JP2016054417A - 立体画像処理装置、立体撮像装置、立体表示装置および立体画像処理プログラム - Google Patents

立体画像処理装置、立体撮像装置、立体表示装置および立体画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】壁化や箱庭効果をより正確に判定する。
【解決手段】立体画像処理装置1は、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる実被写体を抽出する抽出手段20と、視差画像における実被写体の視差量および撮像に際しての実被写体の距離のうち一方と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察において得られる、無限遠に配置された仮想被写体に対する実被写体の立体感を判定する判定手段40,50とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体視可能な視差画像を生成する画像処理技術に関する。
互いに視差を有する視差画像を表示することで観察者に立体画像を提示する場合に、被写体が無限遠の背景に貼り付いているように見えるいわゆる「壁化」や、被写体が背景に対してミニチュアのように見えるいわゆる「箱庭効果」が生じる場合がある。特許文献1では、壁化や箱庭効果を立体画像を提示する空間の幾何学的な歪み(空間歪み)による不自然さと定義し、視差画像の撮像条件、該空間に関する条件(空間条件)および視差画像の観察条件に基づいて空間歪みによる不自然さを表す方法が開示されている。
特開2005−26756号公報
しかしながら、観察者は視差画像が有する視差によって立体感を感じるので、特許文献1にて開示されているような空間歪みだけでは正確に観察者が感じる壁化や箱庭効果を表すことは困難である。
本発明は、壁化や箱庭効果を視差や被写体距離によって定義することで、これら壁化や箱庭効果の発生をより正確に判定することができるようにした立体画像処理装置を提供する。
本発明の一側面としての立体画像処理装置は、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる実被写体を抽出する抽出手段と、視差画像における実被写体の視差量および撮像に際しての実被写体の距離のうち一方と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察において得られる、無限遠に配置された仮想被写体に対する実被写体の立体感を判定する判定手段とを有することを特徴とする。
なお、上記立体画像処理装置を含む立体撮像装置および立体表示装置もそれぞれ、本発明の他の一側面を構成する。
さらに、本発明の他の一側面としての立体画像処理プログラムは、コンピュータに、撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる実被写体を抽出させ、視差画像における前記実被写体の視差量および前記撮像に際しての前記実被写体の距離のうち一方と、視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、視差画像の観察において得られる、無限遠に配置された仮想被写体に対する実被写体の立体感を判定させることを特徴とする。
本発明によれば、視差や被写体距離に基づいて、壁化や箱庭効果の発生を正確に判定することができる。
本発明の実施例1である立体画像処理装置の構成を示すブロック図。 実施例1の立体画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例2である立体撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例2の立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例3である立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例4である立体表示装置の構成を示すブロック図。 実施例4の立体表示装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例5である立体画像処理装置の構成を示すブロック図。 実施例5の立体画像処理装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例6である立体撮像装置の構成を示すブロック図。 実施例6の立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例7である立体撮像装置が行う処理を示すフローチャート。 本発明の実施例8である立体表示装置の構成を示すブロック図。 実施例8の立体表示装置が行う処理を示すフローチャート。 立体撮像モデルを説明する図。 被写体抽出を説明する図。 対応点抽出方法を説明する図。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
まず、具体的な実施例の説明に先立って、該実施例に共通する事項について説明する。各実施例では、互いに視差を有する左右のカメラにより被写体を撮像して互いに視差を有する右眼用および左眼用の視差画像(以下、左右の視差画像という)を生成し、これら視差画像を観察者に右眼と左眼を通して観察させることで被写体の立体像を提示する。
立体画像に関係するパラメータには、撮像に関する5つのパラメータ(以下、撮像パラメータという)と観察に関する3つのパラメータ(以下、観察パラメータという)とがある。5つの撮像パラメータは、左右のカメラの光軸間の距離(基線長)、撮像時における両カメラの撮影光学系の焦点距離、両カメラの撮像素子のサイズ(有効画素数)、左右のカメラの光軸同士がなす角度(輻輳角)および被写体距離である。一方、3つの観察パラメータは、視差画像を表示する表示面のサイズ(表示サイズ)、表示面とこれに表示された視差画像を観察する観察者との距離(視距離)、表示面に表示する視差画像の位置を調整するためのオフセット量である。
輻輳角を変化させる(左右の光軸の交点である輻輳点を前後させる)ことにより立体感を制御する交差法もあるが、ここでは説明の簡略化のために左右の光軸が平行となる平行法での立体感の制御について説明する。平行法での幾何学的理論は、輻輳角を変化させる方法に対しても、輻輳点までの距離を考慮することで成り立つ。任意の被写体を撮像するときの幾何学関係を図15(A)に、撮像により生成された視差画像を観察者に提示するときの幾何学関係を図15(B),(C)に示す。
図15(A)において、左右のカメラの主点位置の中間を原点とする。左右のカメラ(L_camera,R_camera)が並ぶ方向にx軸をおき、それに直交する方向にy軸をおく。高さ方向について説明の簡略化のために省略する。基線長は2wcである。左右のカメラの仕様は同一であり、撮像時の両カメラの撮影光学系の焦点距離をfとし、撮像素子の横幅をccwとする。任意の被写体Aの位置をA(x1,y1)とする。
左右のカメラの撮像素子上に形成される被写体Aの像の位置は、幾何学的に、被写体Aおよび主点位置を通る直線と撮像素子との交点となる。このため、撮像素子上での被写体Aの像の位置は撮像素子の中心を基準とすると、左右のカメラで異なる。この位置の差は被写体距離が長いほど小さくなり、無限遠では0になる。
図15(B)において、観察者の左右の眼(L_eye,R_eye)の中心を原点とし、左右の眼が並ぶ方向にx軸をおき、それに直交する方向にy軸をおく。左右の眼の間隔は2weである。観察者から視差画像が表示される表示面(screen)までの視距離はdsである。表示面の横幅はscwである。
表示面上には左右のカメラでの撮像により得られた左右の視差画像が互いにほぼ重複する表示領域に表示される。観察者が液晶シャッタメガネを装着して左眼用および右眼用のシャッタを交互に開閉することで立体観察を行う場合は、表示面に表示される左右の視差画像もそれに同期して高速で交互に切り替えられる。平行法による撮像によって得られた左右の視差画像をそのまま表示すると、表示面上には無限遠の被写体の画像ばかりが表示され、すべての被写体が表示面から飛び出すように表示されて好ましくない。このため、左右の視差画像の表示領域をx軸方向にずらして、表示面上での被写体距離を適当に調整する。この左右の視差画像の表示領域をずらす量がオフセット量(s)である。
