JP2016053204A - 皮膜形成方法、皮膜形成装置、および皮膜付き部材 - Google Patents

皮膜形成方法、皮膜形成装置、および皮膜付き部材 Download PDF

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一樹 滝澤
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伸暁 八木
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Abstract

【課題】ステンレス鋼材である処理対象部材との密着性に優れた非晶質炭素の皮膜を形成する。
【解決手段】本発明は、ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する皮膜形成方法であって、第1のステップと、第2のステップとを備える。第1のステップでは、炭素を含む改質剤を用いてプラズマを生成して前記改質剤をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンを前記処理対象部材に注入することにより、前記処理対象部材の表面を改質して炭素リッチ層を形成する。第2のステップでは、炭素を含む皮膜原料を用いてプラズマを生成し、前記炭素リッチ層の表面に膜を形成し、さらに、前記皮膜原料をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンの一部を前記膜に注入することにより、前記炭素リッチ層の上に前記皮膜を形成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマを用いて処理対象部材に皮膜を形成する皮膜形成方法、皮膜形成装置、および皮膜付き部材に関する。
ディーゼルエンジンの燃料噴射機構に用いられる部品の表面には、耐摩耗性および耐腐食性を高めるためのコーティングが行われる場合がある。そのようなコーティングとして、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)と呼ばれる非晶質炭素の皮膜が知られている。しかし、DLCの皮膜は、下地層である部品との密着性が悪く、特に軟材料の部品との間では硬度差が大きいために、下地層が変形した場合に十分に追従することができず、部品表面から剥がれを生じやすい。
従来、DLC皮膜の密着性を改善するために、窒化クロム(CrN)の硬質な膜をDLC皮膜と下地層との間の中間層として形成することが知られている(特許文献1参照)。また、従来、DLC皮膜の硬度が膜厚方向に傾斜した傾斜層を形成することで、耐衝撃性を改善する技術も知られている(特許文献2参照)。
特開2008−163430号公報 特開2009−13914号公報
特許文献1に記載されるような硬質膜は、残留応力が高いため、下地層である基材が変形すると、その分余分に力が加わることで剥がれやすい。このため、耐衝撃性や下地層への追従性が悪く、燃料噴射機構に用いられる部品、特にバネ等の変形する部品にコーティングされた場合は、剥がれが生じやすい。
また、例えばオーステナイト系ステンレスのような軟材料に対しては、DLC皮膜は非常に硬く、両者の硬度差が大きいために、特許文献2に記載されるようにDLC皮膜自体の硬度を傾斜させても、密着性の改善には至らない。
本発明は、ステンレス鋼材である処理対象部材との密着性に優れた非晶質炭素の皮膜を形成するための皮膜形成方法、皮膜形成装置、および皮膜付き部材を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する皮膜形成方法であって、
炭素を含む改質剤を用いてプラズマを生成して前記改質剤をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンを前記処理対象部材に注入することにより、前記処理対象部材の表面を改質して炭素リッチ層を形成する第1のステップと、
炭素を含む皮膜原料を用いてプラズマを生成し、前記炭素リッチ層の表面に膜を形成し、さらに、前記皮膜原料をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンを前記膜に注入することにより、前記炭素リッチ層の上に前記皮膜を形成する第2のステップと、を備えることを特徴とする。
前記第1のステップと前記第2のステップは、同じ処理空間内で行うことが好ましい。
