JP2016055443A - スチールコードゴム複合体およびそれを用いた重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】スチールコードへのゴム浸透性を向上させたスチールコードゴム複合体、およびそれを用いた、耐久性を向上させた重荷重用空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】スチールコードゴム複合体は、3本のコアフィラメントで構成されるコアと、8〜9本のフィラメントで構成される中間層と、13〜15本のフィラメントで構成される最外層とを備えるスチールコードと、複数のスチールコードをそれぞれ引き揃えて配置された状態で被覆するゴム層とを有する。ゴム層を構成するゴムは、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2〜0.4N・mである。
【選択図】図1

Description

本発明は、複撚り線構造のスチールコードを有するスチールコードゴム複合体およびそれを用いた重荷重用空気入りタイヤに関し、特に、チールコードへのゴム浸透性を向上させたスチールコードゴム複合体、およびそれを用いた、耐久性を向上させた重荷重用空気入りタイヤに関する。
トラック、バス等に用いられる重荷重用空気入りタイヤには耐久性が要求されており、ケーシングの耐久性の向上が近年増々要求されている。
重荷重用空気入りタイヤは、乗用車用の空気入りタイヤと同じく、通常、タイヤの骨格をなすカーカス層と、タイヤ内部(最内面層)に配置されるインナーライナーとを有する。カーカス層は、空気入りタイヤが受ける荷重、および衝撃に耐える役割を持っているため、補強性の高い仕様になっている。カーカス層の補強コードとして、3+9+15等の複撚り構造のスチールコードが使用されている。
例えば、特許文献1には、トラックタイヤに用いる高性能スチールコードが記載されている。コンパクトな層状コード構造(3+9+15)とした27本のスチールフィラメントを有し、断面形状が3本のフィラメントコアの回りに9本および15本のフィラメントからなる同心円状リング状であり、それぞれの1の機械操作による連続より合せ工程または1の機械操作による27本のフィラメントの単一ねじり合せ束を形成する工程によりなされ、フィラメントは炭素0.7〜0.9%、径0.1〜0.4mm、抗張力2800N/m、好ましくは3000N/mの硬引き抜きされたパーライトカーボンスチールワイヤからなり、15本の外側のワイヤは60〜70%の銅を含むゴム付着性黄銅で被覆され、9本のワイヤはコアと外側の黄銅被覆層との間に連続リングを形成し、かつ耐食亜鉛被膜を被覆し、このことによりコード耐久性を持たせ、予期しない局部脆性によるワイヤ破壊を抑制して付着力保持、タイヤ寿命の向上、コードの早期腐食疲労破壊の防止、およびゴム透過性を増加するようにしたスチールコードが記載されている。
特開昭61−84233号公報
スチールコードは特許文献1のように3+9+15等の構造がある。スチールコードをゴムで被覆した際、ゴム浸透性が低いとスチールコード内にゴムが浸透せず、フィレッティングによりスチールコードを構成するフィラメントが破断する虞がある。特許文献1では、ゴム浸透性が十分とはいえない。カーカス層のスチールコードにおいて、フィラメントの破断が生じた場合、タイヤの耐久性が損なわれる。
本発明の目的は、前述の従来技術に基づく問題点を解消し、スチールコードへのゴム浸透性を向上させたスチールコードゴム複合体、およびそれを用いた、耐久性を向上させた重荷重用空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するために、3本のコアフィラメントで構成されるコアと、8〜9本のフィラメントで構成される中間層と、13〜15本のフィラメントで構成される最外層とを備えるスチールコードと、複数のスチールコードをそれぞれ引き揃えて配置された状態で被覆するゴム層とを有し、前記ゴム層を構成するゴムは、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2〜0.4N・mであることを特徴とするスチールコードゴム複合体を提供するものである。
前記スチールコードから取り出した前記フィラメントの波高をdfとし、前記スチールコードの最大径をdcとし、型付け率をdf/dc×100で規定するとき、前記型付け率は、前記中間層の前記フィラメントが95〜105%であり、前記最外層の前記フィラメントが70〜95%であることが好ましい。
