JP2016055218A - 排気ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な構成を有することなく、触媒の耐久性、使用する触媒金属量及び排気ガスの通路抵抗を維持したまま、触媒の浄化性能を向上させた排気ガス浄化用触媒の提供。【解決手段】第1触媒2-1と、第1触媒2−1と排気ガス3の流れ方向に対して後方に設置された第2触媒2−2と、第1触媒2−1よりも排気ガス3の流れ方向に対して前方に設置されたA/Fセンサ5と、第1触媒2−1と第2触媒2−2の間に設けられた隙間部に設置された酸素センサ4とを備え、第1触媒2−1の第2触媒2−2に対する容積比が0.3〜1.5であり、隙間部の長さが排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mmであり、第1触媒2−1及び第2触媒2−2はそれぞれ担体と、担体に被覆されたコート層とを含有し、コート層は前記担体の表面上に形成されるパラジウムを含む下層と、下層の上面に形成されるロジウムを含む上層とを有する2層構造の排気ガス浄化用触媒1。【選択図】図1

Description

本発明は、排気ガス浄化用触媒に関するものである。
自動車等の内燃機関から排出される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分が含まれており、これらの有害成分は排気ガス浄化用触媒によって浄化されてから大気中に放出されている。排気ガス浄化用触媒としては、通常は、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)及び白金(Pt)等の貴金属の粒子を含有する触媒層を、耐熱性の基材(担体)に被覆した貴金属担持触媒が使用される。このような従来の触媒の性能を向上させるために、これまで様々な試みが行われてきた。
例えば、特許文献1は、触媒担体と、該触媒担体の表面に略均一に被覆されるコート材と、該コート材に担持される触媒成分からなるモノリス触媒において、前記触媒担体の排気ガス流入部の単位体積当たりの熱容量を排気ガス流出部の単位体積当たりの熱容量より小さくしたことを特徴とするモノリス触媒を記載する。前記熱容量は、前記触媒担体の肉厚を薄くすることにより小さくする。
特許文献2は、ハニカム通路を有する複数個のハニカム担体(触媒)を両端が開口したケース内に互いに間隔を隔てて直列に列設してなるタンデム型の排気ガス浄化用触媒において、少なくとも排気ガス流の上流側に配置された該ハニカム担体(触媒)には、入口側端面から軸方向に10〜20mmの範囲の部分に触媒金属が他の部分より高濃度で担持された高担持部をもつことを特徴とする排気ガス浄化用触媒を記載する。
特許文献3は、第1触媒担体と第2触媒担体とを直列に配設すると共に、前記第1触媒担体に前記第2触媒担体よりも多くの貴金属を担持し、前記第2触媒担体の容積を前記第1触媒担体の容積よりも大きくし、更に、前記第2触媒担体のセル密度を前記第1触媒担体のセル密度よりも低密度としたことを特徴とする排気ガス浄化用触媒を記載する。
特許文献4は、内燃機関の排気路に設けられるケーシングの排気ガス入口側より出口側に向けて複数の担体を互いに隙間部を介して配設し、各担体には排気ガスが流動する多数の貫通孔と各貫通孔を区画する担体壁を有し、前記担体壁には排気ガス浄化のための触媒が担持された排気ガス浄化装置において、前記ケーシングの排気ガス入口側の担体に担持される前触媒のコート層厚より排気ガス出口側の担体に担持される後触媒のコート層厚が大きく、かつ触媒が担持された前記排気ガス入口側担体の開口面積より触媒が担持された前記排気ガス出口側担体の開口面積が小さく設定されたことを特徴とする排気ガス浄化装置を記載する。
特開平7-233723号公報 特開平6-205983号公報 特開2004-181374号公報 特開2006-291812号公報
しかしながら、特許文献1では、熱容量を小さくするために触媒担体の肉厚を薄くする必要があり、該触媒の耐久性が悪化する問題がある。
特許文献2及び3では、いずれの触媒も排気ガス流の上流側部分に他の部分より高濃度の貴金属を担持する必要があり、(i)使用する貴金属の量が増加する、(ii)貴金属の高濃度担持部分において熱により貴金属が粒成長し、その結果触媒活性が劣化する、といった問題がある。
特許文献4では、排気ガス流の下流側部分のコート層を他の部分より厚くする必要があり、排気ガスの通路抵抗(圧力損失)が上昇し、その結果エンジンの出力が低下する問題がある。
