JP2016056762A - ターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置 - Google Patents

ターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】記憶領域に記憶されるターボチャージャの回転速度の変曲点の個数を低減して、少ない記憶領域でもレインフロー法を活用して、ターボチャージャの疲労故障を精度良く診断できるターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置を提供する。【解決手段】閾値N0以下になった変曲点P1から変曲点P13までを区間S2を設定し、その区間S2に対してレインフロー法によりサイクルカウントを行って、区間S2の区間疲労値ΣF2を算出し、記憶装置24に記憶された区間S1までの累積疲労値TTLF1に区間疲労値ΣF2を加算して区間S2までの累積疲労値TTLF2を算出し、累積疲労値TTLF2と疲労限界値αとを比較してターボチャージャ11の疲労故障を診断する。【選択図】図2

Description

本発明は、ターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置に関し、より詳細には、記憶装置に記憶されるターボチャージャの回転速度の変曲点の個数を低減し、容量の少ない記憶装置でもレインフロー法を活用可能にして、ターボチャージャの疲労故障を精度良く診断できるターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置に関する。
車両に搭載されているターボチャージャの回転速度の変化は、低回転から高回転まで一気に上昇する場合、途中で少し下降してから再び上昇する場合、上昇及び下降が小刻みに生じる場合などがあり、非常に多様である。
そこで、ターボチャージャの疲労故障を診断するためには、ターボチャージャの回転速度を測定して、その回転速度の変曲点に基づいてサイクルカウントを行って、ターボチャージャに蓄積する疲労値を算出している。
これに関連して、ターボチャージャの疲労故障を診断する方法ではないが、エンジンの回転速度と燃料噴射量とを一定時間の間にサンプリングして得られた全データを、レインフロー法を用いてサイクルカウントすることで、エンジンの疲労故障を診断する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、二時間程度で七十二万回程度の変曲点を記憶して、レインフロー法により理論的に正確な疲労故障を診断している。この方法と同様にして、ターボチャージャの回転速度の変曲点を記憶装置に記憶し、レインフロー法によりサイクルカウントを行って、そのサイクルカウントに基づいた疲労値からターボチャージャの疲労故障を診断することは可能である。
しかし、レインフロー法は後処理によるデータ解析法のため、運転中の全てのターボチャージャの回転速度の変曲点を記憶装置に記憶する必要がある。ターボチャージャの回転速度の変曲点を全て記憶する為には、記憶装置にエンジンの始動から停止までの不確定な期間に対して無限の記憶領域を確保しなければならない。そのため、実際の車載の電子計算機において相応の記憶領域を確保することは、コストの上昇の原因となる。
特開平11−211622号公報
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その課題は、記憶装置に記憶されるターボチャージャの回転速度の変曲点の個数を低減して、容量の少ない記憶装置でもレインフロー法を活用して、ターボチャージャの疲労故障を精度良く診断できるターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明のターボチャージャの疲労故障診断方法は、ターボチャージャの回転速度の変曲点を逐次取得して記憶装置に記憶し、記憶された該変曲点に基づいて該ターボチャージャの疲労故障を診断するための方法において、前記変曲点の回転速度と前記ターボチャージャに予め設定された下限回転速度の近傍に設定された閾値とを比較し、該回転速度が該閾値以下になった変曲点を始点及び次回に該回転速度が該閾値以下になった変曲点を終点とした一つの区間を設定し、前記区間に対してレインフロー法により該区間のサイクルカウントを行って、該サイクルカウントに基づいて該区間の区間疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、前記記憶装置に記憶された前回の区間までの累積疲労値に前記区間の前記区間疲労値を加算して、前記区間までの累積疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、該累積疲労値と予め設定された疲労限界値とを比較して前記ターボチャージャの疲労故障を診断することを特徴とする方法である。
