の動作を制御する。
これにより、照明制御システム1は、送信装置20が照明装置10の動作に関する待機時間を決定し、照明装置10が、動作指示を含むコマンドを受信してから待機時間を経過した後に動作指示に従い動作を行う、又は、動作を変更する。このように、照明装置10が動作を行うタイミングを送信装置20が決定することができる。よって、照明制御システム1は、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御することができる。
(実施の形態1の変形例)
本実施の形態において、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御する照明制御システムの別の構成について説明する。なお、他の実施の形態におけるものと同一の機能ブロックなどには、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図3は、本変形例に係る照明制御システム1Aの構成図である。
図3に示されるように、照明制御システム1Aは、照明装置L1Aと、送信装置20と、電源装置30とを備える。
照明装置L1Aは、光源101を備える。光源101は、実施の形態1の照明装置L1におけるものと同様である。照明装置L1Aは、光源制御部及び無線通信部を備えない点で、照明装置L1と異なる。
電源装置30は、光源制御部302と、無線通信部303とを備える。光源制御部302と無線通信部303とは、照明装置ではなく電源装置30の内部に備えられている点で実施の形態1の照明装置L1におけるものと異なるが、その機能は照明装置L1におけるものと実質的に同一である。
上記の構成において、電源装置30が送信装置20から無線通信メッセージを受信し、待機時間を経過した後に受信した無線通信メッセージに含まれる動作情報に応じて制御された電源が照明器具に供給され、照明装置L1Aを点灯制御する。
なお、本構成は、電源装置及び照明装置を分けて設置する場合、又は、既存の電源装置及び照明装置のいずれかを置き換える場合に有用である。また、照明装置が位相制御により制御される照明装置である場合に有用である。
以上のように、本実施の形態における照明制御システム1Aは、実施の形態1における照明制御システム1と同様の効果を奏する。
(実施の形態2)
本実施の形態において、複数の照明装置の動作タイミングを適切に制御する照明制御システムについて説明する。なお、他の実施の形態におけるものと同一の機能ブロックなどには、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成図である。
図4に示されるように、照明制御システムは、送信装置20と、複数の照明装置L1〜Lnとを備える。なお、本実施の形態では照明装置の数をnとして説明するが、本実施の形態は、特定の数の照明装置の場合だけに限定されない。以降の実施の形態においても同様である。
送信装置20(無線通信部202)は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに対して、ユニキャストで、順次、コマンドを送信する。つまり、送信装置20は、照明装置L1〜Lnのうちの1台ずつにコマンドを送信して、コマンドを送信した対象の照明装置の点灯制御を行う。送信装置20は、照明器具L1〜Lnのそれぞれに、実施の形態1で説明した無線通信メッセージ210を送信する。
図5は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。制御部201は、無線通信部202により送信される無線通信メッセージに含まれる待機時間を、図5に示されるように設定する。
具体的には、制御部201は、ユニキャスト通信で最初にコマンドを送信する照明装置に最大の待機時間を設定する。また、制御部201は、ユニキャストの送信順に待機時間を減少させ、最後にコマンドを送信する照明装置に待機時間として0秒を設定する。つまり、制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに対して、無線通信部202が当該照明装置に制御信号を無線送信する順に小さくなる待機時間を設定する。
これにより、照明装置L1〜Lnのそれぞれは、点灯制御のコマンドを受信し、各照明装置の光源が点灯するタイミングを調整することができる。そして、各照明装置への通信時間を考慮して適切な待機時間が設定された場合には、各照明装置の光源が点灯するタイミングを同一とすることができる。
なお、最後にコマンドが送信される照明装置に待機時間として0秒が設定されれば、複数の照明装置L1〜Lnのすべてが点灯するまでの時間を最短にすることができる。
図6は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間と制御台数との関係の説明図である。具体的には、図6には、照明装置が4台である場合と、6台である場合との待機時間が示される。
このように、制御部201は、照明装置L1〜Lnの台数に応じて定められ、台数が異なる場合に異なる値をとる待機時間を設定する。より具体的には、制御部201は、照明装置の台数が少ない場合に、待機時間をより小さな値に設定する。
次に、待機時間の設定方法について説明する。待機時間は、送信装置と各照明装置との通信における応答時間により設定される。
図7は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける応答時間の計測の説明図である。図8は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける応答時間の説明図である。
制御部201は、無線通信部202が制御信号を無線送信する前に、(i)無線通信部202により複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに、順次、無線信号を送信し、(ii)無線信号を送信してから、送信した無線信号に対する応答信号を無線通信部202により受信するまでの応答時間を計測し、(iii)計測した応答時間を用いて待機時間を設定する。
