JP2016053211A - 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】めっき密着性、加工性および耐疲労特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供する。【解決手段】C:0.3%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理を施すに際し、前記酸化処理では、前段で、O2濃度1000体積ppm以上、H2O濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O2濃度1000体積ppm未満、H2O濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、前記還元焼鈍では、H2濃度5〜30体積%、H2O濃度500〜5000体積ppm、残部がN2および不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱する。【選択図】なし

Description

本発明は、Siを含む高強度鋼板を母材とする、高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、自動車、家電、建材等の分野において素材鋼板に防錆性を付与した表面処理鋼板、中でも防錆性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板が使用されている。また、自動車の燃費向上および自動車の衝突安全性向上の観点から、車体材料の高強度化によって薄肉化を図り車体そのものを軽量化かつ高強度化するために、高強度鋼板の自動車への適用が促進されている。
一般的に、溶融亜鉛めっき鋼板は、スラブを熱間圧延や冷間圧延した薄鋼板を母材として用い、母材鋼板をCGLの焼鈍炉で再結晶焼鈍し、その後、溶融亜鉛めっき処理を行い製造される。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき後、さらに合金化処理を行い製造される。
鋼板の強度を高めるためには、SiやMnの添加が有効である。しかし、連続焼鈍の際に、SiやMnは、Feの酸化が起こらない(Fe酸化物を還元する)還元性のN+Hガス雰囲気でも酸化し、鋼板最表面にSiやMnの酸化物を形成する。SiやMnの酸化物はめっき処理時に溶融亜鉛と下地鋼板との濡れ性を低下させるため、SiやMnが添加された鋼板では不めっきが多発するようになる。また、不めっきに至らなかった場合でも、めっき密着性が悪いという問題がある。
SiやMnを多量に含む高強度鋼板を母材とした溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法として、特許文献1には、鋼板表面酸化膜を形成させた後に還元焼鈍を行う方法が開示されている。しかしながら、特許文献1では良好なめっき密着性が安定して得られない。
これに対して、特許文献2〜8では、酸化速度や還元量を規定したり、酸化帯での酸化膜厚を実測し、実測結果から酸化条件や還元条件を制御して効果を安定化させようとした技術が開示されている。
また、特許文献9〜11では、酸化−還元工程における雰囲気中のO、H、HOなどのガス組成を規定している。
特開昭55−122865号公報 特開平4−202630号公報 特開平4−202631号公報 特開平4−202632号公報 特開平4−202633号公報 特開平4−254531号公報 特開平4−254532号公報 特開平7−34210号公報 特開2004−211157号公報 特開2005−60742号公報 特開2007−291498号公報
特許文献1〜8に示されている溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を適用した場合、連続焼鈍において鋼板表面にSiやMnの酸化物が形成することで、十分なめっき密着性が必ずしも得られないことが分かった。
また、特許文献9〜10に記載の製造方法を適用した場合には、めっき密着性は改善するものの、酸化帯での過剰な酸化により、炉内ロールに酸化スケールが付着し鋼板に押し疵が発生する、いわゆるピックアップ現象が発生する課題があった。
特許文献11に記載の製造方法では、ピックアップ現象の抑制には効果があるものの、良好な加工性や耐疲労特性が必ずしも得られないことが分かった。また、良好なめっき密着性も得られないことが分かった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、めっき密着性、加工性および耐疲労特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
鋼の高強度化には上述したようにSiやMn等の固溶強化元素の添加が有効である。そして、自動車用途に使用される高強度鋼板については、プレス成形が必要になるために強度と延性のバランスの向上が要求される。これらに対しては、Si、Mnは鋼の延性を損なわずに高強度化ができる利点があるため、Si含有鋼は高強度鋼板として非常に有用である。しかしながら、Si含有鋼、Si・Mn含有鋼を母材とした高強度溶融亜鉛めっき鋼板を製造する場合、以下の問題がある。
SiやMnは焼鈍雰囲気中で鋼板最表面にSiおよび/またはMnの酸化物を形成し、鋼板と溶融亜鉛との濡れ性を劣化させる。その結果、不めっきなどの表面欠陥が発生する。また、不めっきに至らなかった場合でもめっき密着性が著しく劣ってしまう。これは、鋼板表面に形成されたSiおよび/またはMnの酸化物が、めっき層と鋼板の界面に残存するために、めっき密着性を劣化させているものと考えられる。
また、Si含有鋼では溶融めっき処理した後の合金化処理において、FeとZnの反応が抑制される。そのため、合金化を正常に進行させるには比較的高温での合金化処理が必要となる。しかし、高温で合金化処理を行うと、十分な加工性が得られない。
高温で合金化処理を行うと十分な加工性が得られない問題に対しては、延性を確保するために必要な鋼中の残留オーステナイト相がパーライト相に分解されるために、十分な加工性が得られないことがわかった。また、溶融めっき前に、Ms点以下まで一旦冷却して再加熱した後に溶融めっき処理および合金化処理を行った場合では、強度を確保するためのマルテンサイト相の焼き戻しが起こり、十分な強度が得られないことが分かった。このようにSi含有鋼においては、合金化温度が高温になるが故に所望する機械特性値が得られないという問題がある。