前記第1のステップは200度以下の温度で行うことが好ましい。
前記第1のステップでは、表面硬さがHV600以上、表面粗さRkuが4.5以下の前記炭素リッチ層を形成するよう調整された電圧値の電圧を前記処理対象部材に印加することが好ましい。
前記第2のステップでは、前記第1のステップで前記処理対象部材に印加される電圧の電圧値よりも小さい電圧値の電圧を前記処理対象部材に印加することが好ましい。
前記方法は、前記ステンレス鋼材がオーステナイト系ステンレスを材質とする場合に好適である。
本発明の他の一態様は、ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する皮膜形成装置であって、
処理空間内で、炭素を含む物質を用いてプラズマを生成するプラズマ生成部と、
前記プラズマの生成後、前記処理空間内に配置された前記処理対象部材に電圧を印加する電圧供給部と、
前記プラズマ生成部および前記電圧供給部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記処理対象部材の表面に炭素リッチ層を形成するために、前記処理対象部材に第1の電圧値の電圧を印加し、さらに、前記炭素リッチ層の上に前記皮膜を形成するために前記第1の電圧値より小さい第2の電圧値の電圧を印加するよう、前記電圧供給部を制御することを特徴とする。
本発明の他の一態様は、皮膜付き部材であって、
ステンレス鋼材である処理対象部材の表面の一部をなす炭素リッチ層と、前記炭素リッチ層の表面に形成された非晶質炭素の皮膜と、を備え、
前記炭素リッチ層は、表面硬さがHV600以上、1800以下であり、表面粗さRkuが4.5以下であることを特徴とする。
上述の皮膜形成方法及び皮膜形成装置によれば、ステンレス鋼材である処理対象部材との密着性に優れた非晶質炭素の皮膜が形成される。また、上述の皮膜付き部材によれば、処理対象部材からの皮膜の剥がれを抑制できる。
本実施形態の皮膜形成装置の概略の装置構成を説明する図である。 本実施形態の皮膜付き部材の層構造を概念的に示す図である。 (a)は、処理対象部材のビッカース硬度とイオン注入時間との関係を示すグラフである。(b)は、処理対象部材の表面粗さRkuとイオン注入時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明の皮膜形成装置、皮膜形成方法、および皮膜付き部材について詳細に説明する。
(皮膜形成装置)
図1は、本発明の一実施形態である皮膜形成装置10の概略の装置構成を説明する図である。皮膜形成装置10は、ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する装置である。この皮膜形成装置10は、炭素を含む物質(後述する改質剤、皮膜原料)を用いてプラズマを生成し、処理対象部材に電圧を印加するプラズマイオン注入成膜法(PBIID法)を行う。具体的には、プラズマイオン注入(以降、イオン注入ともいう)により処理対象部材の表面に炭素リッチ層を形成し、さらに、プラズマCVD法とイオン注入との組み合わせにより炭素リッチ層の上に皮膜を形成することを特徴とする。
皮膜形成装置10は、処理容器12と、電極板(プラズマ生成素子)14と、高周波電源16と、マッチングボックス18と、パルス電圧供給部20と、制御部22と、ガス供給装置28と、排気装置34と、を主に有する。このうち、処理容器12、電極板14、高周波電源16、マッチングボックス18、ガス供給装置28により、プラズマ生成部が構成される。
処理容器12は、アルミニウム等の材質で形成され、処理空間を囲んでいる。処理容器12には、不活性ガスおよび炭素を含む物質のガス(原料ガス)を導入する導入管32が設けられており、導入管32は、ガス供給装置28と接続されている。不活性ガスには、例えば、アルゴンガス、窒素ガス等が用いられる。原料ガスには、例えば、メタン(CH4)ガス、アセチレン(C22)ガス、トルエン(C78)ガスが用いられる。ガス供給装置28には、図示されない各ガスの供給源と接続され、ガス供給源側の図示されない弁が切り替えられることで、ガスの種類が切り替わるようになっている。後で説明する例では、ガス供給装置28には、アルゴンガス、メタンガス、アセチレンガスの3種のガスの供給源が接続されている。弁の切り替えは、制御部22によって制御される。なお、不活性ガスは、原料ガスと同時に処理空間に存在するよう、処理容器12内に供給されてもよく、また、異なる種類の原料ガスが同時に処理容器12内に供給されてもよい。