また、特許文献1〜4に記載された排気ガス浄化用触媒又は装置では、担体と、貴金属を含むコート層とからなる触媒部分が均質なものでなく、複雑な構成を有している。
したがって、本発明は、複雑な構成を有することなく、触媒の耐久性、使用する触媒金属量及び排気ガスの通路抵抗を維持したまま、触媒の浄化性能を向上させた排気ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するための手段を種々検討した結果、第1触媒と第2触媒とを有するタンデム型の排気ガス浄化用触媒において、第1触媒の第2触媒に対する容積比[=(第1触媒容積)/(第2触媒容積)]を0.3〜1.5とし、第1触媒と第2触媒との間に排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mmの隙間部を設けることにより、第1触媒及び第2触媒それぞれが有するコート層及び触媒金属担持密度を実質的に同一にしても、シングル型の排気ガス浄化用触媒の耐久性、使用する触媒金属量及び排気ガスの通路抵抗を維持したまま浄化性能を向上することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)第1触媒と、前記第1触媒と排気ガスの流れ方向に対して直列で、かつ、前記第1触媒よりも排気ガスの流れ方向に対して後方に設置された第2触媒と、前記第1触媒よりも排気ガスの流れ方向に対して前方に設置されたA/Fセンサと、前記第1触媒と前記第2触媒の間に設けられた隙間部に設置された酸素センサとを備え、前記第1触媒の前記第2触媒に対する容積比が0.3〜1.5であり、前記隙間部の長さが排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mmであり、前記第1触媒及び前記第2触媒はそれぞれ担体と、前記担体に被覆されたコート層とを含有し、前記コート層は前記担体の表面上に形成される下層と、前記下層の上面に形成される上層とを有する2層構造であり、前記下層はパラジウムを含む触媒金属を含有し、前記上層はロジウムを含む触媒金属を含有し、前記第1触媒及び前記第2触媒はそれぞれ実質的に同一であるコート層厚さ及び触媒金属担持密度を有することを特徴とする、排気ガス浄化用触媒。
本発明により、シングル型の排気ガス浄化用触媒の耐久性、使用する触媒金属量及び排気ガスの通路抵抗を維持したまま、複雑な構成を有することなく、向上された浄化性能を有するタンデム型の排気ガス浄化用触媒を提供することが可能となる。
本発明の排気ガス浄化用触媒の構成を示す模式図である。 本発明の第1触媒の構成を示す模式図である。 実施例1の排気ガス浄化用触媒を示す模式図である。 実施例2の排気ガス浄化用触媒を示す模式図である。 比較例1の排気ガス浄化用触媒を示す模式図である。 比較例2の排気ガス浄化用触媒を示す模式図である。 比較例3の排気ガス浄化用触媒を示す模式図である。 実施例3の測定における評価パターンを示した図である。 実施例3の測定における第1触媒の第2触媒に対する容積比とHC浄化率の関係を示した図である。 実施例3の測定における第1触媒の第2触媒に対する容積比とNOx浄化率の関係を示した図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本明細書では、適宜図面を参照して本発明の特徴を説明する。図面では、明確化のために各部の寸法及び形状を誇張しており、実際の寸法及び形状を正確に描写してはいない。それ故、本発明の技術的範囲は、これら図面に表された各部の寸法及び形状に限定されるものではない。なお、本発明の排気ガス浄化用触媒は、下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
本発明のタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)は、図1に示すように、第1触媒(2−1)と、第1触媒(2−1)と排気ガス(3)の流れ方向に対して直列で、かつ、第1触媒(2−1)よりも排気ガス(3)の流れ方向に対して後方に設置された第2触媒(2−2)と、第1触媒(2−1)よりも排気ガス(3)の流れ方向に対して前方に設置されたA/Fセンサ(5)と、第1触媒(2−1)と第2触媒(2−2)の間に設けられた隙間部に設置された酸素センサ(4)とを備え、第1触媒(2−1)の第2触媒(2−2)に対する容積比[=(第1触媒容積)/(第2触媒容積)]が0.3〜1.5であり、前記隙間部の長さが排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mmであることを特徴とする。