前記ゴム層を構成するゴムは、加硫後の100%伸張時のモジュラスが3.2〜5.2MPaであることが好ましい。
また、本発明のスチールコードゴム複合体をカーカス層に用いたことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤを提供するものである。
本発明によれば、スチールコードへのゴム浸透性を向上させることができ、重荷重用空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。
本発明の実施形態のスチールコードを示す模式図である。 本発明の実施形態のスチールコードゴム複合体を示す模式的断面図である。 型付け率を説明するための模式図である。 本発明の実施形態のスチールコードゴム複合体を用いた重荷重用空気入りタイヤを示す子午線半断面図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のスチールコードゴム複合体およびそれを用いた重荷重用空気入りタイヤを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態のスチールコードを示す模式図である。図2は、本発明の実施形態のスチールコードゴム複合体を示す模式的断面図である。
図1に示すスチールコード10は、3本のコアフィラメント12で構成されるコア14と、3本のコアフィラメント12の外周を囲んで配置された8〜9本のフィラメント13で構成される中間層16と、この中間層16の外周を囲んで配置された13〜15本のフィラメント13で構成される最外層18とを備える。スチールコード10の最大径をdcとする。
スチールコード10は、中間層16のフィラメント13の本数をN(N=8〜9)とし、最外層18のフィラメント13の本数をM(M=13〜15)とするとき、3+N+M構造をとるものである。図1に示す例では、3本のコアフィラメント12と9本のフィラメント13と15本のフィラメント13とから構成されており、3+9+15構造である。なお、スチールコード10は、3+9+15構造に限定されるものではなく、例えば、3+8+15構造でもよく、中間層16のフィラメント13の本数、最外層18のフィラメント13の本数内の組合せとすることができる。
コアフィラメント12およびフィラメント13は、いずれも鋼の素線で構成されている。なお、コアフィラメント12およびフィラメント13は、いずれもスチールコードに用いられる鋼の素線を各種利用可能であり、その組成は特に限定されるものではない。
コアフィラメント12およびフィラメント13は、いずれも素線径が0.15〜0.4mmであることが好ましく、より好ましくは0.15〜0.26mmである。
また、コアフィラメント12およびフィラメント13は、いずれも黄銅メッキまたは亜鉛メッキが施されていてもよい。
図1に示すスチールコード10は、図2に示すスチールコードゴム複合体20に用いられる。図2に示すスチールコードゴム複合体20は、複数の、図2に示す例では5本のスチールコード10が、引き揃えられて平行に配置された状態でゴム層22により被覆されている。
次に、スチールコードゴム複合体20の形成方法について説明する。
スチールコードゴム複合体20の形成に際して、まず、複数本のスチールコード10を用意し、複数のスチールコード10を平行に引き揃え、複数本のスチールコード10の上下に未加硫ゴムを被覆し、成型体を形成する。このようなゴムの被覆の方法には、例えば、複数本のスチールコード10を平行に並べて一対の加工ロール間に通過させながら未加硫ゴムを被覆するカレンダー方式、多数の挿通孔を列状に並べたダイスを使用し、このダイスに複数本平行に並べたスチールコード10を挿通させながら押出機により未加硫ゴムを被覆するCFRE方式(Cold Feed Rubber Extruder)とがある。
そして、成形体を加硫工程において所定温度で加熱しつつ所定圧力で加圧して未加硫ゴムを加硫する。これにより、スチールコードゴム複合体20を形成することができる。
なお、上述のCFRE方式は、カレンダー方式に比べて設備を小型化して安価にでき、少量の部材であっても生産が可能であるため小ロット生産に向いている。
ゴム層22のゴムは、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2〜0.4N・mである。ゴム層22のゴムについて、上述のムーニー粘度MLを0.2〜0.4N・mとすることで、スチールコード10内部へのゴムの浸透性を確保することができる。これにより、フィレッティングによるフィラメント13の破断が抑制される。例えば、3+9+15構造において、中間層のフィラメント13がゴムで被覆されていれば、ゴム浸透性は50%である。
