JP2016053578A - 卵検査装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】卵殻への蛋白質の付着の状態の有無に基づいて卵の検査を行う卵検査装置を提供する。【解決手段】本発明によれば、紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を検査対象の卵の卵殻表面に照射する光照射部と、前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する判定部を備える、卵検査装置が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、卵殻表面の蛋白質付着の状態等を検査可能な卵検査装置及び方法に関する。
鶏卵等に代表される卵は鶏舎にて産卵されたあと、一般に、卵の選別包装装置によって重量等の物理的性状に応じて選別され、透明な合成樹脂製のパック等で包装され、その後、市場に流通する。この選別包装に先立って、または並行して、卵は種々の検査を受ける。
卵の検査には、汚れの付着した卵を検出し除去する、いわゆる汚卵検査がある。この検査を自動化した装置として、たとえば、特許文献1に記載された汚卵検査装置がある。この汚卵検査装置は、300nm〜500nmの光を卵に照射し、卵殻表面の卵殻色素が前記した波長の光を励起光として発生させる可視光領域(600nm〜700nm)の蛍光を利用して、汚れの存在しない(蛍光を発する)部分の画像と、汚れの存在する(蛍光を発しない)部分の画像とのコントラストを強調して卵殻表面の汚れを判定するものである。
特開2005−127720号公報
ところで、卵には、不透明である汚れの他に、透明体である卵白が付着する場合もある。卵白の付着した卵は、汚卵とは異なるが、有機物である蛋白質などを含み、衛生的な観点から除去したい要求がある。しかし、卵白は、透明であり、300nm〜500nmの光を通過させてしまい、卵殻表面に対して十分なコントラストを得られないため、特許文献1に記載の汚卵検査装置では、卵白を検出できない。すなわち、特許文献1に記載の汚卵検査措置は、卵白のような例があるので、卵殻表面への蛋白質の付着の状態等の検査を行う卵検査装置としては有効に機能しない場合がある。
本発明は、この問題を解決すべくなされたものであり、卵殻への蛋白質の付着の状態の有無に基づいて卵の検査を行う卵検査装置を提供するものである。
本発明によれば、紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を検査対象の卵の卵殻表面に照射する光照射部と、前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する判定部を備える、卵検査装置が提供される。
この卵検査装置によれば、光照射部から紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光が卵殻表面に照射される。卵殻表面は、照射光の紫外光成分を多く反射する。これに対して、蛋白質は、照射光の紫外光成分を吸収し、紫外光成分の反射が小さい。このため、卵殻表面に蛋白質が付着している場合は、反射光に含まれる紫外光成分が減少する。判定部は、受光部が受光した反射光のうちの紫外光成分から卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する。したがって、本発明に係る卵検査装置は、卵殻表面に付着した蛋白質を容易に検出することができる。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記受光部は、前記反射光に含まれる前記紫外光成分のうちの第1特定波長の光成分を選択的に検出する紫外光検出器を備え、前記判定部は、前記紫外光検出器による検出値に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する。
好ましくは、第1特定波長は、200nm〜300nmの範囲内の特定の波長である。
好ましくは、前記受光部は、前記反射光に含まれる前記紫外光成分に基づく紫外光画像を生成する紫外光画像撮像部を備え、前記判定部は、前記紫外光画像内での紫外光強吸収領域に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する。
好ましくは、前記照射光は、可視光領域の波長を有する可視光成分を含み、前記判定部は、前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分と前記可視光成分に基づいて卵の状態を判定する。
好ましくは、前記受光部は、前記反射光に含まれる前記可視光成分のうちの第2特定波長の光成分を選択的に検出する可視光検出器を備え、前記判定部は、前記紫外光検出器による検出値及び前記可視光検出器による検出値に基づいて卵の状態を判定する。
好ましくは、第2特定波長は、400nm〜500nmの範囲内の特定の波長である。
好ましくは、前記光照射部は、殺菌灯を備える。
好ましくは、前記受光部は、前記反射光に含まれる前記可視光成分に基づく可視光画像を生成する可視光画像撮像部を備え、前記判定部は、前記可視光画像内での可視光弱検出領域に基づいて前記卵殻の可視ヒビ及び前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態を判定する。
