JP2016057210A - 試料高さ検出装置およびパターン検査システム - Google Patents

試料高さ検出装置およびパターン検査システム Download PDF

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Abstract

【課題】試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても検出精度の低下が起こり難いスリット投影型の試料高さ検出装置を提供する。【解決手段】スリット開口部OP1を通過した照明光、つまりスリット開口部OP1の像を対物レンズ17で試料Sに縮小投影するにあたり、スリット開口部OP1の平面形状を1つの長方形によって規定される形状、または複数の長方形を平面上で重ね合わせることによって規定される形状にし、かつ、照明光学系10によるスリット開口部OP1の像の縮小倍率をM[倍]、対物レンズ17の開口数をNA、照明光学系10に入射する照明光の波長をλ[nm]としたときに、上記長方形の短辺の長さをMλ/(2NA)以下にする。【選択図】図1

Description

本発明は、試料にスリット開口部の像を縮小投影して、試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係を検出する試料高さ検出装置、および当該試料高さ検出装置を具備したパターン検査システムに関する。
半導体素子等では、回路パターンの線幅が100nmオーダにまで微細化されるに至っている。回路パターンの微細化に伴い、当該回路パターンをリソグラフィー法等によってウェハ等の基板に形成する際に使用する原画パターン(マスクまたはレクチルを指す。以下、マスクと総称する。)も微細化している。微細な回路パターンを基板上に歩留まりよく形成するうえからは、高精細なマスクを使用することが望まれる。
このため、マスク等の試料に形成されている微細パターンを高精度で検査することが可能なパターン検査システムの開発が進められている。また、当該パターン検査システムによる検査に先だって試料にスリット開口部の像を縮小投影して、当該試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係を高精度で検出することが可能な、スリット投影型の試料高さ検出装置の開発も進められている。
微細な回路パターンを基板に形成する際に使用するマスク等では、線状の開口部と線状の非開口部とが交互に繰り返し配置された領域が比較的広範囲に亘って形成されている。この領域(以下、周期パターン領域という。)に光を照射したとき、当該周期パターン領域からの反射光には0次回折光の他に+1次回折光と−1次回折光(以下、1次回折光と総称する。)とが含まれる。このときの1次回折光の回折角は、照射する光の波長と周期パターン領域での開口部および非開口部のピッチで決まり、波長を短くすると回折角は狭くなり、周期パターン領域での開口部および非開口部がそれぞれ細線化すればするほど回折角は広がる。そして、1次回折光の回折角が広がれば広がるほど、試料に縮小投影されたスリット開口部の像を検出するための反射光束に光量分布の不均一性が生じるとともに、光量も低下し、試料高さ検出装置の検出精度が低下し易い。
回折光の影響による検出誤差を低減したスリット投影型の試料高さ検出装置としては、例えば特許文献1に記載された高さ検出装置が知られている。この高さ検出装置では、長方形の開口部が形成された照明スリットを介して試料面(対象物面)に照明光を照射し、当該試料面からの反射光を結像する光学系での結像点の前後に配置された特定形状の2つの検出スリット、すなわち長方形の短手方向が照明スリット像の短手方向より短く、長手方向が照明スリット像の長手方向より長い2つの検出スリットそれぞれの通過光量を個別に検出して、試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係を演算する。
特開2008−233342号公報
回路パターンの微細化は今後も進展するものと予想される。また、回路パターンの微細化の進展に伴って、回路パターンをリソグラフィー法等によって形成する際に使用されるマスクにおいても、周期パターン領域での開口部および非開口部それぞれの細線化が進展するものと予想される。
周期パターン領域の開口部および非開口部それぞれの細線化が更に進展した場合、当該周期パターン領域にスリット開口部の像を縮小投影したときに生じる1次回折光の回折角が更に広くなることから、試料面からの反射光を結像する光学系での結像点の前後に配置されるスリットの形状を特許文献1に記載された高さ検出装置におけるような特定形状に選定しても、各検出スリットを通過する光束での光量分布の均一性が低下し、各検出スリットを通過する光量自体が低下する。これらの結果として、所望の検出精度を確保することが困難になる。
本発明の目的は、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても、試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係の検出精度の低下が起こり難いスリット投影型の試料高さ検出装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても、試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係の検査精度の低下が起こり難いパターン検査システムを提供することにある。