オフセット量が0の場合に表示面に表示される左の視差画像Lの座標を(Pl,ds)とし、右の視差画像Rの座標を(Pr,ds)とするとき、オフセット量がsの場合のそれらの座標はL(Pl−s,ds)とR(Pr+s,ds)になる。
このような条件において観察される被写体Aの立体像は、左眼および左の視差画像を結んだ直線と右眼および右の視差画像を結んだ直線との交点の位置A′(x2,y2)に形成される。
A′(x2,y2)について幾何学的に詳細に説明する。被写体Aの像の左右のカメラの撮像素子の中心に対するずれ量を撮影視差量Plc,Prcとすると、これらは、
で表される。
撮像素子のサイズ(横幅ccw)と表示面のサイズ(横幅scw)との比を表示倍率mとすると、
m=scw/ccw
となり、撮影視差量Plc,Prcは表示面上では−m倍される。これを表示視差量Pl,Prとすると、
で表される。
表示時に左右の視差画像に付加するオフセット量をsとすると、観察者が観察する被写体Aの立体像の位置A′(x2,y2)は、
となる。
同一の被写体距離の像は同一の平面上にて観察される。ここで、さらに説明の簡略化のために、被写体Aを軸上(x1=0)とすると、オフセット量が0のときの表示視差量は、
となる。オフセット量をsとしたときの立体像の位置A′は、図15(C)に示すように、左眼および左の視差画像を結んだ直線と右眼および右の視差画像を結んだ直線との交点の位置(0,y2)となる。
式(9)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。
図15(C)に示すように、観察者が被写体Aの立体像を見込む角度をβとすると、βはその立体像が形成される位置までの距離y2と眼幅2weとから、
となる。y2に式(9)を代入すると、
となり、式(12)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。
ここで、図15(C)に示すように、観察者が表示面を見込む角度をαとすると、
となるので、α−βは、
となる。また、式(15)に式(7),(8)を代入して整理すると、
となる。このα−βがいわゆる相対視差量と呼ばれる指標である。この相対視差量の大きさが表示面と被写体Aの像との間の相対的な奥行き方向(y軸方向)での距離に対応する。従来の様々な研究から、人間は脳内でこの相対視差量を計算して奥行き方向での被写体の位置を認識していることが知られている。
次に、壁化について説明する。壁化とは、立体画像の観察時に任意の被写体と無限遠に位置する被写体に対して奥行き方向での区別がつかなくなる(相対的な立体感がなくなる)ことをいう。つまり、任意の被写体が無限遠の背景に対して張り付いているように観察される。
壁化は遠方の被写体に対して生じる現象であるので、まず無限遠の被写体について相対視差量を求める。無限遠に対する相対視差量は、平行法では、式(1),(2)から分かるように、視差量(Pl−Pr)が0となるため、
となる。
ここで、無限遠の被写体に対する有限距離の被写体の視差量は、式(17)から式(15)または式(16)を引いて以下のように求まる。
壁化が生じているときには、遠方の被写体は平面に見えるので、無限遠の被写体に対する視差量は0でなくてはならない。
発明者がフルHDの3Dテレビを用いて遠方の被写体の立体感を主観的に評価した結果、無限遠の被写体に対する視差量が3分未満のときには画像としては視差があってもほとんどの人(観察者)が視差を感じなくなることが分かった。式(18),(19)は眼幅2weは関係がない。
そこで、このほとんどの人が視差、つまりは立体感を感じなくなる視差量を、許容視差下限値δtと定義する。式(18)または(19)とδtを用いると、
または
となり、式(20)または式(22)を満足すれば壁化が発生せず、式(21)または式(23)を満足すると壁化が発生すると判定できる。
ここで、許容視差下限値δtを交差法にも対応させる。交差法では、式(1)と式(2)のそれぞれに輻輳角に関連する項が追加されるため、無限遠の被写体に対する視差量(Pl−Pr)が0にならない。
そこで、例えば図16に示すように、主被写体iの距離よりも遠い所定の被写体距離に位置する山を背景被写体kとし、仮想的に無限遠に配置された仮想被写体(図示せず)を∞とする。この無限遠の仮想被写体∞に対する背景被写体kの視差量を求めるためには、式(18)の導出と同様に無限遠の仮想被写体∞に対する相対視差量から背景被写体kに対する相対視差量を引けばよい。すなわち、
となる。
つまり、式(24)とδtを用いると、
となり、式(25)を満足すれば壁化が発生せず、式(26)を満足すると壁化が発生すると判定できる。
また、式(22)において等号が成立するときの被写体距離y1を、壁化が発生しない被写体距離の上限値である上限被写体距離ylimとすると、
となる。これにより、壁化が発生しない上限被写体距離ylimを直接算出することができる。この上限被写体距離ylimは、無限遠に配置された仮想被写体に対して相対的に立体感を認識できる被写体距離の上限値であると定義することもできる。
結局、任意の被写体の被写体距離y1に対して、
を満足する、つまりは壁化が発生しない上限被写体距離ylimよりも被写体距離y1が遠い場合に壁化が発生すると判定できる。
立体撮像において背景被写体が式(26)または式(28)を満足するとき、すなわち背景が壁化する条件で撮像を行い、かつ撮影倍率が被写体が実際の大きさよりも小さくなる条件で撮像したときを考える。このときは実際よりも小さな被写体(人物や車等)が立体に見え、平面の背景に囲まれているように見えている画像が得られる。これを箱庭効果という。
このように、壁化や箱庭効果は、立体に見える画像と平面に見える画像とが1つの画像中に混在するときに脳が混乱して感じる感覚として定義することができる。このため、壁化や箱庭効果は、許容視差下限値δtという評価値によって立体感を感じる視差と直接関連付けられる。
本発明の実施例では、立体撮像を行うとき又は立体画像を表示(観察)するときに、壁化や箱庭効果が生じないようにするために許容視差下限値δtを用いて視差画像から得られる立体感を判定する。
以下、具体的な実施例について説明する。
図1には、実施例1である立体画像処理装置1を含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体画像処理装置1は、撮像装置100により生成された左右の視差画像に対して、良好な立体画像の観察を可能とするために、許容視差下限値を用いて視差画像から生じる立体感を判定する。より詳しくは、立体画像処理装置1は、背景被写体の視差量(第1の視差量)と無限遠に配置された仮想被写体の視差量(第2の視差量)を算出し、これらと許容視差下限値とを用いて立体感を判定する。
表示装置200は、撮像装置100により生成された左右の視差画像を表示して、観察者に立体視が可能な立体画像を提示する。
立体画像処理装置1において、画像取得部10は、撮像装置100から左右の視差画像のデータファイル(以下、視差画像データファイルという)を取得する。この視差画像データファイルには、視差画像のデータに付加される前述した撮像パラメータの情報を撮像条件の情報として含む。画像取得部10に含まれる撮像条件取得部11は、この撮像条件の情報を取得する。
被写体抽出部(抽出手段)20は、視差画像に含まれるそれぞれ実被写体である主被写体および背景被写体を抽出する。観察条件取得部30は、表示装置200における前述した観察パラメータの情報を観察条件の情報として取得する。観察パラメータに、表示画素数を含んでいてもよい。