好ましくは、前記判定部は、前記可視光弱検出領域内外の明暗差に基づいて、前記可視光弱検出領域が可視ヒビと可視汚れのどちらに由来するかを判定する。
好ましくは、前記可視光弱検出領域は、エッジ検出によって特定される。
好ましくは、前記判定部は、前記卵殻表面の蛋白質付着の状態と、前記卵殻の可視ヒビの状態と、前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態に基づいて、検査対象の卵がリーク卵であるかどうかを判定する。
好ましくは、前記判定部は、前記卵殻表面の蛋白質付着の状態と、前記卵殻の可視ヒビの状態と、前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態に基づいて、検査対象の卵が正常卵、汚卵、可視ヒビ卵、及びリーク卵の何れであるのかを判定する。
好ましくは、検査対象の卵を回転させながら搬送する搬送部をさらに備え、前記判定部は、前記卵が所定角度回転される度に前記卵の状態の判定を行う。
本発明によれば、上記記載の卵検査装置を用いた卵検査方法であって、紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を卵殻表面に照射するステップと、前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光するステップと、前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定するステップとを備える、卵検査方法が提供される。
本発明の第1実施形態にかかる卵検査装置の概略を示す概略図である。 図1の殺菌灯における200nm〜500nmの波長に対する光強度のピークを示すグラフであり、図2(A)は、254nm付近のピークに縦軸のスケールを適応させ、図2(B)は、他のピークに縦軸のスケールを適応させたグラフである。 図1の受光部の構成を示す概略図である。 図1の卵検査装置により、正常卵と付着卵を検査した結果を示すグラフである。 図2の卵検査装置により、正常卵、濡卵、汚卵、卵白付着卵、卵黄付着卵、リーク卵を検査した結果を示すグラフである。 トリプトファン(Trp)、チロシン(Try)、フェニルアラニン(Phe)、アルブミン(BSA)の光の吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明の第2実施形態にかかる卵検査装置の概略を示す概略図である。 本発明の第2実施形態での紫外光画像の解析方法の説明図である。 本発明の第2実施形態の方法による検査対象の卵の状態の判定試験の結果を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る卵検査装置1について図面を用いて説明する。卵検査装置1は、たとえば、卵の選別包装システム(たとえば、特開2005−127720号公報参照)に備え付けられて、卵Eの選別に利用される。この場合、卵検査装置1は、選別包装システムで搬送される卵の卵殻表面Efに付着した付着物を検出する。
卵検査装置1は、図1に示すように、卵殻表面Efに光を照射する光照射部10と、卵殻表面Efからの光を受光する受光部20と、受光部20の受光した光から蛋白質の存在を判定する判定部30とを備える。検査の対象である卵Eは、選別包装システムの搬送部Cにより搬送されながら検査される。搬送部Cは、一対のローラC1の間に卵Eを保持し、ローラC1の矢印Y1方向への回転に伴って卵Eを矢印Y2方向に回転させるように構成されている。また、ローラC1は、矢印Xで示すようにスライド移動可能になっている。このため、卵Eは、ローラC1上で回転されながら矢印X方向に移動する。卵Eの全周が検査されるように、卵検査装置1は、卵Eが所定角度(例:60度)回転される毎に検査を実行するように構成されている。ローラC1は、連続的に回転するように構成してもよく、所定角度回転する度に停止して卵の検査完了後に再度回転するように構成してもよい。
光照射部10から照射される照射光Iは、少なくとも200nm〜300nmの光成分、すなわち紫外光領域(190nm〜400nm)の一部の波長を有する光成分を含む。この照射光Iを卵殻表面Efに照射する。また、光照射部10は、400nm〜800nmの可視光領域の波長を有する光成分を含んでいてもよい。特に、光照射部10は、400nm〜500nmの波長を有する光成分を含む照射光Iを照射してもよい。本実施の形態において、光照射部10は、従来よく知られる殺菌灯Pを光源として備える。光照射部10は、上記波長領域の光成分を照射できれば、LED、レーザ等の他の光源を備えていてもよい。
殺菌灯Pは、図2に示すように、254nm付近、313nm付近、365nm付近、405nm付近、436nm付近に光強度のピークを有し、特に、254nm付近にピークが大きいピークとなっている。また、殺菌灯Pは、436nm付近のピークも比較的大きいピークとなっている。なお、以下の説明では、特定波長付近の光成分について、「特定波長の光成分」と称して説明する。すなわち、「254nmの光成分」とは、254nm付近の光成分を意味する。