更には、Siの鋼板最表面での酸化を防ぐには、酸化処理を行った後に還元焼鈍を行う方法が有効であるが、その時にSiの酸化物が鋼板表層の内部の粒界に沿って形成する。すると、耐疲労特性が劣ることが分かった。これは粒界に形成した酸化物を起点として、疲労亀裂が進展するために起こるものと考えられる。
上記をもとに検討を重ねた結果、以下の知見を得た。SiやMnを含む高強度鋼板を母材とした場合、鋼板と溶融亜鉛の濡れ性の低下の原因となるSiやMnの鋼板最表面での酸化を抑制するため、酸化処理を行った後に還元焼鈍を行うことが有効であるが、酸化処理を行う雰囲気のO濃度を前段と後段で変化させることで、SiやMnの鋼板表面での酸化を抑制するために必要な鉄酸化物量を十分確保しつつ、鉄酸化物によるピックアップを防止することができる。更には、Si含有鋼での高温での合金化処理に対しては、還元焼鈍でのHO濃度を適正に制御し、かつ合金化温度を還元焼鈍でのHO濃度との関係から規定することで、合金化温度を低下させ、加工性および耐疲労特性を向上させることができる。また、めっき密着性を改善することができる。すなわち、O濃度を制御した酸化処理を行い、かつ還元焼鈍でのHO濃度に応じた温度での合金化処理を行うことによって、めっき密着性、加工性および耐疲労特性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られることが分かった。
更に、めっき層と鋼板の界面に形成されるSiおよび/またはMnの酸化物を抑制することにより、鋼板表面の広い面積においてめっきと鋼板の反応性を高めることができ、高強度溶融亜鉛めっき鋼板での良好なめっき密着性が得られることが分かった。
本発明は上記知見に基づくものであり、特徴は以下の通りである。
[1]質量%で、C:0.3%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理を施すに際し、前記酸化処理では、前段で、O濃度1000体積ppm以上、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O濃度1000体積ppm未満、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、前記還元焼鈍では、H濃度5〜30体積%、HO濃度500〜5000体積ppm、残部がNおよび不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]質量%で、C:0.3%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理、合金化処理を施すに際し、前記酸化処理では、前段で、O濃度1000体積ppm以上、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O濃度1000体積ppm未満、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、前記還元焼鈍では、H濃度5〜30体積%、HO濃度500〜5000体積ppm、残部がNおよび不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱し、前記合金化処理では、下式を満足する温度T(℃)で、10〜60秒間処理を行うことを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
−50log([HO])+650≦T≦−40log([HO])+680
但し、[HO]は還元焼鈍時のHO濃度(体積ppm)を表す。
[3]前記酸化処理は、直火バーナー炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、前記前段では空気比1.0以上1.3未満で、前記後段では空気比0.7以上0.9未満で、行うことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[4]前記還元焼鈍では、炉内の上部と下部のHO濃度の差が2000体積ppm以下であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[5]前記溶融亜鉛めっき処理は、浴中有効Al濃度:0.095〜0.175質量%、残部はZnおよび不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行うことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[6]前記溶融亜鉛めっき処理は、浴中有効Al濃度:0.095〜0.115質量%、残部はZnおよび不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行うことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[7]成分組成として、さらに、質量%で、Al:0.01〜0.1%、Mo:0.05〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr:0.01〜0.8%、B:0.0005〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の製造方法によって製造される高強度溶融亜鉛めっき鋼板であって、めっき層と鋼板の界面には、Fe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相のいずれか1種以上からなる反応相が面積率で70%以上有していることを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
なお、本発明における高強度とは、引張強度TSが440MPa以上である。また、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板は、冷延鋼板を母材とする場合、熱延鋼板を母材とする場合のいずれも含み、溶融亜鉛めっき処理を施したもの、溶融亜鉛めっき処理に加えてさらに合金化処理を施したもの、いずれも含むものである。