また、処理容器12には、排気装置34が設けられており、排気装置34は、ターボ分子ポンプ35と、ドライポンプ30とを有する。ターボ分子ポンプ35とドライポンプ30とは、排気管で接続されている。ドライポンプ30は、処理容器12内の処理空間を粗引きし、ターボ分子ポンプ35は、処理空間内の圧力を1×10-4Pa以下の高精度な減圧状態を維持する。処理空間には、基台44が設けられており、基台44に接続された支持台42上に処理対象部材11が配置される。なお、処理対象部材11の形状は、特に制限されず、3次元形状であってもよく、平板状であってもよい。
電極板14は、処理容器12の天井の壁面上に設けられている。電極板14は、マッチングボックス18を介して高周波電源16と接続されている。高周波電源16は、電源本体部の他に図示されないスイッチング素子を有し、スイッチング素子のオン、オフの制御により高周波の電力の供給のオン、オフが制御される。高周波電源16は、例えば1〜100MHzの範囲の高周波(例えば13.56MHz)を出力する。電極板14に電力が給電されると、電極板14の主表面に沿って電流が流れ、この電流により処理空間内に高周波の磁場が形成され、この磁場によってプラズマが形成される。
電極板14の周囲には、処理容器12の隔壁と絶縁するための絶縁部材36が設けられている。一方、電極板14の処理空間に面する側には、誘電体38が設けられ、誘電体38は、電極板14の処理空間に面する側の面を覆っている。誘電体38には、例えば石英板が用いられる。誘電体38を設けるのは、生成するプラズマによる電極板14の腐食を防ぎ、かつ効率よくプラズマへエネルギーを供給するためである。
なお、本実施形態では、プラズマ生成素子として電極板を用いるが、プラズマを生成させる方式は、公知の一対の平行平板電極間に高周波の電圧を印加して平行平板電極間にプラズマを生成させる方式であってもよく、モノポールアンテナにて高周波電力を共振させ電磁波を生成させることによりプラズマを生成させる方式であってもよい。プラズマ生成素子として電極板を用いることは、供給する電力が同じである場合に、発生するプラズマ中の電子密度が他の方式に比べて高く、特に3次元形状を有する処理対象部材に皮膜を形成する上で有効である点で好ましい。
パルス電圧供給部20は、図示されないDC電源と図示されないスイッチ素子を有する。スイッチ素子は、DC電源からの電圧のオン、オフを制御部22の指示に従って制御することにより、処理対象部材11へのパルス電圧(バイアス電圧)の印加を制御する。パルス電圧の電圧値は、例えば、処理対象部材11の表面改質を行うとき、すなわち炭素リッチ層を形成するときは4〜20kVであり(第1の電圧値)、成膜を行うとき、すなわち皮膜を形成するときは0.5〜4kVである(第2の電圧値)。パルス電圧の周波数は、炭素リッチ層を形成するときと皮膜を形成するときとで異なっていてもよく、同じであってもよく、例えばいずれのときも0.1〜10kHz(例えば1kHz)である。処理空間内に配置された処理対象部材11は、パルス電圧供給部20と接続されており、制御部22の指示に従ってパルス電圧供給部20がパルス電圧を出力すると、処理対象部材11にパルス電圧が印加される。これにより、処理対象部材11または皮膜へのイオン注入が開始される。
制御部22は、ガス供給装置28、高周波電源16、およびパルス電圧供給部20のそれぞれに接続されており、これら各部28,16,20の動作を制御する。具体的には、制御部22は、ガス供給装置28を制御して原料ガスを処理空間内に供給し、高周波電源16を制御して電極板14に電力を供給して放電を起こし、プラズマを生成させる。この状態で、パルス電圧供給部20の動作を制御し、第1の電圧値のパルス電圧を処理対象部材11に印加してイオン注入を行うことにより、炭素リッチ層を形成する。また、プラズマを生成させた状態で、CVD法により膜を形成し、次いで、第2の電圧値のパルス電圧を処理対象部材11に印加してイオン注入を行うことを1つのサイクルとして、このサイクルを繰り返し行うことで皮膜を形成する。第2の電圧値は、第1の電圧値より小さく、本実施形態では、原料ガスのイオンが膜を貫通して処理対象部材11に入り込まないよう設定されるが、膜を貫通して処理対象部材11に入り込むよう設定されてもよい。