再び図1を参照すると、受光部20は、光照射部10からの照射光Iのうち、卵の卵殻表面Efからの反射光Rを受光する位置に配置される。受光部20は、少なくとも1つの検出器22を備える。本実施の形態において、検出器22は、従来よく知られるフォトダイオードであるが、光を検出し、電気信号に変換できれば他の素子であってもよい。たとえば、検出器22は、CCDカメラのように、光を検出し、電気信号に変換して画像を得るものであってもよい。
卵殻表面Efに照射された照射光Iのうち、200nm〜300nmの光成分は、卵の卵殻表面Efで多く反射される。したがって、受光部20が受光する反射光Rは、200nm〜300nmの波長成分を多く含む。なお、反射光Rは、照射光Iの波長が変換されることなく照射光Iが卵殻表面で反射された光であり、照射光Iと反射光Rの波長は同一である。一方、蛍光は、卵殻表面に照射された照射光が長波長化されて卵殻から放出される光であるので、反射光Rは、蛍光とは異なる。
図3に示すように、本実施の形態において、受光部20は、紫外光検出器22aと、可視光検出器22bを備える。紫外光検出器22aは、254nmの光成分を通過させるバンドパスフィルタ24aを備え、可視光検出器22bは、436nmの光成分を通過させるバンドパスフィルタ24bを備える。これにより、紫外光検出器22aは、254nmの光成分のみを選択的に検出でき、可視光検出器22bは、436nmの光成分のみを選択的に検出できる。
本実施の形態では、通過させる光成分が互いに異なるバンドパスフィルタを用いることによって、紫外光検出器22aと可視光検出器22bが互いに異なる波長の光成分を受光可能に構成されている。しかし、光成分を選択的に検出可能にするための構成はこれに限定されず、例えば、特定の波長領域にのみ感度をもつ素子を用いて検出器を構成することによって、特定波長の光成分を選択的に検出可能にしてもよい。
本実施の形態において、たとえば、光照射部10が254nmの光成分を含む照射光Iを照射し、受光部20が紫外光検出器22aにおいて254nmの光成分を選択的に検出する。このような構成により、紫外光検出器22aは、反射光Rのみを検出し、たとえば、蛍光を検出しない。すなわち、光照射部10が特定波長の光成分を含む照射光Iを照射し、受光部20が検出器22a,22bにおいて、その特定波長の光成分を選択的に検出する。このため、検出器22a,22bは、反射光のみを検出する。光照射部10と受光部20は、検出器22a,22bが反射光のみを検出するように、適宜選択される。
受光部20が検出器22a,22bにおいて検出した反射光Rの情報は電気信号に変換されて判定部30に送られる。判定部30に送られる情報は、たとえば、光の波長に対する反射光の強度の情報を含む。光の波長に対する反射光の強度の情報から、たとえば、図4、図5に示すようなグラフを取得できる。
図4は、卵殻表面Efに卵白が付着した状態の卵(以下「付着卵」という。)と、付着物の付着がない状態の卵(以下「正常卵」という。)とを比較したグラフである。すなわち、図4は、本実施の形態にかかる卵検査装置において、卵殻表面Efに卵白が付着した付着卵と、卵白等の付着物のない正常卵とをそれぞれ検査して得られるグラフである。
図4では、縦軸を光の強度、横軸を光の波長としている。図4(A)は、検出器が検出した200〜300nmの光成分の強度を示し、図4(B)は、検出器が検出した400〜500nmの光成分の強度を示す。
付着卵および正常卵の両方において、図4(A)では、検出器により254nmに反射光の強度のピークが検出され、図4(B)では、検出器により436nmに反射光の強度のピークが検出される。これは、殺菌灯Pから照射される光は、254nm、436nmに高い強度を有するため、受光部20が受ける反射光も254nm、436nmに高い強度を有し、これら波長に光強度のピークが存在する。
なお、卵殻からの蛍光による光成分が受光部20に入射することもあるが、検出器22a,22bが254nmの光成分、436nmの光成分を選択的に受光するため、蛍光による光成分は、反射光Rから得られる情報に実質的に影響を与えない。
図4(A)では、254nmでの正常卵のピークが、254nmでの付着卵のピークよりも高くなっている。その理由は以下の通りである。光照射部10から照射された照射光Iのうち、254nmの光成分の大部分が、正常卵では卵殻表面で反射されるのに対し、付着卵では卵白に吸収されて反射されない。このため、正常卵では、反射光R中に含まれる254nmの光成分が多く、検出器22aで検出される強度が高いのに対して、付着卵では反射光R中に含まれる254nmの光成分が少なく、検出器22aで検出される強度が低い。したがって、図4(A)は、付着卵を検査する場合は、正常卵を検査する場合に比較して、254nmの光成分の強度が小さくなることを示す。
ところで、卵白および卵黄は、従来よく知られるように、蛋白質を含み、蛋白質は、多種のアミノ酸を有する。そのようなアミノ酸には、トリプトファンに代表される芳香族アミノ酸があり、芳香族アミノ酸は、紫外光領域の光を吸収する。図6では、トリプトファン(Trp)、チロシン(Try)、フェニルアラニン(Phe)、アルブミン(BSA)の光の吸収スペクトルを示す。
例えば、トリプトファンは、図6示すように、200〜300nmの光成分を吸収するため、反射光Rは、この波長領域の光成分が少ない。したがって、紫外光領域の特定の波長(たとえば、254nm)の光成分を含む光がトリプトファンに照射されると、その特定の波長(254nm)より長い波長の光が蛍光としては出射されるが、254nmの光成分は出射されない。すなわち、254nmの光成分がトリプトファンに吸収されるので、反射光Rに含まれる254nmの光成分が少なくなる。