本発明によれば、めっき密着性、加工性および耐疲労特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
還元焼鈍炉内のHO濃度(ppm)と引張強度TSと伸びELの積(MPa・%)の関係を示す図である。 鋼板表層部の断面を観察したSEM像を示す図である。 還元炉内のHO濃度変化と合金化温度との関係を示す図である。 鋼板とめっき相の界面に形成した反応相を観察したSEM像を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
なお、以下の説明において、鋼成分組成の各元素の含有量、めっき層成分組成の各元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であり、特に断らない限り単に「%」で示す。また、O濃度、HO濃度、H濃度の単位はいずれも「体積%」「体積ppm」であり、特に断らない限り単に「%」「ppm」で示す。
鋼成分組成について説明する。
C:0.3%以下
Cは、0.3%を超えると溶接性が劣化するため、C量は0.3%以下とする。一方、鋼組織として、残留オーステナイト相(以下、残留γ相と称することもある)やマルテンサイト相などを形成させることで加工性を向上しやすくする。そのため、C量は0.025%以上が好ましい。
Si:0.1〜2.5%
Siは鋼を強化して良好な材質を得るのに有効な元素である。Siが0.1%未満では高強度を得るために高価な合金元素が必要になり、経済的に好ましくない。一方、Si含有鋼では、酸化処理時の酸化反応が抑制されることが知られている。そのため、2.5%を超えると酸化処理での酸化皮膜形成が抑制されてしまう。また、合金化温度も高温化するために、所望の機械特性を得ることが困難になる。したがって、Si量は0.1%以上2.5%以下とする。
Mn:0.5〜3.0%
Mnは鋼の高強度化に有効な元素である。機械特性や強度を確保するためには0.5%以上含有する。一方、3.0%を超えると溶接性やめっき密着性、強度と延性のバランスの確保が困難になる場合がある。したがって、Mn量は0.5%以上3.0%以下とする。
残部はFeおよび不可避的不純物である。
なお、強度と延性のバランスを制御するため、Al:0.01〜0.1%、Mo:0.05〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr:0.01〜0.8%、B:0.0005〜0.005%のうちから選ばれる元素の1種または2種以上を必要に応じて添加してもよい。
これらの元素を添加する場合における適正添加量の限定理由は以下の通りである。
Alは熱力学的に最も酸化しやすいため、Si、Mnに先だって酸化し、Si、Mnの鋼板表面での酸化を抑制し、鋼板内部での酸化を促進する効果がある。この効果は0.01%以上で得られる。一方、0.1%を超えるとコストアップになる。したがって、添加する場合、Al量は0.01%以上0.1%以下が好ましい。
Moは0.05%未満では強度調整の効果やNb、Ni、Cuとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、1.0%超えではコストアップを招く。したがって、添加する場合、Mo量は0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Nbは0.005%未満では強度調整の効果やMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、0.05%超えではコストアップを招く。したがって、添加する場合、Nb量は0.005%以上0.05%以下が好ましい。
Tiは0.005%未満では強度調整の効果が得られにくく、0.05%超えではめっき密着性の劣化を招く。したがって、添加する場合、Ti量は0.005%以上0.05%以下が好ましい。
Cuは0.05%未満では残留γ相形成促進効果やNiやMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、1.0%超えではコストアップを招く。したがって、添加する場合、Cuは0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Niは0.05%未満では残留γ相形成促進効果やCuとMoとの複合添加時におけるめっき密着性改善効果が得られにくい。一方、1.0%超えではコストアップを招く。したがって、添加する場合、Niは0.05%以上1.0%以下が好ましい。
Crは0.01%未満では焼き入れ性が得られにくく強度と延性のバランスが劣化する場合がある。一方、0.8%超えではコストアップを招く。したがって、添加する場合、Cr量は0.01%以上0.8%以下が好ましい。
Bは鋼の焼入れ性を向上させるのに有効な元素である。0.0005%未満では焼き入れ効果が得られにくく、0.005%を超えるとSiの鋼板最表面の酸化を促進させる効果があるため、めっき密着性の劣化を招く。したがって、添加する場合、B量は0.0005%以上0.005%以下が好ましい。
次に、本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法について説明する。本発明では、上記成分組成からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理を施す。または、さらに、合金化処理を施す。酸化処理では、前段で、O濃度1000ppm以上、HO濃度1000ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O濃度1000ppm未満、HO濃度1000ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、還元焼鈍では、H濃度5〜30%、HO濃度500〜5000ppm、残部がNおよび不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱する。合金化処理では、下式を満足する温度Tで、10〜60秒間処理を行う。−50log([HO])+650≦T≦−40log([HO])+680
但し、[HO]は還元焼鈍時のHO濃度(ppm)を表す。
まず、酸化処理について説明する。鋼板を高強度化するためには、上述したように鋼にSi、Mnなどを添加することが有効である。しかし、これらの元素を添加した鋼板は、溶融亜鉛めっき処理を施す前に実施する焼鈍過程(酸化処理+還元焼鈍)において、鋼板表面に、Si、Mnの酸化物が生成され、めっき性を確保することが困難になる。