本発明の第1の態様の試料高さ検出装置は、スリット開口部の像を対物レンズで試料に縮小投影する照明光学系と、前記試料に前記スリット開口部の像を縮小投影したときに該試料で生じる反射光を結像レンズで集束させる結像光学系と、前記結像レンズで集束された光束を2つに分割し、該2つの光束のうちの一方の光束は該光束の結像点よりも前記結像レンズに近い側に配置した前側検出スリットの開口部を通過させ、前記2つの光束のうちの他方の光束は該光束の結像点よりも前記結像レンズから離れる側に配置した後側検出スリットの開口部を通過させる検出光学系と、前記前側検出スリットの開口部を通過した光束の光量を測定する前側光量センサと、前記後側検査スリットの開口部を通過した光束の光量を測定する後側光量センサとを備え、
前記スリット開口部は、1つの長方形によって、または複数の長方形を平面上で重ね合わせることによって平面形状が規定される開口部を少なくとも1つ含み、前記長方形の短辺の長さは、前記照明光学系による前記スリット開口部の像の縮小倍率をM[倍]、前記対物レンズの開口数をNA、前記照明光学系に入射する照明光の波長をλ[nm]としたときに、Mλ/(2NA)以下であることを特徴とする。
上記第1の態様の試料高さ検出装置では、前記前側検出スリットおよび前記後側検出スリットの各々における開口部は、前記スリット開口部と平面視上合同であることが好ましい。
上記第1の態様の試料高さ検出装置では、前記試料に前記スリット開口部の像を縮小投影したときの前記前側光量センサの測定値と前記後側光量センサの測定値とに基づいて、前記試料の高さ方向における前記スリット開口部の像の結像位置と前記試料の試料面との相対的な位置関係を演算する演算回路を更に備えることができる。
上記第1の態様の試料高さ検出装置では、前記照明光学系に前記照明光として遠紫外線を入射させる人工光源を更に備えることができる。
本発明の第2の態様のパターン検査システムは、
微細パターンが形成された試料に照明光を照射して該試料の光学画像データを得、該光学画像データと検査基準データとに基づいて前記微細パターンの良否を検査するパターン検査システムであって、
上記第1の態様の試料高さ検出装置と、
前記試料が配置される精密ステージと、
前記照明光学系に前記照明光を入射させる人工光源と、
前記前側光量センサの測定値と前記後側光量センサの測定値とに基づいて、前記試料の高さ方向における前記スリット開口部の像の結像位置と前記精密ステージに配置された前記試料の試料面との相対的な位置関係を演算する演算回路と、
前記演算回路の演算結果に基づいて前記精密ステージを駆動させるステージ制御装置とを備えることを特徴とする。
本発明の試料高さ検出装置では、照明光学系の対物レンズの結像点に試料面が位置しているときには、当該試料面に縮小投影されるスリット開口部の像の幅、すなわちスリット開口部の平面形状を規定する長方形での短辺に対応する箇所の幅が、照明光学系の回折限界(λ/2NA)以下となる。このため、照明光学系の回折限界以下の線幅の開口部と非開口部とが試料の試料面側に周期的に形成されていたとしても、試料面が対物レンズの結像点に位置しているときには、試料面での1次回折光の発生自体が低く抑えられる。
このため、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても、試料面がスリット開口部の像の結像位置にあるのか、結像位置よりも手前にあるのか、あるいは結像位置よりも遠方にあるのかを、前側光量センサの測定値と後側光量センサの測定値とに基づいて判定することが容易になり、試料の相対的な高さの検出精度、すなわち試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係の検出精度の低下が抑えられる。本発明の試料高さ検出装置では、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても検出精度の低下が起こり難い。
本発明のパターン検査システムは、本発明の試料高さ検出装置を備えているので、試料に形成されている微細パターンの検査に先だって当該試料を照明光学系の対物レンズの結像点に位置させるときに、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても試料の相対的な高さの検出精度、すなわち試料の高さ方向におけるスリット開口部の像の結像位置と試料面との相対的な位置関係の検出精度の低下を抑えることができる。結果として、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても、試料高さ検出装置からの照明光の結像点が試料面にある状態で試料を撮像することが容易になる。本発明のパターン検査システムでは、試料面で生じる1次回折光の回折角が広くなっても検査精度の低下が起こり難い。
実施の形態1の試料高さ検出装置を示す模式図である。 図1に示した試料高さ検出装置の照明光学系を構成するスリット開口部の平面形状を示す平面図である。 スリット開口部の像の縮小投影時に試料面で発生する反射光の点像強度分布関数の一例を示すグラフである。 実施の形態2の試料高さ検出装置を示す模式図である。 実施の形態3の試料高さ検出装置を示す模式図である。 実施の形態4のパターン検査システムを概略的に示す構成図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、試料高さ検出装置の照明光学系を構成するスリット開口部の平面形状の一例を示す平面図である。
実施の形態1.