以下で、より具体的に説明する。
ここでは、送信装置20が、照明装置L1、L2、・・・、Lm、Lnの順に応答時間を測定する場合を例として説明する。照明装置L1〜Lnのそれぞれは、送信装置20からコマンドを受信すると、当該コマンドの送信元である送信装置20に応答(ACK(Acknowledgement))を送信するものとする。
まず、送信装置20は、照明装置L1にコマンドを送信し、照明装置L1からのACKの受信待ちを行い、照明装置L1からのACKを受信する。送信装置20は、照明装置L1にコマンドを送信してから、照明装置L1からのACKを受信するまでの時間を、応答時間t1として測定する。なお、ここでのコマンドは、上記無線信号に相当するものであり、照明装置を制御するための情報を含んだコマンドであってもよいし、応答時間を計測するためだけを目的としたコマンドであってもよい。
送信装置20は、照明装置L1からのACKを受信したら、送信順において照明装置L1の次の照明装置L2にコマンドを送信し、照明装置L2からのACKの受信待ちを行い、照明装置L2からのACKを受信する。送信装置20は、照明装置L1にコマンドを送信してから、照明装置L2からのACKを受信するまでの時間を、応答時間t2として測定する。
同様に、送信装置20は、照明装置Lnまでのすべての照明装置について応答時間を測定することで応答時間t1〜tnを取得する。
なお、送信装置20と照明装置L1〜Lnとの間での、上記のコマンド及びACKの送信順番は、あくまで一例であり、上記の送信順番だけに限定されず、どのような送信順番であってもよい。例えば、送信装置20が照明装置L1、L2、・・・、Lm、Lnの順にコマンドを送信し、コマンドの送信が終わった後に、送信装置20が照明装置L1〜LnのそれぞれからACKを受信するようにしてもよい。
図9は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。
図9には、照明装置L1〜Lnのそれぞれを実質的に同時に点灯させる制御を行う際に設定する待機時間を示している。
制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれについて計測された応答時間うちの最大の応答時間である最大応答時間から、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれの応答時間を引いた値を、当該照明装置の待機時間として設定する。
具体的には、最大応答時間は、tnに相当する。よって、例えば、照明装置L1には待機時間として(tn−t1)が設定され、照明装置L2には待機時間として(tn−t2)が設定され、照明装置Lnには待機時間として0が設定される。このように待機時間を設定することで、送信装置20は、照明装置Lnがコマンドを受信した後にすべての照明装置が実質的に同時に点灯されるように、制御することができる。
なお、上記の応答時間及び待機時間は、送信装置及び照明装置の物理的な配置が変わらない限り、大きく変わることがない。そのため、例えば、送信装置及び照明装置を配置した時点で応答時間を計測し、送信装置20内の記憶装置に保存しておけば、保存した応答時間を送信装置及び照明装置の配置が変わらない限り利用することができる。同じように、上記応答時間から算出される待機時間も、保存しておけば、送信装置及び照明装置の配置が変わらない限り利用することができる。
以上のように、本実施の形態における照明制御システム2は、複数の照明装置L1〜Lnを備え、無線通信部202は、複数の照明装置L1〜Lnに、順次、制御信号を無線送信し、制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに対して、無線通信部202が当該照明装置に制御信号を無線送信する順に小さくなるように待機時間を決定する。
これにより、照明制御システム2は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれにユニキャストにより順次にコマンドを送信する場合に、コマンド送信の際に照明装置ごとに生ずる時間差を打ち消すように待機時間を設定する。このようにすることで、各照明装置が動作する時間差を、コマンド送信の際に生ずる時間差より小さく抑えることができる。
また、制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnの台数に応じて定められ、台数が異なる場合に異なる値をとるように待機時間を決定する。
これにより、照明制御システム2は、照明装置L1〜Lnの台数に応じて待機時間を設定する。照明装置L1〜Lnの台数が少ない場合に待機時間を小さくすることも可能となる。よって、照明制御システム2は、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御することができる。
また、無線通信部202が制御信号を無線送信する前に、(i)無線通信部202により複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに、順次、無線信号を送信し、(ii)無線信号を送信してから、送信した無線信号に対する応答信号を無線通信部202により受信するまでの応答時間を計測し、(iii)計測した応答時間を用いて待機時間を決定する。
これにより、照明制御システム2は、送信装置20と、照明装置L1〜Lnとのそれぞれによって実際に計測された応答時間に基づいて待機時間を設定する。よって、照明制御システム2は、より正確に待機時間を設定し、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御することができる。
また、制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれについて計測された応答時間うちの最大の応答時間である最大応答時間から、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれの応答時間を引いた値を、当該照明装置の待機時間として決定する。