よって、再び図4を参照するに、付着卵を検査する場合に、254nmの光成分を含む光が付着卵に照射されても、卵白、すなわちトリプトファンが254nmの光成分を吸収し、受光部20が受ける反射光Rに含まれる254nmの光成分が少なくなり、検出器22aは、254nmの光成分をほとんど検出しない。
他方、正常卵を検査する場合に、付着物のない卵殻表面Efは、従来よく知られるように、254nmの光成分を吸収せずに反射する特性を有しているため、254nmの光成分を含む光が正常卵に照射されると、卵殻表面が254nmの光成分を多く反射し、受光部20が受ける反射光Rに含まれる254nmの光成分が多く、検出器22aは、254nmの光成分を多く検出する。したがって、図4(A)では、254nmでの正常卵のピークが254nmでの付着卵のピークよりも高くなる。
図4(B)では、436nmでの正常卵のピークが436nmでの付着卵のピークと略同等になっている。卵白は、従来よく知られるように、見た目に透明であり、可視光領域の光成分を透過する。したがって、卵白が付着した付着卵であっても、可視光領域に属する436nmの光成分は、卵白を透過し、卵殻表面Efで多く反射される。正常卵であっても、同様に、436nmの光成分は卵殻表面Efで多く反射される。
したがって、正常卵の場合も付着卵の場合も、検出器22bは、反射光Rに含まれる436nmの光成分を多く検出する。なお、436nmの光成分は卵を励起することがなく、この光成分に起因して卵殻表面Efから蛍光が出射されることもない。
以上のように、図4(A)では、254nmにおけるピークは、付着卵では小さく、正常卵では大きくなっており、図4(B)では、436nmにおけるピークは、付着卵と正常卵では顕著な差異がない。したがって、本実施の形態における卵検査装置の判定部30は、反射光Rに含まれる、紫外光領域の光成分である254nmの光成分から卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定することができる。
また、本実施の形態における卵検査装置の判定部30は、反射光Rに含まれる、たとえば436nmの可視領域の波長を有する光成分の強度の情報を組み合わせることにより、付着卵と正常卵を判定することができる。すなわち、紫外光検出器22aによる検出結果と、可視光検出器22bによる検出結果を組み合わせることによって、卵殻表面の付着物の種類を判定することができる。
次に、図5について説明する。図5は、判定部30が取得した情報に基づき、横軸を反射光R中の254nmの光成分の強度、縦軸を反射光R中の436nmの光成分の強度としたグラフを示す。図5に示される領域は、卵殻表面Efに種々の付着物が付着した複数の卵Eを、本実施の形態にかかる卵検査装置1により検査した場合に得られる分布を示す。すなわち、図5は、卵検査装置により卵の付着物を検査した実験結果である。
図5では、鶏糞などの汚れ、卵白、卵黄、水が付着する卵を検査した場合に、検出器22a,22bの検出結果から、卵殻に付着している付着物の種類を検査できることが示される。なお、卵には、卵殻が破壊されることなく、汚れ、卵白、卵黄、水が付着する場合の他に、卵殻が破壊されて内容物、すなわち卵白または卵黄が吐出し、卵殻表面Efに付着する場合もある。これは、リーク卵と称され、図5では、リーク卵も検査できることが示されている。
図5は、横軸を反射光R中の254nm(第1の波長)の光成分の強度とし、縦軸を反射光R中の436nm(第2の波長)の光成分の強度として、付着物が付着した卵やリーク卵からの反射光中の第1及び第2の波長の光成分の強度に応じて、卵ごとに1点をプロットするようなグラフである。したがって、1つの卵につき、1つのプロットが得られる。各卵についてのプロットの位置は、付着物の種類や、内容物のリークの有無に相関しているため、卵の状態ごとに、複数のプロットが特定の領域に偏在する。図5では、各卵のプロットは省略し、プロットが偏在する領域を示す。
図5では、卵検査装置1により検査される卵として、内容物のリークを含む付着物がない正常卵N、汚れが付着した汚卵D、水が付着した濡卵W、卵白が付着した卵白付着卵G、卵黄が付着した卵黄付着卵Y、内容物(卵白または卵黄)が付着したリーク卵Lを示す。
正常卵Nは、第1および第2の波長の光成分の吸収が小さく、卵殻表面Efで大きく反射されるため、両波長の光成分の強度の大きい右上にプロットされる。したがって、正常卵Nを検査した場合に、図5では、右上の領域Nにプロットが偏在する。
汚れが付着した汚卵Dは、一般に、有色物質が付着物として付着している。付着物として、たとえば、鶏糞、土等がある。鶏糞、土等は、蛋白質を含まないため、第1の波長の光成分は大部分が付着物に吸収されない。他方、付着物が有色であるため、第2波長の光成分は大部分が付着物に吸収される。したがって、反射光R中の第1の波長の光成分は強度が大きく、第2の波長の光成分は強度が小さくなる。したがって、汚卵Dを検査した場合に、図5では、汚卵Dの検査結果は右下の領域Dにプロットが偏在する。