図1は、試料の相対的な高さを検出する試料高さ検出装置の一例を示す模式図である。この試料高さ検出装置1は、照明光学系10と、結像光学系20と、検出光学系25と、前側光量センサ30と、後側光量センサ40とを備える。試料高さ検出装置1の機能を分かり易く説明するために、図1には試料S、人工光源50、および演算回路60を併記している。試料Sは試料高さ検出装置1の構成要素ではなく、人工光源50および演算回路60は試料高さ検出装置1の任意構成要素である。以下、試料高さ検出装置1の各構成要素について説明する。
照明光学系10は、人工光源50から出射して当該照明光学系10に入射した直線偏光の照明光を第1レンズ11と第2レンズ12とで平行光束に変換し、この平行光束によって照明スリット13のスリット開口部OP1を照明する。そして、スリット開口部OP1を通過した照明光によって形成されるスリット開口部OP1の像を、第3レンズ14、偏光ビームスプリッタ15、およびλ/4板16を経て対物レンズ17に入射させ、当該対物レンズ17で集束させて、試料Sの試料面PSに縮小投影する。
この照明光学系10では、偏光ビームスプリッタ15とλ/4板16とによって照明光を円偏光に変換する。円偏光を対物レンズ17で集束させて試料Sに照射すると、試料面PSで生じた反射光の多くが対物レンズ17に入射する。図1においては、照明光学系10の光軸OA1を一点鎖線で表している。
一方、結像光学系20は、試料面PSで生じた反射光のうちで対物レンズ17に入射した反射光を当該対物レンズ17で略平行な光束に変換してからλ/4板16に入射させ、λ/4板16を透過した反射光のうちで偏光ビームスプリッタ15を透過した反射光を結像レンズ21で集束させる。なお、対物レンズ17、λ/4板16、および偏光ビームスプリッタ15は、照明光学系10を構成する光学素子であると同時に結像光学系20を構成する光学素子でもある。図1においては、結像光学系の光軸OA2を二点鎖線で表している。
検出光学系25は、結像レンズ21で集束させた反射光をハーフミラー26で2つの光束に分割し、一方の光束はその結像点よりも結像レンズ21に近い側(ハーフミラー26側)に配置した前側検出スリット27の開口部OP2を通過させ、他方の光束は当該光束の結像点よりも結像レンズ21から離れる側(ハーフミラー26から離れる側)に配置した後側検出スリット28の開口部OP3を通過させる。前側検出スリット27の開口部OP2および後側検出スリット28の開口部OP3の各々は、平面視上、照明スリット13のスリット開口部OP1と合同である。図1においては、検出光学系25における2つの光軸OA3a,OA3bの各々を破線で表している。
前側光量センサ30は、前側検出スリット27の開口部OP2を通過した光束の光量を測定する。後側光量センサ40は、後側検出スリット28の開口部OP3を通過した光束の光量を測定する。これら前側光量センサ30および後側光量センサ40の各々としては、例えばPD(フォトディテクター)、PM(パワーメータ―)、PMT(光電子増倍管)等が用いられる。CCD型またはCMOS型の固体撮像素子を光量センサとして用いることも可能である。
試料高さ検出装置1の任意構成要素である人工光源50および演算回路60は、当該試料高さ検出装置1の構成要素とすることもできるし、当該試料高さ検出装置1の後付け部品とすることもできるし、当該試料高さ検出装置1を含んだシステム、例えばパターン検査システムの構成要素とすることもできる。
人工光源50としては、例えば半導体レーザ発振器やレーザ発振装置を用いることができる。試料Sに周期パターン領域が形成されており、かつ当該周期パターン領域での開口部および非開口部それぞれの幅が100nmオーダであるときには、遠紫外線を出射する光源を人工光源50として用いることができる。
演算回路60は、前側光量センサ30の測定値と後側光量センサ40の測定値とに基づいて、試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの
相対的な位置関係を演算する。具体的には、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあるのか、結像位置よりも手前(対物レンズ17側)にあるのか、あるいは結像位置よりも遠方(対物レンズ17から離れる側)にあるのかを演算する。前側光量センサ30の測定値がAで、後側光量センサ40の測定値がBであるとき、試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの相対的なズレ量Zは、下式(1)の演算により求めることができる。
Figure 2016057210
試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあるときには、上記のズレ量Zが0(ゼロ)または実質的に0(ゼロ)になる。試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置よりも手前(対物レンズ17側)にある所謂「後ピン」のときには、上記のズレ量Zが正の値になる。そして、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置よりも遠方(対物レンズ17から離れる側)にある所謂「前ピン」のときには、上記のズレ量Zが負の値になる。
上述の各構成要素によって構成することができる試料高さ検出装置1では、照明スリット13のスリット開口部OP1の平面形状および大きさが特定の形状および大きさに選定されている。以下、図2を参照して、照明スリット13でのスリット開口部OP1の平面形状および大きさについて説明する。
図2は、照明スリット13でのスリット開口部OP1の平面形状を示す平面図である。同図に示すように、照明スリット13のスリット開口部OP1の平面形状は、互いに合同な2つの長方形を平面上で互いに90°ずらせて重ね合わせることにより規定される十文字形であり、各長方形の短辺の長さL1は、照明光学系10によるスリット開口部OP1の像の縮小倍率をM[倍]、対物レンズ17の開口数をNA、照明光学系10に入射する照明光の波長をλ[nm]としたときに、Mλ/(2NA)以下に選定されている。各長方形の長辺の長さL2はMλ/(2NA)より大きく、当該L2の値については適宜選定可能である。
なお、本明細書でいう縮小倍率の値「M」は1よりも大きな数値であり、M[倍]の縮小倍率でスリット開口部の像を試料に縮小投影するとは、スリット開口部の像の大きさがスリット開口部の大きさの1/Mになるように試料に投影することを意味する。
スリット開口部OP1の平面形状および大きさを上述のように選定すると、照明光学系10によって試料面PSに縮小投影されるスリット開口部OP1の像では、スリット開口部OP1の平面形状を規定している長方形の短辺に対応する箇所の幅が、照明光学系10の回折限界(λ/2NA)以下となる。このため、照明光学系10の回折限界以下の線幅の開口部と非開口部とが交互に繰り返し配置された周期パターン領域が試料Sの試料面PS側に形成されていたとしても、当該試料面PSが対物レンズ17の結像点に位置しているときには、スリット開口部OP1の像の縮小投影時における試料面PSでの1次回折光の発生自体を低く抑えることが容易になる。試料面PSに縮小投影されるスリット開口部OP1の像の幅と、スリット開口部OP1の像の縮小投影時における試料面PSでの1次回折光の発生との関係について、図3を用いて更に説明する。