これにより、照明制御システム2は、具体的に、照明装置について測定された応答時間と、応答時間のうちの最大応答時間とを用いて待機時間を算出することができる。そして、このように算出された待機時間を用いて、複数の照明装置を実質的に同時に動作させることができる。
(実施の形態2の変形例)
実施の形態2によれば、照明装置L1〜Lnのそれぞれに対してコマンドを送信し、ACKを受信するまでの応答時間を測定する。そして、測定した応答時間に基づいて、点灯制御のための待機時間を算出する。測定した応答時間には、測定時の送信装置20及び各照明装置の処理負荷の変動の影響、又は、突発的に生じた電波伝搬特性の変動などの影響が、誤差として含まれる場合がある。本変形例では、測定した応答時間に含まれる誤差などの影響を抑える方法について説明する。
図10Aは、本変形例に係る照明制御システムにおける応答時間の説明図である。図10Aには、照明装置の数が6である場合の例が示される。
図10Aには、照明装置ごとに測定された応答時間が示されている。制御部201は、測定された応答時間に対して一次近似を行い、照明装置の番号yに対する応答時間xを示す一次式(y=a・x+b)を取得する。
図10Bは、本変形例に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。
図10Bに示されるように、制御部201は、最後にコマンドを送信する対象となる照明装置の待機時間を0とし、照明装置の番号が1増えるごとにaだけ待機時間が減少するように、待機時間を設定する。言い換えれば、制御部201は、図10Bに示されるグラフにおいて、(照明装置,待機時間)=(L6,0)の点を通り、傾きが(−a)の直線を設定する。そして、制御部201は、この直線と、照明装置の番号がL1を示す直線との交点を照明装置L1の待機時間として決定する。他の照明装置についても同様である。このように、制御部201は、一次近似された後の応答時間を用いて待機時間を決定する。このようにすることで、照明制御システムは、応答時間に誤差として含まれる影響を抑制した上で、待機時間を設定することができる。
以上のように、本変形例における照明制御システム2は、制御部201は、計測した応答時間を一次近似し、一次近似された応答時間を用いて待機時間を決定する。
これにより、照明制御システム2は、測定した応答時間に含まれる誤差などの影響を抑えることができる。よって、照明制御システム2は、照明装置の動作変更のタイミングを、より正確に制御することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、多くの照明装置が存在する場合に、待機時間が長くなりすぎないように調整することができる照明制御システムの例を説明する。
まず、照明装置が比較的多く存在する場合に生ずる弊害について説明する。上記の実施の形態における照明制御システムによれば、1台の照明装置にコマンドを送信してから当該照明装置からACKを受信するまでの時間が50msecであり、照明装置の数が11であると仮定すると、1台目の照明装置には500msecの待機時間が設定される。よって、1台目の照明装置は、コマンドを受信してから500msec後に点灯動作を行うこととなる。部屋を照明することを所望したユーザは、照明装置を点灯させるための操作を行ってから実際に照明装置が点灯するまでに要する時間が長いという不便さを感じたり、照明装置が故障をしているのではないかという疑念を抱いたりすることがあり得る。
図11は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。本実施の形態では、送信装置は、待機時間の上限値が定められており、他の実施の形態における方法で待機時間が定められたとしたら上限値を超える待機時間が設定される場合に、上限値を超えないように制御する。
図11において、待機時間の上限値が400msecと設定されている場合の例を説明する。上記のとおり、上限値の設定がない場合、照明装置L1の待機時間は500msecと設定される(図11における「上限設定なしの場合」の直線に対応)。これでは、照明装置L1の待機時間が、待機時間の上限値400msecを超えてしまう。
この場合、照明装置L1の待機時間が、待機時間の上限値を超えないように、各照明装置の待機時間から一定時間を差し引く。具体的には、上限値の設定がない場合の待機時間である500msecから、一定時間である100msecを差し引いて、400msecを得る。その他の各照明装置の待機時間からも100msecを差し引く。なお、このように100msecを差し引くとマイナスの値になる照明装置については、待機時間を0とする。このようにして、図11における「上限設定ありの場合」のグラフを得る。
図12は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける制御タイミングの説明図である。図11のように、各照明装置の待機時間が上限値を超えないように調整した結果、各照明装置が点灯制御されるタイミングは、図12に示されようになる。
図12に示されるように、照明装置L1〜L9のそれぞれは、コマンドを受信してから待機時間に示される期間だけ待機する。その後、送信装置20が照明装置L1にコマンドを送信してから400msec後に、照明装置L1〜L9のそれぞれは、実質的に同時に点灯制御される。このようにして、待機時間の上限値を超えないように点灯制御がなされる。
なお、図12において照明装置LA及びLBは、待機時間の上限値を超えて、送信装置20が照明装置L1にコマンドを送信してからそれぞれ450msec及び500msecに、順次、点灯制御がなされる。
以上のように、本変形例における照明制御システムは、制御部201は、予め定められた待機時間の上限値を有し、上限値を超えないように待機時間を決定する。