本実施形態の皮膜形成装置10は、上記した構成に加え、さらに、図示されない、原料ターゲット材と、原料ターゲット材にレーザ光を照射するレーザ照射部と、を備えていてもよい。この場合、処理容器12には図示されない石英板の窓が設けられる。レーザ照射部は、処理容器12の外に設けられ、光源から出射したレーザ光は、上記窓を通って処理空間内に入射する。原料ターゲット材は、処理容器12内に設けられるグラファイト等の固体材料であり、レーザ光の照射を受けることにより処理空間に炭素の粒子を放出する。この炭素の粒子を、上記説明したガス供給装置28から供給される原料ガスの少なくとも1種の代わりとして用いることができる。
(皮膜付き部材)
次に、本実施形態の皮膜付き部材について説明する。
図2に、本実施形態の皮膜付き部材100の層構造を概念的に示す。皮膜付き部材100は、本実施形態の皮膜形成装置または皮膜形成方法を用いてプラズマイオン注入成膜法により製造できる。
皮膜付き部材100は、処理対象部材11の表面の少なくとも一部をなす炭素リッチ層11aと、炭素リッチ層11aの表面に形成された非晶質炭素の皮膜102と、を備える。
処理対象部材11は、ステンレス鋼材である。ステンレス鋼の種類は、特に制限されず、例えば、オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系、フェライト系、マルテンサイト系、析出硬化系のいずれであってもよい。本実施形態では、後述するように処理対象部材11と皮膜102の密着性が改善されていることによって、オーステナイト系ステンレス鋼のように軟質の鋼材を用いた場合にも好適である。処理対象部材11には、ステンレス鋼のほか、アルミ等の他の金属材料が用いられてもよい。処理対象部材11は、特に限定されないが、後述するように皮膜付き部材100が高い耐摩耗性を有している点で、例えば、船舶、車両等の輸送機関のエンジンの部品に好ましく用いられる。中でも、後述するように皮膜付き部材100がさらに高い耐腐食性も有している点で、硫黄分の多い重油を燃料とすることで腐食が生じやすいディーゼルエンジンの部品に好ましく用いられる。このような部品としては、例えば、燃料噴射機構、バルブトレイン、ピストンアセンブリ等の部品が挙げられる。燃料噴射機構の部品の中では、処理対象部材11と皮膜102の密着性が改善されていることによって、バネ(例えばコイルスプリング)、弁体等の変形する部品にも好適に用いられる。
炭素リッチ層11aは、処理対象部材11のうち、炭素リッチ層11aを除く他の部分よりも炭素含有量の多い領域であり、炭素含有量が処理対象部材11の奥側から表面側にかけて多くなっている傾斜層である。炭素リッチ層11aの炭素含有量は、上記他の部分よりも多ければよく、特に制限されない。炭素リッチ層11aの炭素含有量が上記他の部分より多いことは、例えば、グロー放電発光分析法(GDS)によって確認できる。
このような炭素リッチ層11aが処理対象部材11の表面をなすよう形成されていることで、その上に形成される皮膜102との密着性が改善され、剥がれが生じにくくなる。炭素リッチ層は、炭素を多く含むことで処理対象部材11の他の部分と比べ硬質な層となっており、処理対象部材11の他の部分とDLCの皮膜102との中間程度の硬さを有していることが、このような密着性改善に貢献していると考えられる。また、炭素リッチ層11aに多く含まれる炭素とDLCとの間で強固な結合が生成することによっても、密着性が向上していると考えられる。
さらに、炭素リッチ層11aは、処理対象部材11の他の部分とDLCの皮膜102との中間程度の硬さを有しているため、その上に形成される皮膜102の処理対象部材11の変形に対する追従性が良好になり、密着性が改善されたことの効果と合わせて、皮膜付き部材100を例えば燃料噴射機構のバネ等に用いた場合にも、剥離を抑えることができる。なお、本明細書において、追従性とは、皮膜が下地層から剥離せずに下地層の変形に追従して変形できる程度をいう。
また、炭素リッチ層11aは、例えば窒化クロムの中間層と比べ、腐食性に優れている。特に、処理対象部材11がオーステナイト系のステンレス鋼材である場合は、オーステナイトの金属組織が拡張オーステナイトと呼ばれる密度の高い組織に変化し、一部はマルテンサイトに変化する可能性があるために、炭素リッチ層11aの耐腐食性が向上すると考えられる。このため、仮に皮膜102にホールまたは割れが存在して、燃料に含まれる硫黄分に起因して生じた硫酸等の腐食性物質が炭素リッチ層11aの表面まで侵入したとしても、処理対象部材11の表面が腐食されるのを阻止することができる。