図3は、スリット開口部の像の縮小投影時に試料面で発生する反射光の点像強度分布関数の一例を示すグラフである。このグラフは、幅140nmの開口部と幅140nmの非開口部とが互いに平行に、かつ交互に形成されている試料に、当該試料での1つの開口部にのみ長方形状のスリット開口部の像が対物レンズを介して縮小投影されたときの点像強度分布関数のシミュレーション結果の一例を示している。
図3から明らかなように、実質的に1つの開口部にのみスリット開口部の像が縮小投影された場合には、当該開口部の底面からの1次回折光の発生が抑えられるので、この開口部上では点像強度が比較的高い。1次回折光は,当該開口部の左側に隣接する非開口部および右側に隣接する非開口部の計2つの非開口部からしか実質的に生じず、スリット開口部の像が縮小投影された開口部からの変位量が大きくなるに従って点像強度が低減する。実質的に1つの非開口部にのみスリット開口部の像が縮小投影された場合も同様である。
照明スリット13のスリット開口部OP1の平面形状および大きさを上述のように選定している試料高さ検出装置1では、スリット開口部OP1の平面形状を規定している2つの長方形のうちの一方の長方形を通過した照明光を、試料Sの周期パターン領域中の1つの開口部、1つの開口部とその周辺の極狭い領域、1つの非開口部、または1つの非開口部とその周辺の極狭い領域に照射して、1次回折光の発生自体を低く抑えることが可能になる。スリット開口部OP1の平面形状を規定している2つの長方形のうちの他方の長方形を通過した照明光は、1つの開口部と当該開口部に隣接する1つの非開口部とを少なくとも照射することになるので、当該照明光が照射された領域で1次回折光の発生自体を低く抑えることは困難であるが、当該照明光の照射によって回折角が比較的狭い(小さい)1次回折光も生じて対物レンズ17に入射するので、前側光量センサ30および後側光量センサ40それぞれへの入射光量の確保に寄与する。
これらの理由から、前側光量センサ30および後側光量センサ40の各々では、十文字形のスリット開口部の平面形状を規定している長方形の短辺の長さがMλ/(2NA)よりも大きいスリット開口部を用いた場合に比べて、入射光束での光量分布の不均一化および入射光束の光量低下がそれぞれ抑えられる。結果として、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあるのか、結像位置よりも手前にあるのか、あるいは結像位置よりも遠方にあるのかを、前側光量センサ30の測定値と後側光量センサ40の測定値とに基づいた演算回路60の演算結果から判定することが容易になって、試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの相対的な位置関係の検出精度を高めることができる。試料高さ検出装置1では、試料面PSで生じる1次回折光の回折角が広くなっても検出精度の低下が起こり難い。
実施の形態2.
図4は、本実施の形態の試料高さ検出装置を示す模式図である。この試料高さ検出装置1Aは、図1に示した照明光学系10に代えて照明光学系10Aを備えるという点を除き、図1に示した試料高さ検出装置1と同じ構成を有している。そして、照明光学系10Aは、第2レンズ12と照明スリット13との間に集光素子CEが配置されているという点を除き、図1に示した照明光学系10と同じ構成を有している。図4に示した構成要素のうちで図1に示した構成要素と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
照明光学系10Aを構成する集光素子CEは、第2レンズ12を透過して平行光束となった照明光を集光して、照明スリット13のスリット開口部OP1およびその近傍に集める。この集光素子CEを設けることにより、試料面PSに縮小投影されるスリット開口部OP1の像をより明るくすることが可能になる。
実施の形態3.
図5は、本実施の形態の試料高さ検出装置を示す模式図である。この試料高さ検出装置1Bは、図1に示した照明光学系10に代えて照明光学系10Bを備えるとともに、検出光学系25に代えて検出光学系25Aを備えるという点を除き、図1に示した試料高さ検出装置1と同じ構成を有している。
照明光学系10Bは、第1レンズ11の手前にダイクロイックミラー18を有する。このダイクロイックミラー18は、スリット開口部OP1の像を試料面PSに縮小投影するための光源である人工光源50から照明光学系10Bに入射した照明光は反射させ、試料面PSの光学画像を撮影する際に試料面PSを照明するための光源である人工光源55から照明光学系10Bに入射した撮像照明光は透過させる。
人工光源50と人工光源55とは、互いに異なる波長の光を出射する。人工光源50から照明光学系10Bに入射した照明光の光路P1は照明光学系10Bの光軸から外れており、人工光源55から照明光学系10Bに入射した撮像照明光の光路P2は照明光学系10Bの光軸と重なっている。図5においては、光路P1を一点鎖線で表しており、光路P2を二点鎖線で表している。なお、人工光源55は、人工光源50と同様に、試料高さ検出装置1Bの任意構成要素である。
また、照明光学系10Bは、図1に示した照明スリット13に代えて照明スリット13aを有する。この照明スリット13aは、図1に示したスリット開口部OP1に加えて、スリット開口部OP1よりも大形で平面形状が四角形の撮像照明光用開口部OPLを有する。スリット開口部OP1は照明光学系10Bの光軸から外れて配置されおり、撮像照明光用開口部OPLは照明光学系10Bの光軸が当該撮像照明光用開口部OPLの中心を通ることになる位置に配置されている。スリット開口部OP1と撮像照明光用開口部OPLとの間隔の値を適宜選定することにより、撮像照明光用開口部OPLの像が試料Sに縮小投影像されたときに生じる1次回折光に起因して試料高さ検出装置1Bの検出精度、すなわち試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの相対的な位置関係の検出精度が低下してしまうのを抑制することが可能である。
一方、検出光学系25Aは、ハーフミラー26よりも結像レンズ21側にダイクロイックミラー29を有する。このダイクロイックミラー29は、人工光源50から出射して検出光学系25Aに達した光は透過させ、人工光源55から出射して検出光学系25Aに達した光は反射させる。検出光学系25Aの外側には、ダイクロイックミラー29で反射した反射光を受光する撮像装置70が配置される。この撮像装置70は、例えばフォトディテクタアレイを用いて構成することができる。なお、撮像装置70は試料高さ検出装置1Bの任意構成要素である。
上述した各構成要素を有する試料高さ検出装置1Bは、図1に示した試料高さ検出装置1における理由と同じ理由から、試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの相対的な位置関係の検出精度を高めることができる。試料高さ検出装置1Bでは、試料面PSで生じる1次回折光の回折角が広くなっても検出精度の低下が起こり難い。
実施の形態4.