また、ゴムの浸透性を確保することができるため、コアフィラメント12およびフィラメント13がゴムで被覆されて、水分とコアフィラメント12およびフィラメント13との接触を抑制することができ、防錆することができる。これにより、スチールコード10の強度低下も抑制することができる。このため、タイヤに適当した場合、タイヤの耐久性を向上させることができる。
なお、ゴム層22を構成するゴムのムーニー粘度MLは、JlS K6300に基づき温度148℃にて測定したトルクの最小値のことである。
ゴム層22のゴムの組成としては、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2〜0.4N・mであれば、特に限定されるものではない。ゴム層22のゴムの組成としては、例えば、ジエン系ゴムを用いることができる。ジエン系ゴムとしては、例えば、ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等を用いることができる。なお、ブチルゴムには、ハロゲン化ブチルゴムが含まれる。ハロゲン化ブチルゴムは、ブチルゴムを臭素または塩素等でハロゲン化したものである。
温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2N・m未満では、スチールコードゴム複合体20を形成するときに未加硫ゴムを加硫するが、この加硫時にゴムが流れやすく、スチールコード10が動き易くなり、スチールコード10の位置の変動、すなわち、部材ゲージ変動が大きくなる。
一方、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.4N・mを超えると、スチールコード10内にゴムが浸透しにくくなり、例えば、ゴムがスチールコード10の中間層16のフィラメント13を被覆できない。ここで、ゴム層22の浸透とは、図1に示すスチールコード10のフィラメント13、コアフィラメント12に迄ゴムが到達することをいう。スチールコード10の中心近くにゴムが浸透するほど、ゴム浸透性が高いという。
また、ゴム層22を構成するゴムは、加硫後の100%伸張時のモジュラスが3.2〜5.2MPaであることが好ましい。この100%伸張時のモジュラスのことをM100ともいう。
100%伸張時のモジュラスは、JlS K6251に準拠して測定された値である。
M100が3.2MPa未満では、ゴム変形が大きくなり、ゴム層22とフィラメント13との剥離が発生し易くなる。これにより、ゴムの耐疲労性が悪化する虞がある。すなわち、ゴムの耐久性が低下する虞がある。
一方、M100が5.2MPaを超えるとゴムが他部材の変形に追従しにくくなり、ゴム層22とフィラメント13との剥離が発生し易くなる。これにより、ゴムの耐疲労性が悪化すると、ゴムに微細な割れ等が生じて空気の透過率が低下する。この空気の透過率の低下により、空気がスチールコードゴム複合体20を空気と透過する吹き抜けという現象が生じやすくなる。このようなことから、スチールコードゴム複合体20の耐久性が低下する虞がある。
スチールコード10では、スチールコード10からフィラメント13を単独で取り出した場合、図3に示すフィラメント13のように螺旋状の屈曲形状となる。この場合、フィラメント13の屈曲部分の最大幅を波高とし、この波高をdfとする。また、上述のようにスチールコード10の最大径はdcである。このとき、型付け率(%)をdf/dc×100(%)で規定する。なお、波高dfは投影機を用いて測定することができる。
スチールコード10において、図1に示す中間層16のフィラメント13では、型付け率は95〜105%であることが好ましい。最外層18のフィラメント13では、型付け率は70〜95%であることが好ましい。
中間層16のフィラメント13で、型付け率は95%未満であると、フィラメント13同士の隙間が小さくゴム浸透性が低下する虞がある。これにより、フィレッティングが発生する可能性があり、耐久性が低下する虞がある。
中間層16のフィラメント13で、型付け率が105%を超えると、加硫時のゴム流れによって、フィラメント13が形状維持できなくなる虞がある。このようなフィラメント13形状の不安定により、応力分担ができないフィラメント13が生じ、一部のフィラメント13に応力が集中してフィラメント13が破断する虞がある。また、端末バラケ性が大きくなり、端末部から水分が浸入しやすくなる。これにより、フィラメント13が錆びることがあり、スチールコード10の耐久性が低下し、ひいてはスチールコードゴム複合体20の耐久性も低下する虞がある。