炭素リッチ層11aの厚みは、特に制限されないが、1〜20μmであり、例えば10μm程度である。炭素リッチ層11aの厚みは、バイアス電圧を高くして注入イオンエネルギーを高くすること、もしくはイオン注入時の温度を高くして熱拡散を促進することで厚くすることができる。
炭素リッチ層11aは、処理対象部材11の表面全体に形成されていなくてもよく、一部に形成されていてもよい。例えば、処理対象部材11が筒状形状の部材である場合に、炭素リッチ層11aは内側壁面のみに形成されていてもよい。また、処理対象部材11がコイルスプリングである場合に、コイルスプリングをなす線材の両端を除く全ての表面に形成されていてもよい。
炭素リッチ層11aは、表面硬さがHV600以上、1800以下であり、表面粗さRkuが4.5以下である。本明細書において、表面硬さは、JIS Z2244に準拠して測定されるビッカース硬さをいう。また、本明細書において、表面粗さは、炭素リッチ層11aの表面粗さの測定データから得られるクルトシス値(Rku)をいい、測定データの平均値のまわりの4次モーメントを標準偏差の4乗(σ)で正規化した値で表される。表面硬さがHV600未満である場合または表面粗さRkuが4.5を超える場合は、炭素リッチ層11aの表面に形成された皮膜102に欠陥(ボイド)が生じやすくなり、処理対象部材11と皮膜102の密着性が改善されない場合がある。また、表面硬さがHV1800を超えると、表面粗さRkuが上記範囲を満たし難くなり、密着性に悪影響を与える場合がある。表面粗さRkuの下限値は、炭素リッチ層11aの表面硬さをHV600以上とし易い点で、1であることが好ましい。表面粗さRkuは、特に制限されないが、例えば2〜3である。
皮膜102はDLCからなる。本明細書において、非晶質炭素はDLCを意味しており、皮膜102は、炭素のほか、水素を含有していてもよい。皮膜102の炭素含有量は、厚さ方向に傾斜していてもよく、傾斜していなくてもよい。傾斜している場合は、厚さ方向に、処理対象部材11に対する追従性、耐衝撃性が良好になる点で、処理対象部材11の奥側から表面側にかけて増えていることが好ましい。皮膜102の膜厚は、特に制限されないが、皮膜付き部材100の用途に応じて適宜定められ、例えば1〜10μmである。
以上の皮膜付き部材100は、皮膜102との境界となる処理対象部材11の表面に炭素リッチ層11aが形成されているため、処理対象部材11と皮膜102との密着性に優れている。このため、処理対象部材11が、皮膜102との硬度差が比較的大きいステンレス鋼材である場合であっても、皮膜102が剥がれにくくなっている。また、皮膜102の剥がれが抑えられていることから、皮膜付き部材100は、皮膜102の持つ高い耐摩耗性、耐腐食性を長期にわたり維持できる。
(皮膜形成方法)
本実施形態の皮膜形成方法は、ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する方法である。ここでは、上述した皮膜形成装置10を用いて皮膜形成方法を行う場合について説明する。
本実施形態の皮膜形成方法は、イオン注入により処理対象部材の表面を改質して炭素リッチ層を形成する第1のステップと、プラズマCVD法とイオン注入により、炭素リッチ層の上に皮膜を形成する第2のステップと、を備える。
第1のステップでは、炭素を含む改質剤を用いてプラズマを生成して改質剤をイオンにし、処理対象部材に電圧を印加してイオンを処理対象部材に注入することにより、処理対象部材の表面を改質して炭素リッチ層を形成する。改質剤は、炭素を含むものであれば特に制限されないが、例えば、メタン、アセチレン、トルエン等の炭化水素のガスが好ましく用いられる。中でも、良質な改質層が形成される点で、メタンが好ましく用いられる。また、改質剤には、2種以上の混合ガスを用いてもよい。例えば、メタンとアセチレンの混合ガスを改質剤に用いてもよい。
なお、第1のステップを行う前に、予め、処理空間に処理対象部材を配置して排気装置により真空引きにした状態で処理対象部材を加熱し、処理対象部材に含まれる水分を除去しておくことが好ましい。また、この処理に続けて、アルゴンガス等の不活性ガスを処理空間に供給してプラズマを生成し、処理対象部材に電圧を印加してイオンボンバードによって処理対象部材の表面を清浄にしておくことが好ましい。