図6は、本実施の形態のパターン検査システムを概略的に示す構成図である。このパターン検査システム100は、微細パターンが形成されている試料Sに照明光を照射して当該試料Sの光学画像データを得、当該光学画像データと検査基準データとに基づいてダイ・トゥ・データベース方式により上記の微細パターンの良否を検査する。
この検査を行うために、パターン検査システム100は、図5に示した試料高さ検出装置1B、人工光源50、人工光源55、演算回路60、および撮像装置70と、微細パターンが形成されている試料Sが載置される精密ステージ101と、精密ステージ101上への試料Sの載置および精密ステージ101上からの試料Sの搬出を行うオートローダ102と、精密ステージ101の2次元方向変位量を検出するためのレーザ測長器103とを備える。更には、演算・制御装置110、入力装置120、表示装置121、プリンタ122、および送受信処理装置123を備える。以下、パターン検査システム100の各構成要素について説明する。ただし、試料高さ検出装置1B、人工光源50、人工光源55、演算回路60、および撮像装置70の各々については実施の形態1または実施の形態3で既に説明したので、ここではその説明を省略する。
精密ステージ101は、X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に変位することができる3軸精密ステージであり、X軸方向に変位するためのX軸モータ101a、Y軸方向に変位するためのY軸モータ101b、およびZ軸方向に変位するためのZ軸モータ101cを有する。
オートローダ102は複数個の試料を格納することができ、演算・制御装置110からの指令に応じて試料Sを取り出して当該試料Sを精密ステージ101上の基準位置に載置する。また、オートローダ102は、演算・制御装置110からの指令に応じて、精密ステージ101上に載置されている試料Sを精密ステージ101から搬出し、格納する。
レーザ測長器103は、レーザ光を用いた光パルス法、位相差検出法、三角測量法、または光干渉法等の方法によって、精密ステージ101の2次元方向変位量、すなわちX軸方向の変位量とY軸方向の変位量を測定し、測定結果を演算・制御装置110に送る。
演算・制御装置110は、主記憶装置111、補助記憶装置112、オートローダ制御装置113、位置情報処理装置114、ステージ制御装置115、パターン検査処理装置116、演算回路60、主制御装置117、およびバス118を有し、精密ステージ101およびオートローダ102の動作を制御するとともに、試料Sに形成されている微細パターンの良否を判定する。
この演算・制御装置110を構成する主記憶装置111は、例えばハードディスク装置によって構成することができる。主記憶装置111には、演算・制御装置110の動作を管理、制御する基本ソフト等のコンピュータプログラム、試料Sの設計データ、当該設計データから2値以上の多値の画像データ(以下、設計画像データという。)を作成する際の補正条件の情報、精密ステージ101の制御プログラム、オートローダ102の制御プログラム、試料Sをオートローダ102によって精密ステージ101上に載置する際に基準となる基準位置の情報、試料Sの光学画像データを取得する際の走査条件の情報等が格納される。
補助記憶装置112は、例えば、磁気テープ、フレキシブル磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体からの情報の読出し、および当該リムーバブル記憶媒体への情報の書込みを行う駆動装置によって構成することができる。
オートローダ制御装置113は、例えば数値制御によってオートローダ102の動作を制御する。位置情報処理装置114は、主記憶装置111に格納されている基準位置の情報、すなわち試料Sをオートローダ102によって精密ステージ101上に載置する際に基準となる基準位置の情報と、レーザ測長器103の測定結果とに基づいて、試料Sの実際の位置を演算する。
ステージ制御装置115は、演算回路60の演算結果に基づいて、精密ステージ101のZ軸方向の駆動を制御する。また、ステージ制御装置115は、主記憶装置111に格納されている試料Sの設計データおよび走査条件の情報と、位置情報処理装置114の演算結果とに基づいて、精密ステージ101のX軸方向の駆動およびY軸方向の駆動を制御する。
パターン検査処理装置116は、撮像装置70の動作を制御する。また、主記憶装置111に格納されている試料Sの設計データと補正条件の情報とに基づいて設計画像データを作成し、当該設計画像データと、撮像装置70で取得した試料Sの光学画像データとを比較して、試料Sに実際に形成されている微細パターンでの欠陥の有無(異物の有無を含むものとする。)を判定する。
主制御装置117は、バス118を介して主記憶装置111、補助記憶装置112、オートローダ制御装置113、位置情報処理装置114、ステージ制御装置115、パターン検査処理装置116、および演算回路60の各々と電気的に接続されて、オートローダ制御装置113、位置情報処理装置114、ステージ制御装置115、およびパターン検査処理装置116の動作を制御する。結果として、主制御装置117は、精密ステージ101およびオートローダ102の動作を制御するとともに、試料Sに形成されている微細パターンの良否の判定を実施する。また、主制御装置117は、表示装置121、プリンタ122、および送受信処理装置123の動作も制御する。