視差量算出部(第1の視差量算出手段)40は、基準画像選択部41と対応点抽出部42とを含む。基準画像選択部41は、左右の視差画像のうち一方の視差画像を視差量算出のための基準画像として、他方の視差画像を参照画像として選択する。対応点抽出部42は、左右の視差画像間で互いに対応する画素としての対応点を複数組抽出する。対応点とは、左右の視差画像において同一被写体を撮像する画素である。視差量算出部40は、対応点抽出部42により抽出された複数組の対応点のそれぞれの間の視差量を算出する。
立体感判定部50は、許容視差下限値取得部51と、許容視差下限値記録部52と、補正値取得部53と、被写体視差量算出部54と、相対的立体感判定部55とを含む。許容視差下限値取得部51は、前述した許容視差下限値を取得する。許容視差下限値記録部52は、取得された許容視差下限値を記録する。補正値取得部53は、立体感に対する観察者の個人差に対応するために許容視差下限値の補正に用いられる補正値を取得する。仮想被写体視差量算出部(第2の視差量算出手段)54は、左右の視差画像の撮像に際しての撮像条件において仮想的に無限遠に配置された仮想被写体を仮に撮像することで仮想被写体に対して得られる視差量である仮想被写体視差量を算出する。相対的立体感判定部55は、許容視差下限値と仮想被写体視差量とを用いて、左右の視差画像の観察において得られる、仮想被写体に対する背景被写体の立体感(相対的立体感)を判定する。視差量算出部40および立体感判定部50により判定手段が構成される。
判定結果記録部60は、判定された判定結果を視差画像データファイルに記録する。
図2のフローチャートには、本実施例の立体画像処理装置1が行う処理を示している。立体画像処理装置1は、パーソナルコンピュータまたはCPU等のコンピュータチップにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
まずステップS101において、画像取得部10は、撮像装置100から左右の視差画像のデータを含む視差画像データファイルを取得する。視差画像データファイルの取得は、不図示のケーブルで撮像装置100と立体画像処理装置1とを有線接続して行ってもよいし、電波や赤外線等を用いた無線接続(無線通信)により行ってもよい。
次に、ステップS102において、撮像条件取得部11は、視差画像データファイルから撮像条件の情報を取得する。なお、撮像条件の情報を、撮像装置100から直接取得してもよい。
次に、ステップS103において、被写体抽出部20は、視差画像内の背景被写体を抽出(選択)する。具体的には、被写体抽出部20は、例えば、ユーザが操作可能なタッチパネルやボタン等の入力インターフェースを通じて指定された被写体領域において、色等の特徴量やエッジ情報に基づいて背景被写体を抽出する。また、公知の顔認識技術を用いて主被写体としての人物を選択し、それ以外の被写体を背景被写体として抽出することも可能である。さらに、任意に切り出した部分画像領域を基準画像(テンプレート画像)として登録し、視差画像内で該テンプレート画像と最も相関度が高い領域を抽出するテンプレートマッチングの手法を利用してもよい。テンプレート画像は、撮像時にユーザが登録してもよいし、事前に代表的な複数種類のテンプレート画像をメモリに記録させておき、その中からユーザに選択させるようにしてもよい。ここでは、図16において破線で囲まれた山を背景被写体として抽出するものとする。
次に、ステップS104において、観察条件取得部30は、表示装置200から観察条件の情報を取得する。観察条件の情報の取得は、不図示のケーブルで表示装置200と立体画像処理装置1とを有線接続して行ってもよいし、電波や赤外線等を用いた無線接続(無線通信)により行ってもよい。また、ユーザが操作可能なタッチパネルやボタン等の入力インターフェースを用いて観察条件の情報を入力してもよいし、想定される代表的な観察条件を予め登録しておき、その中からユーザに選択されるようにしてもよい。なお、ここまで説明したステップS101〜104の順序を入れ替えてもよい。
次に、ステップS105において、視差量算出部40は、ステップS103で抽出された背景被写体の視差量(第1の視差量)を算出する。視差量算出部40は、まず基準画像選択部41に、左右の視差画像のうち一方を基準画像として、他方を参照画像として選択させる。次に、視差量算出部40は、対応点抽出部42に、基準画像と参照画像のそれぞれの複数箇所から複数組の対応点を抽出させる。
対応点の抽出手法について図17を用いて説明する。ここでは視差画像にX−Y座標系を設定する。この座標系では、図中の左側に示した基準画像301と右側に示した参照画像302において左上の画素を原点として定義し、水平方向にX軸を、垂直方向にY軸をとる。基準画像301中の画素(X,Y)の輝度をF1(X,Y)とし、参照画像302中の画素(X,Y)の輝度をF2(X,Y)とする。
基準画像301中の任意の画素(X,Y)(ハッチングして示す)に対応する参照画像302中の画素(同じくハッチングして示す)は、基準画像301における輝度F1(X,Y)と最も類似した輝度を有する参照画像302中の画素である。ただし、任意の画素と最も類似した画素を探すことは現実には難しいため、画素(X,Y)の近傍の画素も用いて、ブロックマッチングと称される手法により類似画素を探索する。
例えば、ブロックサイズが3である場合のブロックマッチング処理について説明する。基準画像301中の任意の1つの画素(X,Y)とその周辺の2つの画素(X−1,Y),(X+1,Y)からなる3つの画素の輝度値はそれぞれ、
F1(X,Y)
F1(X−1,Y)
F1(X+1,Y)
となる。これに対し、画素(X,Y)からX方向にk画素だけずれた参照画像302内の画素の輝度値はそれぞれ、
F2(X+k,Y)
F2(X+k−1,Y)
F2(X+k+1,Y)
となる。この場合に、基準画像301内の画素(X,Y)との類似度Eを、以下の式(29)により定義する。
この式(29)において、kの値を変更しながら類似度Eの値を計算する。そして、参照画像302のうち最も小さい類似度Eを与える参照画像中の画素(X+k,Y)が、基準画像301中の画素(X,Y)に対する対応点である。
なお、上記のようなブロックマッチング以外に、エッジ抽出等の他の方法を用いて対応点を抽出してもよい。
次に、視差量算出部40は、複数組抽出された対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を算出する。具体的には、視差量算出部40は、まず前述した式(1),(2)を用いて対応点の座標での撮影視差量差Plc,Prcを算出する。次に、視差量算出部40は、表示倍率mを算出し、さらに式(3),(4)から左右の表示視差量Pl,Prを算出して視差量(Pl−Pr)を算出する。こうして、背景被写体の視差量(以下、背景被写体視差量という)が求められる。
次に、ステップS106において、仮想被写体視差量算出部54は、上述した仮想被写体視差量(第2の視差量)を算出する。具体的には、ステップS102で取得された撮像条件と、ステップS104で取得された観察条件と、仮想被写体の被写体距離である無限遠とを用いて、式(1)〜(9),(11),(12),(14)および(15)の計算を行う。無限遠被写体に対する相対視差量は、先にも述べたように、平行法では式(17)に示すようになり、交差法では式(24)に示すようになる。
次に、ステップS107(立体感判定ステップ)において、相対立体感判定部55は、算出された背景被写体視差量と仮想被写体視差量とから、仮想被写体に対する背景被写体の相対的立体感の有無を判定する。具体的には、相対立体感判定部55は、まず許容視差下限値取得部51に許容視差下限値記録部52から許容視差下限値δtを取得させる。許容視差下限値δtは、前述したように、観察者のほとんどが立体感を感じなくなる視差量(例えば、3分)である。