第1のステップは200度以下の温度で行うことが好ましい。第1のステップは、プラズマイオン注入法を用いて行われるため、このような低温で炭素イオンの注入を行うことができる。なお、第1のステップの温度は、処理対象部材の表面温度である。例えば浸炭処理によって炭素を処理対象部材の表面において拡散させる場合には、800℃程度の高温の熱処理が必要であるが、その場合、処理対象部材の表面には、耐腐食性を低下させるクロムカーバイド(Cr−C)の結合が生成し易い。プラズマイオン注入法によれば、200℃以下の比較的低温でイオン注入を行うことができるとともに、低温でイオン注入を行うことで、クロムカーバイド等を生成させずに、耐腐食性に優れた炭素リッチ層を形成することができる。第1のステップの温度は、処理対象部材の表面温度を制御することで、注入されたイオンが表面においてある程度拡散されるように設定されることが望ましい。例えば80〜200℃である。
第1のステップでは、表面硬さがHV600以上、表面粗さRkuが4.5以下の炭素リッチ層を形成するよう調整された電圧値のパルス電圧(第1の電圧値)を処理対象部材に印加することが好ましい。このような表面硬さおよび表面粗さの炭素リッチ層の上に形成されるDLCの皮膜にはボイドが生じ難く、これによって処理対象部材との密着性が高くなる。第1の電圧値は、例えば4〜20kVである。
第1のステップのイオン注入時間は、処理対象部材に入射するイオンフラックスとも関係するため、プラズマ密度の大きさに応じて定められることが好ましいが、炭素リッチ層の硬度を良好にし、耐腐食性を高める観点からは、45〜90分であることが好ましく、例えば1時間である。上述したオーステナイト構造の変化は、イオン注入の時間の増加とともに進んで、所定の表面硬さが得られると考えられる。
ここで、炭素リッチ層の表面硬さおよび表面粗さRkuに関して、イオン注入時間との関係を、それぞれ図3(a)および図3(b)に示す。図3(a)および図3(b)は、処理部材としてSUS304を用い、改質剤としてメタンガスを用い、高周波電力300W、ガス圧力(処理空間内の圧力)1Paの条件にてプラズマを生成し、10kV、周波数1kHzのパルス電圧を印加してイオン注入を行って炭素リッチ層を形成した場合の、ビッカース硬度および表面粗さRkuと、イオン注入時間との関係を示す。
図3(a)から分かるように、イオン注入時間が長くなると、ビッカース硬度が増大し、やがて上限に達する。このため、ビッカース硬度をHV600以上にするためには、例えばイオン注入時間を50分より長くすればよいことが分かる、一方、図3(b)から分かるように、イオン注入時間が長くなると、表面粗さRkuが増大する。このため、表面粗さRkuを4.5以下にするためには、例えばイオン注入時間を75分以内にすればよいことが分かる。以上から、表面硬さがHV600以上、表面粗さRkuが4.5以下の炭素リッチ層を形成するためには、イオン注入時間を50〜75分とすることが好ましい。
実際に、イオン注入時間を30分、60分、120分の3種に異ならせて、皮膜付き部材のサンプルを作製し、処理対象部材からの皮膜の剥離の程度を観察したところ、いずれの場合も良好に剥離が抑えられており、特にイオン注入時間が60分の場合は、剥離が極めて良好に抑えられていることが確認された。
なお、この実験において、炭素リッチ層の形成は、図3(a)および図3(b)の関係を求めるために行ったのと同じ上記条件で行った。皮膜の形成は、皮膜原料としてアセチレンガスを用い、パルス電圧を2kVとした点を除いて、炭素リッチ層形成時と同じ条件で処理対象部材に印加することで行った。そして、得られた皮膜付き部材の平板サンプルに対して、皮膜の表面がA重油に晒される環境下で、球状の軸受け鋼を相手材として、荷重10N、周波数50Hz、ストローク長さ1mmの条件で往復摺動摩耗試験を30分間行い、顕微鏡写真を用いて、皮膜の処理対象部材からの剥離の有無を観察した。
この実験結果から分かるように、上記条件で炭素リッチ層を形成した場合には、イオン注入時間が60分である場合に、図3(a)から、ビッカース硬度がHV600以上であり、図3(b)から、表面粗さRkuが4.5以下となる。したがって、炭素リッチ層の表面硬度がHV600以上、表面粗さRkuが4.5以下であることで、皮膜と処理対象部材の密着性が高くなっていることが分かる。また、イオン注入時間を調節することで、炭素リッチ層の表面硬度および表面粗さを上記範囲に調整できることが分かる。