ここで、排気ガス(3)とは、エンジンの排気系から外部に排出されるガスを示す。排気ガス(3)は、例えば、自動車等の内燃機関から排出される排気ガスであり、主に、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害成分を含む。また、第1触媒と第2触媒の触媒床温の温度差は、0〜100℃以下、好ましくは0〜50℃である。
A/F(空燃比:Air-by-fuel ratio)センサ(5)とは、空燃比を制御するための、排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサを示す。A/Fセンサ(5)には、従来のこの種の用途に用いられる種々のセンサを用いることができる。
A/Fセンサによって、空燃比を理論空燃比、すなわち、混合気中の燃料を完全酸化させるのに必要な酸素量を過不足なく含んだ混合気の空燃比値(燃料にガソリンを使用する場合では、理論空燃比(=空気/ガソリン)は約14.5〜15.0である。)に制御する。
酸素センサ(4)とは、ガス雰囲気中の酸素濃度を測定するセンサを示す。酸素センサ(4)には、従来のこの種の用途に用いられる種々のセンサを用いることができる。
酸素センサ(4)を第1触媒(2−1)と第2触媒(2−2)の間に設けられた隙間部に設置することにより、排気ガス(3)を浄化する中間過程をモニタリングすることができ、排気ガス浄化性能を高めることができる。隙間部において十分に混合されたガスについてモニタリングをするために、酸素センサ(4)はガスが第2触媒(2−2)に入る直前、例えばガスの流れ方向に対して第2触媒(2−2)から15mm〜150mm前方に設置することが好ましい。
第1触媒(2−1)の第2触媒(2−2)に対する容積比は0.3〜1.5であり、好ましくは0.5〜1.0である。また、第1触媒(2−1)と第2触媒(2−2)の間の隙間部の長さは、排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mm、好ましくは30mm〜200mmである。
第1触媒(2−1)の第2触媒(2−2)に対する容積比及び第1触媒(2−1)と第2触媒(2−2)の間に設けた隙間部の長さを前記範囲とすることによって、第1触媒(2−1)において生じる反応熱が第2触媒(2−2)に伝達した際に第2触媒(2−2)の触媒活性において最適な温度範囲となる。さらに、前記容積比において第1触媒(2−1)から流出するガスのガス種及びガス濃度はミキシングされると反応性が向上する最適なガス種及びガス濃度となり、前記第1触媒(2−1)から流出したガスが前記隙間部において乱流化、すなわちミキシングされることによって第2触媒(2−2)における反応性が向上する。
本発明のタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)を構成する第1触媒(2−1)は、担体と、前記担体に被覆されたコート層とを含有し、前記コート層は触媒金属を含む。例えば、第1触媒(2−1)は、図2に示すように、担体(6)と、担体(6)に被覆されたコート層(7)とを含有し、コート層(7)は担体(6)の表面上に形成される下層(8)と、下層(8)の上面に形成される上層(9)とを有する2層構造であり、下層(8)はパラジウムを含む触媒金属を含有し、上層(9)はロジウムを含む触媒金属を含有する。
ここで、担体(6)とは、コート層(7)を被覆(担持)する基材を示す。
担体(6)には、従来のこの種の用途に用いられる種々の素材及び形態のものが使用可能である。例えば、コージェライト、炭化ケイ素(SiC)等のセラミックスまたは合金(ステンレス等)から形成されたハニカム構造を備えるハニカム基材などを好適に採用することができる。一例として外形が円筒形状であるハニカム基材であって、その筒軸方向に排気ガス通路としての貫通孔(セル)が設けられ、各セルを仕切る隔壁(リブ壁)に排気ガスが接触可能となっているものが挙げられる。担体(6)の形状はハニカム形状の他にフォーム形状、ペレット形状などとすることができる。また担体(6)全体の外形については、円筒形に代えて、楕円筒形、多角筒形を採用してもよい。