また、上記の課題を解決するための本発明のターボチャージャの疲労故障診断装置は、ターボチャージャの回転速度の変曲点を逐次取得する変曲点取得手段と、該変曲点を記憶する記憶装置と、該変曲点に基づいて判定及び演算を行う演算部とを備え、該演算部が該記憶装置に記憶された該変曲点に基づいて該ターボチャージャの疲労故障を診断する装置において、前記演算部が、前記変曲点の回転速度が前記ターボチャージャに予め設定された下限回転速度の近傍に設定された閾値以下になるかを判定して、該回転速度が該閾値以下になった変曲点を始点及び次回に該回転速度が該閾値以下になった変曲点を終点とした一つの区間を設定し、前記区間に対してレインフロー法により該区間のサイクルカウントを行って、該サイクルカウントに基づいて該区間の区間疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、前記記憶装置に記憶された前回の区間までの累積疲労値に前記区間の前記区間疲労値を加算して前記区間までの累積疲労値を算出し、該累積疲労値と予め設定された疲労限界値とを比較して前記ターボチャージャの疲労故障を診断する構成にしたことを特徴とするものである。
本発明のターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置によれば、変曲点の回転速度が閾値以下になったところで挟まれた微小な区間を区切り、その区間に対してレインフロー法によりサイクルカウントを行うので、記憶装置に記憶される変曲点の個数を低減できる。これにより、容量の少ない記憶装置でもレインフロー法を用いてターボチャージャの疲労故障を精度良く診断できる。
また、サイクルカウントを行った後では、記憶された変曲点を消去も可能になるので、ターボチャージャの疲労故障を診断するために必要な記憶装置の容量を低減して、コストを低減できる。
また、微小な区間ごとにレインフロー法に基づいて区間疲労値を算出するので、リアルタイム性を確保しつつ、ターボチャージャの疲労故障の診断の精度を向上できると共に、ターボチャージャの累積疲労値を過小評価せずに、ターボチャージャの疲労故障の診断を行うことで、ターボチャージャの適切な交換時期を判断することができる。
本発明のターボチャージャの疲労故障診断装置の実施形態を例示する説明図である。 本発明のターボチャージャの疲労故障診断方法の実施形態を例示するフローチャートである。 図1の記憶装置に記憶された変曲点の履歴データの一例である。 図2の履歴データの経過時間と回転速度との関係を示した説明図である。 図1の記憶装置に記憶された疲労値マップの一例である。 図1の記憶装置に記憶された区間の各応力変動における疲労値のデータの一例である。 図1の記憶装置に記憶された各区間における区間疲労値と累積疲労値とのデータの一例である。 図1の記憶装置に記憶された変曲点の履歴データの別の例である。 図2のフローチャートをより詳細にした一例を示すフローチャートである。 図9のAに続くフローチャートである。 図10のBに続くフローチャートである。 図11のCに続くフローチャートである。
以下、本発明のターボチャージャの疲労故障診断方法及びターボチャージャの疲労故障診断装置の実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態のターボチャージャ11の疲労故障診断装置20の構成を示す。
この疲労故障診断装置20は、ディーゼルエンジン(以下、エンジン)10に設けられたターボチャージャ11の疲労故障を診断するものである。このエンジン10においては、車両の走行時などにおいて吸気通路12へ吸入された空気が、ターボチャージャ11のコンプレッサ11aにより圧縮されて高温になり、インタークーラー13で冷却された後に、吸入空気としてインテークマニホールド14を経てエンジン本体15に供給される。エンジン本体15に供給された吸入空気は、燃料と混合されて燃焼して熱エネルギーを発生させた後に、排気ガスとなってエキゾーストマニホールド16から排気通路17へ排気される。この排気ガスは、ターボチャージャ11のタービン11bを駆動させた後に、排気ガス浄化装置18で浄化されて大気へと放出される。また、排気ガスは、EGRバルブ19a及びEGRクーラー19bを有するEGR通路19から吸入空気に混合される。
このエンジン10に設けられた疲労故障診断装置20は、入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、吸入空気量センサ23と記憶装置24と演算部25とを備えている。