次に、相対的立体感判定部55は、許容視差下限値δtと、背景被写体視差量と、仮想被写体視差量と、ステップS104で取得された観察条件のうち視距離とを用いて、前述した式(25)を満足するか否かを判定する。式(25)を満足する場合は、抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができる。この場合、相対的立体感判定部55は、ステップS108に進んで、背景被写体の壁化が発生していない(非壁化)と判定する。この後、ステップS110に進む。一方、式(25)を満足しない場合は、抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができない。この場合、相対的立体感判定部55は、ステップS109に進んで、背景被写体の壁化が発生していると判定する。この後、ステップS110に進む。
ステップS110において、判定結果記録部60は、ステップS108またはS109での判定結果を視差画像データファイルに記録する。このとき、判定結果を表示装置200に表示してもよいし、不図示の記録媒体に別途記録してもよい。
なお、本実施例では、ステップS107において式(25)を用いて立体感を判定したが、許容視差下限値δtは主観評価による統計量であるため、観察者によっては若干の差異が生じることがある。このため、補正値取得部53により取得される補正値Cを用いた以下の式(30)により立体感を判定してもよい。
ここで、補正値Cは、初期条件として不図示のメモリに記録された値を用いてもよいし、ユーザが上述した入力インターフェースを用いて入力してもよい。
また、本実施例において、壁化が発生していると判定した場合に、撮像条件の1つである撮影倍率が、被写体が実際の大きさよりも小さくなる倍率であるか否かを判定し、そのような撮影倍率であるときに箱庭効果が発生していると判定してもよい。このことは、後述する他の実施例でも同じである。
以上説明したように、本実施例によれば、無限遠の仮想被写体に対する背景被写体の視差量から、背景被写体の壁化や箱庭効果の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な視差画像(立体画像)をより確実に生成することができる。
図3には、実施例2である立体撮像装置の構成を示している。本実施例の立体撮像装置は、被写体を異なる視点から撮像することで左右の視差画像を生成するとともに、良好な立体画像観察を実現するために許容視差下限値を用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
101aは右の撮影光学系であり、101bは左の撮影光学系である。左右の撮像光学系101b,101aの光軸間の距離、すなわち基線長は、65mm程度が好適であるが、表示する立体像に対する立体感の要求に応じて変更することが可能である。左右の撮像素子102b,102aはそれぞれ、左右の撮影光学系101b,101aにより形成された被写体像(光学像)を電気信号に変換する。A/D変換器103b,103aは、左右の撮像素子102b,102aから出力されるアナログ出力信号をデジタル信号に変換して画像処理部104に供給する。
画像処理部104は、A/D変換器103b,103aからのデジタル信号に対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行って左右の視差画像を生成する。また、画像処理部104は、左右の視差画像のうち少なくとも一方から被写体輝度の情報や撮影光学系101b,101aの焦点状態(コントラスト状態)を演算し、演算結果をシステムコントローラ106に供給する。画像処理部104の動作は、システムコントローラ106によって制御される。撮影光学系101a,101b、撮像素子102a,102b、A/D変換器103a,103bおよび画像処理部104により撮像部が構成される。
状態検知部107は、実施例1で説明した撮像パラメータ(基線長、焦点距離、撮像素子サイズ、輻輳角および被写体距離)を検出する。また、状態検出部107は、各撮影光学系に含まれる絞りの開口径や不図示のフォーカスレンズの位置等の光学状態も検出する。そして、これら撮像パラメータおよび光学状態を含む撮像条件の情報をシステムコントローラ106に供給する。システムコントローラ106は、画像処理部104からの演算結果と状態検知部107からの光学状態の情報とに基づいて光学駆動部105を制御し、絞りの開口径を変化させたりフォーカスレンズを移動させたりする。これにより、自動露出制御やオートフォーカスが行われる。
記録部108は、画像処理部104により生成された左右の視差画像を記録する。また、左右の視差画像を含む画像ファイルのファイルヘッダを格納する。
画像表示部109は、例えば液晶表示素子とレンチキュラーレンズとにより構成され、レンチキュラーレンズの光学作用によって液晶表示素子に表示された左右の視差画像をそれぞれ観察者の左右の眼に導くことで、立体像を提示する。
立体画像処理部2は、実施例1にて説明した立体画像処理装置1から判定結果記録部60を省いた構成を有する。ここでは、立体画像処理部2の説明として、実施例1の立体画像処理装置1と重複する説明は省略するが、立体画像処理装置1と同じ構成要素については実施例1で用いた符号を付す。
次に、本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部2が行う処理について、図4のフローチャートを用いて説明する。制御用コンピュータとしてのシステムコントローラ(撮像制御手段および表示制御手段)106および画像処理用コンピュータとしての立体画像処理部2は、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。立体撮像プログラムは、実施例1にて説明した立体画像処理プログラムを含む。
まずステップS201において、ユーザ(撮影者)による撮像準備の開始を指示する操作を検知したシステムコントローラ106は、ユーザによる選択または設定に基づいて光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御する。また、システムコントローラ106は、撮像素子102b,102aに撮像光学系101b,101aのそれぞれによって形成された被写体像を光電変換させる。そして、撮像素子102b,102aからの出力をA/D変換器103b,103aを介して画像処理部104に転送し、画像処理部104に左右のプレ視差画像を生成させる。立体画像処理部2(画像取得部10)は、生成されたプレ視差画像を取得する。
次に、ステップS202において、システムコントローラ106は、状態検知部107から撮像条件の情報を取り込み、これを立体画像処理部2(撮像条件取得部11)に供給する。
次に、ステップS203において、立体画像処理部2(被写体抽出部20)は、実施例1のステップS102と同様に、プレ視差差画像内の背景被写体(図16において破線で囲んだ示した山)を抽出する。
次に、ステップS204において、立体画像処理部2(観察条件取得部30)は、観察条件(表示サイズ、視距離およびオフセット量、さらに必要に応じて表示画素数)の情報を取得する。ユーザが操作可能なタッチパネルやボタン等の入力インターフェースを用いて観察条件の情報を入力してもよいし、想定される代表的な観察条件を予め登録しておき、その中からユーザに選択されるようにしてもよい。なお、ここまで説明したステップS101〜104の順序を入れ替えてもよい。
次に、ステップS205において、立体画像処理部2(視差量算出部40)は、ステップS203で抽出された背景被写体の視差量(背景被写体視差量)を算出する。具体的には、立体画像処理部2(基準画像選択部41)は、左右の視差画像のうち一方を基準画像として、他方を参照画像として選択する。次に、立体画像処理部2(対応点抽出部42)は、基準画像と参照画像とから複数組の対応点を抽出させる。対応点の抽出手法は実施例1で説明した通りである。そして、立体画像処理部2(視差量算出部40)は、前述した式(1)〜(4)を用いて、抽出された複数組の対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を算出する。