第1触媒(2−1)を構成するコート層(7)の2層構造は、担体(6)の表面にまず下層(8)を形成し、その後、下層(8)の表面に上層(9)を形成することにより得られる。
下層(8)は、パラジウムを担持する担体を含むスラリーを担体(6)表面にウォッシュコートし、それにパラジウムを担持してもよいし、担体に予めパラジウムを担持した触媒粉末を含むスラリーを担体(6)表面にウォッシュコートしてもよい。
下層(8)においてパラジウムを担持する担体は、従来のこの種の用途に用いられる種々の素材及び形態のものが使用可能である。例えば、多孔質担体としてアルミナ(Al2O3)と、セリア(CeO2)と、ジルコニア(ZrO2)とからなる複合酸化物により構成された担体を使用することができる。
下層(8)において使用されるパラジウム量は特に制限されないが、パラジウム担持担体の全質量に対して、0.05〜2質量%の範囲、例えば0.1〜1質量%とすることが好ましい。これより少ないと十分な触媒活性が得られず、これより多く担持させても効果が飽和するとともにコスト面で不利である。なお、パラジウムは、HC及びCOの酸化触媒として作用する。
上層(9)は、ロジウムを担持する担体を含むスラリーを下層(8)表面にウォッシュコートし、それにロジウムを担持してもよいし、担体に予めロジウムを担持した触媒粉末を含むスラリーを下層(8)表面にウォッシュコートしてもよい。
上層(9)においてロジウムを担持する担体は、従来のこの種の用途に用いられる種々の素材及び形態のものが使用可能である。例えば、多孔質担体としてアルミナ(Al2O3)と、セリア(CeO2)と、ジルコニア(ZrO2)とからなる複合酸化物により構成された担体を使用することができる。
上層(9)において使用されるロジウムの量は特に制限されないが、ロジウム担持担体の全質量に対して、0.01〜1質量%の範囲、例えば0.01〜0.5質量%とすることが好ましい。これより少ないと十分な触媒活性が得られず、これより多く担持させても効果が飽和するとともにコスト面で不利である。なお、ロジウムは、NOxの還元触媒として作用する。
コート層(7)をウォッシュコートにより形成するプロセスにおいて、担体(6)表面、あるいは下層(8)表面にスラリーを適当に密着させるため、スラリーにはバインダーを含有させることが好ましい。バインダーとしては、例えばアルミナゾル、シリカゾル等が好ましい。スラリーの粘度は、スラリーが担体(6)内に容易に流入しうるものが好ましい。
コート層(7)を2層構造とし、一方の層にHC及びCOの酸化触媒金属を、他方の層にNOxの還元触媒金属をそれぞれ分離して担持させることにより、酸化触媒金属と還元触媒金属とが合金化することによる触媒活性の低下を抑制することができる。
なお、コート層(7)においては、触媒金属として下層(8)にパラジウム、上層(9)にロジウムを用いたが、触媒金属はこれらに限定されるものではない。触媒金属は、HC及びCOを酸化する触媒並びにNOxを還元する触媒であれば良く、前記貴金属の他には、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)等の貴金属及び鉄(Fe)、コバルト(Co)等の遷移金属並びにこれらの触媒金属を混合した混合物を使用することができる。
本発明のタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)を構成する第2触媒(2−2)は、前記で説明した第1触媒(2−1)と同様に製造することができる。
本発明のタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)では、従来のシングル型の排気ガス浄化用触媒と比較して、複雑な構成を有することなく、排気ガス浄化用触媒の耐久性、使用する触媒金属量及び排気ガスの通路抵抗を維持するために、第1触媒(2−1)及び第2触媒(2−2)としてそれぞれ実質的に同一であるコート層厚さ及び触媒金属担持密度を有するものを使用することが好ましい。例えば、第1触媒(2−1)及び第2触媒(2−2)は、前記の第1触媒(2−1)を製造する方法で製造した触媒を、第1触媒(2−1)の第2触媒(2−2)に対する容積比が0.3〜1.5となるように、例えばバンドソーを用いて切り離すことによって、製造することができる。
