JP2016054416A - 立体画像処理装置、立体撮像装置、立体表示装置および立体画像処理プログラム - Google Patents

立体画像処理装置、立体撮像装置、立体表示装置および立体画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】立体画像における書き割り効果の発生をより正確に判定する。
【解決手段】立体画像処理装置3は、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる第1の被写体と第2の被写体を抽出する抽出手段20と、視差画像における第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量または撮像に際しての該複数部分のそれぞれの被写体距離と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定手段55と、該第1の判定手段により第1の被写体内の立体感がないと判定された場合に、視差画像における第1および第2の被写体の視差量または撮像に際しての第1および第2の被写体の被写体距離を用いて、視差画像の観察における第1の被写体に対する第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定手段56とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体視可能な視差画像を生成する画像処理技術に関する。
互いに視差を有する視差画像を表示することで観察者に立体画像を提示する場合に、被写体がついたてのように見えるいわゆる「書き割り効果」が生じる場合がある。特許文献1では、書き割り効果を立体画像を提示する空間の幾何学的な歪み(空間歪み)による不自然さと定義し、視差画像の撮像条件、該空間に関する条件(空間条件)および視差画像の観察条件に基づいて空間歪みによる不自然さを表す方法が開示されている。
特開2005−26756号公報
しかしながら、観察者は視差画像が有する視差によって立体感を感じるので、特許文献1にて開示されているような空間歪みだけでは正確に観察者が感じる書き割り効果を表すことは困難である。
本発明は、書き割り効果を視差や被写体距離によって定義することで、書き割り効果の発生をより正確に判定することができるようにした立体画像処理装置を提供する。
本発明の一側面としての立体画像処理装置は、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる第1の被写体と第2の被写体を抽出する抽出手段と、視差画像における第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量または撮像に際しての該複数部分のそれぞれの被写体距離と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定手段と、該第1の判定手段により第1の被写体内の立体感がないと判定された場合に、視差画像における第1および第2の被写体の視差量または撮像に際しての第1および第2の被写体の被写体距離を用いて、視差画像の観察における第1の被写体に対する第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定手段とを有することを特徴とする。
なお、上記立体画像処理装置を含む立体撮像装置および立体表示装置もそれぞれ、本発明の他の一側面を構成する。
さらに、本発明の他の一側面としての立体画像処理プログラムは、コンピュータに、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる第1の被写体と第2の被写体を抽出させ、視差画像における第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量または撮像に際しての該複数部分のそれぞれの被写体距離と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定を行わせ、第1の判定により第1の被写体内の立体感がないと判定された場合に、視差画像における第1および第2の被写体の視差量または撮像に際しての第1および第2の被写体の被写体距離を用いて、視差画像の観察における第1の被写体に対する第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定を行わせることを特徴とする。
本発明によれば、視差や被写体距離に基づいて、書き割り効果の発生を正確に判定することができる。
本発明の実施例1である立体画像処理装置の構成を示すブロック図。 実施例1の立体画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例2である立体撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例2の立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例3である立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例4である立体表示装置の構成を示すブロック図。 実施例4の立体表示装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例5である立体画像処理装置の構成を示すブロック図。 実施例5の立体画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例6である立体画像処理装置の構成を示すブロック図。 実施例6の立体画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例7である立体撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例7の立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例8である立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例9である立体表示装置の構成を示すブロック図。 実施例9の立体表示装置が行う処理を示すフローチャート。 立体撮像モデルを説明する図。 被写体抽出を説明する図。 対応点抽出方法を説明する図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、具体的な実施例の説明に先立って、該実施例に共通する事項について説明する。各実施例では、互いに視差を有する左右のカメラにより被写体を撮像して互いに視差を有する右眼用および左眼用の視差画像(以下、左右の視差画像という)を生成し、これら視差画像を観察者に右眼と左眼を通して観察させることで被写体の立体像を提示する。
立体画像に関係するパラメータには、撮像に関する5つのパラメータ(以下、撮像パラメータという)と観察に関する3つのパラメータ(以下、観察パラメータという)とがある。5つの撮像パラメータは、左右のカメラの光軸間の距離(基線長)、撮像時における両カメラの撮影光学系の焦点距離、両カメラの撮像素子のサイズ(有効画素数)、左右のカメラの光軸同士がなす角度(輻輳角)および被写体距離である。一方、3つの観察パラメータは、視差画像を表示する表示面のサイズ(表示サイズ)、表示面とこれに表示された視差画像を観察する観察者との距離(視距離)、表示面に表示する視差画像の位置を調整するためのオフセット量である。
輻輳角を変化させる(左右の光軸の交点である輻輳点を前後させる)ことにより立体感を制御する交差法もあるが、ここでは説明の簡略化のために左右の光軸が平行となる平行法での立体感の制御について説明する。平行法での幾何学的理論は、輻輳角を変化させる方法に対しても、輻輳点までの距離を考慮することで成り立つ。任意の被写体を撮像するときの幾何学関係を図17(A)に、撮像により生成された視差画像を観察者に提示するときの幾何学関係を図17(B),(C)に示す。
図17(A)において、左右のカメラの主点位置の中間を原点とする。左右のカメラ(L_camera,R_camera)が並ぶ方向にx軸をおき、それに直交する方向にy軸をおく。高さ方向について説明の簡略化のために省略する。基線長は2wcである。左右のカメラの仕様は同一であり、撮像時の両カメラの撮影光学系の焦点距離をfとし、撮像素子の横幅をccwとする。任意の被写体Aの位置をA(x1,y1)とする。
左右のカメラの撮像素子上に形成される被写体Aの像の位置は、幾何学的に、被写体Aおよび主点位置を通る直線と撮像素子との交点となる。このため、撮像素子上での被写体Aの像の位置は撮像素子の中心を基準とすると、左右のカメラで異なる。この位置の差は被写体距離が長いほど小さくなり、無限遠では0になる。
図17(B)において、観察者の左右の眼(L_eye,R_eye)の中心を原点とし、左右の眼が並ぶ方向にx軸をおき、それに直交する方向にy軸をおく。左右の眼の間隔は2weである。観察者から視差画像が表示される表示面(screen)までの視距離はdsである。表示面の横幅はscwである。
表示面上には左右のカメラでの撮像により得られた左右の視差画像が互いにほぼ重複する表示領域に表示される。観察者が液晶シャッタメガネを装着して左眼用および右眼用のシャッタを交互に開閉することで立体観察を行う場合は、表示面に表示される左右の視差画像もそれに同期して高速で交互に切り替えられる。平行法による撮像によって得られた左右の視差画像をそのまま表示すると、表示面上には無限遠の被写体の画像ばかりが表示され、すべての被写体が表示面から飛び出すように表示されて好ましくない。このため、左右の視差画像の表示領域をx軸方向にずらして、表示面上での被写体距離を適当に調整する。この左右の視差画像の表示領域をずらす量がオフセット量(s)である。