これにより、照明制御システムは、照明装置の数が比較的多い場合に、照明装置が制御されるまでの時間が長くなりすぎることを抑制することができる。よって、ユーザにとって利便性が向上するとともに、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態において、送信装置から複数の照明装置への点灯制御を行うための制御を、制御装置から行う照明制御システムについて説明する。なお、他の実施の形態におけるものと同一の機能ブロックなどには、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図13は、本実施の形態に係る照明制御システムの構成図である。
図13に示されるように、照明制御システム3は、複数の照明装置L1〜Lnと、送信装置21と、制御装置40とを備える。
複数の照明装置L1〜Lnは、実施の形態2(図4)における同名の構成要素と同一である。
送信装置21は、制御部201と、無線通信部202と、制御通信部203とを有する。制御部201と、無線通信部202とは、実施の形態2(図4)における同名の構成要素と同一である。
制御通信部203は、制御装置40からの制御指示を受けるための通信インタフェースである。
制御装置40は、照明装置L1〜Lnのそれぞれの点灯又は消灯の動作の制御を行うための制御装置である。制御装置40は、例えば、スマートフォン(高機能携帯電話端末)、タブレット、携帯電話端末、又は、PC(Personal Computer)等により実現される。制御装置40が提供する機能は、制御装置40上で稼働するプログラム(アプリ、又はアプリケーションともいう)により実現されてもよい。
制御装置40は、制御部401と、表示部402と、受付部403と、制御通信部404とを備える。
制御部401は、制御装置40への情報の入出力を制御し、また、情報処理を行うための制御回路である。具体的には、制御部401は、表示部402と、受付部403と、制御通信部404とのそれぞれを制御することで、入力された情報を適切に処理し、処理した情報を適切に出力する。
表示部402は、ユーザに画像を表示するための表示画面である。表示部402は、制御部401により制御されることで、ユーザに提示するための画像を表示する。表示部402は、例えば、液晶パネルにより実現される。
受付部403は、ユーザからの操作を受け付けるためのユーザインタフェースである。受付部403は、制御部401により制御されることで、ユーザによる操作を受け付け、受付けた操作を制御部401に渡す。受付部は、ユーザにより押下されるボタン、又は、タッチパネルにより実現される。
制御通信部404は、制御装置40から送信装置21への制御内容を、送信装置21へ送信するための通信インタフェースである。制御通信部404の通信規格はなんでもよく、例えば、ZigBee、IEEE802.11規格の無線LAN(Local Area Network)、又は、IEEE802.3規格の有線LANなどが用いられる。
図14Aは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第一例を示す説明図である。図14Bは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第二例を示す説明図である。図14Cは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第三例を示す説明図である。
図14Aに示される表示画像1410は、送信装置20及び複数の照明装置L1〜Lnに応答時間の計測をさせるための表示画像である。
表示画像1410は、応答時間の計測のためのボタン1411と、待機時間の確認のためのボタン1412とを含む。
ボタン1411が押下されると、制御部401は、実施の形態2で説明した応答時間の計測を行うことを、送信装置21及び照明装置L1〜Lnに指示する。この指示の内容については、後で詳しく説明する。また、表示部402は、表示する画像を、表示画像1420に変更する。
また、ボタン1412が押下されると、制御部401は、その時点で算出されている待機時間をユーザに提示する。このとき、表示部402は、表示する画像を、表示画像1430に変更する。
図14Bに示される表示画像1420は、照明装置L1〜Lnのそれぞれについて計測された応答時間1421を示す画像である。この応答時間は、表示画像1410のボタン1411が押下されたことにより、送信装置21及び照明装置L1〜Lnにより計測された応答時間である。具体的には、照明装置L1〜L8のそれぞれについて、応答時間が、22msec、45msec等のように示されている。
また、表示画像1420は、待機時間の計算を指示するためのボタン1422を含む。ボタン1422がユーザにより押下されると、制御部401は、表示画像1420に示される応答時間を用いて待機時間の計算を行う。待機時間の計算方法は、実施の形態2で説明したとおりであるので説明を省略する。このとき、表示部402は、表示する画像を、表示画像1410に変更する。
図14Cに示される表示画像1430は、照明装置L1〜Lnのそれぞれについて計測された待機時間1431を示す画像である。この待機時間は、表示画像1420のボタン1422が押下されたことにより応答時間から算出された待機時間である。
また、表示画像1430は、待機時間の修正を指示するためのボタン1432を含む、ボタン1432がユーザにより押下されると、制御部401は、ユーザによる操作に基づいて待機時間を修正する。
図15は、本実施の形態に係る照明制御システムのフロー図である。
ステップS1501において、送信装置20は、ソフトウェア処理における制御台数を、照明装置の数に設定する。また、計測済台数を0に設定する。
ステップS1502において、送信装置20は、複数の照明装置のうちの1台目の照明装置を、計測対象として選択する。ここで計測対象に選択された照明装置を、照明装置L1とよぶことにする。
ステップS1503において、送信装置20は、計測対象の照明装置(照明装置L1)へ、コマンドを送信する。
ステップS1504において、送信装置20は、計測対象の照明装置からのACKを受信するための待ち状態をとる。送信装置20は、待ち状態においてACKを受信すると、ステップS105に進む。