検討したところ、溶融亜鉛めっき処理を施す前の焼鈍条件(酸化処理+還元焼鈍)を変化させ、SiおよびMnを鋼板内部で酸化させ、鋼板表面での酸化を防ぐことで、めっき性が向上し、更にはめっきと鋼板の反応性を高めることができ、めっき密着性が改善することがわかった。
そして、SiおよびMnを鋼板内部で酸化させ、鋼板表面での酸化を防ぐためには、酸化処理を行い、その後、還元焼鈍、溶融めっき、必要に応じて合金化処理を行うことが有効であり、さらに、酸化処理で一定量以上の鉄酸化物量を得ることが必要であることがわかった。
しかしながら、酸化処理で一定量以上の鉄酸化物が形成したまま、還元焼鈍を行うと、ピックアップ現象が発生する問題がある。そのため、酸化処理を前段と後段に分けて、それぞれで雰囲気のO濃度を制御することが重要になる。特に、後段の酸化処理を低O濃度で行うことは重要である。以下、前段の酸化処理と後段の酸化処理について説明する。
[前段処理]
鋼板表面で、SiおよびMn酸化を抑制し、鉄酸化物を生成させるために、積極的に酸化処理を行う。そのため、十分な量の鉄酸化物を得るためには、O濃度は1000ppm以上が必要となる。上限は特に設けないが、酸素導入コストの経済的な理由から大気中O濃度の20%以下が好ましい。また、HOも酸素と同様に、鉄の酸化を促進させる効果があるため、1000ppm以上とする。上限は特に設けないが、加湿コストの経済的な理由から30%以下が好ましい。更に、加熱温度は、鉄の酸化を促進させるために、400℃以上が必要となる。一方で、750℃を超えると鉄の酸化が過剰に起こり、次工程でのピックアップの原因となるため、400℃以上750℃以下とする。
[後段処理]
ピックアップを防止して、押し疵などのない美麗な表面外観を得るために本発明において重要な要件である。ピックアップを防止するためには、一旦酸化された鋼板表面の一部(表層)を還元処理することが重要である。このような還元処理を行うには、O濃度を1000ppm未満に制御することが必要である。O濃度を低下させることで鉄酸化物の表層が一部還元され、次工程の還元焼鈍時に、炉のロールと鉄酸化物の直接接触を避け、ピックアップを防止することができる。O濃度が1000ppm以上になるとこの還元反応が起こりにくくなるため、O濃度は1000ppm未満とする。また、HO濃度は後述するSiやMnの内部酸化を促進させるために、1000ppm以上とする。上限は特に設けないが、前段酸化処理と同様に、加湿コストの経済的な理由から30%以下が好ましい。加熱温度は600℃未満では還元反応が起こりにくく、850℃を超えると効果が飽和し、加熱コストもかかるため、600℃以上850℃以下とする。
以上のように、酸化炉は上記条件を満たすために、少なくとも2つ以上のゾーンから構成されている必要がある。酸化炉が2つのゾーンから構成される場合は、各ゾーンを上記の通りに雰囲気制御を行えばよく、3つ以上のゾーンから構成される場合は、連続する任意のゾーンを同様に雰囲気制御することで1つのゾーンとみなすことが出来る。また、前段と後段をそれぞれ別々の酸化炉で行うことも可能である。しかし工業的な生産性や現行の製造ラインの改善で実施すること等を考慮すると、同一炉内を2ゾーン以上に分割し、それぞれで雰囲気制御することが好ましい。
また、前段酸化処理および後段酸化処理は直火バーナー炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)を使用することが好ましい。DFFやNOFは溶融亜鉛めっきラインに多く用いられており、空気比の制御によるO濃度の制御も容易に行える。また、鋼板の昇温速度が速いため、加熱炉の炉長を短くしたり、ラインスピードを速く出来る利点があるため、生産効率等の点からDFFやNOFの使用が好ましい。直火バーナー炉(DFF)や無酸化炉(NOF)は、例えば、製鉄所の副生ガスであるコークス炉ガス(COG)等の燃料と空気を混ぜて燃焼させて鋼板を加熱する。そのため、燃料に対する空気の割合を多くすると、未燃の酸素が火炎中に残存し、その酸素で鋼板の酸化を促進することが可能となる。そのため、空気比を調整すれば、雰囲気の酸素濃度を制御することが可能である。前段酸化処理では、空気比が1.0未満になると上記の雰囲気条件から外れる場合があり、空気比が1.3以上となると過剰な鉄の酸化が起こる可能性があるため、空気比は1.0以上1.3未満が好ましい。また、後段酸化処理では、空気比が0.9以上となると上記の雰囲気条件から外れる場合があり、0.7未満となると加熱のための燃焼ガスの使用比率が増え、コストアップに繋がるため、空気比は0.7以上0.9未満が好ましい。
次に、酸化処理に続いて行われる還元焼鈍について説明する。
還元焼鈍では、酸化処理で鋼板表面に形成された鉄酸化物を還元するとともに、鉄酸化物から供給される酸素によって、SiやMnの合金元素を鋼板内部に内部酸化物として形成する。結果として、鋼板最表面には鉄酸化物から還元された還元鉄層が形成され、SiやMnは内部酸化物として鋼板内部に留まるため、鋼板表面でのSiやMnの酸化が抑制され、鋼板と溶融めっきの濡れ性の低下を防止し、不めっきなく良好なめっき外観を得ることができる。
しかしながら、良好なめっき外観は得られるものの、鋼鈑表面でのSiおよび/またはMnの酸化物形成の抑制が十分でなく、合金化処理を行わない溶融亜鉛めっき鋼鈑では所望のめっき密着性が得られない。また、合金化溶融亜鉛めっき鋼鈑を製造する場合は、合金化温度が高温になるため、残留オーステナイト相のパーライト相への分解や、マルテンサイト相の焼き戻し軟化が起こり、所望の機械特性が得られない。そこで、良好なめっき密着性得るためと合金化温度を低減させるための検討を行った。その結果、SiやMnの内部酸化を更に積極的に形成させることで、鋼鈑表面でのSiやMnの酸化物の形成を更に抑制し、合金化処理を行わない溶融亜鉛めっき鋼鈑でのめっき密着性を改善させ、更に、鋼板表層の固溶Si量を低下させ、合金化処理を行う場合の合金化反応を促進させる技術を考案した。