オフセット量が0の場合に表示面に表示される左の視差画像Lの座標を(Pl,ds)とし、右の視差画像Rの座標を(Pr,ds)とするとき、オフセット量がsの場合のそれらの座標はL(Pl−s,ds)とR(Pr+s,ds)になる。
このような条件において観察される被写体Aの立体像は、左眼および左の視差画像を結んだ直線と右眼および右の視差画像を結んだ直線との交点の位置A′(x2,y2)に形成される。
A′(x2,y2)について幾何学的に詳細に説明する。被写体Aの像の左右のカメラの撮像素子の中心に対するずれ量を撮影視差量Plc,Prcとすると、これらは、
で表される。
撮像素子のサイズ(横幅ccw)と表示面のサイズ(横幅scw)との比を表示倍率mとすると、
m=scw/ccw
となり、撮影視差量Plc,Prcは表示面上では−m倍される。これを表示視差量Pl,Prとすると、
で表される。
表示時に左右の視差画像に付加するオフセット量をsとすると、観察者が観察する被写体Aの立体像の位置A′(x2,y2)は、
となる。
同一の被写体距離の像は同一の平面上にて観察される。ここで、さらに説明の簡略化のために、被写体Aを軸上(x1=0)とすると、オフセット量が0のときの表示視差量は、
となる。オフセット量をsとしたときの立体像の位置A′は、図17(C)に示すように、左眼および左の視差画像を結んだ直線と右眼および右の視差画像を結んだ直線との交点の位置(0,y2)となる。
式(9)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。
図17(C)に示すように、観察者が被写体Aの立体像を見込む角度をβとすると、βはその立体像が形成される位置までの距離y2と眼幅2weとから、
となる。y2に式(9)を代入すると、
となり、式(12)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。
ここで、図17(C)に示すように、観察者が表示面を見込む角度をαとすると、
となるので、α−βは、
となる。また、式(15)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。このα−βがいわゆる相対視差量と呼ばれる指標である。この相対視差量の大きさが表示面と被写体Aの像との間の相対的な奥行き方向(y軸方向)での距離に対応する。従来の様々な研究から、人間は脳内でこの相対視差量を計算して奥行き方向での被写体の位置を認識していることが知られている。
次に、壁化について説明する。壁化とは、立体画像の観察時に任意の被写体と無限遠に位置する被写体に対して奥行き方向での区別がつかなくなる(相対的な立体感がなくなる)ことをいう。つまり、任意の被写体が無限遠の背景に対して張り付いているように観察される。
壁化は遠方の被写体に対して生じる現象であるので、まず無限遠の被写体について相対視差量を求める。無限遠に対する相対視差量は、平行法では、式(1),(2)から分かるように、視差量(Pl−Pr)が0となるため、
となる。
ここで、無限遠の被写体に対する有限距離の被写体の視差量は、式(17)から式(15)または式(16)を引いて以下のように求まる。
壁化が生じているときには、遠方の被写体は平面に見えるので、無限遠の被写体に対する視差量は0でなくてはならない。
発明者がフルHDの3Dテレビを用いて遠方の被写体の立体感を主観的に評価した結果、無限遠の被写体に対する視差量が3分未満のときには画像としては視差があってもほとんどの人(観察者)が視差を感じなくなることが分かった。式(18),(19)は眼幅2weは関係がない。
そこで、このほとんどの人が視差、つまりは立体感を感じなくなる視差量を、許容視差下限値δtと定義する。式(18)または(19)とδtを用いると、
または
となり、式(20)または式(22)を満足すれば壁化が発生せず、式(21)または式(23)を満足すると壁化が発生すると判定できる。
ここで、許容視差下限値δtを近距離で撮像した人物等の奥行き方向に厚みを有する被写体に適用することを考える。例えば、図18に示すように、所定の被写体距離に位置する人の鼻の先を被写体iとし、耳を被写体jとする。被写体jに対する被写体iの視差量を求めるためには、式(18)または式(19)の導出と同様に、被写体jに対する相対視差量から被写体iに対する相対視差量を差し引けばよい。つまり、
または、
となる。(Pl−Pr)/dsは被写体iの視差量であり、(Pl−Pr)/dsは被写体jの視差量である。式(24)の右辺は、被写体i,jの視差量の差を示す。また、y1は被写体iの被写体距離であり、y1は被写体jの被写体距離である。式(25)右辺は、被写体i,jの視差量の差に相当する値を示す。
発明者は、基線長2wc以外の撮像条件と観察条件を固定して、人物の視差画像で検証した結果、壁化と同様に視差量が3分より小さくなると人物の顔の部分の立体感が無くなることを確認した。これにより、許容視差下限値δtは、遠方の物体だけではなく、近距離の物体の視差量にも適用できると言える。つまり、式(24)または式(25)とδtを用いると、
または、
となり、式(26)または式(28)を満足すれば(各式の左辺の値が許容視差下限値以上であれば)、人物の顔は立体的に認識される(立体感がある)と判定できる。一方、式(27)または式(29)を満足すると、人物の顔は平面的に認識される(立体感がない)と判定できる。
また、式(23)を被写体距離y1について整理すると、
となり、壁化が発生する被写体距離y1を直接判定することができる。
さらに、例えば所定の被写体距離に位置する人の鼻の先から耳までの厚みをΔとする。この所定の被写体距離に位置する厚みに対する視差を求めるためには、式(16)による相対視差α−βを被写体距離y1により微分し、所定の被写体距離における視差の感度を求め、これに所定の厚みΔを乗じればよい。
式(16)を微分すると、
となり、これに厚みΔを乗ずれば厚みの視差となる。
厚みΔを有する被写体に対して立体感が無くなる被写体距離の判定を式で示すと、
となる。式(32)を満足すれば、人物の顔は立体的に認識される(立体感がある)と判定できる。一方、式(33)を満足すると(式(32)を満足すれば)、人物の顔は平面的に認識される(立体感がない)と判定できる。
視差画像を取得するための撮像を行ったときの人物等の主被写体に関して、式(27)、式(29)または式(33)を満足するとき、主被写体の視差量は許容視差下限値δtより小さいので、視差画像内の主被写体が立体に見えない。このとき、背景被写体が主被写体よりも遠くに存在することで、背景被写体の視差量が主被写体の視差量に対して式(26)、式(28)または式(32)を満足すると、主被写体に対して背景被写体が相対的に立体に見える。言い換えれば、立体的な背景被写体の前に主被写体が平面的に見える書き割り効果が発生する。
このように、書き割り効果は、立体に見える背景被写体と平面に見える主被写体とが1つの画像の中に混在するときに人間の脳が混乱して感じる感覚として定義することができる。このため、書き割り効果は、許容視差下限値δtという評価量によって立体感を感じる視差と直接関連付けられる。
本発明の実施例では、立体撮像を行うとき又は立体画像を表示(観察)するときに、書き割り効果が生じないようにするために許容視差下限値δtを用いて視差画像から得られる立体感を判定する。
以下、具体的な実施例について説明する。
図1には、実施例1である立体画像処理装置3を含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体画像処理装置3は、撮像装置100により生成された左右の視差画像に対して、良好な立体画像の観察を可能とするために、視差量と許容視差下限値とを用いて視差画像から生じる立体感を判定する。
より詳しくは、視差画像における第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量と許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定を行う。ここにいう第1の被写体は、人物等の主被写体である。
さらに、立体画像処理装置3は、第1の被写体内の立体感がないと判定した場合には以下の第2の判定を行う。すなわち、視差画像における第1および第2の被写体間の相対視差量と許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体に対する第2の被写体の相対的立体感(以下、相対立体感という)を判定する第2の判定を行う。ここにいう第2の被写体は、第1の被写体である主被写体の背景として存在する山等の風景や建物といった背景被写体である。これら第1および第2の判定を行うことは、後述する実施例2〜4も同じである。
表示装置200は、撮像装置100により生成された左右の視差画像を表示して、観察者に立体視が可能な立体画像を提示する。
立体画像処理装置3において、画像取得部10は、撮像装置100から左右の視差画像のデータファイル(以下、視差画像データファイルという)を取得する。この視差画像データファイルには、視差画像のデータに付加される前述した撮像パラメータの情報を撮像条件の情報として含む。
被写体抽出部(抽出手段)20は、視差画像に含まれる主被写体および背景被写体を抽出する。観察条件取得部30は、表示装置200における前述した観察パラメータの情報を観察条件の情報として取得する。観察パラメータに、表示画素数を含んでいてもよい。