入力装置120は、例えばキーボード、タッチパネル、操作盤等によって構成することができる。この入力装置120は、バス118に電気的に接続されて、演算・制御装置110に検査条件等の情報や指令等を入力するための装置として機能する。
表示装置121は、例えば液晶表示パネル等のフラットディスプレイによって構成することができる。この表示装置121は、情報や指令等の入力画面、検査中の試料Sの画像、および試料Sの検査結果等を表示するための装置として機能する。
プリンタ122は、バス118に電気的に接続されて、試料高さ検出装置1Bで撮像した試料Sの光学画像や、試料Sの検査結果等を紙等の媒体に印刷出力するための装置として機能する。
送受信処理装置123は、バス118に電気的に接続されるとともに、ローカルエリアネットワークやワイドエリアネットワーク等のコンピュータネットワークに接続されて、演算・制御装置110の入出力装置として機能する。
上述した各構成要素を有するパターン検査システム100では、試料Sに形成されている微細パターンの良否を検査するのに先だって、試料Sの設計データ、当該設計データから2値以上の多値の設計画像データを作成する際の補正条件の情報、試料Sをオートローダ102によって精密ステージ101上に載置する際に基準となる基準位置の情報、試料Sの光学画像データを取得する際の走査条件の情報等が補助記憶装置112、入力装置120、または送受信処理装置123を介して演算・制御装置110に入力され、主記憶装置111に格納される。以下、試料Sに設けられた1つの周期パターン領域での開口部および非開口部を検査する場合を例にとり、パターン検査装置100の動作を説明する。上記の周期パターン領域には、線状の開口部と線状の非開口部とが互いに平行に、かつ交互に繰り返し形成されているものとする。
検査開始の指令が入力装置120から入力されると、オートローダ制御装置113がオートローダ102の動作を制御して、1つの試料Sを精密ステージ101上の基準位置に載置する。以下の説明では、試料Sの周期パターン領域に形成されている各開口部および各非開口部それぞれの長手方向が精密ステージ101のX軸方向と実質的に平行になるように、試料Sが精密ステージ101上に載置されたものとする。
次いで、人工光源50および人工光源55に人為的に電源が投入されて、試料高さ検出装置1Bが試料Sへのスリット開口部OP1の像の縮小投影を開始するとともに、試料Sへの撮像照明光の照射を開始する。また、演算回路60は、試料Sとスリット開口部OP1の像の結像位置との相対的な位置関係を演算し始め、撮像装置70は試料Sの光学画像データを取得する準備を整える。更には、主記憶装置111に格納されている試料Sの設計データおよび走査条件の情報と、位置情報処理装置114の演算結果とに基づいて、ステージ制御装置115が精密ステージ101のX軸モータ101aおよびY軸モータ101bそれぞれの動作制御を開始する。
ここで、試料Sの試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にないことを示す演算結果が演算回路60によって得られたときには、ステージ制御装置115がZ軸モータ101cを制御して、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあることを示す演算結果が得られるまで精密ステージ101をZ軸に沿った正方向および負方向にサーボ駆動させる。以下、このサーボ駆動をフォーカシング動作という。フォーカシング動作の間、撮像装置70は試料Sの光学画像データの取得を行わない。
試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあることを示す演算結果が演算回路60で得られると、パターン検査処理装置116の制御の下に撮像装置70が試料Sの光学画像データの周期的な取得を開始するとともに、撮像装置70による撮像範囲が試料Sを所定の方向に走査することになるようにステージ制御装置115が精密ステージ101のX軸モータ101aおよびY軸モータ101bそれぞれの動作を制御する。
このとき、ステージ制御装置115は、上記の設計データおよび走査条件の情報に基づいて、周期パターン領域を複数のストライプに仮想的に分割する。各ストライプはX軸と互いに平行な長手軸を有し、個々のストライプは隣り合うもの同士が互いに隣接した状態でY軸方向に整列している。そして、ステージ制御装置115は、撮像装置70による撮像範囲の走査方向が隣り合う2つストライプで互いに逆方向となるように、すなわち撮像装置70による撮像範囲がサーペンタイン状ないしジグザグ状に推移するように、精密ステージ101をX軸方向に所定量変位させた後にY軸方向に所定量変位させる制御を繰り返し行う。この制御は、撮像装置70による撮像範囲が周期パターン領域全体に亘るまで行う。
撮像装置70は、撮像範囲が1つのストライプの一方の端から他方の端に達するまで、試料Sの光学画像データを周期的に取得する。1つのストライプについての光学画像データの取得が完了すると、撮像装置70は、当該撮像装置70の撮像範囲が次のストライプの撮像開始位置へ相対的に推移するまで撮像動作を中断する。撮像装置70の撮像範囲が次のストライプの撮像開始位置へ相対的に推移すると、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあることを示す演算結果が演算回路60で得られるまで、精密ステージ101がステージ制御装置115による制御の下にフォーカシング動作を行う。そして、試料面PSがスリット開口部OP1の像の結像位置にあることを示す演算結果が演算回路60で得られると、撮像装置70がパターン検査処理装置116の制御の下に試料Sの光学画像データの周期的な取得を再開するとともに、撮像装置70による撮像範囲が試料Sを所定の方向に走査することになるようにステージ制御装置115が精密ステージ101の動作を制御する。