ステップS1505において、送信装置20は、1台目の照明装置にコマンドを送信してから、計測対象の照明装置からのACKを受信するまでの時間を保存する。
ステップS1506において、送信装置20は、計測済台数を1加算する。
ステップS1507において、送信装置20は、計測済台数が制御台数以上であるか否かを判定する。言い換えれば、送信装置20は、すべての照明装置についての計測を終えたか否かを判定する。
ステップS1507において、計測済台数が制御台数以上であると判定された場合(つまり、すべての照明装置についての計測を終えた場合)には、図15に示される一連の処理を終了する。一方、計測済台数が制御台数未満であると判定された場合(つまり、未だ、すべての照明装置についての計測を終えていない場合)には、ステップS1508を実行する。
ステップS1508において、送信装置20は、未だ計測対象となっていない照明装置を計測対象として選択する。その後、ステップS1503へ進む。
以上のように、本実施の形態に係る照明制御システム3は、照明制御システム3は、さらに、送信装置20と、複数の照明装置L1〜Lnとに、応答時間を計測させるための制御を行う制御装置40を備え、制御部201は、制御装置40による制御により計測された応答時間を用いて待機時間を決定する。
これにより、制御装置による制御に基づいて応答時間を計測し、待機時間を決定することができる。よって、照明制御システム3は、簡易な操作により、照明装置の動作変更のタイミングを適切に制御することができる。
また、制御装置40は、応答時間を計測させた場合に、計測された応答時間を表示する表示画面を備える。
これにより、照明制御システム3は、計測された応答時間をユーザにわかりやすく提示する。よって、照明制御システム3は、ユーザに対して直感的にわかりやすいインタフェースを提供することができる。
また、制御装置40は、さらに、制御部201により決定された待機時間に対するユーザによる修正を受け付ける受付部403を備え、制御部201は、受付部403が修正を受け付けた場合には、修正を施した後の待機時間を含む制御信号を生成する。
これにより、照明制御システム3は、算出した待機時間についての修正をユーザから受け付ける。よって、照明制御システム3は、ユーザに対して直感的にわかりやすいインタフェースを提供することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態において、照明制御システムにおいて、送信装置の指示に従って照明装置が動作したことを示す通知を、送信装置が受信する方法について説明する。
図16は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける点灯通知の送信方法の第一例の説明図である。図16には、送信装置20の制御部201及び無線通信部202、並びに、照明装置L1の無線通信部103及び光源制御部102が送受信する信号の流れを示している。
図16に示されるように、制御部201が照明装置L1の動作を制御するためのコマンドを生成し、無線通信部202及び無線通信部103を介して光源制御部102に送信する(ステップS1601〜S1603)。ここでは、送信されるコマンドは、光源101を点灯させるコマンドであるとして説明する。
光源制御部102は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドに従って光源101を点灯させる(ステップS1604)。
上記のようにコマンドが制御部201から光源制御部102に送られる処理の中で、無線通信部103は、コマンドを正常に受信した場合に、コマンドの送信元である無線通信部202に対して、コマンドを正常に受信したことを示すACKを送信する(ステップS1611)。無線通信部202は、無線通信部103からACKを受信したら、制御部201に対して、光源101を点灯させたことを示す点灯通知を送信する(ステップS1612)。そして、制御部201は、ステップS1612で受信した点灯通知を受信する。
このようにして、送信装置20(制御部201)は、送信したコマンドに従って照明装置L1を動作させたことを知ることができる。
図17は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける点灯通知の送信方法の第二例の説明図である。図17には、図16と同様に、制御部201、無線通信部202、無線通信部103及び光源制御部102が送受信する信号の流れを示している。
図17に示されるように、制御部201が光源の動作を制御するためのコマンドを生成し、無線通信部202、無線通信部103を介して光源制御部102に送信する(ステップS1701〜S1607)。光源制御部102は、当該コマンドを受信すると、当該コマンドに従って光源101を点灯させる(ステップS1704)。
次に、光源制御部102は、実際に光源101が点灯したか否かを判定する(ステップS1705)。光源制御部102は、実際に光源101が点灯したと判定した場合に、光源101を点灯させたことを示す点灯通知を、無線通信部103及び無線通信部202を介して制御部201に送信する(ステップS1711〜S1713)。なお、光源101が点灯したか否かを光源制御部102が判定する方法については、後で詳しく説明する。
制御部201は、ステップS1713で受信した点灯通知を受信する。
このようにして、送信装置20(制御部201)は、送信したコマンドに従って照明装置L1を動作させたことを知ることができる。図17に示される方法によれば、制御部201は、実際に光源制御部102が光源101を点灯させたことに起因する点灯通知を受信するので、より正確に光源101の点灯タイミングの制御を行うことができる。
図18は、本実施の形態に係る照明装置の回路図である。図18は、特に、光源制御部102及び光源101の詳細な構成を示す回路図である。図18を参照しながら、光源101が点灯したか否かの判定方法について説明する。