視差量算出部40は、基準画像選択部41と対応点抽出部42とを含む。基準画像選択部41は、左右の視差画像のうち一方の視差画像を視差量算出のための基準画像として、他方の視差画像を参照画像として選択する。対応点抽出部42は、左右の視差画像間で互いに対応する画素としての対応点を複数組抽出する。対応点とは、左右の視差画像において同一被写体を撮像する画素である。視差量算出部40は、対応点抽出部42により抽出された複数組の対応点のそれぞれの間の視差量を算出する。
立体感判定部50は、許容視差下限値取得部51と、許容視差下限値記録部52と、補正値取得部53と、評価領域選択部54と、領域内立体感判定部55と、相対立体感判定部56とを含む。許容視差下限値取得部51は、前述した許容視差下限値を取得する。許容視差下限値記録部52は、取得された許容視差下限値を記録する。補正値取得部53は、立体感に対する観察者の個人差に対応するために許容視差下限値の補正(変更)に用いられる補正値を取得する。
評価領域選択部54は、抽出された主被写体内の立体感を評価する領域(以下、主被写体領域という)を選択する。領域内立体感判定部55は、許容視差下限値を用いて主被写体領域内での立体感の有無を判定する。すなわち、領域内立体感判定部55は、第1の判定手段として上述した第1の判定を行う。相対立体感判定部56は、主被写体に対する背景被写体の相対立体感の有無を判定する。すなわち、相対立体感判定部56は、第2の判定手段として上述した第2の判定を行う。
判定結果記録部60は、立体感判定部50による判定結果を視差画像データファイルに記録する。
図2のフローチャートには、本実施例の立体画像処理装置3が行う処理を示している。立体画像処理装置3は、パーソナルコンピュータまたはCPU等のコンピュータチップにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
まずステップS301において、画像取得部10は、撮像装置100から左右の視差画像のデータを含む視差画像データファイルを取得する。視差画像データファイルの取得は、不図示のケーブルで撮像装置100と立体画像処理装置3とを有線接続して行ってもよいし、電波や赤外線等を用いた無線接続(無線通信)により行ってもよい。
次に、ステップS302において、被写体抽出部20は、視差画像内の主被写体と背景被写体とを抽出(選択)する。具体的には、例えば、ユーザが操作可能なタッチパネルやボタン等の入力インターフェースを通じて指定された被写体領域において色等の特徴量やエッジ情報に基づいて主被写体を抽出したり、公知の顔認識技術を用いて主被写体(人物)を抽出したりする。そして、それ以外の被写体を背景被写体として抽出する。また、任意に切り出した部分画像領域を基準画像(テンプレート画像)として登録し、視差画像内で該テンプレート画像と最も相関度が高い領域を抽出するテンプレートマッチングの手法を利用して主被写体や背景被写体を抽出してもよい。テンプレート画像は、撮像時にユーザが登録してもよいし、事前に代表的な複数種類のテンプレート画像をメモリに記録させておき、その中からユーザに選択させるようにしてもよい。ここでは、図18において実線で囲まれた人物を主被写体として抽出し、破線で囲まれた山を背景被写体として抽出するものとする。
次に、ステップS303において、観察条件取得部30は、表示装置200から観察条件の情報を取得する。観察条件の情報の取得は、不図示のケーブルで表示装置200と立体画像処理装置3とを有線接続して行ってもよいし、電波や赤外線等を用いた無線接続(無線通信)により行ってもよい。また、ユーザが操作可能なタッチパネルやボタン等の入力インターフェースを用いて観察条件の情報を入力してもよいし、想定される代表的な観察条件を予め登録しておき、その中からユーザに選択されるようにしてもよい。なお、ここまで説明したステップS301〜S303の順序を入れ替えてもよい。
次に、ステップS304において、視差量算出部40は、ステップS302で抽出された主被写体内の複数部分(図18中の被写体部分i,j等)のそれぞれの視差量を算出する。視差量算出部40は、まず基準画像選択部41に、左右の視差画像のうち一方を基準画像として、他方を参照画像として選択させる。次に、視差量算出部40は、対応点抽出部42に、基準画像と参照画像のそれぞれの複数箇所から複数組の対応点を抽出させる。
対応点の抽出手法について図19を用いて説明する。ここでは視差画像にX−Y座標系を設定する。この座標系では、図中の左側に示した基準画像301と右側に示した参照画像302において左上の画素を原点として定義し、水平方向にX軸を、垂直方向にY軸をとる。基準画像301中の画素(X,Y)の輝度をF1(X,Y)とし、参照画像302中の画素(X,Y)の輝度をF2(X,Y)とする。
基準画像301中の任意の画素(X,Y)(ハッチングして示す)に対応する参照画像302中の画素(同じくハッチングして示す)は、基準画像301における輝度F1(X,Y)と最も類似した輝度を有する参照画像302中の画素である。ただし、任意の画素と最も類似した画素を探すことは現実には難しいため、画素(X,Y)の近傍の画素も用いて、ブロックマッチングと称される手法により類似画素を探索する。
例えば、ブロックサイズが3である場合のブロックマッチング処理について説明する。基準画像301中の任意の1つの画素(X,Y)とその周辺の2つの画素(X−1,Y),(X+1,Y)からなる3つの画素の輝度値はそれぞれ、
F1(X,Y)
F1(X−1,Y)
F1(X+1,Y)
となる。これに対し、画素(X,Y)からX方向にk画素だけずれた参照画像302内の画素の輝度値はそれぞれ、
F2(X+k,Y)
F2(X+k−1,Y)
F2(X+k+1,Y)
となる。この場合に、基準画像301内の画素(X,Y)との類似度Eを、以下の式(29)により定義する。
この式(34)において、kの値を変更しながら類似度Eの値を計算する。そして、参照画像302のうち最も小さい類似度Eを与える参照画像中の画素(X+k,Y)が、基準画像301中の画素(X,Y)に対する対応点である。
なお、上記のようなブロックマッチング以外に、エッジ抽出等の他の方法を用いて対応点を抽出してもよい。
次に、視差量算出部40は、複数組抽出された対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を算出する。具体的には、視差量算出部40は、まず前述した式(1),(2)を用いて対応点の座標での撮影視差量差Plc,Prcを算出する。次に、視差量算出部40は、表示倍率mを算出し、さらに式(3),(4)から左右の表示視差量Pl,Prを算出して視差量(Pl−Pr)を算出する。こうして、主被写体内の複数部分の視差量が求められる。
次に、ステップS305(第1の立体感判定ステップ)において、立体感判定部50は、ステップS304で算出された主被写体内の複数部分の視差量から、観察者に対する主被写体の立体感の有無を判定する(第1の判定を行う)。まず、許容視差下限値取得部51は、許容視差下限値記録部52から許容視差下限値δtの情報を取得する。許容視差下限値δtは、前述したように、観察者のほとんどが立体感を感じなくなる視差量(例えば、3分)である。次に、評価領域選択部54は、例えば図18に例示したように主被写体の鼻の先(被写体部分i)を含む領域と、耳(被写体部分j)を含む領域とを主被写体内の立体感の評価領域として選択する。被写体部分i,jは、主被写体内の複数部分において最大および最小の視差量を有する部分を選択することが望ましい。また、ユーザが前述した入力インターフェースを用いて選択した複数の領域を評価領域として設定してもよい。
次に、領域内立体感判定部55は、許容視差下限値δtと、選択された評価領域の視差量(被写体部分i,jの視差量)と、ステップS303で取得された観察条件のうち視距離を用いて、式(26)を満足するか否かを判定する。式(26)を満足する場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができるので、領域内立体感判定部55はステップS306において主被写体を立体(すなわち立体感あり)と判定する。一方、式(26)を満足しない場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができないため、領域内立体感判定部55はステップS307にて主被写体は平面(すなわち立体感なし)と判定する。
ステップS307にて主被写体が平面と判定された場合は、ステップS308において、視差量算出部40は、ステップS302で抽出された背景被写体の視差量を算出する。
そして、ステップS309(第2の立体感判定ステップ)において、相対立体感判定部56は、算出された背景被写体の視差量と主被写体の視差量とから、主被写体に対する背景被写体の相対立体感の有無を判定する。
まず、許容視差下限値取得部51は、許容視差下限値記録部52から許容視差下限値δtの情報を取得する。次に、評価領域選択部54は、図18に示した主被写体である人物のうち鼻の先(被写体i)を含む領域と、背景被写体である山(被写体k)を含む領域とを、視差画像内の相対立体感の評価領域として選択する。次に、相対立体感判定部56は、許容視差下限値δtと、選択された相対立体感の評価領域の視差量と、ステップS303で取得された観察条件のうち視距離とを用いて、式(26)を満足するか否かを判定する。式(26)を満足する場合は、前述したように背景被写体は主被写体に対して相対的に立体感を感じることができる。この場合は、相対立体感判定部56は、ステップS310にて、平面である主被写体に対して背景被写体の相対立体感がある、つまりは書き割り効果が発生していると判定する。そして、ステップS311に進む。一方、式(26)を満足しない場合は、前述したように背景被写体は主被写体に対して相対的に立体感を感じることができない。この場合は、相対立体感判定部56は、主被写体に対する背景被写体の相対立体感自体がない、つまりは書き割り効果が発生していないと判定して、ステップS311に進む。