入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23はターボチャージャ回転速度の変曲点取得手段の一部として設けられており、ターボチャージャ回転速度(以下、回転速度という)を推定するセンサである。この入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23は演算部25に接続されており、入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23の検出値が演算部25に送られる。演算部25は、それらの検出値と、吸入空気量及びコンプレッサ11aの圧力比に基づいたターボチャージャ11の回転速度が設定された回転速度マップとを参照して、ターボチャージャ11の回転速度を推定する。そして、その推定したターボチャージャ回転速度が増加から減少に変化した際の、あるいは減少から増加に変化した際の頂点である変曲点Pの時刻tと回転速度Nとを取得して、記憶装置24に記憶する。
なお、入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23の検出値からターボチャージャ11の回転速度を推定する代わりに、ターボチャージャ11の回転速度を検出する回転センサを用いてもよい。
記憶装置24は、変曲点P(t、N)や、演算部25で算出された計算結果などのデータを各記憶領域に記憶可能な装置として、エンジン10を搭載した車両の電子計算機26内に配置されている。この記憶装置24は、変曲点Pが記憶される記憶領域を有しており、その記憶領域には二点以上、千点未満の変曲点Pを記憶可能である。
演算部25は、入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23
の検出値から推定したターボチャージャ回転速度を判定して変曲点Pを記憶装置24に記憶したり、記憶装置24に記憶されたデータに基づいて判定及び演算を行ったりする装置として、エンジン10を搭載した車両の電子計算機26内に配置されている。
このようなターボチャージャ11の疲労故障診断装置20において、図2に示すように、演算部25は、入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23の検出値から推定したターボチャージャ回転速度に基づいて変曲点P〜変曲点Pを逐次取得するステップS10と、その変曲点P〜変曲点Pを記憶装置24の記憶領域に記憶するステップS20とを行っている。
次いで、演算部25は、変曲点P〜変曲点Pの回転速度Nとターボチャージャ11に予め設定された下限回転速度Nminの近傍に設定された閾値Nとを比較し、閾値N以下になった変曲点Pを始点として、次回に閾値N以下になった変曲点Pを終点とした一つの区間Sに設定するステップS30を行っている。
次いで、演算部25は、区間Sに対してレインフロー法により区間Sのサイクルカウントを行うステップS40と、そのサイクルカウントに基づいて区間Sの区間疲労値ΣFを算出して記憶装置24に記憶するステップS50とを行っている。
次いで、演算部25は、記憶装置24に記憶された前回の区間Sy−1までの累積疲労値TTLFy−1に区間Sの区間疲労値ΣFを加算して、区間Sまでの累積疲労値TTLFを算出して記憶装置24に記憶するステップS60と、その累積疲労値TTLFと予め設定された疲労限界値αとを比較してターボチャージャ11の疲労故障を診断するステップS70とを行っている。
この疲労故障診断方法の詳細について、図3〜図7を参照しながら説明する。
ステップS10として、演算部25は入口圧力センサ21、出口圧力センサ22、及び吸入空気量センサ23から送られた検出値から推定された推定値に基づいて変曲点P(t、N)〜変曲点P(t、N)を取得する。次いで、ステップS20として、演算部25は変曲点P(t、N)〜変曲点P(t、N)を記憶装置24の記憶領域に逐次記憶する。例えば、このステップS10及びステップS20では、図3に示すように、変曲点Pから変曲点P13までを逐次記憶している。なお、各変曲点Pは等間隔に生じたものではない。各時刻tは変曲点Pが生じた時間を示している。
次いで、ステップS30として、演算部25は記憶装置24に記憶された変曲点Pの回転速度Nとターボチャージャ11の下限回転速度Nminの近傍に設定された閾値Nとを比較し、変曲点Pの回転速度Nが閾値N以下になるごとに区切られた区間Sを設定する。
下限回転速度Nminは、予め実験などにより求められたエンジン回転速度がアイドル回転速度の場合のターボチャージャ11の回転速度に設定されている。従って、この下限回転速度Nminはエンジン10構成やターボチャージャ11の構成により異なる値となる。