濡卵Wに付着した水は、蛋白質を含まず、また透明である。したがって、第1の波長および第2の波長の両方の光成分は、水に大きく吸収されることなく、卵殻表面Efで反射される。これにより、反射光R中の第1および第2の波長の光成分の強度は大きくなる。したがって、図5では、濡卵Wの検査結果は、右上の領域Wにプロットが偏在する。ただし、水が光を一部散乱等するため、正常卵Nに比較してやや左の領域にプロットされる。
卵白付着卵Gに付着した卵白は、蛋白質を含み、また透明である。よって、第1の波長の光成分は、卵白に大きく吸収される。また、第2の波長の光成分は、卵白で大きく吸収されることなく、卵殻表面Efで反射される。これにより、反射光R中の第1の波長の光成分の強度は小さくなり、第2の波長の光成分の強度は大きくなる。したがって、図5では、卵白付着卵Gの検査結果は、中央上の領域Gにプロットが偏在する。
卵黄付着卵Yに付着した卵黄は、蛋白質を含み、また有色である。したがって、第1および第2の波長の両方の光成分は、卵黄に吸収される。これにより、反射光R中の第1および第2の波長の光成分の強度は小さくなる。したがって、図5では、卵黄付着卵Yの検査結果は、中央下の領域Yにプロットが偏在する。
内容物が吐出したリーク卵Lは、卵白付着卵または卵黄付着卵に比較して、大量の卵白または卵黄が卵殻表面Efに付着する。したがって、第1の波長の光成分は、大量の卵白または卵黄に大きく吸収され反射されない。また、第2の波長の光成分は、リークした内容物が卵白の場合は、卵白で大きく吸収されることなく、卵殻表面Efで反射される。一方、リークした内容物が卵黄の場合は、卵黄で吸収される。
したって、リーク卵Lでは、反射光R中の第1の波長の光成分の強度は非常に小さくなり、第2の波長の光成分の強度はリークした内容物に応じて変化する。図5では、リーク卵Lの検査結果は、第1の波長の光成分が吸収されることにより左側にプロットが偏在し、かつリークした内容物によって生じる第2の波長の光成分の吸収に応じて上下に延びた領域Lにプロットが偏在する。卵黄のリークが多い程、領域Lの下側にプロットが偏在することになる。
卵殻表面Efに付着した付着物、またはリーク卵Lのリークした内容物により、図5でプロットされた領域が特定される。これにより、付着物の種類またはリーク卵であるかどうかを判定することができる。したがって、本発明の実施の形態にかかる卵検査装置は、いわゆるリーク卵検査装置として利用できる。
図5に関する実験では、卵白付着卵または卵黄付着卵とリーク卵とを分けて考えているが、リーク卵であっても卵黄または卵白が付着している。したがって、リーク卵は、付着卵として判定することもできる。これら付着物による図5のようなグラフは例示であり、各種の付着物が付着した卵のプロットを分類する領域は適宜選択される。すなわち、第1および第2の波長の光成分の強度から卵殻表面の付着物を検査できれば、判定部は、他のグラフ、他の手段等により付着物の種類を判定してもよい。
判定部30は、従来よく知られるソフトウエア、ハードウエアにより構成される。また、光照射部10、受光部20、搬送部C、卵Eの位置関係は、付着物の検出に適するように適宜変更できる。また、付着物の検出を容易にするように、装置全体を遮光性の箱で覆う等の構成も適宜追加できる。さらに、図2、図4、図5の光強度は、照射部10、受光部20、卵Eの位置関係等により変更されるため、検査に応じて適宜調整される。
受光部20が選択的に検出する光成分の波長は適宜変更できる。たとえば、付着物が250nmの光を吸収する場合は、照射光Iとして250nmの光成分を含む光を用い、反射光Rを受光する受光部20は、250nmの光成分を選択的に検出するようにすればよい。
検出器22aとして、紫外光成分に感度を有する紫外線カメラ(紫外光画像撮像部)を用い、紫外線カメラの前に254nm等の光学フィルタを設けてもよい。これにより、カメラが紫外光成分のみを受光して紫外光画像を取得することができ、この画像から蛋白質付着の状態を判定できる。
本実施の形態において、光照射部10は、複数の波長に光強度のピークを有する殺菌灯Pからなるが、複数の波長にピークを有さなくとも、少なくとも200nm〜300nmの光成分を含めばよい。
本実施の形態において、判定部30は、蛋白質に代表される付着物を判定するときに、事前に調査された値を基準に判定を行ってもよいし、検査を受ける複数の卵のうち、検査対象の卵から得られる値と、他の卵から得られる値を比較して判定を行ってもよい。
本実施の形態において、判定部30は、特定波長の光成分の強度を照射光Iと反射光Rとで比較することによって付着物を判定するが、たとえば、光のスペクトルを照射光Iと反射光Rとで比較して付着物を判定するように、従来よく知られた他の方法により付着物を判定してもよい。
(第2実施形態)
第1実施形態では図5に示すグラフを用いて、検査対象の卵Eがリーク卵と付着卵の何れであるのかの判定を行った。しかし、第1実施形態では、反射光R中の第1及び第2の波長の光成分の強度に基づいて判定を行っているため、例えば、リーク卵であっても卵白や卵黄の漏れ出しが比較的少ない場合には、卵殻表面での254nmの光成分の吸収が比較的少なくなり、その結果、リーク卵が誤って、卵白や卵黄の付着卵であると判定されてしまう場合があるという問題がある。本実施形態は、このような問題を解決するためになされたものであり、検査対象の卵がリーク卵であるかどうかをより高精度に判定する。以下、詳細に説明する。