ステップS311において、判定結果記録部60は、ステップS309,S310での判定結果を視差画像データファイルに記録する。この際、判定結果を表示装置200によって表示してもよいし、不図示の記録媒体に別途記録してもよい。
なお、本実施例では、ステップS305およびステップS309において式(26)を用いて立体感を判定したが、許容視差下限値δtは発明者の主観評価実験から定められた統計量であるため、観察者によっては若干の差異が生じることがある。このため、補正値取得部53により取得される補正値Cを用いて許容視差下限値δtを補正(変更)した以下の式(35)により立体感を判定してもよい。
ここで、補正値Cは、初期条件として不図示のメモリに記録された値を用いてもよいし、ユーザが上述した入力インターフェースを用いて入力してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。これにより、書き割り効果が生じない良好な視差画像を取得するための撮像パラメータや視差画像を表示する際の観察パラメータ(表示サイズ、視距離、オフセット量)の判断や設定を容易に行うことが可能となり、より高品位な立体画像を提示することができる。
図3には、実施例2である立体撮像装置の構成を示している。本実施例の立体撮像装置は、被写体を異なる視点から撮像することで左右の視差画像を生成するとともに、実施例1と同様に、良好な立体画像観察を実現するために、視差量と許容視差下限値とを用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
101aは右の撮影光学系であり、101bは左の撮影光学系である。左右の撮像光学系101b,101aの光軸間の距離、すなわち基線長は、65mm程度が好適であるが、表示する立体像に対する立体感の要求に応じて変更することが可能である。左右の撮像素子102b,102aはそれぞれ、左右の撮影光学系101b,101aにより形成された被写体像(光学像)を電気信号に変換する。A/D変換器103b,103aは、左右の撮像素子102b,102aから出力されるアナログ出力信号をデジタル信号に変換して画像処理部104に供給する。
画像処理部104は、A/D変換器103b,103aからのデジタル信号に対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行って左右の視差画像を生成する。また、画像処理部104は、左右の視差画像のうち少なくとも一方から被写体輝度の情報や撮影光学系101b,101aの焦点状態(コントラスト状態)を演算し、演算結果をシステムコントローラ106に供給する。画像処理部104の動作は、システムコントローラ106によって制御される。撮影光学系101a,101b、撮像素子102a,102b、A/D変換器103a,103bおよび画像処理部104により撮像部が構成される。
状態検知部107は、実施例1で説明した撮像パラメータ(基線長、焦点距離、撮像素子サイズ、輻輳角および被写体距離)を検出する。また、状態検出部107は、各撮影光学系に含まれる絞りの開口径や不図示のフォーカスレンズの位置等の光学状態も検出する。そして、これら撮像パラメータおよび光学状態を含む撮像条件の情報をシステムコントローラ106に供給する。システムコントローラ106は、画像処理部104からの演算結果と状態検知部107からの光学状態の情報とに基づいて光学駆動部105を制御し、絞りの開口径を変化させたりフォーカスレンズを移動させたりする。これにより、自動露出制御やオートフォーカスが行われる。
記録部108は、画像処理部104により生成された左右の視差画像を記録する。また、左右の視差画像を含む画像ファイルのファイルヘッダを格納する。
画像表示部109は、例えば液晶表示素子とレンチキュラーレンズとにより構成され、レンチキュラーレンズの光学作用によって液晶表示素子に表示された左右の視差画像をそれぞれ観察者の左右の眼に導くことで、立体像を提示する。
立体画像処理部4は、実施例1にて説明した立体画像処理装置3から判定結果記録部60を省いた構成を有する。ここでは、立体画像処理部4の説明として、実施例1の立体画像処理装置3と重複する説明は省略するが、立体画像処理装置3と同じ構成要素については実施例1で用いた符号を付す。
次に、本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部4が行う処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。制御用コンピュータとしてのシステムコントローラ(撮像制御手段および表示制御手段)106および画像処理用コンピュータとしての立体画像処理部4は、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。立体撮像プログラムは、実施例1にて説明した立体画像処理プログラムを含む。
まずステップS401において、ユーザ(撮影者)による撮像準備の開始を指示する操作を検知したシステムコントローラ106は、ユーザによる選択または設定に基づいて光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御する。また、システムコントローラ106は、撮像素子102a,102bに撮像光学系101a,101bのそれぞれによって形成された被写体像を光電変換させる。そして、撮像素子102b,102aからの出力をA/D変換器103b,103aを介して画像処理部104に転送し、画像処理部104に左右のプレ視差画像を生成させる。立体画像処理部4(画像取得部10)は、生成されたプレ視差画像を取得する。
次に、ステップS402において、立体画像処理部4(被写体抽出部20)は、実施例1のステップS302と同様に、プレ視差画像内の主被写体と背景被写体とを抽出(選択)する。本実施例でも、図18において実線で囲まれた人物を主被写体として抽出し、破線で囲まれた山を背景被写体として抽出するものとする。
次に、ステップS403において、立体画像処理部4(観察条件取得部30)は、実施例1のステップS303と同様に、表示装置200から観察条件の情報を取得する。なお、ここまで説明したステップS401〜S403の順序を入れ替えてもよい。
次に、ステップS404において、立体画像処理部4(視差量算出部40)は、実施例1のステップS304と同様に、ステップS302で抽出された主被写体内の複数部分(図18中の被写体部分i,j等)のそれぞれの視差量を算出する。
次に、ステップS405(第1の立体感判定ステップ)において、立体画像処理部4(立体感判定部50)は、ステップS404で算出された主被写体内の複数部分の視差量から、観察者に対する主被写体の立体感の有無を判定する(第1の判定を行う)。立体感の判定方法は、実施例1のステップS305と同様である。式(26)を満足する場合は、領域内立体感判定部55はステップS406にて主被写体を立体(すなわち立体感あり)と判定する。一方、式(26)を満足しない場合は、領域内立体感判定部55はステップS407にて主被写体は平面(すなわち立体感なし)と判定する。
ステップS407にて主被写体が平面と判定された場合は、ステップS408において、立体画像処理部4(視差量算出部40)は、実施例1のステップS308と同様に、ステップS402で抽出された背景被写体の視差量を算出する。
そして、ステップS409(第2の立体感判定ステップ)では、立体画像処理部4(相対立体感判定部56)は、実施例1のステップS409と同様に、背景被写体の視差量と主被写体の視差量とから、主被写体に対する背景被写体の相対立体感の有無を判定する。相対立体感の判定方法は、実施例1のステップS309と同様である。式(26)を満足する(相対立体感がある)場合は、相対立体感判定部56は、ステップS410にて書き割り効果が発生していると判定する。一方、式(26)を満足しない場合は、相対立体感判定部56は、書き割り効果が発生していないと判定する。
書き割り効果が発生していると判定されると、システムコントローラ106は、ステップS410において、光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御し、これらの撮像パラメータである焦点距離や基線長を変更する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、主被写体の立体感を向上させて書き割り効果を低減することができる。そして、システムコントローラ106は、ステップS401に戻って左右のプレ視差画像を再度、画像処理部104に生成させる。
一方、書き割り効果が発生していないと判定されると、システムコントローラ106は、ステップS412において、ユーザによる撮像指示を待って左右の視差画像を生成するための本撮像を行う。そして、ステップS413において、システムコントローラ106は、本撮像によって画像処理部104にて生成された左右の視差画像を視差画像データファイルに記録したり、画像表示部109に表示したり、不図示の記録媒体に別途記録したりする。