閾値Nは、区間Sにおける変曲点P〜Pの個数が三個以上、千個未満になる回転速度に設定されている。この閾値Nが下限回転速度Nminの1.1倍未満の場合には、区間Sにおける変曲点P〜Pの個数が多くなり記憶装置24の記憶領域が足らなくなる。一方、閾値Nが下限回転速度Nminの4倍超の場合には、回転速度Nが低速度側の応力変動が反映されなくなり、区間疲労値ΣFの精度が低くなる。従って、
この閾値Nは下限回転速度Nminの1.1倍以上、4倍以下の回転速度が好ましく、1.2倍以上、3倍以下の回転速度がより好ましい。
例えば、図3に示すように、回転速度N及びN13が閾値N以下となるので、変曲点Pを始点として、変曲点P13を終点とした区間Sに設定する。
次いで、ステップS40として、演算部25は区間S内の各変曲点Pに基づいてレインフロー法により区間Sのサイクルカウントを行う。この区間Sのレインフロー法解析では、区間Sで生じた応力変動SFが少なくとも一つはカウントされ、その応力変動SFの最高回転速度Nmaxzと、振幅Lと、サイクル数として0.5あるいは1.0とがカウントされる。
例えば、図4に示すように、演算部25はレインフロー法により、区間Sに応力変動SF〜応力変動SFの応力変動が生じたことを解析する。応力変動SFは変曲点Pから変曲点Pまでとなり、最高回転速度N、振幅L(N−N)及びサイクル数0.5となる。また、応力変動SFは変曲点Pから変曲点Pと変曲点Pとの中途(回転速度がNとなる位置)までとなり、最高回転速度N、振幅L(N−N)及びサイクル数1.0となる。同様に応力変動SF〜応力変動SFを算出する。なお、図4では、一方向を示す矢印がサイクル数0.5を示し、両方向を示す矢印がサイクル数1.0を示している。
次いで、ステップS50として、演算部25は各応力変動SFの疲労値Fを記憶装置24に記憶された疲労値マップM1を参照して算出し、記憶装置24に記憶する。次いで、演算部25は各疲労値Fを積算して区間Sの区間疲労値ΣFを算出し、記憶装置24に記憶する。
この疲労値マップM1は、応力変動SFの最高回転速度Nmaxzと振幅Lとに基づいたサイクル数1.0の疲労値Fが設定されたマップである。ターボチャージャ11の疲労値Fは応力変動SFの最高回転速度Nmaxzが高く、且つその振幅Lが大きいと指数的に大きくなる。
例えば、図5に示すように、疲労値マップM1を参照すると、応力変動SFにおける最高回転速度Nと振幅Lとから、応力変動SFのサイクル数1.0分の疲労値2Fが算出される。応力変動SFは0.5サイクルであるため、疲労値マップM1から算出された疲労値2Fに0.5を乗算して応力変動SFの疲労値Fが算出される。以下、同様にして応力変動SFから応力変動SFまでの疲労値Fから疲労値Fまでが算出される。区間Sの応力変動SFから応力変動SFまでが、図6に示すように、記憶装置24に記憶される。
そして、各疲労値F〜Fを積算して、区間Sの区間疲労値ΣFを算出する。
次いで、ステップS60として、演算部25は、前回までの区間Sy−1までの累積疲労値TTLFy−1と区間Sの区間疲労値ΣFとを加算して、区間Sまでの累積疲労値TTLFを算出して記憶装置24に記憶する。
例えば、図7に示すように、区間Sまでの累積疲労値TTLFは区間Sの区間疲労値ΣFとなり、区間Sまでの累積疲労値TTLFは区間Sまでの累積疲労値TTLFに区間Sの区間疲労値ΣF(=F+F+・・・+F)を加算した値となる。
次いで、ステップS70として、演算部25は、累積疲労値TTLFと予め定めた疲労限界値αとを比較して、ターボチャージャ11の疲労故障を診断する。この疲労故障の診断は、累積疲労値TTLFが疲労限界値α超の場合に、ターボチャージャ11が疲労故障する可能性があると診断する。
なお、演算部25が、ターボチャージャ11が疲労故障の可能性があると診断した場合には、警告ブザーや警告ランプなどの警告装置27により運転手に警告することが好ましい。また、疲労限界値αは予め実験などにより定められた値であり、ターボチャージャ11の容量などにより定められている。
上記のターボチャージャ11の疲労故障診断装置20及び疲労故障診断方法によれば、変曲点Pの回転速度Nが閾値N以下になったところで挟まれた微小な区間Sを区切り、その区間Sに対してレインフロー法によりサイクルカウントを行うので、記憶装置24に記憶される変曲点P〜Pの個数を少なくできる。これにより、容量の少ない記憶装置24でもレインフロー法を用いてターボチャージャ11の疲労故障を精度良く診断できる。
また、サイクルカウントを行った後では、記憶された変曲点P〜Px−1を消去可能である。これにより、ターボチャージャ11の疲労故障を診断するために必要な記憶装置24の容量を低減して、コストを低減できる。