ここで、「バラケる」とはフィラメント13が切り口から2mmを超えて広がることを意味し、2mm以下の広がりの発生は「バラケない」とする。端末バラケ性が大きいとは、フィラメント13の広がりが大きいことをいう。
最外層18のフィラメント13で、型付け率が70%未満では、フィラメント13同士の隙間が小さくゴム浸透性が低下する虞がある。これにより、フィレッティングが発生する可能性があり、耐久性が低下する虞がある。
最外層18のフィラメント13で、型付け率が95%を超えると、加硫時のゴム流れによって、フィラメント13が形状維持できなくなる虞がある。このようなフィラメント13形状の不安定により、応力分担ができないフィラメント13が生じて、一部のフィラメント13に応力が集中してフィラメント13が破断する虞がある。また、端末バラケ性が大きくなり、端末部から水分が浸入しやすくなる。これにより、スチールコード10の耐久性が低下し、ひいてはスチールコードゴム複合体20の耐久性も低下する虞がある。
上述の図2に示すスチールコードゴム複合体20は、例えば、トラック、バス等の重荷重用空気入りタイヤのカーカス層に利用することができる。図4にトラック、バス用の重荷重用空気入りタイヤ30(以下、単に重荷重用タイヤ30という)を示す。図4では、重荷重用タイヤ30の子午線CLに対して右半分だけを図示している。
図4に示す重荷重用タイヤ30は、トレッド部32と、サイドウォール部34と、ビード部36とを主な構成部分として有する。図4中で示されていないタイヤ左半分についても同様の構成を有する。
なお、以下の説明において、図4中に矢印で示すように、タイヤ幅方向とは、タイヤの回転軸(図示せず)と平行な方向をいい、タイヤ径方向とは、回転軸と直交する方向をいう。また、タイヤ周方向とは、回転軸を回転の中心となる軸として回転する方向をいう。更に、タイヤ内側とは、タイヤ径方向において図4中タイヤの下側、すなわちタイヤに所定の内圧を与える空洞領域に面するタイヤ内面側をいい、タイヤ外側とは、図4中タイヤの上側、すなわちタイヤ内周面と反対側の、ユーザが視認できるタイヤ外面側をいう。
トレッド部32には、タイヤ外側のトレッド面32aを構成する陸部32bと、トレッド面32aに形成されるトレッド溝32cとが設けられ、陸部32bは、トレッド溝32cによって区画される。トレッド溝32cは、タイヤ周方向に連続して形成される主溝とタイヤ幅方向に延在する複数のラグ溝(図示せず)等を有する。トレッド面32aには、トレッド溝32cと陸部32bとによりトレッドパターンが形成される。
重荷重用タイヤ30は、左右一対のビード部36間にはタイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含むカーカス層38が装架され、そのカーカス層38の端部がビードコア40の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されている。ビードコア40は、カーカス層38を折り返し、かつ重荷重用タイヤ30をホイールに固定するための機能を有する。
カーカス層38の補強コードが図1に示すスチールコード10である。また、カーカス層38の内側にインナーライナー層42が設けられている。
トレッド部32におけるカーカス層38の外周側には複数層のベルト層44a、44b、44c、44dが埋設されている。これらベルト層44a〜44dはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。
ベルト層44a〜44dにおいて、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は、例えば15°〜40°の範囲に設定され、そのコード打ち込み密度は、例えば、10本/50mm〜25本/50mm(10エンド〜25エンド)の範囲に設定されている。ベルト層44a〜44dの補強コードとして、例えば、公知の各種のスチールコードが使用される。なお、エンドとは、50mm当りのスチールコード数のことである。