なお、ステップS410において書き割り効果が発生していると判定された場合に、ユーザの操作に応じて強制的にステップS412に移行して、本撮像を行ってもよい。この場合、生成された視差画像は書き割り効果を発生させるため、一方の視差画像のみを2D画像として表示または記録してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。これにより、書き割り効果が生じない良好な視差画像を取得するための撮像パラメータを制御することが可能となる
次に、実施例3である立体撮像装置について説明する。本実施例の立体撮像装置の構成は、基本的に実施例2の立体撮像装置の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例2と同符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部4′(図示せず)が行う処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。実施例2と同様に、システムコントローラ106および立体画像処理部4′は、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS501〜ステップS510、ステップS512およびステップS513は、実施例2で説明したステップS401〜ステップS410、ステップS412およびステップS413と同じであるので、説明を省略する。
ステップS510において書き割り効果が発生していると判定されると、システムコントローラ106は、ステップS511において、画像表示部109に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長をどのように変更すれば書き割り効果を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、主被写体の立体感を向上させて書き割り効果を低減することができる。アドバイス情報に基づいてユーザが焦点距離や基線長を変更する操作を行うと、システムコントローラ106はこの操作に応じて焦点距離や基線長を変更する。
この後、システムコントローラ106は、ステップS501に戻って左右のプレ視差画像を再度画像処理部104に生成させる。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。このため、書き割り効果が発生しない良好な立体画像を得るための左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図6には、実施例4である立体表示装置6を含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、実施例1と同様に、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体表示装置6は、被写体を異なる視点から撮像して生成された左右の視差画像を表示する際に、良好な立体画像観察を実現するために、視差量と許容視差下限値とを用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
立体表示装置6の構成は、実施例1の立体画像処理装置3から判定結果記録部60を省き、実施例1の表示装置200に代わる表示部210を組み込んだものに相当する。表示部210以外の立体表示装置6の構成要素は実施例1の立体画像処理装置3の構成要素と同じであるので、これらの構成要素には実施例1と同符号を付して説明に代える。
表示部210は、画像取得部10を通して撮像装置100から取得された左右の視差画像を、観察者が立体視可能に表示する。例えば、左右の視差画像を1つの表示面に時分割で表示するとともに、この時分割表示に同期させて液晶シャッタメガネの左右の液晶シャッタを交互に開閉することで立体視を可能とする。
表示部210において、視距離情報取得部201は、観察者が表示面を観察する距離である視距離の情報を取得する。また、表示制御部202は、表示面に表示する内容を制御する。表示パラメータ制御部203は、表示パラメータを制御する。表示パラメータは、観察パラメータのうち表示サイズやオフセット量である。表示制御部202および表示パラメータ制御部203により、表示制御手段が構成される。画像処理部204は、視差画像に対してエッジ強調や色補正等の通常の画像処理を行う。
図7のフローチャートには、本実施例の立体表示装置6が行う処理を示している。立体表示装置6は、パーソナルコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS601〜ステップS610は、実施例1で説明したステップS301〜ステップS310と同じであるので、説明を省略する。
ステップS610において書き割り効果が発生していると判定されると、表示部210は、ステップS611において、表示制御部202を通して表示面に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、観察パラメータである表示サイズ、オフセット量および視距離をどのように変更すれば書き割り効果を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。例えば、表示サイズを大きくしたり視距離を短くしたりオフセット量を変更したりすることで、主被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいてユーザが表示サイズやオフセット量を変更する操作を行うと、表示パラメータ制御部203がこの操作に応じて表示サイズやオフセット量を変更する。また、アドバイス情報に基づいてユーザは視距離を調整する。
なお、本ステップにおいて、アドバイス情報を表示せず、単に警告を表示するだけでもよい。この場合、表示サイズや視距離の変更を強制せず、そのまま左右の視差画像を表示してもよい。また、一方の視差画像を2D画像として表示してもよい。
この後、ステップS601にて、画像取得部10は、撮像装置100から新たな視差画像データファイルを取得する。
一方、ステップS609において書き割り効果が発生していないと判定されると、表示部210は、ステップS612において、表示制御部202を通して表示面に左右の視差画像を表示する。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。このため、書き割り効果が発生しない良好な立体画像の観察を可能とするための表示サイズや視距離の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図8には、実施例5である立体画像処理装置3Aを含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100および表示装置200は、実施例1と同じものである。
一方、本実施例の立体画像処理装置3Aは、撮像装置100により生成された左右の視差画像に対して、良好な立体画像の生成を可能とするために、撮像に際しての被写体までの距離(被写体距離)と許容視差下限値とを用いて視差画像から生じる立体感を判定する。このため、立体画像処理装置3Aは、実施例1の立体画像処理装置3とは構成および動作が異なる。
より詳しくは、視差画像における第1の被写体内の互いに異なる複数部分の被写体距離と許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定を行う。ここにいう第1の被写体は、実施例1と同様に人物等の主被写体である。
さらに、立体画像処理装置3Aは、第1の被写体内の立体感がないと判定した場合には以下の第2の判定を行う。すなわち、視差画像における第1および第2の被写体の被写体距離と許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察における第1の被写体に対する第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定を行う。ここにいう第2の被写体は、第1の被写体である主被写体の背景として存在する山等の風景や建物といった背景被写体である。これら第1および第2の判定を行うことは、後述する実施例6〜9も同じである。
本実施例の立体画像処理装置3Aのうち、実施例1の立体画像処理装置3と共通する画像取得部10、被写体抽出部20、観察条件取得部30および判定結果記録部60については、実施例1と同符号を付して説明に代える。
撮像条件取得部15は、視差画像データファイルに含まれる撮像条件の情報を取得する。撮像条件は、視差画像を取得するために行った撮像時における撮像パラメータおよび撮像光学系101a,101bの光学状態を含む。
距離情報取得部(距離取得手段)80は、視差量算出部81と、距離算出部84とを含む。視差量算出部81は、基準画像選択部82と、対応点抽出部83とを含む。基準画像選択部82は、撮像装置100によって生成されて画像取得部10を通して取得された左右の視差画像のうち一方を基準画像として、他方を参照画像として選択する。対応点抽出部83は、左右の視差画像間で互いに対応する画素としての対応点を複数組抽出する。視差量算出部81は、対応点抽出部83により抽出された複数組の対応点のそれぞれの間の視差量を算出する。距離算出部84は、算出された視差量と撮像条件取得部15により取得された撮像条件の情報とから、被写体抽出部20により視差画像から抽出された主被写体および背景被写体までの被写体距離を算出する。なお、本実施例では視差量から被写体距離を算出(取得)する場合について説明するが、測距センサ等を用いて被写体距離を測定することで取得してもよい。