第2のステップでは、炭素を含む皮膜原料を用いてプラズマを生成し、炭素リッチ層の表面に膜を形成し、さらに、皮膜原料をイオンにし、処理対象部材に電圧を印加してイオンを膜に注入することにより、炭素リッチ層の上に皮膜を形成する。第2のステップでは、このように、プラズマCVD法による成膜と、これに続くイオン注入による炭素イオンの膜への注入を1つのサイクルとして、これを繰り返し行って硬質炭素膜である皮膜を形成する。サイクルを繰り返す回数は、形成しようとする皮膜102の膜厚に応じて定められ、例えば、10〜10回である。
皮膜原料には、メタン、アセチレン、トルエン等の炭化水素のガスが好ましく用いられる。中でも、成膜レートに優れる点でアセチレンが好ましく用いられる。なお、皮膜原料には、上記改質剤と同じものが用いられてもよく、異なるものが用いられてもよい。また、皮膜原料には、2種以上の成分を用いてもよい。例えば、メタンとアセチレンを皮膜原料に用いてもよい。2種以上の成分を用いる場合、炭素の含有率はメタン、アセチレンの順に高くなっていることから、第2のステップにおいて、皮膜を、表面に近づくにつれ密度の高い傾斜層とする場合には、サイクル数が増えるにつれてメタン、アセチレンの順番で変更することが好ましい。また、メタンガスからアセチレンガスに原料ガスを変更するとき、メタンガスとアセチレンガスの混合ガスを用いることも好ましい。この場合、混合ガスにおけるガスの混合比率を、サイクル数が増えるにつれて変更することも好ましい。この場合においても、メタンガスとアセチレンガスの混合ガスにおけるアセチレンガスの混合比率を増やすことが好ましい。
第2のステップでは、第1のステップにおいて上記調整された第1の電圧値を印加する場合に、この第1の電圧値よりも小さい電圧値(第2の電圧値)のパルス電圧を印加することが好ましい。なお、第1の電圧値と第2の電圧値の大小関係は絶対値の大きさによって決まる。第2のステップでの電圧値は、例えば、第1のステップでの電圧値が4〜20kVである場合に、0.5〜4kVである。このように、第1のステップにおいて、第2のステップよりも高い電圧値のパルス電圧を印加することにより、炭素リッチ層の表面硬さと表面粗さを上記範囲を満たすようにすることができる。
第1のステップと第2のステップは、いずれも処理空間内で行うことが好ましい。本実施形態の皮膜形成方法は、プラズマイオン注入成膜法を用いて行われ、第1のステップおよび第2のステップを同じ処理空間内で行うことで、炭素リッチ層と皮膜を1つのプロセスで連続的に形成することができる。このため、皮膜形成の生産コストを低減することができる。なお、第1のステップと第2のステップは異なる処理空間で行ってもよい。
第2のステップの温度は、第1のステップと同様に、200℃以下であれば特に制限されず、例えば80〜200℃である。第2のステップの温度も、処理対象部材の温度を意味する。
本実施形態の皮膜形成方法は、上記したように、ステンレス鋼材がオーステナイト系ステンレスを材質とする場合に好適である。オーステナイト系ステンレスは、他のステンレス鋼と比べて軟らかく、特にDLCの皮膜との硬度差が大きいため、特に剥がれが生じやすい。この場合に、単に、DLCの皮膜の炭素含有量を変えて膜硬度の傾斜した層をつくっただけでは、処理対象部材との密着性改善にはいたらない。本実施形態では、処理対象部材の表面に炭素リッチ層を形成することによって、皮膜との密着性が改善されているため、オーステナイト系ステンレスの処理対象部材との密着性も改善されている。また、硬質化のために熱処理を施したオーステナイト系ステンレスは、通常、クロムカーバイド(Cr−C)の析出によって耐腐食性が低くなる。本実施形態では、クロムカーバイド(Cr−C)を析出させることなく炭素リッチ層を形成することができ、耐腐食性が低下することなく密度が高められた硬質層(炭素リッチ層)を皮膜の下地層として得ることができる。このため、耐腐食性の高いDLC皮膜に仮にピンホールが存在していたとしても、この下地層によって処理対象部材を侵食から保護でき、皮膜の持つ高い耐腐食性と合わせて、全体としてより高い耐腐食性が得られるようになる。
本実施形態の効果をまとめると、皮膜との境界となる処理対象部材の表面に、炭素原子を多く含んだステンレス鋼材(例えばオーステナイト系ステンレス鋼材)である炭素リッチ層が形成され、その上にDLC皮膜を形成することで、硬質化された下地表面(炭素リッチ層)と傾斜層(皮膜)によって、皮膜の処理対象部材に対する密着性を高めることができる。このため、処理対象部材として、皮膜との硬度差が比較的大きいステンレス鋼材を用いた場合であっても、DLCの皮膜は剥がれにくくなる。このような皮膜付き部材は、燃料噴射機構のバネのような、変形する部品にも好適に用いることができる。