撮像装置70が取得した周期パターン領域の光学画像データは、パターン検査処理装置116に送られ、当該パターン検査処理装置116でアナログ/ディジタル変換(A/D変換)された後に、フレーム単位で主記憶装置111に格納される。その後、パターン検査処理装置116によってフレーム毎に順次読み出される。パターン検査処理装置116は、主記憶装置111に格納されている試料Sの設計データと補正条件の情報とに基づいて検査基準データとしての設計画像データを予め作成し、主記憶装置111から1フレーム分の光学画像データを読み出すたびに当該光学画像データと設計画像データとを比較する作業を行って、周期パターン領域に実際に形成されている微細パターンの良否、すなわち開口部および非開口部それぞれでの欠陥の有無を周期パターン領域全体に亘って判定する。
このとき用いられる上記補正条件の情報は、撮像装置70によって試料Sを撮像した際に結像光学系20および検出光学系25Aの解像特性等によって不可避的に生じるフィルタ効果を模するための情報である。この情報に基づいて設計データを補正して、あるいは設計データに基づいて1次設計画像データを得た後に上記の情報に基づいて1次設計画像データを補正して、検査基準データとしての設計画像データを作成し、当該設計画像データと光学画像データとを比較することにより、周期パターン領域に実際に形成されている微細パターンの良否を精密に判定し易くなる。
パターン検査処理装置116は、周期パターン領域中の特定の開口部または非開口部に欠陥があると判定した場合には、当該欠陥がある場所を1フレーム分の光学画像データ中で特定する座標データを作成し、この座標データと、当該欠陥があると判定した1フレーム分の光学画像データを識別する識別情報とを主記憶装置111に格納する。主記憶装置111に格納された光学画像データならびに上記の座標データおよび識別情報が、パターン検査処理システム100の検査結果となる。
上述のようにして試料Sに形成されている微細パターンの良否を検査するパターン検査システム100は、実施の形態3で説明した試料高さ検出装置1Bを備えているので、試料Sの試料面PSで生じる1次回折光の回折角が広くなっても、当該試高さ置検出装置1Bによる試料Sの高さの検出精度、すなわち試料Sの高さ方向におけるスリット開口部OP1の像の結像位置と試料面PSとの相対的な位置関係の検出精度の低下が抑えられる。結果として、試料面PSで生じる1次回折光の回折角が広くなっても、スリット開口部OP1の像の結像点が試料Sの試料面PSにある状態で試料Sを撮像して当該試料Sの光学画像データを得ることが容易になるので、パターン検査システム100では、試料面PSで生じる1次回折光の回折角が広くなっても検査精度の低下が起こり難い。
なお、パターン検査システム100の検査結果の妥当性は、例えば人為的に判断される。この場合、検査結果に基づいて特定の光学画像データがレビュー装置に送られ、当該光学画像データに対応する光学画像がレビュー装置に表示される。また、欠陥があるときに撮像される光学画像データに対応した光学画像もレビュー装置に表示されて、検査結果の妥当性を判断する際の基準画像として利用される。基準画像の基となる光学画像データは、例えばシミュレーションによって作成される。オペレータは、レビュー装置に表示された試料Sの光学画像と基準画像とを対比して、パターン検査システム100の検査結果の妥当性を判断する。
レビュー装置は、パターン検査システム100の構成要素とすることもできるし、パター検査システム100とは別個の外部装置とすることもできる。図6に示した演算・制御装置110に所定の機能を付加して、表示装置121をレビュー装置として機能させることも可能である。
以上、本発明の試料高さ検出装置およびパターン検査システムそれぞれの実施の形態について説明したが、本発明は実施の形態で説明した試料高さ検出装置およびパターン検査システムに限定されるものではない。
例えば、試料高さ検出装置の照明光学系を構成する照明スリットでのスリット開口部の平面形状は、図2に示した十文字形とする他に、図7(A)〜図7(C)に示す形状とすることもできる。
図7(A)〜図7(C)は、それぞれ、試料高さ検出装置の照明光学系を構成する照明スリットでのスリット開口部の平面形状の一例を示す平面図である。図7(A)に示す照明スリット13bのスリット開口部OP1aの平面形状は、1つの長方形によって規定される形状である。図7(B)に示す照明スリット13cのスリット開口部OP1bの平面形状は、互いに合同な4つの長方形を平面上で45°ずつずらせて順次重ね合わせることにより規定される形状である。図7(C)に示す照明スリット13dには、1つの長方形によって平面形状が規定される互いに合同な計4つのスリット開口部OP1c〜OP1fが形成されている。これら4つのスリット開口部OP1c〜OP1fは、各スリット開口部OP1c〜OP1fの長手軸が互いに45°または90°ずれた状態で配置されている。照明スリット13dは、所望のスリット開口部が所定の光路に位置するようにスライド操作して使用してもよい。