立体感判定部50Aは、実施例1でも説明した許容視差下限値取得部51、許容視差下限値記録部52、補正値取得部53および評価領域選択部54を含む。実施例1でも説明したように、許容視差下限値取得部51は、許容視差下限値を取得する。許容視差下限値記録部52は、取得された許容視差下限値を記録する。補正値取得部53は、立体感に対する観察者の個人差に対応するために許容視差下限値の補正(変更)に用いられる補正値を取得する。評価領域選択部54は、抽出された主被写体内の立体感を評価する領域である主被写体領域を選択する。本実施例では、立体感判定部50Aは、許容視差下限値を用いて主被写体領域内での立体感の有無を判定する。すなわち、立体感判定部50Aは、第1の判定手段として上述した第1の判定を行う。
被写体位置判定部70は、主被写体の位置(被写体距離)と背景被写体の位置(被写体距離)とを比較することで、主被写体に対する背景被写体の相対立体感の有無を判定する。すなわち、被写体位置判定部70は、第2の判定手段として上述した第2の判定を行う。
図9のフローチャートには、本実施例の立体画像処理装置3Aが行う処理を示している。立体画像処理装置3Aは、パーソナルコンピュータまたはCPU等のコンピュータチップにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS701およびステップS702は、実施例1におけるステップS301およびステップS302と同じであるので、これらの説明は省略する。
ステップS703において、撮像条件取得部15は、ステップS301にて画像取得部10が取得した視差画像データファイルに含まれる撮像条件の情報を取得する。なお、撮像条件の情報を、撮像装置100から直接取得してもよい。また、観察条件取得部30は、実施例1のステップS303と同様に、表示装置200から観察条件の情報を取得する。ステップS701〜S703の順序は入れ替えてもよい。
次に、ステップS704において、距離情報取得部80は、ステップS702で抽出された主被写体内の複数部分(図18中の被写体部分i,j等)のそれぞれの被写体距離を算出する。具体的には、距離情報取得部80は、まず視差量算出部81に、ステップS702で抽出された主被写体内の複数部分のそれぞれの視差量を算出させる。また、基準画像選択部82に、左右の視差画像から基準画像および参照画像を選択させる。次に、対応点抽出部83に、基準画像と参照画像とから複数組の対応点を抽出させる。対応点の抽出手法は、実施例1で述べた通りである。
次に、距離情報取得部80は、視差量算出部81に、複数組抽出された対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を算出させる。具体的には、視差量算出部81は、まず前述した式(1),(2)を用いて対応点の座標での撮影視差量差Plc,Prcを算出する。次に、視差量算出部81は、表示倍率mを算出し、さらに式(3),(4)から左右の表示視差量Pl,Prを算出して視差量(Pl−Pr)を算出する。
次に、距離情報取得部80は、距離算出部84に、視差量算出部81により算出された視差量とステップS703で取得された撮像条件の情報とを用いて主被写体内の複数部分のそれぞれの被写体距離を算出させる。ここで、式(1),(2)および式(3),(4)から、被写体距離y1は、
となる。この式(36)を用いることで、主被写体内の各部分の被写体距離y1を求めることができる。
次に、ステップS705(第1の立体感判定ステップ)において、立体感判定部50Aは、算出された主被写体内の複数部分の被写体距離から、観察者に対する主被写体の立体感の有無を判定する(第1の判定を行う)。まず、許容視差下限値取得部51は、許容視差下限値記録部52から許容視差下限値δtの情報を取得する。次に、評価領域選択部54は、例えば図18に例示したように主被写体の鼻の先(被写体部分i)を含む領域と、耳(被写体部分j)を含む領域とを主被写体内の立体感の評価領域として選択する。被写体部分i,jは、主被写体内の複数部分において最大および最小の被写体距離を有する部分を選択することが望ましい。また、ユーザが前述した入力インターフェースを用いて選択した複数の領域を評価領域として設定してもよい。
次に、立体感判定部50Aは、許容視差下限値δtと選択された評価領域での被写体距離(被写体部分i,jの被写体距離)とステップS703で取得された観察条件のうち視距離とを用いて、式(28)を満足するか否かを判定する。式(28)を満足する場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができるので、立体感判定部50Aは、ステップS706にて主被写体を立体(すなわち立体感あり)と判定する。一方、式(28)を満足しない場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができないため、立体感判定部50Aは、ステップS707にて主被写体は平面(すなわち立体感なし)と判定する。
ステップS707にて主被写体が平面と判定された場合は、ステップS708において、距離情報取得部80は、ステップS702で抽出された背景被写体の被写体距離(以下、背景被写体距離という)を算出する。
次に、ステップS709(第2の立体感判定ステップ)において、被写体位置判定部70は、算出された背景被写体距離を主被写体の被写体距離(以下、主被写体距離という)と比較する。まず、被写体位置判定部70は、例えば主被写体の鼻の先(被写体部分i)と背景被写体としての山kを含む領域を相対位置評価領域として選択する。次に、被写体位置判定部70は、背景被写体距離が主被写体距離(被写体部分iの被写体距離)よりも遠いか否かを判定する(第2の判定を行う)。背景被写体距離が主被写体距離より遠い場合は、前述したように主被写体に対する背景被写体の相対立体感があるので、書き割り効果が発生する。このため、ステップS710で書き割り効果が発生していると判定する。一方、背景被写体距離が主被写体距離よりも遠くない(背景被写体距離の方が主被写体距離よりも近い)場合は、書き割り効果は発生しないと判定する。
最後にステップS711において、判定結果記録部60は、ステップS706、S709およびS710での判定結果を視差画像データファイルに記録する。このとき、判定結果を表示装置200に表示してもよいし、不図示の記録媒体に別途記録してもよい。
なお、本実施例では、ステップS705において式(28)を用いて立体感を判定したが、許容視差下限値δtは発明者の主観評価実験から定められた統計量であるため、観察者によっては若干の差異が生じることがある。このため、補正値取得部53により取得される補正値Cを用いて許容視差下限値δtを補正(変更)した以下の式(37)により立体感を判定してもよい。
実施例1でも説明したが、補正値Cは、初期条件として不図示のメモリに記録された値を用いてもよいし、ユーザが上述した入力インターフェースを用いて入力してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。これにより、書き割り効果が生じない良好な視差画像を取得するための撮像パラメータや視差画像を表示する際の観察パラメータ(表示サイズ、視距離、オフセット量)の判断や設定を容易に行うことが可能となり、より高品位な立体画像を提示することができる。
図10には、実施例6である立体画像処理装置3Bを含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100および表示装置200は、実施例1と同じものである。本実施例の立体画像処理装置3Bは、実施例5の立体画像処理装置3Aにおける距離情報取得部80に代えて距離情報取得部80Bを設けるとともに、被写体厚み情報取得部45を追加した構成を有する。本実施例において実施例5と共通する構成要素には、実施例5と同符号付して説明に代える。
距離情報取得部80Bは、視差画像データファイルから直接、被写体距離の情報を取得する。被写体厚み情報取得部45は、任意に選択された被写体の奥行き方向での厚みΔの情報を取得する。厚みΔの情報は、ユーザが前述した入力インターフェースを用いて入力した情報から取得することができる。また、人物の顔等の代表的な被写体に対して代表的な厚みをデータテーブルとして予め被写体厚み情報取得部45内に記録しておき、そこから読み出すことで、厚みΔの情報を取得することができる。なお、厚みΔは、例えば図18中の被写体部分i,jの被写体距離の差に相当するので、厚みΔを用いることは、主被写体内の複数部分の被写体距離を用いることと等価である。
図11のフローチャートには、本実施例の立体画像処理装置3Bが行う処理を示している。立体画像処理装置3Bは、パーソナルコンピュータまたはCPU等のコンピュータチップにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS801〜S803およびステップS810,S811は、実施例5におけるステップS701〜S703およびステップS710,S711と同じであるので、これらの説明(または詳しい説明)は省略する。
ステップS804において、被写体厚み情報取得部45は、ステップS802で抽出された主被写体の厚みの情報を取得する。
次に、ステップS805(第1の立体感判定ステップ)において、立体感判定部50Bは、算出された主被写体内の複数部分の被写体距離から、観察者に対する主被写体の有無を判定する(第1の判定を行う)。まず、許容視差下限値取得部51は、許容視差下限値記録部52から許容視差下限値δtの情報を取得する。次に、立体感判定部50Bは、許容視差下限値δtと、選択された主被写体の厚みΔの情報と、ステップS803で取得された撮像条件および観察条件とを用いて、式(32)を満足するか否かを判定する。式(32)を満足する場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができるので、立体感判定部50Bは、ステップS806にて主被写体を立体(すなわち立体感あり)と判定する。