光源制御部102は、ダイオードブリッジDB1と、スイッチング素子Q1、トランスT1、ダイオードD1及びコンデンサC1を含む昇圧回路と、スイッチング素子Q2、チョークコイルL1及びダイオードD2を含む降圧回路を備える。光源制御部102の出力端に光源101であるLED1が接続される。
昇圧回路及び降圧回路のそれぞれは、制御回路1801により制御される。
制御回路1801は、無線通信部103と接続され、無線通信部103を通じて情報を送受信する。
送信装置20から照明装置L1へ点灯制御信号が送信されると、光源制御部102の制御回路が当該点灯制御信号を受信し、制御回路がスイッチング素子Q1及びQ2を制御して光源101の点灯制御を行う。そして、制御回路が、コンデンサC1の電圧と、抵抗R2の電圧とを検出し、抵抗R2の電圧から降圧回路を流れる電流を検出する。そして、コンデンサC1の電圧と、降圧回路を流れる電流とを用いて、光源LED1が点灯したか否かが判定される。
以上のように、本実施の形態に係る照明制御システムは、制御部201は、制御信号を無線送信した対象の照明装置により、照明装置が備える光源101が点灯したと判定された場合に送信される応答信号を受信することで、待機時間を決定する。
これにより、照明制御システムは、具体的に、光源制御部102における電圧に基づいて光源101(光源LED1)が点灯したことを検出することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態において、ユーザに対する視覚的な演出効果がより高い照明制御システムについて説明する。本実施の形態に係る照明制御システムは、複数の照明装置により空間が照明される態様に対応する「あかりシーン」を有し、「あかりシーン」に対応した演出効果を発揮する。
「あかりシーン」は、具体的には、複数の照明装置の発光強度又は発光色に関する情報(言い替えれば、調光又は調色に関する情報)をまとめた設定情報である。「あかりシーン」は、例えば、照明装置の発光色を昼白色とする「目覚めのシーン」、電球色とする「くつろぎのシーン」、又は、照明装置の直下を比較的明るく照明する「勉強のシーン」などがある。
さらに、「あかりシーン」は、複数の照明装置を点灯させる際の点灯タイミングに関する情報を含む設定情報である。複数の照明装置の点灯タイミングを意図的にずらすことにより、空間の演出に立体感やスピード感をもたせることが可能となる。以降、「あかりシーン」のことを単に「シーン」ともいう。
図19Aは、本実施の形態に係る照明制御システム4の構成図である。照明制御システム4は、送信装置22が制御部201Aを備える点と、制御装置41を備える点で、実施の形態2の図4で示した照明制御システム2と異なる。以下、照明制御システム2と異なる点について詳細に説明する。
送信装置22は、送信装置20と同様に、照明装置L1〜Lnのそれぞれの応答時間を、それぞれ、t1〜tnとして測定する。そして、送信装置22は、測定した応答時間から無線待機時間を算出する。なお、上記「無線待機時間」は、実施の形態2における待機時間に相当する。
制御装置41は、照明装置L1〜Lnのそれぞれの点灯又は消灯の動作の制御を行う。制御装置41は、制御部401Aを備える点で実施の形態4における制御装置40と異なる。
図19Bは、本実施の形態に係る照明制御システムにおける無線待機時間の説明図である。無線待機時間は、図9における待機時間と同じである。照明装置L1〜Lnのそれぞれの無線待機時間を、W1〜Wnともいう。
図20Aは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第一例を示す説明図である。図20Bは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第二例を示す説明図である。図20Cは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第三例を示す説明図である。図20Dは、本実施の形態に係る制御装置の表示画像の第四例を示す説明図である。
図20Aに示される表示画像2010は、送信装置22及び複数の照明装置L1〜Lnに応答時間の計測をさせるための表示画像である。
表示画像1410は、応答時間の計測のためのボタン2011と、シーン待機時間の設定のためのボタン2012と、待機時間の確認のためのボタン2013とを含む。
ボタン2011が押下されると、制御部401Aは、実施の形態2で説明した応答時間の計測を行うことを、送信装置20に指示する。また、表示部402は、表示する画像を、表示画像2020に変更する。
また、ボタン2012が押下されると、制御部401Aは、現時点で設定されているシーンについて、照明装置L1〜Lnのそれぞれのシーン待機時間を表示画像2030としてユーザに提示する。ここで、シーン待機時間とは、シーンを実現するために各照明装置が動作するのを待機する時間を示す。このとき、表示部402は、表示する画像を、表示画像2030に変更する。なお、シーン待機時間のことを、演出用待機時間ともいう。
また、ボタン2013が押下されると、制御部401Aは、その時点で算出されている待機時間をユーザに提示する。このとき、表示部402は、表示する画像を、表示画像2040に変更する。
図20Bに示される表示画像2020は、図14Bに示される表示画像1420と同じであるので詳細な説明を省略する。
図20Cに示される表示画像2030は、照明装置L1〜Lnのそれぞれについて設定れたシーン待機時間2031を示す画像である。このシーン待機時間は、ユーザにより予め設定された値である。
図20Dに示される表示画像2040は、図14Cに示される表示画像1430と同じであるので詳細な説明を省略する。
図21は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。
図21に示されるように、照明装置L1〜Lnのそれぞれについて、待機時間は、無線待機時間とシーン待機時間との和として算出される。光源制御部102は、無線通信部103からコマンドを受信してから、無線待機時間とシーン待機時間とが経過するまでの期間の後に、光源を点灯させる。