SiやMnの内部酸化物を更に積極的に形成させるためには、還元焼鈍炉内の雰囲気中のHO濃度を500ppm以上に制御することが有効であり、これは本発明における重要な要件である。還元焼鈍炉内のHO濃度を500ppm以上に制御すると、鉄酸化物から酸素が供給されて、SiやMnの内部酸化物が形成した後も、雰囲気のHOから供給される酸素によってSiやMnの内部酸化が継続して起こるため、より多くのSiやMnの内部酸化物が形成される。すると、SiやMnは鋼板表面まで拡散することが難しくなり、鋼板表面での酸化物形成が抑制される。その結果、鋼板とめっき層の反応性が高まり、めっき密着性が改善される。また、内部酸化が形成された鋼板表層の領域において、固溶Si量が低下する。固溶Si量が低下すると、鋼板表層はあたかも低Si鋼のような挙動を示し、その後の合金化反応が促進され、低温で合金化反応が進行する。合金化温度が低下することで、残留オーステナイト相が高分率で維持でき延性が向上する。マルテンサイト相の焼き戻し軟化が進行せずに、所望の強度が得られる。
Cを0.13%、Siを1.5%、Mnを2.6%含む鋼板を用いて、O濃度1000ppm以上、HO濃度1000ppm以上の雰囲気中で、650℃の温度で前段の酸化処理、および、O濃度1000ppm未満、HO濃度1000ppm以上の雰囲気中で、700℃の温度で後段の酸化処理を行い、次いで、H濃度15%、830℃の温度とし、還元焼鈍炉内のHO濃度を変化させて還元焼鈍を行った。次いで、溶融めっき処理、適正な合金化度になるように480〜560℃、25秒で合金化処理を行った。以上により得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して、引張強度TSと伸びEL(MPa・%)を測定し、還元焼鈍炉内のHO濃度(ppm)と引張強度TSと伸びELの積(MPa・%)の関係を調べた。還元焼鈍炉内のHO濃度(ppm)と引張強度TSと伸びELの積(MPa・%)の関係を図1に示す。図1より、還元焼鈍炉内のHO濃度が500ppm以上ではTS×ELに示される機械特性値が著しく向上していることが分かる。
また、還元焼鈍炉内のHO濃度を500ppm以上にすることで、耐疲労特性が向上することも分かった。図2に、還元焼鈍炉内のHO濃度を300ppmと1500ppmとした以外は図1で用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板と同様の条件で行った合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用い、合金化処理を行った後に、めっき層を塩酸により溶解させて鋼板表層部の断面を観察したSEM像を示す。図2より、HO濃度が300ppmの場合、内部酸化物は鉄酸化物から供給される酸素によって形成され、この場合は、鋼板表層内部の粒界に形成する傾向があることがわかる。一方で、HO濃度が1500ppmの場合、内部酸化物は雰囲気のHOから供給される酸素によって形成され、この場合は、鋼板表層内部の粒内に均一に形成する傾向があることがわかる。これは、鉄酸化物から供給される酸素による内部酸化反応は比較的低温域で起こるために、結晶粒界での拡散が粒内に比べて速く内部酸化が進行し易いのに対して、雰囲気のHOから供給される酸素による内部酸化反応は比較的高温域で起こるために、結晶粒界と粒内との拡散速度の差が小さくなり粒内にも均一に内部酸化が形成されるものと思われる。結晶粒界に沿って形成した内部酸化物は、粒界の強度を低下させ、疲労によって発生するクラックの起点となり、更にクラックの進展を助長するため耐疲労特性に劣るが、結晶粒内に均一に形成した内部酸化物は、クラックが発生しても応力集中が起こりづらく、クラックの進展が抑制され、耐疲労特性に優れる。
以上の理由から還元焼鈍炉内のHO濃度は500ppm以上とする。また、粒内での内部酸化を更に促進させる目的で1000ppm以上とすることが好ましい。一方で、HO濃度が5000ppmを超えると、酸化炉で形成された鉄酸化物が還元し難くなり、還元焼鈍炉でのピックアップの危険性があるだけでなく、鉄酸化物が溶融めっき時にまで残存するとかえって鋼板と溶融亜鉛との濡れ性を低下させ、密着性不良を招く恐れがある。また、加湿のためのコストアップにも繋がる。そのため、HO濃度の上限は5000ppmとする。鉄酸化物を完全に還元させるために4000ppm以下が好ましい。
還元焼鈍炉内のHO濃度分布は炉の構造にもよるが一般に炉の上部で濃度が高く、下部で濃度が低い傾向がある。溶融亜鉛めっきラインの主流である縦型炉の場合、この上部と下部のHO濃度差が大きいと、鋼板は高濃度と低濃度の領域を交互に通過することになり、均一に結晶粒内に内部酸化を形成することが困難になる。極力均一なHO濃度分布を作り出すためには、炉内の上部と下部のHO濃度の差が2000ppm以下であることが好ましい。上部と下部のHO濃度の差が2000ppmを超えると、均一な内部酸化の形成が困難になる場合がある。HO濃度が低い下部の領域のHO濃度を本発明範囲内のHO濃度に制御しようとすると過剰なHOの導入が必要となり、コストアップを招く。
還元焼鈍炉内のHO濃度を制御する方法は特に制限されるものではないが、加熱蒸気を炉内に導入する方法や、バブリングなどによって加湿したNおよび/またはHガスを炉内に導入する方法がある。また、中空糸膜を利用した膜交換式の加湿方法は更に露点の制御性が増すために好ましい。
還元焼鈍のH濃度は5%以上30%以下とする。5%未満では鉄酸化物の還元が抑制されてピックアップが発生する危険性が高まる。30%を超えるとコストアップに繋がる。H濃度5〜30%、HO濃度500〜5000ppm以外の残部はNおよび不可避的不純物である。
加熱温度は650℃以上900℃以下とする。650℃未満では鉄酸化物の還元が抑制されるだけでなく、所望する機械特性が得られない。900℃を超えても所望の機械特性が得られない。機械特性向上の点からは、650〜900℃の範囲で10〜600秒保持することが好ましい。
次に溶融めっき処理および合金化処理について説明する。
前述したように酸化処理時の条件、還元焼鈍時の条件を制御することにより、積極的にSiの内部酸化物を形成させると、合金化反応が促進することが分かった。そこで、図1で用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用い、還元焼鈍時のHO濃度変化と合金化温度との関係について調べた。図3に得られた結果を示す。図3において、◆印は合金化前に形成しているη相が完全にFe−Zn合金に変化して合金化反応が完了した温度を示している。また、■印は後述する実施例に記載の方法でめっき密着性を評価した際のランク3が得られる温度の上限を示している。また、図中の線は下式で示される合金化温度の上限と下限の温度を示している。