また、プラズマイオン注入により形成された炭素リッチ層には、浸炭のような熱処理によって形成された層とは異なって、クロムカーバイド(Cr−C)の析出は生じていないため、粒界腐食などによって耐腐食性が低下することがない。このため、仮にDLC皮膜にピンホールや割れが存在していても、腐食性物質が滲み込んで処理対象部材11に接触しても、腐食が抑えられる。特に、皮膜付き部材をディーゼルエンジンの燃料噴射機構の部品に用いた場合は、硫酸等の腐食性物質に晒されやすいが、その場合も腐食を抑えられる。
そして、この方法によって得られた皮膜付き部材は、皮膜の剥がれが抑えられることから、皮膜の持つ高い耐摩耗性、耐腐食性を長期にわたり維持できる。
また、炭素リッチ層と皮膜の形成を、プラズマイオン注入成膜法を用いて同じ処理空間で行うことで、1つのプロセスで連続的に行うことができる。
以上、本発明の皮膜形成装置、皮膜形成方法、および皮膜付き部材について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態および例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 皮膜形成装置
11 処理対象部材
11a 炭素リッチ層
12 処理容器
14 プラズマ生成素子(電極板)
16 高周波電源
18 マッチングボックス
20 パルス電圧供給部
22 制御部
28 ガス供給装置
100皮膜付き部材
102 皮膜

Claims (8)

  1. ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する皮膜形成方法であって、
    炭素を含む改質剤を用いてプラズマを生成して前記改質剤をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンを前記処理対象部材に注入することにより、前記処理対象部材の表面を改質して炭素リッチ層を形成する第1のステップと、
    炭素を含む皮膜原料を用いてプラズマを生成し、前記炭素リッチ層の表面に膜を形成し、さらに、前記皮膜原料をイオンにし、前記処理対象部材に電圧を印加して前記イオンを前記膜に注入することにより、前記炭素リッチ層の上に前記皮膜を形成する第2のステップと、を備えることを特徴とする皮膜形成方法。
  2. 前記第1のステップと前記第2のステップは、同じ処理空間内で行う、請求項1に記載の皮膜形成方法。
  3. 前記第1のステップを200度以下の温度で行う、請求項1または2に記載の皮膜形成方法。
  4. 前記第1のステップでは、表面硬さがHV600以上、表面粗さRkuが4.5以下の前記炭素リッチ層を形成するよう調整された電圧値の電圧を前記処理対象部材に印加する、請求項1から3のいずれか1項に記載の皮膜形成方法。
  5. 前記第2のステップでは、前記第1のステップで前記処理対象部材に印加される電圧の電圧値よりも小さい電圧値の電圧を前記処理対象部材に印加する、請求項4に記載の皮膜形成方法。
  6. 前記ステンレス鋼材は、オーステナイト系ステンレスを材質とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の皮膜形成方法。
  7. ステンレス鋼材である処理対象部材の表面にプラズマを用いて非晶質炭素の皮膜を形成する皮膜形成装置であって、
    処理空間内で、炭素を含む物質を用いてプラズマを生成するプラズマ生成部と、
    前記プラズマの生成後、前記処理空間内に配置された前記処理対象部材に電圧を印加する電圧供給部と、
    前記プラズマ生成部および前記電圧供給部を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記処理対象部材の表面に炭素リッチ層を形成するために、前記処理対象部材に第1の電圧値の電圧を印加し、さらに、前記炭素リッチ層の上に前記皮膜を形成するために前記第1の電圧値より小さい第2の電圧値の電圧を印加するよう、前記電圧供給部を制御することを特徴とする皮膜形成装置。
  8. ステンレス鋼材である処理対象部材の表面の一部をなす炭素リッチ層と、前記炭素リッチ層の表面に形成された非晶質炭素の皮膜と、を備え、
    前記炭素リッチ層は、表面硬さがHV600以上、1800以下であり、表面粗さRkuが4.5以下であることを特徴とする皮膜付き部材。
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