本実施形態では、卵検査装置1は、図7に示すように、卵殻表面Efに光を照射する光照射部10と、卵殻表面Efからの光を受光する受光部20と、受光部20の受光した光から蛋白質の存在を判定する判定部30とを備える。検査の対象である卵Eは、選別包装システムの搬送部Cにより搬送されながら検査される。搬送部Cの構成は、第1実施形態と同様である。
光照射部10は、第1照射光PIを卵Eに照射する第1光照射部10aと、第2照射光FIを卵Eに照射する第2光照射部10bとを含む。第1照射光PIは、紫外光成分を主成分とする光であり、第2照射光FIは、可視光成分を主成分とする光であり、従って、第1照射光PI中の紫外光成分の強度は、第2照射光FI中の紫外光成分よりも高く、第2照射光FI中の可視光成分の強度は、第1照射光PI中の紫外光成分よりも高い。第1光照射部10aは、第1実施形態と同様に殺菌灯などで構成され、第2光照射部10bは、例えば蛍光灯で構成される。ここでは、2つの光照射部から波長分布が異なる2種類の照射光を放出させ、これらの照射光の両方を卵Eに照射することによって、卵Eに対して紫外光成分と可視光成分の両方を含む照射光を照射することを可能にしている。別の実施形態では、紫外光成分と可視光成分の両方を含む照射光を発する単一の光照射部を用いてもよい。
照射光PI,FIが卵Eの卵殻表面Efで反射して生成される反射光Rには、照射光PI,FIと同様に紫外光成分と可視光成分が含まれる。受光部20は、紫外光画像撮像部26aと、可視光画像撮像部26bとを備える。紫外光画像撮像部26aと卵Eとの間には、可視光成分をカットする可視光遮断フィルタ27が配置されている。このため、紫外光画像撮像部26aには、反射光R中の紫外光成分のみが到達し、紫外光画像撮像部26aは、反射光Rに含まれる紫外光成分に基づく紫外光画像を生成する。本実施形態では、可視光遮断フィルタ27は、特定波長(例:254nm)の光成分のみを透過させるように構成されているが、特定の波長範囲(例:200〜300nm)の光成分を透過させるように構成してもよい。可視光遮断フィルタ27としては、第1実施形態のバンドパスフィルタ24aと同様のものを用いることができる。
一方、可視光画像撮像部26bと卵Eとの間には、フィルタが配置されていないので、可視光画像撮像部26bには、反射光Rの全成分が到達する。しかし、可視光画像撮像部26bとして、紫外光成分に対する感度が可視光成分に対する感度よりも低いもの(好ましくは、紫外光成分に対して実質的に感度を有さないもの)を用いることによって、可視光画像撮像部26bは、反射光Rに含まれる可視光成分に基づく可視光画像を生成することが可能になっている。なお、可視光画像撮像部26bと卵Eとの間に、紫外光成分をカットする紫外光遮断フィルタを配置してもよい。この場合、可視光画像撮像部26bとして、紫外光成分に対して感度を有するものも利用可能になる。また、紫外光遮断フィルタは、可視光領域中の特定波長の光成分のみを透過させるように構成してもよく、特定の波長範囲(例:400〜500nm)の光成分を透過させるように構成してもよい。紫外光遮断フィルタとしては、第1実施形態のバンドパスフィルタ24bと同様のものを用いることができる。
紫外光画像及び可視光画像は、判定部30に送られて画像解析され、その結果に基づいて卵Eの状態が判定される。
ここで、図8を用いて、紫外光画像の画像解析について説明する。図8(A)は、3つの卵E1〜E3について撮影した紫外光画像を示す。卵E1には付着物がなく、卵E2には、盲腸便などの蛋白質を多く含まない汚れDが付着しており、卵E3には、卵白などの蛋白質Tが付着している。図8(B)は、図8(A)中の直線S上の画素位置での紫外光画像の階調値(輝度値)を示すグラフである。図8(B)の縦軸には、判定領域抽出閾値と蛋白吸収検出閾値が設定されている。紫外光画像の階調値が判定領域抽出閾値を超える領域が、図8(A)に示す判定領域Jとして設定される。また、判定領域J内において紫外光画像の階調値が蛋白吸収検出閾値を下回る領域が紫外光強吸収領域として設定される。蛋白質が付着している領域では、蛋白質による紫外光成分の吸収によって紫外光成分の階調値が大幅に低下するので、紫外光強吸収領域は、蛋白質が付着している領域に対応する。
付着物がない卵E1では、判定領域J内に紫外光強吸収領域が存在していないので、卵E1には、蛋白質の付着がないと判定される。汚れDが付着している卵E2では、判定領域J内に階調値の凹みが存在するものの、この凹み内での階調値の下限は、蛋白吸収検出閾値よりも大きいので、卵E2には、蛋白質の付着がないと判定される。一方、蛋白質Tが付着している卵E3では、判定領域J内に階調値の凹みが存在し、この凹み内での階調値の下限が蛋白吸収検出閾値を下回っているので、紫外光画像には紫外光強吸収領域が存在し、卵E3には、蛋白質が付着していると判定される。このように、本実施形態では、判定部30は、紫外光画像内での紫外光強吸収領域に基づいて卵殻表面Efの蛋白質付着の状態を判定する。判定部30は、紫外光強吸収領域が少しでも存在する場合には蛋白質が付着していると判断してもよく、判定領域Jに対する紫外光強吸収領域の面積割合が閾値を超える場合に蛋白質が付着していると判断してもよい。