このようにして、複数の照明装置L1〜Lnに対して順次コマンドを送ることで、各照明装置の点灯タイミングを調整し、あかりシーンを実現することができる。
以上のように、本実施の形態に係る照明制御システム4は、制御部201は、待機時間に、複数の照明装置L1〜Lnを用いた空間演出のために光源101の動作を開始するまでの時間である演出用待機時間を加えた時間を、新たな待機時間として含む制御信号を生成する。
これにより、演出用待機時間を加味した待機時間を用いることで、複数の照明装置L1〜Lnにより高い演出効果を発揮することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態において、複数の照明装置をグループ化し、グループ化されたグループ単位で動作のタイミングを制御することで、より高い演出効果を発揮する照明制御システムについて説明する。
図22は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける照明装置のグループ化の説明図である。
図22は、8個の照明装置L1〜L8(図中、それぞれ、単に1〜8と表記)が設置された部屋を上から見た場合の図である。上記8個の照明装置は、3個のグループG1〜G3のいずれかに所属する。
照明装置L1、L2、L5及びL6は、グループG1に所属している。これらの照明装置は、部屋の中央部に配置されたテーブルを照明する位置に設置されている。
照明装置L3及びL8は、グループG2に所属している。これらの照明装置は、テレビの背面の壁を照明する位置に設置されている。
照明装置L4及びL7は、グループG3に所属している。これらの照明装置は、ソファの背面の壁を照明する位置に設置されている。
図23Aは、本実施の形態に係る照明制御システムにおける無線待機時間の説明図である。
図23Aは、照明装置L1〜L8のそれぞれについて、無線通信に起因する待機時間である無線待機時間を示している。照明装置L1の無線待機時間はW1であり、照明装置L1からL8に進むにつれて無線待機時間が減少する。最後にコマンドを送信する対象である照明装置L8の無線待機時間W8は0である。ここで、図23Aに示される無線待機時間は、実施の形態2の図6で説明した待機時間と同様のものである。
図23Bは、本実施の形態に係る照明制御システムにおけるグループ毎の点灯タイミングの説明図である。図23Bは、予め定められた、演出すべきシーンのための照明装置の点灯タイミングを示す。図23Bに示されるように、最初にグループG2に所属する照明装置が点灯され、グループG2に所属する照明装置が点灯してから時間S1後にグループG1に所属する照明装置が点灯され、同じく時間S2後にグループG3に所属する照明装置が点灯する。
図24は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。図24には、上記のようなシーンを生成するための待機時間が示されている。図24に示される待機時間を受信した照明装置は、コマンドを受信してから待機時間が経過するまでの期間に光源101の動作を維持し、その期間の経過後にコマンド内に記載された動作を実行する。
図24に示した待機時間を、送信先のID情報等のヘッダーと、照明を制御するためのパラメータ情報と共に照明器具に送信することで、図7に示した点灯タイミングで点灯し、所望の空間照明の演出を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る照明制御システム4は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれは、空間演出のためのグループに所属し、制御部201は、複数の照明装置L1〜Lnのそれぞれに対し、当該照明装置が所属するグループごとに定められた演出用待機時間を加えることで制御信号を生成する。
これにより、照明制御システム4は、グループ単位に演出用待機時間を設定することができる。そして、グループに含まれる照明装置ごとに、実質的に同時に動作させることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態において、照明装置が点灯するタイミングを、より適切に制御する照明制御システムについて説明する。
まず、上記の実施の形態に係る照明制御システムにおいて発生する点灯遅延時間について説明する。
図25は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける点灯遅延時間の説明図である。図26は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける遅延補正の説明図である。なお、ここでは、照明制御システムが3個の照明装置を備える場合を例として説明する。
まず、照明装置L1〜L3のそれぞれは、固有のハードウェアを備えるので、LEDに同一の電圧を印加しようとする場合でもハードウェア的な個体差によりLED両端電圧V_LED(以降、単にV_LEDともいう)の上昇速度が互いに異なる。
そこで、V_LEDの上昇速度の違いを小さくするために、V_LEDの変化を一旦停止させる技術がある。具体的には、図25に示されるように、照明装置L1等がコマンドを受信し、光源101を点灯させる場合には、まず、LEDが点灯しない最大電圧であるVf_offまで、V_LEDを上昇させる。そして、適切な時間が経過した後に、LEDが点灯する電圧であるVf_onまでV_LEDを上昇させる。このようにすることで異なる照明装置間の、V_LEDの上昇速度の差を小さくすることができる。
また、実施の形態2で説明したように、送信装置20から照明装置L1〜L3のそれぞれに対してコマンドを順次送信する場合、最初にコマンドを受信する照明装置と、最後にコマンドを受信する照明装置との間に時間差(図8における「点灯遅延時間」)が生じる。