図3より、以下の知見が得られた。合金化温度が(−50log([HO])+650)℃未満になると、合金化が完全に進行せずにη相が残存する。η相が残存すると表面の色調ムラとなり表面外観を損なうだけでなく、めっき層表面の摩擦係数が高くなることによってプレス成形性に劣ることになる。また、合金化温度が(−40log([HO])+680)℃を超えると良好なめっき密着性が得られなくなる。更に、図3から明らかなように、HO濃度が上昇するとともに必要な合金化温度は低下して、Fe−Znの合金化反応が促進されていることがわかる。そして、前述した還元焼鈍炉内のHO濃度の上昇と共に機械特性値が向上する効果は、この合金化温度の低下によるものである。所望の機械特性を得るためには溶融めっき後の合金化温度も精密に制御する必要があることがわかる。
以上より、合金化処理では、下式を満足する温度Tで処理を行うこととする。
−50log([HO])+650≦T≦−40log([HO])+680
但し、[HO]は還元焼鈍時のHO濃度(ppm)を表す。
また、合金化温度と同様な理由から合金化時間は10〜60秒間とする。
合金化処理後の合金化度は特に制限されるものではないが、7〜15質量%の合金化度が好ましい。7質量%未満ではη相が残存してプレス成形性に劣り、15質量%を超えるとめっき密着性に劣る。
溶融亜鉛めっき処理は、浴中有効Al濃度:0.095〜0.175質量%(合金化処理を行う場合、より好ましくは0.095〜0.115質量%)、残部はZnおよび不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行うことが好ましい。ここで浴中有効Al濃度とは、浴中Al濃度から浴中Fe濃度を差し引いた値である。特許文献10では浴中有効Al濃度を0.07〜0.092%に低く抑えることで合金化反応を促進させる技術が記載されているが、本発明は浴中有効Al濃度を低下させることなく合金化反応を促進させるものである。浴中有効Al濃度が0.095%未満になると合金化処理後に鋼板とめっき層の界面に固くて脆いFe−Zn合金であるΓ相が形成されるため、めっき密着性に劣る場合がある。一方、0.175%を超えると本発明を適用しても合金化温度が高くなり、所望の機会特性が得られないだけでなく、めっき浴中でのドロスの発生量が増加し、ドロスが鋼板に付着して起こる表面欠陥が問題となる。また、Alを添加するするコストアップにも繋がる。0.115%を超えると本発明を適用しても合金化温度が高くなり、所望の機会特性が得られない場合がある。よって、浴中有効Al濃度は0.095質量%以上0.175質量%以下が好ましい。合金化処理を行う場合、より好ましくは0.115質量%以下とする。
溶融亜鉛めっき時のその他の条件は制限されるものではないが、例えば、溶融亜鉛めっき浴温度は通常の440〜500℃の範囲で、板温440〜550℃で鋼板をめっき浴中に浸入させて行い、ガスワイピングなどで付着量を調整することが出来る。
次に、上記製造方法にて製造されためっき密着性、および耐疲労特性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板について説明する。
先に説明したように、SiやMnの内部酸化を積極的に形成させることでめっき密着性、加工性および耐疲労特性が改善される。これは、鋼板表面でのSiやMnの酸化物の形成を抑制することで、鋼板とめっき層の反応性を高めることによるものである。すなわち、良好なめっき密着性を示す溶融亜鉛めっき鋼板では、鋼板とめっき層との反応が促進され、両者の界面にはそれらの反応相が形成される。鋼板とめっき層の反応相としては、FeZn13(ζ相)やFeZn(δ1相)等のFe-Zn合金相や、FeAlやFeAl等のFe−Al合金相、またはFe(AlZn)やFeAlZnなどのFe−Zn−Al合金相がある。これらの合金相の形成は鋼板とめっき層の反応性の高さを示している。一方で、鋼板表面に焼鈍工程にて形成したSiおよび/またはMnの酸化物が形成している場合には、鋼板とめっき層の反応性が低く、これらの合金相は形成しない。更にSiおよび/またはMnの酸化物は、鋼板とめっき層の界面に残存するためにめっき密着性が劣化する。すなわち、高強度溶融亜鉛めっき鋼板において良好なめっき密着性を確保するためには、Siおよび/またはMnの鋼板表面での酸化を抑制して、鋼板とめっき層の反応相を広い面積において形成させることが重要である。
本発明者らは、鋼板とめっき層の界面に形成する合金相の面積率に着目して検討を進めた結果、Fe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相が高い面積率で形成すると良好なめっき密着性が得られることを見出した。
図4には、めっき層を電気化学的に溶解して鋼板とめっき層の界面に形成した合金相を観察したSEM像を示す。めっき密着性が良好な(a)は、先に述べた良好なめっき密着性を得るための製造条件にて製造されたもので、めっき密着性が不良な(b)は還元焼鈍時のHO濃度が下限を下回った条件にて製造されたもの、更に(c)は、還元焼鈍時のHO濃度に加えて、酸化処理での前段のO濃度も下限を下回った条件において製造されたものである。また、めっき層の溶解は、電解質を含んだメタノール溶液中にて、20mA/cmの電流値で定電流アノード電解を、電位が−750mV vs.SCEまで行った。(a)は全面に柱状の化合物が形成されていることが確認できて、EDS等の他の分析手法によって、これらの化合物は主にFeZn13(ζ相)であることが分かった。一方で、(b)や(c)では一部でFeZn13(ζ相)が形成しているが、化合物の形成が認められない領域があった。その部分についてEDSによる分析を行うと、SiやMnの酸化物が形成していることが分かった。つまり、(a)では焼鈍時に鋼板表面でのSiやMnの酸化反応が抑制されたために、鋼板とめっき層の反応性が高まり、めっき密着性が良好であったが、(b)や(c)では焼鈍時に形成された酸化物によって、鋼板とめっき層の反応が抑制され、めっき密着性が劣化したと考えられる。更に、これらの観察像を画像処理による二値化を行うことで、それぞれの面積率を求めることが可能であり、定量的に評価できるようになる。