次に、可視光画像の画像解析について説明する。可視光画像中に存在する可視汚れと可視ヒビは、卵殻に比べて、可視光成分の吸収が大きいか又は可視光成分を可視光画像撮像部26b以外の方向に反射又は散乱させるので、可視汚れ又は可視ヒビが存在する領域は、可視光画像撮像部26bによって可視光成分が比較的弱く検出される可視光弱検出領域となる。可視光弱検出領域は、エッジ検出によって特定可能である。一般に、可視汚れに由来する可視光弱検出領域では、可視ヒビに由来する可視光弱検出領域よりも、可視光弱検出領域内外の明暗差が大きくなる傾向がある。従って、この明暗差が閾値を超えるかどうかによって、可視光弱検出領域が可視汚れと可視ヒビのどちらに由来するのかを判定することができる。なお、可視光弱検出領域が可視汚れと可視ヒビのどちらに由来するのかの判定は、可視光弱検出領域の面積や色彩を考慮することによって行ってもよい。なお、本明細書において、「可視ヒビ」という用語には、卵殻の亀裂のみでなく、卵殻が部分的に欠落して形成されたホールも含まれる。また、本明細書において、「可視ヒビ」及び「可視汚れ」は、それぞれ、可視光画像の画像解析によって検出可能なヒビ及び汚れを意味する。
以上のように、紫外光画像と可視光画像を解析することによって、検査対象の卵について(1)卵殻表面の蛋白質付着の状態、(2)卵殻の可視ヒビの状態、(3)卵殻表面の可視汚れ付着の状態を得ることができる。そして、これらの状態に基づいて、検査対象の卵の状態の判定が可能である。卵の状態の判定の例を図9に示す。図9では、卵E11〜E16について判定を行った。
卵E11は、正常卵であり、蛋白質及びその他の汚れの付着がなく、可視ヒビが存在していない。卵E11について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出されず、可視光画像の解析では可視ヒビと可視汚れ付着のどちらも検出されなかった。このため、判定部30は、卵E21が「正常卵」であると判定した。
卵E12は、盲腸便/直腸便付着卵であり、盲腸便/直腸便が付着しているが、可視ヒビが存在していない。卵E12について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出されず、可視光画像の解析では可視汚れ付着が検出された。このため、判定部30は、卵E12が「汚卵」であると判定した。
卵E13は、可視ヒビ卵であり、蛋白質及びその他の汚れの付着がないが、可視ヒビが存在している。卵E13について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出されず、可視光画像の解析では可視ヒビが検出された。このため、判定部30は、卵E13が「可視ヒビ卵」であると判定した。
卵E14は、卵黄/卵白付着卵であり、蛋白質が付着しているが、可視ヒビが存在していない。卵E14について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出され、可視光画像の解析では可視ヒビと可視汚れ付着のどちらも検出されなかった。このため、判定部30は、卵E14が「汚卵」であると判定した。なお、卵E14において、卵黄が付着している領域は、黄色っぽくなっているので一応は視認可能である。しかし、可視光画像中では、卵黄付着領域とその周囲の領域の間の明暗差が所定の閾値を下回ったため、卵黄付着領域は、可視光弱検出領域として検出されず、その結果、可視ヒビと可視汚れ付着のどちらも検出されなかった。
卵E15は、脱肛卵であり、蛋白質及び可視汚れが付着しているが、可視ヒビが存在していない。卵E15について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出され、可視光画像の解析では可視汚れ付着が検出され、可視ヒビが検出されなかった。このため、判定部30は、卵E15が「汚卵」であると判定した。
卵E16は、リーク卵であり、蛋白質が付着しており、かつ可視ヒビが存在している。卵E16について本実施形態の検査を行うと、紫外光画像の解析では蛋白質付着が検出され、可視光画像の解析では可視汚れ付着が検出されず、可視ヒビが検出された。このため、判定部30は、卵E16が「リーク卵」であると判定した。
以上のように、本実施形態の方法によって、互いに状態の異なる6つの卵E11〜E16の状態を正確に判定することができた。なお、ここでは、検査対象の卵が正常卵、汚卵、可視ヒビ卵、及びリーク卵の何れであるのかの判定を行ったが、よりシンプルに、検査対象の卵がリーク卵であるかどうかの判定のみを行ってもよい。
本実施形態では、(1)卵殻表面の蛋白質付着の状態、(2)卵殻の可視ヒビの状態、(3)卵殻表面の可視汚れ付着の状態に基づいて、検査対象の卵の状態を判定しているので、蛋白質の漏れ出しが比較的少ないリーク卵であっても検出が可能であるので、本実施形態によれば、第1実施形態のよりも卵の状態を高精度に判定することができる。
また、本実施形態では、紫外光画像の解析によって蛋白質付着の状態の判定を行っているが、第1実施形態と同様に、紫外光検出器22aによる検出値に基づいて蛋白質付着の状態の判定を行ってもよい。
今回開示された実施の形態は例示であってこれに制限されるものではない。本発明は上記で説明した範囲ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。
なお、第1及び第2実施形態において、検査対象の卵が、蛋白質付着卵、汚卵、リーク卵、可視ヒビ卵等に該当するかどうかの判定基準は例示であり、検出した各光成分の強度や、卵殻表面の蛋白質付着、可視ヒビ、及び可視汚れの状態等の組合せに基づいて、別の判定基準に従って、判定を行ってもよい。