上記点灯遅延時間を小さくするために、実施の形態2で説明したように、照明装置L1〜L3の光源制御部102は、送信装置20から待機時間を受信した場合には、受信した待機時間を経過した後に、送信装置20から受信したコマンドに従って光源101を動作させる。このようにすることで、点灯遅延時間を小さくすることができ、その結果、照明装置L1〜L3が点灯する時間差を小さくすることができる(図26)。なお、図26において、待機時間はTd1〜Td3として示されており、実施の形態2における(tn−t1)等のことである。
図27は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける遅延補正処理のフロー図である。
ステップS2701において、無線通信部103は、光源101の動作を制御するためのコマンドを取得したか否かを判定する。ステップS2701においてコマンドを取得した場合には、ステップS2702へ進む。一方、ステップS2701においてコマンドを取得しなかった場合には、再びステップS2701を実行する。
ステップS2702において、光源制御部102は、待機時間を算出するとともに、調光レベルを設定する。
ステップS2703において、光源制御部102は、待機時間及び充電時間の終了を検出するためのカウントを開始する。カウントは、例えば、一定時間ごとにカウンタを加算することにより実現される。
ステップS2704において、光源制御部102は、待機時間が終了したか否かを判定する。カウンタが加算されることによりカウントが行われている場合には、カウンタが所定値を上回ったか否かにより待機時間が終了したか否かが判定される。
待機時間が終了したと判定された場合には、ステップS2705に進む。一方、未だ待機時間が終了していないと判定された場合には、再びステップS2704を実行する。
ステップS2705において、光源制御部102は、電源回路を駆動するための駆動信号を出力する。これにより、V_LEDが上昇し始める。
ステップS2706において、光源制御部102は、V_LEDがVf_off以上であるか否かを判定する。
V_LEDがVf_off以上であると判定された場合、ステップS2707へ進む。一方、V_LEDがVf_off未満であると判定された場合には、再びステップS2706を実行する。つまり、光源制御部102は、V_LEDがVf_off以上になるまで、V_LEDを上昇させる。
ステップS2707において、光源制御部102は、電源回路を駆動するための駆動信号として、最小のDuty幅を有する信号を出力する。
ステップS2708において、光源制御部102は、充電時間が終了したか終了したか否かを判定する。カウンタが加算されることによりカウントが行われている場合には、カウンタが所定値を上回ったか否かにより待機時間が終了したか否かが判定される。
充電時間が終了したと判定された場合には、図27に示される処理を終了する。一方、未だ充電時間が終了していないと判定された場合には、再びステップS2707を実行する。
以上のように、本実施の形態における照明制御システムは、最初にコマンドを受信する照明装置と、最後にコマンドを受信する照明装置との間に発生する時間差を小さくすることができる。
(実施の形態8の変形例)
次に、上記で説明した待機時間において、光源101の動作を制御するための待機を行うとともに、実施の形態8で説明したV_LEDをVf_offに維持することも行う照明制御システムについて説明する。
図28は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける待機時間の説明図である。
図28に示されるように、光源制御部102は、コマンドを受信するとすぐにV_LEDを上昇させることを開始し、V_LEDをVf_offまで上昇させる。その後、光源制御部102は、V_LEDをVf_offで維持する。そして、待機時間が経過した後に、V_LEDをVf_onまで上昇させる。このようにすると、照明装置L1〜L3のそれぞれにおいて、待機時間の中でV_LEDをV_OFFに維持することまで行うことができ、実施の形態8で説明した待機時間と充電時間との合計よりも短い時間とすることができる。
図29は、本実施の形態に係る照明制御システムにおける遅延補正処理のフロー図である。
図29のフロー図において、図27のフロー図と異なる点は、待機時間が終了したことを判定する箇所が異なることである。
図27のフロー図では、ステップS2704において光源制御部102が待機時間が終了したか否かを判定していた。そして、待機時間が終了した後に、V_LEDをVf_Offまで上昇させる制御が行われた。
一方、図29のフロー図では、図27のステップS2704に相当する箇所で待機時間の終了の判定を行わない。ここで待機時間の判定を行わないで、電源回路を駆動するための信号の出力を開始する(ステップS2705)。
また、ステップS2708の後、光源制御部102は、待機時間が終了したか否かを判定する(ステップS2901)。そして、待機時間が終了したと判定された場合には、図29に示される一連の処理を終了する。
以上のように、本変形例に係る照明制御システムは、制御部201は、制御信号を無線送信した対象の照明装置において、当該照明装置が備える光源101に印加される電圧が、当該光源101が点灯しない所定の電圧になったときに送信される応答信号を受信することで、待機時間を決定する。
これにより、照明制御システムは、待機時間の一部の時間を充電時間として用いることができるので、待機時間を、実施の形態8(図27)における待機時間と充電時間の合計値より短くすることができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明制御システムについて、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
なお、上記実施の形態に係る包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体の任意の組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。