次に、ステップS206において、立体画像処理部2(仮想被写体視差量算出部54)は、実施例1で説明した仮想被写体視差量を算出する。具体的には、ステップS202で取得した撮像条件とステップS204で取得した観察条件と仮想被写体の被写体距離である無限遠とを用いて、式(1)〜(9),(11),(12),(14)および(15)の計算を行うことで仮想被写体視差量を算出する。実施例1でも述べたように、無限遠被写体に対する相対視差量は、平行法では式(17)に示すようになり、交差法では式(24)に示すようになる。
次に、ステップS207(立体感判定ステップ)において、立体画像処理部2(相対的立体感判定部55)は、算出された背景被写体視差量と仮想被写体視差量とから、背景被写体の仮想被写体に対する相対的立体感の有無を判定する。
具体的には、立体画像処理部2(許容視差下限値取得部51)は、(許容視差下限値記録部52から)許容視差下限値δtを取得する。許容視差下限値δtは、実施例1で述べたように、観察者のほとんどが立体感を感じなくなる視差量(例えば、3分)である。
次に、立体画像処理部2(相対的立体感判定部55)は、許容視差下限値δtと、背景被写体視差量と、仮想被写体視差量と、ステップS204で取得された観察条件中の視距離とを用いて、実施例1で説明した式(25)を満足するか否かを判定する。式(25)を満足する場合は、抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができる。この場合、立体画像処理部2(相対的立体感判定部55)は、ステップS208に進んで、背景被写体の壁化が発生していない(非壁化)と判定する。逆に、式(25)を満足しない場合は、抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができない。この場合、立体画像処理部2(相対的立体感判定部55)は、ステップS209に進んで、背景被写体の壁化が発生していると判定する。
背景被写体の壁化が発生していると判定されると、システムコントローラ106は、ステップS210において、光学駆動部105を通して左右の撮影光学系101b,101aを制御し、これらの撮像パラメータである焦点距離や基線長を変更する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、背景被写体の立体感を向上させることができる。そして、システムコントローラ106は、ステップS201に戻って左右のプレ視差画像を再度、画像処理部104に生成させる。
一方、背景被写体の壁化が発生していない(非壁化)と判定されると、システムコントローラ106は、ステップS211において、ユーザによる撮像指示を待って左右の視差画像を生成するための本撮像を行う。そして、ステップS212において、システムコントローラ106は、本撮像によって画像処理部104にて生成された左右の視差画像を視差画像データファイルに記録したり、画像表示部109に表示したり、不図示の記録媒体に別途記録したりする。
なお、ステップS209にて壁化が発生していると判定された場合に、ユーザの操作に応じて強制的にステップS211に移行して、本撮像を行ってもよい。この場合、生成された視差画像は壁化を発生させるため、一方の視差画像のみを2D画像として表示または記録してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、無限遠の仮想被写体に対する背景被写体の視差量から、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な視差画像(立体画像)をより確実に撮像により生成することができる。
次に、実施例3である立体撮像装置について説明する。本実施例の立体撮像装置の構成は、実施例2の立体撮像装置の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例2と同符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部2が行う処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。実施例2と同様に、システムコントローラ106および立体画像処理部2は、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS301〜ステップS309、ステップS311およびステップS312は、実施例2で説明したステップS201〜ステップS209、ステップS211およびステップS212と同じであるので、説明を省略する。
ステップS309において背景被写体の壁化が発生していると判定されると、システムコントローラ106は、ステップS310において、画像表示部109に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長をどのように変更すれば壁化を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、背景被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいてユーザが焦点距離や基線長を変更する操作を行うと、システムコントローラ106はこの操作に応じて焦点距離や基線長を変更する。
この後、システムコントローラ106は、ステップS301に戻って左右のプレ視差画像を再度画像処理部104に生成させる。
以上説明したように、本実施例によれば、無限遠の仮想被写体に対する背景被写体の視差量から、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な立体画像を得るための左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図6には、実施例4である立体表示装置4を含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、実施例1と同様に、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体表示装置4は、被写体を異なる視点から撮像して生成された左右の視差画像を表示する際に、良好な立体画像観察を実現するために許容視差下限値を用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
立体表示装置4の構成は、実施例1の立体画像処理装置1から判定結果記録部60を省き、実施例1の表示装置200に代わる表示部210を組み込んだものに相当する。表示部210以外の立体表示装置4の構成要素は実施例1の立体画像処理装置1の構成要素と同じであるので、これらの構成要素には実施例1と同符号を付して説明に代える。
表示部210は、画像取得部10を通して撮像装置100から取得された左右の視差画像を、観察者が立体視可能に表示する。例えば、左右の視差画像を1つの表示面に時分割で表示するとともに、この時分割表示に同期させて液晶シャッタメガネの左右の液晶シャッタを交互に開閉することで立体視を可能とする。
表示部210において、視距離情報取得部201は、観察者が表示面を観察する距離である視距離の情報を取得する。また、表示制御部202は、表示面に表示する内容を制御する。表示パラメータ制御部203は、表示パラメータを制御する。表示パラメータは、観察パラメータのうち表示サイズやオフセット量である。表示制御部202および表示パラメータ制御部203により、表示制御手段が構成される。画像処理部204は、視差画像に対してエッジ強調や色補正等の通常の画像処理を行う。
図7のフローチャートには、本実施例の立体表示装置4が行う処理を示している。立体表示装置4は、パーソナルコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS401〜ステップS409は、実施例1で説明したステップS101〜ステップS109と同じであるので、説明を省略する。