ここで、実質的に同一であるとは、対象とする2つの物質の対象とする物理的性質に意識的に作り上げた違いがないことを意味する。例えば、第1触媒(2−1)のコート層厚さと第2触媒(2−2)のコート層厚さが実質的に同一であるとは、第1触媒(2−1)のコート層厚さに対するそれぞれのコート層厚さの違い[={(第1触媒(2−1)のコート層厚さ)−(第2触媒(2−2)のコート層厚さ)}/(第1触媒(2−1)のコート層厚さ)×100]が10%以内、好ましくは5%以内であることを意味する。例えば、第1触媒(2−1)の触媒金属密度と第2触媒(2−2)の触媒金属密度が実質的に同一であるとは、第1触媒(2−1)の触媒金属密度に対するそれぞれの触媒金属密度の違い[={(第1触媒(2−1)の触媒金属密度)−(第2触媒(2−2)の触媒金属密度)}/(第1触媒(2−1)の触媒金属密度)×100]が10%以内、好ましくは5%以内であることを意味する。
前記説明により製造されたタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)は、排気ガス(3)を効率よく浄化することができる。
ここで、浄化性能とは、排気ガス中のHCを水及び二酸化炭素に酸化し、NOxを窒素に還元する能力を示す。浄化性能は、浄化率[={(排気ガス中のHC又はNOxの濃度)−(排気ガス浄化用触媒から流出したガス中のHC又はNOxの濃度)}/(排気ガス中のHC又はNOxの濃度)×100]によって表わし、浄化率が高いほど、浄化性能が優れる。
本発明によるタンデム型の排気ガス浄化用触媒(1)は、特にリッチ、すなわち燃料過剰の雰囲気下で、NOxの浄化性能を低下させることなく、HCの浄化性能を向上させることができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例につき説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
実施例1 第1触媒の第2触媒に対する容積比が0.5の排気ガス浄化用触媒の調製
1−1.下層用スラリーの調製
アルミナ(Al2O3)と、セリア(CeO2)と、ジルコニア(ZrO2)とからなる複合酸化物に対し、硝酸パラジウム(Pd(NO3)2)溶液を用いてパラジウムを担持し、大気中500℃で3時間焼成し、パラジウム担持複合酸化物粉末を得た。得られたパラジウム担持複合酸化物粉末を100質量%としたとき、担持したパラジウムは0.58質量%であった。得られたパラジウム担持複合酸化物粉末に、バインダー、及び蒸留水を混合し、下層用スラリーを調製した。
1−2.上層用スラリーの調製
アルミナ(Al2O3)と、セリア(CeO2)と、ジルコニア(ZrO2)とからなる複合酸化物に対し、硝酸ロジウム(Rh(NO3)3)溶液を用いてロジウムを担持し、大気中500℃で3時間焼成し、ロジウム担持複合酸化物粉末を得た。得られたロジウム担持複合酸化物粉末を100質量%としたとき、担持したロジウムは0.05質量%であった。得られたロジウム担持複合酸化物粉末に、バインダー、及び蒸留水を混合し、上層用スラリーを調製した。
1−3.コート層の形成
コート層の2層構造を形成するために、担体(横103mm×縦103mm×基材長さ105mm)の表面に下層用スラリーをウォッシュコートし、余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成して下層コート層を形成した。次いで、上層用スラリーをウォッシュコートし、余分なスラリーを吹き払った後、乾燥、焼成して上層コート層を形成することにより、触媒の前駆体を得た。
1−4.容積比の調整
前記1−1〜1−3により調製した触媒の前駆体を、バンドソーを用いて排気ガスが流入する面(以下、Fr端面)から長さ方向に35.0mmのところで切断し、基材長35.0mmの第1触媒と基材長70.0mmの第2触媒を得た。
第1触媒の第2触媒に対する容積比を測定したところ、0.517であった。
1−5.排気ガス浄化用触媒の調製
第1触媒と第2触媒の間に180mmの隙間部を設け、図3に示す排気ガス浄化用触媒を製造した。
実施例2 第1触媒の第2触媒に対する容積比が1.0の排気ガス浄化用触媒の調製
実施例1−4の工程において、触媒の前駆体をバンドソーを用いてFr端面から長さ方向に52.5mmのところで切断し、基材長52.5mmの第1触媒と基材長52.5mmの第2触媒を得たこと以外については、実施例1と同様にして図4に示す排気ガス浄化用触媒を製造した。
第1触媒の第2触媒に対する容積比を測定したところ、1.00であった。
比較例1 シングル型の排気ガス浄化用触媒の調製