一方、式(32)を満足しない場合は、前述したように抽出された主被写体は観察者にとって立体感を感じることができないため、立体感判定部50Bは、ステップS807にて主被写体は平面(すなわち立体感なし)と判定する。そして、この場合は、ステップS808を経てステップS809(第2の立体感判定ステップ)に進み、被写体体位置判定部70が、背景被写体距離を主被写体距離と比較する(第2の判定を行う)。背景被写体距離が主被写体距離より遠く、主被写体に対する背景被写体の相対立体感がある場合は、書き割り効果が発生するため、ステップS810で書き割り効果が発生していると判定する。一方、背景被写体距離が主被写体距離よりも遠くない(背景被写体距離の方が近い)場合は、書き割り効果は発生しないと判定する。
なお、本実施例では、ステップS805において式(32)を用いて立体感を判定したが、許容視差下限値δtは発明者の主観評価実験から定められた統計量であるため、観察者によっては若干の差異が生じることがある。このため、補正値取得部53により取得される補正値Cを用いて許容視差下限値δtを補正(変更)した以下の式(38)により立体感を判定してもよい。
実施例1でも説明したが、補正値Cは、初期条件として不図示のメモリに記録された値を用いてもよいし、ユーザが上述した入力インターフェースを用いて入力してもよい。
以上説明したように、本実施例でも、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。これにより、書き割り効果が生じない良好な視差画像を取得するための撮像パラメータや視差画像を表示する際の観察パラメータ(表示サイズ、視距離、オフセット量)の判断や設定を容易に行うことが可能となり、より高品位な立体画像を提示することができる。
図12には、実施例7である立体撮像装置の構成を示している。本実施例の立体撮像装置は、被写体を異なる視点から撮像することで左右の視差画像を生成するとともに、実施例1と同様に、良好な立体画像観察を実現するために、被写体距離と許容視差下限値とを用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
本実施例の立体撮像装置の構成は、基本的に実施例2で説明した立体撮像装置の構成と同じであり、実施例2と共通する構成要素については実施例2と同符号を付して説明に代える。本実施例では、実施例5にて説明した立体画像処理装置3Aに相当する立体画像処理部4Aが行う処理(動作)が、実施例2における立体画像処理部4が行う処理と異なる。本実施例でも、立体画像処理部4Aの説明として、実施例5の立体画像処理装置3Aと重複する説明は省略するが、立体画像処理装置3Aと同じ構成要素については実施例5で用いた符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部4Aが行う処理について、図13のフローチャートを用いて説明する。実施例2と同様に、制御用コンピュータとしてのシステムコントローラ(撮像制御手段および表示制御手段)106および画像処理用コンピュータとしての立体画像処理部4Aは、コンピュータプログラムである立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS902〜ステップS910は、実施例5で説明したステップS702〜ステップS710と同じであるので、これらの説明(または詳しい説明)を省略する。
まずステップS901において、ユーザ(撮影者)による撮像準備の開始を指示する操作を検知したシステムコントローラ106は、ユーザによる選択または設定に基づいて光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御する。また、システムコントローラ106は、撮像素子102a,102bに撮像光学系101a,101bのそれぞれによって形成された被写体像を光電変換させる。そして、撮像素子102b,102aからの出力をA/D変換器103b,103aを介して画像処理部104に転送し、画像処理部104に左右のプレ視差画像を生成させる。立体画像処理部4A(画像取得部10)は、生成されたプレ視差画像を取得する。次に、ステップS902において、立体画像処理部4A(被写体抽出部20)は、実施例2のステップS402と同様に、プレ視差画像内の主被写体と背景被写体とを抽出(選択)する。ステップS901〜S903の順序は入れ替えてもよい。
そして、ステップS905(第1の立体感判定ステップ)での式(28)を満足するか否かの判定を経てステップS906にて主被写体が立体感ありと判定されると、システムコントローラ106はステップS912に進む。ステップS905での判定に、実施例6で説明した主被写体の厚みの情報(つまりは式(32))を用いてもよい。
また、ステップS905の判定を経てステップS907で主被写体が立体感なしと判定された場合に、ステップS909にて背景被写体距離が主被写体距離よりも近い(書き割り効果なし)と判定されたときも、システムコントローラ106はステップS912に進む。一方、ステップS909にて背景被写体距離が主被写体距離より遠い(主被写体に対する背景被写体の相対立体感あり)と判定され、ステップS910で書き割り効果ありと判定されたときは、システムコントローラ106はステップS911に進む。
ステップS911では、実施例2のステップS411と同様に、システムコントローラ106は、光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御し、これらの撮像パラメータである焦点距離や基線長を変更する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、主被写体の立体感を向上させて書き割り効果を低減することができる。そして、システムコントローラ106は、ステップS901に戻って左右のプレ視差画像を再度、画像処理部104に生成させる。
一方、ステップS912では、実施例2のステップS412と同様に、ユーザによる撮像指示を待って左右の視差画像を生成するための本撮像を行う。そして、ステップS913において、システムコントローラ106は、本撮像によって画像処理部104にて生成された左右の視差画像を視差画像データファイルに記録したり、画像表示部109に表示したり、不図示の記録媒体に別途記録したりする。
なお、ステップS910において書き割り効果ありと判定された場合に、ユーザの操作に応じて強制的にステップS912に移行して、本撮像を行ってもよい。この場合、生成された視差画像は書き割り効果を発生させるため、一方の視差画像のみを2D画像として表示または記録してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。これにより、書き割り効果が生じない良好な視差画像を取得するための撮像パラメータを制御することが可能となる
次に、実施例8である立体撮像装置について説明する。本実施例の立体撮像装置の構成は、基本的に実施例7の立体撮像装置の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例7と同符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部4A′(図示せず)が行う処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。実施例7と同様に、システムコントローラ106および立体画像処理部4A′は、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS1001〜ステップS1010、ステップS1012およびステップS1013は、実施例7で説明したステップS901〜ステップS910、ステップS912およびステップS913と同じであるので、説明を省略する。
ステップS1010において書き割り効果ありと判定されると、システムコントローラ106は、ステップS1011において、画像表示部109に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長をどのように変更すれば書き割り効果を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、主被写体の立体感を向上させて書き割り効果を低減することができる。アドバイス情報に基づいてユーザが焦点距離や基線長を変更する操作を行うと、システムコントローラ106はこの操作に応じて焦点距離や基線長を変更する。
この後、システムコントローラ106は、ステップS1001に戻って左右のプレ視差画像を再度画像処理部104に生成させる。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。このため、書き割り効果が発生しない良好な立体画像を得るための左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図15には、実施例9である立体表示装置6Aを含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、実施例1や実施例5と同様に、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体表示装置6Aは、被写体を異なる視点から撮像して生成された左右の視差画像を表示する際に、良好な立体画像観察を実現するために、被写体距離と許容視差下限値とを用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