ステップS409において背景被写体の壁化が発生していると判定されると、表示部210は、ステップS410において、表示制御部202を通して表示面に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、観察パラメータである表示サイズ、オフセット量および視距離をどのように変更すれば壁化を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。例えば、表示サイズを大きくしたり視距離を短くしたりオフセット量を変更したりすることで、主被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいてユーザが表示サイズやオフセット量を変更する操作を行うと、表示パラメータ制御部203がこの操作に応じて表示サイズやオフセット量を変更する。また、アドバイス情報に基づいてユーザは視距離を調整する。
なお、本ステップにおいて、アドバイス情報を表示せず、単に警告を表示するだけでもよい。この場合、表示サイズ、オフセット量および視距離の変更を強制せず、そのまま左右の視差画像を表示してもよい。また、一方の視差画像を2D画像として表示してもよい。
この後、ステップS401にて、画像取得部10は、撮像装置100から新たな視差画像データファイルを取得する。
一方、ステップS409において背景被写体の壁化が発生していない(非壁化)と判定されると、表示部210は、ステップS411において、表示制御部202を通して表示面に左右の視差画像を表示する。
以上説明したように、本実施例によれば、無限遠の仮想被写体に対する背景被写体の視差量から、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な立体画像の観察を可能とするための表示サイズや視距離の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図8には、実施例5である立体画像処理装置1Aを含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100および表示装置200は、実施例1と同じものである。
一方、本実施例の立体画像処理装置1Aは、撮像装置100により生成された左右の視差画像に対して、良好な立体画像の生成を可能とするために、許容視差下限値から算出した上限被写体距離を用いて視差画像から生じる立体感を判定する。このため、立体画像処理装置1Aは、実施例1の立体画像処理装置1とは構成および動作が異なる。より詳しくは、立体画像処理装置1Aは、背景被写体の視差量を用いて該背景被写体の距離(第1の被写体距離)を算出するとともに、許容視差下限値を用いて観察者が立体感を感じる距離の上限値である上限被写体距離(第2の被写体距離)を算出する。そして、これら背景被写体の距離と上限被写体距離とを用いて(比較して)、立体感を判定する。
本実施例の立体画像処理装置1Aのうち、実施例1の立体画像処理装置1と共通する画像取得部10、撮像条件取得部11、被写体抽出部20、観察条件取得部30および判定結果記録部60については、実施例1と同符号を付して説明に代える。なお、本実施例では撮像条件取得部11が画像取得部10の外部に設けられているが、その機能は同じである。
立体画像処理装置1Aにおいて、距離情報取得部(距離取得手段)70は、視差量算出部71と、距離算出部74とを含む。視差量算出部71は、基準画像選択部72と、対応点抽出部73とを含む。基準画像選択部72は、撮像装置100によって生成されて画像取得部10を通して取得された左右の視差画像のうち一方を基準画像として、他方を参照画像として選択する。対応点抽出部73は、左右の視差画像間で互いに対応する画素としての対応点を複数組抽出する。視差量算出部71は、対応点抽出部73により抽出された複数組の対応点のそれぞれの間の視差量を算出する。距離算出部74は、算出された視差量と撮像条件取得部11により取得された撮像条件の情報とから、被写体抽出部20により視差画像から抽出されたそれぞれ実被写体としての主被写体および背景被写体までの距離を算出する。なお、本実施例では視差量から被写体距離を算出(取得)する場合について説明するが、測距センサ等を用いて被写体距離を測定することで取得してもよい。
上限被写体距離算出部(上限距離算出手段)80は、許容視差下限値取得部81と、許容視差下限値記録部82と、補正値取得部83とを含む。許容視差下限値取得部81は、実施例1で説明した許容視差下限値を取得する。許容視差下限値記録部82は、取得された許容視差下限値を記録する。補正値取得部83は、立体感に対する観察者の個人差に対応するために許容視差下限値の補正に用いられる補正値を取得する。上限被写体距離算出部80は、許容視差下限値を用いて、前述した上限被写体距離ylimを算出する。
被写体位置判定部90は、背景被写体の距離(以下、背景被写体距離という)と上限被写体距離ylimとの大小関係、言い換えれば背景被写体の上限被写体距離ylimに相当する位置に対する相対的位置を判定する。この判定結果は、判定結果記録部60によって視差画像データファイルに記録される。距離情報取得部70、上限被写体距離算出部80および被写体位置判定部90により判定手段が構成される。
図9のフローチャートには、本実施例の立体画像処理装置1Aが行う処理を示している。立体画像処理装置1Aは、パーソナルコンピュータまたはCPU等のコンピュータチップにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS501〜ステップS504およびステップS510は、実施例1におけるステップS101〜ステップS104およびステップS110と同じであるので、これらの説明は省略する。
ステップS505において、距離情報取得部70は、ステップS503で抽出された背景被写体までの距離(背景被写体距離)を算出する。具体的には、距離情報取得部70は、まず視差量算出部71に、ステップS103で抽出された背景被写体の視差量を算出させる。また、基準画像選択部72に、左右の視差画像から基準画像および参照画像を選択させる。次に、対応点抽出部73に、基準画像と参照画像とから複数組の対応点を抽出させる。対応点の抽出手法は、実施例1で述べた通りである。
次に、距離情報取得部70は、視差量算出部71に、複数組抽出された対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を算出させる。具体的には、視差量算出部71は、まず前述した式(1),(2)を用いて対応点の座標での撮影視差量差Plc,Prcを算出する。次に、視差量算出部71は、表示倍率mを算出し、さらに式(3),(4)から左右の表示視差量Pl,Prを算出して視差量(Pl−Pr)を算出する。
次に、距離情報取得部70は、距離算出部74に、視差量算出部71により算出された視差量とステップS502で取得された撮像条件の情報とを用いて背景被写体距離(第1の被写体距離)を算出する。ここで、式(1),(2)および式(3),(4)から、被写体距離y1は、
となる。この式(31)を用いることで、背景被写体距離y1を求めることができる。
次に、ステップS506において、上限被写体距離算出部80は、許容視差下限値記録部82から許容視差下限値δtを取得する。そして、上限被写体距離算出部80は、許容視差下限値δtと、ステップS502で取得された撮像条件の情報と、ステップS504で取得された観察条件の情報と、式(27)とを用いて上限被写体距離(第2の被写体距離)ylimを算出する。
次に、ステップS507(被写体位置判定ステップ)において、被写体位置判定部90は、背景被写体距離と上限被写体距離ylimと比較する。つまり、式(28)を満足するか否かを判定する。式(28)を満足しない場合は、前述したように抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができるため、被写体位置判定部90は、ステップS508に進んで、背景被写体の壁化は発生していない(非壁化)と判定する。この後、ステップS510に進む。一方、式(28)を満足する場合は、前述したように抽出された背景被写体は観察者にとって無限遠被写体に対して立体感を感じることができないため、被写体位置判定部90は、ステップS509に進み、背景被写体の壁化が発生していると判定する。この後、ステップS510に進む。