更に調査を進めた結果、Fe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相から成る、鋼板とめっき層の界面に形成された反応相が面積率で70%以上であると良好なめっき密着性が得られることを見出した。図4で観察された鋼板とめっき層の反応相はFeZn13のFe−Zn合金相であったが、この反応相は鋼板とめっき層の反応性や、めっき浴中のAl濃度によって変化するものであり、一般に鋼板とめっき層の反応相として知られているFeZn(δ1相)等のFe-Zn合金相や、FeAlやFeAl等のFe−Al合金相、またはFe(AlZn)やFeAlZnなどのFe−Zn−Al合金相が形成している場合も、それらは鋼板とめっき層との高い反応性を示すものであり、めっき密着性が改善されていることを示すものである。以上より、めっき層と鋼板の界面には、Fe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相のいずれか1種以上からなる反応相が面積率で70%以上有することとする。
表1に示す化学成分の鋼を溶製して得た鋳片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延によって板厚1.2mmの冷延鋼板とした。
次いで、DFF型酸化炉またはNOF型酸化炉を有するCGLにより、表2に示す酸化条件で、前段および後段の酸化処理を行った後、表2に示す条件にて還元焼鈍を行った。引き続き、表2に示す浴中有効Al濃度を含有した460℃の浴を用いて溶融亜鉛めっき処理を施した後にガスワイピングで目付け量を約50g/mに調整し、次いで、表2に示す温度、時間の範囲で合金化処理を行った。
以上により得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板について対して、外観性およびめっき密着性を評価した。さらに、引張特性、耐疲労特性について調査した。以下に、測定方法および評価方法を示す。
外観性
合金化処理後の外観を目視観察し、合金化ムラ、不めっき、またはピックアップによる押し疵などの外観不良がないものを○、外観不良がわずかにあるがおおむね良好であるものを△、合金化ムラ、不めっき、または押し疵があるものは×とした。
めっき密着性
めっき鋼板にセロハンテープ(登録商標)を貼り、テープ 面を90度曲げ、曲げ戻しをし、加工部の内側(圧縮加工側)に、曲げ加工部と平行に巾24mmのセロハンテープを押し当てて引き離し、セロハンテープの長さ40mmの部分に付着した亜鉛量を蛍光X線によるZnカウント数として測定し、Znカウント数を単位長さ(1m)当たりに換算した量を、下記の基準に照らしてランク1〜2のものを良好 (○)、3のものを良好(△)、4以上のものを不良(×)と評価した。
蛍光X線カウント数 ランク
0−500未満 :1(良)
500−1000未満 :2
1000−2000未満:3
2000−3000未満:4
3000以上 :5(劣)
引張特性
圧延方向を引張方向としてJIS5号試験片を用いてJISZ2241に準拠した方法で行った。
耐疲労特性
応力比R:0.05の条件で行い、繰り返し数10で疲労限(FL)を求め、耐久比(FL/TS)を求め、0.60以上の値が良好な耐疲労特性と判断した。なお、応力比Rとは、(最少繰り返し応力)/(最大繰り返し応力)で定義されている値である。
以上により得られた結果を製造条件と併せて表2に示す。
表2より、本発明例は、Si、Mnを含有する高強度鋼であるにもかかわらず、めっき密着性に優れ、めっき外観も良好であり、延性にも優れ、耐疲労特性も良好である。一方、本発明範囲外で製造された比較例は、めっき密着性、めっき外観、耐疲労特性のいずれか一つ以上が劣る。
表3に示す化学成分の鋼を溶製して得た鋳片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延によって板厚1.2mmの冷延鋼板とした。
次いで、DFF型酸化炉を有するCGLにより、表4に示す酸化条件で、前段および後段の酸化処理を行った後、表4に示す条件にて還元焼鈍を行った。その他の条件は実施例1と同様である。
以上により得られた合金化溶融亜鉛めっき鋼板に対して、外観性およびめっき密着性を評価した。さらに、引張特性、耐疲労特性について調査した。測定方法、評価方法および調査方法は実施例1と同様である。
以上により得られた結果を製造条件と併せて表4に示す。
表4より、本発明例は、Si、Mnを含有する高強度鋼であるにもかかわらず、めっき密着性に優れ、めっき外観も良好であり、延性にも優れ、耐疲労特性も良好である。
表1に示す化学成分の鋼を溶製して得た鋳片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延によって板厚1.0mmの冷延鋼板とした。
次いで、DFF型酸化炉またはNOF型酸化炉を有するCGLにより、表5に示す酸化条件で、前段および後段の酸化処理を行った後、表5に示す条件にて還元焼鈍を行った。引き続き、表5に示す浴中有効Al濃度を含有した460℃の浴を用いて溶融亜鉛めっき処理を施した後にガスワイピングで目付け量を約80g/mに調整した。
以上により得られた溶融亜鉛めっき鋼板について対して、外観性およびめっき密着性を評価した。さらに、引張特性、耐疲労特性について調査した。さらに、鋼板とめっき相の界面の反応相面積率を測定し評価した。以下に、測定方法および評価方法を示す。
外観性
溶融めっき処理後の外観を目視観察し、不めっき、またはピックアップによる押し疵などの外観不良がないものを○、外観不良がわずかにあるがおおむね良好であるものを△、不めっき、または押し疵があるものは×とした。
めっき密着性
めっき鋼板を、先端が2.0Rで90°の金型を用いて曲げ加工を加えた後に、曲げ外側にセロハンテープ(登録商標)を貼り付けて引き離した際に、めっき層の剥離が認められないものを「○」、1mm以下のめっき剥離、もしくはテープへのめっき層の付着はないが、鋼板からめっき層が浮いた状態になっているものを「△」、めっき層が1mm超えでテープに付着して剥離したものを「×」と評価した。
引張特性
圧延方向を引張方向としてJIS5号試験片を用いてJISZ2241に準拠した方法で行った。TS×ELの値が18000を超えているものを延性に優れると判断した。
耐疲労特性
応力比R:0.05の条件で行い、繰り返し数10で疲労限(FL)を求め、耐久比(FL/TS)を求め、0.60以上の値が良好な耐疲労特性と判断した。なお、応力比Rとは、(最少繰り返し応力)/(最大繰り返し応力)で定義されている値である。