インナーライナー層42は、タイヤ内部に充填された空気がタイヤ外部に漏れるのを防止するためのものである。インナーライナー層42は、例えば、再生ブチルゴム由来のゴムを10〜40phr含む部ブチルゴム(IIR)を70phr以上、板状無機充填剤を5〜50phr配合したコンパウンドで構成することができる。上述の板状無機充填剤の粒子径が4.9〜7.5μmであり、アスペクト比が2.4〜3.4である。このような組成のインナーライナー層42をカーカス層38の内側に配置させることで、耐空気透過性を向上させることができる。
重荷重用タイヤ30において、カーカス層38に、上述の図1に示すスチールコード10を有する図2に示すスチールコードゴム複合体20を用いることができる。なお、スチールコード10およびスチールコードゴム複合体20についての詳細な説明は省略する。
スチールコードゴム複合体20は、上述のように、ゴム層22を構成するゴムのムーニー粘度MLを調整してスチールコード10内部へのゴム浸透性を確保している。このため、フレッティングによる破断を防止することができる。重荷重用タイヤ30の耐久性を向上させることができる。
重荷重用タイヤ30は、例えば従来公知の方法に従って製造することができる。また、タイヤに充填する気体としては、通常のまたは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明のスチールコードゴム複合体およびそれを用いた重荷重用空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明の重荷重用空気入りタイヤの実施例について具体的に説明する。
本実施例においては、下記表1に示す構成の実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例9の重荷重用空気入りタイヤを作製した。各重荷重用空気入りタイヤについて、ゴム浸透率(%)(ゴム浸透性)を測定し、更にはタイヤ耐久性能を評価した。ゴム浸透率(%)およびタイヤ耐久性能の結果を下記表1に示す。
なお、各タイヤのタイヤサイズは295/80R22.5であり、重荷重用空気入りタイヤの構造は、図4に示す構造である。トレッド部におけるカーカス層の外周側に4層のベルト層を配置した。なお、実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例9の重荷重用空気入りタイヤは、カーカス層だけが異なり、それ以外の構成は同じである。
カーカスコード構造には、3+9+15構造のスチールコード10を用いた。また、クラウン部カーカスエンドは、成形時28エンド(28本/50mm)とし、加硫後15.5エンド(15.5本/50mm)とした。なお、タイヤクラウン部の周長増加量は(成形から加硫)82%である。また、スチールコードの素線径は0.175mmとした。
下記表1のムーニー粘度MLは、JlS K6300に基づき温度148℃にて測定したトルクの最小値とした。
型付け率(%)は、重荷重用空気入りタイヤからスチールコードを取出し、最外層のフィラメント、中間層のフィラメントを取り出し、波高dfを測定し、スチールコードの最大径dcから求めた。なお、型付け率は、後述するゴム浸透率(%)と同じく、合計8本のスチールコードについて測定を実施し、スチールコード8本の型付け率の平均値とした。
下記表1ではM100と表記するゴムの100%伸張時のモジュラスは、JlS K6251に準拠して測定した値である。
ゴム浸透率(%)は以下のようにして求めた。
まず、重荷重用空気入りタイヤからスチールコードを取出す。次に、カッターナイフで、スチールコード外側のゴムを除去する。次に、最外層からフィラメント1本を除去し、スチールコード内のゴム浸透率を目視にて測定する。次に、最外層のフィラメントを全て除去し、中間層外側のゴムを除去する。そして、中間層からフィラメントを1本除去し、スチールコード内のゴム浸透率を目視にて測定する。次に、重荷重用空気入りタイヤの周上8ヶ所にて、同様の試験を実施する。すなわち、合計8本のスチールコードについて同様の試験を実施する。
そして、スチールコード8本のゴム浸透率の平均値を、最外層内および中間層の、それぞれのゴム浸透率(%)とする。
タイヤ耐久性試験は、以下のようにして行った。
各重荷重用空気入りタイヤをリム組みした後、充填ガスに窒素ガスを用いて、空気内圧を800kPaに設定する。そして、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)にて、速度50km/時、負荷170%で走行開始し、各重荷重用空気入りタイヤを30000km走行させる。
なお、タイヤ耐久性試験の負荷は、タイヤに規定されている最大荷重を100%としている。このため、上述の負荷170%とは、最大荷重(100%)に対する比率で、170%であることをいう。