また、微小な区間Sごとにレインフロー法に基づいて区間疲労値ΣFを算出するので、リアルタイム性を確保しつつ、ターボチャージャ11の疲労故障の診断の精度を向上できると共に、ターボチャージャ11の累積疲労値TTLFを過小評価せずに、ターボチャージャ11の疲労故障の診断を行うことで、ターボチャージャ11の適切な交換時期を判断することができる。
加えて、標準的なレインフロー法においては時間軸が無くなるが、微小な区間Sごとにレインフロー法に基づいて区間疲労値ΣFを算出するので、ターボチャージャ11の疲労の蓄積を時系列に判断することも可能となる。これにより、ターボチャージャ11に瞬間的なダメージが与えられた場合の原因の特定に結びつく。
このような疲労故障診断装置20及び疲労故障診断方法においては、閾値Nが区間Sにおける変曲点P〜Pの個数が三個以上、二百五十個以下になる回転速度に設定されることがより望ましい。これにより、記憶装置24の記憶領域をより低減できるので、コスト削減には有利となる。
また、上記の疲労故障診断装置20及び疲労故障診断方法においては、区間の全ての変曲点が閾値Nを下回った場合には、その区間における区間疲労値は記憶しないことが望ましい。
図8に示すように、区間Sと区間Sとの間の区間は変曲点の全てが閾値Nを下回っている。この区間における区間疲労値は疲労値マップM1を見れば無視できることが明らかであるので、記憶装置24には記憶しない。
また、上記の疲労故障診断装置20及び疲労故障診断方法においては、記憶装置24から区間疲労値ΣFが算出された区間Sの変曲点Pから変曲点Pの手前の変曲点Px−1までを消去することが望ましい。
また、上記の疲労故障診断装置20及び疲労故障診断方法においては、区間Sの設定
を変曲点Pの取得と同時に行ってもよい。
図9〜図12に示すフローチャートは、図2のフローチャートをより詳細にした一例である。図9においては、ステップS110とステップS120とが、図2のステップS10とステップS20とに相当している。また、図9のステップS130〜ステップS160が図2のステップS30に相当している。このステップS130〜ステップS160により、区間Sの設定を変曲点Pの取得と同時に行うことができ、より記憶装置24の記憶領域の低減には有利となる。
図10においては、ステップS170が図2のステップS40に相当している。また、図10のステップS180〜ステップS250が図2のステップS50に相当している。
図11においては、図11のステップS280とステップS290とが図2のステップS60に相当している。また、図11のステップS300が図2のステップS70に相当している。
また、図11においては、ステップS260として、演算部25は記憶装置24の記憶領域から区間Sの変曲点Pを除いた変曲点を消去する。区間Sの終点である変曲点Pは次回の区間Sy+1の始点となる可能性があるため消去せずに、残りの変曲点P〜Px−1を消去する。
図12においては、ステップS310〜ステップS350を行うことによって、次回の区間の始点を設定している。
ステップS310〜ステップS340を行って、終点となった変曲点(新P)の次に閾値Nを越える変曲点(新P)が現れた場合は、図9のDへ戻るが、例えば、図8の区間Sの終点の場合、次に微小区間となるSの始点に区間Sの終点の値は使われない。閾値N以下になって終点となった後、閾値N以下での変曲点は次回の微小区間の始点になる可能性があるが、始点になるのは、さらにその次の変曲点(新P)が閾値Nを超える場合である。閾値Nを超えない間の変曲点Pは常に変曲点Pとして上書きされ、その次の変曲点Pが閾値Nを超えたとき、変曲点Pが新たな微小区間の始点として採用される。
例えば、図3では、変曲点Pから変曲点P12までを消去して、変曲点P13を次回の区間Sの始点となる変曲点Pとする。また、図8の区間Sの終点Pは区間Sの始点の候補となるが、その後の変曲点が閾値以下で続く場合には、区間Sの始点の候補は常に新しい変曲点で上書きされる。これを繰り返しながら、変曲点Px+1が閾値を超えたことが検出されたとき、変曲点Pは次の微小区間Sの始点Pとなる。
このように、区間Sごとにレインフロー法を用いることで、区間疲労値ΣFが算出された区間Sの変曲点Pから変曲点Px−1までを消去できる。逐次、区間疲労値ΣFが算出された区間Sの変曲点Pから変曲点Px−1までを消去することで、疲労診断に必要な記憶装置24の記憶領域を低減できる。
また、区間Sの変曲点Pから変曲点Px−1までを消去すると共に、区間Sの応力変動SFのデータも消去することが好ましい。応力変動SFのデータも消去することにより、記憶装置24の記憶領域の低減には有利となる。