反応相面積率
めっき鋼板を電解質を含んだメタノール溶液中にて、電位が−750mV vs.SCEまで20mA/cm2の電流値で定電流アノード電解を行い、めっき層を溶解した。その後SEM、EDSを用いて鋼板とめっき層の界面に形成されたFe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相の各々の面積率を求め、合計を反応相面積率とした。面積率は500倍で5視野観察し、それぞれを画像処理して得られた面積率の平均値とした。
以上により得られた結果を製造条件と併せて表5に示す。
表5より、本発明例は、Si、Mnを含有する高強度鋼であるにもかかわらず、めっき密着性に優れ、めっき外観も良好であり、延性にも優れ、耐疲労特性も良好である。一方、本発明範囲外で製造された比較例は、めっき密着性、めっき外観、耐疲労特性のいずれか一つ以上が劣る。
表3に示す化学成分の鋼を溶製して得た鋳片を熱間圧延、酸洗、冷間圧延によって板厚1.0mmの冷延鋼板とした。
次いで、DFF型酸化炉を有するCGLにより、表6に示す酸化条件で、前段および後段の酸化処理を行った後、表6に示す条件にて還元焼鈍を行った。その他の条件は実施例3と同様である。
以上により得られた溶融亜鉛めっき鋼板に対して、外観性およびめっき密着性を評価した。さらに、引張特性、耐疲労特性について調査した。さらに、鋼板とめっき相の界面の反応相面積率を測定し評価した。測定方法、評価方法および調査方法は実施例3と同様である。
以上により得られた結果を製造条件と併せて表6に示す。
表6より、本発明例は、Si、Mnを含有する高強度鋼であるにもかかわらず、めっき密着性に優れ、めっき外観も良好であり、延性にも優れ、耐疲労特性も良好である。
本発明の高強度溶融亜鉛めっき鋼板はめっき密着性、加工性および耐疲労特性に優れ、自動車の車体そのものを軽量化かつ高強度化するための表面処理鋼板として利用することができる。

Claims (8)

  1. 質量%で、C:0.3%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理を施すに際し、
    前記酸化処理では、前段で、O濃度1000体積ppm以上、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O濃度1000体積ppm未満、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、
    前記還元焼鈍では、H濃度5〜30体積%、HO濃度500〜5000体積ppm、残部がNおよび不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱することを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  2. 質量%で、C:0.3%以下、Si:0.1〜2.5%、Mn:0.5〜3.0%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなる鋼板に対して、酸化処理を行い、次いで還元焼鈍を行った後に溶融めっき処理、合金化処理を施すに際し、
    前記酸化処理では、前段で、O濃度1000体積ppm以上、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、400〜750℃の温度で加熱し、後段で、O濃度1000体積ppm未満、HO濃度1000体積ppm以上の雰囲気中で、600〜850℃の温度で加熱し、
    前記還元焼鈍では、H濃度5〜30体積%、HO濃度500〜5000体積ppm、残部がNおよび不可避的不純物からなる雰囲気中で、650〜900℃の温度で加熱し、
    前記合金化処理では、下式を満足する温度T(℃)で、10〜60秒間処理を行う
    ことを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    −50log([HO])+650≦T≦−40log([HO])+680
    但し、[HO]は還元焼鈍時のHO濃度(体積ppm)を表す。
  3. 前記酸化処理は、直火バーナー炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、前記前段では空気比1.0以上1.3未満で、前記後段では空気比0.7以上0.9未満で、行うことを特徴とする請求項1または2に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記還元焼鈍では、炉内の上部と下部のHO濃度の差が2000体積ppm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  5. 前記溶融亜鉛めっき処理は、浴中有効Al濃度:0.095〜0.175質量%、残部はZnおよび不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  6. 前記溶融亜鉛めっき処理は、浴中有効Al濃度:0.095〜0.115質量%、残部はZnおよび不可避的不純物からなる成分組成の溶融亜鉛めっき浴中で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  7. 成分組成として、さらに、質量%で、Al:0.01〜0.1%、Mo:0.05〜1.0%、Nb:0.005〜0.05%、Ti:0.005〜0.05%、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.05〜1.0%、Cr:0.01〜0.8%、B:0.0005〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法によって製造される高強度溶融亜鉛めっき鋼板であって、めっき層と鋼板の界面には、Fe−Zn合金相、Fe−Al合金相、Fe−Zn−Al合金相のいずれか1種以上からなる反応相が面積率で70%以上有していることを特徴とする高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
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