本発明は、卵検査に利用できる。
1:卵検査装置、10:光照射部、20:受光部、22:検出器、24:バンドパスフィルタ、30:判定部。

Claims (12)

  1. 紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を検査対象の卵の卵殻表面に照射する光照射部と、
    前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光する受光部と、
    前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する判定部を備え、
    前記受光部は、前記反射光に含まれる前記紫外光成分のうちの254nm付近の光成分を選択的に検出する紫外光検出器を備え、
    前記判定部は、前記紫外光検出器による検出値に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する、卵検査装置。
  2. 254nm付近の波長成分を含む照射光を検査対象の卵の卵殻表面に照射する光照射部と、
    前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光する受光部と、
    前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する判定部を備え、
    前記光照射部は殺菌灯を備える、卵検査装置。
  3. 紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を検査対象の卵の卵殻表面に照射する光照射部と、
    前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光する受光部と、
    前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する判定部を備え、
    前記照射光は、可視光領域の波長を有する可視光成分を含み、
    前記判定部は、前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分と前記可視光成分に基づいて卵の状態を判定し、
    前記受光部は、前記反射光に含まれる前記可視光成分に基づく可視光画像を生成する可視光画像撮像部を備え、
    前記判定部は、前記可視光画像内での可視光弱検出領域に基づいて前記卵殻の可視ヒビ及び前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態を判定する、卵検査装置。
  4. 前記判定部は、前記卵殻表面の蛋白質付着の状態と、前記卵殻の可視ヒビの状態と、前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態に基づいて、検査対象の卵がリーク卵であるかどうかを判定する、請求項3に記載の卵検査装置。
  5. 前記受光部は、前記反射光に含まれる前記紫外光成分に基づく紫外光画像を生成する紫外光画像撮像部を備え、
    前記判定部は、前記紫外光画像内での紫外光強吸収領域に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定する、請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の卵検査装置。
  6. 前記受光部は、前記反射光に含まれる前記可視光成分のうちの第2特定波長の光成分を選択的に検出する可視光検出器を備え、
    前記判定部は、前記紫外光検出器による検出値及び前記可視光検出器による検出値に基づいて卵の状態を判定する、請求項3に記載の卵検査装置。
  7. 第2特定波長は、400nm〜500nmの範囲内の特定の波長である、請求項6に記載の卵検査装置。
  8. 前記判定部は、前記可視光弱検出領域内外の明暗差に基づいて、前記可視光弱検出領域が可視ヒビと可視汚れのどちらに由来するかを判定する、請求項3に記載の卵検査装置。
  9. 前記可視光弱検出領域は、エッジ検出によって特定される、請求項3又は請求項8に記載の卵検査装置。
  10. 前記判定部は、前記卵殻表面の蛋白質付着の状態と、前記卵殻の可視ヒビの状態と、前記卵殻表面の可視汚れ付着の状態に基づいて、検査対象の卵が正常卵、汚卵、可視ヒビ卵、及びリーク卵の何れであるのかを判定する、請求項4に記載の卵検査装置。
  11. 検査対象の卵を回転させながら搬送する搬送部をさらに備え、
    前記判定部は、前記卵が所定角度回転される度に前記卵の状態の判定を行う、請求項1〜請求項10の何れか1つに記載の卵検査装置。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか1つに記載の卵検査装置を用いた卵検査方法であって、 紫外線領域の波長を有する紫外光成分を含む照射光を卵殻表面に照射するステップと、
    前記照射光のうち卵殻表面から反射する反射光を受光するステップと、
    前記受光部の受光した反射光のうちの前記紫外光成分に基づいて前記卵殻表面の蛋白質付着の状態を判定するステップとを備える、卵検査方法。
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