試料高さ検出装置の検出光学系を構成する前側検出スリットおよび後側検出スリットそれぞれでの開口部の平面形状は、例えば、スリット開口部の平面形状と合同、相似、またはスリット開口部の平面形状を規定する長方形を当該長方形の長辺に沿った方向と短辺に沿った方向とで互いに異なる倍率で拡大した形状とすることができる。
パターン検査システムは、ダイ・トゥ・データベース方式によって微細パターンの良否を検査するタイプとする他に、ダイ・トゥ・ダイ方式によって微細パターンの良否を検査するタイプとすることもできる。パターン検査システムをダイ・トゥ・ダイ方式とする場合には、例えば図6に示したパターン検査処理装置116に代えて、当該パターン検査処理装置116とは異なる機能を有するパターン検査処理装置が用いられる。
ダイ・トゥ・ダイ方式のパターン検査システムを構成するパターン検査処理装置は、例えば、互いに同じ形状および大きさを有する複数の周期パターン領域が1つの試料中に分散配置されているときに、これら複数の周期パターン領域それぞれの光学画像データ同士を比較することによって微細パターンの良否を判定する。このとき、任意の周期パターン領域についての光学画像データが検査基準データとなる。また、開口部および非開口部それぞれの形状および大きさ並びに当該開口部および非開口部の配置が互いに同じであるストライプを1つの周期パターン領域中に仮想的に複数画定することができるときには、これら複数のストライプの光学画像データ同士を比較することによって微細パターンの良否を判定するようにパターン検査処理装置を構成することも可能である。このとき、任意のストライプについての光学画像データが検査基準データとなる。
上述した以外にも、本発明については種々の変更、改良、組み合わせ等が可能である。本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更し得る全ての試料高さ検出装置およびパターン検査システムは、本発明の範囲に包含される。
1 試料高さ検出装置
10,10A,10B 照明光学系
13,13a,13b,13c,13d 照明スリット
17 対物レンズ
18 ダイクロイックミラー
20 結像光学系
21 結像レンズ
25,25A 検査光学系
26 ハーフミラー
27 前側検出スリット
28 後側検出スリット
29 ダイクロイックミラー
30 前側光量センサ
40 後側光量センサ
50,55 人工光源
60 演算回路
70 撮像装置
100 パターン検査システム
101 精密ステージ
115 ステージ制御装置
OP1,OP1a〜OP1f スリット開口部
OP2 前側検出スリットの開口部
OP3 後側検出スリットの開口部
S 試料
PS 試料面

Claims (5)

  1. スリット開口部の像を対物レンズで試料に縮小投影する照明光学系と、前記試料に前記スリット開口部の像を縮小投影したときに該試料で生じる反射光を結像レンズで集束させる結像光学系と、前記結像レンズで集束された光束を2つに分割し、該2つの光束のうちの一方の光束は該光束の結像点よりも前記結像レンズに近い側に配置した前側検出スリットの開口部を通過させ、前記2つの光束のうちの他方の光束は該光束の結像点よりも前記結像レンズから離れる側に配置した後側検出スリットの開口部を通過させる検出光学系と、前記前側検出スリットの開口部を通過した光束の光量を測定する前側光量センサと、前記後側検査スリットの開口部を通過した光束の光量を測定する後側光量センサとを備え、
    前記スリット開口部は、1つの長方形によって、または複数の長方形を平面上で重ね合わせることによって平面形状が規定される開口部を少なくとも1つ含み、前記長方形の短辺の長さは、前記照明光学系による前記スリット開口部の像の縮小倍率をM[倍]、前記対物レンズの開口数をNA、前記照明光学系に入射する照明光の波長をλ[nm]としたときに、Mλ/(2NA)以下であることを特徴とする試料高さ検出装置。
  2. 前記前側検出スリットおよび前記後側検出スリットの各々における開口部は、前記スリット開口部と平面視上合同であることを特徴とする請求項1に記載の試料高さ検出装置。
  3. 前記試料に前記スリット開口部の像を縮小投影したときの前記前側光量センサの測定値と前記後側光量センサの測定値とに基づいて、前記試料の高さ方向における前記スリット開口部の像の結像位置と前記試料の試料面との相対的な位置関係を演算する演算回路を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試料高さ検出装置。
  4. 前記照明光学系に前記照明光として遠紫外線を入射させる人工光源を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の試料高さ検出装置。
  5. 微細パターンが形成された試料に照明光を照射して該試料の光学画像データを得、該光学画像データと検査基準データとに基づいて前記微細パターンの良否を検査するパターン検査システムであって、
    請求項1に記載の試料高さ検出装置と、
    前記試料が配置される精密ステージと、
    前記照明光学系に前記照明光を入射させる人工光源と、
    前記前側光量センサの測定値と前記後側光量センサの測定値とに基づいて、前記試料の高さ方向における前記スリット開口部の像の結像位置と前記精密ステージに配置された前記試料の試料面との相対的な位置関係を演算する演算回路と、
    前記演算回路の演算結果に基づいて前記精密ステージを駆動させるステージ制御装置とを備えることを特徴とするパターン検査システム。
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