図9〜図12のフローチャートによれば、記憶装置24の記憶領域には、図7に示す区間Sと区間疲労値ΣFと累積疲労値TTLFとが逐次記憶されるのみとなり、記憶
装置24の記憶領域の低減には有利となる。
なお、上記の実施形態のエンジン10の構成は一例であり、本発明はこれに限定されない。例えば、ガソリンエンジンにも適用してもよい。
また、上記の実施形態では、疲労値マップM1を用いて応力変動SFの疲労値Fを算出する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記の疲労値マップM1の代わりにターボチャージャ11のS−N線図を用いてもよい。
また、上記の実施形態の電子計算機26は、エンジン10の制御を行うECUとしてもよい。特に、本発明はターボチャージャ11の疲労故障を診断するために必要な記憶装置24の記憶領域を少なくできるので、多種多様なデータが記憶されるECUの記憶領域を圧迫することがない。
10 エンジン
11 ターボチャージャ
11a コンプレッサ
11b タービン
20 疲労故障診断装置
21 入口圧力センサ
22 出口圧力センサ
23 吸入空気量センサ
24 記憶装置
25 演算部
26 電子計算機
M1 疲労値マップ
閾値
min 下限回転速度
回転速度
変曲点
区間
TTLF 累積疲労値
ΣF 区間疲労値
α 疲労限界値

Claims (5)

  1. ターボチャージャの回転速度の変曲点を逐次取得して記憶装置に記憶し、記憶された該変曲点に基づいて該ターボチャージャの疲労故障を診断するための方法において、
    前記変曲点の回転速度と前記ターボチャージャに予め設定された下限回転速度の近傍に設定された閾値とを比較し、該回転速度が該閾値以下になった変曲点を始点及び次回に該回転速度が該閾値以下になった変曲点を終点とした一つの区間を設定し、
    前記区間に対してレインフロー法により該区間のサイクルカウントを行って、該サイクルカウントに基づいて該区間の区間疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、
    前記記憶装置に記憶された前回の区間までの累積疲労値に前記区間の前記区間疲労値を加算して、前記区間までの累積疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、該累積疲労値と予め設定された疲労限界値とを比較して前記ターボチャージャの疲労故障を診断することを特徴とするターボチャージャの疲労故障診断方法。
  2. 前記閾値を前記区間における変曲点の個数が三個以上、千個未満になる回転速度に設定した請求項1に記載のターボチャージャの疲労故障診断方法。
  3. 前記記憶装置から前記区間疲労値が算出された前記区間の前記始点から前記終点の手前の変曲点までを消去する請求項1又は2に記載のターボチャージャの疲労故障診断方法。
  4. 前記レインフロー法により前記区間に生じた少なくともの一つの応力変動をカウントすると共に、該応力変動の振幅、最高回転速度及びサイクル数を算出し、
    応力変動の振幅及び最高回転速度に基づいてその応力変動のサイクル数における疲労値が設定された疲労値マップを参照して、前記区間における各前記応力変動の疲労値を算出し、
    前記区間内の全ての前記疲労値を積算して前記区間疲労値を算出する請求項1〜3のいずれか1項に記載のターボチャージャの疲労故障診断方法。
  5. ターボチャージャの回転速度の変曲点を逐次取得する変曲点取得手段と、該変曲点を記憶する記憶装置と、該変曲点に基づいて判定及び演算を行う演算部とを備え、該演算部が該記憶装置に記憶された該変曲点に基づいて該ターボチャージャの疲労故障を診断する装置において、
    前記演算部が、前記変曲点の回転速度が前記ターボチャージャに予め設定された下限回転速度の近傍に設定された閾値以下になるかを判定して、該回転速度が該閾値以下になった変曲点を始点及び次回に該回転速度が該閾値以下になった変曲点を終点とした一つの区間を設定し、
    前記区間に対してレインフロー法により該区間のサイクルカウントを行って、該サイクルカウントに基づいて該区間の区間疲労値を算出して前記記憶装置に記憶し、
    前記記憶装置に記憶された前回の区間までの累積疲労値に前記区間の前記区間疲労値を加算して前記区間までの累積疲労値を算出し、該累積疲労値と予め設定された疲労限界値とを比較して前記ターボチャージャの疲労故障を診断する構成にしたことを特徴とするターボチャージャの疲労故障診断装置。
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