なお、本実施例では、ステップS506において、式(27)を用いて上限被写体距離ylimを算出したが、式(27)に含まれる許容視差下限値δtは主観評価による統計量であるため、観察者によっては若干の差異が生じることがある。このため、補正値取得部83により取得される補正値Cを用いた以下の式(32)により上限被写体距離ylimを算出してもよい。
ここで、補正値Cは、初期条件として不図示のメモリに記録された値を用いてもよいし、ユーザが上述した入力インターフェースを用いて入力してもよい。
以上説明したように、本実施例によれば、背景被写体距離と許容視差下限値から算出した上限被写体距離とを比較することで、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な視差画像(立体画像)をより確実に生成することができる。
図10には、実施例6である立体撮像装置の構成を示している。本実施例の立体撮像装置は、被写体を異なる視点から撮像することで左右の視差画像を生成するとともに、良好な立体画像観察を実現するために、許容視差下限値から算出した上限被写体距離を用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
本実施例の立体撮像装置の構成は、基本的に実施例2で説明した立体撮像装置の構成と同じであり、実施例2と共通する構成要素については実施例2と同符号を付して説明に代える。本実施例では、実施例4にて説明した立体画像処理装置1Aに相当する立体画像処理部2Aが行う処理(動作)が、実施例2における立体画像処理部2が行う処理と異なる。本実施例でも、立体画像処理部2Aの説明として、実施例5の立体画像処理装置1Aと重複する説明は省略するが、立体画像処理装置1Aと同じ構成要素については実施例5で用いた符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部2Aが行う処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。実施例2と同様に、制御用コンピュータとしてのシステムコントローラ(撮像制御手段および表示制御手段)106および画像処理用コンピュータとしての立体画像処理部2Aは、コンピュータプログラムである立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS701〜ステップS704およびステップS710〜ステップS712は、実施例2で説明したステップS201〜ステップS204およびステップS210〜ステップS212と同じであるので、説明(または詳しい説明)を省略する。
ステップS705において、立体画像処理部2A(距離情報取得部70)は、ステップS703で抽出された背景被写体までの距離(背景被写体距離)を算出する。具体的には、立体画像処理部2A(視差量算出部71)は、ステップS703で抽出された背景被写体の視差量を算出する。また、立体画像処理部2A(基準画像選択部72)は、左右の視差画像から基準画像および参照画像を選択する。次に、立体画像処理部2A(対応点抽出部73)は、基準画像と参照画像とから複数組の対応点を抽出させる。対応点の抽出手法は、実施例1で述べた通りである。
次に、立体画像処理部2A(視差量算出部71)は、複数組抽出された対応点のそれぞれの間の視差量(Pl−Pr)を、式(1)〜(4)を用いて算出する。次に、立体画像処理部2A(距離算出部74)は、算出した視差量とステップS702で取得された撮像条件の情報とを用いて、実施例5で述べた式(31)により背景被写体距離を算出する。
次に、ステップS706において、立体画像処理部2A(上限被写体距離算出部80)は、(許容視差下限値記録部82から)許容視差下限値情報δtを取得する。そして、立体画像処理部2A(上限被写体距離算出部80)は、許容視差下限値δtと、ステップS702で取得された撮像条件の情報と、ステップS704で取得された観察条件の情報と、式(27)とを用いて上限被写体距離ylimを算出する。
次に、ステップS707(被写体位置判定ステップ)において、立体画像処理部2A(被写体位置判定部90)は、背景被写体距離が上限被写体距離ylimに対して式(28)を満足するか否かを判定する。式(28)を満足しない場合は、立体画像処理部2A(被写体位置判定部90)は、ステップS708に進んで、背景被写体の壁化は発生していない(非壁化)と判定する。この後、システムコントローラ106は、本撮像および記録を行うためにステップS711およびステップS712に進む。
一方、式(28)を満足する場合は、立体画像処理部2A(被写体位置判定部90)は、ステップS709に進み、背景被写体の壁化が発生していると判定する。この後、左右の撮影光学系101b,101aを制御してそれらの焦点距離や基線長を変更するためにステップS710に進む。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、背景被写体の立体感を向上させることができる。システムコントローラ106は、ステップS710からステップS701に戻る。
以上説明したように、本実施例によれば、背景被写体距離と許容視差下限値から算出した上限被写体距離とを比較することで、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な視差画像(立体画像)をより確実に撮像により生成することができる。
次に、実施例7である立体撮像装置について説明する。本実施例の立体撮像装置の構成は、実施例6の立体撮像装置の構成と同じであり、共通する構成要素には実施例6(および実施例2)と同符号を付す。
本実施例の立体撮像装置においてシステムコントローラ106および立体画像処理部2Aが行う処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。実施例6と同様に、システムコントローラ106および立体画像処理部2Aは、コンピュータプログラムとしての立体撮像プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS801〜ステップS809、ステップS811およびステップS812は、実施例6で説明したステップS801〜ステップS809、ステップS811およびステップS812と同じであるので、説明を省略する。
ステップS809において背景被写体の壁化が発生していると判定されると、システムコントローラ106は、ステップS810において、画像表示部109に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長をどのように変更すれば壁化を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。焦点距離を望遠側(画角が狭まる方向)に変化させたり基線長を広げる方向に変化させたりすることで、背景被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいて観察者が焦点距離や基線長を変更する操作を行うと、システムコントローラ106はこの操作に応じて焦点距離や基線長を変更する。この後、システムコントローラ106は、ステップS801に戻る。
以上説明したように、本実施例によれば、背景被写体距離と許容視差下限値から算出した上限被写体距離とを比較することで、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な立体画像を得るための左右の撮影光学系101b,101aの焦点距離や基線長の設定をユーザにアドバイスすることができる。
図13には、実施例8である立体表示装置4Aを含む立体撮像表示システムの構成を示している。撮像装置100は、実施例4と同様に、被写体を異なる視点から撮像して左右(左眼用および右眼用)の視差画像を生成する。本実施例の立体表示装置4Aは、被写体を異なる視点から撮像して生成された左右の視差画像を表示する際に、良好な立体画像観察を実現するために、許容視差下限値から算出した上限被写体距離を用いて視差画像内の被写体の立体感を判定する。