実施例1−4の工程を実施しない(すなわち、触媒の前駆体を切断しない)こと以外については、実施例1と同様にして図5に示す排気ガス浄化用触媒を製造した。
比較例2 第1触媒の第2触媒に対する容積比が0.2の排気ガス浄化用触媒の調製
実施例1−4の工程において、触媒の前駆体をバンドソーを用いてFr端面から長さ方向に17.5mmのところで切断し、基材長17.5mmの第1触媒と基材長87.5mmの第2触媒を得たこと以外については、実施例1と同様にして図6に示す排気ガス浄化用触媒を製造した。
第1触媒の第2触媒に対する容積比を測定したところ、0.205であった。
比較例3 第1触媒の第2触媒に対する容積比が2.0の排気ガス浄化用触媒の調製
実施例1−4の工程において、触媒の前駆体をバンドソーを用いてFr端面から長さ方向に70.0mmのところで切断し、基材長70.0mmの第1触媒と基材長35.0mmの第2触媒を得たこと以外については、実施例1と同様にして図7に示す排気ガス浄化用触媒を製造した。
第1触媒の第2触媒に対する容積比を測定したところ、1.93であった。
実施例3 HC及びNO x 浄化率の測定
前記方法により得られた実施例1及び2並びに比較例1〜3の排気ガス浄化用触媒について、HC及びNOx浄化率の測定を行った。
3−1.測定方法
排気ガス浄化用触媒をエンジンの下流側に設置してA/Fドリフト試験を行った。A/Fドリフト試験の評価パターンを図8に示す。図8に示すように、A/Fドリフト試験は、A/F=14.6を境にして10秒ごとにリッチ(燃料過剰雰囲気)条件下とリーン(空気過剰雰囲気)条件下を往復(1サイクル20秒×4サイクル=1セット)することによって行った。詳細を以下に示す。
A/Fドリフト試験条件
エンジン回転数:3000rpm
ガス流量:30g/s
排気ガスの浄化用触媒流入時の温度:約650℃
1セット目:リッチ条件A/F=14.4、リーン条件A/F=14.8
2セット目:リッチ条件A/F=14.1、リーン条件A/F=15.1
3セット目:リッチ条件A/F=13.6、リーン条件A/F=15.6
各セット間において、A/F=14.6を60秒間維持することによって触媒を回復。
2セット目の3サイクル目におけるA/Fがリッチからリーンに切り替わるところ(図8において破線で囲った箇所)のHC及びNOx浄化率の測定を行った。
3−2.測定結果
浄化率を下記式により算出した。
浄化率(%)={(排気ガス中のHC又はNOxの濃度)−(排気ガス浄化用触媒から流出したガス中のHC又はNOxの濃度)}/(排気ガス中のHC又はNOxの濃度)×100
第1触媒の第2触媒に対する容積比とHC浄化率の関係について図9に示し、第1触媒の第2触媒に対する容積比とNOx浄化率の関係について図10に示す。
図9及び10に示すように、実施例1及び2の排気ガス浄化用触媒は、従来の触媒である比較例1と比較して、HC及びNOxの浄化率が高かった。また、第1触媒の第2触媒に対する容積比を本発明の容積比から変更した比較例2及び3では、比較例1と比較してHC又はNOxの浄化率が低かった。
1.排気ガス浄化用触媒
2−1.第1触媒
2−2.第2触媒
3.排気ガス
4.酸素センサ
5.A/Fセンサ
6.担体
7.コート層
8.下層
9.上層

Claims (1)

  1. 第1触媒と、
    前記第1触媒と排気ガスの流れ方向に対して直列で、かつ、前記第1触媒よりも排気ガスの流れ方向に対して後方に設置された第2触媒と、
    前記第1触媒よりも排気ガスの流れ方向に対して前方に設置されたA/Fセンサと、
    前記第1触媒と前記第2触媒の間に設けられた隙間部に設置された酸素センサとを備え、
    前記第1触媒の前記第2触媒に対する容積比が0.3〜1.5であり、
    前記隙間部の長さが排気ガスの流れ方向に沿って30mm〜300mmであり、
    前記第1触媒及び前記第2触媒はそれぞれ担体と、前記担体に被覆されたコート層とを含有し、前記コート層は前記担体の表面上に形成される下層と、前記下層の上面に形成される上層とを有する2層構造であり、前記下層はパラジウムを含む触媒金属を含有し、前記上層はロジウムを含む触媒金属を含有し、
    前記第1触媒及び前記第2触媒はそれぞれ実質的に同一であるコート層厚さ及び触媒金属担持密度を有することを特徴とする、排気ガス浄化用触媒。
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