30000km完走したものを「○」とし、30000km完走しても故障しているものを「△」とし、完走できなったものを「×」とした。
上述の30000km完走しても故障しているものとは、試験終了後、重荷重用空気入りタイヤを解体し、カーカスの破損、スチールコードの剥がれ、重荷重用空気入りタイヤの構成物の剥がれ等が生じていることをいう。完走できなったものとは、例えば、重荷重用空気入りタイヤが破裂したり、タイヤに破損が生じることで試験の継続が不可能になったもののことをいう。
上記表1に示すように、実施例1〜実施例7は、比較例1〜比較例9に比してタイヤ耐久性能が優れていた。実施例1〜実施例7のうち、実施例1は、ムーニー粘度、型付け率、およびM100を満たすものであり、タイヤ耐久性能が最も優れていた。なお、実施例2〜7は、型付け率およびM100のうち、いずれかが外れるものであり、比較例1〜比較例9よりはタイヤ耐久性能が良いものの、実施例1に比して若干耐久性が劣る。
比較例1は、ムーニー粘度が小さく、ゴム浸透率が高いものの、スチールコードの位置が変動し、すなわち、ゲージ変動により、タイヤ耐久性能が悪い。比較例2は、ムーニー粘度が大きく、ゴム浸透率が低くなり、タイヤ耐久性能が悪い。
比較例3は、ムーニー粘度が大きく、かつ中間層の型付け率が下限値未満であり、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。比較例4は、ムーニー粘度が大きく、かつ中間層の型付け率が上限値を超えており、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。
比較例5は、ムーニー粘度が大きく、かつ最外層の型付け率が下限値未満であり、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。比比較例6は、ムーニー粘度が大きく、かつ最外層の型付け率が上限値を超えており、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。
比較例7は、ムーニー粘度が大きく、かつM100が下限値未満であり、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。比較例8は、ムーニー粘度が大きく、かつM100が上限値を超えており、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。
比較例9は、ムーニー粘度が大きく、中間層の型付け率が上限値を超え、最外層の型付け率が上限値を超え、更にはM100が上限値を超えている。このため、比較例9は、ゴム浸透率が低く、タイヤ耐久性能が悪い。
10 スチールコード
12 コアフィラメント
13 フィラメント
14 コア
16 中間層
18 最外層
20 スチールコードゴム複合体
22 ゴム層
30 重荷重用空気入りタイヤ
32 トレッド部
34 サイドウォール部
36 ビード部
38 カーカス層
40 ビードコア
42 インナーライナー層
44a、44b、44c、44d ベルト層

Claims (4)

  1. 3本のコアフィラメントで構成されるコアと、8〜9本のフィラメントで構成される中間層と、13〜15本のフィラメントで構成される最外層とを備えるスチールコードと、
    複数のスチールコードをそれぞれ引き揃えて配置された状態で被覆するゴム層とを有し、
    前記ゴム層を構成するゴムは、温度148℃におけるムーニー粘度MLが0.2〜0.4N・mであることを特徴とするスチールコードゴム複合体。
  2. 前記スチールコードから取り出した前記フィラメントの波高をdfとし、前記スチールコードの最大径をdcとし、型付け率をdf/dc×100で規定するとき、
    前記型付け率は、前記中間層の前記フィラメントが95〜105%であり、前記最外層の前記フィラメントが70〜95%である請求項1に記載のスチールコードゴム複合体。
  3. 前記ゴム層を構成するゴムは、加硫後の100%伸張時のモジュラスが3.2〜5.2MPaである請求項1または2に記載のスチールコードゴム複合体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチールコードゴム複合体をカーカス層に用いたことを特徴とする重荷重用空気入りタイヤ。
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