立体表示装置6Aの構成は、実施例5の立体画像処理装置3Aから判定結果記録部60を省き、実施例5の表示装置200に代えて、実施例4で説明した表示部210を組み込んだものに相当する。表示部210以外の立体表示装置6Aの構成要素は実施例5の立体画像処理装置3Aの構成要素と同じであるので、これらの構成要素には実施例5と同符号を付して説明に代える。また、表示部210の構成についても、実施例4と同じであるので、説明を省略する。
図16のフローチャートには、本実施例の立体表示装置6Aが行う処理を示している。立体表示装置6Aは、パーソナルコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS1101〜ステップS1110は、実施例5で説明したステップS701〜ステップS710と同じであるので、説明を省略する。なお、ステップS1105での判定に、実施例6で説明した主被写体の厚みの情報(つまりは式(32))を用いてもよい。
ステップS1110において書き割り効果が発生していると判定されると、表示部210は、ステップS1111において、表示制御部202を通して表示面に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、観察パラメータである表示サイズ、オフセット量および視距離をどのように変更すれば書き割り効果を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。例えば、表示サイズを大きくしたり視距離を短くしたりオフセット量を変更したりすることで、主被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいてユーザが表示サイズやオフセット量を変更する操作を行うと、表示パラメータ制御部203がこの操作に応じて表示サイズやオフセット量を変更する。また、アドバイス情報に基づいてユーザは視距離を調整する。
なお、本ステップにおいて、アドバイス情報を表示せず、単に警告を表示するだけでもよい。この場合、表示サイズや視距離の変更を強制せず、そのまま左右の視差画像を表示してもよい。また、一方の視差画像を2D画像として表示してもよい。
この後、ステップS1101にて、画像取得部10は、撮像装置100から新たな視差画像データファイルを取得する。
一方、ステップS1109において書き割り効果が発生していないと判定されると、表示部210は、ステップS1112において、表示制御部202を通して表示面に左右の視差画像を表示する。
以上説明したように、本実施例によれば、視差画像内の主被写体内の立体感と主被写体に対する背景被写体の相対立体感とを判定することで、書き割り効果の発生の有無をより正確に判定することができる。このため、書き割り効果が発生しない良好な立体画像の観察を可能とするための表示サイズや視距離の設定をユーザにアドバイスすることができる。
なお、上記各実施例では、第1および第2の判定の双方に視差量を用いる場合と被写体距離を用いる場合について説明したが、第1および第2の判定のうち一方に視差量を用い、他方に被写体距離を用いるようにしてもよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
3,3A,3B 立体画像処理装置
4,4A 立体画像処理部
20 被写体抽出部
40 視差量算出部
50,50A 立体感判定部
80,80B 距離情報取得部

Claims (13)

  1. 撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる第1の被写体と第2の被写体を抽出する抽出手段と、
    前記視差画像における前記第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量または前記撮像に際しての前記複数部分のそれぞれの被写体距離と、前記視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、前記視差画像の観察における前記第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定手段と、
    前記第1の判定手段により前記第1の被写体内の立体感がないと判定された場合に、前記視差画像における前記第1および第2の被写体の視差量または前記撮像に際しての前記第1および第2の被写体の被写体距離を用いて、前記視差画像の観察における前記第1の被写体に対する前記第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定手段とを有することを特徴とする立体画像処理装置。
  2. 前記第1の判定手段は、前記複数部分の視差量の差または該複数部分の被写体距離から求められる前記視差量の差に相当する値が前記許容視差下限値より小さいことで前記第1の被写体内の前記立体感がないと判定することを特徴とする請求項1に記載の立体画像処理装置。
  3. 前記撮像に用いられた互いに視差を有する光学系の基線長を2wcとし、該光学系の焦点距離をfとし、撮像素子のサイズをccwとし、
    前記視差画像を表示する表示面のサイズをscwとし、前記表示面に対する前記観察者の視距離をdsとし、
    前記複数部分のそれぞれの被写体距離をy1およびy1とし、
    前記許容視差下限値をδtとするとき、
    前記視差量の差に相当する値は、

    であることを特徴とする請求項2に記載の立体画像処理装置。
  4. 前記撮像に用いられた互いに視差を有する光学系の基線長を2wcとし、該光学系の焦点距離をfとし、撮像素子のサイズをccwとし、
    前記視差画像を表示する表示面のサイズをscwとし、前記表示面に対する前記観察者の視距離をdsとし、
    前記複数部分のいずれかの被写体距離をy1とし、前記複数部分の被写体距離の差に相当する前記第1の被写体の厚みをΔとし、
    前記許容視差下限値をδtとするとき、
    前記視差量の差に相当する値は、

    であることを特徴とする請求項2に記載の立体画像処理装置。
  5. 前記第1の判定手段は、前記第1の被写体内において最大および最小の視差量を有する部分または最大および最小の距離の部分を前記複数部分として選択することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の立体画像処理装置。
  6. 前記第2の判定手段は、前記第1および第2の被写体の視差量の差が前記許容視差下限値以上であることで前記相対立体感があると判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の立体画像処理装置。
  7. 前記第2の判定手段は、前記第2の被写体の被写体距離が前記第1の被写体の被写体距離よりも遠いことで前記相対立体感があると判定することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の立体画像処理装置。
  8. 前記第1の判定手段は、前記許容視差下限値を観察者の個人差に応じて変更することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の立体画像処理装置。
  9. 撮像により互いに視差を有する視差画像を生成する撮像部と、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の立体画像処理装置とを有することを特徴とする立体撮像装置。
  10. 前記第2の判定手段による判定結果に応じて前記撮像部の撮像パラメータを制御する撮像制御手段を有することを特徴とする請求項9に記載の立体撮像装置。
  11. 請求項1から8のいずれか一項に記載の立体画像処理装置と、
    前記視差画像を表示する表示部とを有することを特徴とする立体撮像装置。
  12. 前記第2の判定手段による判定結果に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御手段を有することを特徴とする請求項11に記載の立体表示装置。
  13. コンピュータに、
    撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる第1の被写体と第2の被写体を抽出させ、
    前記視差画像における前記第1の被写体内の互いに異なる複数部分の視差量または前記撮像に際しての前記複数部分のそれぞれの被写体距離と、前記視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、前記視差画像の観察における前記第1の被写体内の立体感を判定する第1の判定を行わせ、
    前記第1の判定により前記第1の被写体内の立体感がないと判定された場合に、前記視差画像における前記第1および第2の被写体の視差量または前記撮像に際しての前記第1および第2の被写体の被写体距離を用いて、前記視差画像の観察における前記第1の被写体に対する前記第2の被写体の相対立体感を判定する第2の判定を行わせることを特徴とするコンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラム。

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