立体表示装置4Aの構成は、実施例4の立体画像処理装置1Aから判定結果記録部60を省き、実施例4の表示装置200に代わる表示部210を組み込んだものに相当する。表示部210以外の立体表示装置4Aの構成要素は実施例4の立体画像処理装置1Aの構成要素と同じであるので、これらの構成要素には実施例1と同符号を付して説明に代える。
表示部210は、画像取得部10を通して撮像装置100から取得された左右の視差画像を、観察者が立体視可能に表示する。例えば、左右の視差画像を1つの表示面に時分割で表示するとともに、この時分割表示に同期させて液晶シャッタメガネの左右の液晶シャッタを交互に開閉することで立体視を可能とする。
表示部210において、視距離情報取得部201は、観察者が表示面を観察する距離である視距離の情報を取得する。また、表示制御部202は、表示面に表示する内容を制御する。表示パラメータ制御部203は、表示パラメータを制御する。表示パラメータは、観察パラメータのうち表示サイズやオフセット量である。表示制御部202および表示パラメータ制御部203により、表示制御手段が構成される。画像処理部203は、視差画像に対してエッジ強調や色補正等の通常の画像処理を行う。
図14のフローチャートには、本実施例の立体表示装置4Aが行う処理を示している。立体表示装置4Aは、パーソナルコンピュータにより構成され、コンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラムに従って以下の処理(動作)を行う。
ステップS901〜ステップS909は、実施例4で説明したステップS501〜ステップS509と同じであるので、説明を省略する。
ステップS909において背景被写体の壁化が発生していると判定されると、表示部210は、ステップS910において、表示制御部202を通して表示面に表示する内容を制御する。具体的には、ユーザに対して、観察パラメータである表示サイズ、オフセット量および視距離をどのように変更すれば壁化を回避できるかを知らせるアドバイス情報を表示する。例えば、表示サイズを大きくしたり視距離を短くしたりオフセット量を変更したりすることで、主被写体の立体感を向上させることができる。アドバイス情報に基づいてユーザが表示サイズやオフセット量を変更する操作を行うと、表示パラメータ制御部203がこの操作に応じて表示サイズやオフセット量を変更する。また、アドバイス情報に基づいてユーザは視距離を調整する。
なお、本ステップにおいて、アドバイス情報を表示せず、単に警告を表示するだけでもよい。この場合、表示サイズ、オフセット量および視距離の変更を強制せず、そのまま左右の視差画像を表示してもよい。また、一方の視差画像を2D画像として表示してもよい。
この後、ステップS901にて、画像取得部10は、撮像装置100から新たな視差画像データファイルを取得する。
一方、ステップS909において背景被写体の壁化が発生していない(非壁化)と判定されると、表示部210は、ステップS911において、表示制御部202を通して表示面に左右の視差画像を表示する。
以上説明したように、本実施例によれば、背景被写体距離と許容視差下限値から算出した上限被写体距離とを比較することで、背景被写体の壁化(さらには箱庭効果)の有無を正確に判定することができる。このため、壁化が発生しない良好な立体画像の観察を可能とするための表示サイズや視距離の設定をユーザにアドバイスすることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
1,1A 立体画像処理装置
20 被写体抽出部
40 視差量算出部
50 立体感判定部
70 距離情報取得部
80 上限被写体距離算出部
90 被写体位置判定部

Claims (12)

  1. 撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる実被写体を抽出する抽出手段と、
    前記視差画像における前記実被写体の視差量および前記撮像に際しての前記実被写体の距離のうち一方と、前記視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、前記視差画像の観察において得られる、無限遠に配置された仮想被写体に対する前記実被写体の立体感を判定する判定手段とを有することを特徴とする立体画像処理装置。
  2. 前記判定手段は、
    前記実被写体の視差量である第1の視差量を算出し、
    前記撮像に際しての撮像条件において前記仮想被写体に対して得られる視差量である第2の視差量を算出し、
    前記第1の視差量、前記第2の視差量および前記許容視差下限値を用いて前記立体感を判定することを特徴とする請求項1に記載の立体画像処理装置。
  3. 前記判定手段は、
    前記実被写体の距離を取得し、
    前記許容視差下限値を用いて前記観察者が立体感を感じる被写体距離の上限値である上限被写体距離を算出し、
    前記実被写体の距離および前記上限被写体距離を用いて前記立体感を判定することを特徴とする請求項1に記載の立体画像処理装置。
  4. 前記判定手段は、
    前記実被写体の視差量および前記撮像に際しての撮像条件を用いて前記実被写体の距離を算出し、
    前記許容視差下限値、前記撮像条件および前記視差画像の観察に際しての観察条件を用いて前記上限被写体距離を算出することを特徴とする請求項3に記載の立体画像処理装置。
  5. 前記撮像条件のうち、互いに視差を有する光学系の基線長を2wcとし、該光学系の焦点距離をfとし、撮像素子のサイズをccwとし、
    前記観察条件のうち、前記視差画像を表示する表示面のサイズをscwとし、前記表示面に対する前記観察者の視距離をdsとし、
    前記許容視差下限値をδtとするとき、

    前記判定手段は、前記上限被写体距離ylimを、

    として算出することを特徴とする請求項4に記載の立体画像処理装置。
  6. 前記判定手段は、立体感に対する前記観察者の個人差を補正するための補正値を用いて前記立体感の判定を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の立体画像処理装置。
  7. 撮像により互いに視差を有する視差画像を生成する撮像部と、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の立体画像処理装置とを有することを特徴とする立体撮像装置。
  8. 前記立体撮像装置の前記判定手段による判定結果に応じて前記撮像部を制御する撮像制御手段を有することを特徴とする請求項7に記載の立体撮像装置。
  9. 前記視差画像を表示する表示部と、
    前記立体撮像装置の前記判定手段による判定結果に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御手段とを有することを特徴とする請求項7または8に記載の立体表示装置。
  10. 請求項1から6のいずれか一項に記載の立体画像処理装置と、
    前記視差画像を表示する表示部とを有することを特徴とする立体表示装置。
  11. 前記立体撮像装置の前記判定手段による判定結果に応じて前記表示部の表示を制御する表示制御手段を有することを特徴とする請求項10に記載の立体表示装置。
  12. コンピュータに、
    撮像により生成された互いに視差を有する視差画像に含まれる実被写体を抽出させ、
    前記視差画像における前記実被写体の視差量および前記撮像に際しての前記実被写体の距離のうち一方と、前記視差画像を観察する観察者が立体感を感じる視差量の下限値である許容視差下限値とを用いて、前記視差画像の観察において得られる、無限遠に配置された仮想被写体に対する前記実被写体の立体感を判定させることを特徴とするコンピュータプログラムとしての立体画像処理プログラム。
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